JP2004193541A - 光増幅器 - Google Patents

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Abstract

【課題】一般の希土類添加増幅媒体を用いた、利得プロファイルを一定に制御できる光増幅器および制御方法を提供する。
【解決手段】本発明の光増幅器は、増幅媒体として希土類イオンをコアおよび/またはクラッドに添加した希土類添加ファイバまたは希土類添加光導波路、該増幅媒体を励起するための励起手段、前記増幅媒体の増幅帯域内の波長を有する制御光を前記増幅媒体に入力し、その入力パワーを変化させることで前記増幅媒体の反転分布状態を制御できる1以上の制御光源、前記増幅媒体に入出力する光パワーをモニタする監視手段、および、前記監視手段より得られた値から該光の利得を算出し、予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記制御光源を制御するための制御部とを含む。また、本発明は、該増幅器を用いる利得プロファイルを一定に制御する方法を含む。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光増幅器に関する。より詳細には、希土類イオンを含有する増幅媒体を備えた光増幅器の利得プロファイルを制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
波長分割多重(WDM)通信は、近年における光通信容量の急増に対応する最も有効な手段の1つである。WDM通信では信号チャネル数の増加により、通信容量の拡大を行うことを特徴としているが、そのためには信号波長域の拡大が不可欠である。
【0003】
現在のWDM通信では、希土類イオン添加光ファイバ増幅器が使用されている。WDM通信で使用されている増幅帯域としては、エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)の増幅帯域であるC帯(1530nm〜1570nm)がある。
【0004】
一方、C帯と同等の低損失と低分散性を有する帯域として、S帯(1460nm〜1530nm)があり、次世代の信号波長域として注目されている。ツリウム添加光ファイバ増幅器(TDFA)は、S帯に増幅帯域を有しており、精力的な検討がなされている。
【0005】
S帯用のTDFAでは、光増幅器全体でL帯のEDFAと同等のパワー変換効率(40%)が達成されており、WDM伝送の実験も成功している(例えば、OFC2001 PD−1(非特許文献1)参照)。さらに、C帯の増幅帯域を使用したEDFAとL帯の増幅帯域を使用したEDFAとの帯域合波による広帯域化も達成されており、これにより10.9Tbit/sの広帯域伝送が報告されている(例えば、OFC2001 PD−24(非特許文献2)参照)。
【0006】
ところで、希土類添加光ファイバを増幅媒体として用いた増幅器を中継器として複数用いたWDM通信において、中継後の増幅器の出力スペクトルが変化し、場合によっては、そのスペクトルが大きく歪むという問題が発生する。
【0007】
このような現象が現れるのは、伝送路の損失の経時変化や信号チャネル数の変化により光増幅器への入力信号光のパワーが変化し、これによって光増幅器の利得スペクトルが変化し、この変化が伝送路全体で累積して信号の歪みが生じるためである。
【0008】
上述の増幅器の利得スペクトルが大きく歪む現象は、伝送距離を制限する要因となるため、増幅器の利得スペクトルが一定になるように制御する必要がある。その制御方法としては、各光増幅器において利得プロファイルを一定に保つように制御すること(以下、利得プロファイル一定制御とも称する。)が有効である。
【0009】
例えば、石英系EDFAの制御方法の一例として、1チャネルの信号光の利得をモニタし、そのチャネルの利得が常に一定となるように励起光パワーを制御する方法がある。石英系EDFAの利得プロファイルを一定に制御する方法は、この方法でほぼ確立されている。また、フッ化物PDFAの利得プロファイル一定制御についても同様の方法で制御することができる。これらの光増幅器の増幅媒体(光ファイバ)は、増幅に関与する準位が実質的に2つである増幅メカニズムにより動作する。そのメカニズムは、増幅に関与する始準位(以下増幅始凖位ともいう)と、増幅に関与する終準位(以下増幅終凖位ともいう)または基底準位のみで取り扱うことができる非常に希なケースである。
【0010】
これらのケースについて、図1を参照して説明する。図1(A)は石英系EDFAの励起準位模式図であり、図1(B)は、プラセオジム添加光ファイバ増幅器(PDFA)の励起準位模式図である。
【0011】
石英系EDFAでは、図1(A)に示されるように、増幅終準位と基底準位が一致するため、増幅に関与する準位が増幅始準位(13/2)と増幅終準位(15/2)の2つとなる。従って、1チャネルの信号光の利得をモニタし、そのチャネルの利得が常に一定となるように励起光源の光量を調節して、利得プロファイルを一定に保つように制御することができる。
【0012】
また、PDFAでは、図1(B)に示すように、増幅に関与する準位が増幅始準位、増幅終準位および基底準位の3つ存在する。しかし、PDFAでは、増幅終準位の蛍光寿命が増幅始準位に比べ非常に短いため、増幅終準位を無視して考えることができる。従って、石英系EDFAと同様にして利得プロファイルを一定に保つように制御することができる。
【0013】
このように、増幅に関与する準位が実質的に2つである場合には、利得プロファイルを一定に保つことは比較的容易である。
【0014】
しかし、一般には、希土類イオンを添加した増幅媒体を用いた光増幅器では、増幅に関与する準位が実質的に2つと見なせる場合は少なく、このような一般的な光増幅器には、上述のような、1つの信号の波長の利得をモニターし、その利得の変化から励起光源の光量を調節して、利得プロファイルを一定に保つように制御する方法を適用することができない。即ち、励起光源の光量を調節して、1つの信号の波長の利得を一定に制御するのみでは、入力信号のレベルの変動やその他の条件(例えば温度変化)に対して利得プロファイルを一定に制御することはできない。
【0015】
このため、このような系では基本的に2種類の異なる信号の波長での利得をモニタすることが必要となり、複雑な制御をする必要があった。
【0016】
上述のように、一部の希土類イオンが添加された増幅媒体(光ファイバあるいは光導波路)を用いた光増幅器では、1つの信号の波長での利得をモニタして、励起光を制御して、利得プロファイルを一定に制御することができるが、その他の希土類イオンが添加された増幅媒体を用いた光増幅器では、利得プロファイルを一定に制御することができない。
【0017】
上述のような1つの信号の波長の利得をモニターし、その変化に基づいて励起光源の光量を調節して、利得プロファイルを一定に保つ方法とは別に、制御光を用いて利得プロファイルを一定に保つ方法も提案されている。
【0018】
例えば、E. Desurvire et al., ”Dynamic gain compensation in saturated erbium −doped fiber amplifiers”., IEEE, Photonics technology letters, vol. May 1991(非特許文献3)には、1波長のASEレベルをモニタし、ASEレベルが一定になるように制御光のパワーを制御することが開示されている。
【0019】
また、特開2000−261079号公報(特許文献1)には、希土類添加光ファイバの後方から制御光を入力し、該光ファイバから出力される制御光のパワーをモニタし、このパワーが一定になるように制御光の光源を制御する光増幅器および制御方法が開示されている。
【0020】
また、特開平8−304856号公報(特許文献2)には、増幅媒体に入力される励起光と増幅媒体から出力される励起光とをモニタし、これらの値の比率から、光増幅器に入射される制御光のパワーを制御することが開示されている。
【0021】
また、制御光と信号光の総入力パワーをモニタし、このパワーが一定になるように制御光のパワーを制御すること、および、制御光と信号光の総出力パワーをモニタし、このパワーが一定になるように制御光のパワーを制御することも開示されている。
【0022】
しかし、上述のような制御光を用いる方法は、増幅に大きく関与する準位(即ち、利得スペクトルの状態を決定する上で考慮すべき準位をいう。)が2つのみである石英系EDFAに対しては制御可能であるが、TDFA、その他の希土類添加光ファイバ増幅器に対しては制御できない。
【0023】
【特許文献1】
特開2000−261079号公報
【0024】
【特許文献2】
特開平8−304856号公報
【0025】
【非特許文献1】
OFC2001 PD−1
【0026】
【非特許文献2】
OFC2001 PD−24
【0027】
【非特許文献3】
E. Desurvire et al., ”Dynamic gain compensation in saturated erbium −doped fiber amplifiers”., IEEE, Photonics technology letters, vol. May 1991
【0028】
【非特許文献4】
E. Desurvire, ”Erbium−Doped Fiber Amplifiers,” A. Wiley−Interscience Publication, Chapter 1, 1994
【0029】
【非特許文献5】
Won Jae Lee et al., ”Gain excursion & tilt compensation algorithm for TDFA using 1.4 μm/1.5μm dual wavelength control”., OFC2002, ThZ3
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
従って、簡易な方法で、広く一般の希土類添加増幅媒体を用いた光増幅器に適用できる、利得プロファイルを一定に制御できる光増幅器および制御方法が望まれている。
【0031】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、広く一般的な希土類イオンが添加された増幅媒体を用いた光増幅器において、利得プロファイルを一定に保つように簡便に制御できる光増幅器を提供することにある。
