JP2004197054A - ポリウレタンフォーム - Google Patents

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裕司 林
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克也 清水
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Abstract

【課題】人体への安全性が高く抗菌・防カビ・防蟻性を発揮するトロポロン類を含有したポリウレタンフォームの提供。
【解決手段】トロポロン類の誘導体を1種類以上含有することを特徴とするポリウレタンフォーム。
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トロポロン類の誘導体を1種類以上含有することを特徴とするポリウレタンフォームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリウレタンフォームは自動車や家電、寝具、断熱材用途等の様々な用途に用いられており、抗菌防カビ性の付与が求められている。また断熱材用途等ではシロアリによる食害にあうことがあるため、防蟻性、すなわちシロアリに対する食害防止効果の付与も求められている。そのため様々な薬剤が用いられているが、長期にわたる持続性がない、環境汚染やシックハウス症候群等の健康障害を起こすことがあった。
【0003】
トロポロン類は人体への安全性が高く優れた抗菌・抗かび・防蟻効果をもつことが知られている。特開2002−97247ではポリウレタン樹脂組成物の防蟻剤としてトロポロン類の一つであるヒノキチオールの名が挙げられている。しかし本発明者らが検討したところ、ヒノキチオールのようなトロポロン類を加えるとポリウレタンフォーム生成の段階で発泡および重合が著しく阻害されることがわかった。具体的にはフォーム生成時に独立気泡が生成しやすく、かつ、その独立気泡は気泡崩壊が起こりやすいため膨張が不十分であり、また生成物の気泡の穴径が著しく不均一なものしか得られなかった。特に軟質フォーム、半硬質フォームを作ることは極めて困難であった。また、硬化に要する時間もより長くかかった。すなわち、従来技術ではヒノキチオール等のトロポロン類を含有するポリウレタンフォームを得ることが困難であった。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−97247号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は人体への安全性が高く抗菌・防カビ・防蟻性を発揮するトロポロン類を応用したポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、トロポロン類を誘導体にすることによりポリウレタンフォームの発泡および重合を阻害しないことを見出し、本発明をなすに至った。すなわち、本発明は下記のとおりである。
1.トロポロン類の誘導体を1種類以上含有することを特徴とするポリウレタンフォーム。
2.トロポロン類の誘導体が有機塩または金属錯体であることを特徴とする1記載のポリウレタンフォーム。
3.トロポロン類がヒノキチオールであることを特徴とする1.または2.記載のポリウレタンフォーム。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、特にその好ましい態様を中心に、具体的に説明する。本発明でいうポリウレタンとは分子中にウレタン結合基(―NH.CO.O―)を含有するポリマーのことをいい、ポリウレタンフォームとは原料配合などポリウレタン生成系に発泡剤を加え重合反応によるポリマー生成と共に発泡を行なわせて得られるものである。
本発明でいうトロポロン類とは、下記式(1)で表される。
【0008】
【化1】
Figure 2004197054
【0009】
ただし、RからRは、水素、または直鎖または分岐のアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基を表し、直鎖状または分岐状を問わない。また不飽和結合が含まれていてもかまわない。また酸素、ケイ素、ハロゲンなどのヘテロ原子が含まれていてもかまわない。
【0010】
