JP2004193210A - 電子ビーム近接露光方法及び露光装置 - Google Patents

電子ビーム近接露光方法及び露光装置 Download PDF

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JP2004193210A JP2002356784A JP2002356784A JP2004193210A JP 2004193210 A JP2004193210 A JP 2004193210A JP 2002356784 A JP2002356784 A JP 2002356784A JP 2002356784 A JP2002356784 A JP 2002356784A JP 2004193210 A JP2004193210 A JP 2004193210A
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Abstract

【課題】マスクとウエハとの位置決め時間を短縮し、精度よくダイに転写する。
【解決手段】最初のウエハの転写時にマスクの第1マークとパレットの第2マークを第1顕微鏡で撮像するステップ1と、ダイ毎の第3マークとマスクの第4マークを第2顕微鏡で撮像するステップ2と、ステップ1で得た画像に基きずれ量を求めステップ2で得た画像に基きずれ量を求め第2と第3マークの関係を求めるステップ3と、ステップ3での第3と第4マークのずれ量に基きマスクとダイを位置合せしパターンをウエハに転写しこれを各ダイに繰り返すステップ4と、2枚目以降のウエハの転写時に第1と第2マークを第1顕微鏡により撮像するステップ5と、ステップ5で得た画像に基き第1と第2マークのずれ量を求めるステップ6と、ステップ3で求めた第2と第3マークの関係とステップ6で求めた第1と第2マークのずれ量に基きマスクと各ダイを位置合わせ転写しこれを繰り返す。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子ビーム近接露光方法及び露光装置に係り、特に電子ビームを用いて半導体ウエハに近接配置されたマスクのマスクパターンをウエハ上のレジスト層に等倍転写する電子ビーム近接露光方法及び露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の電子ビーム近接露光装置は、米国特許第5,831,272号(日本特許第2951947号に対応)に開示されている(特許文献1)。
【0003】
図20は上記電子ビーム近接露光装置の基本構成を示す図である。この電子ビーム近接露光装置10は、主として電子ビーム15を発生する電子ビーム源14と、電子ビーム15を平行ビームにするレンズ16及び整形アパーチャ18を含む電子銃12と、主偏向器22、24及び副偏向器26、28を含み、電子ビームを光軸に平行に走査する走査手段20と、マスク30とから構成されている。
【0004】
マスク30は、表面にレジスト層42が形成されたウエハ40に近接するように(たとえば、隙間が50μmとなるように)配置される。この状態で、マスク30に垂直に電子ビームを照射すると、マスク30のマスクパターンを通過した電子ビームがウエハ40上のレジスト層42に照射される。
【0005】
また、走査手段20は、図21に示されるように電子ビーム15がマスク30の全面を走査するように電子ビームを偏向制御する。これにより、マスク30のマスクパターンがウエハ40上のレジスト層42に等倍転写される。
【0006】
この電子ビーム近接露光装置10は、図22に示されるように真空チャンバ50内に設けられている。また、真空チャンバ50内には、ウエハ40を吸着するために静電チャック60と、この静電チャック60に吸着されたウエハ40を水平の直交2軸方向に移動させるとともに、水平面内で回転させるためのウエハステージであるθXYステージ70が設けられている。θXYステージ70は、マスクパターンの等倍転写が終了するごとにウエハ40を所定量移動させ、これにより1枚のウエハ40に複数のマスクパターンが転写できるようにしている。このような転写方式はダイバイダイ(Die by Die)方式と称されている。なお、図22上で、ウエハ40の導通をとるために、ウエハ40の上面に押し当てられた導通ピン80が設けられる。
【0007】
ところで、ウエハはそれぞれマスクパターンの異なる複数のマスクを用いて複数回露光され、これにより集積回路が形成される。そして、各マスクパターンの露光時には、露光するマスクパターンが、既に露光済みのマスクパターンと所定の位置関係になるようにマスクとウエハとを相対的に位置決めする必要がある。
【0008】
【特許文献1】
