JP2004197663A - 容量制御弁の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷凍サイクルにおける急激な圧力上昇を回避する。
【解決手段】容量制御弁1をデューティ比制御する回路に入力される電流設定電圧の入力信号に対して所定値以上のデューティ比にならないように制限する入力電圧リミッタ回路3を備える構成にした。これにより、所定のデューティ比のパルス信号を生成するPWM変換器6には、その所定のデューティ比を指示する電流設定電圧が入力電圧リミッタ回路3によってあらかじめ制限された状態で入力されるため、たとえ、可変容量型圧縮機の吐出側に異常高圧を生ぜしめるような値の電流設定電圧が入力されたとしても、容量制御弁1は所定値以上のデューティ比の電流が供給されることはなく、したがって、冷凍サイクルの起動時に起きる可能性のある急激な圧力上昇を回避することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】容量制御弁1をデューティ比制御する回路に入力される電流設定電圧の入力信号に対して所定値以上のデューティ比にならないように制限する入力電圧リミッタ回路3を備える構成にした。これにより、所定のデューティ比のパルス信号を生成するPWM変換器6には、その所定のデューティ比を指示する電流設定電圧が入力電圧リミッタ回路3によってあらかじめ制限された状態で入力されるため、たとえ、可変容量型圧縮機の吐出側に異常高圧を生ぜしめるような値の電流設定電圧が入力されたとしても、容量制御弁1は所定値以上のデューティ比の電流が供給されることはなく、したがって、冷凍サイクルの起動時に起きる可能性のある急激な圧力上昇を回避することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は容量制御弁の制御装置に関し、特に二酸化炭素のような超臨界域で作動する冷媒を使用した冷凍サイクルにて可変容量型圧縮機が吐出する冷媒の吐出容量を制御する容量制御弁の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の空調装置等に使用される可変容量型圧縮機では、クランク室内に傾斜角度可変に設けられた斜板が回転軸の回転によって揺動運動をし、その揺動運動によって回転軸と平行な方向に複数のピストンが往復運動することによって冷媒を圧縮するようにしている。
【0003】
可変容量型圧縮機は、電子制御弁が吐出室とクランク室とを連通する連通路を開閉して吐出室からクランク室へ送り込む高圧冷媒の流量を制御して、クランク室の圧力を制御し、これにより斜板の傾斜角度を変化させて、吐出容量を可変にしている。この連通路の開閉を制御する電子制御弁は、ソレノイドを有し、そのソレノイドに流す電流値を制御することによって可変容量型圧縮機の吐出容量を制御している。ここで、このような可変容量型圧縮機を用いた冷凍サイクル、特に超臨界域で作動する冷媒を使用した冷凍サイクルについて説明する。
【0004】
図6は、冷凍サイクルの一構成例を示すシステム図である。
この冷凍サイクルにおいて、圧縮機101により圧縮された高温・高圧の冷媒は、放熱器103で冷却され、内部熱交換器104を介して膨張装置105に供給される。膨張装置105では、冷媒を断熱膨張して低温・低圧の冷媒にし、その冷媒を蒸発器106において蒸発させ、アキュムレータ107で冷媒を気液分離し、気相の冷媒を内部熱交換器104で再熱して圧縮機101に戻す。コントロールユニット110は、外気温や設定温度等の条件に基づいて容量制御弁102の制御量を決定し、圧縮機101が吐出する冷媒の吐出容量を制御する。この容量制御弁102の制御は、ソレノイドへ供給するパルス電流のオン時間の割合を変化させるデューティ比制御によって行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この冷凍サイクルが、例えば、周囲の温度が高い状態で起動された場合、最大冷力を得ようとして、コントロールユニット110は、容量制御弁102を制御してクランク室に供給する冷媒流量を最小にし、斜板の傾斜角を大きくしてピストンをフルストロークさせ、吐出容量を最大にしようとする制御を行う。したがって、冷凍サイクルの起動直後は、圧縮機101の吐出側の冷媒圧力が異常に上昇することがあり、これによって、圧縮機101から膨張装置105に至る高圧ライン上の配管や放熱器103及び内部熱交換器104が破損するおそれが生じてしまう。
【0006】
従来、このような事態に対処するため、高圧ライン上にリリーフバルブ112を設け、高圧ラインが異常高圧になった場合に、このリリーフバルブ112が高圧の冷媒を低圧側に逃がすようにすることで、高圧圧力の異常上昇を回避していた。また、冷媒圧力を圧力センサ111で検出し、検出された冷媒圧力がある規定値を超えたときに圧縮機101を停止させ、異常高圧がなくなった場合に再び圧縮機を稼動させるような制御を行うことにより、高圧圧力の異常上昇を回避する手法もある。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−71228号公報(段落番号〔0016〕〜〔0017〕、〔0029〕〜〔0030〕、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高圧圧力の異常上昇を回避する手段としてリリーフバルブを設けた場合、リリーフバルブの作動が少しでも遅れたり、リリーフバルブを介して流れる冷媒容量が少ないと、高圧圧力の異常上昇を招く可能性があるという問題がある。
【0009】
また、圧縮機をオン/オフさせて高圧圧力の異常上昇を回避する手法では、圧縮機がオフしている状態では冷力が得られないため、所定の冷力が得られるまで時間がかかるという問題がある。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、冷凍サイクルにおける急激な圧力上昇を回避することが可能な容量制御弁の制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、ソレノイドをパルス電流で駆動するようにした可変容量型圧縮機用の容量制御弁の制御装置において、前記ソレノイドに供給すべき前記パルス電流の値に相当する電流設定信号を入力し、所定値以上の電流設定がなされないように前記電流設定信号に制限を加えて出力することにより過大な電流設定によって可変容量型圧縮機の吐出側の圧力が異常に高圧になるのを防止するようにしたリミッタ手段を備えていることを特徴とする容量制御弁の制御装置が提供される。
【0012】
