JP2004194936A - 治療的電気刺激装置の管理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】治療的電気刺激装置の適切な実施の状況を広範に、確実に管理することができる治療的電気刺激装置の管理システムを提供する。
【解決手段】周波数やパルス発生時間、休止時間、立ち上がり時間、立ち下がり時間などの刺激条件を電子計算機1に設定し、この電子計算機1にその情報を取り込んで長期間に渡る治療条件や治療時間を記憶させたプログラムを作成し、このプログラム通りの刺激条件を治療的刺激装置3のメモリーに記憶させ、前記刺激条件に応じた波形を発生させて前記治療的電気刺激装置3の刺激電極4に供給し、かつ前記電子計算機1は電気刺激装置3による一定期間治療後に治療電圧、治療時間、回数など全ての治療データを読み取り記憶する。
【選択図】 図1
【解決手段】周波数やパルス発生時間、休止時間、立ち上がり時間、立ち下がり時間などの刺激条件を電子計算機1に設定し、この電子計算機1にその情報を取り込んで長期間に渡る治療条件や治療時間を記憶させたプログラムを作成し、このプログラム通りの刺激条件を治療的刺激装置3のメモリーに記憶させ、前記刺激条件に応じた波形を発生させて前記治療的電気刺激装置3の刺激電極4に供給し、かつ前記電子計算機1は電気刺激装置3による一定期間治療後に治療電圧、治療時間、回数など全ての治療データを読み取り記憶する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、治療的電気刺激装置の管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
治療的電気刺激が、排尿障害治療や脳卒中麻痺患者の痙縮予防などに有効なことは医学的に証明されている。特に、薬では効果のない難治性神経疾患起因の排尿障害治療には効果が大きく、副作用のない治療法として今後普及が期待されている。
【0003】
この治療的電気刺激(下記特許文献1、2参照)を行う際には、表面電極を通して皮膚表面から電気刺激を行うが、この電気刺激を行う時の治療電圧、治療時間、休止時間等の電気刺激の条件は、医師が症例に応じて決めることが治療効果上必要である。従来は、この電気刺激条件を、切り替えスイッチや外部プログラム手段を通して入力できる刺激装置が用いられている。
【0004】
このような電気刺激による治療は、数週間から数カ月間と長期にわたり行われるため、在宅で治療を行う場合が多くなる。在宅で治療する際には、医師の指導に基づいて行うことが重要であるが、それでも、治療効果と治療回数や条件などとの相関がはっきりしていないという欠点があった。その原因の一つとして、自宅での治療についての正しい治療履歴データが得られないことが挙げられる。
【0005】
すなわち、在宅で治療する場合は、患者やその家族等の医学的訓練を受けていない素人が表面電極からの電気刺激により特定の神経を刺激することで治療を行うが、単なる治療履歴データからでは電極が皮膚表面の的確な位置に貼ってあったかどうか、医師の指示通りの刺激条件で治療が行われていたかどうかの判断ができない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−200104号公報 第3−4頁 第2図
【特許文献2】
特開2002−200178号公報 第4−6頁 第8図
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、治療的電気刺激装置を医師の指導により患者本人又は家族が扱って治療にあたる場合、医師が患者の治療履歴を知るには患者の自己申告に依るしかなく、実際に正しく治療が行われたのかどうかは、正確には分からなかった。
【0008】
さらに、遠隔地の患者にとっては、通院するまでの中間的な治療履歴データを医療機関や医師に送る手段がなかった。
【0009】
また、治療的電気刺激装置の電気刺激は、例えば数秒間刺激を行って数秒間停止するというように行われるが、刺激を休止している時にボリュームなどを操作して電気的刺激装置の電圧を上げてしまうと、加減が分からず、必要以上に電圧が上がってしまい、患者にとっては急に強い刺激が与えられることになり、痛みを感じることになることがあった。
【0010】
