JP2004197810A - バルブ制御方法及びバルブ制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】配管に取付けられている複数のバルブからなるパイプラインにおいて、ラインアップする際に、アイソレーションバルブを任意に決定することで、バルブの操作制御を簡略化できると共に、配管の閉塞状態を回避できるようにしたバルブ制御方法及びバルブ制御システムを提供する。
【解決手段】バルブ制御方法は、複数のバルブを介在させて複数の配管を連結してなるパイプラインであって、特定の配管を連結してラインアップする際に、この特定の配管から枝分けする最初のバルブを一次アイソレーションバルブとし、この一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが開のときは、この一次アイソレーションバルブをアイソレーションバルブとして閉操作し、一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが閉のときは、この閉のバルブをアイソレーションバルブとすることである。
【選択図】 図1
【解決手段】バルブ制御方法は、複数のバルブを介在させて複数の配管を連結してなるパイプラインであって、特定の配管を連結してラインアップする際に、この特定の配管から枝分けする最初のバルブを一次アイソレーションバルブとし、この一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが開のときは、この一次アイソレーションバルブをアイソレーションバルブとして閉操作し、一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが閉のときは、この閉のバルブをアイソレーションバルブとすることである。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルブ制御方法及びバルブ制御システムに関するものであり、詳しくは、石油製油所等において、油の移送やブレンド作業を行う際に、通油経路を確保(以降、ラインアップと呼ぶ)する目的で、前もって必要なバルブの開閉操作が行われる。その際、バルブが自動化されていない場合、バルブの開閉操作を手動で行わなければならず、労力を要する。
従って、できるだけ不要な操作を減らすことが求められる現状において、本発明は、製油所において、ラインアップを行う際に、閉操作されるバルブ(以降、アイソレーションバルブと呼ぶ)を柔軟に決定し、より低コストな操業を実現させるための機能を備えたバルブ制御方法及びバルブ制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術におけるバルブを介在させた配管からなるパイプラインの一例は、図6に示すように、第1の配管11から枝分かれする位置にバルブAを配置し、そのバルブAの先方に第2の配管12を設け、この第2の配管12の後方にバルブBを介在させて第3の配管13を設け、第2の配管12の後方にバルブCを介在させて第4の配管14を設けたものがある。
【0003】
今、第1の配管11をラインアップする際に、目的外の方向へ油が流出することを防ぐため、枝分かれする配管上のバルブを閉める必要がある。この場合、実際に油が流れる第1の配管11から枝分かれするバルブAを、一意的にアイソレーションバルブとして、閉操作をする。
【0004】
このように、製油所には、通常数千個ものバルブが存在する。そのために、ラインアップする際、閉操作バルブを決定することは、一般に容易ではない。そこで、油を流す経路ごとに、事前にアイソレーションバルブとなるべきバルブを登録しておき、経路が決まった時点で、登録されているバルブを単純に呼び出す方式をとっている。このとき、バルブ登録数を最小にするために、通常、岐分かれする配管上に、最初に現れるバルブをアイソレーションバルブとして登録対象としていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−175221号公報 (第3頁 第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術で説明したバルブのアイソレーションバルブであると登録するとしても、図6において、バルブB及びバルブCが既に閉まっていた場合、バルブAが開いたままであっても油は流出せず、閉操作は必要ない。
しかし、従来技術で説明したバルブの制御方法であると、常にバルブAがアイソレーションバルブとされるために、結果的に無駄な操作を要する場合があるという問題がある。
【0007】
又、バルブには遠隔操作が可能な自動バルブと、現場での操作が必要な手動バルブがある。図6において、バルブAが手動バルブ、バルブB及びバルブCが自動バルブだった場合、バルブAを閉めるよりも、バルブB及びバルブCを閉めるほうが遠隔操作で閉めることができるため、人的労力は少なくてすむ。
しかし、従来技術では、このような状況を考慮せずにアイソレーションバルブが決定されると、例え、手動バルブであっても閉操作をする必要があり、そのぶん不必要な労力を生じさせる場合がある。
【0008】
従って、ラインアップ等のアイソレーションバルブの決定を、現場の状況に応じて柔軟に行うことにより、不要なバルブ操作を減らすことに解決しなければならない課題を有する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るバルブ制御方法及びバルブ制御システムは、次に示す構成にすることである。
【0010】
(1)バルブ制御方法は、複数のバルブを介在させて複数の配管を連結してなるパイプラインであって、特定の配管から枝分けする最初のバルブを一次アイソレーションバルブとし、該一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが開のときは、該一次アイソレーションバルブをアイソレーションバルブとして閉操作し、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが閉のときは、該閉のバルブをアイソレーションバルブとすることである。