米国特許第5,831,272号
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のダイバイダイ(Die by Die)方式はマスクとウエハとの位置決めに要する時間がかかり、その結果スループットが低いという大きな問題がある。
【0010】
一方、上記従来のダイバイダイ方式を採用せず、マスクとウエハとの所定のマーク同士の位置合わせのみで済ます位置決め方式も提案されている。すなわち、ウエハの所定位置とマスクの所定位置に所定の位置合わせ用のマークを設けておき、また、ウエハの位置合わせ用のマークとウエハ上の各ダイとの位置関係を予め求めておき、マスクとウエハとの所定のマーク同士の位置合わせを行う。この方式で一旦マスクとウエハとの位置合わせが済んだ後には、マスクとウエハとのダイのピッチ毎の相対移動で位置決めが行える。したがって、スループットが向上できるというメリットがある。
【0011】
しかしながら、このように位置決め時間を短縮した場合、位置決め精度が犠牲になる懸念も大きい。
【0012】
また、上記従来のダイバイダイ方式であっても、たとえばウエハが露光工程等を経て設計値に対して伸縮している場合、位置決め装置に使用されるレーザー測長機のミラーが変形している場合、レーザー光線が空気のゆらぎに影響され誤差を生じる場合等に対しては対処が困難であるという問題もある。
【0013】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、マスクとウエハとの位置決めに要する時間を極力短縮し、マスクパターンを精度よくウエハの各ダイに転写することができる電子ビーム近接露光方法及び露光装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を達成するために、本発明は、ウエハにマスクを近接配置し、電子ビームによって前記マスクを走査することにより該マスクに形成されたマスクパターンを、前記ウエハの各ダイ毎に前記ウエハ上のレジスト層に転写し、この操作を複数枚のウエハに対して繰り返し行う電子ビーム近接露光方法において、
最初のウエハの転写に先立って、前記マスクに設けられた位置合わせ用の第1のマークと、前記ウエハに設けられた位置合わせ用の第2のマークとを各マークが設けられた面と直交する方向から同時に撮像するステップであって、前記第1のマーク及び第2のマークにそれぞれピントを合わせることが可能な2組の結像光学系を有する第1の顕微鏡撮像装置によって同時に撮像し、各マークの相対的な位置関係を求め、前記ウエハの転写すべき各ダイの座標を決定するステップであるステップ1と、
最初のウエハの転写時において、前記ウエハと前記マスクとを相対移動させ、前記ウエハの各ダイ毎に設けられた位置合わせ用の第3のマークと、前記マスクに前記第3のマークに対応するように設けられた位置合わせ用の第4のマークとを同時に撮像するステップであって、前記第1の顕微鏡撮像装置又は複数の第2の顕微鏡撮像装置によって前記マスクと1のダイとを同時に撮像するステップであるステップ2と、
最初のウエハの転写時において、前記ステップ1で得られた前記第1のマーク及び第2のマークの画像信号に基づいて前記第1のマークと第2のマークとの相対的な位置ずれ量を求めるとともに、前記ステップ2で得られた1のダイの前記第3のマーク及び第4のマークの画像信号に基づいて1のダイの前記第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量を求め、これらの位置ずれ量より前記第2のマークと前記第3のマークとの相対的な位置関係を求めるステップであるステップ3と、
最初のウエハの転写時において、前記ステップ3での前記第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量に基づいて、前記マスクと前記ウエハの1のダイとを相対的に位置合わせし、前記マスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写するステップであるステップ4と、
前記ステップ2からステップ4までを前記ウエハの各ダイに対して繰り返し行うステップであるステップ5と、
2枚目以降のウエハの転写時において、前記第1のマークと、前記第2のマークとを各マークが設けられた面と直交する方向から、前記第1の顕微鏡撮像装置によって同時に撮像するステップであるステップ6と、
2枚目以降のウエハの転写時において、前記ステップ6で得られた前記第1のマーク及び第2のマークの画像信号に基づいて前記第1のマークと第2のマークとの相対的な位置ずれ量を求めるステップであるステップ7と、
