JP2004195018A - 血流速度計測装置、血流速度計測方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents

血流速度計測装置、血流速度計測方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】HPRF状態の計測モードに入る条件が整った際、ドップラー波形の劣化を防止でき、場合によっては、HPRF状態を従来の計測方法によって計測する手段を持つことができる血流速度計測装置、血流速度計測方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供すること。
【解決手段】受波判定部10は、超音波パルスの各送波時間間隔内に超音波パルスの受波があるか否かを判定し、受波判定部10により受波がないと判定された場合、繰返し周波数制御部11は、設定部5の受付部22の受付設定に基づいて、送波時間間隔内に超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数を制御する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、繰返し周波数によって送波時間間隔が変化する超音波パルスを身体内部の部位に繰返し送受波し、該身体内部の部位での特定の血管の血流速度をパルスドップラー法を利用して計測する血流速度計測装置に関し、特に、身体内部の計測部位の変更にともなう、ディスプレイに表示されるドップラー波形の劣化を防止することができる血流速度計測装置、血流速度計測方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、医療診断の現場において、超音波パルスを身体に繰返し送波し、身体内部の特定部位の血流を計測する方法として、パルスドップラー法が広く知られている。そして、送波パルスを繰返し送波することから決まる繰返し周波数(PRF,Pulse Repetition Frequency)と、送波されたパルスが特定血流から反射した後、受波されるまでの時間とを計測することによって、特定の血管の血流速度をドップラー効果を利用してドップラー波形としてスペクトラム表示する装置が広く利用されている。
【0003】
パルスドップラー法を用いた血流速度計測装置(例えば、特許文献1参照)は、PRFの逆数であるパルスの送波時間間隔(PRT,Pulse Repetition Time)の設定と、計測を行う身体内部の部位をドップラーカーソル(あるいはレンジゲートと呼ばれる)の指定とに基づいて、パルスの送受信を行い、所定の部位の血流速度のドップラー波形を算出し、ディスプレイに表示する。
【0004】
ところで、パルスの送波時間間隔を一定に保ち、すなわち、PRFを一定に保ち、ドップラーカーソルの深さ方向の位置を深くしてゆくと、パルスを送波してから受波するまでの時間が大きくなる。これを続けてゆくと、ある時点でパルスの送波時間間隔が、パルスを送波してから受波するまでの時間より短くなり、パルスを送波してから受波するまでの間に、次のパルスを送波する状態が出来てしまう。この状態は、HPRF(Hight PRF)状態と呼ばれており、パルスドップラー法では、このHPRF状態にある血流速度を計測することができない。
【0005】
これを解決するために特許文献1は、HPRF状態になるまではパルスドップラー法に基づく通常の計測を行い、HPRF状態になった後は、先に送波されたパルスの受波信号と所望のパルスの受波信号を用いて内部処理を行い、血流速度を計測している。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−237191号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1の技術では、一般にHPRF状態に入るとドップラー波形の品質が通常状態と比較して劣化するという問題があった。すなわち、送波したパルスが受波される前に、先に送波されたパルスを受波するので、所望のパルスを受波した時点で、先に送波されたパルスと所望のパルスの2つの受波信号から、血流速度をドップラー波形として算出するため波形形成の精度が落ちる。
【0008】
この発明は、上記従来技術による課題を解決するためになされたものであり、身体内部の計測部位の変更にともなう、ディスプレイに表示されるドップラー波形の劣化を防止することができる血流速度計測装置、血流速度計測方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、第1の観点にかかる発明は、繰返し周波数によって送波時間間隔が変化する超音波パルスを身体内部の部位に繰返し送受波し、該身体内部の部位での特定の血管の血流速度をパルスドップラー法を利用して計測する血流速度計測装置であって、前記超音波パルスの各送波時間間隔内に前記超音波パルスの受波があるか否かを判定する受波判定手段と、前記受波判定手段により受波がないと判定された場合、前記送波時間間隔内に前記超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数を制御する繰返し周波数制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
