JP2004195858A - スクリーンマスク、それを用いた厚膜印刷基板の製造方法および厚膜印刷基板 - Google Patents

スクリーンマスク、それを用いた厚膜印刷基板の製造方法および厚膜印刷基板 Download PDF

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Abstract

【課題】ペースト材料が離れ易く、厚膜印刷パターンの細線化と厚膜化が可能で、厚膜印刷パターン作製の高品質化とサイクルタイムの短縮が可能なスクリーンマスク、それを用いた厚膜印刷基板の製造方法および厚膜印刷基板を提供することを課題とする。
【解決手段】ペースト材料を被印刷基板に空隙部を通して押し出してパターンを形成するスクリーンマスクであって、スクリーンマスクの空隙部に位置するスクリーン紗を構成する金属細線が1層以上の合成樹脂で被覆された構造であることを特徴とするスクリーンマスクにより、上記の課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スクリーンマスク、それを用いた厚膜印刷基板の製造方法および厚膜印刷基板に関する。さらに詳しくは、本発明は、ペースト材料を用いたスクリーン印刷法で形成する、電子機器や太陽電池に使用される厚膜印刷基板の製造に有用なスクリーンマスク、それを用いた厚膜印刷基板の製造方法およびそれにより得られた厚膜印刷基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ペースト材料を用いた厚膜印刷パターンの形成方法には、スクリーンマスクを用いて印刷するスクリーン印刷法、ペンでパターンを描く描画法、全面に所定のパターン形成材料を塗布後、エッチングによってパターンを形成するエッチング法などがある。これらの中で、生産性、信頼性などの面で優位なスクリーン印刷法が、殆どの厚膜印刷パターンの形成に用いられている。
【0003】
スクリーン印刷法は、一般に、図1(b)に示すようなスクリーンマスクを用いて、図2に示す方法により行なわれる。
図1(b)は、従来のスクリーンマスクの概念を示す模式断面図であり、このスクリーンマスク1は、金属またはプラスチックの細線を編んだスクリーン紗6(合成樹脂被覆なし)に感光性乳剤4を塗布し、必要な回路パターン形成したマスク板を乳剤上に載せ、露光・現像後、不要な乳剤をエッチング除去して空隙部(開口部)5を設けたものである。
【0004】
図2は、スクリーン印刷法による厚膜印刷基板の製造方法を示す概略断面図である。スクリーン印刷の実施にあたっては、図2に示すように、まずスクリーン紗12および感光性乳剤13からなるスクリーンマスク11を、スクリーン固定用枠(図示せず)に張り付け、それを試料載物台(図示せず)上に保持された被印刷基板(パターン形成すべき基板)14に適度な空隙を保って位置合わせする。続いて、ペースト材料17をスクリーンマスク11上に広げると同時に、ペースト材料17をスクリーンマスク11内に充填する機能を有するスクレイパ(図示せず)によりペースト材料17をスクリーンマスク上に広げ(18)、かつスクリーンマスク11内に充填し(19)、これをプラスチックまたはゴムなどからなる印刷スキージ16で押圧し、スクリーンマスクの空隙部15を通してパターン形成すべき被印刷基板14上にペースト材料17を押し出し、転写する(20)。なお、図2において、18はスクリーンマスク上に広げられたペースト材料、19はスクリーンマスク内に充填されたペースト材料、20は被印刷基板上に転写されたペースト材料を示し、矢印Aは印刷スキージ16の押圧走査方向を示す。
【0005】
また、例えば導体回路を形成する場合においては、ペースト材料17には、一般にガラス粉末、導体となる金属粉、印刷性を付与するための合成樹脂ならびに溶剤などを主成分として、これらを混合・分散したものが用いられる。このような材料をスクリーン印刷法によって印刷後、乾燥・焼成することにより、導体配線や電極が基板上に形成され、セラミック基板上の配線回路、いわゆる厚膜回路や、太陽電池の表面集電極、裏面電極として用いられる。
【0006】