本発明は、上記状況に鑑みて、治療的電気刺激装置の適切な実施の状況を広範に、確実に管理することができる治療的電気刺激装置の管理システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕治療的電気刺激装置の管理システムにおいて、周波数やパルス発生時間、休止時間、立ち上がり時間、立ち下がり時間などの刺激条件を電子計算機に設定し、該電子計算機にその情報を取り込んで長期間に渡る治療条件や治療時間を記憶させたプログラムを作成し、該プログラム通りの刺激条件を治療的刺激装置のメモリーに記憶させ、前記刺激条件に応じた波形を発生させて前記治療的電気刺激装置の刺激電極に供給し、かつ前記電子計算機は電気刺激装置による一定期間治療後に治療電圧、治療時間、回数など全ての治療データを読み取り記憶することを特徴とする。
【0012】
〔2〕上記〔1〕記載の治療的電気刺激装置の管理システムにおいて、患者が皮膚表面の正しい位置に前記刺激電極を張りつけて治療したかどうかをチェックするために、電極間の皮膚インピーダンスを測定してその計測値が基準値内に入っているか否かを確認できるようにしたことを特徴とする。
【0013】
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の治療的電気刺激装置の管理システムにおいて、前記電気刺激装置の治療履歴データを電子計算機に接続されるインターネット機能で医療機関や医師に送信できるようにしたことを特徴とする。
【0014】
〔4〕上記〔1〕又は〔2〕記載の治療的電気刺激システムにおいて、前記電気刺激装置の電気刺激を増加するための出力電圧調整を行うときに刺激の休止時間中には電圧を上げることができないように電子計算機のプログラムを設定したことを特徴とする。
【0015】
本発明では刺激装置は端末機器であり、この端末機器に情報を与えまた端末機器から情報を吸い上げる親機としてはPC(電子計算機)を設けるようにしている。つまり、この端末機器は小型軽量であってかつ情報蓄積ができる電気刺激装置である。また、患者の治療履歴データは定期的に医師に送られて逐次医師の判断を得ることができるようにした。すなわち、患者サイドにあるPCに治療履歴データを取り込み、それをインターネットなどの通信手段で医師サイドのPCに送ることが可能である。このような情報機器型治療的電気刺激装置は従来には存在していない。
【0016】
また、皮膚インピーダンスを電極を介して計測し、その計測情報を電気刺激装置に与えることにより、その計測値が規定範囲内に入っているかどうか判断する。データ上インピーダンスが的確でない場合はその治療履歴情報を受け付けないようにすることもできるし、または異常信号により異常を患者に知らせる表示機能を付加することも可能である。
【0017】
また、上記したように、治療的電気刺激装置の電圧を上げる場合、ボリュームなどのつまみを回して上昇させることが一般的であるが、従来の治療的電気刺激装置は、刺激の休止時にボリュームを上げると刺激再開のとき、必要以上に電圧が上がってしまい、刺激時に痛みを感じることがあった。
【0018】
本発明では、この電圧の急上昇を抑えるように電気的刺激装置内蔵のCPUのソフトを組むことで電圧を印加しているときにしか、このボリュームが機能しないようにした。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の治療的電気刺激装置の管理システムの模式図である。
【0021】
この治療的電気刺激装置の管理システムでは、図1に示すように、患者用PC1によって医師によりプログラムされた治療条件を、例えばRS232CなどのPC通信手段2を通して治療的電気刺激装置3のメモリーに設定する。そして、治療的電気刺激装置3からプログラムされた治療条件に基づいた波形が人体の一部に装着される刺激電極4に印加される。また、治療履歴データは同様の通信手段2を通して治療後に治療的電気刺激装置3からPC1へ吸い上げられる。治療履歴データは医師のみが見ることができるようにPCのソフト上で設定可能である。本発明により、治療効果の確実性を上げることができる。
【0022】
なお、ここで、医師サイドでは、患者の症状に沿ったパルス条件の設定と治療後の治療履歴データの読み取りを行う。また、患者サイドでは、医師の設定した治療的電気刺激装置3を使用して自ら治療する。このとき、治療経過は自動的に治療履歴データとして記憶される。
【0023】
ところで、皮膚表面から電気刺激を行う場合、電極と皮膚との粘着性や導電ゲルなどの介在物があるかないか、患者の皮膚状態などで刺激電流が異なり、治療効果に影響する。
【0024】
図2は本発明の治療的電気刺激装置による電極への刺激の態様を示す図である。
【0025】
この図に示すように、患者の皮膚表面に刺激電極4が正常に貼ってあることが確認できるように刺激電極4からフィードバックした出力電流を検出し、電圧値に変換した値(=インピーダンス値)及びパルス幅の値が、基準範囲内であるかどうかを治療的電気刺激装置3内蔵のCPUソフトにより判断する。