2枚目以降のウエハの転写時において、前記ステップ3で求められた前記第2のマークと前記第3のマークとの相対的な位置関係、及び、前記ステップ7で求められた前記第1のマークと第2のマークとの相対的な位置ずれ量に基づいて、前記マスクと前記ウエハの各ダイとを相対的に位置合わせし、前記マスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写し、この操作を前記ウエハの各ダイに対して繰り返し行うステップであるステップ8と、
を含むことを特徴とする電子ビーム近接露光方法及びこれに使用される露光装置を提供する。
【0015】
本発明によれば、最初のウエハの転写時においては、ダイバイダイ(Die by Die)方式の電子ビーム近接露光方法が採用される。そして、このときの各マーク間の相対的な位置ずれ量が求められる。次に、この結果を基に、2枚目以降のウエハの転写時においては、ダイバイダイ方式を採用せずに、一旦マスクとウエハとの位置合わせが済んだ後に、マスクとウエハとのダイのピッチ毎の相対移動で各ダイの位置決めを行う。したがって、マスクとウエハとの位置決めに要する時間を極力短縮し、マスクパターンを精度よくウエハの各ダイに転写することができる。
【0016】
本発明において、前記ステップ3において、前記第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量が所定の値未満である場合には、ステップ4に代えて、最初のウエハの転写時において、所定の個数のダイにおいては、前記ステップ3での前記第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量に基づいて、前記マスクと前記ウエハのダイとを相対的に位置合わせし、前記マスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写し、
前記所定の個数のダイ以外のダイにおいては、前記ステップ3での前記第1のマークと第2のマークとの相対的な位置ずれ量に基づいて、前記マスクと前記ウエハのダイとを相対的に位置合わせし、前記マスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写し、
これらの操作を前記ウエハの各ダイに対して繰り返し行うステップであるステップ4’を採用することが好ましい。
【0017】
このように、ダイバイダイ方式において、第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量が所定の値未満である場合には、マスクとウエハのダイとの位置合わせが良好に行われている確率は高い。したがって、各ダイ毎に第3のマークと第4のマークとで位置合わせを行わず、たとえば2ダイ毎、3ダイ毎に第3のマークと第4のマークとで位置合わせを行い、それ以外のダイではフィードフォワード方式の位置決めを行える。これにより、ダイバイダイ方式に要する時間が大幅に短縮化できる。
【0018】
また、本発明において、前記ステップ3において、前記第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量が所定の値を超える場合には、ステップ4に代えて、
全てのダイにおいて、前記ステップ3での前記第1のマークと第2のマークとの相対的な位置ずれ量に基づいて、前記マスクと前記ウエハのダイとを相対的に位置合わせし、前記マスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写し、
これらの操作を前記ウエハの各ダイに対して繰り返し行うステップであるステップ4’’を採用することが好ましい。
【0019】
第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量が所定の値を超える場合には、ウエハに設けられた第3のマークに損傷を生じている可能性がある。したがって、このようなマークを使用してマスクとウエハのダイとを相対的に位置合わせすると誤差となる。このような場合に、第1のマークと第2のマークとの相対的な位置ずれ量に基づいてマスクとウエハのダイとを相対的に位置合わせすれば、少なくとも所定の精度は確保できる。
【0020】
また、本発明において、前記ステップ4、ステップ4’又はステップ4’’において、前記マスクと前記ウエハの各ダイとを相対的に位置合わせする際に、前記ウエハと前記マスクとをX方向及びY方向に相対移動させるとともに、前記電子ビームをθ方向に入射角度制御させることが好ましい。
【0021】
このように、マーク同士のXY方向のずれ量補正は、XY方向の微動調整によるのが容易である。また、θ方向のずれ量補正は、電子ビームの入射角度制御によるのが容易である。