又、(2)前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが自動バルブであるときには、この自動バルブのバルブをアイソレーションバルブとする(1)に記載のバルブ制御方法。
(3)前記一次アイソレーションバルブが手動バルブであるときに、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが自動バルブであるときは、この自動バルブのバルブをアイソレーションバルブとする(1)に記載のバルブ制御方法。
(4)前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該両者のバルブが閉のときは該両者のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(1)に記載のバルブ制御方法。
(5)前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該両者のバルブが自動バルブであるときは、該両者のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(1)に記載のバルブ制御方法。
(6)前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該前方のバルブが閉の状態で、前記後方のバルブが自動バルブであるときは、該後方のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(1)に記載のバルブ制御方法。
【0011】
(7)バルブ制御システムは、複数のバルブを介在させて複数の配管を連結してなるパイプラインにおいて、特定の配管から枝分けする最初のバルブを一次アイソレーションバルブとする第1の制御手段と、該一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが開のときは、該一次アイソレーションバルブをアイソレーションバルブとして閉操作し、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが閉のときは、該閉のバルブをアイソレーションバルブとする第2の制御手段と、を備えたことである。
又、(8)前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが自動バルブであるときには、この自動バルブのバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(7)に記載のバルブ制御システム。
(9)前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブが手動バルブであるときに、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが自動バルブであるときは、この自動バルブのバルブをアイソレーションバルブとする(7)に記載のバルブ制御システム。
(10)前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該両者のバルブが閉のときは該両者のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(7)に記載のバルブ制御システム。
(11)前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該両者のバルブが自動バルブであるときは、該両者のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(7)に記載のバルブ制御システム。
(12)前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該前方のバルブが閉の状態で、後方のバルブが自動バルブであるときは、該後方のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(7)に記載のバルブ制御システム。
【0012】
このように、ラインアップする配管から枝分かれするバルブを一次アイソレーションバルブと決定した後に、その一次アイソレーションバルブの後方のバルブが閉の状態であるかを検索し、もし、閉の状態のバルブが存在している場合には、その閉のバルブにより油の流出が防止できるから、その閉のバルブをアイソレーションバルブに決定することにより、無駄なバルブの操作を防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るバルブ制御方法及びバルブ制御システムの実施形態について、図面を参照して説明する。尚、従来技術で説明したものと同一のものには同一符号を付与して説明する。
【0014】
本願発明に係る第1の実施形態であるところの、複数のバルブを制御するバルブ制御方法を具現化することができるバルブ制御システムは、パイプラインを形成するものであり、その一例は、図1に示すように、第1の配管11から枝分かれする位置にバルブAを配置し、そのバルブAの先方に第2の配管12を設け、第2の配管12の後方にバルブBを介在させて第3の配管13を設け、第2の配管12の先方にバルブCを介在させて第4の配管14を設け、バルブA、バルブB、バルブCが自動バルブの場合には遠隔開閉操作の制御をする制御部15を設けた構成になっている。
【0015】
このような構成において、制御部15は、ラインアップ時のアイソレーションバルブを、バルブの状態や種別に応じて決定する構成になっている。具体的には、図1に示すバルブAを起点(以降、一次アイソレーションバルブと呼ぶ)とする第1の制御手段を有し、その先のバルブを回帰的に検索し、検索停止条件(バルブが閉じていた、など)を満たすまで検索を繰り返して、一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが閉のときは、この閉のバルブをアイソレーションバルブとする第2の制御手段とを有する。
【0016】
その結果、枝分かれした場所から先の配管、即ち、実施例の場合、第2の配管12、第3の配管13、第4の配管14の全てが、どこかのバルブ、実施例の場合、バルブB或いはバルブCが閉止されていた場合、閉操作が必要なバルブはない、と判断される。又、仮に、バルブBやバルブCが開いていたとしても、それらが自動バルブであり、同時にバルブAが手動バルブであった場合、バルブBとバルブCをアイソレーションバルブと決定する。そして、このアイソレーションバルブに決定されたバルブB及びバルブCが自動バルブであるため、遠隔にて閉操作することでラインアップが完成する。
