JP2004196067A - 電動アクチュエータ用制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動二輪車や原動機付自転車のクラッチレバーを握る力を安価な装置により、アシストに必要な所望のモータートルクを迅速かつ高精度に測定して発生することができるようにした電動アクチュエータ用制御装置を提供すること。
【解決手段】自動二輪車や原動機付自転車のクラッチレバー操作荷重を低減する電動アクチュエータ用制御装置において、前記クラッチレバーの回転角を検出する回転角度検出センサーを備えると共に、該回転角度検出センサーの出力に比例した電流指令値により電流アンプに電流を発生させるモーターアンプを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】自動二輪車や原動機付自転車のクラッチレバー操作荷重を低減する電動アクチュエータ用制御装置において、前記クラッチレバーの回転角を検出する回転角度検出センサーを備えると共に、該回転角度検出センサーの出力に比例した電流指令値により電流アンプに電流を発生させるモーターアンプを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車や原動機付自転車のクラッチレバー操作荷重を低減させるアシスト機構に係わる電動アクチュエータ用制御装置に関し、さらに詳細には、クラッチレバーの回転角度を角度センサーにより検出し、この角度センサーの出力によりモータートルクを制御するようにした電動アクチュエータ用制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車や原動機付自転車のクラッチには、通常、湿式多板型のクラッチが用いられる。図6(A)は自動二輪車における湿式多板クラッチ1とエンジン2の位置関係を斜視図で示したもので、この湿式多板クラッチ1は、ケース3内にオイルが入っていて、その中に図6(B)に斜視図で示すような複数枚のクラッチディスク4とクラッチプレート5が交互に重なって入っている。このクラッチディスク4には摩擦係数の大きなフェーシングが貼ってあり、図6(A)に示すようにクラッチスプリング6によってクラッチプレート5に押し付けられている。(例えば、非特許文献1参照)
【0003】
【非特許文献1】
出射忠明著「バイクメカニズム図鑑」、グランプリ出版、1986年9月発行、第126頁〜第127頁。
【0004】
図7は、上述した自動二輪車におけるクラッチレリーズ方式の一例を示す斜視図である。今、運転者がクラッチレバー7を矢印Y1で示すハンドル8の方向に握ると、ワイヤー9(あるいは油圧)によりアーム10が矢印Y2方向に回動され、ピニオン軸(クラッチ軸)11が矢印Y3方向に回転してピニオン12と噛み合うラック13が矢印Y4方向に動かされ、前記クラッチスプリング6が押し戻される。この結果、クラッチスプリング6のばね力が弱められ、摩擦力が減じられて動力の伝達が断たれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、最近、上述したような自動二輪車は次第に大型化・高出力化する傾向にあり、これに伴いクラッチレバー7をかなり強い力で握る必要が出てきたため、運転者には負担となっていた。
【0006】
そこで、このようなクラッチレバー7を握る力をアクチュエータによりアシストすることが考えられ、このためワイヤー9の張力(あるいは油圧力)やクラッチレバー7の応力等の力を測定し、この力に対しある一定割合のアシスト力を発生させることが考えられる。
【0007】
しかしながら、クラッチレバー7を握る速度は非常に速い上、このときの握力を迅速かつ高精度に測定するためには極めて高価なセンサー等の測定器が必要となる。このため、上述したようなアイデアは理想的ではあるが、実用化には問題があった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、自動二輪車や原動機付自転車のクラッチレバーを握る力を安価な装置により、アシストに必要な所望のモータートルクを迅速かつ高精度に測定して発生することができるようにした電動アクチュエータ用制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、自動二輪車や原動機付自転車のクラッチレバー操作荷重を低減するボールねじを使用した電動アクチュエータ用制御装置において、前記クラッチレバーの回転角を検出する回転角度検出センサーを備えると共に、該回転角度検出センサーの出力に比例した電流指令値により電流アンプに電流を発生させるモーターアンプを備えたことを特徴とする電動アクチュエータ用制御装置を提供することにより達成される。
【0010】
また、本発明の上記目的は、前記モーターアンプにより、前記回転角度検出センサーの出力に対して出力する電流指令値を任意に設定できるようにしたことを特徴とする電動アクチュエータ用制御装置を提供することにより、より効果的に達成される。
