JP2004195361A - 肉骨粉等のバイオマス系廃棄物を燃料とする灰溶融・有効利用設備 - Google Patents

肉骨粉等のバイオマス系廃棄物を燃料とする灰溶融・有効利用設備 Download PDF

Info

Publication number
JP2004195361A
JP2004195361A JP2002366825A JP2002366825A JP2004195361A JP 2004195361 A JP2004195361 A JP 2004195361A JP 2002366825 A JP2002366825 A JP 2002366825A JP 2002366825 A JP2002366825 A JP 2002366825A JP 2004195361 A JP2004195361 A JP 2004195361A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bone meal
melting furnace
meat
melting
ash
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002366825A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3917935B2 (ja
JP2004195361A5 (ja
Inventor
Sueo Yoshida
季男 吉田
Keiichi Tokunaga
啓一 徳永
Katsumi Izumida
勝美 泉田
Hirofumi Kudo
弘文 工藤
Tatsuo Hara
辰男 原
Hidenori Sone
英範 曽根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
HARA SANGYO KK
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
HARA SANGYO KK
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by HARA SANGYO KK, Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical HARA SANGYO KK
Priority to JP2002366825A priority Critical patent/JP3917935B2/ja
Publication of JP2004195361A publication Critical patent/JP2004195361A/ja
Publication of JP2004195361A5 publication Critical patent/JP2004195361A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3917935B2 publication Critical patent/JP3917935B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Furnace Details (AREA)