【0017】
このように、本発明では、ラインアップ時のアイソレーションバルブを、バルブの状態や種別に応じて決定する。
【0018】
又、仮にバルブBやバルブCが開いていたとしても、それらが自動バルブであり、同時にバルブAが手動バルブであった場合は、バルブBとバルブCがアイソレーションバルブと定められる。バルブBとバルブCは遠隔にて閉操作制御できるからである。
【0019】
次に、ラインアップ時におけるアイソレーションバルブを決定するための手法について、図2及び図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0020】
先ず、油の流れる配管の枝分かれしている隣のバルブ、配管情報を全て抽出する。そして、そのバルブをアイソレーションバルブし、そのアイソレーションバルブとして先のバルブの検索をする(ステップST11、ST12)。
【0021】
ステップST12において、バルブの検索は、図3に示すように、先ず、全てのバルブの開閉の判断をし、全ての判断が終了した時点でバルブ及び配管情報の抽出が終了する(ステップST21)
【0022】
ステップST21において、全てのバルブの開閉の判断が終了していない場合には、開閉の判断がされていないバルブの検索して取り出す(ステップST22)。
【0023】
検索して取り出したバルブの中で開の状態のバルブがない場合には、該当アイソレーションバルブに仮決定してステップST21にジャンプする(ステップST23、ST24)。
【0024】
ステップST23で、開のバルブが存在する場合には、その隣りのバルブ、配管情報を抽出してステップST21にジャンプする(ステップST25)。
【0025】
図2に戻って、アイソレーションバルブと決定された先のバルブの検索が終了した時点で、一次アイソレーションバルブの先のバルブが最終的に閉じているかどうかを判断する(ステップST13)。
【0026】
ステップST13にて、一次アイソレーションバルブの先のバルブが最終的に閉じている場合には、バルブを閉じる必要がなく、アイソレーションバルブに仮決定しているバルブをアイソレーションバルブとする(ステップST14)。
【0027】
ステップST13において、一次アイソレーションバルブの先のバルブが最終的に閉じていない場合には、次に、閉じているバルブの種類を判断する(ステップST15)。
【0028】
ステップST15で、開いているバルブが自動弁のときは、アイソレーションバルブに仮決定していたバルブ(自動弁)をアイソレーションバルブに決定する(ステップST16)。
【0029】
ステップST15で開いているバルブが手動弁のときは、一次アイソレーションバルブをアイソレーションバルブに決定する(ステップST17)。
【0030】
以上のようにして、一次アイソレーションバルブの先のバルブが全て閉の状態のときは、一次アイソレーションバルブをアイソレーションバルブと決定する。そして、一次アイソレーションバルブの先の配管の両端のバルブが開の状態であるときに、その開の状態の両端のバルブが自動バルブであるときには、この両者のバルブをアイソレーションバルブと決定する。
又、一次アイソレーションバルブの先の配管の両端のバルブの何れかが開の状態であるときに、その開の状態の両端のバルブが自動バルブであるときには、この開の状態のバルブ(自動バルブ)をアイソレーションバルブと決定する。
【0031】
次に、本願発明に係る第2の実施形態のバルブ制御方法を具現化できるバルブ制御システムについて、図面を参照して説明する。
【0032】
本願発明に係る第2の実施形態のバルブ制御方法を具現化するバルブ制御システムは、図4に示すように、第1〜第5の配管11、12、13、14、16で構成され、それぞれの配管にバルブA、B、C、D、Eを設けた構成のバルブ制御システムである。その構成は、第1の配管11の枝分かれした位置にバルブAを取付け、そのバルブAの先方の第2の配管12の両端にバルブB及びバルブCを取付け、バルブBの後方に第3の配管13を取付け、バルブCの後方に第4の配管14の一方端を取付け、第4の配管の枝分かれした位置にバルブDを取付け、第4の配管の他方端にバルブEを取付け、バルブEの後方に第5の配管を取付けた構成になっており、バルブA、B、C、D、Eのうち自動バルブについては遠隔開閉操作を制御する制御部15を備えている。
【0033】
このような構成において、配管のラインアップする際のアイソレーションバルブを決定する手法について、以下説明する。
(a)先ず、第1の配管11から枝分かれする第2の配管12の配管情報を取得し、第1の配管11から枝分かれする位置に設けたバルブAを一次アイソレーションバルブとする。
(b)次に、バルブAが開いた場合、第2の配管12に接続する配管(第3の配管及び第4の配管13、14)を調べ、接続部分にあるバルブB及びバルブCの開閉状態を調べる。
(c)バルブBが閉じていた場合、このバルブの閉操作は不要と判断する。
(d)バルブCが開いていた場合、第4の配管13の後方の接続部にあるバルブD及びバルブEの開閉状態を調べる。
(e)バルブD及びバルブE共に閉じていた場合、これらのバルブの閉操作は不要と判断する。
(f)上記(a)〜(e)の結果、一次アイソレーションバルブであるバルブAから先の配管は、全て閉止されていたため、バルブAの閉操作は不要と判断される。
(g)上記(e)で、バルブDが開いていた場合は、更にその先の配管が調査される。その結果、バルブDから先は閉止されていないと判断された場合、一次アイソレーションバルブであるバルブAとバルブDが比較され、バルブDが自動バルブである場合には、バルブDがアイソレーションバルブに決定される。
【0034】
以上のようにして、一次アイソレーションバルブの先のバルブが全て閉であれば、一次アイソレーションバルブがアイソレーションバルブと決定し、一次アイソレーションバルブの先の配管の両端に取付けられている両者のバルブが開で、両者とも自動バルブである場合には、その両者のバルブがアイソレーションバルブと決定される。