例えば、特開平10−315648号公報(特許文献1)には、スクリーン紗としてエッチングにより除去可能な線材を用いた、高開口率で同時に印刷時の高い位置精度を有し、高精細で印刷物が得られるスクリーン印刷用スクリーン版およびその製造方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−315648号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のスクリーン印刷法によって厚膜印刷パターンを得ようとする場合、被印刷基板からスクリーンマスクを離す、いわゆる版離れの際に、スクリーンマスクにペースト材料が付着して、被印刷基板の表面に一旦は転写されたペースト材料が再びスクリーンマスクに引き戻される現象が生じるという問題があった。また、ペースト材料が自らの重みによって被印刷基板に転写された後に広がるため、印刷配線や電極等の厚膜印刷パターンで望まれる、幅が狭くかつ厚膜の印刷状態を得るには限度があった。特に、配線や電極作製の高品質化とサイクルタイムの短縮を図るためには、上記の問題点の解決が重要な課題となる。
【0009】
本発明は、ペースト材料が離れ易く、厚膜印刷パターンの細線化とさらなる厚膜化が可能で、厚膜印刷パターン作製の高品質化とサイクルタイムの短縮が可能なスクリーンマスク、それを用いた厚膜印刷基板の製造方法および厚膜印刷基板を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かくして、本発明によれば、ペースト材料を被印刷基板に空隙部を通して押し出してパターンを形成するスクリーンマスクであって、スクリーンマスクの空隙部に位置するスクリーン紗を構成する金属細線が1層以上の合成樹脂で被覆された構造であることを特徴とするスクリーンマスクが提供される。
【0011】
また、本発明によれば、上記のスクリーンマスクの空隙部を通してペースト材料を被印刷基板に押し出して、厚膜印刷パターンを形成することを特徴とする厚膜印刷基板の製造方法が提供される。
【0012】
さらに、本発明によれば、上記の方法によって作製された厚膜印刷基板が提供される。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のスクリーンマスクは、ペースト材料を被印刷基板に空隙部を通して押し出してパターンを形成するスクリーンマスクであって、スクリーンマスクの空隙部に位置するスクリーン紗を構成する金属細線が1層以上の合成樹脂で被覆された構造であることを特徴とする。
【0014】
図1(a)は、本発明スクリーンマスクの概念を示す模式断面図であり、このスクリーンマスク1は、合成樹脂3で被覆された金属の細線を編んだスクリーン紗2に感光性乳剤4を塗布し、必要な印刷パターンを形成したマスク板を乳剤上に載せ、露光・現像後、不要な乳剤をエッチング除去して空隙部(開口部)5を設けたものである。
【0015】
本発明のスクリーンマスクは、ペースト材料との版離れ性を制御し、ペースト材料をスクリーンマスクから離れ易くし、厚膜印刷パターンの細線化と厚膜化を可能とする。すなわち、スクリーンマスクの空隙部を通して被印刷基板に転写されたペースト材料がオフセット効果によって空隙部の中央寄りに収束する作用が生じ、厚膜印刷パターンの細線化と厚膜化を図ることができる。したがって、厚膜印刷パターン作製の高品質化とサイクルタイムの短縮が可能となる。
【0016】
また、本発明のスクリーンマスクは、ペースト材料がスクリーンマスクの空隙部を通過して、スクリーンマスクの裏側(被印刷基板の側)に回り込むことを防ぐことができるので、スクリーンマスクの汚れを防止することもできる。
さらに、本発明のスクリーンマスクは、一般にゴムやプラスチックなどで形成された印刷スキージとの摩擦を抑えることができるので、これらの部材の長寿命化を図ることができる。特に、スクリーンマスクを被覆した合成樹脂の厚さが3μm以上のときに、この効果が顕著に現われる。本発明者らの研究によれば、例えば、従来のスクリーンマスクを用いた場合に比べて、印刷スキージの磨耗量がほぼ1/2以下に抑えられ、印刷スキージの交換周期が約2倍以上になることが確認されている。
【0017】