【0026】
基準範囲の値に満たない時は、治療履歴データを治療的電気刺激装置3に取り込むことができないようにする。または基準値に満たないことを表示する警告ランプ5を設けるか、ブサーなどを鳴音させて患者に知らせる。
【0027】
これにより、治療的電気刺激装置の治療履歴データの信頼性を増すことができる。すなわち、電極4からフィードバックした出力電流を電圧値に変換した値及びパルス幅の正常範囲値をデータ化して、それと比較することで、電極4を皮膚に正確に貼って刺激したか、あるいは皮膚への貼り付け方が不十分な状態で刺激したかを判断することができる。
【0028】
図3は本発明の治療的電気刺激装置の管理システムによる治療履歴データの管理に関する模式図である。
【0029】
この図に示すように、治療的電気刺激装置3の治療履歴データは、PC通信手段2により、患者用PC1に取り込まれ、インターネット11などを介して医師用PC12に送信される。このようにして、患者は治療履歴データを医師用PC12に送信し、医師はその治療履歴データに対する所見を患者用PC1に送信することにより、患者は中間的に医師の指導を受けることができる。
【0030】
図4は本発明の治療的電気刺激装置による治療例を示す模式図である。
【0031】
この図のように、本発明の治療的電気刺激装置は、パルス印加時間中だけ電圧を上昇させることができ、パルスの休止時間中には電圧を上昇させることができないように電子計算機のソフト上で設定して、従来の電気刺激装置のようにパルスの休止中に急激なボリュームの操作が電極に伝わって電圧が上昇しないように構成する。すなわち、パルスの休止時間中に電圧を上昇させたときに次の印加時間で急に皮膚刺激が上昇して皮膚に過度の刺激が加わるのを防止する。ここでは、例として、印加時間は3秒、休止時間は2秒であるが、この2秒間は電圧を調整するボリュームを操作しても電圧を上昇させることはできない。一定電圧に上昇させた後に1回の治療時間は合計15分から20分である。
【0032】
図5は、本発明の刺激出力電圧のコントロールを司る部分の一例を説明するフローチャートである。
【0033】
刺激電極の電圧を上下させて刺激の強弱を調整できるようにすることができる刺激の強ボタン及び刺激の弱ボタンが治療的電気刺激装置に実装され、CPU制御されるとする。まず、ステップS1にて、刺激の強ボタンが押されたか否かを判断する。ボタンが押されている場合(YES)は、ステップS2にて、現在の出力電圧値が最大電圧値より低いか否かを判断し、最大電圧値より現在の出力電圧が低い場合(YES)は、ステップS3にて現在の刺激波形のタイミングが、パルス印加中(YES)であるか否かを判断する。パルス印加中であれば、ステップS4にて出力電圧を増加させる。なお、ステップS1〜S3でNOの場合はステップS5へ進む。次に、ステップS5にて刺激の弱ボタンが押されたか否かを判断する。ボタンが押されている場合(YES)は、ステップS6にて現在の出力電圧値が最小電圧値より高い否かを判断し、最小電圧値より現在の出力電圧値が高い場合は、ステップS7にて出力電圧を減少させる。
【0034】
上記したように、本発明は、治療的電気刺激装置において、例えば排尿障害治療や痙縮治療を行う際、電気刺激条件は治療対象毎に異なるので、最適条件をPCで設定し、患者用PC(マイクロコンピュータ)に記憶させ、その設定条件通りにパルスを発生させる。表面電極型治療的電気刺激装置による治療は毎日一定時間、例えば一日2回、15分間、1ヵ月に渡って行うが、治療は初回は医師が行うが、2回目以降は患者自身または家族が医師の指導書に基づいて在宅で行う。
【0035】
したがって、一定期間患者が在宅で治療した後に、医師が治療履歴を知ることは極めて重要である。本発明は治療的電気刺激装置にこのようなパルス条件設定可能な機能を持たせ、かつ在宅期間中に患者の治療履歴データをインターネットなどを通して医療機関や医師に送信することにより、治療的電気刺激の有効性を高めるものである。
【0036】
さらに、患者が電極を指定位置にうまく貼らないで治療する場合もあるため、パルス発生条件や時間だけの治療履歴データでは正確な管理ができない。そこで、本発明では、皮膚表面の正しい位置に確実に貼ったという情報を得るために、刺激電極で皮膚インピーダンスを計測して既知のインピーダンスと比較し、その値が基準の範囲に収まっているか否かで電極を正しく貼付したかどうかが判断できる回路を含み、これを治療履歴に対比させることでより正確な治療情報を得ることができる。
【0037】