Abstract

【課題】温室効果ガスの量を大幅に低減すると共に肉骨粉内のプリオンに基づく狂牛病の感染力を消滅可能でかつ比較的小型の灰溶融システムを提供する。
【解決手段】溶融炉と、該溶融炉内に肉骨粉を供給する肉骨粉供給部とを具備し、前記肉骨粉を前記溶融炉内において1000℃以上に加熱することにより、前記肉骨粉内に含まれうるプリオンに基づく狂牛病の感染力を消滅させるようにした溶融システムが提供される。さらに溶融炉と、焼却物を焼却して生ずる焼却灰を前記溶融炉内に供給するための焼却灰供給部と、肉骨粉を前記溶融炉内に供給するための肉骨粉供給部とを具備し、該肉骨粉供給部からの肉骨粉を燃料として使用することにより前記焼却灰を溶融するようにした溶融システムが提供される。さらに、結晶化コンベヤまたは水槽を具備することにより、溶融スラグを結晶化スラグまたは水砕スラグとして再利用できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、灰、例えば下水汚泥焼却灰などの溶融システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に下水汚泥を処理する際には下水汚泥を焼却炉において焼却することにより焼却灰を生成した後に、この焼却灰を灰溶融炉において溶融している。図2(a)は例えば特願平11−116196号に示されるような従来技術における灰溶融システムの略図である。図2(a)に示されるように従来技術の灰溶融システム100においては灰ホッパ110に投入された焼却灰が灰供給器111によって溶融炉120に供給される。下水汚泥から得られた焼却灰は可燃物をほとんど含んでいないので、化石燃料、例えば重油Aを溶融炉120内に供給する。重油Aを供給することにより焼却灰を約1400℃から約1600℃で溶融できる。溶融炉120から発生した排ガスは排ガス処理設備170を通過してファンにより煙突180から排出される。また溶融スラグは結晶化コンベヤ190において結晶化され、結晶化スラグとなる。
【0003】
従来技術の灰溶融システム100においては化石燃料、例えば重油Aの消費量を少なくするために塩基度調整設備150を設置して融点を下げることが行われている。塩基度調整設備150は石灰ホッパ151および珪砂ホッパ152を含んでおり、石灰ホッパ151からの石灰(CaO)および珪砂ホッパ152からの珪砂(SiO2)を塩基度調整剤すなわち溶融助剤として溶融炉120に供給している。塩基度(CaO/SiO2)が1程度になるようにCaOおよびSiO2を供給するのが好ましく、それにより溶融炉120内の温度を良好に下げられる。従って、結果的に化石燃料消費量を低減できる。また従来技術の灰溶融システム100は熱回収設備130も有している。熱回収設備130においては空気を溶融炉120からの排ガスの熱(約900℃)により予熱した後に溶融炉120内に供給している。これにより予め加熱された空気を溶融炉120内に供給するので、熱効率を高めることができる。
【0004】
一方、肉骨粉は狂牛病の原因とされるプリオンを含む場合があるので、従来技術において肉骨粉は図2(b)に示すように処理されている。肉骨粉は化石燃料、例えば重油および/または下水汚泥と共に焼却炉200内に供給されて、約850℃で加熱される。次いで廃熱回収設備210において約250℃まで低温された後に、排ガス処理設備220において排ガスと焼却灰とに分離される。図2(b)に示されるように排ガスは煙突230から排出され、焼却灰は埋め立て処分されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、例えば特願平11−116196号に示されるような従来技術の灰溶融システムにおいては化石燃料を必要とするので運転費用が増すと共に、化石燃料の燃焼に基づく温室効果ガス、すなわちCO2が大量に排出されるという問題があった。また熱回収設備においては灰溶融システムから排出されうる溶融飛灰は付着性であるので溶融飛灰が熱回収設備を閉塞させる可能性がある。さらに塩基度調整設備からCaOおよびSiO2を灰溶融炉内に投入するので廃棄物の量が投入される焼却灰の量よりも大幅に増大する場合があり、塩基度調整設備により溶融炉内の融点を調整するときにはタイムラグが生じるので融点を迅速に調整するのは困難である。さらにこれら熱回収設備および塩基度調整設備を設置することにより灰溶融システム全体が大型化すると共に、これらの制御を伴うために灰溶融システム全体の制御が複雑になる。
【0006】
一方、肉骨粉を焼却する際には焼却炉内において肉骨粉が浮遊する場合があり、このような場合には肉骨粉内に含まれうるプリオンを完全に死滅させることはできない。また近年の研究ではプリオンに基づく狂牛病の感染力を消滅させるためには肉骨粉を1000℃以上の高温下で加熱する必要があるという報告もなされているが、このような温度条件を通常の焼却炉において形成するのは困難である。さらに、焼却された肉骨粉は通常は単に埋め立てられているが、狂牛病の感染力を消滅させた後に肉骨粉を他の用途に利用できるようにするのが好ましい。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、温室効果ガスの量を大幅に低減すると共に肉骨粉内に含まれうるプリオンに基づく狂牛病の感染力を消滅可能でかつ比較的小型の溶融システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明によれば、溶融炉と、該溶融炉内に肉骨粉を供給する肉骨粉供給部とを具備し、前記肉骨粉を前記溶融炉内において1000℃以上に加熱することにより、前記肉骨粉内に含まれうるプリオンに基づく狂牛病の感染力を消滅させるようにした溶融システムが提供される。
【0009】
すなわち請求項1に記載の発明によって、溶融炉内において肉骨粉を高温で処置できるので、肉骨粉内に含まれうるプリオンに基づく狂牛病の感染力を確実に消滅させられ、結果的に肉骨粉を有効利用可能な状態にすることができる。本願明細書におけるプリオンは反芻動物等由来タンパク質、すなわち牛、鹿、羊、キリンなどの反芻動物とミンクとに由来するタンパク質の一種である。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、溶融炉と、焼却物を焼却して生ずる焼却灰を前記溶融炉内に供給するための焼却灰供給部と、バイオマス燃料を前記溶融炉内に供給するためのバイオマス燃料供給部とを具備し、該バイオマス燃料供給部からのバイオマス燃料を燃料として使用することにより前記焼却灰を溶融するようにした溶融システムが提供される。