本発明のスクリーン紗を構成する金属の細線は、スクリーンマスクにおいて、通常、用いられる材料であれば特に限定されず、例えば、ステンレス(SUS)、鉄、真鍮などが挙げられる。また、その直径は、スクリーンマスクの開口および開口率により適宜設定すればよく、厚膜印刷基板の製造に用いる場合には、通常、20〜100μm程度である。
【0018】
金属の細線を被覆する合成樹脂は、1層のみに限られるものではなく、細線の最表面層とペースト材料の粘着性や合成樹脂と金属の細線との被覆特性を考慮し、複数の層を重ねることもできる。
【0019】
金属の細線を被覆する合成樹脂は、撥油性を有するものが好ましく、少なくとも1種類以上のフッ素系樹脂であるのが好ましい。フッ素系樹脂は、スクリーン紗の有する柔軟性を向上させ、スクリーンマスクとペースト材料との版離れ性を改善し、オフセット効果によって印刷配線や電極の細線化と厚膜化ならびにペースト材料の再付着による印刷配線や電極の横方向への広がりを防止する。
【0020】
フッ素系樹脂は、単独重合体または共重合体の何れであってもよく、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン樹脂(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(PETFE)、低融点エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(LM−PETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびポリフッ化ビニル(PFV)から選択された合成樹脂であるのが好ましく、これらの中でも、PTFEおよびETFEが特に好ましい。
【0021】
金属の細線を被覆する合成樹脂は、架橋構造を有するものが好ましい。架橋構造を有することにより、合成樹脂の強度が増大し、スクリーンマスク全体の強度が増大する。このような合成樹脂としては、例えば、架橋剤で架橋されたフッ素系樹脂、ダイキン工業社製の品番:M−112、三井・デュポンフロロケミカル社製の品番:450HP−Jなどが挙げられる。
金属の細線を被覆する合成樹脂の膜厚は、3μm以上が好ましく、3〜10μm程度が特に好ましい。合成樹脂の膜厚が3μm以上であれば、スクリーン紗と印刷スキージの摩擦を大幅に抑えることができるので、これらの部材の長寿命化を図ることができる。
【0022】
本発明のスクリーンマスクは、上記の1層以上の合成樹脂で被覆された金属のスクリーン紗を編むことにより形成され、通常、1インチあたり100〜500本編んだもの(メッシュ番号:100〜500番)が好ましい。その膜厚は、通常、40〜160μm程度である。
また、スクリーンマスクの開口(オープニング)は、通常、30〜130μm程度であり、開口率は、通常、25〜50μm程度である。
【0023】
本発明のスクリーンマスクは、上記の1層以上の合成樹脂で被覆された金属のスクリーン紗を編んだものに、公知の方法で感光性乳剤を塗布し、被印刷パターンを露光によって焼き付け、エッチングによってパターンを形成することにより作製される。
【0024】
本発明の厚膜印刷基板の製造方法は、上記のスクリーンマスクの空隙部を通してペースト材料を被印刷基板に押し出して、厚膜印刷パターンを形成することを特徴とする。
この製造方法によれば、厚膜印刷パターンの細線化とさらなる厚膜化が図られた厚膜印刷基板を作製することができる。
【0025】
本発明の厚膜印刷基板の製造方法は、スクリーン印刷による厚膜印刷パターンを必要とするデバイスに応用でき、特に太陽電池の受光面電極の形成に好適に用いられる。以下、太陽電池の製造工程について具体的に説明するが、この説明により本発明が限定されるものではない。
図3(a)〜(g)は、本発明により形成された印刷電極を有する太陽電池の製造工程の一例を示す概略断面図である。
【0026】
太陽電池用の半導体基板21としては、当該分野で用いられるものであれば特に限定されず、例えば、単結晶シリコン基板、多結晶シリコン基板、Ge基板やGaP、InPなどの化合物半導体基板が挙げられる。その厚さは100〜500μm程度であり、基板サイズは100mm×100mm、125mm×125mmおよび150mm×150mmが挙げられる。また、導電型はP型、N型の何れであってもよく、その比抵抗値は、1〜10Ω・cm程度である。