【0035】
次に、本願発明に係る第3の実施形態のバルブ制御方法を具現化できるバルブ制御システムについて、図面を参照して説明する。
【0036】
本願発明に係る第3の実施形態のバルブ制御方法を具現化できるバルブ制御システムは、図5に示すように、流体が流れる第1の配管11の枝分かれした位置に設けたバルブAと、バルブAの先方位置に設けた第2の配管12と、この第2の配管12の後方位置に設けたバルブBと、第2の配管12の前方位置に設けたバルブCと、バルブBの前方に設けた第3の配管13と、バルブCの後方位置に設けた第4の配管14と、バルブA、バルブB、バルブCの開閉を制御する制御部15とからなる。
【0037】
これらの構成からなる配管状態のパイプラインにおいて、実施例の第2の配管12には過去に流された流体(油)が詰まった状態で残っている場合がある。このような状態で、バルブB及びバルブCが既に閉まっていた状態で更に、バルブAが閉じられた場合、これらの3つのバルブに囲まれた空間、即ち、第2の配管12内部は流体(油)が閉じ込まれた形になる(これを、以後、「閉塞」と呼ぶ)。この閉塞状態が生じると、温度上昇によって閉塞されている流体(油)が膨張し、その圧力でバルブが破損するおそれがある。従来において、この閉塞状態が容易に発生してしまうため、圧力を逃がすための機器、即ち、サーマルリリーフバルブを設置し、破損を防ぐなどの処置を講じる必要があった。
【0038】
しかし、本発明のアイソレーションバルブを任意に決定できる手法を採用すると、閉操作されるバルブ数が必要最小限に抑えられることから、閉塞状態の発生を未然に塞ぐことが可能になる。
【0039】
実施例において、現在バルブBが閉の状態、バルブCが自動バルブで現在開の状態、バルブAが手動バルブで現在開の状態であるとする。このときに、第1の配管11をラインアップしたときに、バルブCをアイソレーションバルブと決定することで、制御部15から遠隔操作によりバルブCを閉操作制御することで、第1の配管11をラインアップすると共に、第2の配管12はバルブAを開の状態に維持することで、第1の配管11と流通する状態となり閉塞状態にはならない。
【0040】
このように、従来からの操作では、第1の配管11をラインアップするときには、手動バルブであるバルブAを閉状態にすると共に、第2の配管12が閉塞状態になったときにサーマルリリーフバルブが設置されていることを確認することが必要になる。これに対して、アイソレーションバルブを任意に決定できるようにすると、閉塞状態を回避できるばかりでなく、自動バルブを選択してアイソレーションバルブに決定することで、制御部15から遠隔操作により閉操作制御でき、そのバルブが設置されている場所まで行ってバルブの操作をする必要がなくなるのである。
【0041】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明に係るバルブ制御方法及びバルブ制御システムは、アイソレーションバルブから先の配管が全て閉止されていた場合であっても、常にアイソレーションバルブの閉操作が必要であった従来技術に対して、アイソレーションバルブから先が閉止されている場合は、アイソレーションバルブの閉操作が不要となる。又、ラインアップの時点で閉止されていなかったとしても、開いているバルブの種別(自動バルブ、手動バルブ)を調べ、より人的労力の少ない方をアイソレーションバルブとすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のバルブ制御方法及びバルブ制御システムを具現化するバルブの配置状態を示した説明図である。
【図2】同、アイソレーションバルブを決定するためのフローチャートである。
【図3】同、アイソレーションバルブを決定するためのフローチャートである。
【図4】本発明に係る第2の実施形態のバルブ制御方法及びバルブ制御システムを具現化するバルブの配置状態を示した説明図である。
【図5】本発明に係る第3の実施形態のバルブ制御方法及びバルブ制御システムを具現化するバルブの配置状態を示した説明図である。
【図6】従来技術におけるバルブ制御方法を具現化するバルブの配置状態を示した説明図である。
【符号の説明】
11 第1の配管
12 第2の配管
13 第3の配管
14 第4の配管
15 制御部
16 第5の配管
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルブ制御方法及びバルブ制御システムに関するものであり、詳しくは、石油製油所等において、油の移送やブレンド作業を行う際に、通油経路を確保(以降、ラインアップと呼ぶ)する目的で、前もって必要なバルブの開閉操作が行われる。その際、バルブが自動化されていない場合、バルブの開閉操作を手動で行わなければならず、労力を要する。
従って、できるだけ不要な操作を減らすことが求められる現状において、本発明は、製油所において、ラインアップを行う際に、閉操作されるバルブ(以降、アイソレーションバルブと呼ぶ)を柔軟に決定し、より低コストな操業を実現させるための機能を備えたバルブ制御方法及びバルブ制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来技術におけるバルブを介在させた配管からなるパイプラインの一例は、図6に示すように、第1の配管11から枝分かれする位置にバルブAを配置し、そのバルブAの先方に第2の配管12を設け、この第2の配管12の後方にバルブBを介在させて第3の配管13を設け、第2の配管12の後方にバルブCを介在させて第4の配管14を設けたものがある。
【0003】
今、第1の配管11をラインアップする際に、目的外の方向へ油が流出することを防ぐため、枝分かれする配管上のバルブを閉める必要がある。この場合、実際に油が流れる第1の配管11から枝分かれするバルブAを、一意的にアイソレーションバルブとして、閉操作をする。
【0004】