【0011】
すなわち請求項2に記載の発明によって、肉骨粉を燃料として使用しているので、化石燃料、例えば重油を使用する必要がなくなる。バイオマス燃料、例えば肉骨粉の燃焼時に生ずるCO2は温室効果ガスにはカウントされないので、結果的に温室効果ガスの量を大幅に低減することができる。さらにバイオマス燃料、例えば肉骨粉内に多量に含まれるCaOが塩基度調整剤としての役目を果たすので塩基度調整設備のうちの少なくとも石灰ホッパを排除できると共に、溶融炉内温度を高める際には燃料としてのバイオマス燃料を溶融炉内に単に追加投入すれば足りるので熱回収設備を排除することも可能となる。従って、請求項2に記載の発明によって、バイオマス燃料として肉骨粉を使用する場合には、肉骨粉内に含まれうるプリオンに基づく狂牛病の感染力を消滅可能であると共に比較的小型の溶融システムを提供することができる。バイオマス燃料として牛脂、骨油などを採用することもできる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、さらに、前記溶融炉内に酸素を供給する酸素供給部を具備する。
すなわち請求項3に記載の発明によって、溶融炉内に供給されるバイオマス燃料、例えば肉骨粉の量に応じて酸素を溶融炉内に供給できるので、溶融炉内の温度を容易かつ迅速に調整することができる。酸素供給部は一般的なファンでもよく、また酸素を発生できる酸素製造装置であってもよい。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、さらに、前記溶融炉において生じる溶融スラグを結晶化するための結晶化コンベヤまたは前記溶融スラグを水砕スラグにするための水槽を具備する。
すなわち請求項4に記載の発明によって、バイオマス燃料、例えば肉骨粉からの溶融スラグを結晶化スラグまたは水砕スラグとして有効利用することができる。結晶化コンベヤを採用する場合には結晶化度を上げられるので結晶化スラグの機械的強度が高まり、路板材として使用することができる。また水槽を採用する場合には水砕スラグをセメント、砂の代替品、人工骨材または生分解性の骨誘導再生膜などに使用することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば、さらに、前記溶融炉からの排ガスを冷却するための排ガス冷却部および集塵部を具備する。
すなわち請求項5に記載の発明によって、排ガス冷却部により冷却された排ガスを集塵部において集塵することにより清浄化された排ガスを排出することができる。集塵部により集塵された粉塵は燃焼炉内に再び供給するのが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の図面において同一の部材には同一の参照符号が付けられている。理解を容易にするために、これら図面は縮尺を適宜変更している。
図1は本発明に基づく溶融システムの略図である。図1に示されるように、溶融システム10は二次燃焼室22を備えた溶融炉21を有している。溶融システム10はさらに肉骨粉ホッパ30を有しており、図1内の矢印で示されるように肉骨粉が肉骨粉ホッパ30内に投入される。本出願における肉骨粉は反芻動物等由来タンパク質、すなわち牛、鹿、羊、キリンなどの反芻動物とミンクとに由来するタンパク質、例えばプリオンを含みうる。肉骨粉ホッパ30内の肉骨粉は肉骨粉供給部31によって溶融炉21の供給口24に通されて溶融炉21内に供給される。
【0016】
一方、図1に示されるように下水汚泥が焼却炉11内において約850℃で焼却される。次いで廃熱回収設備12において温度を約250℃に低減化した後に、集塵部を含む排ガス処理設備13において排ガスと焼却灰とが分離する。ここで、廃熱回収設備12としては廃熱ボイラを設置することが好ましい。廃熱ボイラを設置することで、溶融排ガスから廃熱を回収することができる。排ガスはファン18によって煙突19から排出される。焼却灰は灰ホッパ14内に投入され、次いで焼却灰は灰供給部15によって溶融炉21の供給口25に通されて溶融炉21内に供給される。
【0017】
溶融炉21内に供給される焼却灰1kg当たりの熱量がほぼ0Jであるのに対し、肉骨粉1kg当たりの熱量は約20000kJ(約4800kcal)以上であり、また肉骨粉内の可燃分は約86.7%である。従って、化石燃料、例えば重油の代わりに肉骨粉を燃料として使用し、焼却灰を溶融させることができる。例えば溶融炉21内に投入される肉骨粉の重量が焼却灰の重量の半分よりも多い場合には、化石燃料を使用することなしに、自燃させられる。本発明に基づく溶融システム10おいては、肉骨粉を燃料として使用できるので、化石燃料、例えば重油を使用する必要がない。また、バイオマス燃料、例えば肉骨粉の燃焼時に生ずるCO2は温室効果ガスには含まれないので、結果的に温室効果ガスの量を大幅に低減することができる。また肉骨粉は主に約42.2%のCaOと38.0%のP25(酸化物換算)とを含んでいる。溶融炉21内の温度は約1000℃以上、例えば約1400℃から約1800℃であるので、肉骨粉内に含まれうるプリオンに基づく狂牛病の感染力を消滅することができる。また溶融炉21内の温度は、1670℃以上であるのが好ましい。この場合には溶融炉21内の温度がCaとPとから合成されうるリン酸カルシウムの融点よりも高くなるので、肉骨粉を確実に溶融させることができる。
【0018】
図1に示されるように溶融炉21内において溶融スラグとなった焼却灰および肉骨粉は結晶化コンベヤ61上に搬送されて、結晶化される。溶融スラグを結晶化させるためには溶融スラグを800℃以上で保持する必要がある。結晶化コンベヤ61は加熱バーナ(図示しない)を有しており、溶融スラグが800℃以下の温度まで空冷されうる場合には加熱バーナ(図示しない)により溶融スラグを適切に加熱している。結晶化により機械的強度が高まるので、結晶化スラグを路板材として使用することができる。また、結晶化コンベヤ61を排除して、溶融炉21内の溶融スラグを水槽(図示しない)内に投入することにより水砕スラグを形成してもよい。この場合には、水砕スラグをセメント、砂の代替品、人工骨材または生分解性の骨誘導再生膜に使用することができる。さらに結晶化コンベヤ61を排除して、溶融炉21内の溶融スラグをコンベヤ(図示しない)上で1時間から4時間、好ましくは2時間程度放冷し、除冷(または空冷)スラグを形成してもよい。この場合には除冷(または空冷)スラグを石垣裏込砕石、すなわち、ぐり石として利用することができる。
【0019】
