JP2004197366A - 調湿調温性床材 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸湿性及び放湿性に優れた調湿調温性床材を提供する。
【解決手段】通気性シート(A)、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂とを含有する中間層及び通気性シート(B)又は/及び非通気性シート(C)とを有する積層体であり、該中間層中の高吸放湿性微粒子の含有量が40〜3000g/m2である調湿調温積層体が少なくとも1層積層されてなる調湿調温性床材及び通気性シート(A)、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂とを含有する中間層及び通気性シート(B)及び繊維構造体層(D)とを有する積層体であり、該中間層中の高吸放湿性微粒子の含有量が40〜3000g/m2である調湿調温積層体が少なくとも1層積層されてなる調湿調温性床材。
【選択図】 なし
【解決手段】通気性シート(A)、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂とを含有する中間層及び通気性シート(B)又は/及び非通気性シート(C)とを有する積層体であり、該中間層中の高吸放湿性微粒子の含有量が40〜3000g/m2である調湿調温積層体が少なくとも1層積層されてなる調湿調温性床材及び通気性シート(A)、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂とを含有する中間層及び通気性シート(B)及び繊維構造体層(D)とを有する積層体であり、該中間層中の高吸放湿性微粒子の含有量が40〜3000g/m2である調湿調温積層体が少なくとも1層積層されてなる調湿調温性床材。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は畳及びその本体を形成する畳床などの床材に関するものであり、さらに詳しくは、吸湿性及び放湿性に優れた調湿材を積層した床材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物における湿気は、建物の腐蝕やダニの繁殖、カビ発生などの問題を引き起こし、さらに、生活環境下においては、人に不快感を生じさせる。建物の耐久性の向上や不快感の低減のためには、この湿気を低減することが重要な課題である。
【0003】
これらの建物の耐久性や不快感を低減する対策として様々な方法があるが、どれも満足する方法ではない。電力による温熱循環システムは、電力経費が嵩むことが問題である。省エネルギー的方法として、炭素粉含有させたボードを畳やフローリング内に利用する方法(特許文献1参照)が知られている。しかし、カビやダニの発生を抑制する効果があるとされるが、長時間着座した時などに蒸れ感を感じないほどの効果はなく、快適性に関しては不十分である。
【0004】
【特許文献1】特開平9−32249号公報(請求項1)など
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術での問題点を解決し、吸湿性及び放湿性に優れ、さらには、保温性にも優れた調湿調湿性床材を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の構成を採用するものである。すなわち、
1.通気性シート(A)、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂とを含有する中間層及び通気性シート(B)又は/及び非通気性シート(C)とを有する積層体であり、該中間層中の高吸放湿性微粒子の含有量が40〜3000g/m2である調湿調温積層体が少なくとも1層積層されてなることを特徴とする調湿調温性床材。
2.通気性シート(A)、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂とを含有する中間層及び通気性シート(B)及び繊維構造体層(D)とを有する積層体であり、該中間層中の高吸放湿性微粒子の含有量が40〜3000g/m2である調湿調温積層体が少なくとも1層積層されてなることを特徴とする調湿調温性床材。
3.中間層のバインダー樹脂が粉末型熱接着性接着剤であり、高吸湿性微粒子/粉末型熱接着性接着剤の質量比が60/40〜95/5であることを特徴とする上記第1又は第2に記載の調湿調温性床材。
4.粉末型熱接着性接着剤の粒径が高吸湿性微粒子の粒径よりも小さいことを特徴とする上記第1〜第3のいずれかに記載の調湿調温性床材。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における通気性シート(A)及び(B)は、スパンボンド不織布、ニードルパンチフェルト不織布、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブロー不織布、さらには、これらの積層体(例SMS等)、連続線状立体網状体、シングルニット、ダブルニット等の丸編、トリコット、ラッセル、ダブルラッセル等の経編、または織物などの繊維構造体である。
【0008】