このように、製油所には、通常数千個ものバルブが存在する。そのために、ラインアップする際、閉操作バルブを決定することは、一般に容易ではない。そこで、油を流す経路ごとに、事前にアイソレーションバルブとなるべきバルブを登録しておき、経路が決まった時点で、登録されているバルブを単純に呼び出す方式をとっている。このとき、バルブ登録数を最小にするために、通常、岐分かれする配管上に、最初に現れるバルブをアイソレーションバルブとして登録対象としていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−175221号公報 (第3頁 第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術で説明したバルブのアイソレーションバルブであると登録するとしても、図6において、バルブB及びバルブCが既に閉まっていた場合、バルブAが開いたままであっても油は流出せず、閉操作は必要ない。
しかし、従来技術で説明したバルブの制御方法であると、常にバルブAがアイソレーションバルブとされるために、結果的に無駄な操作を要する場合があるという問題がある。
【0007】
又、バルブには遠隔操作が可能な自動バルブと、現場での操作が必要な手動バルブがある。図6において、バルブAが手動バルブ、バルブB及びバルブCが自動バルブだった場合、バルブAを閉めるよりも、バルブB及びバルブCを閉めるほうが遠隔操作で閉めることができるため、人的労力は少なくてすむ。
しかし、従来技術では、このような状況を考慮せずにアイソレーションバルブが決定されると、例え、手動バルブであっても閉操作をする必要があり、そのぶん不必要な労力を生じさせる場合がある。
【0008】
従って、ラインアップ等のアイソレーションバルブの決定を、現場の状況に応じて柔軟に行うことにより、不要なバルブ操作を減らすことに解決しなければならない課題を有する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るバルブ制御方法及びバルブ制御システムは、次に示す構成にすることである。
【0010】
(1)バルブ制御方法は、複数のバルブを介在させて複数の配管を連結してなるパイプラインであって、特定の配管から枝分けする最初のバルブを一次アイソレーションバルブとし、該一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが開のときは、該一次アイソレーションバルブをアイソレーションバルブとして閉操作し、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが閉のときは、該閉のバルブをアイソレーションバルブとすることである。
又、(2)前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが自動バルブであるときには、この自動バルブのバルブをアイソレーションバルブとする(1)に記載のバルブ制御方法。
(3)前記一次アイソレーションバルブが手動バルブであるときに、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが自動バルブであるときは、この自動バルブのバルブをアイソレーションバルブとする(1)に記載のバルブ制御方法。
(4)前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該両者のバルブが閉のときは該両者のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(1)に記載のバルブ制御方法。
(5)前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該両者のバルブが自動バルブであるときは、該両者のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(1)に記載のバルブ制御方法。
(6)前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該前方のバルブが閉の状態で、前記後方のバルブが自動バルブであるときは、該後方のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(1)に記載のバルブ制御方法。
【0011】
(7)バルブ制御システムは、複数のバルブを介在させて複数の配管を連結してなるパイプラインにおいて、特定の配管から枝分けする最初のバルブを一次アイソレーションバルブとする第1の制御手段と、該一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが開のときは、該一次アイソレーションバルブをアイソレーションバルブとして閉操作し、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが閉のときは、該閉のバルブをアイソレーションバルブとする第2の制御手段と、を備えたことである。
又、(8)前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが自動バルブであるときには、この自動バルブのバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(7)に記載のバルブ制御システム。
(9)前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブが手動バルブであるときに、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが自動バルブであるときは、この自動バルブのバルブをアイソレーションバルブとする(7)に記載のバルブ制御システム。
(10)前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該両者のバルブが閉のときは該両者のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(7)に記載のバルブ制御システム。
(11)前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該両者のバルブが自動バルブであるときは、該両者のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(7)に記載のバルブ制御システム。