アルキル基としては例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、 1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−メチルー2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。アルケニル基としては一般式―CH=CRで表され、アルキニル基としては一般式―CH≡C−Rで表される。R、Rは、それぞれ同一でも異なってもよく、水素または炭化水素基であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、 1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−メチルー2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。シクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペンテンー1−イル、2−シクロペンテンー1−イル、シクロペンタジエニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセンー1−イル、2−シクロヘキセンー1−イル、3−シクロヘキセンー1−イル、1,3−シクロヘキサジエンー1−イル、2,4−シクロヘキサジエンー1−イル、シクロヘプチル、1−シクロヘプテンー1−イル、2,4−シクロヘキサジエンー1−イル、シクロヘプチル、1−シクロヘプテンー1−イル、2−シクロヘプテンー1−イル、3−シクロヘプテンー1−イル、4−シクロヘプテンー1−イル、シクロオクチル、1−シクロオクテンー1−イル、2−シクロオクテンー1−イル、シクロノニル、シクロデシルなどが挙げられる。また酸素が含まれるものとしては、今まで述べた基に一般式―ORやーCOORで表される置換基を有するものが挙げられる。RやRはそれぞれ同一でも異なってもよく、水素または炭化水素であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、 1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、n−ヘキシル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、2−プロペニル、2−メチルー2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ヘキセニル、5−ヘキセニルなどが挙げられる。また今まで述べた基にケイ素やフッ素、塩素、臭素、ヨウ素のようなハロゲンが含まれていてもかまわない。
【0011】
前記式(1)で表されるトロポロン類で、4位にイソプロピル基を有する4−イソプロピルトロポロン(β―ツヤプラシン、別名ヒノキチオール)、4位にイソプロペニル基を有するβ―ドラブリン、3位にイソプロピル基を有するα―ツヤプラシン、5位にイソプロピル基を有するγ―ツヤプラシンは、青森ヒバや台湾ヒノキの精油中に含まれる天然物であり、その安全性の高さと抗菌・防黴などの優れた性質をもつことから有用性が高く広く用いられている物質である。中でも、4−イソプロピルトロポロン(以下、ヒノキチオールという。)は、上記精油中に最も多く含まれる成分の一つであり、天然抽出物を端緒として用途が広がり、近年では化学合成品が主流となって様々な分野で利用されている。
【0012】
本発明でいうトロポロン類の誘導体は、トロポロン類から一般的な化学変換等により導かれるものであれば特に制限はないが、トロポロン類の有機塩または金属錯体、トロポロン類のアシル体、トロポロン類の配糖体などがあげられる。
本発明でいうところのトロポロン類の有機塩とは、トリエタノールアミンなどの有機アミン塩である。
本発明でいうところのトロポロン類の金属錯体とは下記式(2)で表される。
【0013】
【化2】
Figure 2004197054
【0014】
式中Mは金属、nは金属Mの価数、mは配位数を示す。また、nとmとは、1〜6の同じ整数を示す。本発明に用いられるトロポロン類の金属錯体の製法は特に制限はなく公知の技術で合成すれば良い。例えばトロポロン類と水酸化ナトリウムを反応させればトロポロン類のナトリウム錯体ができるし、そのナトリウム錯体と塩化銅を反応させればトロポロン類の銅錯体ができる。本発明で用いられるヒノキチオール金属錯体の金属も特に制限はなく例えば、Li、Na、K、Mg、Ca、Zn、Ni、Cu、Al、Ag、Ti、Feなどが挙げられる。好ましくはCu、Ca、Zn、Ni、Tiなどの金属が挙げられる。