通気性シート(A)及び(B)の素材は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリルニトリル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリテトラメチレンテレフタレート系、ポリウレタン系、ポリフェニレンサルファイド系等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の化学繊維、木綿、麻、シルク、ウール、羽毛などの天然繊維もしくはこれらの混用素材が使用でき、通気性シート(A)及び(B)は同じであっても異なっていてもよいが、中間層形成のための粒子支持体として使用する通気性シート(A)は、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂を確実に保持し、固定しやすい形状、厚みであるものが好ましい。この意味で、凹凸を付与した長繊維や短繊維の不織布が好ましい。
凹凸の形成する手段としては、ニードルパンチ加工、プリーツ加工、厚さの大きいエアースルー加工等があるが、好ましくはニードルパンチ加工である。
【0009】
本発明における通気性シートの厚さ及び目付は、用途、素材により異なるが、適宜2〜30mm程度の範囲で変えることが出来る。例えば、床材の場合は、厚みは2mmから15mmであり、目付は100g/m2から900g/m2の範囲が好適である。
【0010】
本発明の積層体の中間層中には、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂とを含有する。高吸放湿性微粒子とは、高吸湿性で、かつ放湿性に優れた微粒子であれば、特に化学構造的に限定されるものではなく、例えば、吸湿性シリカなどの無機系、もしくはポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系およびポリアクリレート系などの種々の有機系微粒子が使用可能であるが、有機微粒子が好ましい。この例として、ポリスチレン系、ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル系、ポリメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系重合体で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基あるいは、それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有し、かつジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネートまたはヒドラジンのいずれかで架橋された重合体微粒子が挙げられる。
【0011】
高吸放湿性微粒子の吸湿率(20℃、65%RH)が18%以上が好ましく、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは40%以上である。
【0012】
高吸放湿性有機微粒子のうち、特に好ましいものは、アクリロニトリルを主体としたアクリロニトリル系重合体微粒子にヒドラジン処理により架橋結合を導入して、窒素含有量を0.9〜8.1質量%、好ましくは2.9〜8.1質量%の範囲内に調整し、加水分解処理により、残存しているニトリル基量の1.0〜5.0meq/g、好ましくは2.6〜5.0meq/gにカルボキシル基を導入し、次いで既カルボキシル基の50〜90mol%、好ましくは60〜85mol%をMg、Ca、Cu、Zn、Al、Ag、Feより選ばれる1種あるいは2種以上の金属塩型としたものである。なお、調湿機能を損なわない範囲でこれら以外の金属も使用することができる。しかし、その含有量はカルボキシル基量として、5mol%以下である。
【0013】
高吸放湿性微粒子の粒度は、平均粒子径が0.01〜200μm程度のものが使用できるが、調湿調温性の点では、できるだけ細かい方が好ましいが、作業性、バインダー樹脂との混和性の点では、見掛けの粒度は、できるだけ大きいことが好ましく、0.1〜1mm程度の顆粒状に予め成形したものも使用できる。1次的平均粒子径は3μm未満が好ましい。
【0014】
次に、高吸放湿性微粒子とともに中間層を形成するバインダー樹脂は、粉末型熱接着性接着剤が高吸放湿性微粒子と均一に混合できるので好ましい。粉末型熱接着性接着剤の粒子径は、吸高吸放湿性微粒子よりも小さいことが好ましい。粉末型熱接着性接着剤の粒子径が大きいと接着加工後、未接着の高吸放湿性微粒子が多くなり粒子飛散の問題が発生しやすい傾向がある。粉末型熱接着性接着剤の粒子径は高吸放湿性微粒子の1/5以下であることがより好ましい。
【0015】
接着剤樹脂の種類としては、ポリエチレン系、エチレンビニルアルコール系、ポリビニルアルコール系、シリコン系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエチレンオキサイド系、ポリオレフィン系またエチレン-アクリル共重合体等の2成分および3成分共重合体などの樹脂が挙げられ、吸湿性微粒子との相溶性、熱接着性に問題なければ、特に限定されないが、親水性樹脂が高吸放湿性微粒子の効果を阻害しない点で好ましい。この意味では吸湿率は3〜50%のものが好ましい。
【0016】
親水性樹脂としては、親水性セグメントとして、ポリアルキレンオキサイド付加重合体、スルホン酸塩、カルボン酸塩等の極性親水基、アミド変成基などを導入した親水性シリコン系樹脂、親水性ウレタン系樹脂、親水性ポリアミド系樹脂、親水性ポリエチレンオキサイド系樹脂で、樹脂自身の吸湿性、透湿性が高いものが挙げられる。
【0017】
中間層における高吸湿性微粒子/粉末型熱接着性接着剤の質量比は、60/40〜95/5が好ましい。高吸湿性微粒子の含有率が95質量%を超えると、高吸湿性微粒子の固着が不十分になり、また、60質量%を下回ると本発明の効果が得られにくくなる傾向がある。
【0018】