(12)前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該前方のバルブが閉の状態で、後方のバルブが自動バルブであるときは、該後方のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする(7)に記載のバルブ制御システム。
【0012】
このように、ラインアップする配管から枝分かれするバルブを一次アイソレーションバルブと決定した後に、その一次アイソレーションバルブの後方のバルブが閉の状態であるかを検索し、もし、閉の状態のバルブが存在している場合には、その閉のバルブにより油の流出が防止できるから、その閉のバルブをアイソレーションバルブに決定することにより、無駄なバルブの操作を防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るバルブ制御方法及びバルブ制御システムの実施形態について、図面を参照して説明する。尚、従来技術で説明したものと同一のものには同一符号を付与して説明する。
【0014】
本願発明に係る第1の実施形態であるところの、複数のバルブを制御するバルブ制御方法を具現化することができるバルブ制御システムは、パイプラインを形成するものであり、その一例は、図1に示すように、第1の配管11から枝分かれする位置にバルブAを配置し、そのバルブAの先方に第2の配管12を設け、第2の配管12の後方にバルブBを介在させて第3の配管13を設け、第2の配管12の先方にバルブCを介在させて第4の配管14を設け、バルブA、バルブB、バルブCが自動バルブの場合には遠隔開閉操作の制御をする制御部15を設けた構成になっている。
【0015】
このような構成において、制御部15は、ラインアップ時のアイソレーションバルブを、バルブの状態や種別に応じて決定する構成になっている。具体的には、図1に示すバルブAを起点(以降、一次アイソレーションバルブと呼ぶ)とする第1の制御手段を有し、その先のバルブを回帰的に検索し、検索停止条件(バルブが閉じていた、など)を満たすまで検索を繰り返して、一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが閉のときは、この閉のバルブをアイソレーションバルブとする第2の制御手段とを有する。
【0016】
その結果、枝分かれした場所から先の配管、即ち、実施例の場合、第2の配管12、第3の配管13、第4の配管14の全てが、どこかのバルブ、実施例の場合、バルブB或いはバルブCが閉止されていた場合、閉操作が必要なバルブはない、と判断される。又、仮に、バルブBやバルブCが開いていたとしても、それらが自動バルブであり、同時にバルブAが手動バルブであった場合、バルブBとバルブCをアイソレーションバルブと決定する。そして、このアイソレーションバルブに決定されたバルブB及びバルブCが自動バルブであるため、遠隔にて閉操作することでラインアップが完成する。
【0017】
このように、本発明では、ラインアップ時のアイソレーションバルブを、バルブの状態や種別に応じて決定する。
【0018】
又、仮にバルブBやバルブCが開いていたとしても、それらが自動バルブであり、同時にバルブAが手動バルブであった場合は、バルブBとバルブCがアイソレーションバルブと定められる。バルブBとバルブCは遠隔にて閉操作制御できるからである。
【0019】
次に、ラインアップ時におけるアイソレーションバルブを決定するための手法について、図2及び図3に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0020】
先ず、油の流れる配管の枝分かれしている隣のバルブ、配管情報を全て抽出する。そして、そのバルブをアイソレーションバルブし、そのアイソレーションバルブとして先のバルブの検索をする(ステップST11、ST12)。
【0021】
ステップST12において、バルブの検索は、図3に示すように、先ず、全てのバルブの開閉の判断をし、全ての判断が終了した時点でバルブ及び配管情報の抽出が終了する(ステップST21)
【0022】
ステップST21において、全てのバルブの開閉の判断が終了していない場合には、開閉の判断がされていないバルブの検索して取り出す(ステップST22)。
【0023】
検索して取り出したバルブの中で開の状態のバルブがない場合には、該当アイソレーションバルブに仮決定してステップST21にジャンプする(ステップST23、ST24)。
【0024】
ステップST23で、開のバルブが存在する場合には、その隣りのバルブ、配管情報を抽出してステップST21にジャンプする(ステップST25)。
【0025】
図2に戻って、アイソレーションバルブと決定された先のバルブの検索が終了した時点で、一次アイソレーションバルブの先のバルブが最終的に閉じているかどうかを判断する(ステップST13)。
【0026】
ステップST13にて、一次アイソレーションバルブの先のバルブが最終的に閉じている場合には、バルブを閉じる必要がなく、アイソレーションバルブに仮決定しているバルブをアイソレーションバルブとする(ステップST14)。
【0027】
ステップST13において、一次アイソレーションバルブの先のバルブが最終的に閉じていない場合には、次に、閉じているバルブの種類を判断する(ステップST15)。
【0028】
ステップST15で、開いているバルブが自動弁のときは、アイソレーションバルブに仮決定していたバルブ(自動弁)をアイソレーションバルブに決定する(ステップST16)。
【0029】
ステップST15で開いているバルブが手動弁のときは、一次アイソレーションバルブをアイソレーションバルブに決定する(ステップST17)。
【0030】
以上のようにして、一次アイソレーションバルブの先のバルブが全て閉の状態のときは、一次アイソレーションバルブをアイソレーションバルブと決定する。そして、一次アイソレーションバルブの先の配管の両端のバルブが開の状態であるときに、その開の状態の両端のバルブが自動バルブであるときには、この両者のバルブをアイソレーションバルブと決定する。
又、一次アイソレーションバルブの先の配管の両端のバルブの何れかが開の状態であるときに、その開の状態の両端のバルブが自動バルブであるときには、この開の状態のバルブ(自動バルブ)をアイソレーションバルブと決定する。
【0031】
次に、本願発明に係る第2の実施形態のバルブ制御方法を具現化できるバルブ制御システムについて、図面を参照して説明する。