このような構成の容量制御弁の制御装置では、容量制御弁を制御するために入力される電流設定信号に対し、リミッタ手段が容量制御弁に所定値以上の電流が流れないように制限を加える構成にした。これにより、冷凍サイクルの起動時に可変容量型圧縮機が最大冷力が得られるように制御するときに、容量制御弁に必要以上の電流を流さないよう制限することができるので、可変容量型圧縮機の吐出側の冷媒圧力が異常高圧になるのを未然に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、デューティ比制御の容量制御弁を制御駆動するコントロールユニットの最終段に設けられた制御装置に適用した場合を例に図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、第1の実施の形態に係る容量制御弁の制御装置を示す回路図である。
ソレノイドを有する容量制御弁1の制御装置は、直流電源Vccと容量制御弁1との間に接続されて容量制御弁1に供給する電流をオン/オフ制御する出力トランジスタ8と、容量制御弁1とグランドとの間に接続されて容量制御弁1のソレノイドに流れる電流を検出する検出抵抗9と、容量制御弁1と検出抵抗9との直列接続回路に対して並列に接続されて出力トランジスタ8をオフ動作した時の逆起電圧から保護するための保護ダイオード2と、外部から与えられるデューティ比に対応した電流設定電圧に対して制限を加える入力電圧リミッタ回路3と、演算増幅器4およびコンデンサC1により構成されて検出抵抗9にて検出された電流に対応する電圧信号を平滑化するとともにこの平滑化した電圧でデューティ比に対応した電圧を補正して出力する平滑回路と、所定の周波数の三角波信号を生成する三角波発振回路5と、三角波信号と平滑回路の出力電圧とを比較して平滑回路の出力電圧に応じたデューティ比のパルス信号を出力するPWM(パルス幅変調)変換器6と、PWM変換器6から出力されたパルス信号によって出力トランジスタ8をオン/オフ駆動するとともに出力トランジスタ8と協働してスイッチング素子として動作するドライバトランジスタ7とを備えている。
【0015】
容量制御弁1は、冷媒流量を制御する弁部とこの弁部のセット値を制御するソレノイドとから構成され、例えば、可変容量型圧縮機の吸入圧力がソレノイドに供給されるパルス電流によって決まる設定圧力になるように吐出室からクランク室へ供給される冷媒の流量を制御する。
【0016】
保護ダイオード2は、容量制御弁1及び検出抵抗9の直列接続回路に並列に配設され、パルス電流がオフ時にソレノイドによって生起される過大な誘起電圧を吸収して出力トランジスタ8を保護する。
【0017】
入力電圧リミッタ回路3は、容量制御弁1の弁開度に対応したデューティ比を表す電圧信号を入力し、その電圧信号に対しリミッタ処理を施した後、ソレノイドへ供給する電流値に対応した設定電圧として出力する。このリミッタ処理は、容量制御弁1が吐出室からクランク室へ導入する冷媒の流量をこれ以上絞ると、可変容量型圧縮機の吐出側の圧力が高くなり過ぎて危険と判断されるような制御電流を指示する電流設定電圧が入力された場合に、その電流設定電圧をこれ以上高い吐出圧力にならないよう制限するものである。
【0018】
演算増幅器4は、その反転入力端子と出力端子との間にコンデンサC1を接続してなる積分回路を利用して平滑回路を構成し、反転入力端子には、抵抗R2を介して検出抵抗9による検出電流に比例した電圧信号が入力され、非反転入力端子には、入力電圧リミッタ回路3の出力信号が入力される。これにより、この平滑回路は、検出抵抗9の端子電圧を平滑化し、入力電圧リミッタ回路3から入力された電圧を平滑化した電圧で補正して、出力端子より出力することになる。
【0019】
三角波発振回路5は、所定の周波数fの三角波電圧信号を生成してPWM変換器6の反転入力端子へ出力する。PWM変換器6は、反転入力端子に周波数fの三角波電圧信号を入力し、非反転入力端子に平滑回路からの電圧信号を入力して、これらを比較し、平滑回路からの電圧信号の大きさに応じたオンパルス幅を有する周波数fのパルス信号を生成し、抵抗R3を介してドライバトランジスタ7のベースに供給する。
【0020】
このドライバトランジスタ7は、PWM変換器6からのパルス信号を入力し、オン/オフ動作をする。これにより、抵抗R4の一端をグランドに接続したり遮断したりして、抵抗R5と抵抗R4とからなる直列回路を直流電源Vccとグランドとの間に接続したり切り離したりする。出力トランジスタ8は、ベースが抵抗R4と抵抗R5との接続点に接続され、エミッタが直流電源Vccに接続され、コレクタが容量制御弁1に接続されている。この出力トランジスタ8は、ドライバトランジスタ7がオンしたとき、抵抗R5による電圧降下によってオンされ、ドライバトランジスタ7がオフしたときには、ベースとエミッタとに同じ直流電源Vccが印加されることによりオフされる。
【0021】
コイル電流検出部を構成する検出抵抗9は、容量制御弁1とグランド間に直列に接続される。検出抵抗9は、出力トランジスタ8がオン時およびオフ時に容量制御弁1のソレノイドを流れる実効コイル電流に応じた電圧を発生させる。出力トランジスタ8がオンのとき、容量制御弁1を流れる電流は、検出抵抗9を通過してグランドに流れる。また、出力トランジスタ8がオフのとき、容量制御弁1内に発生した逆起電流は、検出抵抗9、保護ダイオード2を介して容量制御弁1へ戻るよう流れる。このように、出力トランジスタ8のオン/オフにかかわらず、検出抵抗9には容量制御弁1を流れた実効コイル電流が流れるため、その検出抵抗9によって容量制御弁1を流れる電流を正確に知ることができる。
【0022】
次に、以上の構成の電子制御弁駆動回路の動作について説明する。まず、入力電圧リミッタ回路3にあるデューティ比に対応した電流設定電圧が入力されると、入力電圧リミッタ回路3は、その電流設定電圧を出力し、その電圧信号は演算増幅器4を介してそのままPWM変換器6に入力される。PWM変換器6は、三角波発振回路5から出力された三角波電圧信号とデューティ比に相当する電圧信号とを比較し、入力電圧リミッタ回路3に与えられたデューティ比に対応するデューティ比を持った周波数fの方形波信号を出力する。これにより、ドライバトランジスタ7および出力トランジスタ8がオン/オフ制御され、容量制御弁1のソレノイドがオン/オフ駆動される。
【0023】
容量制御弁1のソレノイドがオン/オフ駆動されることによって、そのソレノイドに流れる電流は、検出抵抗9により検出され、その検出電流に比例した検出電圧が抵抗R2を介して演算増幅器4にフィードバックされる。演算増幅器4は、検出電圧を平滑化してデューティ比に相当する電圧信号に重畳してその電圧信号を補正する。これにより、PWM変換器6は、容量制御弁1のソレノイドを流れる平均電流が入力電圧リミッタ回路3に入力されたデューティ比に対応する一定の値になるように制御される。
【0024】
例えば、容量制御弁1のソレノイドを流れる平均電流が増えた場合、演算増幅器4から出力される信号はデューティ比に相当する電圧信号から増加した電流に相当する電圧分だけ低くなるので、PWM変換器6では、その反転入力されている三角波電圧信号のスライスレベルが下がることになる。これにより、PWM変換器6から出力される方形波のオンパルス幅が減少し、容量制御弁1に供給されるパルス電流のデューティ比が小さくなり、ソレノイドを流れる平均電流が減少される。逆に、ソレノイドを流れる平均電流が減少した場合は、容量制御弁1に供給されるパルス電流のデューティ比が設定されたデューティ比になるよう大きくされ、ソレノイドを流れる平均電流は増加するように補正される。