中間層中の高吸放湿性微粒子の含有量は、40〜3000g/m2である。高吸放湿性微粒子の含有量が3000g/m2を超えると、高吸湿性微粒子の固着が不十分になり、また、40g/m2を下回ると本発明の効果が得られにくくなる。高吸放湿性微粒子の含有量は、その目的に応じて適宜選択することができるが、製造のしやすさ、製造コストなどから、100〜1000g/m2が好ましく、より好ましくは150〜600g/m2、さらに好ましくは200〜500g/m2である。
また、中間層中には、目的に応じて、他の吸湿性粒子、活性炭粉末、セラミックス粒子、シリカ粒子、抗菌剤、消臭剤などの機能性粒子を含有させることができる。
【0019】
本発明の通気性シート(A)、(B)及び中間層からなる積層体の目付は、用途によっても異なるが、通常200〜3500g/m2、厚さ1.0〜50mmが好ましい。取扱い性、製造のしやすさから、好ましくは、目付400〜2000g/m2、厚さ1.5〜30mmであり、さらに好ましくは、目付500〜1000g/m2、厚さ2〜10mmである。
【0020】
本発明の積層体は、一方の通気性シートの上に、高吸湿性微粒子と熱接着性の樹脂バインダーとを付与して接着面を形成すると同時に、該接着面に他の通気性シート又は非通気性シートを重ねて熱接着する方法が好適に採用される。より具体的には、高吸湿性微粒子と粉末型熱接着性接着剤とを質量比が60/40〜95/5で混合し、該混合物を凹凸が付与された通気性シート(A)上に塗布し、次いで、該塗布面の上に通気性シート(B)又は非通気性シート(C)を重ね、かつ粉末型熱接着性接着剤の融点以上の温度で熱処理することを特徴とすることによって製造することができる。高吸湿性微粒子と粉末型熱接着性接着剤との混合物を通気性シート上に塗布する方法としては、熱ラミネート方式が好ましい。
【0021】
本発明の積層体における通気性シートは、高い吸湿性と高い放湿性とを発揮する中間層の保持及び保護層であるのみならず、水分を含んだ空気の導入層又は放出層の役割を果たすものである。したがって、中間層が水分を含んだ空気を導入して吸湿すると、吸湿による発熱を発現し、逆に中間層が水分を放湿すると、放湿による吸熱、冷却を発現することができる。
【0022】
本発明の積層体においては、非通気性シート(C)は、通気性シート(B)を介して又は直接に中間層に積層することができる。積層の方法は、特に限定はされず、公知の接着方式が用途及び必要に応じて採用することができ、部分接着、全面接着、仮接着、面ファスナーなどの接着方式あるいは重ねるだけでもよい。
例えば、この積層体の非通気性シート(C)側を人体の反対側になるように使用すると、人体から発生する水分は逃げ場所がないのでほとんど中間層が吸収することになり、吸湿発熱性を高めることができ、保温性が向上する。
【0023】
非通気性シート(C)としては、フィルム、シートあるいはフィルムと不織布の積層体などが使用可能である。フィルムやシートは、公知の合成樹脂製のものが使用でき、用途に応じて必要により防水性、透湿性、耐候性などのものを適宜使用することができる。
【0024】
また、本発明の積層体において、中間層の両側が通気性シートになる場合は、さらに繊維構造体層(D)が積層される。この繊維構造体層(D)とは、前記の通気性シート(A)や(B)を構成する繊維と同様な繊維が使用でき、編物、織物、立体網状体、硬わたクッション材などである。繊維構造体層(D)の目付や厚さは、用途や目的によって適宜選択できるが、通常、目付は40〜1000g/m2、厚さ0.1〜50mmが好適である。
【0025】
繊維構造体層(D)の積層の方法は、特に限定はされず、公知の接着方式を用途及び必要に応じて公知の接着方式を適宜採用することができる。部分接着、全面接着、仮接着、面ファスナーなどの接着方式あるいは重ねるだけでもよい。例えば、この積層体の繊維構造体層(D)側を人体の反対側になるように使用すると、人体から発生する水分は、中間層、繊維構造体層(D)を通って放出することができ、中間層からの水分の放出に伴う吸熱、冷却効果によって冷感を得ることができる。
【0026】
本発明の調湿床材を使用すると、建物内の湿度を低減して、建物の耐久性の向上、生活環境下において、不快感を低減することが容易に出来る。また、床材に直接寝てもむれ感、汗ばみを感じることがなく、起きた直後に着衣や下着の身体へのベタツキを感じることがなく、快適性に優れた床材を提供することができる。
【0027】
本発明における積層体は、単位面積当り多量の水分を吸収でき、かつ放出することができる。例えば、高吸放湿性微粒子の吸湿率(20℃、65%RH)が40%の高吸放湿性微粒子を1m2の当り2500gを中間層に含有させると、20℃、65%RHの標準状態でも、1kg/m2もの水分を吸湿することができる。より高温、多湿では、さらに多くの水分を吸収でき、かつ放出することができる。したがって、シ−ト状の除湿材、乾燥材、調湿材、調温材としても有用である。
【0028】
したがって、本発明における積層体は、吸湿性、放湿性が高く、使用される環境に応じて、人や環境対して快適性を与えるために使用することができる積層体であり、高湿度環境においては吸湿性、結露防止性を発揮し、高温の環境においては、冷感を与え、低温環境においては吸湿発熱による保温性など、より快適性を向上させる効果を発揮することができる。
【0029】
本発明の床材とは、古来から使い続けられ、日本人の住生活に欠かすことが出来ない畳や、近年多く用いられている合板を張り合わせたフローリング等が含まれる。
【0030】
