本実施形態においては、バイオフィードバック療法を用いた排泄治療をサポートするための情報処理装置及びアプリケーション、及び、情報処理装置と双方向に通信可能な計測装置を含む排泄治療システムについて説明する。
以下では、本実施形態に係る排泄治療システムは、便失禁治療に適用されるものとして説明する。しかしながら、本実施形態に係る排泄治療システムは、例えば、慢性便秘症の治療、又は、尿失禁治療など他の排泄器官の治療にも適用可能である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、略又は実質的に同一の機能及び構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ説明を行う。
図1は、本実施形態に係る排泄治療システム1を例示するブロック図である。
図2は、本実施形態に係る排泄治療システム1を例示する概念図である。
排泄治療システム1は、情報処理装置2と、計測装置3とを含む。なお、排泄治療システム1は、情報処理装置2とネットワークNを介して双方向に通信可能な医療機関4を含んでいてもよい。計測装置3は、患者の臀部Cの肛門(以下、肛門と略称す)に挿入可能なデバイスである。情報処理装置2は、計測装置3と双方向に近距離無線通信可能であり、情報処理装置2にインストールされたアプリケーションプログラム(アプリケーション240B)により、計測装置3の動作を無線で制御する。また、情報処理装置2は、計測装置3より受信した計測データを、医療機関4のサーバ装置41に送信する。患者は、自身の肛門に計測装置3を挿入し、情報処理装置2のアプリケーション240Bの指示に従って、肛門内の圧力又は電位等を測定し、便失禁治療のトレーニングを行う。さらに、患者は、情報処理装置2が取得したトレーニング結果及び測定データを医療機関4へ送信することで、医療機関よりトレーニング及び測定結果のフィードバック、アドバイスなどをもらうことが可能となる。以下、排泄治療システム1について詳しく説明する。
情報処理装置2は、例えば患者が携帯可能な端末であることが望ましい。例えば、情報処理装置2は、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータなどのモバイルデバイスである。
情報処理装置2は、入力部21と、表示部22と、スピーカ23と、記憶部24と、通信部25と、制御部26と、バッテリ部27とを含む。
入力部21は、情報処理装置2のユーザ(患者)の入力を入力データとして、制御部26へ出力する。入力部21は、例えばディスプレイに設けられたタッチパネルでもよい。タッチパネルとしては、例えば、マトリクス状に配置されたスイッチ、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、静電容量方式などを用いることができる。ユーザがディスプレイ上の表示をタッチすると、入力部21はタッチパネル上のタッチされた位置を検知し、その位置情報を入力データとして制御部26へ出力する。
入力部21は、例えばマイクでもよい。ユーザが音声を発すると、入力部21は、音声を検知し、音声信号である入力データを制御部26へ出力する。制御部26は、例えば、音声信号に対する音声認識を行う。
表示部22は、制御部26から入力されたデータをユーザが認識できる形式で出力する。表示部22は、例えばディスプレイを含む。ユーザは、ディスプレイの表示を視覚により認識可能である。表示部22は、具体的には、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、三次元ディスプレイなど、種々のディスプレイを用いてもよい。表示部22は、例えば、制御部26の制御により、後述するアプリケーション240Bによって生成される画面及びデータを、患者が視認可能なようにディスプレイに表示する。
スピーカ23は、制御部26から入力された音データを出力する。
記憶部24は、制御プログラム240Aと、アプリケーション240Bと、しきい値241と、履歴データ242とを含む。アプリケーション240Bは、便失禁治療のためのプログラム及びデータを含む。記憶部24は、制御部26からのコマンドなどに基づき、制御部26から受信した各種のプログラム及びデータを格納し、又は、格納済のプログラム及びデータを制御部26へ出力する。
便失禁治療用のアプリケーション240Bは、例えば、サーバ装置41などの外部装置から情報処理装置2へダウンロードされる。アプリケーション240Bは、制御部26によって実行されることにょり、後述するアプリケーション制御部261として機能する。
しきい値241は、アプリケーション制御部261の判定部261Cが、患者のトレーニングが終了したか否かを判定する際に用いるしきい値を含む。
履歴データ242は、計測装置3により測定された過去の測定データを格納する。
記憶部24は、制御部26から受信したコマンドなどに基づき、制御プログラム240A、アプリケーション240B、しきい値241、履歴データ242を、制御部26に出力する。
記憶部24は、例えばメモリコントローラと不揮発性メモリとを含むとしてもよい。この場合、メモリコントローラは、例えば、不揮発性メモリを制御する。不揮発性メモリとしては、例えばSSD(Solid State Disk)、又は、HDD(Hard Disk Drive)などの様々なメモリが用いられる。
通信部25は、無線アンテナ250及び通信コントローラ251を含む。
通信部25は、計測装置3と近距離無線通信可能である。通信コントローラ251は、無線アンテナ250を介して計測装置3と間のコマンド、アドレス、データ、信号などの送受信を制御する。