【0025】
外部から設定される電流設定電圧が変化した場合、入力電圧リミッタ回路3から出力される電圧信号も変化するので、それに応じて三角波電圧信号のスライスレベルが変化することによりPWM変換器6から出力される方形波パルス信号のデューティ比が変化される。したがって、容量制御弁1のソレノイドに流れる電流は、外部から設定される電流設定電圧に比例して変化する。
【0026】
ここで、夏場に冷凍サイクルを起動したときのように、最大冷力を得るために入力電圧リミッタ回路3に入力給される電流設定電圧が最大になった場合、容量制御弁1は、最大のデューティ比で駆動されることになる。この場合、可変容量型圧縮機は、最大の吐出容量で運転するため、吐出側の冷媒圧力が急上昇し、場合によっては、高圧圧力の異常上昇を招くおそれがある。しかし、この制御装置では、外部から入力される電流設定電圧は、入力電圧リミッタ回路3によって制限されるため、入力電圧リミッタ回路3は、異常高圧になるほどの電圧信号を出力しないため、高圧圧力の異常上昇を回避させることができる。また、リリーフバルブや高圧センサによる高圧回避と異なり、異常上昇になってから、あるいは、異常上昇の兆候が現れてから回避手段が働くのではなく、異常上昇を発生させるような駆動電流を発生させないようにすることができることから、異常上昇を確実に回避することができる。この結果、リリーフバルブや高圧センサ等の高圧圧力の異常上昇を回避するための手段を不要、あるいは、最小限にすることが可能となる。
【0027】
また、容量制御弁1のソレノイドは、通電時間が長く経過すると、電磁コイルの温度が上昇してくる。電磁コイルのコイル抵抗は、温度が上昇するにつれて高くなるので、同じデューティ比の条件でソレノイドを駆動しても、温度が高くなると、ソレノイドの通電電流が減るため、実質的に小さなデューティ比で駆動することになる。しかし、この制御装置では、ソレノイドのコイル抵抗の変化に伴う通電電流の変化は、検出抵抗9により検出されて、PWM変換器6へフィードバックされるため、電磁コイルの温度特性の影響は受けない。
【0028】
例えば、電磁コイルの温度が上昇し、コイル抵抗が増えることによって容量制御弁1のソレノイドを流れる平均電流が減少した場合、検出抵抗9による検出電圧の平均値は減少する。これにより、演算増幅器4から出力される信号は、デューティ比に相当する電圧信号よりも検出電圧の平均値の分だけ高くなるので、PWM変換器6に反転入力されている三角波電圧信号のスライスレベルが上がり、PWM変換器6から出力される方形波のオンパルス幅が増加し、容量制御弁1に供給されるパルス電流のデューティ比が大きくなる。したがって、ソレノイドを流れる平均電流が増加し、設定されたデューティ比に相当する電流値になるよう制御されることになる。
【0029】
ここで、入力電圧リミッタ回路3の回路例について説明する。
図2は、第1の実施の形態に係る容量制御弁の制御装置における入力電圧リミッタ回路の一例を示す回路図、図3は、図2に示した入力電圧リミッタ回路における入力電圧と出力電圧との関係を示した図である。
【0030】
入力電圧リミッタ回路3は、基準電圧Vrefを発生させる基準電圧発生器31と、この基準電圧発生器31の基準電圧Vrefと外部より入力される電流設定電圧Vinとを比較するコンパレータ32と、このコンパレータ32による比較結果によって出力電圧Voutを調整するダイオードD31と、抵抗R31,R32とを有し、抵抗R31,R32の接続点がこの入力電圧リミッタ回路3の出力端子になっている。
【0031】
基準電圧発生器31は、冷凍サイクルにおける急激な圧力上昇を回避するために容量制御弁1に供給する電流に対して制限しようとする電流に相当する基準電圧Vrefを発生し、コンパレータ32へ供給する。
【0032】
コンパレータ32は、反転入力端子に抵抗R31およびR32を介して電流設定電圧Vinが入力され、非反転入力端子に基準電圧Vrefが入力される。コンパレータ32は、電流設定電圧Vinと基準電圧Vrefとを比較して出力状態が変化する。
【0033】
ダイオードD31は、アノードが抵抗R31,R32の接続点に接続され、カソードがコンパレータ32の出力端子に接続される。
この入力電圧リミッタ回路3においては、電流設定電圧Vinが基準電圧Vrefより低い状態では、コンパレータ32の出力電圧は、ハイレベルの状態(電源電圧にほぼ等しい電圧)になっている。このため、ダイオードD31は、そのアノードにハイレベルの電圧がかかっていてカットオフ状態になっており、出力電圧Voutは、図3に示したように、電流設定電圧Vinに比例した電圧となる。
【0034】
電流設定電圧Vinが基準電圧Vrefより高くなると、コンパレータ32の出力電圧は、ローレベルの状態(グランド電圧にほぼ等しい電圧)になる。このため、ダイオードD31は、そのアノードの電圧が低くなってオン状態になり、抵抗R31を介して電流を流す。電流が流れることにより、抵抗R31に電圧降下が生じるため、コンパレータ32の反転入力端子には、電流設定電圧Vinからその電圧降下分だけ低い電圧が入力されることになり、コンパレータ32は、その出力レベル状態を変えようとする。この結果、電流設定電圧Vinが基準電圧Vrefより高い状態では、入力電圧リミッタ回路3は、図3に示したように、基準電圧Vrefに等しい出力電圧Voutを出力し、電流設定電圧Vinは、その基準電圧Vrefに制限されて出力することになる。
【0035】
図4は、第2の実施の形態に係る容量制御弁の制御装置を示す回路図である。この図4において、図1に示した構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0036】
この容量制御弁の制御装置は、容量制御弁1をパルス駆動するドライバトランジスタ7及び出力トランジスタ8の構成は同じであるが、ドライバトランジスタ7のベースには、所定の周波数を有するデューティ比が固定のパルス信号が入力されている。これにより、容量制御弁1には、デューティ比が固定されたパルス電流が流れることになる。
【0037】
また、直流電源Vccと出力トランジスタ8との間には、電源電圧制御回路11が設けられている。この電源電圧制御回路11は、トランジスタT11を有し、そのコレクタは直流電源Vccに接続され、エミッタは出力トランジスタ8のエミッタに接続され、ベースは抵抗R6を介して平滑回路を構成する演算増幅器4の出力に接続されている。トランジスタT11のベースとエミッタとの間には抵抗R7が接続されている。
【0038】
なお、検出抵抗9が容量制御弁1と直列に接続され、この直列回路と並列に保護ダイオード2が接続されている構成、及び平滑回路を構成する演算増幅器4の非反転入力に入力電圧リミッタ回路3が設けられている構成は、図1の制御装置と同じである。
【0039】