具体的には、半導体基板21としてP型多結晶シリコン基板をRCA法によって洗浄し、次いで、例えば、NaOH水溶液とイソプロピルアルコールの混合液を用いて、液温約90℃でテクスチャエッチングを行ない、基板表面に高さ数μmの微小ピラミッド(図示せず)を形成する(図3(a))。
【0027】
次いで、受光面となる一方の基板表面に不純物拡散層22を形成する。導電型は、半導体基板21の第1導電型に対して第2導電型であり、その面抵抗値は、20〜100Ω/□程度であり、その厚さは、0.1〜1μm程度である。
具体的には、スピンコート法などの公知の方法により、受光面となる一方の基板表面に、例えば、PSG液(リンガラス液)を塗布し、850℃で焼成して、不純物拡散層22として面抵抗値が約60Ω/□で、厚さ0.4μmのN型半導体層を形成する(図3(b))。
【0028】
次いで、不純物拡散層22上の受光面電極26を形成しない部分に、常圧CVD法などの公知の方法により、反射防止膜23として、例えば、窒化珪素膜または酸化チタン膜を形成する。その膜厚は、0.05〜0.1μm程度である(図3(c))。
【0029】
次いで、スクリーン印刷法などの公知の方法により、裏面となる他方の基板表面にペースト材料(24)を塗布し(図3(d))、乾燥・焼成して、裏面電極24と裏面電界層(BSF層)25を形成する(図3(e))。焼成後の裏面電極24および裏面電界層25の膜厚は、それぞれ5〜50μm程度および1〜20μm程度である。
ペースト材料は、当該分野で用いられるものであれば特に限定されず、例えば、ガラス粉、アルミニウム粉、その他セルロース、溶剤および添加剤からなる混合物を金属ローラーで押しつぶしたものが挙げられる。
また、乾燥・焼成の熱処理条件は、他の条件と共に適宜設定すればよい。
【0030】
次いで、本発明のスクリーンマスクを用いたスクリーン印刷法により、受光面の反射防止膜23上にパターン状にペースト材料(26)を塗布し(図3(f))、乾燥・焼成して、主電極と副電極を有する魚骨型の受光面電極26を形成して、太陽電池を得る(図3(g))。塗布直後の受光面電極26の膜厚は、10〜100μm程度である。
ペースト材料は、当該分野で用いられるものであれば特に限定されない。例えば、ガラス粉、銀粉、その他セルロース、溶剤および添加剤からなる混合物を金属ローラーで押しつぶしたものが挙げられる。
【0031】
また、乾燥・焼成の熱処理条件は、他の条件と共に適宜設定すればよい。
受光面電極の形状は、魚骨型の他に、櫛型、格子形などが挙げられるが、それらのパターンの大きさ、配置ピッチは、使用する半導体基板の導電率、P−N接合層の特性などのパラメータにより適宜設計すればよい。
【0032】
本発明の製造方法によれば、魚骨型の受光面電極における副電極の幅を狭くしても、厚膜の電極、すなわち従来と同様の単位長さあたりの抵抗を有する電極を形成することができる。本発明者らの研究によれば、例えば、副電極の幅を70μm、その間隔を3mmとしても太陽電池の受光面集電極として十分な電気的特性を有する印刷電極を形成できることが確認されている。
【0033】
本発明の厚膜印刷基板は、上記の方法によって作製される。
この厚膜印刷基板は、印刷配線や電極の細線化と厚膜化が図られたものであり、太陽電池用として好適に用いられる。
【0034】
【実施例】
本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例および比較例では、図3に示す製造工程に基づいて、太陽電池を作製した。
【0035】
実施例1
太陽電池用の半導体基板21として、キャスティング法によって作製された厚さ約400μm、基板サイズ100mm×100mm、比抵抗約1.5Ω・cmのP型多結晶シリコン基板を用意した。まず、このP型多結晶シリコン基板をRCA法によって洗浄し、次いで、NaOH水溶液とイソプロピルアルコールの混合液を用いて、液温約90℃でテクスチャエッチングを行ない、基板表面に高さ数μmの微小ピラミッド(図示せず)を形成した(図3(a))。