また溶融炉21の上方に位置する二次燃焼室22において燃焼した肉骨粉および焼却灰からの排ガスは約900℃の温度でガス冷却塔51まで排出される。ガス冷却塔51内においては冷却水源53からの冷却水が供給されるので、排ガスの温度は約200℃まで低下する。次いで排ガスは集塵部52において集塵された後にファン54により煙突19まで供給され、この煙突19から排出される。当然のことながら、集塵部52により集塵された粉塵を燃焼炉21内に再び供給するようにしてもよい。
【0020】
図1に示されるように本発明に基づく溶融システム10は酸素を発生させる酸素製造部41および/または空気ファン42を含みうる。これら酸素製造部41および空気ファン42はそれぞれ弁を含む圧力調節部43、44を介して溶融炉21および二次燃焼室22に接続されており、酸素を溶融炉21内に供給することができる。これら酸素製造部41および空気ファン42は演算部40、例えばコンピュータに接続されており、さらに演算部40は肉骨粉ホッパ30に接続された供給量制御部32に接続されている。従って、本発明においては溶融炉21内に供給される肉骨粉の量に応じて酸素を溶融炉内に供給でき、これにより溶融炉21内の温度を容易かつ迅速に調整することができる。同様に二次燃焼室に空気を供給するための空気ファン27も溶融炉21に接続されている。さらに図1に示されるように溶融炉21内の温度を計測する温度計を含む温度指示制御部28も演算部40に接続されている。従って、溶融炉21内の温度に応じても肉骨粉ホッパ30からの肉骨粉供給量を調節することができる。また監視カメラ23、例えば赤外カメラを設置することにより、溶融炉内の溶融状態を監視できるようにしても良い。
【0021】
さらに図1に示されるように、二次燃焼室22から流出した排ガスの圧力を測定する圧力計を含む圧力指示制御部57が、集塵部52とファン54との間に位置決めされた弁を含む圧力調節部58に接続されている。従って圧力指示制御部57により検出された圧力に応じて圧力調節部58により弁を調節することができる。さらに集塵部52内に進入する排ガスの温度を計測する温度計を含む温度指示制御部55がガス冷却塔51と集塵部52との間に位置決めされている。この温度指示制御部55は冷却水源53の弁を含む圧力調節部56に接続されており、温度指示制御部55の温度に応じて冷却水の流量を調整できる。
【0022】
前述したように肉骨粉内にはCaOが比較的多量(42.2%)に含まれている。本発明に基づく溶融システム10においてはCaOは塩基度調整剤としての役目を果たすので塩基度調整設備のうちの少なくとも石灰ホッパ(石灰供給部)を排除できる。さらに、本発明に基づく溶融システム10においては、肉骨粉を溶融炉21内に単に追加投入することにより、溶融炉21内の温度を容易に高めることができるので、熱回収設備を設ける必要はない。すなわち予熱されていない空気が溶融炉21または二次燃焼室22内に供給されて溶融炉21または二次燃焼室22内の温度が低下した場合であっても、燃料としての肉骨粉を追加投入すれば温度を容易に高めることができる。従って、本発明によって、比較的小型の溶融システムを提供でき、結果的に溶融システム10全体の制御を簡易にすることができる。
【0023】
本発明の別の実施形態においては下水汚泥からの焼却灰に関連づけられる焼却炉11、廃熱回収設備12、排ガス処理設備13、灰ホッパ14、灰供給部15およびファン18を排除することができる。この場合には焼却灰を溶融炉内に投入することなしに、肉骨粉のみを溶融させる。前述したように溶融炉21内の温度は約1000℃以上、例えば約1400℃から約1800℃であるので、本実施形態においても肉骨粉内に含まれうるプリオンに基づく狂牛病の感染力を消滅することができる。また溶融炉21内の温度は、1670℃以上であるのが好ましく、この場合には溶融炉21内の温度がCaとPとから合成されうるリン酸カルシウムの融点よりも高くなるので、肉骨粉を確実に溶融させることができる。従って、本実施形態においても、肉骨粉内のプリオンによる感染力を消滅させられると共に溶融スラグを結晶化スラグまたは水砕スラグとして再利用できる。
【0024】
当然のことながら、本発明において重油を適宜使用することにより肉骨粉および/または焼却灰の溶融を促進すること、肉骨粉を焼却炉11において焼却灰とした後に溶融炉21内に供給すること、および肉骨粉以外のバイオマス燃料、例えば牛脂および骨油などを使用することが本発明の範囲に含まれるのは明らかである。
【0025】
【発明の効果】
各請求項に記載の発明によれば、溶融炉内において肉骨粉を高温で処理できるので、肉骨粉内に含まれうるプリオンに基づく狂牛病の感染力を確実に消滅させられ、結果的に肉骨粉を有効利用可能な状態にすることができるという共通の効果を奏しうる。
【0026】
さらに、請求項2に記載の発明によれば、温室効果ガスの量を大幅に低減すると共にバイオマス燃料、例えば肉骨粉内に含まれうるプリオンに基づく狂牛病の感染力を消滅可能でかつ比較的小型の溶融システムを提供することができるという効果を奏しうる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、溶融炉内の温度を容易かつ迅速に調整することができるという効果を奏しうる。
さらに、請求項4に記載の発明によれば、バイオマス燃料、例えば肉骨粉からの溶融スラグを結晶化スラグまたは水砕スラグとして有効利用することができるという効果を奏しうる。
さらに、請求項5に記載の発明によれば、排ガス冷却部により冷却された排ガスを集塵部において集塵することにより清浄化された排ガスを排出することができるという効果を奏しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく溶融システムの略図である。
【図2】(a)従来技術における灰溶融システムの略図である。
(b)従来技術の肉骨粉を処理する状態を示す略図である。
【符号の説明】
10…溶融システム
11…焼却炉
12…廃熱回収設備
13…排ガス処理設備
14…灰ホッパ
15…灰供給部
18…ファン
19…煙突
21…溶融炉
22…二次燃焼室
23…監視カメラ
24…供給口
25…供給口
27…空気ファン
28…温度指示制御部
30…肉骨粉ホッパ
31…肉骨粉供給部
32…供給量制御部
40…演算部
41…酸素製造部
42…空気ファン
43…圧力調節部
51…ガス冷却塔
52…集塵部
53…冷却水源
54…ファン
55…温度指示制御部
56…圧力調節部
57…圧力指示制御部
58…圧力調節部
61…結晶化コンベヤ