以上の構成の制御装置によれば、まず、電源電圧制御回路11が演算増幅器4の出力信号によって、外部から与えられる容量制御弁1のパルス電流のデューティ比に対応した電圧をトランジスタT11のエミッタに出力するよう制御される。ここで、容量制御弁1は、ドライバトランジスタ7及び出力トランジスタ8によってデューティ比が固定されたパルス電流によって駆動され、このときソレノイドの電磁コイルに流れる電流は、検出抵抗9によって検出される。検出抵抗9によって検出された検出電圧は、平滑回路によって平滑されて外部より設定されるデューティ比に対応した電圧を補正し、電源電圧制御回路11は、容量制御弁1を流れる電流の平均値が一定になるように出力トランジスタ8のエミッタに印加する電圧を制御する。
【0040】
外部より設定されるデューティ比が変えられた場合は、そのデューティ比に応じて出力トランジスタ8のエミッタに印加される電圧が制御される。例えば、デューティ比を大きくするよう設定された場合、電源電圧制御回路11は、出力トランジスタ8のエミッタに印加する電圧が高くなるよう制御し、デューティ比を小さくするよう設定された場合には、出力トランジスタ8のエミッタに印加する電圧が低くなるよう制御する。つまり、この制御装置は、設定されるデューティ比に応じて、第1の実施の形態の場合のように容量制御弁1を流れるパルス電流のデューティ比を変えるのではなく、デューティ比が固定されたパルス電流の波高値(ピーク値)を変えて、容量制御弁1を流れるパルス電流の平均値を制御しているのである。
【0041】
また、外部より設定されるデューティ比に応じた値を有する電流設定電圧が基準電圧以下で入力電圧リミッタ回路3に入力されている場合は、上記に説明した動作をするが、基準電圧を超えた場合には、入力電圧リミッタ回路3が電流設定電圧を基準電圧に制限するリミッタ処理を行うことになる。このように、外部から設定される電流設定電圧にリミッタ処理を施し、リミッタ処理された電流設定電圧と実効コイル電流の大きさに応じて容量制御弁1に流れるパルス電圧の波高値を変化させることにより、冷凍サイクルの高圧圧力の異常上昇を未然に回避できるばかりでなく、ソレノイドへ流れる電流のピーク値を一定にすることができる。これにより、冷凍サイクルの高圧圧力の異常上昇を回避できるとともに、電流のピーク値を一定になることにより、ルップル量をほぼ一定にすることができる。この結果、容量制御弁の吸引特性をヒステリシスの少ない良好なものにすることができる。
【0042】
さらに、ソレノイドの電磁コイルが昇温することによりコイル抵抗が増加することに対しても、その変動を検出抵抗9が検出して補正するよう制御するため、電磁コイルの温度変化によって容量制御弁1の弁特性が変化することはない。
【0043】
さらに、上記の説明では、容量制御弁1の制御装置において、容量制御弁1をパルス駆動するパルス電流のデューティ比制御または波高値制御を行うために入力される電流設定電圧に対して入力電圧リミッタ回路3が高圧回避のための処理を電気回路で実現している。コントロールユニットでは、マイクロプロセッサ等が搭載され、室内検出温度、設定温度、エンジンの駆動状態、クランク室の圧力等の条件に基づいて、容量制御弁の制御量を算出し、制御量によって規定される容量制御弁1を駆動制御するための電流設定電圧値を算出している。この電流設定電圧を算出するプログラムにリミッタ処理プログラムを組み込むことによっても、入力電圧リミッタ回路3のリミッタ処理機能を実現することができる。次に、そのリミッタ処理を行う高圧回避プログラムについて説明する。
【0044】
図5は、高圧回避プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
コントロールユニットでの処理が開始され、各種条件に従って容量制御弁の制御量が決定され、制御量によって設定される電流に相当する電流設定電圧値が算出される(ステップS01)。続いて、算出された電流設定電圧値が制限しようとする電流に相当する値より大きいかどうかが判定され(ステップS02)、制限電流相当の値を超えている場合は、制限電流相当の電圧値を電流設定電圧として設定する(ステップS03)。算出された電流設定電圧が制限電流相当の電圧値を超えていない場合は、そのままステップS04へ処理を進める。次に、このようにして算出もしくは設定された電流設定電圧を出力し(ステップS04)、その後は、ステップS01に戻り、以上の処理を繰り返し実行する。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、容量制御弁を制御する入力信号に対し、容量制御弁に所定値以上の電流が流れないように制限を加えるリミッタ手段を備える構成にした。これにより、冷凍サイクルの起動時に可変容量型圧縮機が最大冷力が得られるように制御されるが、そのときに、リミッタ手段が容量制御弁に必要以上の電流を流さないよう制限することで、可変容量型圧縮機の吐出側の冷媒圧力が異常高圧になるのを未然に防止することができる。この結果、従来用いていた高圧回避のための手段を不要にし、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る容量制御弁の制御装置を示す回路図である。
【図2】第1の実施の形態に係る容量制御弁の制御装置における入力電圧リミッタ回路の一例を示す回路図である。
【図3】図2に示した入力電圧リミッタ回路における入力電圧と出力電圧との関係を示した図である。
【図4】第2の実施の形態に係る容量制御弁の制御装置を示す回路図である。
【図5】高圧回避プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】冷凍サイクルの一構成例を示すシステム図である。
【符号の説明】
1 容量制御弁
2 保護ダイオード
3 入力電圧リミッタ回路
4 演算増幅器
5 三角波発振回路
6 PWM変換器
7 ドライバトランジスタ
8 出力トランジスタ
9 検出抵抗
11 電源電圧制御回路
31 基準電圧発生器
32 コンパレータ
【発明の属する技術分野】
本発明は容量制御弁の制御装置に関し、特に二酸化炭素のような超臨界域で作動する冷媒を使用した冷凍サイクルにて可変容量型圧縮機が吐出する冷媒の吐出容量を制御する容量制御弁の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の空調装置等に使用される可変容量型圧縮機では、クランク室内に傾斜角度可変に設けられた斜板が回転軸の回転によって揺動運動をし、その揺動運動によって回転軸と平行な方向に複数のピストンが往復運動することによって冷媒を圧縮するようにしている。
【0003】
可変容量型圧縮機は、電子制御弁が吐出室とクランク室とを連通する連通路を開閉して吐出室からクランク室へ送り込む高圧冷媒の流量を制御して、クランク室の圧力を制御し、これにより斜板の傾斜角度を変化させて、吐出容量を可変にしている。この連通路の開閉を制御する電子制御弁は、ソレノイドを有し、そのソレノイドに流す電流値を制御することによって可変容量型圧縮機の吐出容量を制御している。ここで、このような可変容量型圧縮機を用いた冷凍サイクル、特に超臨界域で作動する冷媒を使用した冷凍サイクルについて説明する。
【0004】
図6は、冷凍サイクルの一構成例を示すシステム図である。
