JP2004197269A - 健康特性、衛生特性の優れた繊維布帛 - Google Patents

健康特性、衛生特性の優れた繊維布帛 Download PDF

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Abstract

【課題】天然放射性希有元素鉱物を含有する繊維布帛における難点を解決し、健康特性、衛生特性の広範囲に渉ってすぐれた効果を有し、製品仕様、使用・着用状況に係わらず幅広く安定した効果を有し、かつ、繊維、布帛、製品の製造工程に問題がなく、衣料、インテリア、日用品等として好適な繊維布帛を提供する。
【解決手段】繊維内部に練り込まれて、あるいは、繊維表面に付着して存在する天然放射性希有元素鉱物微粒子、及び、バインダー樹脂により繊維表面に接着して存在する光触媒微粒子を含有する繊維布帛とした。

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
この発明は、健康特性、衛生特性に優れた繊維布帛に関するものである。さらに詳しく述べると、健康増進効果及び抗菌、消臭、防汚等の機能を有し、衣料、インテリア、衛生用品などとして好適な繊維布帛に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の社会環境の変化もあり、健康、衛生、安全に対する関心、要求が深まると共に、さらに高度の内容が求められている。これを受けて、肌着、ナイティ、ソックス、シャツ類等の衣料、カーテン、カーペット等のインテリア、タオル、水回り用品等の日用品などの繊維製品において、これらの機能を満たすべく多くの試みがなされている。
【0003】
その中でも、天然放射性希有元素鉱物粒子を、繊維製造過程で繊維中に練り込んだり、繊維製造後、代表的には布帛製造後、繊維表面に付着させることにより、天然放射性希有元素鉱物粒子を含む繊維布帛は、優れた効果を有するものとして注目されている。
【0004】
ここに、「繊維」とは、いわゆる単繊維を意味し、糸や布帛を構成する一本、一本の繊維形態を表す。また、「布帛」とは、織物、編物、不織布等の一般には平面状の繊維集合体であり、時には、これらを材料とした衣料等の最終製品、あるいはその中間製品をも包含する概念である。
【0005】
従来より、天然放射性希有元素鉱物より放出されるアルファ線、ベータ線、ガンマ線がそのエネルギーにより、進行通路に存在する原子、分子をラジカル化したり、電離作用でイオン対を生成し、それらの相互作用により、抗菌、消臭、防汚効果があることが知られている。また、これらの作用が身体状況に影響を及ぼし、身体の血行を良好とし、肩こり、疲労回復や冷え防止に有効と言われている。さらに、天然放射性希有元素鉱物を含む温泉の効用として、肩こり、神経痛、リュウマチ、冷え性、腰痛の改善、疲労回復等が言われている。
【0006】
そこで、天然放射性希有元素鉱物を繊維等に含有させれば、上述の効果を有する衣料等が得られることが期待でき、種々の試みがなされてきた。
しかし、従来の方法は、健康効果等を有する機能性物質として天然放射性希有元素鉱物を光触媒と併用せず、単独で用いているため、後述の種々の制約、難点があった(練り込み法の例として、特許文献1及び特許文献2参照;付着法の例として、特許文献3、特許文献4、特許文献5及び特許文献6参照)。また、光触媒との併用を示唆するものもあるが、繊維布帛での適用方法や製品品質、効果等の具体的記載は全くなく、同時に使用する他の添加物は、むしろマイナス要因となっている可能性がある(特許文献7参照)。
【0007】
【特許文献1】
特公平8−8934号公報(第1−3頁)
【特許文献2】
特開平7−258909号公報(第2−3頁)
【特許文献3】
特公昭62−32948号公報(第1−4頁)
【特許文献4】
特開平10−212456号公報(第2−3頁)
【特許文献5】
特開平11−158769号公報(第2頁)
【特許文献6】
特開2001−40598号公報(第2−9頁)
【特許文献7】
特開2002−308665号公報(2−3頁)
【0008】
しかし、繊維製品に適用する場合には、その特異性より、製造工程及び品質、効果の点で種々の問題を生ずる。