【0036】
続いて、スピンコート法により、受光面となる一方の基板表面にPSG液(リンガラス液)を塗布し、850℃で焼成して、不純物拡散層22として面抵抗値が約60Ω/□で、膜厚0.4μmのN型半導体層を形成した(図3(b))。さらに、N型半導体層22上に常圧CVD法により、反射防止膜23として膜厚70nmの酸化チタン膜を形成した(図3(c))。
次に、スクリーン印刷法により、裏面となる他方の基板表面にアルミニウムペーストを塗布し(図3(d))、750℃で焼成して、焼成後の膜厚20μmの裏面電極24と厚さ5μmの裏面電界層25を形成した(図3(e))。
【0037】
続いて、スクリーン印刷法により、受光面の反射防止膜23上に銀ペーストを塗布し(図3(f))、650℃で焼成して、主電極と副電極(幅80μm、間隔3mm)を有する、焼成後の膜厚が20μmの魚骨型の受光面電極26を形成し、太陽電池を得た(図3(g))。
このとき、スクリーンマスクとして、直径35μmのステンレス(SUS)細線を厚さ5μmのPTFEで被覆した細線を、1インチあたり220本編んだスクリーン紗(メッシュ番号:220番)に感光性乳剤を塗布し、被印刷パターンを露光によって焼き付け、エッチングして作製したものを用いた。スクリーン紗の開口(オープニング)は75μm、空間(開口率)は43%であった。
また、ペースト材料として、粒径100μm以下のガラス粉2重量%、粒径100μm以下の銀粉80重量%、その他セルロース、溶剤および少量の添加剤からなる混合物を金属ローラーで押しつぶしたものを用いた。
【0038】
上記の手順にて多数枚の受光面電極印刷を行うことで1枚のスクリーンマスクの耐久性を調べた。ここで、耐久性の指標として連続印刷可能枚数を用いた。その判定基準は、スクリーンマスクの伸びによる印刷パターンのズレが新品時に比べて1%未満に留まる限界の枚数とした。より具体的には、新品時に3mmである受光面電極の副電極間のピッチが3.03mm以上になったときの枚数を連続印刷可能枚数とした。
【0039】
作製した太陽電池の電流−電圧特性を擬似太陽光下(AM1.5、100mW/cm2)で評価した。
得られた結果を用いたスクリーンマスクの構成および受光面集電極の副電極のサイズと共に表1に示す。
【0040】
実施例2
スクリーンマスクとして、直径28μmのステンレス(SUS)細線を厚さ8μmのETFEで被覆した細線を、1インチあたり270本編んだスクリーン紗(メッシュ番号:270番)に感光性乳剤を塗布し、被印刷パターンを露光によって焼き付け、エッチングして作製したものを用い、スクリーン印刷法で受光面電極を形成したこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池を得た。このとき、スクリーン紗の開口(オープニング)は58μm、空間(開口率)は38%であった。
作製した太陽電池について、実施例1と同様にして評価した。
得られた結果を用いたスクリーンマスクの構成および受光面集電極の副電極のサイズと共に表1に示す。
【0041】
比較例
スクリーンマスクとして、直径35μmのステンレス(SUS)細線を1インチあたり250本編んだスクリーン紗(メッシュ番号:250番)に感光性乳剤を塗布し、被印刷パターンを露光によって焼き付け、エッチングして作製したものを用い、スクリーン印刷法で受光面電極を形成したこと以外は、実施例1と同様にして太陽電池を得た。このとき、スクリーン紗の開口(オープニング)は67μm、空間(開口率)は34%であった。
作製した太陽電池について、実施例1と同様にして評価した。
得られた結果を用いたスクリーンマスクの構成および受光面集電極の副電極のサイズと共に表1に示す。
【0042】
【表1】
Figure 2004195858
【0043】
従来のスクリーンマスクを用いた比較例では、受光面集電極の副電極の幅100μmに対して、印刷(転写)直後のペースト厚さが最大で30μmまでであったが、本発明のスクリーンマスクを用いた実施例1および2では、副電極の幅がそれぞれ最大で80μmおよび75μmに対して、印刷直後のペースト厚さがそれぞれ最大で45μmおよび42μmとなり、乾燥・焼成後における電極の単位長さあたりの抵抗が従来の約2/3になった。