畳は、畳表(たたみおもて)と、畳床(たたみとこ)から基本的に構成されている。畳表は、麻、絹、麻、木綿、藁、天然イ草、ケナフ、等の天然繊維、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維からなる織物で形成される。また、畳床は従来、稲から構成されている場合が多いが、近年、発泡ウレタン、麻、絹、麻、木綿、檜チップ、ヒバ(特に著名な青森ヒバ)等の天然繊維、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維からなる硬綿(わたの積層体)から構成される。一般的に、天然繊維からなる畳は、天然畳、合成繊維からなる畳は、合成畳、化学畳と呼ばれている。
【0031】
フローリングは、2枚以上の木材からなる合板を接着剤で固定化されたものである。木材とは、カラ松、桧、桐、本カリン、杉、カバザクラ、松、タモ、ナラ等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、用いられる接着剤は、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤等が用いられており、近年、人体や環境の影響を考慮して、接着剤を使用しないものも増えてきている。
【0032】
【実施例】
以下に本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0033】
着用試験:
被験者10名が木綿65質量%/ポリエステル35質量%混のニットシャツ及び木綿100%のズボンを着用して、25℃、50%RH環境下で、床材の上で8時間寝た後のむれ感の主観評価を行った。
○ ・・・ むれ感が少ない
△ ・・・ やや蒸れる
× ・・・ むれ感が大きい
【0034】
積層体表面からの粉もれ試験:
屈曲試験:MIT試験機(屈曲試験機)JIS P8115に準じて実施した。
サンプルの4方ヒートシールで止めて屈曲試験を行なった。
250g荷重 135° 175回/min、1000回
○・・・ほとんど漏れなし
△ ・・・少し漏れる
× ・・・著しく漏れる
【0035】
実施例1
調湿調温積層体の作製:
ニードルパンチ加工されたポリエステルスパンボンド不織布(繊度2.2dtex、厚さ1.7mm、目付130g/m2)(下層)に、平均粒子径50μmの架橋アクリル系微粒子(日本エクスラン工業社製HU100P、20℃、65%RH環境下の吸湿率40%)と融点106℃平均粒径10μmのエチレン-アクリル共重合体パウダーとの混合物(85/15質量比)を200g/m2の付与量になるようにパウダー塗布機で塗布した後、更にその上からを下層と同様の不織布を積層し、150℃でラミネート加工機を用いて接着積層を行い見掛け厚さ3mm、目付460g/m2の調温調湿積層体を得た。得られた積層体の周囲を変性オレフィン系樹脂(融点110℃)を用いて巾2mm 厚さ2mmの樹脂シールを行なった。次いで調湿調温積層体の屈曲試験を行なったところ、積層体表面からの微粒子の飛散は確認されなかった。
【0036】
床材の作製:
畳床はポリエステル短繊維の通気性がある硬わたクッション材(繊度2.2dtex、繊維長51mm、目付200g/m2、厚さ50mm)、その表層に上記調湿調温積層体を取り付け、さらに、最表層に畳表(イ草100重量%、目付100g/m2)を用いて作成した。
【0037】
実施例2
実施例1と同様に、畳床に発泡ウレタン(発泡倍率93%、目付200g/m2、厚さ50mm)を用いて作成した。
【0038】
実施例3〜4
調湿調温積層体の作製:
ニードルパンチされたポリエステルスパンボンド不織布(繊度2.2dtex、厚さ1.7mm、目付130g/m2)(下層)に、平均粒子径50μmの架橋アクリル系微粒子(日本エクスラン工業社製HU100P、20℃、65%RH環境下の吸湿率40%)と融点106℃平均粒径10μmのエチレン-アクリル共重合体パウダーの混合物(85/15質量比)300g/m2をパウダー塗布機で塗布した後、更に上からポリプロピレンSMS不織布(スパンボンド(繊度2.2dtex、目付30g/m2)/メルトブロー不織布(繊度0.2dtex、目付20g/m2)/スパンボンド(繊度2.2dtex、目付20g/m2))(上層)を積層し、150℃でラミネート加工機を用いて接着積層を行い、見掛け厚さ2.6mm、目付500g/m2の調湿調温積層体を得た。得られた積層体の周囲を変性オレフィン系樹脂(融点110℃)を用いて巾2mm、厚さ2mmの樹脂シールを行なった。シール後、実施例1と同様に屈曲試験行なった結果、積層体表面からの微粒子の飛散は確認されなかった。
【0039】
床材の作製:
実施例1及び実施例2と同様に、畳表、畳床からなる床材を作成した。
【0040】
実施例5〜6
調湿調温積層体の作製:
実施例3において、上層にフィルムラミネートしたスパンボンド不織布(カレンダーロール処理されたポリエステルスパンボンド(繊度2.2dtex、目付50g/m2)に透湿性ポリエステルエラストマーフィルム(30μm)をラミネート積層したもの)を使用する以外は実施例3と同様にして、見掛け厚さ2.6mm、目付510g/m2の調温調湿積層体を得た。得られた積層体の周囲を変性オレフィン系樹脂(融点110℃)を用いて巾2mm 厚さ2mmの樹脂シールを行なった。シール後、屈曲試験行なった結果、積層体表面からの微粒子の飛散は確認されなかった。
【0041】
床材の作製:
実施例1及び実施例2と同様に、畳表、畳床からなる床材を作成した。
【0042】
比較例1〜2
フェルト不織布の作製:
ポリエステル短繊維(東洋紡績社製、20℃、65%RH環境下の吸湿率は0.4%、繊度2.4dtex、繊維長38mm)100質量%からなるステープルを用いて、ニードルパンチ法によって目付500g/m2、厚さ15mmのフェルト不織布を作製した。この不織布を用いて実施例1及び実施例2と同様に床材を得て、同様に評価した。