合成繊維等で、繊維製造工程において、いわゆる練り混み方式により天然放射性希有元素鉱物粒子を繊維中に配合する場合には、繊維材料樹脂成分の高温での熱分解や、紡糸工程で細い繊維を成形する際の糸切れが起こりやすい。また、繊維製造後、布帛に付着させる場合には、付着液中での粒子の分散安定性や、付着処理後の後工程、あるいは着用や洗濯での粒子の脱落が起こる。これらのトラブルは、配合量、付着量が大ほど大であり、含有量に制約を生ずる。
なお、含有量は、練り込み法では、ほぼ練り込み量、配合量に相当する。付着法では、付着量を意味し、付着処理液中の濃度、絞り率などの液付着率、及び付着物の洗浄工程等経過後の残留率によって決まる値である。
一方、効果の面では、前述のように、多様な効用を発揮する可能性はあるが、製造工程での制約により、目的とする機能、効用、あるいは、製品の形態や使用、着用状態によっては不十分であり、所期の目的を達することが出来ない。また、種々の検討により、含有量をある程度大とすることができたとしても、放射線量を大とすることは、健康上、得策ではなく、含有量少で効果を発揮する方策が切望されている。
【0009】
なお、抗菌、消臭、防汚効果を得る方法として、光触媒粒子を繊維に適用することが検討されている。光触媒は、日光(紫外線)の照射により励起され、強い酸化力を発揮し、有機物を酸化分解するものである。しかし、繊維への適用では光触媒粒子の効果は限定されたものであり、効果を大とするために含有量を大とすると、上述と同様に、種々の問題が発生し、実用化できる製品は非常に限られるのが現状である。特に、効果の内容は、天然放射性希有元素鉱物とは異なり、健康を増進する積極的効用はなく、光触媒により天然放射性希有元素鉱物の代用をすることは全く不可能である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、天然放射性希有元素鉱物を含有する繊維布帛における上述の難点を解決し、健康特性、衛生特性の広範囲に渉ってすぐれた効果を有し、製品仕様、使用・着用状況に係わらず幅広く安定した効果を有し、かつ、繊維、布帛、製品の製造工程に問題がなく、衣料、インテリア、日用品等として好適な繊維布帛を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、天然放射性希有元素鉱物微粒子と光触媒微粒子とを特定の条件、状態で共存、含有させた繊維布帛により、すなわち、繊維内部に練り込まれて、あるいは、繊維表面に付着して存在する天然放射性希有元素鉱物微粒子、及び、バインダー樹脂により繊維表面に接着して存在する光触媒微粒子を含有する繊維布帛により、上記の難点を解決できることを見いだしたものである。さらに、光触媒微粒子と共に、あるいは、光触媒微粒子及び天然放射性希有元素鉱物微粒子と共に、光触媒微粒子よりも平均粒径の小さい微粒子、あるいは、光触媒微粒子よりも平均粒子系の大きい多孔性粒子を共存させて光触媒微粒子を繊維表面に付着させることにより、さらに優れた効果を発揮することを見いだしたものである。
【0012】
天然放射性希有元素鉱物及び光触媒を単独で使用することは知られている。しかし、両者を適切、有効に共用する試みはなく、両者を特定の条件で併用することにより、著しい相乗効果を発揮し、天然放射性希有元素鉱物と光触媒の作用効果が大きく向上することは、全く知られていない。また、光触媒微粒子と共に、あるいは、光触媒微粒子及び天然放射性希有元素鉱物微粒子と共に、光触媒微粒子よりも平均粒径の小さい微粒子、あるいは、光触媒微粒子よりも平均粒子系の大きい多孔性粒子を共存させて光触媒微粒子を繊維表面に付着させることにより、これらの機能粒子の作用効果が大きく増進することも、全く予知されていない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0014】
この発明において天然放射性希有元素鉱物微粒子としては、ウラン系、トリウム系などの半減期の長い放射性希有元素を含む鉱物が用いられる。その例として、サマルスキー石、フェルグゾン石、カルノー石、トリウム石、モズナ石、トロゴム石、ゼノタイム、変成ジルコンなどがある。
【0015】
天然放射性希有元素鉱物は、ボールミル等の粉砕機で粉砕して微粒子として用いるが、その平均粒径は、練り込み法の場合は、0.02〜4μmが用いられる。0.02μmより小では、粉砕に手間がかかり、また繊維材料ポリマーに練り込んだ時のポリマー溶融液あるいはポリマー溶解液の粘度が大となるので好ましくない。一方、4μmより大では、紡糸、延伸、紡績、製織等の繊維や布帛製造工程でのトラブルが多く、また、放射線放出効果が不十分であり、製品の触感も不良となり好ましくない。