【0032】
また、本発明の目的は、広く一般的な希土類イオンが添加された増幅媒体を用いた光増幅器を用いて利得プロファイルを一定に保つように制御する制御方法を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の側面は、希土類を添加した増幅媒体を用いる光増幅器において、利得プロファイルを一定に保つように制御できる光増幅器に関する。特に本発明の光増幅器は、一般の希土類イオンを1または複数添加した増幅媒体を用いる光増幅器に関する。
【0034】
本発明によれば、本発明の増幅器は、増幅媒体として希土類イオンをコアおよび/またはクラッドに添加した希土類添加光ファイバまたは希土類添加光導波路、該増幅媒体を励起するための励起手段、前記増幅媒体の増幅帯域内の波長を有する制御光を前記増幅媒体に入力し、その入力パワーを変化させることで前記増幅媒体の反転分布状態を制御できる1以上の制御光源、前記増幅媒体に入出力する光パワーをモニタする監視手段、および、前記監視手段より得られた値から該光の利得を算出し、予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記制御光源を制御するための制御部とを含む。
【0035】
本発明の第2の側面は、光増幅器の利得プロファイルを一定に制御するための方法である。
【0036】
本発明の制御方法は、増幅媒体として希土類イオンをコアおよび/またはクラッドに添加した希土類添加光ファイバまたは希土類添加光導波路、該増幅媒体を励起するための励起手段、1以上の制御光源であって、該制御光源からの制御光の入力パワーを変化させることで前記増幅媒体の反転分布状態を制御できるもの、監視手段、および、制御部とを含む光増幅器の利得プロファイルを一定に制御する方法であって、前記増幅媒体の増幅帯域内の波長を有する制御光を前記増幅媒体に入力することと、前記増幅媒体に入出力する光パワーをモニタすることと、前記監視手段より得られた値から該光の利得を算出し、予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記制御光源を制御することとを含む。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の側面は、希土類を添加した増幅媒体を用いる光増幅器において、利得プロファイルを一定に保つように制御できる光増幅器に関する。
【0038】
本発明の第2の側面は、希土類を添加した増幅媒体を用いる光増幅器の利得プロファイルを一定に保つための制御方法に関する。
【0039】
以下に本発明の原理について説明する。
【0040】
まず、増幅に関与する準位が増幅終凖位と増幅始凖位の2つの準位のみである希土類を添加した増幅媒体を用いる場合についてその光増幅器と利得プロファイルを一定に制御する方法について説明する。このような増幅器には、増幅媒体として石英系のエルビウム添加光ファイバ(EDF)を用いたものがある。
【0041】
石英系EDFを増幅媒体とする光増幅器は、増幅に関与する準位が増幅終凖位(15/2)と増幅始凖位(13/2)の2つの準位であり、比較的簡単な系である。
【0042】
このような増幅器は、例えば石英系EDFを増幅媒体とする光増幅器(石英系EDFA)は、石英系EDF、石英系EDFを励起するための励起手段、入力信号光などをモニターするためのモニター手段、およびこのモニター手段からの情報を基に励起手段を制御するための制御部を少なくとも有する。
【0043】
図2(A)は、石英系EDFを増幅媒体とする光増幅器のEr3+イオンのエネルギー凖位を示す図である。この光増幅器では、増幅の終凖位(15/2)から増幅の始凖位(13/2)へ励起する方法を用いて増幅を行っている。石英系EDFAの利得プロファイル一定制御の方法の一例は、1チャネル(以下、ch.とも表記する。)の信号光の利得をモニタし、そのチャネルの利得が常に一定となるように励起光パワーを制御するものである。
【0044】
以下にこの制御の原理を説明する。
【0045】
波長λにおけるエルビウム添加光ファイバ増幅器の長手方向の位置xにおける単位長さあたりの利得Gain(λ,x)は、以下の式で表される(例えば、E. Desurvire, ”Erbium−Doped Fiber Amplifiers,” A. Wiley−Interscience Publication, Chapter 1, 1994(非特許文献4)参照)。
【0046】
Gain(λ,x)=(σe(λ)N2(x)−(σa(λ)N1(x))(eq1)
【0047】
【数1】
Figure 2004193541
【0048】
σe:誘導放出断面積
σa:誘導吸収断面積
N2(x):位置xでの増幅の始凖位(13/2)のイオン数
N1(x):位置xでの増幅の終凖位(15/2)のイオン数
Ntotal:全イオン数
【0049】
ここで(eq1)、(eq2)式より、
Gain(λ,x)=(σe(λ)N2(x)−(σa(λ)(Ntotal−N2(x)) (eq3)
を得る。
【0050】
(eq3)式から解るように、変数はN2のみになる。
【0051】
ここで、誘導放出断面積および誘導吸収断面積は、増幅媒体に添加される希土類イオンの物性で決定しているため、利得スペクトルを固定するためにはN2を固定すること、即ち増幅始準位と増幅終凖位のイオン数を固定する必要がある。
【0052】
WDM伝送などでは、伝送路の損失の経時変化や信号チャネル数の変化により光増幅器への入力信号光のパワーが変化する。このような変化は、石英系EDFAでは、13/2に存在するEr3+の誘導放出速度が変化することに繋がり、結果として、N2が変化し、(eq3)から解るように利得スペクトルが変化する。
【0053】
従って、石英系EDFを増幅媒体として用いる光増幅器のように、増幅に関与する準位が2つである場合には、任意の信号光波長をモニタし、この信号波長での利得を一定に保つように励起光パワーを制御すれば、光増幅器への入力パワーに関わらず(eq3)に基づいて利得スペクトルは一定に保たれる。
【0054】
利得を一定に制御するための具体的手順は、増幅用光ファイバの入力端および出力端で信号光を分波して、それぞれの場所での信号光パワーを検出し、その検出値から信号光の利得を算出し、算出された利得値と設定値との誤差成分が零になるように励起光量を調節する。これが石英系EDFを増幅用光ファイバとして用いた光増幅器で利得プロファイルを一定に制御するため原理である。
【0055】
ところで、このように増幅メカニズムが増幅始凖位と終凖位にいるイオンのみで記述できる系は非常にまれである。たとえば、エルビウム添加光ファイバで前記と同じ誘導放出を利用する場合においても、光ファイバを構成するホストガラスをフッ化物ガラスに変えただけでも、増幅の始凖位よりさらに高エネルギーの励起凖位への遷移と、遷移した先の凖位での寿命が無視できなくなる。このような場合には、ある波長(例えば入力信号光の1つの波長)での利得を一定に制御したとしても、利得プロファイルは一意的に決まらなくなる。これは、増幅動作を記述するにあたり、増幅始凖位、増幅終凖位およびそれ以外のイオン数を考慮する必要が生じたためである。即ち、例えばTDFAでは、総イオン数が下記の(eq2’)により表され、上記(eq3)のように1つのパラメータ(N2)を考慮するのみでは不十分となり、その他の準位のイオン数を考慮しなければならなくなったためである。
【0056】
【数2】
Figure 2004193541
【0057】
3つの準位が増幅に大きく関与する希土類添加光ファイバを用いる光増幅器には、ツリウム添加光ファイバ(TDF)を用いた光増幅器がある。この光増幅器では、図2(B)に示すように、4準位の光増幅器であるが、増幅に大きく関与する準位が3つ存在する。即ち、TDFAでは、増幅に大きく関与するエネルギー凖位は、増幅の始凖位、終凖位および基底凖位が存在する。従って、これらの準位を全て考慮する必要があるため、EDFAでの議論のように1波長の利得をモニターし、これを一定にするように制御するだけでは前記3つの凖位間のイオン数を一定に保つことはできない。
【0058】
図3は、WDM信号を増幅する場合、TDFAにおいて光増幅器へ入射する波長λの信号光のパワーと、TDFAより増幅されて出射された波長λの信号光のパワーより計算される利得を一定にするようにTDFAの励起光量を調節した場合の、光増幅器の特性を示す図である。
【0059】
図3中に示すa〜cは、TDFAへの全入力信号パワーが低い場合をa、中間の値の場合をb、高い場合をcとして、光増幅器の特性を示したものである。この特性を評価した条件は、TDFAのTm3+添加濃度が6000ppmであり、励起波長が1400nmであった。増幅用のTm添加フッ化物光ファイバの励起は、この光ファイバに対して前方向および後方向より励起を行う双方向励起である。前方向励起光パワーと後方向励起パワーの比は常に一定とした。図3より明らかなように、単に一波長の利得を一定にしただけでは入力信号光パワーの変化に対して利得プロファイルが変化する。
【0060】
このような増幅に大きく関与する準位が3つ存在する増幅媒体を含む光増幅器を制御する方法として次のような制御方法が提案されている。この制御方法は、TDFA光増幅器に関するもので、2通りの方法がある。この制御方法の1つは、双方向励起のTDFA光増幅器で利用される。この制御方法では、2種類の信号光の利得をモニタする。このモニタ情報に基づいて、増幅用光ファイバの前方と後方の励起光のパワーの比を制御することにより利得帯域を調節し、且つ、総励起光パワーを制御することにより全体の利得を調節する方法である。TDFAでは、前方と後方の励起光のパワー比を変化させると利得スペクトルが波長シフトするという現象が発生する。
【0061】
また、TDFAの第2の制御方法として、2波長(1.4μm、1.56μm)の励起光源の光量を制御し、利得スペクトルを調節する方法がある(Won Jae Lee et al., ”Gain excursion & tilt compensation algorithm for TDFA using1.4 μm/1.5μm dual wavelength control”., OFC2002, ThZ3(非特許文献5)参照)。
【0062】
