JP2004197863A - 天然ガス需給調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】CNG船の稼働率や安全性を高める一方、ガスの需要の変化に柔軟に対応する。
【解決手段】圧縮天然ガス(CNG)aを減圧して需要先に送給する一方、その一部を減圧してガスハイドレート製造設備4に導入する。このガスハイドレート製造設備4で水cと反応させて水と天然ガスの水和物である天然ガスハイドレート(NGH)bを生成する。この天然ガスハイドレートcを貯槽5内に貯蔵し、ガス需要増加時に、貯槽5内に蓄えた天然ガスハイドレートbを加熱器14により加熱して再ガス化する。
【選択図】 図1
【解決手段】圧縮天然ガス(CNG)aを減圧して需要先に送給する一方、その一部を減圧してガスハイドレート製造設備4に導入する。このガスハイドレート製造設備4で水cと反応させて水と天然ガスの水和物である天然ガスハイドレート(NGH)bを生成する。この天然ガスハイドレートcを貯槽5内に貯蔵し、ガス需要増加時に、貯槽5内に蓄えた天然ガスハイドレートbを加熱器14により加熱して再ガス化する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、輸入した圧縮天然ガス(CNG:Compressed Natural Gas)の一部をガスハイドレート生成設備で天然ガスハイドレート(NGH)に変換して貯槽内に貯蔵し、ガス需要増加時に、貯槽内の天然ガスハイドレート(NGH)を再ガス化させる天然ガス需給調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、LNG(液化天然ガス)に代わる天然ガスの輸送方式として、海外の天然ガスを高圧下(例えば、250〜300気圧)で圧力容器(例えば、ボンベや蛇管などの圧力容器)に充填した後、圧力容器ごと運搬船に積載してガス需要地に輸送する新たな構想が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
「川汽、CNG輸送の実用化で研究開発 新技術が勃興、新たな輸送形態を追求」,隔月刊COMPASS 11月号,株式会社海事プレス社,2002年11月15日,p.22〜23
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この圧縮ガス輸送方式は、従来の液化方式(LNG)に比べて設備が簡単である上(圧縮機と冷却水ポンプとが主要機器である。)、天然ガスが保有する本来のエネルギーを消費する割合がLNGに比べて少ないと云われている(LNGの半分以下)。
【0005】
しかし、荷揚げ地において、輸送容器(圧力容器)そのものを貯蔵施設として利用するため、輸送船(CNG船)の稼働率が極めて悪く、経済性に難点があると云われている。また、荷揚げした輸送容器(圧力容器)を貯蔵する貯蔵場所の確保が困難である。更に、高圧の圧縮天然ガス(CNG)を、そのまま市中に送出する場合は、問題が無いとしても、それを貯蔵する場合には、危険を回避することが困難になる。
【0006】
他方、ガスの需要は、時々刻々、変化する。特に、昼夜の変化、或いは、季節間の変化が著しいため、ガスを供給するガス供給サイド(ガス事業者)から見ると、ガスの一時貯蔵は不可欠である。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、CNG船の稼働率や安全性を高める一方、ガスの需要の変化に柔軟に対応することができる天然ガス需給調整方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の天然ガス需給調整方法は、圧縮天然ガスを減圧して需要先に送給する一方、その一部を減圧してガスハイドレート製造設備に導入し、該ガスハイドレート製造設備で水と反応させて水と天然ガスの水和物である天然ガスハイドレートを生成し、該天然ガスハイドレートを貯槽内に貯蔵し、ガス需要増加時に、前記貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを加熱器により加熱して再ガス化させることを特徴とするものである。
【0009】
ここで、本発明の天然ガス需給調整方法は、ガス需要増加時に、貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを、前記貯槽とポンプ及び加熱器を含んだ循環経路に沿って循環させることを特徴とするものである。
【0010】