【0044】
表1の結果から、本発明のスクリーンマスクを用いて形成した受光面電極(副電極)は、従来の太陽電池における受光面電極の幅よりも狭いものの、その太陽電池は十分な電気的特性をすることがわかる。具体的には、本発明による太陽電池は、太陽電池特性の曲線因子(FF)を従来の太陽電池の特性に維持しつつ、短絡電流密度および開放電圧が向上していることがわかる。
【0045】
【発明の効果】
本発明のスクリーンマスクは、ペースト材料との版離れ性を制御し、ペースト材料をスクリーンマスクから離れ易くし、厚膜印刷パターンの細線化と厚膜化を可能とする。すなわち、スクリーンマスクの空隙部を通して被印刷基板に転写されたペースト材料がオフセット効果によって空隙部の中央寄りに収束する作用が生じ、厚膜印刷パターンの細線化と厚膜化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明スクリーンマスク(a)と従来のスクリーンマスク(b)の概念を示す模式断面図である。
【図2】スクリーン印刷法による厚膜印刷基板の製造方法を示す概略断面図である。
【図3】本発明により形成された印刷電極を有する太陽電池の製造工程の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、11 スクリーンマスク
2 スクリーン紗(合成樹脂被覆あり)
3 合成樹脂
4、13 感光性乳剤
5、15 空隙部(開口部)
6 スクリーン紗(合成樹脂被覆なし)
12 スクリーン紗
14 被印刷基板(パターン形成すべき基板)
16 印刷スキージ
17 ペースト材料
18 スクリーンマスク上に広げられたペースト材料
19 スクリーンマスク内に充填されたペースト材料
20 被印刷基板上に転写されたペースト材料
21 半導体基板(P型多結晶シリコン基板)
22 不純物拡散層(N型半導体層)
23 反射防止膜(酸化チタン膜)
24 裏面電極またはそれを形成する焼成前のペースト材料
25 裏面電界層
26 受光面電極またはそれを形成する焼成前のペースト材料

Claims (9)

  1. ペースト材料を被印刷基板に空隙部を通して押し出してパターンを形成するスクリーンマスクであって、スクリーンマスクの空隙部に位置するスクリーン紗を構成する金属細線が1層以上の合成樹脂で被覆された構造であることを特徴とするスクリーンマスク。
  2. 合成樹脂が、撥油性を有する請求項1に記載のスクリーンマスク。
  3. 合成樹脂が、少なくとも1種類以上のフッ素系樹脂である請求項1または2に記載のスクリーンマスク。
  4. フッ素系樹脂が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ化エチレンプロピレン樹脂(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(PETFE)、低融点エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(LM−PETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)およびポリフッ化ビニル(PFV)から選択された合成樹脂である請求項3に記載のスクリーンマスク。
  5. 合成樹脂が、架橋構造を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載のスクリーンマスク。
  6. 合成樹脂が、3μm以上の膜厚を有する請求項1〜5のいずれか1つに記載のスクリーンマスク。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載のスクリーンマスクの空隙部を通してペースト材料を被印刷基板に押し出して、厚膜印刷パターンを形成することを特徴とする厚膜印刷基板の製造方法。
  8. 請求項7に記載の方法によって作製された厚膜印刷基板。
  9. 厚膜印刷基板が、太陽電池用である請求項8に記載の厚膜印刷基板。
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