【0022】
特に、θ方向のずれ量補正をウエハステージ等の微動調整によって行った場合、マスクとウエハとの相対的な回転が生じ、ウエハ上の異なる位置のダイにおいては更にθ方向のずれ量補正が必要になり、計算等が煩雑になる。これに対し、θ方向のずれ量補正を電子ビームの入射角度制御によって行えば、マスクとウエハとの相対的な回転が生じないので、このような不具合は生じない。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電子ビーム近接露光方法及び露光装置の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る電子ビーム近接露光装置の転写部の上面図である。図2は、図1の2−2線に沿う断面図である。
【0024】
これらの図面に示されるように、この電子ビーム近接露光装置には、マスク32に対向して4つの顕微鏡撮像装置AX1、AY1、AX2、AXYが設けられている。これらの顕微鏡撮像装置のうち、第2の顕微鏡撮像装置であるAX1、AY1、AX2は、電子ビームによる露光時に電子ビームを遮ることがないように撮影光軸がマスク面に対して斜めになるように配置されている。
【0025】
また、第1の顕微鏡撮像装置である顕微鏡撮像装置AXYは、撮影光軸がマスク面に対して垂直になるように配置されており、電子ビームによる露光時に電子ビームを遮ることがないように左右方向(X方向)に移動可能となっている。なお、電子ビーム近接露光装置としての主要な構成は、図20乃至図22に示したものと同様のため、その詳細な説明は省略する。
【0026】
図3は電子ビーム近接露光装置の転写部を拡大した上面図である。同図において、ウエハ40は、θXYステージ70上の静電チャック60によって吸着されている。
【0027】
先ず、図3におけるダイバイダイ方式が適用される構成について説明する。このウエハ40には、ウエハ40の各ダイDのX軸方向の位置決めを行うための第3のマークであるダイマークMDXと、Y軸方向の位置決めと行うための第3のマークであるダイマークMDYとがダイが形成される領域外に設けられている。
【0028】
一方、マスク32には、破線で示される領域内にマスクパターンが形成されており、破線で示される領域外に前記ダイマークMDX、MDYとの関係でマスク32とウエハ40とのX方向、Y方向のずれ、及び、XY平面の回転方向のずれを検出するための第4のマークである3つのマスクマークMMX1 、MMX2 、MMY1 が設けられている。なお、図3における、全体マスクマークM等については後で説明する。
【0029】
図4及び図5により上記ダイマーク及びマスクマークの詳細について説明する。図4は図3の符号Aで示した部分の拡大図であり、図5は図4の5−5線に沿う断面図である。図4に示されるように、マスク32には、マスクマークMMX1 が形成され、マスク32を介してその下側のダイマークMDX、MDXが透視できるようになっている。
【0030】
マスク32に形成されるマスクマークMMX1 は、5×3個の小さな開口によって構成されており、一方、ダイマークMDXは、14×3個の凸部によって構成されている(図4、図5参照)。なお、ウエハやマスクに形成する位置決め用のマークは、この実施の形態には限定されない。
【0031】
次に、顕微鏡撮像装置について説明する。ここでは、顕微鏡撮像装置AX1について説明するが、他の顕微鏡撮像装置AY1、AX2も同様の構成である。図6に顕微鏡撮像装置AX1の概略を示す。同図に示されるように、顕微鏡撮像装置AX1は、水平に配置されたマスク32に対して光軸の入射角が所定の角度αとなるように配設されている。
【0032】
顕微鏡対物レンズ90の前面には、カバーガラス91が取り付けられている。このカバーガラス91の表面には、導電性の薄膜91Aが蒸着され、この導電性の薄膜91Aは、導電性の保持部材92及び顕微鏡撮像装置AX1の筐体を介して接地されている。これにより、電子ビームによる転写時に散乱する電子又は2次電子がカバーガラス91の表面に帯電しないようにしている。
【0033】
なお、導電性の薄膜91Aとしては、錫酸化膜又はインジウム錫酸化膜(ITO)などが使用される。また、この実施の形態では、カバーガラス91の表面に導電性の薄膜91Aを蒸着するようにしたが、カバーガラスが設けられていない顕微鏡撮像装置の場合には、顕微鏡対物レンズ90の表面に導電性の薄膜を蒸着し、この導電性の薄膜を接地するようにする。
【0034】
