JP2004196355A - 薬剤揮散容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】構成部品の構造を簡素化して製造コストを低減させ、安価なものを提供するとともに、米びつ等に使用した場合に、埃等が侵入するのを阻止し、薬効成分を効率良く付与する。
【解決手段】内部に薬剤が充填されるとともに、上部に内外を貫通する口部3が設けられる容器本体2と、容器本体2の口部3に螺着される取付部7を有するとともに、取付部7に一体に設けられる傘部9を有する傘体6とを備えた薬剤揮散容器1において、容器本体2の口部3と傘体6の取付部7との間に、容器本体2の内外を連通する揮散通路10を設ける。容器本体2内に充填されている薬剤の薬効成分は、容器本体2の口部3から傘体6の傘部9の内側の空間内に導かれ、その部分から揮散通路10を介して下方に導かれ、外部に揮散されることになる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬剤揮散容器に関し、特に、細かい収納物とともに使用され、小さい収納空間に薬効を付与するのに有効な薬剤揮散容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の薬剤揮散容器の一例として、内部に薬剤が充填されるとともに、上部に内外を貫通する口部を有する容器本体と、容器本体の口部に装着されるとともに、容器本体の内部に連通する揮散口を有する傘体とを備えたものも知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
また、薬剤揮散容器の他の例として、内部に揮散性薬剤が充填されるとともに、上部に内外を貫通する口部を有する容器本体と、容器本体の口部に装着される吸上げ芯と、容器本体の口部に装着される傘体と、傘体に装着されるとともに、吸上げ芯の上端に接触する揮散紙とを備えた薬剤揮散容器が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】
実公昭57−3314号公報
【特許文献2】
実用新案登録第2592527号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような構成の薬剤揮散容器のうち前者にあっては、傘体に薬剤の揮散口が設けられているため、揮散口から細かい収納物や埃等が内部に侵入して、揮散性薬剤の揮散面に堆積してしまい、有効な揮散面積が確保できずに揮散するに従って揮散速度が低下してしまったり、埃等が侵入しないように揮散口を小さくすると、十分な薬剤が空間に付与されなくなってしまい、薬効成分を効率良く揮散させることができない。
【0006】
また、後者にあっては、傘体の存在によって揮散紙から揮散した薬効成分を下方に導くことができ、傘体自体には揮散口が設けられていないので、揮散口から埃等が侵入する虞はないものであるが、薬剤を吸い上げる吸上げ芯、薬剤を揮散させる揮散紙が必要になるため、薬剤揮散容器自体が大型化してしまうとともに、それらを保持する容器本体の口部の構造、傘体の構造が複雑になり、構成部品点数が多くなり、製造コストが嵩み、薬剤揮散容器全体としての価格が高くなってしまう。
【0007】
本発明は、前記のような従来の問題を解決したものであって、部品点数を少なく、各部品の構造を簡単にすることによって全体としての価格を安く抑えるとともに、薬剤揮散容器自体を小型化でき、効率良く空間に薬効成分を付与することができる薬剤揮散容器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1に係る薬剤揮散容器は、内部に薬剤が充填されるとともに、上部に内外を貫通する口部が設けられる容器本体と、前記口部に螺着される取付部を有するとともに、該取付部に一体に設けられる傘部を有する傘体とを備えた薬剤揮散容器において、前記容器本体の口部と前記傘体の取付部との間に、前記容器本体の内外を連通する揮散通路を設けた手段を採用している。
また、本発明の請求項2に係る薬剤揮散容器は、請求項1に記載の薬剤揮散容器において、前記揮散通路は、前記傘体の取付部の一部に設けられる、取付部の全長に渡る切欠部である手段を採用している。
さらに、本発明の請求項3に係る薬剤揮散容器は、請求項1に記載の薬剤揮散容器において、前記揮散通路は、前記容器本体の口部の一部に設けられる、口部の全長に渡る切欠部である手段を採用している。
さらに、本発明の請求項4に係る薬剤揮散容器は、請求項1に記載の薬剤揮散容器において、前記傘体の傘部に揮散口を設けた手段を採用している。
【0009】
【作用】
本発明は、上記のような手段を採用したことにより、容器本体内に充填された薬剤の薬効成分は、容器本体の口部から傘体の傘部の内側に導かれ、その部分から容器本体の口部と傘体の取付部との間の揮散通路(傘体の取付部側の揮散通路又は容器本体の口部側の揮散通路)を介して外部に導かれることになる。この場合、傘体の傘部には揮散口が設けられていないか、若しくは傘体に設ける揮散口を極力小さくすることができるので、内部にほこり等が侵入する虞はない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図5には、本発明による薬剤揮散容器の一実施の形態が示されていて、この薬剤揮散容器1は、容器本体2と、容器本体2の上部に装着される傘体6とを備えている。
【0011】
容器本体2は、図1及び図4に示すように、上部に筒状の口部3を有する壺状をなすものであって、内部に防虫剤等の揮散性薬剤が所定量充填されるようになっている。容器本体2の口部3の外周面には全長に渡って所定の雄ねじ4が螺設され、この雄ねじ4に後述する傘体の雌ねじが螺合されるようになっている。
【0012】
容器本体2の口部3の内周側には、図4及び図5に示すように、使用開始前にはキャップ5が装着されていて内部に充填されている揮散性薬剤の揮散を防止し、使用開始時にこのキャップ5を口部3から取り外すことにより揮散性薬剤の揮散が開始されるようになっている。
【0013】