【0043】
表1は、実施例及び比較例の結果をまとめたものである。
【表1】
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、吸湿性と放湿性に極めて優れた調湿調温積層体の少なくとも1層を床材に使用しているため、蒸れ感がなく、快適性の高い床材を提供することができる。
【発明が属する技術分野】
本発明は畳及びその本体を形成する畳床などの床材に関するものであり、さらに詳しくは、吸湿性及び放湿性に優れた調湿材を積層した床材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物における湿気は、建物の腐蝕やダニの繁殖、カビ発生などの問題を引き起こし、さらに、生活環境下においては、人に不快感を生じさせる。建物の耐久性の向上や不快感の低減のためには、この湿気を低減することが重要な課題である。
【0003】
これらの建物の耐久性や不快感を低減する対策として様々な方法があるが、どれも満足する方法ではない。電力による温熱循環システムは、電力経費が嵩むことが問題である。省エネルギー的方法として、炭素粉含有させたボードを畳やフローリング内に利用する方法(特許文献1参照)が知られている。しかし、カビやダニの発生を抑制する効果があるとされるが、長時間着座した時などに蒸れ感を感じないほどの効果はなく、快適性に関しては不十分である。
【0004】
【特許文献1】特開平9−32249号公報(請求項1)など
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した従来技術での問題点を解決し、吸湿性及び放湿性に優れ、さらには、保温性にも優れた調湿調湿性床材を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の構成を採用するものである。すなわち、
1.通気性シート(A)、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂とを含有する中間層及び通気性シート(B)又は/及び非通気性シート(C)とを有する積層体であり、該中間層中の高吸放湿性微粒子の含有量が40〜3000g/m2である調湿調温積層体が少なくとも1層積層されてなることを特徴とする調湿調温性床材。
2.通気性シート(A)、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂とを含有する中間層及び通気性シート(B)及び繊維構造体層(D)とを有する積層体であり、該中間層中の高吸放湿性微粒子の含有量が40〜3000g/m2である調湿調温積層体が少なくとも1層積層されてなることを特徴とする調湿調温性床材。
3.中間層のバインダー樹脂が粉末型熱接着性接着剤であり、高吸湿性微粒子/粉末型熱接着性接着剤の質量比が60/40〜95/5であることを特徴とする上記第1又は第2に記載の調湿調温性床材。
4.粉末型熱接着性接着剤の粒径が高吸湿性微粒子の粒径よりも小さいことを特徴とする上記第1〜第3のいずれかに記載の調湿調温性床材。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における通気性シート(A)及び(B)は、スパンボンド不織布、ニードルパンチフェルト不織布、ケミカルボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、メルトブロー不織布、さらには、これらの積層体(例SMS等)、連続線状立体網状体、シングルニット、ダブルニット等の丸編、トリコット、ラッセル、ダブルラッセル等の経編、または織物などの繊維構造体である。
【0008】
通気性シート(A)及び(B)の素材は、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリアクリルニトリル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリテトラメチレンテレフタレート系、ポリウレタン系、ポリフェニレンサルファイド系等の合成繊維、レーヨン、アセテート等の化学繊維、木綿、麻、シルク、ウール、羽毛などの天然繊維もしくはこれらの混用素材が使用でき、通気性シート(A)及び(B)は同じであっても異なっていてもよいが、中間層形成のための粒子支持体として使用する通気性シート(A)は、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂を確実に保持し、固定しやすい形状、厚みであるものが好ましい。この意味で、凹凸を付与した長繊維や短繊維の不織布が好ましい。
凹凸の形成する手段としては、ニードルパンチ加工、プリーツ加工、厚さの大きいエアースルー加工等があるが、好ましくはニードルパンチ加工である。
【0009】
本発明における通気性シートの厚さ及び目付は、用途、素材により異なるが、適宜2〜30mm程度の範囲で変えることが出来る。例えば、床材の場合は、厚みは2mmから15mmであり、目付は100g/m2から900g/m2の範囲が好適である。
【0010】