また、通信部25は、ネットワークNに接続可能であってもよい。ネットワークNは、具体的には、インターネットなどである。通信コントローラ251は、無線アンテナ250及びネットワークNを介して医療機関4のサーバ装置41とのコマンド、アドレス、データ、信号などの送受信を制御する。
なお、本実施形態において、近距離無線通信は、Bluetooth(登録商標)であるとして説明する。しかしながら、近距離無線通信は、無線LAN(Local Area Network)、その他の規格に準拠する無線通信でもよい。
本実施形態において、情報処理装置2と計測装置3との間は無線通信により双方向通信可能としているが、有線通信により双方向通信可能としてもよい。
制御部26は、例えば、入力部21、記憶部24、通信部25からのコマンドなどに基づいて、各部の諸動作を制御する。制御部26は、入力されたデータ、又はそれらのデータの計算結果に基づいて、各部を制御し、必要に応じて各部にコマンドなどを出力する。
制御部26は、各部と内部バス2Bにより電気的に接続されており、各部と電気的に通信する。つまり、制御部26は、各部からデータを受け取り、そのデータ又はそのデータの計算結果を出力することが可能である。
制御部26は、上述したように、記憶部24に格納されている制御プログラム240A及びアプリケーション240Bを実行し、アプリケーション制御部261としての機能を実現する。
制御プログラム240Aは、例えば、当該アプリケーション240Bを起動するためのBIOS(Basic I/O System)又はオペレーティングシステム(OS:Operating System)などを含む。
本実施形態において、アプリケーション240Bは、制御プログラム240Aによる制御及び管理の対象となるソフトウェアであり、便失禁治療のバイオフィードバック療法をサポートする処理を実行する。アプリケーション240Bは便失禁治療を包含する機能を備えるとともに、その機能を患者が分かりやすいように表示し、患者自身が操作可能なユーザインタフェースを提供する。
アプリケーション制御部261は、データ解析部261Aと、計測装置制御部261Bと、判定部261Cとを含む。
データ解析部261Aは、計測装置3より受信したデータを解析する。解析の第1の例として、データ解析部261Aは、計測装置3より受信した圧力データを解析し、特徴データを抽出し、特徴データを表示する。圧力データは、例えば、圧力値である。特徴データは、例えば、最大静止圧(MRP:Maximum Resting Pressure)、最大随意圧(MSP:Maximum Squeeze Pressure)などである。なお、特徴データは、これら以外のデータであってもよい。解析の第2の例として、データ解析部261Aは、計測装置3より受信した圧力データ及び電位データを解析し、それぞれの値を時系列にグラフ表示可能なグラフデータを生成する。そして、データ解析部261Aは、特徴データとグラフデータの少なくとも一方を記憶部24に格納する。
計測装置制御部261Bは、計測装置3の動作を制御する。より具体的には、計測装置制御部261Bは、後述する動作モード(測定モード、トレーニングモード、刺激モード)ごとに計測装置3が実行する動作を判断し、各動作モードに必要なコマンドなどを通信部25を経由して計測装置3に送信する。また、例えば、計測装置制御部261Bは、後述する計測装置3のキャリブレーションの際に、通信部25を経由して計測装置3へ校正コマンドを送信する。
判定部261Cは、例えば、トレーニングモードにおいて、トレーニングが終了したか否かを判定する。より具体的には、判定部261Cは、記憶部24よりしきい値241を読み出し、しきい値241とトレーニングモードで得られた最新の圧力データ又は電位データとを比較する。例えば、判定部261Cは、トレーニングモードで計測装置3より得られた患者の圧力データの値又は電位データの値がしきい値241を越えている場合、トレーニング終了と判断する。また、判定部261Cは、例えば、トレーニングの進捗に応じて、しきい値241を自動的に調整してもよい。
アプリケーション制御部261は、例えば、表示部22に表示されたアプリケーション画面がタッチ(押下)されることにより入力部21に対して入力があった場合に、当該入力に基づいて計測装置制御部261Bに計測装置3を制御させる。また、例えば、アプリケーション制御部261は、計測装置3からデータを受信した場合に、データ解析部261Aに当該データを解析させ、解析結果を表示部22に表示する。また、例えば、アプリケーション制御部261は、患者の入力部21に対する入力に応じ、アプリケーション240Bの状態を更新する。
制御部26は、例えば、プロセッサ、主記憶装置、ファームウェア、基板上に形成された回路、又はそれらの1つ又は複数の組合せである。すなわち、制御部26は、ハードウェアによって実装されてもよく、プロセッサがソフトウェアを実行することにより実装されてもよい。プロセッサとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、又は、DSP(Digital Signal Processor)などが利用される。
バッテリ部27は、情報処理装置2に電力を供給する電源である。バッテリ部27は、例えば電池である。バッテリ部27は、乾電池、蓄電池、燃料電池などでもよい。より具体的には、バッテリ部27は、リチウムイオン電池などでもよい。情報処理装置2は、バッテリ部27から供給される電力により、動作及び通信可能である。
なお、本実施形態において、通信コントローラ251は、制御部26に含まれていてもよい。また、通信コントローラ251と制御部26は、1つのコントローラとして実現されてもよい。
計測装置3は、上述のように、肛門に挿入可能なデバイスである。計測装置3は、肛門内の圧力、不随意筋の電位などを測定可能である。また、計測装置3は、測定だけでなく、例えば微弱電流、振動などの刺激(アクティブ刺激と称する)を患者に与えることで、バイオフィードバックの効果が高まる。