本発明でいうところのトロポロン類のアシル体とは、トロポロン類の水酸基の水素原子をアシル基で置換したものであり、下記式(3)で表される。
【0015】
【化3】
Figure 2004197054
【0016】
ただし、Rは置換または無置換のアルキル基を表す。
トロポロン類のアシル体への変換は一般的な手法で実施すればよく、例えば脂肪酸などのカルボン酸の酸塩化物もしくはエステルとトロポロン類を反応させる方法や、酵素の存在下で脂肪酸などのカルボン酸とトロポロン類を反応(エステル化)させる方法などがあげられる。例えば、酪酸、吉草酸、カプロン酸、オクタン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸、オレイン酸、リノール酸などの不飽和脂肪酸などの酸塩化物とトロポロン類を反応させる方法や、それらの酸とトロポロン類をリパーゼやエステラーゼなどの酵素の存在下でエステル化する方法などがあげられる。
本発明でいうところのトロポロン類の配糖体とは、トロポロン類の水酸基と糖類(ROH)の水酸基を脱水縮合させてエーテル結合を形成せしめたものであり、下記式(4)で表される。
【0017】
【化4】
Figure 2004197054
【0018】
トロポロン類に結合させる糖類(ROH)としては特に制限はなく、一般的なものを用いればよく、例えばグルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトースなどのヘキソース、キシロース、アラビノースなどのペントソースなどの単糖類、プリメベロース、ゲンチオビオース、ルチノース、ストロファントビオース、セロビオースなどの二糖類、その他の多糖類あるいはそれらの誘導体を用いることができる。
【0019】
本発明のポリウレタンフォームにおいて、トロポロン類の誘導体の配合量は用いる環境や要求される性能に応じて適宜設定すればよい。トロポロン類の誘導体の配合量は、好ましくは0.01から30重量%であり、より好ましくは0.5から10重量%である。
本発明に用いるポリウレタンフォームは公知の方法で作ればよい。ポリウレタンフォームの原料となるイソシアネートおよびポリオール、触媒、整泡剤、発泡剤等にも特に制限はない。例えばイソシアネートとしてはトルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)等を1種類または複数をそのままでも良いし、変性したものを用いても良い。ポリオールとしては、例えばポリプロピレン(エチレン)ポリオール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTG)等のようなポリエーテルポリオールやポリエステル系ポリオール、アクリルポリオールなどが挙げられる。触媒、整泡剤、発泡剤は用いるイソシアネートやポリオールに合わせて、適宜選択すれば良い。触媒としては、例えばテトラメチルブタンジアミン、1,4−ジアザ(2,2,2)ビシクロオクタン(DABCO)などの第3級アミン、ヂブチルスズジラウリレート(DBTDL)、スタンナスオクトエート(SnOct)等の有機スズ化合物が挙げられる。発泡剤としては例えば水、メチレンクロライド、エチレンクロライド、イソペンタン、フロン11、フロン12、フロン21、フロン113などが挙げられる。また、用途によって充填剤や難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、加水分解防止剤等を加えても構わない。
【0020】
本発明においては、トロポロン類の誘導体の効果を阻害せずに、かつポリウレタンの発泡、重合を阻害しない範囲でトロポロン類の誘導体の他に用途に応じた防虫剤を更に含有してもよい。
防虫剤としては、例えば、ピレトリン、アレスリン、dl,d−T80−アレスリン、フタルスリン、d−T80−フタルスリン、レスメトリン、フラメトリン、d−T80−フラメトリン、フェノトリン、ペルメトリン、エトフェンプロックス、d,d−T80−プラレトリン、シフルトリン、イミプロトリン、シフェノトリン、d,d−T−シフェノトリン、トラロメトリン、シラフルオフェン、ビフェントリン、フルメトリン、フルバリネート、トランスフルトリン、テフラメトリン、テラレスリン、エムペントリンフェンフルトリンなどのピレスロイド剤、
【0021】
