JP2004196620A - 無機質基材の製造方法 - Google Patents

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Kyoko Shimada
恭子 嶋田
Hidetaka Honda
英隆 本田
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Kubota Matsushitadenko Exterior Works Ltd
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Abstract

【課題】着色基材の変退色を抑制した無機質基材を提供する。
【解決手段】シリコーン系撥水剤によって処理された顔料をセメントスラリーに配合して無機質基材を製造する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、無機質基材の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、着色基材の変退色を効果的に抑制できる新しい無機質基材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一般的には、建築材等として使用される無機質基材の着色には、無機質基材自体への着色ではなく、表面に塗装処理することによって着色を施している。しかし、このような塗膜による着色では、塗膜の劣化によって、所要の着色状態が大きく損なわれるという問題があった。このため、従来より着色塗膜劣化の対策が求められていた。
【0003】
一方、近年、コンクリートあるいはモルタル製人工建造物においては、自然環境に配慮した外観、色調が求められていることから、白または灰色単色のコンクリートあるいはモルタル製の構造物に代えるものとして周囲の環境に適合した色彩をもつカラーコンクリートやカラーモルタル製の構造物が検討されている。そして、このカラーコンクリート等の製造方法では、砕石、砂、水、AE減水剤およびセメント等を予め混練して得たセメント混合材にミキサー内で直接セメント着色用材料を投入して混練することで、セメント混合材そのものを着色するという方法が採用されている。
【0004】
だが、この場合のセメント着色用材料ついては、セメント混合材への分散性を考慮して微粒子状のものが使用されていることから、セメント着色材料入りのクラフト紙製袋の解袋時やミキサーへの投入時の顔料飛散が激しく、作業環境を著しく悪化させている。また、セメント着色用材料自体は流動性が悪く、付着性に富んでいることから、これらの取扱いの不便さが混合着色の工程の機械化(自動化)において多くのトラブル発生の原因となっている。
【0005】
そこで、このような問題への対策として、取扱い等を容易としたセメント着色用材料(特許文献1)が提案されている。この着色用材料は、含水酸化鉄顔料粉体にその重量に対して0.01〜10重量%の界面活性剤を混合し圧縮脱気処理によって造粒した平均粒径が300〜1500μmの範囲内にあり、かつ、気孔率が0.1〜0.3の範囲内にある造粒物からなることを特徴としている。
【0006】
また、別の着色方法として、顆粒形態の無機顔料を利用した無機質基材の着色方法(特許文献2)も提案されている。この着色方法では、顔料顆粒が1種以上の顔料と可溶ホスフェート塩の懸濁液を含んでおり、単官能金属イオンと燐の変数比が2:1から1:1である、顆粒形態の無機顔料で建築材料を着色する方法である。
【0007】
【特許文献1】
特開平7-89754号公報
【特許文献2】
特許第3314986号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
建築物の外装材等として用いられる。無機質基材は、たとえば壁材や瓦等のように屋外で使用されることが多く、そのため太陽光の照射や温度差、あるいは長期間の雨水等に晒されること等によって変色や色落ちの問題がある。
【0009】
このような変退色の問題を解消するために、上記のとおりの従来の工夫を適用することが考えられないではないが、これらによっても、基材中への雨水等の吸水にともなって、水分による顔料の酸化や劣化が促進されて変退色が進行するという問題がある。
【0010】
そこでこの出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであって、従来の問題点を解消し、水分の吸収や浸入等による顔料の酸化等による変退色を抑制し、さらには無機質基材の耐凍害性等の特性も良好とすることのできる新しい無機質基材とその製造方法を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決する手段として、第1には、セメントを主成分とする固形成分の水性スラリーより基材を製造する無機質基材の製造方法において、水性スラリーに、シリコーン系撥水剤によって処理された顔料を配合して着色基材を製造することを特徴とする無機質基材の製造方法を、第2には、シリコーン系撥水剤が直鎖アルキル基を含むことを特徴とする無機質基材の製造方法を提供する。
【0012】
第3には、シリコーン系撥水剤が、平均分子量200〜6000の範囲のものであることを特徴とする無機質基材の製造方法を、第4には、シリコーン系撥水剤の反応率を20〜100%の範囲とすることを特徴とする無機質基材の製造方法を提供する。また、第5には、シリコーン系撥水剤によって処理された顔料は、シリコーン系撥水剤と顔料とが水中で混合処理されたものであることを特徴とする無機質基材の製造方法を提供し、第6には、水中での混合処理に際し、水溶性樹脂が添加されていることを特徴とする無機質基材の製造方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について詳しく説明する。もちろん、この出願の発明は以下の実施形態によって限定されるものではない。
【0014】
この出願の発明の無機質基材としては、たとえば一般的には、普通ポルトランドセメント30〜65重量部、珪石粉、フライアッシュ等の無機質成分15〜50重量部、パルプ等の補強繊維2〜10重量部、顔料1〜10重量部等の組成を有する固形成分を、その濃度が10〜40wt%程度となるように水中に分散することによって、スラリー化し、これを抄造方式によって抄造して、脱水プレス方式により得られるものとすることができる。通常、このようにして得られた基材を乾燥、オートクレーブ養生、そして塗装等の工程によって外装材等の無機質板が製品化されることになる。