Claims (5)

  1. 溶融炉と、該溶融炉内に肉骨粉を供給する肉骨粉供給部とを具備し、前記肉骨粉を前記溶融炉内において1000℃以上に加熱することにより、前記肉骨粉内に含まれうるプリオンに基づく狂牛病の感染力を消滅させるようにした溶融システム。
  2. 溶融炉と、焼却物を焼却して生ずる焼却灰を前記溶融炉内に供給するための焼却灰供給部と、バイオマス燃料を前記溶融炉内に供給するためのバイオマス燃料供給部とを具備し、該バイオマス燃料供給部からのバイオマス燃料を燃料として使用することにより前記焼却灰を溶融するようにした溶融システム。
  3. さらに、前記溶融炉内に酸素を供給する酸素供給部を具備する請求項1または2に記載の溶融システム。
  4. さらに、前記溶融炉において生じる溶融スラグを結晶化するための結晶化コンベヤまたは前記溶融スラグを水砕スラグにするための水槽を具備する請求項1から3のいずれか一項に記載の溶融システム。
  5. さらに、前記溶融炉からの排ガスを冷却するための排ガス冷却部および集塵部を具備する請求項1から4のいずれか一項に記載の溶融システム。
JP2002366825A 2002-12-18 2002-12-18 溶融システム、および人工ぐり石の製造方法 Expired - Lifetime JP3917935B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002366825A JP3917935B2 (ja) 2002-12-18 2002-12-18 溶融システム、および人工ぐり石の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002366825A JP3917935B2 (ja) 2002-12-18 2002-12-18 溶融システム、および人工ぐり石の製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2004195361A true JP2004195361A (ja) 2004-07-15
JP2004195361A5 JP2004195361A5 (ja) 2005-10-27
JP3917935B2 JP3917935B2 (ja) 2007-05-23