本発明の積層体の中間層中には、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂とを含有する。高吸放湿性微粒子とは、高吸湿性で、かつ放湿性に優れた微粒子であれば、特に化学構造的に限定されるものではなく、例えば、吸湿性シリカなどの無機系、もしくはポリウレタン系、ポリアミド系、ポリエステル系およびポリアクリレート系などの種々の有機系微粒子が使用可能であるが、有機微粒子が好ましい。この例として、ポリスチレン系、ポリアクリロニトリル系、ポリアクリル酸エステル系、ポリメタクリル酸エステル系のいずれかのビニル系重合体で、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基あるいは、それらの金属塩の少なくとも1種の親水基を有し、かつジビニルベンゼン、トリアリルイソシアネートまたはヒドラジンのいずれかで架橋された重合体微粒子が挙げられる。
【0011】
高吸放湿性微粒子の吸湿率(20℃、65%RH)が18%以上が好ましく、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは40%以上である。
【0012】
高吸放湿性有機微粒子のうち、特に好ましいものは、アクリロニトリルを主体としたアクリロニトリル系重合体微粒子にヒドラジン処理により架橋結合を導入して、窒素含有量を0.9〜8.1質量%、好ましくは2.9〜8.1質量%の範囲内に調整し、加水分解処理により、残存しているニトリル基量の1.0〜5.0meq/g、好ましくは2.6〜5.0meq/gにカルボキシル基を導入し、次いで既カルボキシル基の50〜90mol%、好ましくは60〜85mol%をMg、Ca、Cu、Zn、Al、Ag、Feより選ばれる1種あるいは2種以上の金属塩型としたものである。なお、調湿機能を損なわない範囲でこれら以外の金属も使用することができる。しかし、その含有量はカルボキシル基量として、5mol%以下である。
【0013】
高吸放湿性微粒子の粒度は、平均粒子径が0.01〜200μm程度のものが使用できるが、調湿調温性の点では、できるだけ細かい方が好ましいが、作業性、バインダー樹脂との混和性の点では、見掛けの粒度は、できるだけ大きいことが好ましく、0.1〜1mm程度の顆粒状に予め成形したものも使用できる。1次的平均粒子径は3μm未満が好ましい。
【0014】
次に、高吸放湿性微粒子とともに中間層を形成するバインダー樹脂は、粉末型熱接着性接着剤が高吸放湿性微粒子と均一に混合できるので好ましい。粉末型熱接着性接着剤の粒子径は、吸高吸放湿性微粒子よりも小さいことが好ましい。粉末型熱接着性接着剤の粒子径が大きいと接着加工後、未接着の高吸放湿性微粒子が多くなり粒子飛散の問題が発生しやすい傾向がある。粉末型熱接着性接着剤の粒子径は高吸放湿性微粒子の1/5以下であることがより好ましい。
【0015】
接着剤樹脂の種類としては、ポリエチレン系、エチレンビニルアルコール系、ポリビニルアルコール系、シリコン系、ウレタン系、アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエチレンオキサイド系、ポリオレフィン系またエチレン-アクリル共重合体等の2成分および3成分共重合体などの樹脂が挙げられ、吸湿性微粒子との相溶性、熱接着性に問題なければ、特に限定されないが、親水性樹脂が高吸放湿性微粒子の効果を阻害しない点で好ましい。この意味では吸湿率は3〜50%のものが好ましい。
【0016】
親水性樹脂としては、親水性セグメントとして、ポリアルキレンオキサイド付加重合体、スルホン酸塩、カルボン酸塩等の極性親水基、アミド変成基などを導入した親水性シリコン系樹脂、親水性ウレタン系樹脂、親水性ポリアミド系樹脂、親水性ポリエチレンオキサイド系樹脂で、樹脂自身の吸湿性、透湿性が高いものが挙げられる。
【0017】
中間層における高吸湿性微粒子/粉末型熱接着性接着剤の質量比は、60/40〜95/5が好ましい。高吸湿性微粒子の含有率が95質量%を超えると、高吸湿性微粒子の固着が不十分になり、また、60質量%を下回ると本発明の効果が得られにくくなる傾向がある。
【0018】
中間層中の高吸放湿性微粒子の含有量は、40〜3000g/m2である。高吸放湿性微粒子の含有量が3000g/m2を超えると、高吸湿性微粒子の固着が不十分になり、また、40g/m2を下回ると本発明の効果が得られにくくなる。高吸放湿性微粒子の含有量は、その目的に応じて適宜選択することができるが、製造のしやすさ、製造コストなどから、100〜1000g/m2が好ましく、より好ましくは150〜600g/m2、さらに好ましくは200〜500g/m2である。
また、中間層中には、目的に応じて、他の吸湿性粒子、活性炭粉末、セラミックス粒子、シリカ粒子、抗菌剤、消臭剤などの機能性粒子を含有させることができる。
【0019】
本発明の通気性シート(A)、(B)及び中間層からなる積層体の目付は、用途によっても異なるが、通常200〜3500g/m2、厚さ1.0〜50mmが好ましい。取扱い性、製造のしやすさから、好ましくは、目付400〜2000g/m2、厚さ1.5〜30mmであり、さらに好ましくは、目付500〜1000g/m2、厚さ2〜10mmである。
【0020】
本発明の積層体は、一方の通気性シートの上に、高吸湿性微粒子と熱接着性の樹脂バインダーとを付与して接着面を形成すると同時に、該接着面に他の通気性シート又は非通気性シートを重ねて熱接着する方法が好適に採用される。より具体的には、高吸湿性微粒子と粉末型熱接着性接着剤とを質量比が60/40〜95/5で混合し、該混合物を凹凸が付与された通気性シート(A)上に塗布し、次いで、該塗布面の上に通気性シート(B)又は非通気性シート(C)を重ね、かつ粉末型熱接着性接着剤の融点以上の温度で熱処理することを特徴とすることによって製造することができる。高吸湿性微粒子と粉末型熱接着性接着剤との混合物を通気性シート上に塗布する方法としては、熱ラミネート方式が好ましい。
【0021】