他方、本発明の天然ガス需給調整方法は、圧縮天然ガスを減圧して需要先に送給する一方、その一部及び水を、気液混合器を経て管体を蛇行させて形成させたガスハイドレート生成器内に導入し、該ガスハイドレート生成器の管路内を通過する間に水と天然ガスとを反応させて水と天然ガスの水和物である天然ガスハイドレートを生成し、該天然ガスハイドレートを固液分離器を兼ねる貯槽内に貯蔵し、ガス需要増加時に、前記貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを加熱器により加熱して再ガス化させることを特徴とするものである。
【0011】
ここで、本発明の天然ガス需給調整方法は、ガス需要増加時に、貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを、前記貯槽とポンプ及び加熱器を含んだ循環経路に沿って循環させることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0013】
図1は本発明の天然ガス需給調整方法を実施する設備の概略構成図であり、図2は天然ガスハイドレート製造設備の概略構成図である。
【0014】
図1に示すように、輸送容器又は圧力容器(図示せず)から導入された圧縮天然ガス(CNG) aは、主管1を経て市中(需要者)に供給されるようになっている。その際、圧縮天然ガス(ガス圧:250〜300kg/cm2 )aは、減圧弁2により減圧(例えば、50〜70kg/cm2 )された後、加臭及び脱湿装置3により加臭及び脱湿される。
【0015】
他方、圧縮天然ガスaの一部は、ガスハイドレート製造設備4によって天然ガスハイドレート(NGH)bに変換された後、一旦、貯槽5に貯蔵されるようになっている。ここで、天然ガスハイドレート生成の平衡条件は、例えば、温度(t)が10℃、圧力(p)が3.1Mpaに設定されている。
【0016】
更に、具体的に説明すると、圧縮天然ガスaの一部は、減圧弁20によって減圧された後、分岐管6を経てガスハイドレート製造設備4に導入される。このガスハイドレート製造設備4は、図2に示すように、生成槽7及び冷凍機8を主体としており、生成槽7の底部近傍に設けたガス噴射管9から生成槽7内に蓄えられた水cの中に天然ガスa’を噴出させると、水cと天然ガスa’とが反応して水と天然ガスの水和物であるガスハイドレートbが生成される。ガスハイドレートの生成時に発生する反応熱は、例えば、圧縮式、吸収式、吸着式などの冷凍機8によって除熱される。
【0017】
このガスハイドレート製造設備4について補足説明すると、生成槽7内の未反応ガスa’は、戻し管10を経て分岐管6に戻され、再度、ガス噴射管9から生成槽7の水cに中に噴出される。一方、生成槽7内の水cは、給水管11から補給される。
【0018】
生成槽7内に蓄積された天然ガスハイドレートbは、スラリー又はシャーベット状を呈しているから、第1のスラリーポンプ12によって貯槽5に向けて送出される。この貯槽5内に貯蔵された天然ガスハイドレートbは、ガス需要増加時に、再ガス化されて主管1に戻される。
【0019】
図1に示すように、貯槽5は、当該貯槽5と、第2のスラリーポンプ13及び加熱器14を含んだ循環回路15を備えている。そして、ガス需要増加時に、第2のスラリーポンプ13を運転すると、貯槽5内のスラリー状の天然ガスハイドレートbは、上記循環回路15にしたがって系内を循環する。その時、加熱器14に熱媒dを導入すると、スラリー状の天然ガスハイドレートbが加熱分解し、天然ガスa’が再生される。この天然ガスa’は、配管16、貯槽5及び枝管17を通って主管1に導入される。再ガス化時に生じた水cは、流量調整弁18を経て貯水槽19に戻される。
【0020】
尚、減圧前の圧縮天然ガス(CNG)aで天然ガスハイドレート(NGH)を生成する場合は、生成温度が25℃程度となり、反応熱を除熱する冷凍機を不要にすることができる。
【0021】
また、図1において、破線で示した経路は、貯槽5内に貯蔵したスラリー状の天然ガスハイドレート(NGH)bを再ガス化(分解ガス化)して市中に天然ガスを供給する場合を示すものであるが、CNG船(図示せず)が岸壁に着船した時に、より高いガスデマンド(ガス需要)がある場合には、貯蔵と同時に、分解ガス化が可能である。その際、送出圧が上記の生成条件下では、熱源として、海水で十分であるが、減圧前の圧力を条件にする場合には、廃熱などの常温よりやや高い熱源が必要となる。
【0022】
次に、図3を用いて本発明の天然ガス需給調整方法の実施に適用する設備の他の実施形態について説明する。尚、第1の実施形態(図1参照)の機器と同じ機器には、同じ符号を付けて詳しい説明を省略することとする。
【0023】
この実施の形態では、圧縮天然ガス(CNG)aを減圧弁2で減圧後、加臭及び脱湿装置3で加臭及び脱湿させて需要先に送給するようになっている。