上述のような実質的に増幅に関与する準位が2つである増幅媒体を含む光増幅器を除き、希土類イオンを添加した増幅媒体を用いた光増幅器の場合、励起光源の光量の調節により一波長の利得を一定値に制御するのみでは、入力信号のレベルの変動や他の条件の変化(例えば温度変化)に対して、利得プロファイルを一定に制御することはできない。このため、このような系では基本的に2種類の信号波長での利得をモニタすることが必要となり、複雑な制御をする必要があった。
【0063】
本発明の光増幅器および制御方法では、増幅始凖位、増幅終凖位およびその他の凖位を考慮する必要がある希土類を添加した増幅媒体を用いることができる。以下では、その他の準位が第3の準位のみである場合について説明するが、本発明はこれに限定されず、さらに多くの準位が関与する場合も含む。
【0064】
本発明は、入力信号のレベルの変動に応じて、その制御光の光量を調節することで増幅媒体の反転分布状態を一定にすることを特徴とする。つまり、本発明の基本的な概念は、入力信号のレベルの変動分を増幅帯域内の波長の制御光で補償することにある。本発明によれば、あらゆる希土類イオンの光増幅器に対し、増幅帯域内の一波長の利得を一定にするように制御光を調節することで利得プロファイル一定制御を実現する。本発明では、制御光源を調節するために、光のある波長(またはある波長範囲)における利得をモニタすることを特徴とする。このように制御光または少なくとも1つの信号光をモニタして、制御光源を調節するのは、例えば、制御光と信号光の総出力または総入力パワーをモニタして制御光のパワーを制御する方法などでは、利得スペクトルが歪み、利得プロファイルを一定に制御することはできないためである。このことを、制御光と信号光の総出力または総入力パワーをモニタして、制御光のパワーを制御する場合を例に取り、図4および図5を参照して説明する。
【0065】
図4は、総入力パワーを一定にしただけでは利得プロファイルが一定に制御できないことを示す図である。図4は、信号波長以外の増幅帯域内の波長を有する制御光源を入力側に備えたTDFAにおいてWDM信号を増幅する際に、光増幅器への総信号光パワーの入力の変動に対して、制御光の入力パワーと総入力信号光パワーの合計(以下、総入力パワーとも称する)が常に一定になるように制御光源の光量を調節した場合の利得スペクトルを表す図である。
【0066】
図4に示すa〜cは、TDFAへの総入力信号パワーが低い場合をa、中間の場合をb、高い場合をcとしたときの利得スペクトルである。この特性を評価した条件は、TDFAのTm3+添加濃度が4000ppmであり、励起波長が1410nmであった。増幅用のTm添加フッ化物光ファイバの励起は、この光ファイバに対して前方向および後方向より励起を行う双方向励起であり、総励起光パワーは常に一定とした。図4より明らかなように、光増幅器への総入力パワーを一定にしただけでは入力信号光パワーの変化に対して利得プロファイルが変化する。
【0067】
図5は、総出力パワーを一定にしただけでは利得プロファイルが一定に制御できないことを示す図である。図5は、信号は長以外の増幅帯域内の波長を有する制御光源を入力側に備えたTDFAにおいてWDM信号を増幅する際に、光増幅器への総信号光パワーの入力の変動に対して、制御光の出力パワーと総出力信号光パワーの合計(以下、総出力パワーとも称する)が常に一定になるように制御光源の光量を調節した場合の利得スペクトルを表す図である。
【0068】
図5に示すa〜cは、TDFAへの総入力信号パワーが低い場合をa、中間の場合をb、高い場合をcとしたときの利得スペクトルである。この特性を評価した条件は、TDFAのTm3+添加濃度が5000ppmであり、励起波長が1420nmであった。増幅用のTm添加フッ化物光ファイバの励起は、この光ファイバに対して前方向および後方向より励起を行う双方向励起であり、総励起光パワーは常に一定とした。図5より明らかなように、光増幅器への総出力パワーを一定にしただけでは入力信号光パワーの変化に対して利得プロファイルが変化する。
【0069】
このように、総入力パワーまたは総出力パワーを一定にしただけでは、利得プロファイルを一定に制御することができない。
【0070】
本発明では、光増幅器は、増幅媒体、該増幅媒体を励起するための励起手段、前記増幅媒体の増幅帯域内の波長を有する制御光を前記増幅媒体に入力し、その入力パワーを変化させることで前記増幅媒体の反転分布状態を制御できる1以上の制御光源、前記増幅媒体に入出力する光パワーをモニタする監視手段、および、前記監視手段より得られた値から該光の利得を算出し、予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記制御光源を制御するための制御部とを含む。
【0071】
また、本発明の光増幅器は、制御光源の制御光の光量を調節する手段を具備する。この手段には、制御光源の電流値を調整することや、制御光源の出力端に可変光減衰器を設けて減衰量を調節すること等が含まれる。
【0072】
本発明には、増幅媒体、該増幅媒体を励起するための励起手段、前記増幅媒体の増幅帯域内の波長を有する制御光を前記増幅媒体に入力し、その入力パワーを変化させることで前記増幅媒体の反転分布状態を制御できる1以上の制御光源、前記増幅媒体に入出力する複数の波長の光のパワーをモニタする監視手段、前記監視手段より得られた値から複数の波長の利得を算出後、複数の利得の差と和を算出し、複数の利得の差が予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記制御光源を制御し、複数の利得の和が予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記励起手段を制御するための制御部とを含む光増幅器が含まれる。
【0073】
本発明では、監視手段は、制御光をモニタするもの、1チャンネル以上の信号光をモニタするもの、または、増幅帯域内で予め定められた波長範囲の光をモニタするものでありうる。
【0074】
さらに、本発明では、監視手段より得られた値に応じ、それらの値若しくは前記制御部で算出される利得、利得の差、または利得の和を補正する補正手段を含むことが好ましい。
【0075】
また、本発明では、監視手段には、光バンドパスフィルタを含むことが好ましい。
【0076】
上記本発明の利得プロファイル一定制御の原理に従えば、本発明の制御方法も提供される。
【0077】
この制御方法の1つは、増幅媒体として希土類イオンをコアおよび/またはクラッドに添加した希土類添加光ファイバまたは希土類添加光導波路、該増幅媒体を励起するための励起手段、1以上の制御光源であって、該制御光源からの制御光の入力パワーを変化させることで前記増幅媒体の反転分布状態を制御できるもの、監視手段、および、制御部とを含む光増幅器の利得プロファイルを一定に制御する方法であって、前記増幅媒体の増幅帯域内の波長を有する制御光を前記増幅媒体に入力することと、前記増幅媒体に入出力する光パワーをモニタすることと、前記監視手段より得られた値から該光の利得を算出し、予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記制御光源を制御することとを含む。
【0078】
本発明では、増幅媒体に添加される希土類イオンは、1種類であっても複数種類であってもよい。
【0079】
以下に図面を参照して本発明の光増幅器および利得プロファイル一定制御の方法をさらに具体的に説明するが、これらは例示であり、本発明はこれらに限定されない。
【0080】
本発明は、光増幅器の利得プロファイル一定制御に、制御光を利用するように構成された光増幅器に関する。
【0081】
光増幅器に制御光を導入し、この制御光を利用して光増幅器の利得プロファイルを一定に保つように制御する。本発明では、制御光源を調節するために、光のある波長(またはある波長範囲)における利得をモニタすることを特徴とする。
【0082】
本発明の概要を、図6を参照して説明する。
【0083】
本発明の光増幅器600は、監視手段601,603、増幅部602と制御システム604を具備する。監視手段601は、制御光源610内に設けられた光検出器から構成される。また、監視手段603は、光分岐素子634と光電変換素子のような光検出器635から構成される。図6に示す監視手段601は、制御光源610内に光検出器を含む例を示したが、本発明はこれに限定されず、光検出器を別途設けてもよい。この場合、光分岐素子(分波器)を設け、信号光入力の一部を分波すればよい。光検出器からの信号は制御システム604に入力される。光検出器は、例えば光電変換素子などが含まれる。増幅部602は、制御光源610、増幅媒体612、励起光源614,616、制御光源からの光を合波するための合波器618、励起光源からの光を合波するための合波器620,622を具備する。増幅部は、図6に示されるようにアイソレータ624,626を設けることも好ましい。
【0084】
制御光源610は、内部に光検出器を有するものでも、有しないものでもよい。本発明では、内部に光検出器を有する制御光源が好ましい。内部に光検出器を有する制御光源は、モニタ用の第1の信号628を出力できるものである。また、制御光源は複数存在していてもよい。
【0085】
制御システム604は、制御光源を制御するための制御部630、および演算部632を有する。この演算部へは増幅部602から出力された光の一部を取り出す光分岐素子(分波器)634からの第2の信号636が入力される。演算部632では、制御光源610からの第1の信号と、光分岐素子634からの第2の信号から制御光の利得を算出し、予め設定された値と一致するような制御光源610の電流値を算出する。その値は制御部630へ送られる。制御部630は、演算部632から送られてきた電流値になるように制御光源610の光量を調整する。本明細書では、制御システム604は、制御部とも称される。この場合、制御部は、上記機能を有する制御部630と演算部632を含むものである。
【0086】
なお、本発明において、各構成要素は、図6に示される配置のみではなく、種々の配置をとることができる。例えば、図6に示される光増幅器では、励起光は双方向励起であるが、本発明はこれに限定されず、前方励起および後方励起であってもよい。
【0087】