【0015】
この出願の発明においては、以上のとおりの無機質基材の製造において、その基材の製造時の水性スラリー中に、シリコーン系撥水剤で処理された顔料を配合することで、着色基材とすることを特徴としている。
【0016】
この場合の「顔料」としては、この出願の発明の無機質基材を着色するものであれば、各種のものであってよく、たとえば、チタン白、ヘマタイト、含水酸化鉄やカドミニウムイエロー、クロムイエロー、マグネタイト、カーボンブラック、マグへマイト等を例示することができる。
【0017】
「シリコーン系撥水剤」は、市販品を含めて撥水性能を有するシリコーン樹脂やシリコーンオリゴマー等からなる各種のものであってよいが、なかでも、直鎖アルキル基を含有することが好適である。直鎖アルキル基は、たとえばその炭素数が6以上、さらには8以上のものが好ましく、たとえば炭素数6〜15のものが好適なものとして考慮される。炭素数が6未満の場合には、顔料色調の劣化変質を抑えるには十分ではなく、また炭素数が過度に大きいものは顔料の処理、さらには基材特性にとって好ましくない。
【0018】
また、このシリコーン系撥水剤の分子量は、200〜6000の範囲であることが好ましい。分子量が200未満の場合には変退色の抑制効果は十分でなく、一方、6000を越える場合には着色性そのものを阻害し、基材特性にとっても好ましくない。このシリコーン系撥水剤の反応率が20〜100%の範囲であることも好ましい。これは、シリコーン等の樹脂成分に含まれる官能基が、無機質基材のセメント成分と反応することにより、撥水効果が向上するため、この反応率が高いほど撥水効果は向上するからである。
【0019】
顔料の撥水剤による処理は、たとえば、顔料とシリコーン系撥水剤とを水中で混合処理することにより、あるいは攪拌した顔料にシリコーン系撥水剤をスプレー塗布すること等により実現される。この際に、水溶性樹脂を添加することも好ましい。「水溶性樹脂」としては、水溶性アクリルをはじめ、カルボキシル基を有するスチレン系樹脂、スチレン/マレイン酸樹脂、スチレン/アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチレン/アクリル酸共重合体、高分子エマルジョン、ビニル樹脂、エポキシ樹脂およびウレタン樹脂等が例示でき、もちろん、これら水溶性樹脂を複数組み合わせて使用してもよい。
【0020】
この出願の発明によって製造される着色無機質基材は、変退色の抑制された壁、瓦等の外装材や、天井、床等の内装材等の無機質基材として幅広く利用することができる。
【0021】
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。
【0022】
【実施例】
以下の無機質基材1〜6、並びに比較基材1〜3を製造した。
【0023】
すなわち、無機質基材1は、顔料粉体を攪拌しながら水性エマルジョン撥水剤(タイトシラン:東洋インキ社、またはコーニングシリコーン ドライシールS:東レダウ社)をスプレーすることによって被覆処理を行ったものである。無機質基材2は、顔料に高分子量の直鎖アルキル基を含有するシリコーン系撥水剤(n-デシルトリメトキシシラン(KBM3103):信越化学社、またはn-デシルトリメトキシシラン(AY43-210MC):東レダウ社)をスプレー処理を施したものであり、無機質基材3は、分子量200〜6000の範囲であることを特徴とする直鎖アルキル基を含有するシリコーン系撥水剤スプレーを施したものであり、また無機質基材4は、分子量200〜6000の範囲であることを特徴とする直鎖アルキル基を含有するシリコーン系撥水剤スプレーを施した後、熱処理を行い反応率が平均60%としたものである。無機質基材5は、撥水剤および顔料を先に水中で分散することによって処理して、他のスラリーセメントの材料を加えて混合したものであり、無機質基材6は、撥水剤および顔料を先に水中で分散することによって処理して、さらに水溶性アクリル(水溶性アクリル(IM2102、IM2103):関西ペイント社)を添加したところに他のスラリーセメントの材料を加えて混合したものである。
【0024】
比較基材1は、顔料に撥水処理を施していないもの、比較基材2は、撥水処理を施す際に顔料に対して撥水剤量が少なかったもの、そして比較基材3は、顔料に有機顔料を用い表面に十分量の撥水剤で撥水処理を施したものである。
【0025】
次の表1および表2は、以上の無機質基材と比較基材についてまとめたものである。
【0026】
【表1】
Figure 2004196620
【0027】
【表2】
Figure 2004196620
【0028】
以上の6種類の無機質基材と3種類の比較基材の性能を比較評価した。性能評価方法として、耐凍害性、透水性および耐候性スーパーUV(SUV)試験による評価を行った。具体的には、耐凍害性の評価は、ASTM-C66法を利用し、試験後の顔料の脱落による変色や退色等の外観評価を行った。透水性の評価は、JIS-A5423に準じて行った。なお、評価結果は、24時間後の透水量で示した。SUV試験は、SUV後の色安定性は、紫外線照射750時間後の外観評価を行った。
【0029】
無機質基材1〜6の評価結果は表3に、比較基材1〜3の評価結果は表4に示したとおりであった。無機質基材1〜6のいずれにおいても、耐凍害性、透水性および耐候性スーパーUV(SUV)試験において良好な結果を示した。一方、比較基材1〜3では、耐凍害性、透水性および耐候性スーパーUV(SUV)試験によって、質の劣化、変色等が確認された。
【0030】
表3および表4の結果より、この出願の発明の無機質基材は、比較対照の比較基材と比べて、凍害性、透水性および着色の変色性に高い耐久性が得られることが示された。
【0031】
【表3】
Figure 2004196620
【0032】
【表4】
Figure 2004196620
【0033】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、無機質基材の耐凍害性、耐透水性とともに、顕著な着色の変退色抑制効果等の向上を図ることができ、外装材等の無機質板の商品寿命を大幅に改善することができる。壁や床、天井、屋根材、外装材等の建築材に幅広く利用することのできる新しい無機質基材が提供される。