この第1の観点にかかる発明によれば、超音波パルスを送波してから次の超音波パルスを送波するまでの送波時間間隔内に送波した前記超音波パルスの受波があるか否かを判定し、受波がないと判定された場合、送波時間間隔内に超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数を制御することとしたので、身体内部の計測部位の変更にともなう、ディスプレイに表示されるドップラー波形の劣化を防止することができる。
【0011】
また、第2の観点にかかる発明は、第1の観点にかかる発明において、前記超音波パルスを送波してから次の超音波パルスを送波するまでの送波時間間隔が、前記超音波パルスを送波してから前記部位までを往復し受波するまでにかかる時間より大きいか否かを判定することを特徴とする。
【0012】
この第2の観点にかかる発明によれば、超音波パルスを送波してから次の超音波パルスを送波するまでの送波時間間隔が、前記超音波パルスを送波してから前記部位までを往復し受波するまでにかかる時間より大きいか否かを判定することとしたので、HPRF状態にあるかどうかが判定できる。
【0013】
また、第3の観点にかかる発明は、第1の観点にかかる発明において、前記繰返し周波数制御手段は、前記送波時間間隔内になるように前記繰返し周波数を小さく制御することを特徴とする。
【0014】
この第3の観点にかかる発明によれば、送波時間間隔内になるように繰返し周波数を小さく制御することとしたので、HPRF状態から通常状態を作ることができる。
【0015】
また、第4の観点にかかる発明は、第1、2、または3の観点にかかる発明において、前記繰返し周波数制御手段は、身体表皮に近い前記部位を往復した前記超音波パルスの受波が前記送波時間間隔内になるように、前記繰返し周波数を小さく制御することを特徴とする。
【0016】
この第4の観点にかかる発明によれば、身体表皮に近い部位を往復した超音波パルスの受波が送波時間間隔内になるように、繰返し周波数を小さく制御することとしたので、身体表皮に近い部位での特定の血管までの距離に基づいて、HPRF状態から通常状態を作ることができる。
【0017】
また、第5の観点にかかる発明は、第1、2、または3の観点にかかる発明において、前記繰返し周波数制御手段は、身体表皮に遠い前記部位を往復した前記超音波パルスの受波が前記送波時間間隔内になるように、前記繰返し周波数を小さく制御することを特徴とする。
【0018】
この第5の観点にかかる発明によれば、身体表皮に遠い前記部位を往復した前記超音波パルスの受波が前記送波時間間隔内になるように、前記繰返し周波数を小さく制御することとしたので、身体表皮に遠い部位での特定の血管までの距離に基づいて、HPRF状態から通常状態を作ることができる。
【0019】
また、第6の観点にかかる発明は、第1〜5の観点のいずれか一つにかかる発明において、前記繰返し周波数制御手段による繰返し周波数の制御を実行させるか否かを受け付ける受付手段を更に備え、前記繰返し周波数制御手段は、前記受付手段によって前記繰返し周波数の制御を実行させる旨が受け付けられた場合にのみ、前記繰返し周波数の制御を実行することを特徴とする。
【0020】
この第6の観点にかかる発明によれば、繰返し周波数の制御を実行させるか否かを受け付け、繰返し周波数の制御を実行させる旨が受け付けられた場合にのみ、繰返し周波数の制御を実行することを特徴とすることとしたので、HPRF状態の計測に入る条件が整った際、ユーザの目的に応じて、通常状態の計測とHPRF状態の計測をユーザが選択設定することができる。
【0021】
また、第7の観点にかかる発明は、繰返し周波数によって送波時間間隔が変化する超音波パルスを身体内部の部位に繰返し送受波し、該身体内部の部位での特定の血管の血流速度をパルスドップラー法を利用して計測する血流速度計測方法であって、前記超音波パルスを送波してから次の超音波パルスを送波するまでの送波時間間隔内に送波した前記超音波パルスの受波があるか否かを判定する受波判定工程と、前記受波判定工程により受波がないと判定された場合、前記送波時間間隔内に前記超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数を制御する繰返し周波数制御工程と、を含んだことを特徴とする。