増幅媒体には、希土類元素イオンをコアおよび/またはクラッドに添加した希土類添加光ファイバを好適に用いることができる。特に本発明では、ツリウム添加光ファイバ、エルビウム添加光ファイバ、ホルミウム添加光ファイバなどを使用することができる。具体的には、増幅媒体としては、希土類イオンを添加した増幅用光ファイバを用いることができ、これは、ホストガラスとして石英ガラス、ビスマス系ガラス、非輻射遷移の起こりにくいフッ化物系ガラスのZBLANガラス、In−Pbガラスまたはテルライトガラス等である。希土類イオンは、いずれのイオンであってもよいが、ツリウムイオン(Tm3+)、ホルミウムイオン(Ho3+)、エルビウムイオン(Er3+)が好ましい。
【0088】
合波器および光分岐素子(分波器)は、溶融延伸のファイバ型(分岐型、波長分割多重型いずれも)、誘電体多層膜型またはファイバグレーティングと組み合わせたサーキュレータ等である。また、合波器は、励起光/信号光合波カップラのような通常の合波器を使用することもできる。
【0089】
制御光を発生する制御光源、励起光を発生する励起光源は、例えばNd−YLFレーザ、Nd−YAGレーザ、Tiサファイアレーザなどの固体レーザや半導体レーザまたはファイバレーザ等がある。図6に示される光増幅器では、励起光は双方向励起であるが、本発明はこれに限定されず、前方励起および後方励起であってもよい。
【0090】
以下に本発明の光増幅器を用いた制御方法(本発明の光増幅器の動作)について具体的に説明する。以下では、監視手段601の光検出器が制御光源に含まれ、制御光の利得をモニタする場合を例に取り説明する。
【0091】
信号光は合波器618で制御光源610からの制御光と合波される。次いで、合波された信号光はアイソレータ624を通過し、合波器620で励起光源614からの励起光と合波される。励起光と合波された信号光は、増幅媒体612に入る。増幅媒体は、励起光源614と励起光源616で双方向から励起される。増幅媒体を出た信号光は、合波器622、アイソレータ626を通過し、分波器634で分波される。分波器634で分波されなかった信号光の一部は信号出力光として出力される。
【0092】
制御光源から増幅用光ファイバ612へ入力される制御光は、制御光源610の内部の光検出器で検出され、その制御光のパワーは、第1の信号として演算部632へ送られる。増幅媒体から出力された制御光は、分波器634で分波され、その制御光のパワーは、第2の信号636として演算部632に送られる。入力および出力端での制御光のパワーは、電気信号に変換され演算部632に入力されることが好ましい。
【0093】
演算部632では、受信した検出値から制御光の利得を算出し、予め設定された値と一致するような制御光源610の電流値を算出し、その値は制御部630へ送られる。制御部630は、演算部632から送られてきた電流値になるように制御光源610の光量を調整する。
【0094】
制御光の波長は増幅帯域内にあるため、制御光の利得を一定にするように制御光を調節することで利得プロファイルを一定に制御することができる。
【0095】
本発明では、演算部に入力される信号は、制御光に基づくもののみではなく、1チャンネル以上の信号光に基づくもの、または、増幅帯域内で予め定められた波長範囲の光に基づくものであってもよい。また、本発明の制御方法では、補正手段により、監視手段から得られた値に応じ、それらの値、または、前記制御部で算出される利得、利得の差、若しくは利得の和を補正することが好ましい。
【0096】
また、本発明では、監視手段に光バンドパスフィルタを含め、モニタ信号をこれに通すことが好ましい。
【0097】
以上述べた各発明の光増幅器では、特に増幅媒体内での信号光の伝搬方向については規定していなかったが、光増幅器が以下の(a)〜(c)の構成を有し、信号光がこれらに示される伝搬方向をとることができる。
【0098】
(a)増幅媒体の入力側または出力側の両方、或いは、これらのどちらか一方に光アイソレータが接続される。信号光は、増幅媒体内を一方向のみに伝搬する(本明細書中で、シングルパスという)。
【0099】
(b)増幅媒体の一方に光サーキュレータが接続され、増幅媒体の他端には少なくとも信号光を反射させるミラー機能を有するデバイスが接続される。信号光は光サーキュレータを通過して増幅媒体中を進行し、増幅される。次いで、信号光は、これを反射させるミラーにより折り返されて増幅媒体中を反対方向に進行し、増幅される。増幅された信号光は、サーキュレータを通過して出射する(本明細書で、ダブルパスという)。
【0100】
(c)増幅媒体の両方に光サーキュレータが接続される。2種類の進行方向の異なる信号光が同時または時間的に分離された状態で増幅媒体中を互いに逆方向に進行し、増幅される(以下、双方向光増幅器という)。
【0101】
(実施例)
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0102】
(実施例1)
図7は、本発明の光ファイバ増幅器の本実施例を示す構成図である。図7に示すように、この光ファイバ増幅器は、増幅媒体、例えばコアに希土類イオンを添加した増幅用光ファイバ3304、アイソレータ3302、3305、3308、制御光と信号光を合波する合波器3301、励起光源3309からアイソレータ3308を介して供給される励起光とアイソレータ3302からの信号光・制御光とを合波する合波器3303、増幅用光ファイバ3304からアイソレータ3305を介して取り出された出力光を分岐する分波器3306、分波器3306の一方出力から制御光を抽出するためのフィルタ3310、内部に光検出器を有する制御光源3307、励起光を発生する励起光源3309、フィルタ3310から出力された制御光を検出する光検出器3311、制御光源3307からの信号と光検出器3311からの信号とを供給される演算部3313、および演算部3313からの出力により制御光源3307を制御する制御部3312より構成される。
【0103】
希土類イオンを添加した増幅用光ファイバのホストガラスとして石英ガラス、ビスマス系ガラス、非輻射遷移の起こりにくいフッ化物系ガラスのZBLANガラス、In−Pbガラスまたはテルライトガラス等がある。
【0104】
合波器3301、分波器3306として溶融延伸のファイバ型(分岐型、波長分割多重型いずれも)、誘電体多層膜型またはファイバグレーティングと組み合わせたサーキュレータ等が使用可能である。合波器3303として、溶融延伸のファイバ型、誘電体多層膜型またはファイバグレーティングと組み合わせたサーキュレータ等が使用可能である。制御光を発生する制御光源3307、励起光を発生する励起光源3309としてNd−YLFレーザ、Nd−YAGレーザ、Tiサファイアレーザなどの固体レーザや半導体レーザまたはファイバレーザ等が使用可能である。フィルタ3310としては、誘電体多層膜フィルタ、ファイバグレーティング等がある。
【0105】
本実施例では、信号光は1480〜1510nm、2nm間隔の16波、増幅用光ファイバ3304はZBLANフッ化物ガラスをホストとしコアにツリウムイオンを6000ppm添加した5mの光ファイバ、制御光源の波長は1520nm、励起波長は1400nm、アイソレータ3302、3305は中心波長1480nm、合波器3301および分波器3306は1512nm以下と1518nm以上の帯域を合分波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、合波器3303は1430nm以下と1440nm以上の帯域を合波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、およびフィルタ3310は、中心波長1520nm、透過帯域の半値幅0.8nmのものを使用した。また励起光パワーは300mWに固定とした。
【0106】
図7に示すように、信号光は合波器3301にて制御光源3307からの制御光と合波され、アイソレータ3302を通過し、合波器3303にて更にアイソレータ3308からの励起光と合波され、増幅用光ファイバ3304を通過後、アイソレータ3305を通過し、分波器3306にて分波され、その一方は信号光として出力される。
【0107】
増幅用光ファイバ3304への入力制御光源パワーは、制御光源3307の内部の光検出器にて検出される。増幅用光ファイバ3304からの出力制御光パワーは、分波器3306で分波され、フィルタ3310を通過後、光検出器3311にて検出され、その値は電気信号として演算部3313に送られる。
【0108】
演算部3313では、受信した検出値から制御光の利得を算出し、予め設定された値と一致するような制御光源3307の電流値を算出し、その値は制御部3312へ送られる。
【0109】
制御部3312は、演算部3313から送られてきた電流値になるように制御光源3307の光量を調整する。
【0110】
制御光の波長は増幅帯域内にあるため、制御光の利得を一定にするように制御光を調節することで利得プロファイル一定制御を実現することが可能となる。
【0111】
図8は、実施例1において各入力信号レベルを変えた場合の利得プロファイルの偏差の最大値をプロットした図である。つまり、各入力信号レベルを−25、−20、−15、−10、−5dBm/ch.に設定し入力した場合の利得スペクトルについて、−25dBm/ch.での利得スペクトルを基準として、入力が変化した際の利得スペクトルと基準スペクトルとの差の最大値をプロットした図である。利得の評価は、−35dBmの小信号プローブ光をスキャンすることにより測定した。図8の点線は、モニタする信号光による利得制御をかけない従来例の結果である。図8の実線は、1520nmの制御光のモニタ系を用いて、1520nmでの利得が一定になるように制御した本発明の場合の値をプロットした結果である。この結果、本発明によれば利得プロファイル制御が可能となることが明らかになった。
【0112】
(実施例2)
図9は、本発明の光ファイバ増幅器の第2実施例を示す構成図である。図9において図7と同様の個所には同一の参照番号を付してその説明を省略する。図9に示すように、この光ファイバ増幅器は、図7の構成に加え、増幅器へ入出力する信号光を分波する分波器3501、分波器3501からの信号光を抽出するためのフィルタ3502、制御光源3504、フィルタ3502から入力する信号光パワーを検出する光検出器3503より構成される。本実施例においては、分波器3306、フィルタ3310および光検出器3311は、それぞれ出力する信号光を分波し、抽出し、およびパワーを検出する。
【0113】