本発明の積層体における通気性シートは、高い吸湿性と高い放湿性とを発揮する中間層の保持及び保護層であるのみならず、水分を含んだ空気の導入層又は放出層の役割を果たすものである。したがって、中間層が水分を含んだ空気を導入して吸湿すると、吸湿による発熱を発現し、逆に中間層が水分を放湿すると、放湿による吸熱、冷却を発現することができる。
【0022】
本発明の積層体においては、非通気性シート(C)は、通気性シート(B)を介して又は直接に中間層に積層することができる。積層の方法は、特に限定はされず、公知の接着方式が用途及び必要に応じて採用することができ、部分接着、全面接着、仮接着、面ファスナーなどの接着方式あるいは重ねるだけでもよい。
例えば、この積層体の非通気性シート(C)側を人体の反対側になるように使用すると、人体から発生する水分は逃げ場所がないのでほとんど中間層が吸収することになり、吸湿発熱性を高めることができ、保温性が向上する。
【0023】
非通気性シート(C)としては、フィルム、シートあるいはフィルムと不織布の積層体などが使用可能である。フィルムやシートは、公知の合成樹脂製のものが使用でき、用途に応じて必要により防水性、透湿性、耐候性などのものを適宜使用することができる。
【0024】
また、本発明の積層体において、中間層の両側が通気性シートになる場合は、さらに繊維構造体層(D)が積層される。この繊維構造体層(D)とは、前記の通気性シート(A)や(B)を構成する繊維と同様な繊維が使用でき、編物、織物、立体網状体、硬わたクッション材などである。繊維構造体層(D)の目付や厚さは、用途や目的によって適宜選択できるが、通常、目付は40〜1000g/m2、厚さ0.1〜50mmが好適である。
【0025】
繊維構造体層(D)の積層の方法は、特に限定はされず、公知の接着方式を用途及び必要に応じて公知の接着方式を適宜採用することができる。部分接着、全面接着、仮接着、面ファスナーなどの接着方式あるいは重ねるだけでもよい。例えば、この積層体の繊維構造体層(D)側を人体の反対側になるように使用すると、人体から発生する水分は、中間層、繊維構造体層(D)を通って放出することができ、中間層からの水分の放出に伴う吸熱、冷却効果によって冷感を得ることができる。
【0026】
本発明の調湿床材を使用すると、建物内の湿度を低減して、建物の耐久性の向上、生活環境下において、不快感を低減することが容易に出来る。また、床材に直接寝てもむれ感、汗ばみを感じることがなく、起きた直後に着衣や下着の身体へのベタツキを感じることがなく、快適性に優れた床材を提供することができる。
【0027】
本発明における積層体は、単位面積当り多量の水分を吸収でき、かつ放出することができる。例えば、高吸放湿性微粒子の吸湿率(20℃、65%RH)が40%の高吸放湿性微粒子を1m2の当り2500gを中間層に含有させると、20℃、65%RHの標準状態でも、1kg/m2もの水分を吸湿することができる。より高温、多湿では、さらに多くの水分を吸収でき、かつ放出することができる。したがって、シ−ト状の除湿材、乾燥材、調湿材、調温材としても有用である。
【0028】
したがって、本発明における積層体は、吸湿性、放湿性が高く、使用される環境に応じて、人や環境対して快適性を与えるために使用することができる積層体であり、高湿度環境においては吸湿性、結露防止性を発揮し、高温の環境においては、冷感を与え、低温環境においては吸湿発熱による保温性など、より快適性を向上させる効果を発揮することができる。
【0029】
本発明の床材とは、古来から使い続けられ、日本人の住生活に欠かすことが出来ない畳や、近年多く用いられている合板を張り合わせたフローリング等が含まれる。
【0030】
畳は、畳表(たたみおもて)と、畳床(たたみとこ)から基本的に構成されている。畳表は、麻、絹、麻、木綿、藁、天然イ草、ケナフ、等の天然繊維、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維からなる織物で形成される。また、畳床は従来、稲から構成されている場合が多いが、近年、発泡ウレタン、麻、絹、麻、木綿、檜チップ、ヒバ(特に著名な青森ヒバ)等の天然繊維、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維からなる硬綿(わたの積層体)から構成される。一般的に、天然繊維からなる畳は、天然畳、合成繊維からなる畳は、合成畳、化学畳と呼ばれている。
【0031】
フローリングは、2枚以上の木材からなる合板を接着剤で固定化されたものである。木材とは、カラ松、桧、桐、本カリン、杉、カバザクラ、松、タモ、ナラ等が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、用いられる接着剤は、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤等が用いられており、近年、人体や環境の影響を考慮して、接着剤を使用しないものも増えてきている。
【0032】
【実施例】
以下に本発明の実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
【0033】
着用試験:
被験者10名が木綿65質量%/ポリエステル35質量%混のニットシャツ及び木綿100%のズボンを着用して、25℃、50%RH環境下で、床材の上で8時間寝た後のむれ感の主観評価を行った。
○ ・・・ むれ感が少ない
△ ・・・ やや蒸れる
× ・・・ むれ感が大きい
【0034】
積層体表面からの粉もれ試験:
屈曲試験:MIT試験機(屈曲試験機)JIS P8115に準じて実施した。
サンプルの4方ヒートシールで止めて屈曲試験を行なった。