さらに、本発明の治療的電気刺激装置は、治療履歴データを患者用PCによりインターネットで医療機関や医師に送信できるようにプログラムされている。在宅治療の場合は、患者自身の自覚所見なども同様に送信されることで適切な指導を医師より迅速に得ることが可能である。
【0038】
また、電圧調整する際に、数秒間の刺激の休止時間に電圧を上げると、刺激時に急に電圧が上がってしまい、人体に過度な電気刺激が加わる恐れがあるため、それを防止する手段を有する刺激装置である。
【0039】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0040】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、治療的電気刺激装置の適切な実施の状況を広範に、確実に管理することができる。
【0041】
より具体的には、治療的電気刺激装置にパルス条件設定可能な機能を持たせ、治療期間中の患者の治療履歴を医師が知ることにより、治療的電気刺激の有効性を高めることができる。
【0042】
また、刺激電極に皮膚インピーダンスを計測して既知のインピーダンスと比較してある範囲に収まっているか否かで電極を正しく貼付けたかどうか判断できる回路を含み、これを治療履歴に対比させることでより正確な治療情報を得ることができる。
【0043】
更に、刺激の休止中には電圧を上げることができないように患者用PCのソフトウェアで設定できるようにした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の治療的電気刺激装置の管理システムの模式図である。
【図2】本発明の治療的電気刺激装置による電極への刺激の態様を示す図である。
【図3】本発明の治療的電気刺激装置の管理システムによる治療履歴データの管理に関する模式図である。
【図4】本発明の治療的電気刺激装置による治療例を示す模式図である。
【図5】本発明の治療的電気刺激装置の刺激電圧印加フローチャートである。
【符号の説明】
1 PC(患者用PC)
2 PC通信手段
3 治療的電気刺激装置
4 刺激電極
5 警告ランプ
11 インターネット
12 医師用PC
【発明の属する技術分野】
本発明は、治療的電気刺激装置の管理システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
治療的電気刺激が、排尿障害治療や脳卒中麻痺患者の痙縮予防などに有効なことは医学的に証明されている。特に、薬では効果のない難治性神経疾患起因の排尿障害治療には効果が大きく、副作用のない治療法として今後普及が期待されている。
【0003】
この治療的電気刺激(下記特許文献1、2参照)を行う際には、表面電極を通して皮膚表面から電気刺激を行うが、この電気刺激を行う時の治療電圧、治療時間、休止時間等の電気刺激の条件は、医師が症例に応じて決めることが治療効果上必要である。従来は、この電気刺激条件を、切り替えスイッチや外部プログラム手段を通して入力できる刺激装置が用いられている。
【0004】
このような電気刺激による治療は、数週間から数カ月間と長期にわたり行われるため、在宅で治療を行う場合が多くなる。在宅で治療する際には、医師の指導に基づいて行うことが重要であるが、それでも、治療効果と治療回数や条件などとの相関がはっきりしていないという欠点があった。その原因の一つとして、自宅での治療についての正しい治療履歴データが得られないことが挙げられる。
【0005】
すなわち、在宅で治療する場合は、患者やその家族等の医学的訓練を受けていない素人が表面電極からの電気刺激により特定の神経を刺激することで治療を行うが、単なる治療履歴データからでは電極が皮膚表面の的確な位置に貼ってあったかどうか、医師の指示通りの刺激条件で治療が行われていたかどうかの判断ができない。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−200104号公報 第3−4頁 第2図
【特許文献2】
特開2002−200178号公報 第4−6頁 第8図
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、治療的電気刺激装置を医師の指導により患者本人又は家族が扱って治療にあたる場合、医師が患者の治療履歴を知るには患者の自己申告に依るしかなく、実際に正しく治療が行われたのかどうかは、正確には分からなかった。
【0008】
さらに、遠隔地の患者にとっては、通院するまでの中間的な治療履歴データを医療機関や医師に送る手段がなかった。
【0009】