また、繊維表面に付着させる付着法の場合には、平均粒径は0.02〜8μmが用いられる。0.02μmより小では、同様に粉砕に手間がかかり、一方、8μmより大では、付着液中に均一に混合しにくく、添加後の工程、使用、着用中に脱落しやすく、また、放射線放出効果が不十分であり、製品の触感も不良となり好ましくない。
【0016】
天然放射性希有元素鉱物微粒子の含有量は、繊維布帛に対して、練り込み法では、0.2〜5wt%、好適には0.3〜3wt%、付着法では、0.1〜4wt%、好適には0.15〜2wt%が用いられる。これより少では、放射線放出効果が不十分である。これより多量では、練り込み法では、繊維材料ポリマーの分解が起こりやすく、ポリマー液粘度の増大や、切断など繊維製造工程性の低下があり好ましくない。また、付着法では、付着液中での均一分散性、コーティングの均一性や付着性、製品の肌触り性等が低下するので好ましくない。
上述の好適範囲の含有量は、従来に比較してかなり小であり、この発明により使用量低下が可能となっことにより、工程性、品質・効果共に良好とすることに成功したものである。
【0017】
光触媒微粒子としては、Se、Ge、Si、Ti、Zn、Cu、Al、Sn、Ga、In、P、As、Sb、C、Cd、S、Te、Ni、Fe、Co、Ag、Mo、Sr、W、Cr、Ba、Pb等の酸化物や、チタンとケイ素からなる複合酸化物などがある。その中でも、触媒効果、化学的安定性、入手容易性などより、アナターゼ型酸化チタンが好ましい。
【0018】
光触媒微粒子の平均粒径は、100nm以下、好ましくは50nm以下が用いられる。100nmより大では、光触媒効果が十分でなく、また、付着液中での分散安定性が十分でなく、分離、沈降することがある。
【0019】
光触媒微粒子の含有量は、繊維に対して、0.02〜1wt%、好ましくは、0.03%〜0.5wt%が用いられる。0.02wt%より少では触媒効果が不十分である。一方、1wt%より多量では、バインダー樹脂や繊維材料ポリマーの分解などが起こり好ましくない。
【0020】
この光触媒微粒子の繊維への付与は、練り込み法でなく付着法で行う。練り込み法では、繊維材料ポリマーの分解、劣化が起こりやすく、光触媒作用が発現しにくいのみでなく、天然放射性希有元素鉱物の効果を増進することができない。付着工程は、繊維形成後、どの段階でも良いが、工業的には布帛に処理するのが実際的である。
【0021】
光触媒微粒子の付着には、バインダー樹脂を使用し、繊維表面に安定に付着させると共に、後加工工程や使用、着用時の粒子の脱落を防ぎ、かつ、繊維製品の感触を良好とする。バインダー樹脂としては、アクリル系、ウレタン系など、一般の樹脂加工用のものが用いられるが、シリコーン系、フッ素系、アルキルシリケート系などは耐久性の点で好ましい。あるいは、微粒子の脱落防止効果のあるメラミン系、エポキシ系など架橋型樹脂も用いられる。架橋材としては、イソシアネート系、アジリジン系などが用いられる。
【0022】
光触媒微粒子を繊維に付与する代表的処方は、水性分散液で布帛を処理する方法である。すなわち、水溶性または水分散性バインダー樹脂を併用した、光触媒微粒子水分散液に布帛を浸漬し、ロール等で絞った後、乾燥する。絞り率により、光触媒微粒子の付着量を調節することができる。あるいは、高粘度の処理液を用い、ナイフコーターなどでコーティングしても良い。
【0023】
付着処理液中での分散安定性、バインダー樹脂等との親和性向上のため、表面処理した光触媒微粒子を用いても良い。また、付着分散液に、分散安定剤、増粘剤等を加えてもよい。天然放射性希有元素鉱物微粒子を、付着法で付与する場合も同様である。
【0024】
付着工程において、光触媒微粒子と共に、光触媒微粒子よりも平均粒径の小さい微粒子、あるいは、光触媒微粒子よりも平均粒径の大きい多孔性粒子を用いることにより、この発明の効果はさらに大となる。すなわち、光触媒微効果及び放射線効果が十分に発揮され、健康性、衛生性の優れた布帛を得ることができる。さらに、長期間に渉って使用しても、布帛繊維表面からのバインダー樹脂や光触媒微粒子などの脱落が改良される。特に、光触媒微粒子と天然放射性希有元素鉱物微粒子とを共に、付着法で付着させた場合に有効である。