Family

ID=32763909

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002366825A Expired - Lifetime JP3917935B2 (ja) 2002-12-18 2002-12-18 溶融システム、および人工ぐり石の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3917935B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8034766B2 (en) 2006-10-27 2011-10-11 E I Du Pont De Nemours And Company Compositions and methods for prion decontamination

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8034766B2 (en) 2006-10-27 2011-10-11 E I Du Pont De Nemours And Company Compositions and methods for prion decontamination
US8431526B2 (en) 2006-10-27 2013-04-30 E. I. Du Pont De Nemours And Company Compositions and methods for prion decontamination

Also Published As

Publication number Publication date
JP3917935B2 (ja) 2007-05-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3917935B2 (ja) 溶融システム、および人工ぐり石の製造方法
JP2003254516A (ja) ゴミ焼却発電設備
JPH08110021A (ja) 廃棄物の溶融炉の発生ガス処理装置
JP2008000655A (ja) 集塵灰中の重金属類溶出防止方法
JP3564040B2 (ja) 溶融炉に於ける排熱回収装置
JPH10196931A (ja) 都市ゴミ焼却設備
JPH11248124A (ja) 排ガスの冷却方法および装置
JP2004076998A (ja) 脱水汚泥及び灰の処理方法およびその装置
JP2006105431A (ja) ストーカ式焼却炉
JP2003001233A (ja) ごみのガス化システム
JP2005164117A (ja) 溶融炉の燃焼用空気予熱方法及びその装置
JP2000171019A (ja) 廃棄物の処理装置
JPH11118138A (ja) 溶融処理設備
JP2007285583A (ja) 廃棄物処理設備
JP2001263623A (ja) 廃棄物の処理設備
JPH09250727A (ja) 廃棄物処理装置
KR20060017963A (ko) 폐기물 소각장치의 제2가스 환류시스템
JP2004233006A (ja) 排ガス処理システム及びこれを備えた溶融設備
JP4336743B2 (ja) 廃棄畜産物およびその排出物の高温溶融還元ガス化方法
JP2004278819A (ja) ごみ廃熱の効率的回収方法
JP2005207697A (ja) 溶融炉の排ガス処理方法及び処理装置
JPH09196336A (ja) 廃棄物処理装置
JP2004195361A5 (ja)
CN115597064A (zh) 一种低成本垃圾飞灰熔融处理工艺
JP2002013713A (ja) ごみのガス化システム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050729

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050729

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20060214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060214

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060301

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060524

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060606

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060807

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061027

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20061213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3917935

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100216

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110216

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120216

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120216

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130216

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140216

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term