分波器3501として溶融延伸のファイバ型(分岐型、波長分割多重型いずれも)、誘電体多層膜型、およびファイバグレーティングと組み合わせたサーキュレータ等が使用可能である。制御光を発生する制御光源3504としてNd−YLFレーザ、Nd−YAGレーザ、Tiサファイアレーザなどの固体レーザや半導体レーザまたはファイバレーザ等が使用可能である。フィルタ3502としては、誘電体多層膜フィルタ、ファイバグレーティング等がある。
【0114】
本実施例では、信号光は1470〜1500nm、2nm間隔の16波、増幅用光ファイバ3304はZBLANフッ化物ガラスをホストとしコアにツリウムイオンを4000ppm添加した10mの光ファイバ、制御光源3304の波長は1460nm、励起波長は1400nm、アイソレータ3302、3305は中心波長1480nm、分波器3501および分波器3306は分岐比95:5のファイルカプラ、合波器3301は1462nm以下と1468nm以上の帯域を合分波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、合波器3301は1430nm以下と1440nm以上の帯域を合波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、フィルタ3502、3310は、中心波長1510nm、透過帯域の半値幅0.8nmのものを使用した。また励起光パワーは300mWに固定とした。なお、モニタする波長多重信号光のうち1チャネルは、1510nmの入力光とする。
【0115】
図9に示すように、信号光は分波器3501にて分波され、分波器3501からの信号光は、合波器3301にて制御光源3504からの制御光と合波され、アイソレータ3302を通過し、波長分割多重カプラ3303にて更にアイソレータ3308からの励起光と合波され、増幅用光ファイバ3304を通過後、アイソレータ3305を通過し、分波器3306にて分波され、その一方は信号光として出力される。
【0116】
1510nmの入力信号光パワーは、分波器3501にて分岐され、フィルタ3502を通過後、光検出器3503にて検出され、1510nmの出力信号光パワーは、分波器3306で分波されフィルタ3310を通過後、光検出器3311にて検出され、それらの値は電気信号にて演算部3313に送られる。
【0117】
演算部3313では、受信した検出値から1510nmの信号光の利得を算出し、予め設定された値と一致するように制御光源3504の電流値を算出し、その値は制御部3312へ送られる。制御部3312は演算部3313から送られてきた電流値になるように制御光源3504の光量を調整する。ここでは、1510nmの1チャネルの信号光パワーの検出値に基づいて制御光源3504の光量を制御したが、2以上の複数のチャネルを用いて、制御する他の実施例も可能である。さらに、モニタする信号光として予め定めた波長範囲の全信号光量を用いて、制御を行う実施例も可能である。この場合、本実施例では例えば、1470〜1500nmの範囲の各チャネルについての信号光パワーの総量を算出して、これをもとに利得を計算することにより、上述のとおり制御光源3504の光量を調整することができる。
【0118】
図10は、各入力信号レベルを変えた場合の、利得プロファイルの偏差の最大値をプロットした図である。つまり、各入力信号レベルを−25、−20、−15、−10、−5dBm/ch.に設定し入力した場合の利得スペクトルについて、−25dBm/ch.での利得スペクトルを基準として、入力が変化した際の利得スペクトルと基準スペクトルとの差の最大値をプロットした図である。利得の評価、−35dBmの小信号プローブ光をスキャンすることにより測定した。図10の点線は、モニタする信号光による利得制御をかけない従来例の結果である。図10の実線は、1510nmの信号光のモニタ系を用いて、1510nmでの利得が一定になるように制御した本発明の場合の値をプロットした結果である。この結果、本発明によれば利得プロファイル制御が可能となることが明らかになった。
【0119】
(実施例3)
図11は、本発明の光ファイバ増幅器の第3実施例を示す構成図である。図11において図9と同様の個所には同一の参照番号を付してその説明を省略する。図11に示すように、この光ファイバ増幅器は、図9に加えて出力光のうち分波器3306から分岐された出力光を分岐する分波器3702、分波器3702からの制御光を抽出するためのフィルタ3703、フィルタから抽出された制御光パワーを検出する光検出器3704、アイソレータ3308からの励起光を合波器3303および3705に分岐させる分波器3701および増幅用光ファイバ3304からの信号光と分波器3701からの励起光を合波する合波器3705より構成される。ここで、制御光源3307は、入力制御光源パワーを検出するための光検出器を内部に有する。
【0120】
合波器3705として、溶融延伸のファイバ型、誘電体多層膜型またはファイバグレーティングと組み合わせたサーキュレータ等が使用可能である。フィルタ3703としては誘電体多層膜フィルタ、ファイバグレーティング等がある。
【0121】
本実施例では、信号光は1460〜1490nm、2nm間隔の16波、増幅用光ファイバ3304はZBLANフッ化物ガラスをホストとしコアにツリウムイオンを2000ppm添加した20mの光ファイバ、制御光源3307の波長は1450nm、励起波長は1390nm、アイソレータ3302、3305は中心波長1480nm、分波器3501,3306は、分岐比95:5のファイルカプラ、合波器3301は1452nm以下と1458nm以上の帯域を合分波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、分波器3701、3702は分岐比3dBのファイバカプラ、合波器3303,3705は1430nm以下と1440nm以上の帯域を合波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、フィルタ3502、3310は、中心波長1490nm、透過帯域の半値幅0.8nmのもの、フィルタ3703は、中心波長1450nm、透過帯域の半値幅が0.8nmのものを使用した。なお、モニタする信号光は1450nmの制御光と1490nmの信号光とした。
【0122】
ここで、2つのモニタする信号光の利得をG(1450nm)およびG(1490nm)とし、合計利得Gおよび利得差ΔGを以下のように定義する。
【0123】
=G(1450nm)+G(1490nm) …(1)
ΔG=G(1450nm)−G(1490nm) …(2)
【0124】
およびΔGが一意に決まればG(1450nm)およびG(1490nm)も決定するので、GおよびΔGの値を制御することで、G(1450nm)およびG(1490nm)を制御可能である。
【0125】
図12は、実施例3において、入力信号光パワーを−15dBm/ch.、励起光パワーを400nWに固定し、制御光のパワーを変化させた場合の、2つのモニタする信号光の合計利得Gと利得差ΔGをプロットした図である。Gは実線で示され、△Gは破線で示される。GおよびΔGの値は、共に制御光パワーの増加に伴い、単調的に減少している。
【0126】
図13は、実施例3において、入力信号光パワーを−15dBm/ch.、制御光パワーを−15dBmに固定し、励起光パワーを変化させた時の、2つのモニタする信号光の合計利得Gと利得差ΔGをプロットした図である。図12同様にGは実線で示され、△Gは破線で示される。励起光の増加に伴い、Gは単調増加しているのに対し、ΔGは殆ど変化していない。
【0127】
図12および図13の結果から、次のような制御アルゴリズムを適用することで利得スペクトル制御が可能となることがわかる。モニタする信号光の利得が変化した時、まず、励起光パワーを固定したまま、励起光パワーを変化させてもほとんど変化することのない△Gが所望の値になるように制御光のパワーを調整する。次に制御光のパワーを固定し、所望のGとなるように励起光パワーを調整する。この結果、利得スペクトル制御が可能となる。
【0128】
図11に示すように、信号光は、分波器3501にて分波され、合波器3301にて制御光源3307からの制御光と合波され、アイソレータ3302を通過し、合波器3303にて更に分波器3701からの励起光と合波され、増幅用光ファイバ3304を通過後、分波器3701からの励起光と信号光とを合波する合波器3705を通過し、アイソレータ3305を通過し、分波器3306にて分波され、その一方は信号光として出力される。
【0129】
分波器3501で分波された一方の信号光は、フィルタ3502にて1490nmの信号光のみ抽出された後、光検出器3503にて検出され、増幅用光ファイバに入力される制御光パワーは制御光源3307内の光検出器で検出され、分波器3306で分波された出力光は、更に分波器3702で分岐され、一方はフィルタ3310にて1490nmの信号光のみ抽出された後、光検出器3311で検出され、もう一方はフィルタ3703にて1450nmの制御光のみ抽出された後、光検出器3704で検出され、それらの検出値は電気信号に変換後、演算部3313に送られる。
【0130】
演算部3313では、受信した検出値から信号光および制御光の利得を算出し、これをもとにGおよびΔGを算出して、予め設定されたGおよびΔGと一致するように制御光源および励起光源の電流値を算出し、それらの値は制御部3312へ送られる。
【0131】
制御部3312は、演算部3313から送られてきた電流値になるように制御光源3307および励起光源3309の光量を調整する。
【0132】
図14は、本発明の利得制御の際、−10dBm/ch.入力時の利得スペクトルを基準として各入力条件(−25,−20,−15,−10dBm/ch.)の利得スペクトルの偏差をプロットした図である。全入力条件に対し利得偏差0.3dBを実現しており、本発明の有効性が実証された。
【0133】
(実施例4)
本実施例の構成は、図11を参照して実施例3で説明したものと同様であるが、演算部において数値設定を行う例である。従って、演算部での処理以外、即ち各構成の部材、装置は実施例3と同様のものを使用する。以下の説明では、図15を参照する。
【0134】