また、治療的電気刺激装置の電気刺激は、例えば数秒間刺激を行って数秒間停止するというように行われるが、刺激を休止している時にボリュームなどを操作して電気的刺激装置の電圧を上げてしまうと、加減が分からず、必要以上に電圧が上がってしまい、患者にとっては急に強い刺激が与えられることになり、痛みを感じることになることがあった。
【0010】
本発明は、上記状況に鑑みて、治療的電気刺激装置の適切な実施の状況を広範に、確実に管理することができる治療的電気刺激装置の管理システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕治療的電気刺激装置の管理システムにおいて、周波数やパルス発生時間、休止時間、立ち上がり時間、立ち下がり時間などの刺激条件を電子計算機に設定し、該電子計算機にその情報を取り込んで長期間に渡る治療条件や治療時間を記憶させたプログラムを作成し、該プログラム通りの刺激条件を治療的刺激装置のメモリーに記憶させ、前記刺激条件に応じた波形を発生させて前記治療的電気刺激装置の刺激電極に供給し、かつ前記電子計算機は電気刺激装置による一定期間治療後に治療電圧、治療時間、回数など全ての治療データを読み取り記憶することを特徴とする。
【0012】
〔2〕上記〔1〕記載の治療的電気刺激装置の管理システムにおいて、患者が皮膚表面の正しい位置に前記刺激電極を張りつけて治療したかどうかをチェックするために、電極間の皮膚インピーダンスを測定してその計測値が基準値内に入っているか否かを確認できるようにしたことを特徴とする。
【0013】
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の治療的電気刺激装置の管理システムにおいて、前記電気刺激装置の治療履歴データを電子計算機に接続されるインターネット機能で医療機関や医師に送信できるようにしたことを特徴とする。
【0014】
〔4〕上記〔1〕又は〔2〕記載の治療的電気刺激システムにおいて、前記電気刺激装置の電気刺激を増加するための出力電圧調整を行うときに刺激の休止時間中には電圧を上げることができないように電子計算機のプログラムを設定したことを特徴とする。
【0015】
本発明では刺激装置は端末機器であり、この端末機器に情報を与えまた端末機器から情報を吸い上げる親機としてはPC(電子計算機)を設けるようにしている。つまり、この端末機器は小型軽量であってかつ情報蓄積ができる電気刺激装置である。また、患者の治療履歴データは定期的に医師に送られて逐次医師の判断を得ることができるようにした。すなわち、患者サイドにあるPCに治療履歴データを取り込み、それをインターネットなどの通信手段で医師サイドのPCに送ることが可能である。このような情報機器型治療的電気刺激装置は従来には存在していない。
【0016】
また、皮膚インピーダンスを電極を介して計測し、その計測情報を電気刺激装置に与えることにより、その計測値が規定範囲内に入っているかどうか判断する。データ上インピーダンスが的確でない場合はその治療履歴情報を受け付けないようにすることもできるし、または異常信号により異常を患者に知らせる表示機能を付加することも可能である。
【0017】
また、上記したように、治療的電気刺激装置の電圧を上げる場合、ボリュームなどのつまみを回して上昇させることが一般的であるが、従来の治療的電気刺激装置は、刺激の休止時にボリュームを上げると刺激再開のとき、必要以上に電圧が上がってしまい、刺激時に痛みを感じることがあった。
【0018】
本発明では、この電圧の急上昇を抑えるように電気的刺激装置内蔵のCPUのソフトを組むことで電圧を印加しているときにしか、このボリュームが機能しないようにした。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明の治療的電気刺激装置の管理システムの模式図である。
【0021】
この治療的電気刺激装置の管理システムでは、図1に示すように、患者用PC1によって医師によりプログラムされた治療条件を、例えばRS232CなどのPC通信手段2を通して治療的電気刺激装置3のメモリーに設定する。そして、治療的電気刺激装置3からプログラムされた治療条件に基づいた波形が人体の一部に装着される刺激電極4に印加される。また、治療履歴データは同様の通信手段2を通して治療後に治療的電気刺激装置3からPC1へ吸い上げられる。治療履歴データは医師のみが見ることができるようにPCのソフト上で設定可能である。本発明により、治療効果の確実性を上げることができる。
【0022】
なお、ここで、医師サイドでは、患者の症状に沿ったパルス条件の設定と治療後の治療履歴データの読み取りを行う。また、患者サイドでは、医師の設定した治療的電気刺激装置3を使用して自ら治療する。このとき、治療経過は自動的に治療履歴データとして記憶される。