計測装置3は、情報処理装置2と無線通信可能であり、アプリケーション制御部261により制御される。
計測装置3は、制御部31と、バッテリ部32と、通信部33と、振動発生部34と、電流発生部35とを含む。
制御部31は、例えば、情報処理装置2からのコマンドなどを、通信部33を経由して受信し、各部の諸動作を制御する。
制御部31は、各部と内部バス3Bにより電気的に接続されており、各部と電気的に通信する。つまり、制御部31は、各部からデータを受け取り、そのデータ又はそのデータの計算結果を出力することが可能である。
制御部31は、圧測定部311と、電位測定部312と、調整部313とを含む。
圧測定部311は、肛門内の圧力を測定する。制御部31は、通信部33を経由して圧測定のためのコマンドを受信すると、圧測定部311により計測装置3にかけられている圧力を測定する。圧測定部311は、例えば圧力センサである。
電位測定部312は、肛門内の不随意筋の電位を測定する。制御部31は、通信部33を経由して電位測定のためのコマンドを受信すると、電流発生部35により電流を発生させると同時に、電位測定部312により計測装置3に発生する電位差を測定する。電位測定部312は、例えば電位センサである。
調整部313は、例えば、計測装置3の初期のキャリブレーション(校正)を行う。
バッテリ部32は、情報処理装置2のバッテリ部27と同様に、例えば電池である。計測装置3は、バッテリ部32から供給される電力により、動作及び通信可能である。なお、計測装置3は、非接触充電可能であってもよい。この場合、図1に示すように、バッテリ部32は、充電制御部321を含むとしてもよい。充電制御部321は、非接触充電の充電制御を行う。
通信部33は、情報処理装置2と近距離無線通信可能である。通信部33は、無線アンテナ330と通信コントローラ331とを含む。通信コントローラ331は、無線アンテナ330を介して情報処理装置2との間のコマンド、アドレス、データ、信号などの送受信を制御する。
振動発生部34及び電流発生部35は、患者に対しアクティブ刺激を発生する。
振動発生部34は、アプリケーション制御部261からの振動発生コマンドにしたがって指定された周期で振動を発生する。本実施形態に係るバイオフィードバック療法を用いた便失禁治療では、振動発生部34は、例えば、低周波の振動を発生する。計測装置3が肛門に挿入された状態で計測装置3が振動することで、肛門内の便刺激を疑似的に再現できる。以下、振動発生部34は、低周波の振動を発生するとして説明する。しかしながら、振動発生部34は、低周波以外の振動を発生してもよい。
電流発生部35は、アプリケーション制御部261からの電流発生コマンドにしたがって指定された電流を発生する。本実施形態に係るバイオフィードバック療法を用いた便失禁治療では、電流発生部35は、計測装置3の表面に微弱電流を発生する。計測装置3が肛門に挿入された状態で電流が流れることで、肛門内の不随意筋を刺激することができる。
なお、計測装置3は、体内に挿入する度に洗浄されることが望ましいため、計測装置3は防水加工されていることが望ましい。また、計測装置3は、図1及び図2に示すように、肛門への挿入時に使用される、使い捨てのカバーcvを装着可能であってもよい。カバーcvは、計測装置3の振動を患者の肛門へ伝達するために伸縮可能であり、計測装置3から患者の肛門へ微弱電流を流すことが可能なためある程度の導電性を有することが好ましい。
医療機関4は、サーバ装置41と、データベース42とを含む。
サーバ装置41は、ネットワークNを経由して、情報処理装置2の記憶部24に格納された履歴データ242を受信する。サーバ装置41は、受信した履歴データ242をデータベース42へ登録する。データベース42は、履歴データ242を患者ごとに容易に検索可能に格納することが望ましい。
PC5は、情報処理装置2と接続可能なPC(Personal Computer)である。例えば、PC5は、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータである。
PC5は、制御部51を含む。制御部51は、PC5の諸動作を制御する。また、制御部51は、PC5と情報処理装置2とが接続(PC接続と称す)されている場合に、情報処理装置2との間でデータ、アドレス、コマンドなどを送受信可能である。
図3は、本実施形態に係る排泄治療システム1の状態遷移処理を例示するフローチャートである。
より具体的には、図3は、アプリケーション制御部261のモード遷移を例示する。
ステップS101において、アプリケーション制御部261は、表示部22に初期メニュー画面を表示する。初期メニュー画面には、例えば、計測装置3と接続する画面に遷移するためのボタン(機器接続ボタンと称す)、患者が治療履歴を確認する画面に遷移するためのボタン(履歴確認ボタンと称す)、情報処理装置2で測定済の治療データなどを、医師又は患者のPC5などで確認する画面に遷移するためのボタン(PC接続ボタンと称す)などの選択可能な複数のボタンが表示される。
ステップS102において、アプリケーション制御部261は、患者に初期メニューを選択させる。
ステップS102において、PC接続ボタンが選択された場合、アプリケーション制御部261は、情報処理装置2とPC5とを接続して通信可能な状態とし、表示部22にPC接続画面を表示する(ステップS103)。PC接続が終了した場合、初期メニュー表示(ステップS101)に戻る。
ステップS102において、履歴確認ボタンが選択された場合、アプリケーション制御部261は、表示部22に履歴確認画面を表示する(ステップS104)。履歴確認が終了した場合、初期メニュー表示(ステップS101)に戻る。