【0011】
また、本発明の上記目的は、前記モーターアンプにより、前記回転角度検出センサーの出力を2階微分して加速度を計算し、該計算値を前記電流指令値に加算し、該加算値により前記電流アンプに電流を発生させるようにしたことを特徴とする電動アクチュエータ用制御装置を提供することにより、より効果的に達成される。
【0012】
また、本発明の上記目的は、前記モーターアンプにより、前記回転角度検出センサーの出力を1階微分して速度を計算し、該計算値を前記電流指令値に加算し、該加算値により前記電流アンプに電流を発生させるようにしたことを特徴とする電動アクチュエータ用制御装置を提供することにより、より効果的に達成される。
【0013】
さらにまた、本発明の上記目的は、前記モーターアンプにより、前記電流の方向を一方向のみに限定するようにしたことを特徴とする電動アクチュエータ用制御装置を提供することにより、より効果的に達成される。
【0014】
すなわち、本願の第1の発明は、クラッチレバーを握る力はクラッチスプリングのばね力を押し戻し、略クラッチレバーの回転角に比例することに着目してなされたもので、このクラッチレバーの回転角を安価な回転センサーで検出し、この回転角に比例したモータートルクを発生させることによりクラッチレバーの操作荷重をアシストするようにしたものである。
【0015】
また、第2の発明は、クラッチレバーを握る力がクラッチレバーの回転角に比例しない場合には、予め両者の関係を実験的に求め、この関係をモーターアンプに記憶させておくことにより、正確なアシストを可能としたものである。
【0016】
また、クラッチレバーを握る速度が非常に速いために加速時にはより多くのモータートルクが必要となるが、このため第3の発明は、回転センサーの出力から加速度を計算し、この値を電流指令値に加えて加速時のモータートルクを補うことにより、追従性のよいアシストを可能としたものである。
【0017】
また、ワイヤーやピニオン部での摩擦に起因し、一般的にクラッチレバーを放す力は握る力に比べ小さい。握るときは回転センサーの出力は増加して正の速度となり、逆に放すと負の速度となる。このため第4の発明は、回転センサーの出力を1階微分して速度を計算し、この値を電流指令値に加えることにより、クラッチレバーを握るときはより大きなアシスト力となり、逆に放すときはアシスト力が弱められて迅速なクラッチの接続を可能としたものである。
【0018】
さらにまた、アシスト力は一方向のみの力の発生であるために通常のモーターアンプのような正逆のトルクの発生は不必要である。そこで第5の発明は、一方向のみの電流制御を行うことによりモーターアンプのコストを低減するようにしたものである。
【0019】
以下、上記発明を実施例に基づき詳述する。なお、以下の図において、前述した従来装置と同一の構成部品には同一の符号を付して説明する。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係わる電動アクチュエータ用制御装置(以下、「本制御装置」という)20の構成を示す説明図である。図1において、21は回転角度センサー、22はモーターアンプ、23はモーター、24はモーター23によって駆動されるクラッチレバー操作荷重アシスト用の電動アクチュエータ、9aは一端側が電動アクチュエータ24に連結され、他端側がアーム10に連結されたワイヤーである。ここに、ワイヤー9を介してアーム10を回動し、ピニオン軸11を回転させる構成は前述したとおりである。なお、ワイヤー9、9aに代えて、油圧あるいはリンク等の他の動力伝達手段を使用することも可能である。
【0021】
回転角度センサー21はクラッチレバー7の回転角度、換言すればクラッチレバー7の回転位置を検出するもので、クラッチレバー7の回転中心7aと同軸、あるいはこの回転中心7aから若干軸心をずらせて固定された安価なポテンショメーター(図示せず)によって構成されている。なお、このポテンショメーターに代えて、同様に安価なロータリーエンコーダーを使用することも可能である。さらに、リニアセンサーでワイヤー9の動作を検出することも可能であり、さらにまた、回転角度センサー21をピニオン軸11に取付けることも可能である。回転角度センサー21によってクラッチレバー7の回転角度が検出され、この出力(電流指令入力)Rがモーターアンプ22に入力される。
【0022】
モーターアンプ22は電流制御アンプ機能を有するもので、図2に電流制御アンプ特性を示すように、回転角度センサー21からの出力(電流指令入力)Rに比例した電流指令値Sにより電流アンプ22Aに電流Tを発生させてモーター23に供給する。ここに、アシスト力は一方向のみの発生であって、通常のモーターアンプのような正逆のトルクの発生は不必要であるので、モーターアンプ22では一方向のみの電流制御を行なえばよい。このため、このモーターアンプ22のコストを低減することができる。
【0023】