250g荷重 135° 175回/min、1000回
○・・・ほとんど漏れなし
△ ・・・少し漏れる
× ・・・著しく漏れる
【0035】
実施例1
調湿調温積層体の作製:
ニードルパンチ加工されたポリエステルスパンボンド不織布(繊度2.2dtex、厚さ1.7mm、目付130g/m2)(下層)に、平均粒子径50μmの架橋アクリル系微粒子(日本エクスラン工業社製HU100P、20℃、65%RH環境下の吸湿率40%)と融点106℃平均粒径10μmのエチレン-アクリル共重合体パウダーとの混合物(85/15質量比)を200g/m2の付与量になるようにパウダー塗布機で塗布した後、更にその上からを下層と同様の不織布を積層し、150℃でラミネート加工機を用いて接着積層を行い見掛け厚さ3mm、目付460g/m2の調温調湿積層体を得た。得られた積層体の周囲を変性オレフィン系樹脂(融点110℃)を用いて巾2mm 厚さ2mmの樹脂シールを行なった。次いで調湿調温積層体の屈曲試験を行なったところ、積層体表面からの微粒子の飛散は確認されなかった。
【0036】
床材の作製:
畳床はポリエステル短繊維の通気性がある硬わたクッション材(繊度2.2dtex、繊維長51mm、目付200g/m2、厚さ50mm)、その表層に上記調湿調温積層体を取り付け、さらに、最表層に畳表(イ草100重量%、目付100g/m2)を用いて作成した。
【0037】
実施例2
実施例1と同様に、畳床に発泡ウレタン(発泡倍率93%、目付200g/m2、厚さ50mm)を用いて作成した。
【0038】
実施例3〜4
調湿調温積層体の作製:
ニードルパンチされたポリエステルスパンボンド不織布(繊度2.2dtex、厚さ1.7mm、目付130g/m2)(下層)に、平均粒子径50μmの架橋アクリル系微粒子(日本エクスラン工業社製HU100P、20℃、65%RH環境下の吸湿率40%)と融点106℃平均粒径10μmのエチレン-アクリル共重合体パウダーの混合物(85/15質量比)300g/m2をパウダー塗布機で塗布した後、更に上からポリプロピレンSMS不織布(スパンボンド(繊度2.2dtex、目付30g/m2)/メルトブロー不織布(繊度0.2dtex、目付20g/m2)/スパンボンド(繊度2.2dtex、目付20g/m2))(上層)を積層し、150℃でラミネート加工機を用いて接着積層を行い、見掛け厚さ2.6mm、目付500g/m2の調湿調温積層体を得た。得られた積層体の周囲を変性オレフィン系樹脂(融点110℃)を用いて巾2mm、厚さ2mmの樹脂シールを行なった。シール後、実施例1と同様に屈曲試験行なった結果、積層体表面からの微粒子の飛散は確認されなかった。
【0039】
床材の作製:
実施例1及び実施例2と同様に、畳表、畳床からなる床材を作成した。
【0040】
実施例5〜6
調湿調温積層体の作製:
実施例3において、上層にフィルムラミネートしたスパンボンド不織布(カレンダーロール処理されたポリエステルスパンボンド(繊度2.2dtex、目付50g/m2)に透湿性ポリエステルエラストマーフィルム(30μm)をラミネート積層したもの)を使用する以外は実施例3と同様にして、見掛け厚さ2.6mm、目付510g/m2の調温調湿積層体を得た。得られた積層体の周囲を変性オレフィン系樹脂(融点110℃)を用いて巾2mm 厚さ2mmの樹脂シールを行なった。シール後、屈曲試験行なった結果、積層体表面からの微粒子の飛散は確認されなかった。
【0041】
床材の作製:
実施例1及び実施例2と同様に、畳表、畳床からなる床材を作成した。
【0042】
比較例1〜2
フェルト不織布の作製:
ポリエステル短繊維(東洋紡績社製、20℃、65%RH環境下の吸湿率は0.4%、繊度2.4dtex、繊維長38mm)100質量%からなるステープルを用いて、ニードルパンチ法によって目付500g/m2、厚さ15mmのフェルト不織布を作製した。この不織布を用いて実施例1及び実施例2と同様に床材を得て、同様に評価した。
【0043】
表1は、実施例及び比較例の結果をまとめたものである。
【表1】
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、吸湿性と放湿性に極めて優れた調湿調温積層体の少なくとも1層を床材に使用しているため、蒸れ感がなく、快適性の高い床材を提供することができる。
Claims (4)
- 通気性シート(A)、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂とを含有する中間層及び通気性シート(B)又は/及び非通気性シート(C)とを有する積層体であり、該中間層中の高吸放湿性微粒子の含有量が40〜3000g/m2である調湿調温積層体が少なくとも1層積層されてなることを特徴とする調湿調温性床材。
- 通気性シート(A)、高吸放湿性微粒子とバインダー樹脂とを含有する中間層及び通気性シート(B)及び繊維構造体層(D)とを有する積層体であり、該中間層中の高吸放湿性微粒子の含有量が40〜3000g/m2である調湿調温積層体が少なくとも1層積層されてなることを特徴とする調湿調温性床材。
- 中間層のバインダー樹脂が粉末型熱接着性接着剤であり、高吸湿性微粒子/粉末型熱接着性接着剤の質量比が60/40〜95/5であることを特徴とする請求項1又は2に記載の調湿調温性床材。
- 粉末型熱接着性接着剤の粒径が高吸湿性微粒子の粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の調湿調温性床材。
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