ステップS102において、機器接続ボタンが選択された場合、アプリケーション制御部261は、表示部22に機器接続画面を表示し、計測装置3との無線接続を行う(ステップS105)。計測装置3との無線接続に成功すると、処理はステップS106に進む。
なお、初期メニュー画面、PC接続画面、履歴確認画面、機器接続画面の詳細については、図4で後述する。
ステップS106において、アプリケーション制御部261は、キャリブレーションを実行する。ここで、キャリブレーションとは、計測装置3の機器の偏りを基準量などによって校正することである。なお、計測装置3を接続した場合には、最初にキャリブレーションが実行されることが望ましい。したがって、アプリケーション制御部261は、計測装置3の接続完了後、自動的にキャリブレーションを実行するものとする。しかしながら、例えばアプリケーション制御部261の判断又は患者の選択により、キャリブレーションがスキップされ、処理がステップS107へ進んでもよい。キャリブレーションの詳細は、図5及び図6で後述する。
ステップS107において、アプリケーション制御部261は、図7で後述する治療メニューを表示する。治療メニューには、後述する測定モード、トレーニングモード、刺激モードを実行するための選択可能なボタンが表示される。
ステップS108において、アプリケーション制御部261は、患者に治療メニューを選択させる。
ステップS108において、測定モードが選択された場合、アプリケーション制御部261は、測定モードを実行する(ステップS109)。測定モードの詳細は、図8及び図9で後述する。測定モードを終了した場合、処理は治療メニュー表示(ステップS107)に戻る。
ステップS108において、トレーニングモードが選択された場合、アプリケーション制御部261は、トレーニングモードを実行する(ステップS110)。トレーニングモードの詳細は、図10乃至図13で後述する。トレーニングモードを終了した場合、処理は治療メニュー表示(ステップS107)に戻る。
ステップS108において、刺激モードが選択された場合、アプリケーション制御部261は、刺激モードを実行する(ステップS111)。刺激モードの詳細は、図14乃至図16で後述する。刺激モードを終了した場合、処理は治療メニュー表示(ステップS107)に戻る。
なお、治療メニューには、初期メニュー表示(ステップS101)に戻るためのボタン(例えば、「戻る」ボタンなど)が設けられていてもよい。当該ボタンが選択されると、処理は初期メニュー表示に戻る。
図4は、本実施形態に係る情報処理装置の画面遷移を例示する図である。
初期メニュー画面A1は、図3のステップS101において、表示部22に表示される。
初期メニュー画面A1には、上述のように、機器接続ボタンAb、履歴確認ボタンAc、PC接続ボタンAdなどの選択可能なボタンが表示される。
患者により機器接続ボタンAbが選択された場合、アプリケーション制御部261は、表示部22に機器接続画面A2を表示するとともに、計測装置3との無線接続を試みる。
機器接続画面A2は、例えば、接続状態表示A21、接続状態メッセージA22を含む。例えば、計測装置3を接続中の場合、接続状態表示A21には何も表示されず、接続状態メッセージA22には、接続中である旨のメッセージ(又は、接続失敗した旨のメッセージ)が表示されてもよい。また、例えば、計測装置3を接続完了した場合、接続状態表示A21には、接続完了を示すアイコンA23が表示され、接続状態表示A21には、接続完了した旨のメッセージが表示されてもよい。
患者により履歴確認ボタンAcが選択された場合、アプリケーション制御部261は、記憶部24より履歴データ242を読み出し、読み出した履歴データ242に基づいて、表示部22に履歴確認画面A3を表示する。
履歴確認画面A3は、例えば、日付ごとに各治療メニュー(測定モード、トレーニングモード、刺激モード)の各項目の測定結果を表示する。なお、履歴確認画面A3は、日付の測定結果の変化を表示可能であってもよい。より具体的には、例えば、履歴確認画面A3は、日付ごとの測定モードで得られた特徴データ(例えば、MRP、MSPなど)を、縦軸を圧力(例えばmmHG)、横軸を日付としたグラフで表示可能であってもよい。
患者によりPC接続ボタンAdが選択された場合、アプリケーション制御部261は、表示部22にPC接続画面A4を表示する。また、アプリケーション制御部261は、情報処理装置2と有線接続されたPC5とデータ、アドレス、コマンドなどを送受信可能な状態(PC接続モードと称す)にする。アプリケーション制御部261は、情報処理装置2と有線接続されたPC5がない場合は、周囲のPC5と無線接続を行い、PC接続モードへの移行を試みるとしてもよい。
PC接続画面A4は、例えば、接続状態表示A41、接続状態メッセージA42を含む。接続状態表示A41は、例えばアイコンA43を表示してもよい。PC接続画面A4の制御は、機器接続画面A2と同様である。
情報処理装置2とPC5との接続は、無線接続でもよく、又は、有線接続でもよい。
また、例えば、情報処理装置2とPC5とが有線接続された場合、アプリケーション制御部261は、自動的にPC接続画面A4を表示してもよい。
なお、本実施形態において、PC接続モードにおける情報処理装置2の具体的な制御は、PC5側の制御部51が行うことが望ましい。しかしながら、アプリケーション制御部261は、例えばPC接続モードの終了など、PC接続モードの一部の制御を実行可能でもよい。この場合、PC接続画面A4には、PC5との接続完了後に、例えば患者が選択可能な接続終了ボタンが設けられてもよい。
なお、図4に示す機器接続画面A2、履歴確認画面A3、PC接続画面A4は例であり、上述の表示態様に限られない。