【0024】
一方、主管1から分岐した分岐管6に接続させた気液混合器21には、圧縮天然ガスaの一部と水cとが導入される。これらの被処理物a及びcは、減圧弁22を経て管体23をジグザクに蛇行させて形成させたガスハイドレート生成器24内に導入されるが、減圧弁22によって減圧(例えば、50〜70kg/cm2 )される際に均一に混合される。均一に混合した天然ガスと水とは、管体23を通過する間に天然ガスと水との水和物である天然ガスハイドレートbとなる。この天然ガスハイドレートbは、スラリー状となるが、その濃度は、30%未満が望ましい。
【0025】
ここで、天然ガスハイドレートの生成時に、例えば、200kg/cm2 の圧縮天然ガス(CNG)aを、そのまま、使用することも可能であるが、循環水ポンプ25が著しく高圧となるため、ガス供給圧力程度が現実的である。
【0026】
上記のガスハイドレート生成器24で生成された天然ガスハイドレートbは、固液分離器を兼ねる貯槽26内に貯蔵される。この実施形態では、固液分離器を兼ねる貯槽26と、第2のスラリーポンプ13及び加熱器14により循環回路15’が形成され、ガス需要増加時に、貯槽26内に蓄えた天然ガスハイドレートbが循環加熱される。図中、27は流量調整弁、28は除熱器、29は循環水ポンプを示している。
【0027】
【発明の効果】
上記のように、本発明の一つは、圧縮天然ガスを減圧して需要先に送給する一方、その一部を減圧してガスハイドレート製造設備に導入し、該ガスハイドレート製造設備で水と反応させて水と天然ガスの水和物である天然ガスハイドレートを生成し、該天然ガスハイドレートを貯槽内に貯蔵し、ガス需要増加時に、前記貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを加熱器により加熱して再ガス化させるようにしたので、CNG船の稼働率や、安全性を高めることが可能になった。また、ガスの需要の変化、すなわち、昼夜の変化、或いは、季節間の変化に柔軟に対応することがことが可能になった。
【0028】
他方、本発明の他の一つは、圧縮天然ガスを減圧して需要先に送給する一方、その一部及び水を、気液混合器を経て管体を蛇行させて形成させたガスハイドレート生成器内に導入し、該ガスハイドレート生成器の管路内を通過する間に水と天然ガスとを反応させて水と天然ガスの水和物である天然ガスハイドレートを生成し、該天然ガスハイドレートを固液分離器を兼ねる貯槽内に貯蔵し、ガス需要増加時に、前記貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを加熱器により加熱して再ガス化させるようにしたので、CNG船の稼働率や、安全性を高めることが可能になった。また、ガスの需要の変化、すなわち、昼夜の変化、或いは、季節間の変化に柔軟に対応することがことが可能になった。その上、通常のガス圧に比べて、より高圧のガスを取り扱うことが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の天然ガス需給調整方法を実施する設備の概略構成図である。
【図2】天然ガスハイドレート製造設備の概略構成図である。
【図3】本発明の天然ガス需給調整方法を実施する設備の他の概略構成図である。
【符号の説明】
a 圧縮天然ガス
b 天然ガスハイドレート
c 水
4 ガスハイドレート製造設備
5 貯槽
14 加熱器
【発明の属する技術分野】
本発明は、輸入した圧縮天然ガス(CNG:Compressed Natural Gas)の一部をガスハイドレート生成設備で天然ガスハイドレート(NGH)に変換して貯槽内に貯蔵し、ガス需要増加時に、貯槽内の天然ガスハイドレート(NGH)を再ガス化させる天然ガス需給調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近時、LNG(液化天然ガス)に代わる天然ガスの輸送方式として、海外の天然ガスを高圧下(例えば、250〜300気圧)で圧力容器(例えば、ボンベや蛇管などの圧力容器)に充填した後、圧力容器ごと運搬船に積載してガス需要地に輸送する新たな構想が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
「川汽、CNG輸送の実用化で研究開発 新技術が勃興、新たな輸送形態を追求」,隔月刊COMPASS 11月号,株式会社海事プレス社,2002年11月15日,p.22〜23
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この圧縮ガス輸送方式は、従来の液化方式(LNG)に比べて設備が簡単である上(圧縮機と冷却水ポンプとが主要機器である。)、天然ガスが保有する本来のエネルギーを消費する割合がLNGに比べて少ないと云われている(LNGの半分以下)。