光触媒効果、放射線効果が増大する理由は明らかではないが、両者の効果作用には微妙な相互作用があるものと思われる。すなわち、粒径の小さい微粒子が光触媒微粒子表面を被覆し、また、多孔性粒子がその空隙部に光触媒微粒子を吸蔵するため、光触媒の作用機構が変化し、あるいは、布帛、繊維での光触媒微粒子と天然放射性希有元素鉱物微粒子との直接的接触の回避など位置関係の調節が影響しているとも考えられるが、明確な根拠はなく、推測に過ぎない。
バインダー樹脂等の脱落減少については、光触媒とバインダー樹脂との直接接触の確率が減り、光触媒による樹脂の分解、劣化反応が抑制されたものと、解釈、推測される。
また、この効果は、光触媒微粒子の被覆あるいは取り込みが物理的、幾何学的に完全でなくとも、一定以上の部分が被覆あるいは取り込まれていればよいものと思われる。
なお、光触媒微粒子の存在下に、被覆する超微粒子あるいは多孔性粒子を溶液より析出させ、双方の粒子が一体化した形態があるが、その場合には、各粒子成分がこの発明の諸条件を満たした状態であればよい。
【0025】
光触媒微粒子より平均粒径の小さい微粒子としては、アパタイト、乾式法、湿式法等のシリカ、不活性酸化チタン、炭酸カルシウム、アルミナ、酸化ゲルマニウム等があるが、特に、アパタイトが用いられる。
有機物を炭化して得たカーボンブラックは、見かけ上は微粒子であるが、相互に連結した大粒子構造をしていて、この発明の被覆的効果はなく、また、光触媒効果を発揮させにくい傾向があるので用いられない。
【0026】
光触媒微粒子より平均粒径の小さい微粒子の平均粒径は、好ましくは、50nm以下、より好ましくは、40nm以下、かつ、光触媒微粒子の平均粒径の0.8倍以下であるものが用いられる。50nm以上あるいは光触媒微粒子より平均粒径が大では、その被覆あるいは隔離効果が不十分である。
また、より平均粒径の小さい微粒子の含有量は、好ましくは、繊維に対して0.02〜2wt%、かつ、光触媒微粒子に対して1〜400wt%、より好ましくは、繊維に対して0.03〜1.5wt%、かつ、光触媒微粒子に対して2〜200wt%である。
【0027】
光触媒微粒子より平均粒径の大きい多孔性粒子としては、多孔性シリカ、多孔性珪酸カルシウムなどが代表的であり、特に、効果、調整対応性、入手し易さなどより多孔性シリカが好適である。
多孔性粒子の平均粒径は、好ましくは、20nm〜7μm、かつ、光触媒微粒子の2倍以上、より好ましくは、30nm〜5μm、かつ、光触媒微粒子の3倍以上のものが用いられる。20nm以下あるいは光触媒微粒子の2倍以下では、光触媒微粒子の取り込みが不十分であり、一方、7μm以上では、付着液中での安定性や製品触感などの点で好ましくない。
また、多孔性粒子の含有量は、好ましくは、繊維に対して0.04〜4wt%、かつ、光触媒微粒子に対して1〜20wt倍、より好ましくは、繊維に対して0.06〜3wt%、かつ、光触媒微粒子に対して1.5〜15wt倍である。
【0028】
また、天然放射性希有元素鉱物微粒子及び光触媒微粒子と共に蓄光性材料を繊維布帛に含有させてもよい。蓄光性材料は、外部のエネルギーを取り込んで、放出の際、紫外線領域を含む光を発するものであり、光の存在しない環境でも光触媒を励起し、この発明の効果はさらに向上する。蓄光性材料の例として、ストロンチウムアルミネートを主成分とし、アルミナ、炭酸ストロンチウム、ユウロピウムなどを含んだ粉体がある。繊維布帛へ含有させるには、練り込み法、付着法のいずれでもよい。
【0029】
【実施例】
以下、この発明の具体的態様を、実施例により説明するが、この発明はこの実施例の記載のみに限定されるものではない。
【0030】
実施例1
付着処理液を以下の処方で調整した。部は重量部を表し、液中での重量%に相当する。平均粒径0.3μmの微粉砕サマルスキー石0.15部、平均粒径20nmの光触媒酸化チタン水分散液(固形分40%)0.38部、平均粒径10nmの超微粒子アパタイト0.15部、低ホルマリン型尿素変性トリメチロールメラミン樹脂(固形分70%)1.4%及び硬化触媒を含む増粘剤としてユニカキャタリスト(登録商標)A(固形分35%)0.3部を水中に添加し、混合した。
【0031】