図5及び図6は、それぞれ、本実施形態に係る計測装置3のキャリブレーション画面A5の第1及び第2の例を示す図である。
キャリブレーション画面A5は、上記図3のステップS106において表示部22に表示される画面である。
キャリブレーションは、例えば以下の手順で行われる。
まず、図5に示すように、アプリケーション制御部261は、キャリブレーション用の電位又は圧力を測定可能な状態にする手順A51を表示する。ここで、手順A51は、例えば、あらかじめ定められた値(目標値と称す)の圧力又は電位を発生可能な器具を、計測装置3にセットする手順であってもよい。
次に、患者は表示部22に表示された手順に従い、キャリブレーションの準備を行い、表示部22に表示されたセット完了ボタンA52をタッチする。これにより、アプリケーション制御部261は、計測装置3に対し、キャリブレーション開始のコマンドを送信する。
計測装置3がキャリブレーション開始のコマンドを受信すると、調整部313は、キャリブレーション用の電位又は圧力を測定し、例えば、測定値をリアルタイムで情報処理装置2へ送信する。
制御部26は、計測装置3より測定値を受信し、目標値と当該測定値との誤差を計算する。誤差がある場合、制御部26は、測定値の誤差を修正するコマンドを計測装置3へ送信する。計測装置3が当該コマンドを受信すると、調整部313は、計測装置3の計測精度を調整する。
なお、アプリケーション制御部261は、表示部22に当該測定値、目標値を表示しても良い。例えば、図6に示すように、キャリブレーション画面A5は、目標値A55、測定値A57を表示する。また、測定値A57は、測定値A57を示す軸が弧を描くようにグラフ表示されてもよい(グラフA56)。これにより、患者の測定値に対する視認性が向上する。
なお、図6の例では、目標値A55が100mmHGであるのに対し、測定値A57が93mmHGである。このため、調整部313は、7mmHG分の計測精度を補正する。
図7は、本実施形態に係る情報処理装置2に表示される治療メニュー画面A6を例示する図である。
治療メニュー画面A6は、上記図3のステップS107において表示部22に表示される画面である。すなわち、治療メニュー画面A6は、計測装置3のキャリブレーションが完了した後に表示部22に表示される。
治療メニュー画面A6は、例えば、接続状態表示A61、アイコンA62、治療モード選択ボタンA63を含む。接続状態表示A61、アイコンA62は、上記図4の機器接続画面A2と同様に、計測装置3が接続されているか否かを表示する。
なお、患者は、接続状態表示A61を確認し、計測装置3が切断されていると判断した場合、速やかに計測装置3を再接続可能であることが望ましい。より具体的には、例えば、アプリケーション制御部261は、患者が接続状態表示A61をタッチした場合に、処理を上記図3のステップS105に戻し、機器接続画面A2を表示部22に表示させる。
治療モード選択ボタンA63には、例えば、患者が選択可能な測定モード選択ボタンA631、トレーニングモード選択ボタンA632、刺激モード選択ボタンA633が含まれる。患者が各ボタンを選択することで、アプリケーション制御部261は、各ボタンに対応するモードへ遷移する。
以下、各モードの詳細について述べる。
図8は、本実施形態に係る測定モードにおける処理を例示するフローチャートである。図8の処理は、上記図3のステップS109の処理に相当する。
測定モードは、患者の肛門に挿入した計測装置3を用いて、肛門内の圧力を測定するモードである。
ステップS301において、情報処理装置2のアプリケーション制御部261は、表示部22に測定モード画面を表示し、通信部25を経由して計測装置3へ圧測定の開始コマンドを送信する。
ステップS302において、計測装置3の制御部31は、通信部33を経由して圧測定の開始コマンドを受信する。そして、制御部31の圧測定部311は、圧測定を開始する。
ステップS303において、圧測定部311は、圧測定により得られた圧測定値を、通信部33を経由して情報処理装置2へ送信する。
ステップS304において、アプリケーション制御部261は、通信部25を経由して圧測定値を受信し、測定モード画面上へ圧測定値を表示する。具体的な圧力の測定値の表示態様については、図9で後述する。
ステップS305において、アプリケーション制御部261は、計測装置3より得られた最新の圧力の測定値(現在の圧測定値と称す)を用いて、例えばMRP,MSPなどの特徴データを計算する。この場合、アプリケーション制御部261は、履歴データ242のうちの圧力の測定値(過去の圧測定値と称す)を読み出し、この現在の圧測定値と過去の圧測定値とを用いて、特徴データを計算してもよい。計算の結果、特徴データのうち少なくとも一つが検出された場合、処理はステップS306へ進む。特徴データが検出されなかった場合は、処理はステップS303へ戻る。
なお、ステップS305及びステップS306の処理は、ステップS303の処理と並列して実行されてもよい。
ステップS306において、アプリケーション制御部261は、ステップS305で得られた特徴データの値を測定モード画面上へ表示する。また、アプリケーション制御部261は、得られた特徴データの値を履歴データ242へ格納する。
ステップS307において、アプリケーション制御部261は、測定モードの終了を判断する。測定モードは、患者の操作により終了してもよく、又は、例えば、一定時間経過後に自動的に終了してもよい。測定モードを継続する場合、アプリケーション制御部261及び制御部31は、ステップS303乃至ステップS306の処理を繰り返す。
一方、測定モードを終了する場合、ステップS308において、アプリケーション制御部261は、測定した圧測定値を記憶部24の履歴データ242へ格納し、通信部25を経由して計測装置3へ圧測定の終了コマンドを送信する。