【0005】
しかし、荷揚げ地において、輸送容器(圧力容器)そのものを貯蔵施設として利用するため、輸送船(CNG船)の稼働率が極めて悪く、経済性に難点があると云われている。また、荷揚げした輸送容器(圧力容器)を貯蔵する貯蔵場所の確保が困難である。更に、高圧の圧縮天然ガス(CNG)を、そのまま市中に送出する場合は、問題が無いとしても、それを貯蔵する場合には、危険を回避することが困難になる。
【0006】
他方、ガスの需要は、時々刻々、変化する。特に、昼夜の変化、或いは、季節間の変化が著しいため、ガスを供給するガス供給サイド(ガス事業者)から見ると、ガスの一時貯蔵は不可欠である。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、CNG船の稼働率や安全性を高める一方、ガスの需要の変化に柔軟に対応することができる天然ガス需給調整方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の天然ガス需給調整方法は、圧縮天然ガスを減圧して需要先に送給する一方、その一部を減圧してガスハイドレート製造設備に導入し、該ガスハイドレート製造設備で水と反応させて水と天然ガスの水和物である天然ガスハイドレートを生成し、該天然ガスハイドレートを貯槽内に貯蔵し、ガス需要増加時に、前記貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを加熱器により加熱して再ガス化させることを特徴とするものである。
【0009】
ここで、本発明の天然ガス需給調整方法は、ガス需要増加時に、貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを、前記貯槽とポンプ及び加熱器を含んだ循環経路に沿って循環させることを特徴とするものである。
【0010】
他方、本発明の天然ガス需給調整方法は、圧縮天然ガスを減圧して需要先に送給する一方、その一部及び水を、気液混合器を経て管体を蛇行させて形成させたガスハイドレート生成器内に導入し、該ガスハイドレート生成器の管路内を通過する間に水と天然ガスとを反応させて水と天然ガスの水和物である天然ガスハイドレートを生成し、該天然ガスハイドレートを固液分離器を兼ねる貯槽内に貯蔵し、ガス需要増加時に、前記貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを加熱器により加熱して再ガス化させることを特徴とするものである。
【0011】
ここで、本発明の天然ガス需給調整方法は、ガス需要増加時に、貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを、前記貯槽とポンプ及び加熱器を含んだ循環経路に沿って循環させることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0013】
図1は本発明の天然ガス需給調整方法を実施する設備の概略構成図であり、図2は天然ガスハイドレート製造設備の概略構成図である。
【0014】
図1に示すように、輸送容器又は圧力容器(図示せず)から導入された圧縮天然ガス(CNG) aは、主管1を経て市中(需要者)に供給されるようになっている。その際、圧縮天然ガス(ガス圧:250〜300kg/cm2 )aは、減圧弁2により減圧(例えば、50〜70kg/cm2 )された後、加臭及び脱湿装置3により加臭及び脱湿される。
【0015】
他方、圧縮天然ガスaの一部は、ガスハイドレート製造設備4によって天然ガスハイドレート(NGH)bに変換された後、一旦、貯槽5に貯蔵されるようになっている。ここで、天然ガスハイドレート生成の平衡条件は、例えば、温度(t)が10℃、圧力(p)が3.1Mpaに設定されている。
【0016】
更に、具体的に説明すると、圧縮天然ガスaの一部は、減圧弁20によって減圧された後、分岐管6を経てガスハイドレート製造設備4に導入される。このガスハイドレート製造設備4は、図2に示すように、生成槽7及び冷凍機8を主体としており、生成槽7の底部近傍に設けたガス噴射管9から生成槽7内に蓄えられた水cの中に天然ガスa’を噴出させると、水cと天然ガスa’とが反応して水と天然ガスの水和物であるガスハイドレートbが生成される。ガスハイドレートの生成時に発生する反応熱は、例えば、圧縮式、吸収式、吸着式などの冷凍機8によって除熱される。
【0017】