【0022】
この第7の観点にかかる発明によれば、超音波パルスを送波してから次の超音波パルスを送波するまでの送波時間間隔内に送波した超音波パルスの受波があるか否かを判定し、受波がないと判定された場合、送波時間間隔内に超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数を制御することとしたので、身体内部の計測部位の変更にともなう、ディスプレイに表示されるドップラー波形の劣化を防止することができる。
【0023】
また、第8の観点にかかる発明は、繰返し周波数によって送波時間間隔が変化する超音波パルスを身体内部の部位に繰返し送受波し、該身体内部の部位での特定の血管の血流速度をパルスドップラー法を利用して計測する血流速度計測方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記超音波パルスを送波してから次の超音波パルスを送波するまでの送波時間間隔内に送波した前記超音波パルスの受波があるか否かを判定する受波判定手順と、前記受波判定手順により受波がないと判定された場合、前記送波時間間隔内に前記超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数を制御する繰返し周波数制御手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0024】
この第8の観点にかかる発明によれば、超音波パルスを送波してから次の超音波パルスを送波するまでの送波時間間隔内に送波した超音波パルスの受波があるか否かを判定し、受波がないと判定された場合、送波時間間隔内に超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数を制御することとしたので、身体内部の計測部位の変更にともなう、ディスプレイに表示されるドップラー波形の劣化を防止することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明にかかる血流速度計測装置、血流速度計測方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、本実施の形態では、この血流速度計測装置、血流速度計測方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムの概略および主たる特徴を説明した後に、各部の構成および処理手順を説明し、最後に、他の実施の形態として変形例を説明する。
【0026】
(血流速度計測装置の概略および特徴)
まず最初に、本実施の形態にかかる血流速度計測装置の概略および特徴について説明する。図1は、本実施の形態にかかる血流速度計測装置の構成を示すブロック図である。
【0027】
概略的に、同図に示す血流速度計測装置1は、繰返し周波数によって送波時間間隔が変化する超音波パルスを身体内部の部位に繰返し送受波し、該身体内部の部位での特定の血管の血流速度をパルスドップラー法を利用して計測する装置であり、より詳細には、PRFとドップラーカーソルの指定部5による指定に基づいて、制御部6はPRFの制御を行い、そして信号処理部7は血流速度のドップラー波形を算出し、ディスプレイ3に出力する。
【0028】
ここで、本発明の主たる特徴を説明すると、受波判定部10は、超音波パルスを送波してから次の超音波パルスを送波するまでの送波時間間隔内に送波した超音波パルスの受波があるか否かを判定し、受波がないと判定された場合、繰返し周波数制御部11は、送波時間間隔内に超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数PRFを制御することを特徴とする。したがって、身体内部の計測部位の変更にともなうHPRF状態を回避することで、ディスプレイに表示されるドップラー波形の劣化を防止することが可能となる。
【0029】
また、制御部6は、繰返し周波数の制御を実行させるか否かを受け付ける設定部5によって繰返し周波数の制御を実行させる旨が受け付けられた場合にのみ、繰返し周波数の制御を実行することを特徴とする。したがって、ユーザの意図に反した不意のHPRF状態を回避することで、HPRF状態の計測に入る条件が整った際、ユーザの目的に応じて、通常状態の計測とHPRF状態の計測をユーザが選択設定することができる。
【0030】
(血流速度計測装置の構成)
次に、血流速度計測装置の各部の構成を説明する。図1に示すように、この血流速度計測装置1には、超音波探触子(超音波プローブとも呼ぶ)2と、ディスプレイ3と、操作パネル4とが接続されており、血流速度計測装置1は、設定部5と、制御部6と、信号処理部7と、送受信部8とから構成されている。
【0031】