【0023】
ところで、皮膚表面から電気刺激を行う場合、電極と皮膚との粘着性や導電ゲルなどの介在物があるかないか、患者の皮膚状態などで刺激電流が異なり、治療効果に影響する。
【0024】
図2は本発明の治療的電気刺激装置による電極への刺激の態様を示す図である。
【0025】
この図に示すように、患者の皮膚表面に刺激電極4が正常に貼ってあることが確認できるように刺激電極4からフィードバックした出力電流を検出し、電圧値に変換した値(=インピーダンス値)及びパルス幅の値が、基準範囲内であるかどうかを治療的電気刺激装置3内蔵のCPUソフトにより判断する。
【0026】
基準範囲の値に満たない時は、治療履歴データを治療的電気刺激装置3に取り込むことができないようにする。または基準値に満たないことを表示する警告ランプ5を設けるか、ブサーなどを鳴音させて患者に知らせる。
【0027】
これにより、治療的電気刺激装置の治療履歴データの信頼性を増すことができる。すなわち、電極4からフィードバックした出力電流を電圧値に変換した値及びパルス幅の正常範囲値をデータ化して、それと比較することで、電極4を皮膚に正確に貼って刺激したか、あるいは皮膚への貼り付け方が不十分な状態で刺激したかを判断することができる。
【0028】
図3は本発明の治療的電気刺激装置の管理システムによる治療履歴データの管理に関する模式図である。
【0029】
この図に示すように、治療的電気刺激装置3の治療履歴データは、PC通信手段2により、患者用PC1に取り込まれ、インターネット11などを介して医師用PC12に送信される。このようにして、患者は治療履歴データを医師用PC12に送信し、医師はその治療履歴データに対する所見を患者用PC1に送信することにより、患者は中間的に医師の指導を受けることができる。
【0030】
図4は本発明の治療的電気刺激装置による治療例を示す模式図である。
【0031】
この図のように、本発明の治療的電気刺激装置は、パルス印加時間中だけ電圧を上昇させることができ、パルスの休止時間中には電圧を上昇させることができないように電子計算機のソフト上で設定して、従来の電気刺激装置のようにパルスの休止中に急激なボリュームの操作が電極に伝わって電圧が上昇しないように構成する。すなわち、パルスの休止時間中に電圧を上昇させたときに次の印加時間で急に皮膚刺激が上昇して皮膚に過度の刺激が加わるのを防止する。ここでは、例として、印加時間は3秒、休止時間は2秒であるが、この2秒間は電圧を調整するボリュームを操作しても電圧を上昇させることはできない。一定電圧に上昇させた後に1回の治療時間は合計15分から20分である。
【0032】
図5は、本発明の刺激出力電圧のコントロールを司る部分の一例を説明するフローチャートである。
【0033】
刺激電極の電圧を上下させて刺激の強弱を調整できるようにすることができる刺激の強ボタン及び刺激の弱ボタンが治療的電気刺激装置に実装され、CPU制御されるとする。まず、ステップS1にて、刺激の強ボタンが押されたか否かを判断する。ボタンが押されている場合(YES)は、ステップS2にて、現在の出力電圧値が最大電圧値より低いか否かを判断し、最大電圧値より現在の出力電圧が低い場合(YES)は、ステップS3にて現在の刺激波形のタイミングが、パルス印加中(YES)であるか否かを判断する。パルス印加中であれば、ステップS4にて出力電圧を増加させる。なお、ステップS1〜S3でNOの場合はステップS5へ進む。次に、ステップS5にて刺激の弱ボタンが押されたか否かを判断する。ボタンが押されている場合(YES)は、ステップS6にて現在の出力電圧値が最小電圧値より高い否かを判断し、最小電圧値より現在の出力電圧値が高い場合は、ステップS7にて出力電圧を減少させる。
【0034】
上記したように、本発明は、治療的電気刺激装置において、例えば排尿障害治療や痙縮治療を行う際、電気刺激条件は治療対象毎に異なるので、最適条件をPCで設定し、患者用PC(マイクロコンピュータ)に記憶させ、その設定条件通りにパルスを発生させる。表面電極型治療的電気刺激装置による治療は毎日一定時間、例えば一日2回、15分間、1ヵ月に渡って行うが、治療は初回は医師が行うが、2回目以降は患者自身または家族が医師の指導書に基づいて在宅で行う。
【0035】
したがって、一定期間患者が在宅で治療した後に、医師が治療履歴を知ることは極めて重要である。本発明は治療的電気刺激装置にこのようなパルス条件設定可能な機能を持たせ、かつ在宅期間中に患者の治療履歴データをインターネットなどを通して医療機関や医師に送信することにより、治療的電気刺激の有効性を高めるものである。
【0036】