モーター23は電流Tに比例したトルク、換言すれば、クラッチレバー7の回転角度出力Rに比例したアシスト力を発生する。このアシスト力により電動アクチュエータ24、ワイヤー9a、アーム10を介してピニオン軸11、すなわちクラッチ軸が回動される。
【0024】
以上は、クラッチレバー7を握る力がクラッチレバー7の回転角に比例する場合であるが、自動二輪車や原動機付自転車のクラッチ機構によっては、図3に電流制御アンプ特性を示すように、両者が比例しない場合もあり得る。このような場合には、予め両者の関係を実験等により測定して求め、この関係をモーターアンプ22に記憶させることにより正確なアシストを行なうことができる。
【0025】
また、クラッチレバー7を握る速度は非常に速いため加速時にはより多くのモータートルクが必要となる。このため、本制御装置20では、図4に電流制御アンプ特性を示すように、回転角度センサー21の出力R(クラッチレバー7の回転位置信号)を2階微分して加速度を計算し、この計算値Uを電流指令値Sに加算することにより加速時のトルクを補うようにしている。これにより、追従性のよいアシストを行なうことができる。
【0026】
さらにまた、ワイヤー9やピニオン12部での摩擦に起因し、一般的にクラッチレバー7を放す力は握る力に比べ小さい。クラッチレバー7を握るときは回転センサー21の出力は増加するため正の速度となり、逆に放すときは負の速度となる。そこで、本制御装置20では、図5に電流制御アンプ特性を示すように、回転角度センサー21の出力Rを1階微分して速度を計算し、この計算値Vを電流指令値Sに加算するようにしている。これにより、クラッチレバー7を握るときはより大きなアシスト力を得ることができ、逆に放すときはアシスト力が弱められて迅速なクラッチの接続ができる。
【0027】
以上、本発明の内容を自動二輪車や原動機付自転車におけるクラッチ操作荷重の低減化を主体に説明したが、本発明は自動車のクラッチ操作への適用も可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明に係わる電動アクチュエータ用制御装置によれば、自動二輪車や原動機付自転車のクラッチレバーを握る力を安価な装置により、アシストに必要な所望のモータートルクを迅速かつ高精度に測定して発生することができるという、実用上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電動アクチュエータ用制御装置の構成を示す説明図である。
【図2】電流制御アンプ特性を示す図である。
【図3】電流制御アンプ特性を示す図である。
【図4】電流制御アンプ特性を示す図である。
【図5】電流制御アンプ特性を示す図である。
【図6】(A)は自動二輪車のクラッチとエンジンの位置関係を示す斜視図である。
(B)は湿式多板クラッチの構成を示す斜視図である。
【図7】クラッチレリーズ方式の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 湿式多板クラッチ
2 エンジン
3 ケース
4 クラッチディスク
5 クラッチプレート
6 クラッチスプリング
7 クラッチレバー
8 ハンドル
9,9a ワイヤー
10 アーム
11 ピニオン軸
12 ピニオン
13 ラック
20 (本発明に係わる)電動アクチュエータ用制御装置
21 回転角度センサー
22 モーターアンプ
23 モーター
24 電動アクチュエータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動二輪車や原動機付自転車のクラッチレバー操作荷重を低減させるアシスト機構に係わる電動アクチュエータ用制御装置に関し、さらに詳細には、クラッチレバーの回転角度を角度センサーにより検出し、この角度センサーの出力によりモータートルクを制御するようにした電動アクチュエータ用制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動二輪車や原動機付自転車のクラッチには、通常、湿式多板型のクラッチが用いられる。図6(A)は自動二輪車における湿式多板クラッチ1とエンジン2の位置関係を斜視図で示したもので、この湿式多板クラッチ1は、ケース3内にオイルが入っていて、その中に図6(B)に斜視図で示すような複数枚のクラッチディスク4とクラッチプレート5が交互に重なって入っている。このクラッチディスク4には摩擦係数の大きなフェーシングが貼ってあり、図6(A)に示すようにクラッチスプリング6によってクラッチプレート5に押し付けられている。(例えば、非特許文献1参照)
【0003】
【非特許文献1】
出射忠明著「バイクメカニズム図鑑」、グランプリ出版、1986年9月発行、第126頁〜第127頁。
【0004】