同図に示すように、超音波探触子2は、人体の皮膚表面に接触させ、超音波パルスを送波し、目的となる部位にある血管の血液細胞に反射した超音波パルスを受波するパルスの発受信器である。また、超音波探触子2は、送波状態または受波状態のいずれかの状態のみの送受波モードを備えている。
【0032】
ディスプレイ3は、計測された血流速度をドップラー波形として表示する表示部である。操作パネル4は、血流速度計測の設定の入力を行うものである。
【0033】
設定部5は、計測部位設定部20と、繰返し周波数設定部21と、受付部22とから構成される。計測部位設定部20は、操作パネルから入力された計測対象である血管に含まれる部位を設定するものである。繰返し周波数設定部21は、操作パネルから入力された繰返し周波数を設定するものである。受付部22は、操作パネル4から入力された繰返し周波数設定部21の設定を受付けるかどうかを設定するものである。
【0034】
具体的には、従来の制御をHPRF状態の受付スイッチが「ON」のとき実行し、図5による制御をHPRF状態の受付スイッチが「OFF」のとき実行するものとすれば実現できる。
【0035】
制御部6は、超音波パルスの各送波時間間隔内に前記超音波パルスの受波があるか否かを判定し、受波がないと判定された場合、送波時間間隔内に超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数を制御する。
【0036】
具体的には、受波判定部10は、超音波パルスの送波時間間隔が、超音波パルスを送波してから部位までを往復し受波するまでにかかる時間より大きいか否かを判定し、繰返し周波数制御部11は、送波時間間隔内になるように繰返し周波数を小さく制御する。
【0037】
送受信部8は、超音波探触子2に送波信号を出力し、受波信号を信号処理部7に出力する。信号処理部7は、入力された受信信号からドップラー波形を算出し、ディスプレイ3にこれを出力する。
【0038】
(制御方法)
次に、本発明の主たる特徴である制御部6による繰返し周波数の制御方法の具体的な説明を行う。図3は、血流計測の通常状態の一例を示す図である。
【0039】
同図が示すように、送波のタイミングを決める信号である送波トリグと計測対象である部位を指定するドップラーカーソル(レンジゲート)を時間軸上に相対的に表示した送波トリグとドップラーカーソル(レンジゲート)の時間的位置関係を表し、送波時間間隔内に受波が行われる通常状態を表している。ここで、送波iの時刻に送波されたものが受波iの時刻に受波されるものとする。
【0040】
同図に示すように、送波トリグは幅を持つ山として複数表示されているが、実際の送波のタイミングは山の立下り部分でパルスの送波が行われていると考えてよい。電気信号として表示するために送波トリグは山として表示されている。送波1と送波2が記録された時刻間の時間は、繰返し周波数PRFの逆数であるPRTを意味する。
【0041】
超音波パルスが人体内部を伝播する速さは一定であると仮定すれば、送波されたパルスが計測対象である部位までを往復する距離により、送波されたパルスの受波時刻が決まる。
【0042】
送波1の時刻で送波されたパルスが、送波1の時刻と送波2の時刻の間で受波1の時刻で受波されている。ここで、計測部位に幅が存在するために、受波はある幅を持った山として表示されることに注意する。従って、受波1は山の立上り時刻を示しているが、山を形成している時刻では、受波が続けて行われている。従って、受波1は、受波の開始時刻を示している。
【0043】
次に、ドップラーカーソル(レンジゲート)が深い方向に移動されて、送波トリグとドップラーカーソル(レンジゲート)の時間的位置関係が通常状態からHPRF状態に状態変化する様子を説明する。図4は、血流計測のHPRF状態の一例を示す図である。
【0044】
同図に示すように、ドップラーカーソル(レンジゲート)の位置の深さが深い方向に変更され、送波トリグの間隔、すなわちPRTを越えてしまった場合、所望の計測部位の深さを実現するために、一つ前の送波に対するエコーと本来とりたい深さからのエコーをあわせて受信するHPRF状態となる。一つ前の送波のエコーを受信するため、実際の計測部位の深さが浅いところに出来てしまう。
【0045】
同図では、「所望の計測部位の深さ」および「実際の計測部位の深さ」として、図中にこれらを図示したが、それぞれの「深さに対する時間」を意味しているものとする。
【0046】
従って、送波時間間隔と計測部位の深さの関係がぎりぎりの状態で、血流の計測を行った場合、計測部位を深い方向に移動しただけで、ユーザの意図に反して突然、HPRF状態に入ってしまうという事態が発生していた。
【0047】