また、上記導電性の薄膜91Aの代わりにメカニカルなシャッタ機構を設け、電子ビームによる転写時には、シャッタ機構を閉じて顕微鏡撮像装置の光学部材を遮蔽し、撮像時にはシャッタ機構を開くようにしてもよい。なお、この場合のシャッタ機構は、電子が帯電しないものが使用される。
【0035】
この顕微鏡撮像装置AX1の内部には、照明手段が設けられている。すなわち、照明手段は、白色光源93、レンズ94、反射ミラー95及びハーフミラー96から構成されており、白色光源93から出射された白色照明光は、レンズ94によってほぼ平行光にされ、反射ミラー95、ハーフミラー96、対物レンズ90及びカバーガラス91を介してマスク32及びウエハ40を照明する。
【0036】
このようにして照明されたマスク32のマスクマーク及びウエハ40のダイマークでの散乱光は、対物レンズ90、ハーフミラー96を介して撮像部97に入射して撮像される。
【0037】
図7(A)に示されるように、マスクマークMMX1 及びダイマークMDXは、顕微鏡撮像装置の焦点面F上にマークの一部が位置するように、各マークの長さや撮影光軸の入射角αなどが決定されている。なお、図7(A)上で、Pは白色照明光の正反射光、Q、RはそれぞれマスクマークMMX1 及びダイマークMDXでの白色照明光の散乱光、Gはマスク32とウエハ40との間隔である。
【0038】
図7(B)は顕微鏡撮像装置によって白色照明光の散乱光Q、Rが撮像された様子を示す画像である。
【0039】
次に、上記のようにして撮像されたマスクマーク及びダイマークに基づいてマスクとウエハとのずれを検出する方法について説明する。図8(A)に示されるように撮像されたマスクマーク及びダイマークの画像中からピントがあっている部分(枠で囲んだ部分)を、X方向に連続して抽出する。図8(B)は、このようにして抽出した画像のX方向の各位置における輝度レベルを示している。
【0040】
ここで、図8(B)に示されるように2つのマスクマークMMX、MMX及び1つのダイマークMDXに対応する輝度レベルについて、それぞれ3つのピークのうちの中心のピーク位置を求め、各ピーク間の距離X、Xを求める。そして、マスクマークMMXとダイマークMDXとのX方向の位置ずれ量ΔXは、次式、
【0041】
【数1】
ΔX=(X−X)/2
によって求めることができる。
【0042】
なお、顕微鏡撮像装置AX1、AX2によってマスク32とウエハ40のX方向の2つの位置ずれ量を検出することができ、顕微鏡撮像装置AY1によってマスク32とウエハ40のY方向の1つの位置ずれ量を検出することができる。
【0043】
次に、ウエハ40のダイDとマスク32との位置合わせ方法について説明する。図3に示されるように、まず、ウエハ40の左上隅のダイD1とマスク32とを位置決めする。この位置決めは、各顕微鏡撮像装置AX1、AY1、AX2によって検出される位置ずれ量が、同時にゼロになるようにθXYステージ70をX方向、Y方向に移動させるとともに、XY平面内でθXYステージ70を回転させることによって行われる。
【0044】
なお、この実施の形態では、θXYステージ70を回転させるようにしたが、マスク32を回転させるようにしてもよいし、θ方向のずれ量補正を電子ビームの入射角度制御によって行ってもよい。また、ウエハ40を移動させる代わりにマスク32をX方向、Y方向に移動させてもよい。
【0045】
上記のようにしてマスク32と第1のダイD1との位置決めが完了すると、マスクパターン転写を行う。続いて隣接するダイD2(図示されない)とマスク32とを同様の手順で位置決めする。以下、順にダイD3、D4、D5とマスク32との位置決めを行って行く。この際の各ダイDにおけるθXYステージ70等の移動量等は、後述する制御部のメモリ203に記憶しておく。
【0046】
なお、ウエハ40におけるダイDの位置決め、転写の順序は、上記例に限定されるものではない。
【0047】
次に、第1のマーク及び第2のマークにそれぞれピントを合わせることが可能な2組の結像光学系を有する第1の顕微鏡撮像装置によって同時に撮像するステップであるステップ1の構成について説明する。図9は、電子ビーム近接露光装置の要部縦断面図であり、図10は図9に示した電子ビーム近接露光装置の要部上面図のうち、第1の顕微鏡撮像装置である顕微鏡撮像装置AXYの要部上面図である。
【0048】
図9及び図10に示されるように、この電子ビーム近接露光装置には、1つの顕微鏡撮像装置AXYが、顕微鏡ステージ84によってX方向及びY方向に移動できるようになっている。各図において、102は電子光学鏡筒である。
【0049】