ジクロルボス、ダイアジノン、トリクロルホン、フェンチオン、ナレド、フェニトロチオン、テメホス、ピリダフェンチオン、クロルピリホスメチル、プロチオホス、プロペタンホス、クロルピリホス、ホキシム、テトラクロルビンホス、アザメチホスなどの有機リン剤、
カルバリル、プロポクスル、フェノブカルブ、メトキサジアゾンなどのカーバメート剤、
メトプレン、ジフルベンズロン、ピリプロキシフェン、シロマジン、トリフルムロン、ルフェヌロン、テフルベンズロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、アセタミプリド、TPIC(トリプロピルイソシアヌレート)、BDCP(ブロモジクロロフェノール)、イベルメクチン、フェプロニル、オルトジクロロベンゼンなどの昆虫成長制御剤、
【0022】
オクタクロロジプロピルエーテル、ピペロニルブトキサイド、サイネピリン500、サイネピリン222などの共力剤、
エンペントリン、パラジクロルベンゼン、ナフタリン、しょうのう等の衣類防虫剤、
ジメチルフタレート、ジエチルトルアミド、MGK−11、MGK−326、タブトレックス、イソピンピネリン、ベルガプテン、ザントトキシン、コクサギン、ジハイドロコクサギンなどの化学忌避剤、
α−ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、リナロールなどの忌避剤、
【0023】
スペアミント(含有成分:リモネン、カルボンなど)、ナツメグ(含有成分:ゲラニオール、リナロール、オイゲノール、サフロール、ピネンなど)、ペパーミント(含有成分:メントール、ジャスモン、カルバクロール、リモネンなど)、シナモン(含有成分:シンナミックアルデヒド、オイゲノール、サフロール、シメン、ジペンテン、フェランドレン、ピネンなど)、クローブ(含有成分:フルフロール、オイゲノール、カリオフィレン、ピネンなど)、ユーカリ(含有成分:カフェン、フェンケン、フェランドレン、ピネン、シトロネラール、シネオールなど)、ガーリック(含有成分:ジアリルジスルフィドなど)、マージョラム(含有成分:カンファー、ボルネオール、テルピネオール、カリオフィレン、ピネン、サビネン、テルピネンなど)、パルマローザ(含有成分:ゲラニオール、シトロネロール、ファルネゾール、シトラール、シトロネラール、リモネンなど)、クミン(含有成分:クミンアルデヒド、ピネンなど)、コリアンダー(含有成分:ゲラニオール、リナロール、テルピネオール、ピネンなど)、オリガナム(含有成分:チモール、ピネンなど)、日本ハッカ油(含有成分:リモネン、メントン、メントールなど)、レモンピール、ローズマリー、シトロネラ、クローバ、タチジャコウソウ、ゼラニウム、月桂樹などの精油、
【0024】
ピーチ・ペースト、メロン・ペースト、パイナップルフレーバー、セロリー101などの植物香料、
ヒノキ(含有成分:d−カジノール、T−カジノールなど)、ベイスギ、チーク、クイラ、ホウノキ、アスナロ、ヒノキアスナロ(青森ヒバ)(含有成分:α−ツヤプリシン、β−ツヤプリシン、γ−ツヤプリシン、β−ドラブリンなど)、タイワンヒノキ、木曽ヒノキ、イブキ、ハイネズミ、クロベ(ネズコ)、ウエスタン・レッド・シーダー、インセンスシーダー、ラジアータパイン(含有成分:β−テルピネオール、ボルネオール、フェンチルアルコールなど)などの樹木の精油などがあげられる。
【0025】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は以下の例によってなんら限定されるものではない。
なお実施例に記載した試験方法は以下の通りである。
<密度測定>
生成したポリウレタンフォームから20×20×20mm(8cm)の試験片を5個切り出す。それぞれの重さを測定して平均値を出し、その重さを体積で割って密度を求める。一般にポリウレタンフォームの密度はkg/mで表すので単位を統一する。
<気泡の観察>
実体顕微鏡(倍率2.5倍)により気泡の様子を目視観察する。その顕微鏡写真を撮影し、平均気泡径を測定する。
【0026】
<抗菌・防カビ試験>
・試験の内容
(1) ハロー試験
細菌を植え付けた寒天培地の上に20×20×2mm程度の大きさの試験片を押し付けるようにおき、37℃で1〜2日間インキュベートした後ハロー帯(阻止帯)の生成の程度を目視観察する。
(2) カビ抵抗性試験(JIS Z 2911)
寒天培地の上に試験片を20×20×2mm程度の大きさにしておき、その上からカビの胞子の懸濁液を吹き付け25℃で一週間インキュベートした後試験片上のカビの生育状況を目視観察する。カビ抵抗試験の試験結果の表示方法を表3に示す。