以下、図4で説明したHPRF状態を制御する方法を説明する。受波判定部10は、超音波パルスを送波してから次の超音波パルスを送波するまでの送波時間間隔が、超音波パルスを送波してから部位までを往復し受波するまでにかかる時間より大きいか否かを判定し、その後、繰返し周波数制御部11は、送波時間間隔内になるように繰返し周波数を小さく制御する。
【0048】
具体的な繰返し周波数の制御方法を以下説明する。図5は、HPRF状態を通常状態に状態制御を行う一例を示す図である。
【0049】
同図に示すように、計測部位の変更にあわせてPRTを長く、すなわち、PRFを小さく変更することで、通常状態を保つことができる。同図では、計測部位までの受波の終了時刻が、ちょうど送波時刻に一致している。受波0の時刻は受波の開始時刻であり、ちょうど送波1の時刻が受波の終了時刻になっている。また、同様に、受波1の時刻は受波の開始時刻であり、ちょうど送波2の時刻は受波の終了時刻になっている。
【0050】
(血流速度計測装置の処理)
次に、血流速度計測装置1の処理のフローチャートを説明する。図2は、図1に示した血流速度計測装置の処理手順のフローチャートである。
【0051】
操作パネルから入力された血流速度の部位設定を受付ける(ステップS1)。そして、操作パネルから入力された送波パルスの送波時間間隔を決定する繰返し周波数の設定を受付ける(ステップS2)。その後、繰返し周波数制御の実行の受付けを設定する(ステップS3)。
【0052】
その後、超音波パルスの送受を開始する(ステップS4)。実行受付がない場合、ステップS6へ進み、実行受付がある場合、ステップS8へ進む(ステップS5)。送波時間間隔内に受波しない場合、ステップS7へ進み、送波時間間隔内に受波した場合、ステップS8へ進む(ステップS6)。
【0053】
送波パルスが送波時間間隔内に受波するように繰返し周波数制御を行う(ステップS7)。制御部6で算出された繰返し周波数で超音波パルスの送受を送受信部8は実行し、信号処理部7は血流速度計測を実行する(ステップS8)。その後、ディスプレイ3は、血流速度波形の画像表示を行う(ステップS9)。
【0054】
計測部位設定の変更がなければ処理を終了し、計測部位の設定変更があれば、ステップS5へ戻る(ステップS10)。
【0055】
(他の実施の形態)
さて、上述した繰返し周波数制御以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において実施されてよいものである。
【0056】
図6、および図7に示す様に、通常状態として計測できる範囲内であれば、いかようにPRTの延長を行ってもよい。
【0057】
例えば、一例として、図6は、受波の開始と送波トリグの立上りが合うようにPRTを延長することにより、HPRF状態を通常状態に状態制御を行う例を表す図である。また、他の一例として図7は、受波の終わりと送波トリグの立上りが合うようにPRTを延長することにより、HPRF状態を通常状態に状態制御を行う例を表す図である。
【0058】
なお、本実施の形態で説明した繰返し周波数制御方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することもできる。このプログラムはインターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読取可能な記憶媒体に記憶され、コンピュータによって実行することもできる。
【0059】
上述してきたように、本実施の形態では、超音波パルスを送波してから次の超音波パルスを送波するまでの送波時間間隔内に送波した超音波パルスの受波があるか否かを判定し、受波がないと判定された場合、送波時間間隔内に超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数を制御する繰返し周波数を制御したので、身体内部の計測部位の変更にともなう、ディスプレイに表示されるドップラー波形の劣化を防止することができる。
【0060】
また、繰返し周波数制御部11による繰返し周波数の制御を実行させるか否かを受け付ける受付部22を更に備え、繰返し周波数制御部11は、受付部22によって繰返し周波数の制御を実行させる旨が受け付けられた場合にのみ、繰返し周波数の制御を実行するので、場合によってはHPRF状態のままで、先に送波されたパルスの受波信号と所望のパルスの受波信号を用いて内部処理を行い血流速度を計測することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、パルスドップラー法において、ドップラーカーソル(レンジゲート)の位置の変更にともなう、ユーザの意図に反した不意のHPRF状態計測への移行をなくすことで、ドップラー波形の不意の劣化を防止することができ、ユーザにとって操作性を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる血流速度計測装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した血流速度計測装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】血流計測の通常状態の一例を示す図である。