ステップS309において、計測装置3の制御部31は、通信部33を経由して圧測定の終了コマンドを受信する。そして、制御部31の圧測定部311は、圧測定を終了する。
図9は、本実施形態に係る情報処理装置2に表示される測定モード画面A8を例示する図である。
測定モード画面A8は、上記図3のステップS109、上記図8のステップS301において表示部22に表示される画面である。
測定モード画面A8には、上記図6のキャリブレーション画面A5と同様、例えば、測定値A81、及び、測定値A81を示す軸が弧を描くように測定値A81をグラフ表示したグラフA82が表示される。なお、測定値A81及びグラフA82は、いずれか一方のみ表示されてもよく、又は、双方が同じ画面上に表示されてもよい。
また、測定モード画面A8には、グラフA83、測定開始のためのスタートボタンA84、測定終了のためのストップボタンA85が表示される。
グラフA83は、測定した圧測定値を時系列に表示するグラフである。例えば、縦軸は圧を示し、横軸は時間を示す。また、上記図8のステップS306で、特徴データのうち、例えばMRPが検出された場合は、MRP表示A86が表示され、例えばMSPが検出された場合、MSP表示A87が表示される。MRP表示A86及びMSP表示A87は、患者が視認しやすいように、グラフA83と同じ画面上に表示されるのが好ましい。
図10は、本実施形態に係るトレーニングモードにおける処理を例示するフローチャートである。
トレーニングモードは、患者の肛門に計測装置3を挿入した状態で、患者が表示部22に表示されたトレーニングモード画面の指示に従い、肛門内圧を高めるためのトレーニングを行うモードである。なお、以下では、トレーニングモードにおいて患者の肛門の圧を測定する処理について説明するが、患者の肛門の電位を測定する場合にも適用可能である。
ステップS301において、情報処理装置2のアプリケーション制御部261は、表示部22にトレーニングモード画面を表示し、通信部25を経由して計測装置3へ圧測定の開始コマンドを送信する。この場合、トレーニングモード画面には、患者にトレーニング開始の準備を促す旨の画面が表示されていることが望ましい。
ステップS502、S503の制御部31における処理は、上記図8のステップS302、S303と同様である。
ステップS504において、アプリケーション制御部261は、トレーニング準備が完了したか否か判断する。より具体的には、アプリケーション制御部261は、例えば、計測装置3より得られる圧が所定の時間、所定の範囲に収まっていることを検出することで、患者のトレーニング準備が完了したと判断してもいよい。患者のトレーニング準備が完了していない場合は、ステップS503及びステップS504の処理が繰り返される。
一方、患者のトレーニング準備が完了したと判断した場合、アプリケーション制御部261は、ステップS505において、トレーニングモード画面にトレーニング実行指示を表示する。患者は、トレーニング実行指示に従いトレーニングを実施する。
ステップS506において、トレーニング中は、常に圧測定値が計測装置3よりアプリケーション制御部261へ送信される。
ステップS507において、アプリケーション制御部261の判定部261Cは、トレーニングの終了を判断する。判定部261Cは、例えば、計測装置3より得られた患者の圧測定値と、記憶部24より読み出したしきい値241とを比較し、患者の圧測定値がしきい値241を超えた場合に、トレーニングが終了したと判断してもよい。なお、判定部261Cは、上述以外の基準でトレーニングが終了したことを判断してもよい。例えば、判定部261Cは、患者の圧測定値がしきい値241を越えた回数、時間などを判断基準に用いてもよい。また、判定部261Cは、例えば、患者がトレーニングモードを終了させた場合に、トレーニングが終了したと判断してもよい。トレーニングを継続する場合、アプリケーション制御部261及び制御部31は、ステップS505乃至ステップS507の処理を繰り返す。
一方、トレーニングを終了する場合、ステップS508において、アプリケーション制御部261は、測定した圧測定値を記憶部24の履歴データ242へ格納し、通信部25を経由して計測装置3へ圧測定の終了コマンドを送信する。
ステップS509において、計測装置3は上記図8のステップS309と同様の処理で圧測定を終了する。
ステップS510において、アプリケーション制御部261の判定部261Cは、トレーニングを終了するか否かの判断に用いるしきい値241の調整が必要か否かを判断する。
しきい値241の調整が必要と判断した場合、判定部261Cは、ステップS511において、しきい値241を変更し、変更されたしきい値241を記憶部24に格納する。より具体的には、例えば、判定部261Cは、履歴データ242に格納された過去の圧測定値と現在の圧測定値とを比較した結果、現在の圧測定値の方が大きい場合に、治療が進んでいると判断し、しきい値241を増加させるとしてもよい。また、判定部261Cは、治療が進んでいないと判断した場合は、当該しきい値を据え置いてもよく、又は、当該しきい値を減少させてもよい。なお、ステップS510において、判定部261Cが、しきい値241の調整が不要と判断した場合、処理はステップS512に進む。
ステップS512において、アプリケーション制御部261は、後述するトレーニングレポートを表示部22に表示する。
なお、ステップS501のトレーニング準備指示、ステップS505のトレーニング実行指示は、それぞれ複数種類存在してもよい。また、アプリケーション制御部261は、トレーニングモードにおいて、上述以外のトレーニングに関する指示を表示部22に表示してもよい。この場合、アプリケーション制御部261及び制御部31は、適宜トレーニング指示に対応したデータの測定、送受信を実行する。