この冷凍サイクルにおいて、圧縮機101により圧縮された高温・高圧の冷媒は、放熱器103で冷却され、内部熱交換器104を介して膨張装置105に供給される。膨張装置105では、冷媒を断熱膨張して低温・低圧の冷媒にし、その冷媒を蒸発器106において蒸発させ、アキュムレータ107で冷媒を気液分離し、気相の冷媒を内部熱交換器104で再熱して圧縮機101に戻す。コントロールユニット110は、外気温や設定温度等の条件に基づいて容量制御弁102の制御量を決定し、圧縮機101が吐出する冷媒の吐出容量を制御する。この容量制御弁102の制御は、ソレノイドへ供給するパルス電流のオン時間の割合を変化させるデューティ比制御によって行っている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この冷凍サイクルが、例えば、周囲の温度が高い状態で起動された場合、最大冷力を得ようとして、コントロールユニット110は、容量制御弁102を制御してクランク室に供給する冷媒流量を最小にし、斜板の傾斜角を大きくしてピストンをフルストロークさせ、吐出容量を最大にしようとする制御を行う。したがって、冷凍サイクルの起動直後は、圧縮機101の吐出側の冷媒圧力が異常に上昇することがあり、これによって、圧縮機101から膨張装置105に至る高圧ライン上の配管や放熱器103及び内部熱交換器104が破損するおそれが生じてしまう。
【0006】
従来、このような事態に対処するため、高圧ライン上にリリーフバルブ112を設け、高圧ラインが異常高圧になった場合に、このリリーフバルブ112が高圧の冷媒を低圧側に逃がすようにすることで、高圧圧力の異常上昇を回避していた。また、冷媒圧力を圧力センサ111で検出し、検出された冷媒圧力がある規定値を超えたときに圧縮機101を停止させ、異常高圧がなくなった場合に再び圧縮機を稼動させるような制御を行うことにより、高圧圧力の異常上昇を回避する手法もある。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−71228号公報(段落番号〔0016〕〜〔0017〕、〔0029〕〜〔0030〕、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、高圧圧力の異常上昇を回避する手段としてリリーフバルブを設けた場合、リリーフバルブの作動が少しでも遅れたり、リリーフバルブを介して流れる冷媒容量が少ないと、高圧圧力の異常上昇を招く可能性があるという問題がある。
【0009】
また、圧縮機をオン/オフさせて高圧圧力の異常上昇を回避する手法では、圧縮機がオフしている状態では冷力が得られないため、所定の冷力が得られるまで時間がかかるという問題がある。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、冷凍サイクルにおける急激な圧力上昇を回避することが可能な容量制御弁の制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、ソレノイドをパルス電流で駆動するようにした可変容量型圧縮機用の容量制御弁の制御装置において、前記ソレノイドに供給すべき前記パルス電流の値に相当する電流設定信号を入力し、所定値以上の電流設定がなされないように前記電流設定信号に制限を加えて出力することにより過大な電流設定によって可変容量型圧縮機の吐出側の圧力が異常に高圧になるのを防止するようにしたリミッタ手段を備えていることを特徴とする容量制御弁の制御装置が提供される。
【0012】
このような構成の容量制御弁の制御装置では、容量制御弁を制御するために入力される電流設定信号に対し、リミッタ手段が容量制御弁に所定値以上の電流が流れないように制限を加える構成にした。これにより、冷凍サイクルの起動時に可変容量型圧縮機が最大冷力が得られるように制御するときに、容量制御弁に必要以上の電流を流さないよう制限することができるので、可変容量型圧縮機の吐出側の冷媒圧力が異常高圧になるのを未然に防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、デューティ比制御の容量制御弁を制御駆動するコントロールユニットの最終段に設けられた制御装置に適用した場合を例に図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、第1の実施の形態に係る容量制御弁の制御装置を示す回路図である。
ソレノイドを有する容量制御弁1の制御装置は、直流電源Vccと容量制御弁1との間に接続されて容量制御弁1に供給する電流をオン/オフ制御する出力トランジスタ8と、容量制御弁1とグランドとの間に接続されて容量制御弁1のソレノイドに流れる電流を検出する検出抵抗9と、容量制御弁1と検出抵抗9との直列接続回路に対して並列に接続されて出力トランジスタ8をオフ動作した時の逆起電圧から保護するための保護ダイオード2と、外部から与えられるデューティ比に対応した電流設定電圧に対して制限を加える入力電圧リミッタ回路3と、演算増幅器4およびコンデンサC1により構成されて検出抵抗9にて検出された電流に対応する電圧信号を平滑化するとともにこの平滑化した電圧でデューティ比に対応した電圧を補正して出力する平滑回路と、所定の周波数の三角波信号を生成する三角波発振回路5と、三角波信号と平滑回路の出力電圧とを比較して平滑回路の出力電圧に応じたデューティ比のパルス信号を出力するPWM(パルス幅変調)変換器6と、PWM変換器6から出力されたパルス信号によって出力トランジスタ8をオン/オフ駆動するとともに出力トランジスタ8と協働してスイッチング素子として動作するドライバトランジスタ7とを備えている。
【0015】
容量制御弁1は、冷媒流量を制御する弁部とこの弁部のセット値を制御するソレノイドとから構成され、例えば、可変容量型圧縮機の吸入圧力がソレノイドに供給されるパルス電流によって決まる設定圧力になるように吐出室からクランク室へ供給される冷媒の流量を制御する。
【0016】
保護ダイオード2は、容量制御弁1及び検出抵抗9の直列接続回路に並列に配設され、パルス電流がオフ時にソレノイドによって生起される過大な誘起電圧を吸収して出力トランジスタ8を保護する。
【0017】
入力電圧リミッタ回路3は、容量制御弁1の弁開度に対応したデューティ比を表す電圧信号を入力し、その電圧信号に対しリミッタ処理を施した後、ソレノイドへ供給する電流値に対応した設定電圧として出力する。このリミッタ処理は、容量制御弁1が吐出室からクランク室へ導入する冷媒の流量をこれ以上絞ると、可変容量型圧縮機の吐出側の圧力が高くなり過ぎて危険と判断されるような制御電流を指示する電流設定電圧が入力された場合に、その電流設定電圧をこれ以上高い吐出圧力にならないよう制限するものである。
【0018】
演算増幅器4は、その反転入力端子と出力端子との間にコンデンサC1を接続してなる積分回路を利用して平滑回路を構成し、反転入力端子には、抵抗R2を介して検出抵抗9による検出電流に比例した電圧信号が入力され、非反転入力端子には、入力電圧リミッタ回路3の出力信号が入力される。これにより、この平滑回路は、検出抵抗9の端子電圧を平滑化し、入力電圧リミッタ回路3から入力された電圧を平滑化した電圧で補正して、出力端子より出力することになる。