顕微鏡撮像装置AXYの照明手段を構成するランプハウス110は、真空チャンバ50の外側に配設され、このランプハウス110から出射される照明光は、光ファイバ111、照明用の光学系112、及び真空チャンバ50の天板に設けられた窓54、及び光ファイバ113を介して顕微鏡撮像装置AXY内に導かれるようになっている。また、この顕微鏡撮像装置AXYは、電子光学鏡筒102とマスク32との間に顕微鏡先端の対物レンズ等が挿入できるように構成されている。
【0050】
電子ビーム近接露光装置の転写部を拡大した上面図である既述の図3において、マスク32には、既述したようにマスクパターンが形成されている。また、マスクパターン外側の左右の位置には、位置合わせ用の第1のマークである全体マスクマークMが形成されており、マスクパターンと全体マスクマークとは一定の関係をもって形成されている。
【0051】
なお、図3において、説明の便宜のため、マスクパターンは1つのみ図示してあるが、実際は、たとえば、8インチマスクでは4種類のマスクパターンが形成されている。
【0052】
顕微鏡撮像装置AXYによって全体マスクマークMを観察する場合には、この全体マスクマークMが顕微鏡撮像装置AXYの視野に入るように顕微鏡ステージ84を移動させる。なお、この顕微鏡ステージ84の位置(X、Y)は、レーザ干渉計LXM、LYM(図14参照)によって測定できるようになっている。
【0053】
一方、ウエハ40は、図3に示されるようにウエハパレット44上に電磁チャック60によって吸着固定されている。このウエハパレット44は、図22に示したθXYステージ70の電磁チャック60上に搭載され固定される。なお、図22は、ウエハパレット44を使用せずに、ウエハ40が直接電磁チャック60上に搭載されている場合に関して示している。
【0054】
ウエハ40には、マスク32の全体マスクマークMに対応する位置にウエハマークWが設けられている。このウエハマークWと、各ダイマークMDX、MDYとの位置関係は、ウエハ40をウエハパレット44に搭載した後、別途測定されデータとして保存されている。したがって、θXYステージ70上でのウエハマークWの位置が検知できれば、各ダイマークMDX、MDYの位置は前記ウエハマークWと各ダイマークMDX、MDYとの位置関係から計算で求めることができる。なお、θXYステージ70の位置(X、Y)は、レーザ干渉計LXW、LYW(図14参照)によって測定できるようになっている。
【0055】
図9及び図10に示した顕微鏡撮像装置AXYは、マスク32の全体マスクマークMと、ウエハマークWとを同時に観察し、各マーク間の位置ずれ量を測定するもので、マスク面及びウエハパレット面(ウエハ面)と直交する方向から同時に撮像するとともに、高さ(Z方向の位置)が異なる各マークに同時にピントを合わせることが可能な2組の結像光学系を有している。
【0056】
図11、は上記顕微鏡撮像装置AXYの詳細を示す光学部品配置図である。同図に示されるように顕微鏡撮像装置AXYの結像光学系は、対物レンズ120を共通にして3つの光路に分岐している。すなわち、顕微鏡撮像装置AXYは、全体マスクマークを固体撮像素子(CCD)130に結像させるマスクマーク撮像用光学系と、ウエハマークをCCD131に結像させるウエハマーク撮像用光学系と、全体マスクマークをCCD132に結像させるオートフォーカス用光学系とを有している。
【0057】
マスクマーク撮像用光学系は、対物レンズ120、ハーフミラー121、122及びマスクマーク結像用リレーレンズ123から構成され、ウエハマーク撮像用光学系は、対物レンズ120、ハーフミラー121、122、124及びウエハマーク結像用リレーレンズ125から構成され、オートフォーカス用光学系は、対物レンズ120、ハーフミラー121、122、124及びフォーカス用レンズ126から構成されている。
【0058】
顕微鏡撮像装置AXYは、対物レンズ120、ハーフミラー121、全反射ミラー127、レンズ128、光ファイバ113、光学系112及び光ファイバ111からなる照明用光学系と、この照明用光学系を介して照明光を出射するランプハウス110とからなる照明手段を有している。照明光学系内の光学系112は、NA可変絞り112A、レンズ112B、及び視野可変絞り112Cから構成されている。
【0059】
対物レンズ120及びウエハマーク結像用リレーレンズ125は、それぞれ光軸方向に微小量移動できるようになっており、対物レンズ120をたとえばピエゾ素子によって移動させることによって、全体マスクマークがCCD130に結像するようにピント調整が行われ、ウエハマーク結像用リレーレンズ125を移動させることによって、ウエハマークがCCD131に結像するようにピント調整が行われる。
【0060】