このガスハイドレート製造設備4について補足説明すると、生成槽7内の未反応ガスa’は、戻し管10を経て分岐管6に戻され、再度、ガス噴射管9から生成槽7の水cに中に噴出される。一方、生成槽7内の水cは、給水管11から補給される。
【0018】
生成槽7内に蓄積された天然ガスハイドレートbは、スラリー又はシャーベット状を呈しているから、第1のスラリーポンプ12によって貯槽5に向けて送出される。この貯槽5内に貯蔵された天然ガスハイドレートbは、ガス需要増加時に、再ガス化されて主管1に戻される。
【0019】
図1に示すように、貯槽5は、当該貯槽5と、第2のスラリーポンプ13及び加熱器14を含んだ循環回路15を備えている。そして、ガス需要増加時に、第2のスラリーポンプ13を運転すると、貯槽5内のスラリー状の天然ガスハイドレートbは、上記循環回路15にしたがって系内を循環する。その時、加熱器14に熱媒dを導入すると、スラリー状の天然ガスハイドレートbが加熱分解し、天然ガスa’が再生される。この天然ガスa’は、配管16、貯槽5及び枝管17を通って主管1に導入される。再ガス化時に生じた水cは、流量調整弁18を経て貯水槽19に戻される。
【0020】
尚、減圧前の圧縮天然ガス(CNG)aで天然ガスハイドレート(NGH)を生成する場合は、生成温度が25℃程度となり、反応熱を除熱する冷凍機を不要にすることができる。
【0021】
また、図1において、破線で示した経路は、貯槽5内に貯蔵したスラリー状の天然ガスハイドレート(NGH)bを再ガス化(分解ガス化)して市中に天然ガスを供給する場合を示すものであるが、CNG船(図示せず)が岸壁に着船した時に、より高いガスデマンド(ガス需要)がある場合には、貯蔵と同時に、分解ガス化が可能である。その際、送出圧が上記の生成条件下では、熱源として、海水で十分であるが、減圧前の圧力を条件にする場合には、廃熱などの常温よりやや高い熱源が必要となる。
【0022】
次に、図3を用いて本発明の天然ガス需給調整方法の実施に適用する設備の他の実施形態について説明する。尚、第1の実施形態(図1参照)の機器と同じ機器には、同じ符号を付けて詳しい説明を省略することとする。
【0023】
この実施の形態では、圧縮天然ガス(CNG)aを減圧弁2で減圧後、加臭及び脱湿装置3で加臭及び脱湿させて需要先に送給するようになっている。
【0024】
一方、主管1から分岐した分岐管6に接続させた気液混合器21には、圧縮天然ガスaの一部と水cとが導入される。これらの被処理物a及びcは、減圧弁22を経て管体23をジグザクに蛇行させて形成させたガスハイドレート生成器24内に導入されるが、減圧弁22によって減圧(例えば、50〜70kg/cm2 )される際に均一に混合される。均一に混合した天然ガスと水とは、管体23を通過する間に天然ガスと水との水和物である天然ガスハイドレートbとなる。この天然ガスハイドレートbは、スラリー状となるが、その濃度は、30%未満が望ましい。
【0025】
ここで、天然ガスハイドレートの生成時に、例えば、200kg/cm2 の圧縮天然ガス(CNG)aを、そのまま、使用することも可能であるが、循環水ポンプ25が著しく高圧となるため、ガス供給圧力程度が現実的である。
【0026】
上記のガスハイドレート生成器24で生成された天然ガスハイドレートbは、固液分離器を兼ねる貯槽26内に貯蔵される。この実施形態では、固液分離器を兼ねる貯槽26と、第2のスラリーポンプ13及び加熱器14により循環回路15’が形成され、ガス需要増加時に、貯槽26内に蓄えた天然ガスハイドレートbが循環加熱される。図中、27は流量調整弁、28は除熱器、29は循環水ポンプを示している。
【0027】
【発明の効果】
上記のように、本発明の一つは、圧縮天然ガスを減圧して需要先に送給する一方、その一部を減圧してガスハイドレート製造設備に導入し、該ガスハイドレート製造設備で水と反応させて水と天然ガスの水和物である天然ガスハイドレートを生成し、該天然ガスハイドレートを貯槽内に貯蔵し、ガス需要増加時に、前記貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを加熱器により加熱して再ガス化させるようにしたので、CNG船の稼働率や、安全性を高めることが可能になった。また、ガスの需要の変化、すなわち、昼夜の変化、或いは、季節間の変化に柔軟に対応することがことが可能になった。
【0028】