【0019】
三角波発振回路5は、所定の周波数fの三角波電圧信号を生成してPWM変換器6の反転入力端子へ出力する。PWM変換器6は、反転入力端子に周波数fの三角波電圧信号を入力し、非反転入力端子に平滑回路からの電圧信号を入力して、これらを比較し、平滑回路からの電圧信号の大きさに応じたオンパルス幅を有する周波数fのパルス信号を生成し、抵抗R3を介してドライバトランジスタ7のベースに供給する。
【0020】
このドライバトランジスタ7は、PWM変換器6からのパルス信号を入力し、オン/オフ動作をする。これにより、抵抗R4の一端をグランドに接続したり遮断したりして、抵抗R5と抵抗R4とからなる直列回路を直流電源Vccとグランドとの間に接続したり切り離したりする。出力トランジスタ8は、ベースが抵抗R4と抵抗R5との接続点に接続され、エミッタが直流電源Vccに接続され、コレクタが容量制御弁1に接続されている。この出力トランジスタ8は、ドライバトランジスタ7がオンしたとき、抵抗R5による電圧降下によってオンされ、ドライバトランジスタ7がオフしたときには、ベースとエミッタとに同じ直流電源Vccが印加されることによりオフされる。
【0021】
コイル電流検出部を構成する検出抵抗9は、容量制御弁1とグランド間に直列に接続される。検出抵抗9は、出力トランジスタ8がオン時およびオフ時に容量制御弁1のソレノイドを流れる実効コイル電流に応じた電圧を発生させる。出力トランジスタ8がオンのとき、容量制御弁1を流れる電流は、検出抵抗9を通過してグランドに流れる。また、出力トランジスタ8がオフのとき、容量制御弁1内に発生した逆起電流は、検出抵抗9、保護ダイオード2を介して容量制御弁1へ戻るよう流れる。このように、出力トランジスタ8のオン/オフにかかわらず、検出抵抗9には容量制御弁1を流れた実効コイル電流が流れるため、その検出抵抗9によって容量制御弁1を流れる電流を正確に知ることができる。
【0022】
次に、以上の構成の電子制御弁駆動回路の動作について説明する。まず、入力電圧リミッタ回路3にあるデューティ比に対応した電流設定電圧が入力されると、入力電圧リミッタ回路3は、その電流設定電圧を出力し、その電圧信号は演算増幅器4を介してそのままPWM変換器6に入力される。PWM変換器6は、三角波発振回路5から出力された三角波電圧信号とデューティ比に相当する電圧信号とを比較し、入力電圧リミッタ回路3に与えられたデューティ比に対応するデューティ比を持った周波数fの方形波信号を出力する。これにより、ドライバトランジスタ7および出力トランジスタ8がオン/オフ制御され、容量制御弁1のソレノイドがオン/オフ駆動される。
【0023】
容量制御弁1のソレノイドがオン/オフ駆動されることによって、そのソレノイドに流れる電流は、検出抵抗9により検出され、その検出電流に比例した検出電圧が抵抗R2を介して演算増幅器4にフィードバックされる。演算増幅器4は、検出電圧を平滑化してデューティ比に相当する電圧信号に重畳してその電圧信号を補正する。これにより、PWM変換器6は、容量制御弁1のソレノイドを流れる平均電流が入力電圧リミッタ回路3に入力されたデューティ比に対応する一定の値になるように制御される。
【0024】
例えば、容量制御弁1のソレノイドを流れる平均電流が増えた場合、演算増幅器4から出力される信号はデューティ比に相当する電圧信号から増加した電流に相当する電圧分だけ低くなるので、PWM変換器6では、その反転入力されている三角波電圧信号のスライスレベルが下がることになる。これにより、PWM変換器6から出力される方形波のオンパルス幅が減少し、容量制御弁1に供給されるパルス電流のデューティ比が小さくなり、ソレノイドを流れる平均電流が減少される。逆に、ソレノイドを流れる平均電流が減少した場合は、容量制御弁1に供給されるパルス電流のデューティ比が設定されたデューティ比になるよう大きくされ、ソレノイドを流れる平均電流は増加するように補正される。
【0025】
外部から設定される電流設定電圧が変化した場合、入力電圧リミッタ回路3から出力される電圧信号も変化するので、それに応じて三角波電圧信号のスライスレベルが変化することによりPWM変換器6から出力される方形波パルス信号のデューティ比が変化される。したがって、容量制御弁1のソレノイドに流れる電流は、外部から設定される電流設定電圧に比例して変化する。
【0026】
ここで、夏場に冷凍サイクルを起動したときのように、最大冷力を得るために入力電圧リミッタ回路3に入力給される電流設定電圧が最大になった場合、容量制御弁1は、最大のデューティ比で駆動されることになる。この場合、可変容量型圧縮機は、最大の吐出容量で運転するため、吐出側の冷媒圧力が急上昇し、場合によっては、高圧圧力の異常上昇を招くおそれがある。しかし、この制御装置では、外部から入力される電流設定電圧は、入力電圧リミッタ回路3によって制限されるため、入力電圧リミッタ回路3は、異常高圧になるほどの電圧信号を出力しないため、高圧圧力の異常上昇を回避させることができる。また、リリーフバルブや高圧センサによる高圧回避と異なり、異常上昇になってから、あるいは、異常上昇の兆候が現れてから回避手段が働くのではなく、異常上昇を発生させるような駆動電流を発生させないようにすることができることから、異常上昇を確実に回避することができる。この結果、リリーフバルブや高圧センサ等の高圧圧力の異常上昇を回避するための手段を不要、あるいは、最小限にすることが可能となる。
【0027】
また、容量制御弁1のソレノイドは、通電時間が長く経過すると、電磁コイルの温度が上昇してくる。電磁コイルのコイル抵抗は、温度が上昇するにつれて高くなるので、同じデューティ比の条件でソレノイドを駆動しても、温度が高くなると、ソレノイドの通電電流が減るため、実質的に小さなデューティ比で駆動することになる。しかし、この制御装置では、ソレノイドのコイル抵抗の変化に伴う通電電流の変化は、検出抵抗9により検出されて、PWM変換器6へフィードバックされるため、電磁コイルの温度特性の影響は受けない。
【0028】
例えば、電磁コイルの温度が上昇し、コイル抵抗が増えることによって容量制御弁1のソレノイドを流れる平均電流が減少した場合、検出抵抗9による検出電圧の平均値は減少する。これにより、演算増幅器4から出力される信号は、デューティ比に相当する電圧信号よりも検出電圧の平均値の分だけ高くなるので、PWM変換器6に反転入力されている三角波電圧信号のスライスレベルが上がり、PWM変換器6から出力される方形波のオンパルス幅が増加し、容量制御弁1に供給されるパルス電流のデューティ比が大きくなる。したがって、ソレノイドを流れる平均電流が増加し、設定されたデューティ比に相当する電流値になるよう制御されることになる。
【0029】
ここで、入力電圧リミッタ回路3の回路例について説明する。