【0032】
本願発明に係る第2の実施形態のバルブ制御方法を具現化するバルブ制御システムは、図4に示すように、第1〜第5の配管11、12、13、14、16で構成され、それぞれの配管にバルブA、B、C、D、Eを設けた構成のバルブ制御システムである。その構成は、第1の配管11の枝分かれした位置にバルブAを取付け、そのバルブAの先方の第2の配管12の両端にバルブB及びバルブCを取付け、バルブBの後方に第3の配管13を取付け、バルブCの後方に第4の配管14の一方端を取付け、第4の配管の枝分かれした位置にバルブDを取付け、第4の配管の他方端にバルブEを取付け、バルブEの後方に第5の配管を取付けた構成になっており、バルブA、B、C、D、Eのうち自動バルブについては遠隔開閉操作を制御する制御部15を備えている。
【0033】
このような構成において、配管のラインアップする際のアイソレーションバルブを決定する手法について、以下説明する。
(a)先ず、第1の配管11から枝分かれする第2の配管12の配管情報を取得し、第1の配管11から枝分かれする位置に設けたバルブAを一次アイソレーションバルブとする。
(b)次に、バルブAが開いた場合、第2の配管12に接続する配管(第3の配管及び第4の配管13、14)を調べ、接続部分にあるバルブB及びバルブCの開閉状態を調べる。
(c)バルブBが閉じていた場合、このバルブの閉操作は不要と判断する。
(d)バルブCが開いていた場合、第4の配管13の後方の接続部にあるバルブD及びバルブEの開閉状態を調べる。
(e)バルブD及びバルブE共に閉じていた場合、これらのバルブの閉操作は不要と判断する。
(f)上記(a)〜(e)の結果、一次アイソレーションバルブであるバルブAから先の配管は、全て閉止されていたため、バルブAの閉操作は不要と判断される。
(g)上記(e)で、バルブDが開いていた場合は、更にその先の配管が調査される。その結果、バルブDから先は閉止されていないと判断された場合、一次アイソレーションバルブであるバルブAとバルブDが比較され、バルブDが自動バルブである場合には、バルブDがアイソレーションバルブに決定される。
【0034】
以上のようにして、一次アイソレーションバルブの先のバルブが全て閉であれば、一次アイソレーションバルブがアイソレーションバルブと決定し、一次アイソレーションバルブの先の配管の両端に取付けられている両者のバルブが開で、両者とも自動バルブである場合には、その両者のバルブがアイソレーションバルブと決定される。
【0035】
次に、本願発明に係る第3の実施形態のバルブ制御方法を具現化できるバルブ制御システムについて、図面を参照して説明する。
【0036】
本願発明に係る第3の実施形態のバルブ制御方法を具現化できるバルブ制御システムは、図5に示すように、流体が流れる第1の配管11の枝分かれした位置に設けたバルブAと、バルブAの先方位置に設けた第2の配管12と、この第2の配管12の後方位置に設けたバルブBと、第2の配管12の前方位置に設けたバルブCと、バルブBの前方に設けた第3の配管13と、バルブCの後方位置に設けた第4の配管14と、バルブA、バルブB、バルブCの開閉を制御する制御部15とからなる。
【0037】
これらの構成からなる配管状態のパイプラインにおいて、実施例の第2の配管12には過去に流された流体(油)が詰まった状態で残っている場合がある。このような状態で、バルブB及びバルブCが既に閉まっていた状態で更に、バルブAが閉じられた場合、これらの3つのバルブに囲まれた空間、即ち、第2の配管12内部は流体(油)が閉じ込まれた形になる(これを、以後、「閉塞」と呼ぶ)。この閉塞状態が生じると、温度上昇によって閉塞されている流体(油)が膨張し、その圧力でバルブが破損するおそれがある。従来において、この閉塞状態が容易に発生してしまうため、圧力を逃がすための機器、即ち、サーマルリリーフバルブを設置し、破損を防ぐなどの処置を講じる必要があった。
【0038】
しかし、本発明のアイソレーションバルブを任意に決定できる手法を採用すると、閉操作されるバルブ数が必要最小限に抑えられることから、閉塞状態の発生を未然に塞ぐことが可能になる。
【0039】
実施例において、現在バルブBが閉の状態、バルブCが自動バルブで現在開の状態、バルブAが手動バルブで現在開の状態であるとする。このときに、第1の配管11をラインアップしたときに、バルブCをアイソレーションバルブと決定することで、制御部15から遠隔操作によりバルブCを閉操作制御することで、第1の配管11をラインアップすると共に、第2の配管12はバルブAを開の状態に維持することで、第1の配管11と流通する状態となり閉塞状態にはならない。
【0040】
このように、従来からの操作では、第1の配管11をラインアップするときには、手動バルブであるバルブAを閉状態にすると共に、第2の配管12が閉塞状態になったときにサーマルリリーフバルブが設置されていることを確認することが必要になる。これに対して、アイソレーションバルブを任意に決定できるようにすると、閉塞状態を回避できるばかりでなく、自動バルブを選択してアイソレーションバルブに決定することで、制御部15から遠隔操作により閉操作制御でき、そのバルブが設置されている場所まで行ってバルブの操作をする必要がなくなるのである。
【0041】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明に係るバルブ制御方法及びバルブ制御システムは、アイソレーションバルブから先の配管が全て閉止されていた場合であっても、常にアイソレーションバルブの閉操作が必要であった従来技術に対して、アイソレーションバルブから先が閉止されている場合は、アイソレーションバルブの閉操作が不要となる。又、ラインアップの時点で閉止されていなかったとしても、開いているバルブの種別(自動バルブ、手動バルブ)を調べ、より人的労力の少ない方をアイソレーションバルブとすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施形態のバルブ制御方法及びバルブ制御システムを具現化するバルブの配置状態を示した説明図である。
【図2】同、アイソレーションバルブを決定するためのフローチャートである。
【図3】同、アイソレーションバルブを決定するためのフローチャートである。