この処理液に、経糸、緯糸に50番手糸を使用した目付120g/m2の木綿100%織物を浸漬して付着処理を行い、マングルロールで絞り、次いで乾燥、熱処理を行った後、洗浄を行い再び乾燥した。布帛への付着量は、サマルスキー石は0.8wt%、酸化チタンは0.1wt%、アパタイトは0.1wt%であった。
【0032】
この布帛を側地に用いて肌布団をつくり、10人を対照に使用テストを行った。肌触り、人体・布団・室内の臭い、入眠・安眠性、疲労回復感、身体不調症状の緩和感等を総合的に評価したところ、A,B,C,D、Eの5区分でのAランクであり好評であった。また、この肌布団は長期間後も、その効用を維持していた。
【0033】
実施例2
平均粒径20nmの光触媒酸化チタン微粒子を水ガラスに混合し、次いで、硫酸アンモニウム液で処理して生成した粒子を分離、水洗し、全重量の17%にあたる酸化チタンを取り込んだ、平均粒径1μmの多孔性シリカ粒子を得た。
実施例1の光触媒微粒子及び超微粒子アパタイトの代わりに、この酸化チタン取り込み多孔性シリカ0.9部を用いた以外は、実施例1と同様にして付着処理を行い、サマルスキー石0.8wt%、酸化チタンとして0.1wt%、多孔性シリカとして0.5wt%が付着した布帛を得た。
この布帛を用い、実施例1と同様にして肌布団の使用テストを行ったところ、評価はAランクであり好評であった。
【0034】
実施例3
超微粒子アパタイトを使用しないこと以外は実施例1と同様にして付着処理を行い、サマルスキー石0.8wt%、酸化チタン0.1wt%が付着した布帛を得た。この布帛を用い、実施例1と同様にして肌布団の使用テストを行ったところ、評価はBランクであった。
【0035】
比較例1
光触媒酸化チタンを使用しないこと以外は、実施例1と同様にして付着処理を行い、サマルスキー石0.8wt%が付着した布帛を得た。この布帛を用い、実施例1と同様にして肌布団の使用テストを行ったところ、評価はCランクであった。
【0036】
比較例2
サマルスキー石の使用量を増やした以外は比較例2と同様にして付着処理を行い、サマルスキー石1.6wt%が付着した布帛を得た。この布帛を用い、実施例1と同様にして肌布団の使用テストを行ったところ、評価は、やはりCランクであった。
【0037】
比較例3
サマルスキー石を使用せず、光触媒酸化チタン及びアパタイトの使用量を増やした以外は実施例1と同様にして付着処理を行い、酸化チタン0.2wt%、アパタイト0.2wt%が付着した布帛を得た。この布帛を用い、実施例1と同様にして肌布団の使用テストを行ったところ、評価は、Dランクであった。
【0038】
【発明の効果】
この発明の布帛は、多様なかつ広範囲の健康特性、衛生特性に優れ、そのレベルも高いものである。製品の使用、着用での環境、条件に係わらず効果が高く、かつ、持続性があり、多種の商品、製品への利用が可能である。また、繊維製造、布帛製造、加工処理等、製造工程でのトラブルもほとんどなく、安定に生産できる。これらの優れた特徴は、天然放射性希有元素鉱物あるいは光触媒単独では達成できず、両者を特定の条件で併用することによって、初めて可能となったものである。

Claims (7)

  1. 繊維内部に練り込まれて、あるいは、繊維表面に付着して存在する天然放射性希有元素鉱物微粒子、及び、バインダー樹脂により繊維表面に接着して存在する光触媒微粒子を含有する繊維布帛。
  2. 光触媒微粒子とバインダー樹脂を含む処理液で、繊維布帛を処理して光触媒微粒子を付着させた請求項1記載の繊維布帛。
  3. 光触媒微粒子よりも平均粒子径の小さい微粒子を共存させて光触媒微粒子を付着させた請求項1記載の繊維布帛。
  4. 天然放射性希有元素鉱物微粒子、光触媒微粒子、光触媒微粒子よりも平均粒子径の小さい微粒子及びバインダー樹脂を含む処理液で、繊維布帛を処理した請求項3記載の繊維布帛。
  5. 光触媒微粒子よりも平均粒子径の大きい多孔性粒子を共存させて光触媒微粒子を付着させた請求項1記載の繊維布帛。
  6. 天然放射性希有元素鉱物微粒子、光触媒微粒子、光触媒微粒子よりも平均粒子径の大きい多孔性粒子及びバインダー樹脂を含む処理液で、繊維布帛を処理した請求項5記載の繊維布帛。
  7. 天然放射性希有元素鉱物微粒子、光触媒微粒子及び蓄光性材料を含有する請求項1記載の繊維布帛。
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