すなわち、対物レンズ120は、オートフォーカス用光学系を介して、全体マスクマークを撮像するCCD132の出力信号のコントラストが最大になるように、自動的にレンズ位置が制御される。ここで、オートフォーカス用光学系及びマスクマーク撮像用光学系は、全体マスクマークがCCD132に結像されるときに、CCD130にも結像されるように予め調整されている。したがって、CCD132に全体マスクマークが結像するように対物レンズ120を移動させることにより、CCD130に全体マスクマークを結像させることができる。なお、オートフォーカス用光学系は、ピント調整が容易にできるように、マスクマーク撮像用光学系よりも撮影倍率が低くなっている。
【0061】
また、CCD131は、マスク40からたとえば50μm下側に配置されるウエハ(ウエハマーク)が結像するようにウエハマーク結像用リレーレンズ125の位置が調整されているが、マスクとウエハとの隙間が変更される場合にもウエハマークが結像できるように、ウエハマーク結像用リレーレンズ125は、たとえば超音波モータなどによって光軸方向に微小量移動できるようになっている。
【0062】
なお、この実施の形態では、対物レンズ120とウエハマーク結像用リレーレンズ125とがそれぞれピント調整用に光軸方向に移動できるようになっているが、これに限らず、対物レンズ120、マスクマーク結像用リレーレンズ123及びウエハマーク結像用リレーレンズ125のうちの少なくとも2つが光軸方向に移動できるように構成すれば、全体マスクマーク及びウエハマークにそれぞれピントを合わせることができる。また、この顕微鏡撮像装置AXYは、瞳位置に図示しない位相差板が着脱できるようになっており、位相差顕微鏡としての機能を備えている。更に、この顕微鏡撮像装置AXYに適用される照明手段は、落射照明又は臨界照明に手動で切り替えられるように構成されている。
【0063】
また、この実施の形態では、全体マスクマークとウエハマークとがそれぞれ結像される2つのCCD(CCD130、131)を設けるようにしているが、2組の結像光学系の光路をミラーやハーフミラーを介して合流させ、全体マスクマークとウエハマークとを1つのCCDに結像させるようにしてもよい。
【0064】
図12は全体マスクマークとウエハマークとを1つのCCDに結像させる顕微鏡撮像装置AXY’の光学部品配置図である。なお、図11と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0065】
図12に示されるように、この顕微鏡撮像装置AXY’のマスクマーク撮像用光学系は、対物レンズ120、ハーフミラー140、141、反射ミラー143、マスクマーク結像用リレーレンズ123、及びハーフミラー144から構成され、ウエハマーク撮像用光学系は、対物レンズ120、ハーフミラー140、141、ウエハマーク結像用リレーレンズ125、ハーフミラー142、及びハーフミラー144から構成されている。また、オートフォーカス用光学系は、対物レンズ120、ハーフミラー140、141、ウエハマーク結像用リレーレンズ125、ハーフミラー142、及びフォーカス用レンズ126から構成されている。
【0066】
上記構成のマスクマーク撮像用光学系及びウエハマーク撮像用光学系は、同一のアライメント用CCD145にマスクマークとウエハマークとを同時に結像させることができる。
【0067】
次に、全体マスクマークとウエハマークとの位置ずれ量の検出方法について説明する。図13は顕微鏡撮像装置AXYの視野V内に全体マスクマークMと、ウエハマークWとを入れた場合に関して示している。
【0068】
全体マスクマークMは、マスクのX方向の位置を検出するための5×2個の開口からなる全体マスクマークMと、マスクのY方向の位置を検出するための5×2個の開口からなる全体マスクマークMとから構成されており、ウエハマークWは、ウエハのX方向の位置を検出するための5本の凸部(又は凹部)からなるウエハマークWと、ウエハのY方向の位置を検出するための5本の凸部(又は凹部)からなるウエハマークWとから構成されている。
【0069】
このマスク32は、マスク32の下方に位置するウエハマークWを観察できる程度の膜厚に形成されている。したがって、ウエハマークWは実線で表示してある。
【0070】
なお、マスク32には、マスク32の下方に位置するウエハマークWを観察するためのL字状の開口を形成する構成も採用できる。この構成にすれば、開口により、ウエハマークWでの散乱光による像は、マスク32によって減衰することなく撮像されるため、ウエハマークWの像と背景とのコントラストが低下することがない。
【0071】