本実施例では、信号光は1490〜1520nm、2nm間隔の16波、増幅用光ファイバ3304はZBLANフッ化物ガラスをホストとしコアにツリウムイオンを8000ppm添加した4mの光ファイバ、制御光源3307の波長は1470nm、励起波長は1400nm、アイソレータ3302、3305、3308は中心波長1470nm、分波器3501、3306は分岐比95:5のファイバカプラ、合波器3301は1472nm以下と1478nm以上の帯域を合分波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、分波器3701、3702は3dBの分岐カプラ、合波器3303,3705は1430nm以下と1440nm以上の帯域を合波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、フィルタ3502、3310は、透過帯域が1490〜1520nmのもの、フィルタ3703は、中心波長1470nm、透過帯域の半値幅が0.8nmのもの、を使用した。なお、モニタする信号光は1470nmの制御光と予め定めた波長範囲の光量として、1490〜1520nmの波長範囲の全信号光とした。
【0135】
ここで、2種類のモニタする信号光の利得をG(1470nm)およびG(1490〜1520nm)とし、合計利得Gおよび利得差ΔGを以下のように定義する。
【0136】
=G(1470nm)+G(1490〜1520nm) …(1)
ΔG=G(1470nm)−G(1490〜1520nm) …(2)
【0137】
およびΔGが一意に決まればG(1470nm)およびG(1490〜1520nm)も決定するので、GおよびΔGを制御することで、G(1470nm)およびG(1490〜1520nm)を制御可能である。
【0138】
本実施例のGとΔGにおいても、励起光パワーや制御光パワーの変化に対し、実施例3のGとΔGと同様の傾向を示すため、同様の制御アルゴリズムを適用することにより利得スペクトル制御が可能である。また、実施例3と同様、入力された信号光は、分波器3501に入力し、分波器3306にて分波され、その一方は信号光として出力される。
【0139】
分波器3501で分波された信号光は、フィルタ3502にて増幅帯域内で予め定めた波長範囲である1490〜1520nmの全信号光が抽出された後、光検出器3503にて検出され、増幅用光ファイバに入力される制御光パワーは制御光源に内蔵された光検出器により検出され、分波器3306で分波された信号光および制御光は、分波器3702で分岐され、一方はフィルタ3310にて1490〜1520nmの全信号光パワーが抽出された後、光検出器3311で検出され、もう一方はフィルタ3703にて1470nmの制御光のみ抽出された後、光検出器3704で検出され、それらの検出値は電気信号に変換後、演算部3313に送られ、実施例3と同様これらの検出値に基づき、制御部3312は制御光源3307および励起光源3309の光量を調整する。
【0140】
本発明の利得制御時、−25〜−10dBm/ch.入力条件に対し、利得偏差0.3dB以下を実現し、本制御の有効性を実証した。
【0141】
(実施例5)
本実施例の構成は、図11を参照して実施例3で説明したものと同様であり、各部材、装置も実施例3と同様のものを使用するが、増幅用光ファイバとしてHo添加光ファイバを使用する。この点が実施例3と異なる。以下の説明では、図11を参照する。
【0142】
本実施例では、信号光は2890〜2920nm、2nm間隔の16波、増幅用光ファイバ3304はZBLANフッ化物ガラスをホストとしコアにホルミウムイオン(Ho3+) を1000ppm添加した20mの光ファイバ、制御光源3307の波長は2880nm、励起波長は1200nm、アイソレータ3302、3305は中心波長2900nm、分波器3501、3306は分岐比95:5のファイバカプラ、合波器3301は2882nm以下と2888nm以上の帯域を合分波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、分波器3701、3702は3dBの分岐カプラ、合波器3303、3705は1300nm以下と1310nm以上の帯域を合波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、フィルタ3502、3310は、透過帯域が2890〜2920nmのもの、フィルタ3703は、中心波長2880nm、透過帯域の半値幅が0.8nmのもの、を使用した。なお、モニタする信号光は2880nmの制御光と予め定めた波長範囲の光量として、2890〜2920nmの波長範囲の全信号光とした。
【0143】
ここで、2種類のモニタする信号光の利得をG(2880nm)およびG(2890〜2920nm)とし、合計利得Gおよび利得差ΔGを以下のように定義し、実施例4と同様に合計利得Gおよび利得差ΔGを求め、外部より入力されたGおよびΔGと一致するよう制御光源および励起光源の電流値を算出し、それらの値は制御部3312へ送られる。制御部3312は受信した電流値になるように制御光源3307および励起光源3309を調整する。
【0144】
=G(2880nm)+G(2890〜2920nm) …(1)
ΔG=G(2880nm)−G(2890〜2920nm) …(2)
【0145】
本発明の利得制御時、−25〜−10dBm/ch.入力条件に対し、利得偏差0.3dB以下を実現し、本制御の有効性が実証された。
【0146】
(実施例6)
本実施例の構成は、図11を参照して実施例3で説明したものと同様であり、各部材、装置も実施例3と同様のものを使用するが、増幅用光ファイバとしてEr添加光ファイバを使用する。この点が実施例3と異なる。なお、以下の説明では、図11を参照する。
【0147】
本実施例では、信号光は1690〜1720nm、2nm間隔の16波、増幅用光ファイバ3304はZBLANフッ化物ガラスをホストとしコアにエルビウムイオン(Er3+)を2000ppm添加した15mの光ファイバ、制御光源3307の波長は1680nm、励起波長は800nm、アイソレータ3302、3305は中心波長1700nm、分波器3501、3306は分岐比95:5のファイバカプラ、合波器3301は1682nm以下と1688nm以上の帯域を合分波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、分波器3701、3702は3dBの分岐カプラ、合波器3303、3705は1300nm以下と1310nm以上の帯域を合波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、フィルタ3502、3310は、透過帯域が1690〜1720nmのもの、フィルタ3703は、中心波長1680nm、透過帯域の半値幅が0.8nmのもの、を使用した。なお、モニタする信号光は1680nmの制御光と予め定めた波長範囲の光量として、1690〜1720nmの波長範囲の全信号光とした。
【0148】
ここで、2種類のモニタする信号光の利得をG(1680nm)およびG(1690〜1720nm)とし、合計利得Gおよび利得差ΔGを以下のように定義し、実施例5と同様に合計利得Gおよび利得差ΔGを求め、外部より入力されたGおよびΔGと一致するよう制御光源および励起光源の電流値を算出し、それらの値は制御部3312へ送られる。制御部3312は受信した電流値になるように制御光源3307および励起光源3309を調整する。
【0149】
=G(1680nm)+G(1690〜1720nm) …(1)
ΔG=G(1680nm)−G(1690〜1720nm) …(2)
【0150】
本発明の利得制御時、−25〜−10dBm/ch.入力条件に対し、利得偏差0.3dB以下を実現し、本制御の有効性が実証された。
【0151】
以上、実施例3〜実施例6では添加イオンとしてTm3+、Ho3+、Er3+について説明したが、本発明はこれらのイオンを使用する場合に限定されない。即ち、増幅の始凖位と終凖位の合計イオン数が一定となる条件が成立しないようなタイプの希土類添加光増幅器に本発明を適用することができる。
【0152】
(実施例7)
図16は、本発明の光ファイバ増幅器の第7実施例を示す構成図である。図16において図11と同様の個所には同一の参照番号を付してその説明を省略する。図16に示すように、この光ファイバ増幅器は、図11の構成に加え、信号光を分波する分波器4101、分波器4101からの信号光を抽出するためのフィルタ4102、フィルタ4102からの入力する信号光パワーを検出する光検出器4103が含まれる。また、本実施例では、フィルタ3703は、分波器3702からの信号光を抽出し、光検出器3704は、この抽出された信号光パワーを検出する。なお、励起光パワーは400mWに固定とした。
【0153】
分波器4101として溶融延伸のファイバ型(分岐型、波長分割多重型いずれも)、誘電体多層膜型、ファイバグレーティングと組み合わせたサーキュレータ等が使用可能である。フィルタ4102として誘電体多層膜フィルタ、ファイバグレーティング等がある。
【0154】
本実施例では、信号光は1480〜1510nm、2nm間隔の16波、増幅用光ファイバ3304はZBLANフッ化物ガラスをホストとしコアにツリウムイオンを6000ppm添加した5mの光ファイバ、制御光源3504の波長は1470nm、励起波長は1410nm、アイソレータ3302、3305、3308は中心波長1480nm、分波器3501、3306は分岐比95:5のファイバカプラ、合波器3301は1472nm以下と1478nm以上の帯域を合分波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、分波器3701、3702、4101は3dBの分岐カプラ、合波器3303、3705は1430nm以下と1440nm以上の帯域を合波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、フィルタ3310、3502は、中心波長1480nm、透過帯域の半値幅0.8nmのもの、フィルタ4102、3703は、中心波長1510nm、透過帯域の半値幅が0.8nmのもの、を使用した。なお、モニタする信号光は1480nmと1510nmの信号光とした。
【0155】
ここで、2種類のモニタする信号光の利得をG(1480nm)およびG(1510nm)とし、合計利得Gおよび利得差ΔGを以下のように定義する。
【0156】
=G(1480nm)+G(1510nm) …(1)
ΔG=G(1480nm)−G(1510nm) …(2)
【0157】