他方、本発明の他の一つは、圧縮天然ガスを減圧して需要先に送給する一方、その一部及び水を、気液混合器を経て管体を蛇行させて形成させたガスハイドレート生成器内に導入し、該ガスハイドレート生成器の管路内を通過する間に水と天然ガスとを反応させて水と天然ガスの水和物である天然ガスハイドレートを生成し、該天然ガスハイドレートを固液分離器を兼ねる貯槽内に貯蔵し、ガス需要増加時に、前記貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを加熱器により加熱して再ガス化させるようにしたので、CNG船の稼働率や、安全性を高めることが可能になった。また、ガスの需要の変化、すなわち、昼夜の変化、或いは、季節間の変化に柔軟に対応することがことが可能になった。その上、通常のガス圧に比べて、より高圧のガスを取り扱うことが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の天然ガス需給調整方法を実施する設備の概略構成図である。
【図2】天然ガスハイドレート製造設備の概略構成図である。
【図3】本発明の天然ガス需給調整方法を実施する設備の他の概略構成図である。
【符号の説明】
a 圧縮天然ガス
b 天然ガスハイドレート
c 水
4 ガスハイドレート製造設備
5 貯槽
14 加熱器
Claims (4)
- 圧縮天然ガスを減圧して需要先に送給する一方、その一部を減圧してガスハイドレート製造設備に導入し、該ガスハイドレート製造設備で水と反応させて水と天然ガスの水和物である天然ガスハイドレートを生成し、該天然ガスハイドレートを貯槽内に貯蔵し、ガス需要増加時に、前記貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを加熱器により加熱して再ガス化させることを特徴とする天然ガス需給調整方法。
- ガス需要増加時に、貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを、前記貯槽とポンプ及び加熱器を含んだ循環経路に沿って循環させることを特徴とする請求項1記載の天然ガス需給調整方法。
- 圧縮天然ガスを減圧して需要先に送給する一方、その一部及び水を、気液混合器を経て管体を蛇行させて形成させたガスハイドレート生成器内に導入し、該ガスハイドレート生成器の管路内を通過する間に水と天然ガスとを反応させて水と天然ガスの水和物である天然ガスハイドレートを生成し、該天然ガスハイドレートを固液分離器を兼ねる貯槽内に貯蔵し、ガス需要増加時に、前記貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを加熱器により加熱して再ガス化させることを特徴とする天然ガス需給調整方法。
- ガス需要増加時に、貯槽内に蓄えた天然ガスハイドレートを、前記貯槽とポンプ及び加熱器を含んだ循環経路に沿って循環させることを特徴とする請求項3記載の天然ガス需給調整方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002368292A JP2004197863A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 天然ガス需給調整方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002368292A JP2004197863A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 天然ガス需給調整方法 |
Publications (1)
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JP (1) | JP2004197863A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008232258A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | ガスハイドレート再ガス化装置 |
JP2016030254A (ja) * | 2014-07-30 | 2016-03-07 | 三井造船株式会社 | ガスハイドレート生成装置 |
-
2002
- 2002-12-19 JP JP2002368292A patent/JP2004197863A/ja active Pending
Cited By (2)
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JP2008232258A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd | ガスハイドレート再ガス化装置 |
JP2016030254A (ja) * | 2014-07-30 | 2016-03-07 | 三井造船株式会社 | ガスハイドレート生成装置 |
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