さらに、患者が電極を指定位置にうまく貼らないで治療する場合もあるため、パルス発生条件や時間だけの治療履歴データでは正確な管理ができない。そこで、本発明では、皮膚表面の正しい位置に確実に貼ったという情報を得るために、刺激電極で皮膚インピーダンスを計測して既知のインピーダンスと比較し、その値が基準の範囲に収まっているか否かで電極を正しく貼付したかどうかが判断できる回路を含み、これを治療履歴に対比させることでより正確な治療情報を得ることができる。
【0037】
さらに、本発明の治療的電気刺激装置は、治療履歴データを患者用PCによりインターネットで医療機関や医師に送信できるようにプログラムされている。在宅治療の場合は、患者自身の自覚所見なども同様に送信されることで適切な指導を医師より迅速に得ることが可能である。
【0038】
また、電圧調整する際に、数秒間の刺激の休止時間に電圧を上げると、刺激時に急に電圧が上がってしまい、人体に過度な電気刺激が加わる恐れがあるため、それを防止する手段を有する刺激装置である。
【0039】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0040】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、治療的電気刺激装置の適切な実施の状況を広範に、確実に管理することができる。
【0041】
より具体的には、治療的電気刺激装置にパルス条件設定可能な機能を持たせ、治療期間中の患者の治療履歴を医師が知ることにより、治療的電気刺激の有効性を高めることができる。
【0042】
また、刺激電極に皮膚インピーダンスを計測して既知のインピーダンスと比較してある範囲に収まっているか否かで電極を正しく貼付けたかどうか判断できる回路を含み、これを治療履歴に対比させることでより正確な治療情報を得ることができる。
【0043】
更に、刺激の休止中には電圧を上げることができないように患者用PCのソフトウェアで設定できるようにした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の治療的電気刺激装置の管理システムの模式図である。
【図2】本発明の治療的電気刺激装置による電極への刺激の態様を示す図である。
【図3】本発明の治療的電気刺激装置の管理システムによる治療履歴データの管理に関する模式図である。
【図4】本発明の治療的電気刺激装置による治療例を示す模式図である。
【図5】本発明の治療的電気刺激装置の刺激電圧印加フローチャートである。
【符号の説明】
1 PC(患者用PC)
2 PC通信手段
3 治療的電気刺激装置
4 刺激電極
5 警告ランプ
11 インターネット
12 医師用PC
Claims (4)
- 周波数やパルス発生時間、休止時間、立ち上がり時間、立ち下がり時間などの刺激条件を電子計算機に設定し、該電子計算機にその情報を取り込んで長期間に渡る治療条件や治療時間を記憶させたプログラムを作成し、該プログラム通りの刺激条件を治療的刺激装置のメモリーに記憶させ、前記刺激条件に応じた波形を発生させて前記治療的電気刺激装置の刺激電極に供給し、かつ前記電子計算機は電気刺激装置による一定期間治療後に治療電圧、治療時間、回数など全ての治療データを読み取り記憶することを特徴とする治療的電気刺激装置の管理システム。
- 請求項1記載の治療的電気刺激装置の管理システムにおいて、患者が皮膚表面の正しい位置に前記刺激電極を張りつけて治療したかどうかをチェックするために、電極間の皮膚インピーダンスを測定してその計測値が基準値内に入っているか否かを確認できるようにしたことを特徴とする治療的電気刺激装置の管理システム。
- 請求項1又は2記載の治療的電気刺激装置の管理システムにおいて、前記電気刺激装置の治療履歴データを電子計算機に接続されるインターネット機能で医療機関や医師に送信できるようにしたことを特徴とする治療的電気刺激装置の管理システム。
- 請求項1又は2記載の治療的電気刺激装置の管理システムにおいて、前記電気刺激装置の電気刺激を増加するための出力電圧調整を行うときに刺激の休止時間中には電圧を上げることができないように電子計算機のプログラムを設定したことを特徴とする治療的電気刺激装置の管理システム。
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2002
- 2002-12-19 JP JP2002367472A patent/JP2004194936A/ja not_active Withdrawn
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