傘体6は、図1及び図4に示すように、筒状をなすとともに、内周面に容器本体2の口部3の雄ねじ4と螺合可能な雌ねじ8が全長に渡って螺設される取付部7と、取付部7の上端部に一体に連結される傘状の傘部9とからなるものであって、取付部7の内周側の雌ねじ8を容器本体2の口部3の外周側の雄ねじ4に螺合させることにより、容器本体2の口部3に装着されるようになっている。
【0014】
傘体6の取付部7には、図2、図3及び図5に示すように、取付部7の中心を中心として対向する部位に、揮散通路である所定の幅の切欠部10が全長に渡って設けられ、この切欠部10を介して取付部7の内外が連通するようになっている。
【0015】
傘体6の傘部9の上部内面側には、容器本体2の口部3の上端面に対向して複数のストッパー11が設けられ、このストッパー11の先端を容器本体2の口部3の上端面に当接させることにより、傘体6の容器本体2に対するそれ以上の螺合が制限されるようになっている。また、このストッパー11は、容器本体2の口部3にキャップ5が装着されているときに、キャップ5の上端面に当接してキャップ5が口部3から外れるのを防止する機能も兼ね備えている。
【0016】
そして、上記のように構成した容器本体2の内部に防虫剤等の揮散性薬剤を所定量充填し、容器本体2の口部3の外周面の雄ねじ4に傘体6の取付部7の内周面の雌ねじ8を螺合させ、取付部7を所定の位置まで締め付けることにより、この実施の形態による薬剤揮散容器1が構成される。
【0017】
そして、このように構成した薬剤揮散容器1を使用場所に設置すると、容器本体2内の薬剤の薬効成分は、口部3から傘体6の傘部9の内側の空間内に導かれ、その空間内から取付部7の切欠部10を介して下方に導かれ、傘部9と容器本体2との間の隙間を介して周囲空間に薬効が付与されるものである。
【0018】
上記のように構成したこの実施の形態による薬剤揮散容器1にあっては、容器本体2内に充填した薬剤による薬効成分を、容器本体2の口部3から傘体6側の切欠部10を介して周囲空間に薬効を付与させることができるので、傘体6の傘部9に揮散口を設ける必要がなくなる。従って、傘体6に設けた揮散口から内部に埃等が侵入する恐れはなく、効率良く米びつ等の内部に薬効成分を付与することができる。また、本実施の形態では、傘体6の傘部9に揮散口を設けない構成としたが、傘体6の傘部9に揮散口を設けても良く、その場合でも揮散口の大きさは極力小さくすることができるので、薬剤揮散容器内部に埃等の侵入を防ぐとともに、より効率良く薬剤を揮散させることができる。
【0019】
また、薬剤を吸い上げる吸上げ芯、薬剤を揮散させる揮散紙等が不要となるので、個々の部品の構造を簡素化することができるとともに、構成部品の点数を少なくすることができ、これにより製造コストを低減させることができて、薬剤揮散容器1全体としての価格を安く抑えることができる。
【0020】
なお、前記の説明においては、傘体6の取付部7側に設けた切欠部10によって揮散通路を構成したが、図示はしないが、容器本体2の口部3側に切欠部を設けて揮散通路を構成しても良いものであり、その場合にも同様の作用、効果を奏するのは勿論のことである。本発明の薬剤揮散容器は、全体を小型化できるとともに、薬剤揮散容器内部に収納物や埃等の侵入を防止しながら、効率良く薬剤を揮散させることができるものであるため、比較的小さい空間、特に、米びつや乾物等の食品の収納容器内や、冷蔵庫、冷凍庫内に好適に使用できるものである。
【0021】
【発明の効果】
本発明は、前記のように構成したことにより、容器本体内に充填された薬剤の薬効成分は、容器本体の口部から容器本体の口部と傘体の取付部との間の揮散通路を介して外部に導かれることになる。具体的には、傘体の取付部側の切欠部又は容器本体の口部側の切欠部を介して外部に導かれることになる。従って、傘体の傘部に薬剤の薬効成分を揮散させる揮散口が不要となるので、揮散口から内部に埃等が侵入する恐れはなくなり、効率良く米びつ等の内部に薬効成分を付与することができる。また、薬剤を吸い上げる吸上げ芯、薬剤を揮散させる揮散紙等が不要となるので、個々の部品の構造を簡素化することができるとともに、構成部品の点数を少なくすることができ、これにより、製造コストを低減させることができて、薬剤揮散容器全体としての価格を安く抑えることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による薬剤揮散容器の一実施の形態の全体を示した正面図であって、使用中の状態を示した説明図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】図1の傘体の下面図である。
【図4】本発明による薬剤揮散容器の一実施の形態の全体を示した正面図であって、使用前の状態を示した説明図である。
【図5】図4の部分拡大図である。
【符号の説明】
1……薬剤揮散容器
2……容器本体
3……口部
4……雄ねじ
5……キャップ
6……傘体
7……取付部
8……雌ねじ
9……傘部
10……揮散通路(切欠部)
11……ストッパー

Claims (4)

  1. 内部に薬剤が充填されるとともに、上部に内外を貫通する口部が設けられる容器本体と、前記口部に螺着される取付部を有するとともに、該取付部に一体に設けられる傘部を有する傘体とを備えた薬剤揮散容器において、前記容器本体の口部と前記傘体の取付部との間に、前記容器本体の内外を連通する揮散通路を設けたことを特徴とする薬剤揮散容器。
  2. 前記揮散通路は、前記傘体の取付部の一部に設けられる、取付部の全長に渡る切欠部であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤揮散容器。
  3. 前記揮散通路は、前記容器本体の口部の一部に設けられる、口部の全長に渡る切欠部であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤揮散容器。
  4. 前記傘体の傘部に揮散口を設けたことを特徴とする請求項1に記載の薬剤揮散容器。
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