およびΔGが一意に決まればG(1480nm)およびG(1510nm)も決定するので、GおよびΔGを制御することで、G(1480nm)およびG(1510nm)を制御可能である。
【0158】
本実施例のGとΔGにおいても、励起光パワーや制御光パワーの変化に対し、実施例3のGとΔGと同様の傾向を示すため、同様の制御アルゴリズムを適用することにより利得スペクトル制御が可能であり、実施例3と同様にGとΔGを算出し、これをもとに制御光源3504および励起光源3309の光量を調整する。
【0159】
本実施例においては、波長多重信号光のうち2チャネル(1480nmおよび1510nm)を用いて利得を求め、GおよびΔGを算出して制御光源3504および励起光源3309の光量を制御したが、さらに多くのチャネルを用いて制御を行う実施例も可能である。この場合、例えば各チャネルの利得の差分としては△Gの代りに2種類の任意の2チャネルの利得の差分を用いる方法が考えられるが、2チャネルにおけるGとΔGのように、各チャネルの利得の制御が可能な範囲で変数を自由に定義し、光量制御のために用いることができる。
【0160】
本発明の利得制御時、−25〜−10dBm/ch.入力条件に対し、利得偏差0.3dB以下を実現し、本制御の有効性が実証された。
【0161】
(実施例8)
図17は、本発明の光ファイバ増幅器の第8実施例を示す構成図である。図17において図11と同様の個所には同一の参照番号を付してその説明を省略する。図17に示すように、この光ファイバ増幅器は、図11の構成に加え、演算部4313を有する。演算部4313は、光検出器3503で検出された信号光パワーを補正する補正回路4301および補正された信号光パワーに基づいて演算を行ってその結果を制御部3312に送る演算回路4302を有する。実施例4同様、各部材、装置は実施例3と同様のものを使用する。
【0162】
本実施例では、信号光は1480〜1510nm、2nm間隔の16波、増幅用光ファイバ3304はZBLANフッ化物ガラスをホストとしコアにツリウムイオンを6000ppm添加した5mの光ファイバ、制御光源3307の波長は1470nm、励起波長は1390nm、アイソレータ3302、3305は中心波長1480nm、合波器3301は1472nm以下と1478nm以上の帯域を合分波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、分波器3701、3702は3dBの分岐カプラ、合波器3303、3705は1430nm以下と1440nm以上の帯域を合波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラ、分波器3501、3306は分岐比95:5の分岐カプラ、フィルタ3502、3310は、透過帯域が1480〜1510nmのもの、フィルタ3703は、中心波長1470nm、透過帯域の半値幅が0.8nmのもの、を使用した。なお、モニタする信号光は1470nmの制御光と予め定めた波長範囲の光量として、1480〜1510nmの波長範囲の全信号光とした。
【0163】
ここで、2種類のモニタする信号光の利得をG(1470nm)およびG(1480〜1510nm)とする。しかし、光検出器3503に検出される全信号光パワーには信号光以外の光(増幅された自然放出光等)が含まれ、無視できないほど大きい場合がある。特に多段中継後の場合にはその傾向が顕著に表れる。そこで補正回路4301にて入力信号光パワーに応じたある関数から計算される補正値を発生し、その値を演算部で計算されたG(1480〜1510nm)に加算もしくは掛算することでG(1480〜1510nm)の補正を行う。補正後のG(1480〜1510nm)をG′(1480〜1510nm)とする。合計利得Gおよび利得差ΔGを以下のように定義する。
【0164】
=G(1470nm)+G′(1480〜1510nm) …(1)
ΔG=G(1470nm)−G′(1480〜1510nm) …(2)
【0165】
およびΔGが一意に決まればG(1470nm)およびG′(1480〜1580nm)も決定するので、GおよびΔGを制御することで、G(1470nm)およびG′(1480〜1510nm)を制御可能である。
【0166】
本実施例のGとΔGにおいても、励起光パワーや制御光パワーの変化に対し、実施例3のGとΔGと同様の傾向を示すため、同様の制御アルゴリズムを適用することにより利得スペクトル制御が可能である。また、実施例3と同様、入力された信号光は、分波器3501で分波され、分波器3306にて分波され、その一方は信号光として出力される。
【0167】
分波器3501で分岐された信号光は、フィルタ3502にて1480〜1510nmの全信号光が抽出された後、光検出器3503にて検出され、制御光は制御光源に内蔵された光検出器3307で検出され、分波器3306で分波された信号光および制御光は、分波器3702でさらに分岐され、一方はフィルタ3703にて1470nmの制御光が抽出された後、光検出器3704で検出され、もう一方はフィルタ3310にて1480〜1510nmの全信号光が抽出された後、光検出器3311で検出され、それらの検出値は電気信号に変換後、演算部4313の演算回路4302に送られる。また、光検出器3503にて検出された検出値は補正回路4301に送られる。
【0168】
光検出器3503で検出された検出値は、演算部3313内の補正回路4301にて以下の式に従って補正される。
【0169】
Figure 2004193541
Pre:補正後制御光源出力(mW)
Pc:補正前制御光源出力(mW)
【0170】
本補正式は光検出器3503にて検出した制御光パワー値に応じて、その値に重み付けして補正するものであり、補正前後の制御光出力の関係を図18に示す。横軸を補正前制御光出力、縦軸を補正前制御光出力と補正後制御光出力の差(ΔP)とした。補正前制御光出力が増加するにつれΔPが急激に増加していることが分かる。なお本方程式はあくまでも一例であり、制御時の増幅器の動作条件を満たすのであれば多種多様の関数を取り得る。また、本実施例では、光検出器3503からの出力値の補正についてのみ説明したが、他の実施例としては、光検出器3704からの出力値を補正することまたは光検出器3503および3704からの出力値の双方を補正する構成も可能である。
【0171】
補正後の制御光源出力値は、演算回路4302へ送られる。
【0172】
演算回路4302では、受信した検出値や補正値から信号光および制御光の利得を算出した上で、GおよびΔGを算出する。予め設定されたGおよびΔGと一致するよう制御光源および励起光源の電流値を算出し、それらの値は制御部3312へ送られる。
【0173】
制御部3312は、演算回路4302から送られてきた電流値になるように制御光源3307および励起光源3309を調整する。
【0174】
本発明の利得制御時、−25〜−10dBm/ch.入力条件に対し、利得偏差0.3dB以下を実現し、本制御の有効性が実証された。
【0175】
(実施例9)
図19は、本発明の光ファイバ増幅器の第9実施例を示す構成図である。図19において図17と同様の個所には同一の参照番号を付してその説明を省略する。図19に示すように、図17の構成に加え、制御光と信号光を合分波するファイバグレーティング4501、4505と組み合わせたサーキュレータ4502、4504、アイソレータ3308からの励起光とサーキュレータ4502からの信号光・制御光とを合波する合波器4503が含まれる。
【0176】
ファイバグレーティング4501、4505と組み合わせたサーキュレータ4502、4504の代わりに溶融延伸のファイバ型(分岐型、波長分割多重型いずれも)、誘電体多層膜型等が使用可能である。合波器4503として、溶融延伸のファイバ型、誘電体多層膜型、ファイバグレーティングと組み合わせたサーキュレータ等が使用可能である。
【0177】
本実施例では、信号光は1478、1480、1482、1484、1486、1488、1490、1492、1496、1498、1500、1502、1504、1506、1508、1510nmの16波、増幅用光ファイバ3304はZBLANフッ化物ガラスをホストとしコアにツリウムイオンを6000ppm添加した7mの光ファイバ、制御光源の波長は1494nm、励起波長は1400nm、アイソレータ3308は中心波長1400nm、ファイバグレーティング4501、4505と組み合わせたサーキュレータ4502、4504は合分波波長1494nm(帯域幅0.8nm)、合波器4503は1430nm以下と1440nm以上の帯域を合波する誘電多層膜型の波長分割多重カプラを使用した。また励起光パワーは300mWに固定とした。
【0178】
図19に示すように、信号光は、分波器4501にて制御光と合波され、ファイバグレーティング4501と組み合わせたサーキュレータ4502を通過し、合波器4503にて更に励起光と合波され、増幅用光ファイバ3304を通過後、ファイバグレーティング4505と組み合わせたサーキュレータ4504にて分波され、その一方は信号光として出力される。
【0179】
増幅用光ファイバ3304に入力される制御光パワーは、制御光源3307の内部の光検出器にて検出され、増幅用光ファイバより出力される制御光パワーは、ファイバグレーティング4505と組み合わせたサーキュレータ4504で分波され、光検出器3311にて検出され、それらの値は電気信号にて演算部3313に送られる。
【0180】
制御光源3307内部の光検出器に検出された検出値は、演算部3313内の補正回路4301にて以下の式に従って実施例8と同様に補正され、補正前後の制御光出力の関係は図20に示される。
【0181】
Pre=Pc・(1.0106−0.73559・Pc),Pc≧0.005
Pre:補正後制御光源出力(mW)
Pc:補正前制御光源出力(mW)
【0182】
なお、本方程式はあくまでも一例であり、制御時の増幅器の動作条件を満たすのであれば多種多様の関数を取り得る。また、本実施例では、光検出器を内部の制御光源3307からの出力値の補正についてのみ説明したが、この他には、光検出器3311からの出力値を補正することまたは光検出器3311および制御光源3307からの出力値の双方を補正する構成も可能である。
【0183】
補正後の制御光源出力値は、演算回路4302へ送られ、補正値に基づき制御光源3307の光量が調整される。
【0184】
本発明の利得制御時、−25〜−10dBm/ch.入力条件に対し、利得偏差0.3dB以下を実現し、本制御の有効性を実証した。