図11及び図12は、それぞれ、本実施形態に係る情報処理装置2に表示されるトレーニングモード画面A9の第1及び第2の例を示す図である。
トレーニングモード画面A9は、上記図3のステップS110、上記図10のステップS501において表示部22に表示される画面である。
トレーニングモード画面A9には、トレーニング指示A91が表示される。トレーニング指示A91は、具体的には、患者にトレーニング方法を促すテキスト又は図などのメッセージである。例えば、上記図10のステップS501のトレーニング準備指示を表示する場合、図11に示すように、「力を抜いて」などのメッセージを表示する。この状態で、例えば、患者の圧測定値が数秒間安定すると、上記図10のステップS504においてトレーニング準備完了と判断される。また、例えば、上記図10のステップS505のトレーニング実行指示を表示する場合、「力を入れて肛門をしめる!」などのメッセージを表示する。患者の圧測定値がしきい値241を越えると、上記図10のステップS507においてトレーニング終了となる。
また、トレーニングモード画面A9には、上記図9の測定モード画面A8と同様、例えば、測定値A93を示す軸が弧を描くように測定値A93をグラフ表示したグラフA92、測定値A93を時系列にグラフ表示したグラフA94が表示される。
図13は、本実施形態に係る情報処理装置に表示されるトレーニングレポート画面A10を例示する図である。
トレーニングレポート画面A10は、上記図9のステップS508において表示部22に表示される画面である。
トレーニングレポート画面A10には、例えば、トレーニングレポートA101、保存ボタンA102が表示される。
トレーニングレポートA101は、例えば、各モードの各治療メニュー(測定モード、トレーニングモード、刺激モード)の各項目の測定結果を表示する。
患者が保存ボタンA102をタッチすると、アプリケーション制御部261は、トレーニングレポートA101のデータを、記憶部24の履歴データ242へ格納する。履歴データ242へ格納されたトレーニングレポートのデータは、上記図4の履歴確認画面A3上で閲覧可能となる。
なお、図8乃至図12においては、患者の肛門内の圧を測定対象とする場合の測定モード及びトレーニングモードの例について説明したが、例えば同様のインタフェースにより、肛門内の電位を測定対象としてもよい。電流を測定する場合は、まず、アプリケーション制御部261の制御により、計測装置3へ電流発生開始のコマンドが送信される。次に、計測装置3の制御部31が電流発生開始のコマンドを受信すると、電流発生部35は、電流を発生する。電流により発生した電位差は、電位測定部312により測定され、さらに、通信部33を経由して情報処理装置2へ送信される。
図14は、本実施形態に係る刺激モードにおける処理を例示するフローチャートである。
刺激モードは、患者の肛門に計測装置3を挿入した状態で、計測装置3より低周波、電流などの刺激を発生し、肛門内を刺激することで肛門内圧の改善を行うモードである。以下、刺激モードにおいて低周波を発生させる処理について説明する。
ステップS701において、情報処理装置2のアプリケーション制御部261は、表示部22に刺激モード設定画面を表示する。刺激モード設定画面では、患者は、例えば低周波の強さ、時間、回数などを選択可能である。
ステップS702において、アプリケーション制御部261は、表示部22に刺激モード実行画面を表示する。刺激モード実行画面は、例えば、低周波刺激中であることを患者に通知する画面である。また、アプリケーション制御部261は、ステップS701で設定された低周波の条件で低周波の発生させる低周波発生開始コマンドを、通信部25を経由して計測装置3へ送信する。
ステップS703において、計測装置3の制御部31は、通信部33を経由して低周波発生開始コマンドを受信する。そして、制御部31の振動発生部34は、コマンドにより指定された条件で低周波を発生する。
ステップS704において、アプリケーション制御部261は、低周波発生回数、低周波発生時間をリアルタイムでカウントし、刺激モード実行画面を更新する。
ステップS705において、アプリケーション制御部261は、低周波刺激の発生を終了するか否かを判断する。低周波刺激は、例えば、患者が指定した時間及び回数を完了した場合に終了してもよく、又は、患者の操作などにより終了してもよい。低周波刺激を継続する場合、アプリケーション制御部261は、ステップS704,S705の処理を繰り返す。
一方、低周波刺激を終了する場合、ステップS706おいて、アプリケーション制御部261は、低周波刺激の実行履歴(履歴データ)を記憶部24の履歴データ242へ格納する。また、アプリケーション制御部261は、通信部25を経由して計測装置3へ低周波発生の終了コマンドを送信する。
ステップS707において、計測装置3の制御部31は、通信部33を経由して低周波発生の終了コマンドを受信する。そして、制御部31の振動発生部34は、低周波の発生を終了する。
図15及び図16は、それぞれ、本実施形態に係る刺激モード画面A11の第1及び第2の例を示す図である。
図15に示すように、刺激モード画面A11には、強度選択表示A111、時間選択表示A112、回数選択表示A113、スタートボタンA114が表示される。
強度選択表示A111は、低周波の強度を選択させるユーザインタフェースを表示する。強度は、例えば、低周波の強度を表す弱、中、強などのボタンにより選択可能であってもよく、又は、スライドボタンなどで多段階に指定可能であってもよい。
時間選択表示A112は、低周波の発生時間を選択させるユーザインタフェースを表示する。時間は、便失禁治療において標準的な低周波の発生時間を表すボタン(例えば、15秒、30秒、45秒など)により選択可能であってもよく、又は、スライドボタンなどで多段階に指定可能であってもよい。