図2は、第1の実施の形態に係る容量制御弁の制御装置における入力電圧リミッタ回路の一例を示す回路図、図3は、図2に示した入力電圧リミッタ回路における入力電圧と出力電圧との関係を示した図である。
【0030】
入力電圧リミッタ回路3は、基準電圧Vrefを発生させる基準電圧発生器31と、この基準電圧発生器31の基準電圧Vrefと外部より入力される電流設定電圧Vinとを比較するコンパレータ32と、このコンパレータ32による比較結果によって出力電圧Voutを調整するダイオードD31と、抵抗R31,R32とを有し、抵抗R31,R32の接続点がこの入力電圧リミッタ回路3の出力端子になっている。
【0031】
基準電圧発生器31は、冷凍サイクルにおける急激な圧力上昇を回避するために容量制御弁1に供給する電流に対して制限しようとする電流に相当する基準電圧Vrefを発生し、コンパレータ32へ供給する。
【0032】
コンパレータ32は、反転入力端子に抵抗R31およびR32を介して電流設定電圧Vinが入力され、非反転入力端子に基準電圧Vrefが入力される。コンパレータ32は、電流設定電圧Vinと基準電圧Vrefとを比較して出力状態が変化する。
【0033】
ダイオードD31は、アノードが抵抗R31,R32の接続点に接続され、カソードがコンパレータ32の出力端子に接続される。
この入力電圧リミッタ回路3においては、電流設定電圧Vinが基準電圧Vrefより低い状態では、コンパレータ32の出力電圧は、ハイレベルの状態(電源電圧にほぼ等しい電圧)になっている。このため、ダイオードD31は、そのアノードにハイレベルの電圧がかかっていてカットオフ状態になっており、出力電圧Voutは、図3に示したように、電流設定電圧Vinに比例した電圧となる。
【0034】
電流設定電圧Vinが基準電圧Vrefより高くなると、コンパレータ32の出力電圧は、ローレベルの状態(グランド電圧にほぼ等しい電圧)になる。このため、ダイオードD31は、そのアノードの電圧が低くなってオン状態になり、抵抗R31を介して電流を流す。電流が流れることにより、抵抗R31に電圧降下が生じるため、コンパレータ32の反転入力端子には、電流設定電圧Vinからその電圧降下分だけ低い電圧が入力されることになり、コンパレータ32は、その出力レベル状態を変えようとする。この結果、電流設定電圧Vinが基準電圧Vrefより高い状態では、入力電圧リミッタ回路3は、図3に示したように、基準電圧Vrefに等しい出力電圧Voutを出力し、電流設定電圧Vinは、その基準電圧Vrefに制限されて出力することになる。
【0035】
図4は、第2の実施の形態に係る容量制御弁の制御装置を示す回路図である。この図4において、図1に示した構成要素と同じ構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0036】
この容量制御弁の制御装置は、容量制御弁1をパルス駆動するドライバトランジスタ7及び出力トランジスタ8の構成は同じであるが、ドライバトランジスタ7のベースには、所定の周波数を有するデューティ比が固定のパルス信号が入力されている。これにより、容量制御弁1には、デューティ比が固定されたパルス電流が流れることになる。
【0037】
また、直流電源Vccと出力トランジスタ8との間には、電源電圧制御回路11が設けられている。この電源電圧制御回路11は、トランジスタT11を有し、そのコレクタは直流電源Vccに接続され、エミッタは出力トランジスタ8のエミッタに接続され、ベースは抵抗R6を介して平滑回路を構成する演算増幅器4の出力に接続されている。トランジスタT11のベースとエミッタとの間には抵抗R7が接続されている。
【0038】
なお、検出抵抗9が容量制御弁1と直列に接続され、この直列回路と並列に保護ダイオード2が接続されている構成、及び平滑回路を構成する演算増幅器4の非反転入力に入力電圧リミッタ回路3が設けられている構成は、図1の制御装置と同じである。
【0039】
以上の構成の制御装置によれば、まず、電源電圧制御回路11が演算増幅器4の出力信号によって、外部から与えられる容量制御弁1のパルス電流のデューティ比に対応した電圧をトランジスタT11のエミッタに出力するよう制御される。ここで、容量制御弁1は、ドライバトランジスタ7及び出力トランジスタ8によってデューティ比が固定されたパルス電流によって駆動され、このときソレノイドの電磁コイルに流れる電流は、検出抵抗9によって検出される。検出抵抗9によって検出された検出電圧は、平滑回路によって平滑されて外部より設定されるデューティ比に対応した電圧を補正し、電源電圧制御回路11は、容量制御弁1を流れる電流の平均値が一定になるように出力トランジスタ8のエミッタに印加する電圧を制御する。
【0040】
外部より設定されるデューティ比が変えられた場合は、そのデューティ比に応じて出力トランジスタ8のエミッタに印加される電圧が制御される。例えば、デューティ比を大きくするよう設定された場合、電源電圧制御回路11は、出力トランジスタ8のエミッタに印加する電圧が高くなるよう制御し、デューティ比を小さくするよう設定された場合には、出力トランジスタ8のエミッタに印加する電圧が低くなるよう制御する。つまり、この制御装置は、設定されるデューティ比に応じて、第1の実施の形態の場合のように容量制御弁1を流れるパルス電流のデューティ比を変えるのではなく、デューティ比が固定されたパルス電流の波高値(ピーク値)を変えて、容量制御弁1を流れるパルス電流の平均値を制御しているのである。
【0041】
また、外部より設定されるデューティ比に応じた値を有する電流設定電圧が基準電圧以下で入力電圧リミッタ回路3に入力されている場合は、上記に説明した動作をするが、基準電圧を超えた場合には、入力電圧リミッタ回路3が電流設定電圧を基準電圧に制限するリミッタ処理を行うことになる。このように、外部から設定される電流設定電圧にリミッタ処理を施し、リミッタ処理された電流設定電圧と実効コイル電流の大きさに応じて容量制御弁1に流れるパルス電圧の波高値を変化させることにより、冷凍サイクルの高圧圧力の異常上昇を未然に回避できるばかりでなく、ソレノイドへ流れる電流のピーク値を一定にすることができる。これにより、冷凍サイクルの高圧圧力の異常上昇を回避できるとともに、電流のピーク値を一定になることにより、ルップル量をほぼ一定にすることができる。この結果、容量制御弁の吸引特性をヒステリシスの少ない良好なものにすることができる。
【0042】
さらに、ソレノイドの電磁コイルが昇温することによりコイル抵抗が増加することに対しても、その変動を検出抵抗9が検出して補正するよう制御するため、電磁コイルの温度変化によって容量制御弁1の弁特性が変化することはない。
【0043】
さらに、上記の説明では、容量制御弁1の制御装置において、容量制御弁1をパルス駆動するパルス電流のデューティ比制御または波高値制御を行うために入力される電流設定電圧に対して入力電圧リミッタ回路3が高圧回避のための処理を電気回路で実現している。コントロールユニットでは、マイクロプロセッサ等が搭載され、室内検出温度、設定温度、エンジンの駆動状態、クランク室の圧力等の条件に基づいて、容量制御弁の制御量を算出し、制御量によって規定される容量制御弁1を駆動制御するための電流設定電圧値を算出している。この電流設定電圧を算出するプログラムにリミッタ処理プログラムを組み込むことによっても、入力電圧リミッタ回路3のリミッタ処理機能を実現することができる。次に、そのリミッタ処理を行う高圧回避プログラムについて説明する。