【図4】本発明に係る第2の実施形態のバルブ制御方法及びバルブ制御システムを具現化するバルブの配置状態を示した説明図である。
【図5】本発明に係る第3の実施形態のバルブ制御方法及びバルブ制御システムを具現化するバルブの配置状態を示した説明図である。
【図6】従来技術におけるバルブ制御方法を具現化するバルブの配置状態を示した説明図である。
【符号の説明】
11 第1の配管
12 第2の配管
13 第3の配管
14 第4の配管
15 制御部
16 第5の配管
Claims (12)
- 複数のバルブを介在させて複数の配管を連結してなるパイプラインのバルブ制御方法であって、
特定の配管から枝分けする最初のバルブを一次アイソレーションバルブとし、該一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが開のときは、該一次アイソレーションバルブをアイソレーションバルブとして閉操作し、
前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが閉のときは、該閉のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とするバルブ制御方法。 - 前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが自動バルブであるときには、この自動バルブのバルブをアイソレーションバルブとする請求項1に記載のバルブ制御方法。
- 前記一次アイソレーションバルブが手動バルブであるときに、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが自動バルブであるときは、この自動バルブのバルブをアイソレーションバルブとする請求項1に記載のバルブ制御方法。
- 前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該両者のバルブが閉のときは該両者のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする請求項1に記載のバルブ制御方法。
- 前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該両者のバルブが自動バルブであるときは、該両者のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする請求項1に記載のバルブ制御方法。
- 前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該前方のバルブが閉の状態で、前記後方のバルブが自動バルブであるときは、該後方のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする請求項1に記載のバルブ制御方法。
- 複数のバルブを介在させて複数の配管を連結してなるパイプラインにおいて、
特定の配管から枝分けする最初のバルブを一次アイソレーションバルブとする第1の制御手段と、
該一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが開のときは、該一次アイソレーションバルブをアイソレーションバルブとして閉操作し、
前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが閉のときは、該閉のバルブをアイソレーションバルブとする第2の制御手段と、を備えたことを特徴とするバルブ制御システム。 - 前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが自動バルブであるときには、この自動バルブのバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする請求項7に記載のバルブ制御システム。
- 前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブが手動バルブであるときに、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが自動バルブであるときは、この自動バルブのバルブをアイソレーションバルブとする請求項7に記載のバルブ制御システム。
- 前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該両者のバルブが閉のときは該両者のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする請求項7に記載のバルブ制御システム。
- 前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該両者のバルブが自動バルブであるときは、該両者のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする請求項7に記載のバルブ制御システム。
- 前記第2の制御手段は、前記一次アイソレーションバルブの先方の配管に設けてあるバルブが、前記一次アイソレーションバルブの先方にある配管を挟んだ前方後方の両側に位置する2つのバルブであるときに、該前方のバルブが閉の状態で、後方のバルブが自動バルブであるときは、該後方のバルブをアイソレーションバルブとすることを特徴とする請求項7に記載のバルブ制御システム。
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JP2002366100A JP2004197810A (ja) | 2002-12-18 | 2002-12-18 | バルブ制御方法及びバルブ制御システム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019100391A (ja) * | 2017-11-30 | 2019-06-24 | 株式会社フジキン | 流体回路のセーフティシステム |
-
2002
- 2002-12-18 JP JP2002366100A patent/JP2004197810A/ja active Pending
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