Claims (6)

  1. セメントを主成分とする固形成分の水性スラリーより基材を製造する無機質基材の製造方法において、水性スラリーに、シリコーン系撥水剤によって処理された顔料を配合して着色基材を製造することを特徴とする無機質基材の製造方法。
  2. シリコーン系撥水剤が直鎖アルキル基を含むことを特徴とする請求項1の無機質基材の製造方法。
  3. シリコーン系撥水剤が、平均分子量200〜6000の範囲のものであることを特徴とする請求項1または2の無機質基材の製造方法。
  4. シリコーン系撥水剤の反応率を20〜100%の範囲とすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかの無機質基材の製造方法。
  5. シリコーン系撥水剤によって処理された顔料は、シリコーン系撥水剤と顔料とが水中で混合処理されたものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかの無機質基材の製造方法。
  6. 水中での混合処理に際し、水溶性樹脂が添加されていることを特徴とする請求項5の無機質基材の製造方法。
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JP2014530168A (ja) * 2011-10-11 2014-11-17 ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフトWacker Chemie AG 固体有機ケイ素化合物を含む建材の本体疎水化方法
CN107941645A (zh) * 2017-12-15 2018-04-20 东南大学 一种测定粉煤灰、硅灰、水泥三相复合体系中各物质反应程度的方法

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