回数選択表示A113は、低周波の発生回数を選択させるユーザインタフェースを表示する。より具体的には、時間選択表示A112で選択した時間の低周波を、何回発生させるかを患者に選択させる。回数、便失禁治療において標準的な低周波の発生回数を表すボタン(例えば、1回、3回、5回など)により選択可能であってもよく、又は、スライドボタンなどで多段階に指定可能であってもよい。
なお、強度選択表示A111による強度の指定方法、時間選択表示A112による時間の指定方法、回数選択表示A113による回数の指定方法は、上述の方法に限られない。また、強度、時間、回数は、全てが患者により指定可能でなくてもよい。例えば、強度、時間、回数のうちいずれか1つ以上が患者により指定可能でもよい。
スタートボタンA114は、低周波刺激を開始するボタンであり、上記図14のステップS702の処理に対応する。すなわち、患者によりスタートボタンA114がタッチされると、アプリケーション制御部261は、選択された強度、時間、回数の条件で低周波を発生させる低周波発生コマンドを計測装置3へ送信する。
スタートボタンA114がタッチされることにより低周波刺激が開始されると、例えば、図16に示すように、刺激モード画面A11には進捗表示A115、低周波刺激を一時停止するポーズボタンA116、低周波刺激を終了するストップボタンA117が表示される。
進捗表示A115は、低周波刺激の進捗状況を患者に知らせる表示であり、例えば、患者が選択した強度、回数、全体時間、残り時間などが視認可能に表示される。例えば、進捗表示A115には、指定した回数の何回目を実行中であるかが表示されてもよい。また、例えば、進捗表示A115には、低周波発生時間、残り時間などが図16に示すような進捗バーにより表示されてもよい。進捗表示A115は、上記図14のステップS704の処理によりリアルタイムに更新される。
なお、図14乃至図16に示した刺激モードにおいて、振動発生部34より低周波刺激を発生する場合の例について説明したが、計測装置3は、低周波以外の刺激を発生可能であってもよい。例えば、計測装置3は、刺激モードにおいて、電流発生部35より電流を発生してもよい。低周波以外の刺激を発生する場合でも、刺激モード画面A11と同様のインタフェースとすることで、患者は容易な操作により当該刺激を発生可能である。
以上説明した本実施形態においては、患者の情報処理装置2に格納されたアプリケーション240Bと計測装置3を用い、例えば、測定モードにおいては、計測装置3により測定された圧測定値を患者に視認しやすいように加工し、表示部22に表示する。また、トレーニングモードにおいては、トレーニングの開始から終了までの手順を表示部22に表示する。さらに、トレーニングモードにおいては、判定部261Cがトレーニングの終了を判定する際に参照するしきい値241を、治療の進捗に応じて自動的に調整可能とする。これにより、患者が一人でかつ自宅などで簡単に排泄治療を行うことができる。
また、測定データ、トレーニングデータなどを記憶部24の履歴データ242に格納しておき、履歴確認画面、又は、PC接続モードなどを用いて後日これらのデータを訓練機関などに提出することで、患者はバイオフィードバック治療の専門家がいなくても患者が簡単に訓練及び治療可能である。さらに、当該データを情報処理装置2より医療機関のサーバに送信することにより、バイオフィードバックに詳しくない医療施設や、小規模クリニックにおいても簡単に治療可能となる。
本実施形態において、アプリケーション制御部261は、患者による音声入力を解析し、アプリケーション240Bを制御可能であってもよい。また、アプリケーション制御部261は、患者がアプリケーション240Bの操作を行う際に、必要に応じて音を発してもよい。これにより、患者のアプリケーション240Bに対する利便性がさらに向上する。
本実施形態においては、計測装置3にカバーcvを装着し、このカバーcvで覆われた状態で計測装置3を患者の肛門に挿入することができる。これにより、治療後にはカバーcvを計測装置3から外し、カバーcvを廃棄することができ、計測装置3のメンテナンスの労力を軽減することができ、計測装置3を清潔に保つことができる。
本実施形態において、情報処理装置2を例えばスマートフォン、タブレット型コンピュータ、ノート型コンピュータとすることにより、患者は情報処理装置2に必要となる費用を節約することができる。また、患者は普段から使いなれたデバイスにより操作をすることができ、音、画像表示、デバイスの振動機能により、バイオフィードバック療法に関する通知を受けることができる。
本実施形態においては、計測装置3が肛門内に挿入されて使用される場合について説明をしている。しかしながら、計測装置3は、例えば、肛門の近傍であり肛門外に装着され又は貼り付けられ、この装着位置又は貼り付け位置において肛門周辺の電位の値などを測定可能とすることで肛門の筋肉の動作を観察可能な非挿入型のデバイスでもよい。この非挿入型の計測装置3で測定された例えば電位の値、電位の変化、電位の統計データ、電位の特徴データに基づいて、情報処理装置2は、バイオフィードバック療法を用いた排泄治療をサポートするための各種処理を実行する。これにより、計測装置3を肛門内に挿入する必要がなく、患者の負担をより一層軽減することができる。
上記の各実施形態は、例示であり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記の各実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記の各実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。