【図4】血流計測のHPRF状態の一例を示す図である。
【図5】HPRF状態を通常状態に状態制御を行う一例を示す図である。
【図6】受波の開始と送波トリグの立上りが合うようにPRTを延長することにより、HPRF状態を通常状態に状態制御を行う例を表す図である。
【図7】受波の終わりと送波トリグの立上りが合うようにPRTを延長することにより、HPRF状態を通常状態に状態制御を行う例を表す図である。
【符号の説明】
1 血流速度計測装置
2 超音波探触子(超音波プローブ)
3 ディスプレイ
4 操作パネル
5 設定部
6 制御部
7 信号処理部
8 送受信部
10 受波判定部
11 繰返し周波数制御部
20 計測部位設定部
21 繰返し周波数設定部
22 受付部

Claims (8)

  1. 繰返し周波数によって送波時間間隔が変化する超音波パルスを身体内部の部位に繰返し送受波し、該身体内部の部位での特定の血管の血流速度をパルスドップラー法を利用して計測する血流速度計測装置であって、
    前記超音波パルスを送波してから次の超音波パルスを送波するまでの送波時間間隔内に送波した前記超音波パルスの受波があるか否かを判定する受波判定手段と、
    前記受波判定手段により受波がないと判定された場合、前記送波時間間隔内に前記超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数を制御する繰返し周波数制御手段と、
    を備えたことを特徴とする血流速度計測装置。
  2. 前記受波判定手段は、前記超音波パルスの前記送波時間間隔が、前記超音波パルスを送波してから前記部位までを往復し受波するまでにかかる時間より大きいか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の血流速度計測装置。
  3. 前記繰返し周波数制御手段は、前記送波時間間隔内になるように前記繰返し周波数を小さく制御することを特徴とする請求項1に記載の血流速度計測装置。
  4. 前記繰返し周波数制御手段は、身体表皮に近い前記部位を往復した前記超音波パルスの受波が前記送波時間間隔内になるように、前記繰返し周波数を小さく制御することを特徴とする請求項1、2または3に記載の血流速度計測装置。
  5. 前記繰返し周波数制御手段は、身体表皮に遠い前記部位を往復した前記超音波パルスの受波が前記送波時間間隔内になるように、前記繰返し周波数を小さく制御することを特徴とする請求項1、2または3に記載の血流速度計測装置。
  6. 前記繰返し周波数制御手段による繰返し周波数の制御を実行させるか否かを受け付ける受付手段を更に備え、
    前記繰返し周波数制御手段は、前記受付手段によって前記繰返し周波数の制御を実行させる旨が受け付けられた場合にのみ、前記繰返し周波数の制御を実行することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の血流速度計測装置。
  7. 繰返し周波数によって送波時間間隔が変化する超音波パルスを身体内部の部位に繰返し送受波し、該身体内部の部位での特定の血管の血流速度をパルスドップラー法を利用して計測する血流速度計測方法であって、
    前記超音波パルスの各送波時間間隔内に前記超音波パルスの受波があるか否かを判定する受波判定工程と、
    前記受波判定工程により受波がないと判定された場合、前記送波時間間隔内に前記超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数を制御する繰返し周波数制御工程と、
    を含んだことを特徴とする血流速度計測方法。
  8. 繰返し周波数によって送波時間間隔が変化する超音波パルスを身体内部の部位に繰返し送受波し、該身体内部の部位での特定の血管の血流速度をパルスドップラー法を利用して計測する血流速度計測方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記超音波パルスの各送波時間間隔内に前記超音波パルスの受波があるか否かを判定する受波判定手順と、
    前記受波判定手順により受波がないと判定された場合、前記送波時間間隔内に前記超音波パルスを受波するように当該超音波パルスの繰返し周波数を制御する繰返し周波数制御手順と、
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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