図7は、上述した自動二輪車におけるクラッチレリーズ方式の一例を示す斜視図である。今、運転者がクラッチレバー7を矢印Y1で示すハンドル8の方向に握ると、ワイヤー9(あるいは油圧)によりアーム10が矢印Y2方向に回動され、ピニオン軸(クラッチ軸)11が矢印Y3方向に回転してピニオン12と噛み合うラック13が矢印Y4方向に動かされ、前記クラッチスプリング6が押し戻される。この結果、クラッチスプリング6のばね力が弱められ、摩擦力が減じられて動力の伝達が断たれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、最近、上述したような自動二輪車は次第に大型化・高出力化する傾向にあり、これに伴いクラッチレバー7をかなり強い力で握る必要が出てきたため、運転者には負担となっていた。
【0006】
そこで、このようなクラッチレバー7を握る力をアクチュエータによりアシストすることが考えられ、このためワイヤー9の張力(あるいは油圧力)やクラッチレバー7の応力等の力を測定し、この力に対しある一定割合のアシスト力を発生させることが考えられる。
【0007】
しかしながら、クラッチレバー7を握る速度は非常に速い上、このときの握力を迅速かつ高精度に測定するためには極めて高価なセンサー等の測定器が必要となる。このため、上述したようなアイデアは理想的ではあるが、実用化には問題があった。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、自動二輪車や原動機付自転車のクラッチレバーを握る力を安価な装置により、アシストに必要な所望のモータートルクを迅速かつ高精度に測定して発生することができるようにした電動アクチュエータ用制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、自動二輪車や原動機付自転車のクラッチレバー操作荷重を低減するボールねじを使用した電動アクチュエータ用制御装置において、前記クラッチレバーの回転角を検出する回転角度検出センサーを備えると共に、該回転角度検出センサーの出力に比例した電流指令値により電流アンプに電流を発生させるモーターアンプを備えたことを特徴とする電動アクチュエータ用制御装置を提供することにより達成される。
【0010】
また、本発明の上記目的は、前記モーターアンプにより、前記回転角度検出センサーの出力に対して出力する電流指令値を任意に設定できるようにしたことを特徴とする電動アクチュエータ用制御装置を提供することにより、より効果的に達成される。
【0011】
また、本発明の上記目的は、前記モーターアンプにより、前記回転角度検出センサーの出力を2階微分して加速度を計算し、該計算値を前記電流指令値に加算し、該加算値により前記電流アンプに電流を発生させるようにしたことを特徴とする電動アクチュエータ用制御装置を提供することにより、より効果的に達成される。
【0012】
また、本発明の上記目的は、前記モーターアンプにより、前記回転角度検出センサーの出力を1階微分して速度を計算し、該計算値を前記電流指令値に加算し、該加算値により前記電流アンプに電流を発生させるようにしたことを特徴とする電動アクチュエータ用制御装置を提供することにより、より効果的に達成される。
【0013】
さらにまた、本発明の上記目的は、前記モーターアンプにより、前記電流の方向を一方向のみに限定するようにしたことを特徴とする電動アクチュエータ用制御装置を提供することにより、より効果的に達成される。
【0014】
すなわち、本願の第1の発明は、クラッチレバーを握る力はクラッチスプリングのばね力を押し戻し、略クラッチレバーの回転角に比例することに着目してなされたもので、このクラッチレバーの回転角を安価な回転センサーで検出し、この回転角に比例したモータートルクを発生させることによりクラッチレバーの操作荷重をアシストするようにしたものである。
【0015】
また、第2の発明は、クラッチレバーを握る力がクラッチレバーの回転角に比例しない場合には、予め両者の関係を実験的に求め、この関係をモーターアンプに記憶させておくことにより、正確なアシストを可能としたものである。
【0016】
また、クラッチレバーを握る速度が非常に速いために加速時にはより多くのモータートルクが必要となるが、このため第3の発明は、回転センサーの出力から加速度を計算し、この値を電流指令値に加えて加速時のモータートルクを補うことにより、追従性のよいアシストを可能としたものである。
【0017】
また、ワイヤーやピニオン部での摩擦に起因し、一般的にクラッチレバーを放す力は握る力に比べ小さい。握るときは回転センサーの出力は増加して正の速度となり、逆に放すと負の速度となる。このため第4の発明は、回転センサーの出力を1階微分して速度を計算し、この値を電流指令値に加えることにより、クラッチレバーを握るときはより大きなアシスト力となり、逆に放すときはアシスト力が弱められて迅速なクラッチの接続を可能としたものである。
【0018】
さらにまた、アシスト力は一方向のみの力の発生であるために通常のモーターアンプのような正逆のトルクの発生は不必要である。そこで第5の発明は、一方向のみの電流制御を行うことによりモーターアンプのコストを低減するようにしたものである。