【0185】
【発明の効果】
本発明によれば、希土類イオンを添加した増幅媒体を用いた光増幅器において、少なくとも光増幅器内に制御光源を有し、制御光もしくは信号光の利得を制御すること、少なくとも光増幅器内に制御光源を有し、制御光利得と信号光利得を制御すること、または、少なくとも光増幅器内に制御光源を有し、2つの信号光の利得を制御することにより利得スペクトルを一定に制御することができる。
【0186】
また、本発明の光増幅器は、WDM伝送システムに適用した場合、信号チャネル数の変化に伴う入力レベルの変動および温度変化による利得スペクトルの変化に対し、信号光の利得スペクトルの制御が可能である。
【0187】
また、本発明の光増幅器は、伝送路損失の経時変化時の補償に必要な出力を一定に制御することができ、さらに、発振波長のホールバーニング等にも対応することができる。
【0188】
本発明の制御方法は、広く一般的な希土類イオンを添加した増幅媒体を用いた光増幅器で利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)および(B)は、それぞれ、石英をホストガラスとする場合のErイオン、およびPrイオンの、増幅に大きく関与するエネルギー準位を表す模式図である。
【図2】(A)および(B)は、それぞれ、ErイオンおよびTmイオンのエネルギー凖位を示す図である。
【図3】TDFAにおいて波長λでの利得を一定にし、TDFAの励起光量を調節した場合の特性を示す図である。
【図4】制御光と信号光の総入力パワーが常に一定になるように制御光源の光量を調節した場合の利得スペクトルを表す図である。
【図5】制御光と信号光の総出力パワーが常に一定になるように制御光源の光量を調節した場合の利得スペクトルを表す図である。
【図6】本発明の光増幅器を説明するための構成図である。
【図7】本発明の光ファイバ増幅器の第1実施例を説明するための構成図である。
【図8】第1実施例において各入力信号レベルを変えた場合の利得プロファイルの偏差の最大値をプロットした図である。
【図9】本発明の光ファイバ増幅器の第2実施例を説明するための構成図である。
【図10】第2実施例において各入力信号レベルを変えた場合の利得プロファイルの偏差の最大値をプロットした図である。
【図11】本発明の光ファイバ増幅器の第3実施例を説明するための構成図である。
【図12】第3実施例において、入力信号光パワーを−15dBm/ch.、励起光パワーを400mWに固定し、制御光のパワーを変化させた場合の、2つのモニタする信号光の合計利得Gと利得差ΔGをプロットした図である。
【図13】第3実施例において、入力信号光パワーを−15dBm/ch.、制御光パワーを−15dBmに固定し、励起光パワーを変化させた時の、2つのモニタする信号光の合計利得Gと利得差ΔGをプロットした図である。
【図14】本発明の利得制御時、−10dBm/ch.入力時の利得スペクトルを基準として各入力条件(−25,−20,−15,−10dBm/ch.)の利得スペクトルの偏差をプロットした図である。
【図15】第4〜第6実施例を説明するための構成図である。
【図16】本発明の光ファイバ増幅器の第7実施例を説明するための構成図である。
【図17】本発明の光ファイバ増幅器の第8実施例を説明するための構成図である。
【図18】第8実施例において、補正前後の制御光出力の関係を示した図である。
【図19】本発明の光ファイバ増幅器の第9実施例を説明するための構成図である。
【図20】第9実施例において、補正前後の制御光出力の関係を示した図である。
【符号の説明】
600 光増幅器
601、603 監視手段
602 増幅部
604 制御システム
610 制御光源
612 増幅媒体
614、616 励起光源
618、620、622 合波器
624、626 アイソレータ
628、636 信号
630 制御部
632 演算部
634 光分岐素子
634 分波器
635 光検出器
3301、3303、3705、4503 合波器
3302、3305、3308 アイソレータ
3303 波長分割多重カプラ(合波器)
3304 増幅用光ファイバ
3306、3501、3701、3702、4101、4501 分波器
3307、3311、3503、3704、4103 光検出器
3307、3307、3504 制御光源
3309 励起光源
3310、3502、3703、4102 フィルタ
3312 制御部
3313、4313 演算部
4301 補正回路
4302 演算回路
4501、4505 ファイバグレーティング
4502、4504 サーキュレータ

Claims (20)

  1. 増幅媒体として希土類イオンをコアおよび/またはクラッドに添加した希土類添加光ファイバまたは希土類添加光導波路、該増幅媒体を励起するための励起手段、前記増幅媒体の増幅帯域内の波長を有する制御光を前記増幅媒体に入力し、その入力パワーを変化させることで前記増幅媒体の反転分布状態を制御できる1以上の制御光源、前記増幅媒体に入出力する光パワーをモニタする監視手段、および、前記監視手段より得られた値から該光の利得を算出し、予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記制御光源を制御するための制御部とを含むことを特徴とする光増幅器。
  2. 前記監視手段が制御光をモニタするものであることを特徴とする請求項1に記載の光増幅器。
  3. 前記監視手段が、1チャンネル以上の信号光をモニタするものであることを特徴とする請求項1に記載の光増幅器。
  4. 前記監視手段が、増幅帯域内で予め定められた波長範囲の光をモニタするものであることを特徴とする請求項1に記載の光増幅器。
  5. 前記励起手段の励起光パワーが常に一定であることを特徴とする請求項1乃至4に記載の光増幅器。
  6. 増幅媒体として希土類イオンをコアおよび/またはクラッドに添加した希土類添加光ファイバまたは希土類添加光導波路、該増幅媒体を励起するための励起手段、前記増幅媒体の増幅帯域内の波長を有する制御光を前記増幅媒体に入力し、その入力パワーを変化させることで前記増幅媒体の反転分布状態を制御できる1以上の制御光源、前記増幅媒体に入出力する複数の波長の光のパワーをモニタする監視手段、前記監視手段より得られた値から複数の波長の利得を算出後、複数の利得の差と和を算出し、複数の利得の差が予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記制御光源を制御し、複数の利得の和が予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記励起手段を制御するための制御部とを含むことを特徴とする光増幅器。
  7. 前記監視手段が、制御光および信号光をモニタするものであることを特徴とする請求項6に記載の光増幅器。
  8. 前記監視手段が、複数の信号光をモニタするものであることを特徴とする請求項6に記載の光増幅器。
  9. 前記監視手段が、制御光および増幅帯域内で予め定められた波長範囲の光をモニタするものであることを特徴とする請求項6に記載の光増幅器。
  10. 前記制御部が、前記監視手段より得られた値に応じ、それらの値若しくは前記制御部で算出される利得、利得の差、または利得の和を補正する補正手段を含むことを特徴とする請求項1乃至9に記載の光増幅器。
  11. 希土類イオンとして、ツリウム、ホルミウムおよびエルビウムから選択される少なくとも1つの希土類イオンを用いることを特徴とする請求項1乃至10に記載の光増幅器。
  12. 増幅媒体として希土類イオンをコアおよび/またはクラッドに添加した希土類添加光ファイバまたは希土類添加光導波路、該増幅媒体を励起するための励起手段、1以上の制御光源であって、該制御光源からの制御光の入力パワーを変化させることで前記増幅媒体の反転分布状態を制御できるもの、監視手段、および、制御部とを含む光増幅器の利得プロファイルを一定に制御する方法において、
    前記増幅媒体の増幅帯域内の波長を有する制御光を前記増幅媒体に入力することと、
    前記増幅媒体に入出力する光パワーをモニタすることと、
    前記監視手段より得られた値から該光の利得を算出し、予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記制御光源を制御すること
    とを含むことを特徴とする制御方法。
  13. 前記監視手段が、制御光をモニタすることを特徴とする請求項12に記載の制御方法。
  14. 前記監視手段が、1チャンネル以上の信号光をモニタすることを特徴とする請求項12に記載の制御方法。
  15. 前記監視手段が、増幅帯域内で予め定められた波長範囲の光をモニタすることを特徴とする請求項12に記載の制御方法。
  16. 前記励起手段の励起光パワーが常に一定であることを特徴とする請求項13乃至15に記載の制御方法。
  17. 増幅媒体として希土類イオンをコアおよび/またはクラッドに添加した希土類添加光ファイバまたは希土類添加光導波路、該増幅媒体を励起するための励起手段、1以上の制御光源であって、該制御光源からの制御光の入力パワーを変化させることで前記増幅媒体の反転分布状態を制御できるもの、監視手段、および制御部とを含む光増幅器の利得プロファイルを一定に制御する方法において、
    前記増幅媒体の増幅帯域内の波長を有する制御光を前記増幅媒体に入力することと、
    前記増幅媒体に入出力する複数の波長の光のパワーをモニタすることと、
    前記監視手段より得られた値から複数の波長の利得を算出後、複数の利得の差と和を算出し、複数の利得の差が予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記制御光源を制御し、複数の利得の和が予め定められた値若しくは外部より入力される値と一致するように前記励起手段を制御することとを含むことを特徴とする制御方法。
  18. 前記監視手段が、制御光および信号光をモニタすることを特徴とする請求項17に記載の制御方法。
  19. 前記監視手段が、複数の信号光をモニタすることを特徴とする請求項17に記載の制御方法。
  20. 前記監視手段が、制御光および増幅帯域内で予め定められた波長範囲の光をモニタすることを特徴とする請求項17に記載の制御方法。
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