【0044】
図5は、高圧回避プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
コントロールユニットでの処理が開始され、各種条件に従って容量制御弁の制御量が決定され、制御量によって設定される電流に相当する電流設定電圧値が算出される(ステップS01)。続いて、算出された電流設定電圧値が制限しようとする電流に相当する値より大きいかどうかが判定され(ステップS02)、制限電流相当の値を超えている場合は、制限電流相当の電圧値を電流設定電圧として設定する(ステップS03)。算出された電流設定電圧が制限電流相当の電圧値を超えていない場合は、そのままステップS04へ処理を進める。次に、このようにして算出もしくは設定された電流設定電圧を出力し(ステップS04)、その後は、ステップS01に戻り、以上の処理を繰り返し実行する。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、容量制御弁を制御する入力信号に対し、容量制御弁に所定値以上の電流が流れないように制限を加えるリミッタ手段を備える構成にした。これにより、冷凍サイクルの起動時に可変容量型圧縮機が最大冷力が得られるように制御されるが、そのときに、リミッタ手段が容量制御弁に必要以上の電流を流さないよう制限することで、可変容量型圧縮機の吐出側の冷媒圧力が異常高圧になるのを未然に防止することができる。この結果、従来用いていた高圧回避のための手段を不要にし、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る容量制御弁の制御装置を示す回路図である。
【図2】第1の実施の形態に係る容量制御弁の制御装置における入力電圧リミッタ回路の一例を示す回路図である。
【図3】図2に示した入力電圧リミッタ回路における入力電圧と出力電圧との関係を示した図である。
【図4】第2の実施の形態に係る容量制御弁の制御装置を示す回路図である。
【図5】高圧回避プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】冷凍サイクルの一構成例を示すシステム図である。
【符号の説明】
1 容量制御弁
2 保護ダイオード
3 入力電圧リミッタ回路
4 演算増幅器
5 三角波発振回路
6 PWM変換器
7 ドライバトランジスタ
8 出力トランジスタ
9 検出抵抗
11 電源電圧制御回路
31 基準電圧発生器
32 コンパレータ
Claims (5)
- ソレノイドをパルス電流で駆動するようにした可変容量型圧縮機用の容量制御弁の制御装置において、
前記ソレノイドに供給すべき前記パルス電流の値に相当する電流設定信号を入力し、所定値以上の電流設定がなされないように前記電流設定信号に制限を加えて出力することにより過大な電流設定によって可変容量型圧縮機の吐出側の圧力が異常に高圧になるのを防止するようにしたリミッタ手段を備えていることを特徴とする容量制御弁の制御装置。 - 前記リミッタ手段は、前記所定値の電流に相当する基準電圧を発生させる基準電圧発生器と、第1及び第2の抵抗による直列回路を介して入力された前記電流設定信号の電圧と前記基準電圧発生器の前記基準電圧とを比較するコンパレータと、アノードが前記第1及び第2の抵抗の接続点に接続されるとともにカソードが前記コンパレータの出力に接続されたダイオードとを有し、前記接続点を出力端子としたことを特徴とする請求項1記載の容量制御弁の制御装置。
- 前記リミッタ手段は、前記電流設定信号の値と前記パルス電流の所定値とを比較する手段と、前記電流設定信号の値が前記所定値より小さいとき前記電流設定信号の値を選択し、前記電流設定信号の値が前記所定値より大きいとき前記所定値を選択して出力する手段とを有していることを特徴とする請求項1記載の容量制御弁の制御装置。
- 前記ソレノイドの電磁コイルと直列に接続されて前記電磁コイルを流れる電流を検出する電流検出部と、前記電磁コイルと前記電流検出部との直列回路に対して並列に接続された保護ダイオードと、前記直列回路に直列に接続されて前記電磁コイルに流す電流をスイッチングするスイッチング素子と、前記電流検出部によって検出された電流に比例する電圧を平滑化し前記リミッタ手段からの前記電流設定信号を補正して出力する平滑回路と、三角波信号と前記平滑回路の出力信号とからパルス幅変調信号を出力して前記スイッチング素子を制御するパルス幅変調回路と、をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の容量制御弁の制御装置。
- 前記ソレノイドの電磁コイルと直列に接続されて前記電磁コイルを流れる電流を検出する電流検出部と、前記電磁コイルと前記電流検出部との直列回路に対して並列に接続された保護ダイオードと、前記直列回路に直列に接続されて前記電磁コイルに流す電流を固定のデューティ比でスイッチングさせるスイッチング素子と、前記電流検出部によって検出された電流に比例する電圧を平滑化し前記リミッタ手段からの前記電流設定信号を補正して出力する平滑回路と、前記直列回路および前記スイッチング素子からなる回路と電源との間に接続され、前記電源の電圧を前記平滑回路の出力信号に応じた電圧に制御して前記電磁コイルに流すパルス電流の波高値を前記リミッタ手段からの前記電流設定信号の値に対応する電圧に制御するとともに前記電流検出部による検出電流に応じて補正する電源電圧制御回路と、をさらに備えていることを特徴とする請求項1記載の容量制御弁の制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US10116245B2 (en) | 2014-06-24 | 2018-10-30 | Panasonic Appliances Refrigeration Devices Singapore | Compressor driving device, compressor including the same, and refrigeration cycle apparatus including the compressor driving device and the compressor |
CN114321103A (zh) * | 2021-12-24 | 2022-04-12 | 杭州电子科技大学 | 一种永磁同步电机液压系统多段压力流量控制方法 |
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2002
- 2002-12-19 JP JP2002367731A patent/JP2004197663A/ja active Pending
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