【0019】
以下、上記発明を実施例に基づき詳述する。なお、以下の図において、前述した従来装置と同一の構成部品には同一の符号を付して説明する。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係わる電動アクチュエータ用制御装置(以下、「本制御装置」という)20の構成を示す説明図である。図1において、21は回転角度センサー、22はモーターアンプ、23はモーター、24はモーター23によって駆動されるクラッチレバー操作荷重アシスト用の電動アクチュエータ、9aは一端側が電動アクチュエータ24に連結され、他端側がアーム10に連結されたワイヤーである。ここに、ワイヤー9を介してアーム10を回動し、ピニオン軸11を回転させる構成は前述したとおりである。なお、ワイヤー9、9aに代えて、油圧あるいはリンク等の他の動力伝達手段を使用することも可能である。
【0021】
回転角度センサー21はクラッチレバー7の回転角度、換言すればクラッチレバー7の回転位置を検出するもので、クラッチレバー7の回転中心7aと同軸、あるいはこの回転中心7aから若干軸心をずらせて固定された安価なポテンショメーター(図示せず)によって構成されている。なお、このポテンショメーターに代えて、同様に安価なロータリーエンコーダーを使用することも可能である。さらに、リニアセンサーでワイヤー9の動作を検出することも可能であり、さらにまた、回転角度センサー21をピニオン軸11に取付けることも可能である。回転角度センサー21によってクラッチレバー7の回転角度が検出され、この出力(電流指令入力)Rがモーターアンプ22に入力される。
【0022】
モーターアンプ22は電流制御アンプ機能を有するもので、図2に電流制御アンプ特性を示すように、回転角度センサー21からの出力(電流指令入力)Rに比例した電流指令値Sにより電流アンプ22Aに電流Tを発生させてモーター23に供給する。ここに、アシスト力は一方向のみの発生であって、通常のモーターアンプのような正逆のトルクの発生は不必要であるので、モーターアンプ22では一方向のみの電流制御を行なえばよい。このため、このモーターアンプ22のコストを低減することができる。
【0023】
モーター23は電流Tに比例したトルク、換言すれば、クラッチレバー7の回転角度出力Rに比例したアシスト力を発生する。このアシスト力により電動アクチュエータ24、ワイヤー9a、アーム10を介してピニオン軸11、すなわちクラッチ軸が回動される。
【0024】
以上は、クラッチレバー7を握る力がクラッチレバー7の回転角に比例する場合であるが、自動二輪車や原動機付自転車のクラッチ機構によっては、図3に電流制御アンプ特性を示すように、両者が比例しない場合もあり得る。このような場合には、予め両者の関係を実験等により測定して求め、この関係をモーターアンプ22に記憶させることにより正確なアシストを行なうことができる。
【0025】
また、クラッチレバー7を握る速度は非常に速いため加速時にはより多くのモータートルクが必要となる。このため、本制御装置20では、図4に電流制御アンプ特性を示すように、回転角度センサー21の出力R(クラッチレバー7の回転位置信号)を2階微分して加速度を計算し、この計算値Uを電流指令値Sに加算することにより加速時のトルクを補うようにしている。これにより、追従性のよいアシストを行なうことができる。
【0026】
さらにまた、ワイヤー9やピニオン12部での摩擦に起因し、一般的にクラッチレバー7を放す力は握る力に比べ小さい。クラッチレバー7を握るときは回転センサー21の出力は増加するため正の速度となり、逆に放すときは負の速度となる。そこで、本制御装置20では、図5に電流制御アンプ特性を示すように、回転角度センサー21の出力Rを1階微分して速度を計算し、この計算値Vを電流指令値Sに加算するようにしている。これにより、クラッチレバー7を握るときはより大きなアシスト力を得ることができ、逆に放すときはアシスト力が弱められて迅速なクラッチの接続ができる。
【0027】
以上、本発明の内容を自動二輪車や原動機付自転車におけるクラッチ操作荷重の低減化を主体に説明したが、本発明は自動車のクラッチ操作への適用も可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明に係わる電動アクチュエータ用制御装置によれば、自動二輪車や原動機付自転車のクラッチレバーを握る力を安価な装置により、アシストに必要な所望のモータートルクを迅速かつ高精度に測定して発生することができるという、実用上顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる電動アクチュエータ用制御装置の構成を示す説明図である。
【図2】電流制御アンプ特性を示す図である。
【図3】電流制御アンプ特性を示す図である。
【図4】電流制御アンプ特性を示す図である。
【図5】電流制御アンプ特性を示す図である。