・用いた菌種
(1) 細菌
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、大腸菌(Escherichia coli)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)
(2) 真菌(カビ)
アオカビ(Penicillium chrysogenum)、クロコウジカビ(Aspergillus niger)(3) 真菌(コウボ)
カンジダ(Candida albicans)
【0027】
<シロアリ食害試験>
20×20×2mmの試験片5個をイエシロアリ50匹の入ったシャーレに入れ、1ヵ月後の食害の程度を観察したとともに、試験片の重量減少率を求めた。
【0028】
【実施例1〜5、比較例1】
容器に水を0.473g、旭硝子製 「エクセノール3030」(商品名)を10.037g、信越シリコン製 「F242」(商品名)を0.087g、DABCO 0.013g、DBTDL 0.020g、トロポロン類の誘導体 0.190gを混合し、均一になるまで攪拌する。そこにTDI 80/20(2,4−体と2,6−体の割合が80/20wtのもの)を6.410g加えて激しく攪拌する。気泡が発生し始めたら攪拌を止め、そのまま表面が固くなるまで静置した。比較例1はトロポロン類の誘導体の代わりにヒノキチオールを、比較例2は何も添加せずに(ブランク)、それ以外は同様の操作を行なった。
【0029】
得られたポリウレタンフォームを切り出して抗菌・防カビ試験およびシロアリ食害試験を行なった。結果を表1に示した。実施例1から5は、ポリウレタンフォームの生成に何の問題もなかった。また、明確な阻止帯が見られ、防カビ、防蟻性があった。
【0030】
一方、比較例1は、著しく発泡が阻害された結果、ブランクに比べて密度が非常に高く気泡も不均一であり、抗菌・防カビも不十分であった。また防蟻性は全く見られなかった。比較例2は、発泡は十分であったが阻止帯はみられず、全面がカビに覆われた。シロアリによる食害も甚大であった。
【0031】
【実施例6〜10、比較例2】
容器に水を1.02g、水酸基価 168のポリプリピレングリコールを50.11g、水酸基価 240のポリプロピレングリコールを50.02g、UCC社 「Y−4347」(商品名)、シリコン系安定剤)を2.00g、UCC社 「Y−4499」(商品名)を2.01g、DABCO 1.11g、SnOct 0.25g、トロポロン類の誘導体 1.39gを混合し、均一になるまで攪拌する。そこにTDI65/35(2,4−体と2,6−体の割合が65/35wtのもの)を43.39g加えて激しく攪拌する。気泡が発生し始めたら攪拌を止め、そのまま表面が固くなるまで静置した。比較例3はトロポロン類の誘導体の代わりにトロポロンを、比較例4は何も添加せずに(ブランク)、それ以外は同様の操作を行なった。
【0032】
得られたポリウレタンフォームを切り出して抗菌・防カビ試験およびシロアリ食害試験を行なった。結果を表2に示した。実施例6から10は、ポリウレタンフォームの生成に何の問題もなかった。また、明確な阻止帯が見られ、防カビ、防蟻性があった。
【0033】
一方、比較例3は、著しく発泡が阻害された結果、ブランクに比べて密度が非常に高く気泡も不均一であり、阻止円もみられず全面がカビに覆われた。防蟻性はみられなかった。比較例4は、発泡は十分であったが阻止帯はみられず、全面がカビに覆われた。シロアリによる食害も甚大であった。
【0034】
【表1】
Figure 2004197054
【0035】
【表2】
Figure 2004197054
【0036】
【表3】
Figure 2004197054
【0037】
【発明の効果】
本発明により、人体への安全性が高く抗菌・防カビ・防蟻性を発揮するトロポロン類を含有したポリウレタンフォームを提供することが可能となる。

Claims (3)

  1. トロポロン類の誘導体を1種類以上含有することを特徴とするポリウレタンフォーム。
  2. トロポロン類の誘導体が有機塩または金属錯体であることを特徴とする請求項1記載のポリウレタンフォーム。
  3. トロポロン類がヒノキチオールであることを特徴とする請求項1または2記載のポリウレタンフォーム。
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