【図6】(A)は自動二輪車のクラッチとエンジンの位置関係を示す斜視図である。
(B)は湿式多板クラッチの構成を示す斜視図である。
【図7】クラッチレリーズ方式の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 湿式多板クラッチ
2 エンジン
3 ケース
4 クラッチディスク
5 クラッチプレート
6 クラッチスプリング
7 クラッチレバー
8 ハンドル
9,9a ワイヤー
10 アーム
11 ピニオン軸
12 ピニオン
13 ラック
20 (本発明に係わる)電動アクチュエータ用制御装置
21 回転角度センサー
22 モーターアンプ
23 モーター
24 電動アクチュエータ
Claims (5)
- 自動二輪車や原動機付自転車のクラッチレバー操作荷重を低減するボールねじを使用した電動アクチュエータ用制御装置において、前記クラッチレバーの回転角を検出する回転角度検出センサーを備えると共に、該回転角度検出センサーの出力に比例した電流指令値により電流アンプに電流を発生させるモーターアンプを備えたことを特徴とする電動アクチュエータ用制御装置。
- 前記モーターアンプにより、前記回転角度検出センサーの出力に対して出力する電流指令値を任意に設定できるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の電動アクチュエータ用制御装置。
- 前記モーターアンプにより、前記回転角度検出センサーの出力を2階微分して加速度を計算し、該計算値を前記電流指令値に加算し、該加算値により前記電流アンプに電流を発生させるようにしたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の電動アクチュエータ用制御装置。
- 前記モーターアンプにより、前記回転角度検出センサーの出力を1階微分して速度を計算し、該計算値を前記電流指令値に加算し、該加算値により前記電流アンプに電流を発生させるようにしたことを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の電動アクチュエータ用制御装置。
- 前記モーターアンプにより、前記電流の方向を一方向のみに限定するようにしたことを特徴とする、請求項1ないし請求項4に記載の電動アクチュエータ用制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002365324A JP2004196067A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 電動アクチュエータ用制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002365324A JP2004196067A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 電動アクチュエータ用制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004196067A true JP2004196067A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32762909
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002365324A Withdrawn JP2004196067A (ja) | 2002-12-17 | 2002-12-17 | 電動アクチュエータ用制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004196067A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011087461A1 (en) * | 2010-01-14 | 2011-07-21 | Mohamad Hassan Dali | Add your second semi automatic clutch easily for the stick shift gear box |
US8002099B2 (en) | 2007-04-27 | 2011-08-23 | Honda Motor Co., Ltd. | Clutch operation mechanism |
-
2002
- 2002-12-17 JP JP2002365324A patent/JP2004196067A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20051024 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Effective date: 20070525 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 |