全体マスクマークMとウエハマークWとの位置ずれ量を求める場合には、全体マスクマークMが結像されるCCD130から得られる画像信号を信号処理し、全体マスクマークMの中心位置と全体マスクマークMの中心位置をそれぞれ求める。同様にしてウエハマークWが結像されるCCD131から得られる画像信号を信号処理し、ウエハマークWの中心位置とウエハマークWの中心位置をそれぞれ求める。
【0072】
上記のようにして求めた全体マスクマークMの中心位置を示すCCD130上の画素位置と、ウエハマークWの中心位置を示すCCD131上の画素位置との画素位置の差分に基づいて全体マスクマークMとウエハマークWとの位置ずれ量を測定する。
【0073】
そして、最初のウエハの転写時におけるステップ3では、第2のマークであるウエハマークと第3のマークであるダイマークとの相対的な位置関係を求めるのみとし、マスクパターンの転写はダイバイダイ方式とする。
【0074】
2枚目以降のウエハの転写時におけるステップ8では、この測定した位置ずれ量が所定値未満(実質的にはゼロ)になるように、θXYステージ70又はマスクステージ82を移動させ、全体マスクマークMが示す位置とウエハマークWが示す位置とを一致させる。そして、以下、マスクパターンをウエハ40上のレジスト層に転写し、この操作をウエハ40の各ダイDに対して繰り返し行う。
【0075】
なお、図13は、全体マスクマークMが示す位置とウエハマークWが示す位置とが一致している場合に関して示している。また、顕微鏡撮像装置AXYの対物レンズ120が微小量移動すると、撮影倍率が変動するが、図13に示される形状の全体マスクマークMが示す位置及びウエハマークWが示す位置は、顕微鏡撮像装置AXYの撮影倍率が変動しても変化量が極めて少ない。
【0076】
この図13に示される全体マスクマークMと、ウエハマークWの形状は、一例であり、このパターン以外の各種パターンのマークが採用できる。
【0077】
図14は電子ビーム近接露光装置の制御部の実施の形態を示すブロック図である。同図において、中央処理装置(CPU)200は、装置全体を統括制御するもので、マスクとウエハとの位置合わせ時の処理、露光時の電子ビームの偏向制御等を行う。第2の顕微鏡撮像装置AX1、AX2、AY1での撮像によって得られたダイマークMDX、MDY及びマスクマークMMX、MMY、第1の顕微鏡撮像装置AXYでの撮像によって得られた全体マスクマークM及びウエハマークWを示す各画像信号は、信号処理回路202に加えられる。信号処理回路202は、入力した各画像信号に基づいて、ダイマークMDX、MDYとマスクマークMMX、MMYとの位置ずれ量、全体マスクマークMとウエハマークWとの位置ずれ量等を算出する。
【0078】
1枚目のウエハのダイバイダイ方式の転写時において、CPU200は、信号処理回路202から入力する、ダイマークMDX、MDYとマスクマークMMX、MMYとの位置ずれ量がゼロになるようにステージ駆動回路204を介してθXYステージ70を移動させ、又はステージ駆動回路206を介してマスクステージ82を移動させる。
【0079】
同様に、2枚目以降のウエハの転写時において、CPU200は、信号処理回路202から入力する、全体マスクマークMとウエハマークWとの位置ずれ量がゼロになるようにステージ駆動回路204を介してθXYステージ70を移動させ、又はステージ駆動回路206を介してマスクステージ82を移動させる。
【0080】
また、CPU200は、全体マスクマークMとウエハマークWとが一致したときのθXYステージ70のX方向及びY方向の位置(X、Y)を、レーザ干渉計LXW、LYWから取り込み、同様にマスクステージ82のX方向及びY方向の位置(x、y)を、レーザ干渉計LXM、LYMから取り込み、メモリ203に記憶させる。
【0081】
また、メモリ203には、図3で説明したようにウエハマークWと、各ダイマークDMとの位置関係を示すデータが保存されている。なお、メモリ203に記憶したθXYステージ70やマスクステージ82の位置等に基づくマスクとウエハとの位置合わせ制御の詳細については後述する。
【0082】
更に、CPU200は、マスク32を走査する際の偏向量データとともにマスク32の歪みに応じた補正データをデジタル演算回路205に供給し、デジタル演算回路205は偏向量データに基づいてマスク32を走査するためのデジタル信号を主DAC/AMP208に出力し、補正データに基づいてマスク32の歪みを補正するためのデジタル信号を副DAC/AMP210に出力する。
【0083】
主DAC/AMP208は、入力したデジタル信号をアナログ信号に変換したのち増幅し、これを図20に示される主偏向器22、24に出力する。これにより、電子ビーム15は、光軸と平行な状態を維持したまま、図21に示されるようにマスク32の全面を走査するように偏向される。
【0084】
また、副DAC/AMP210は、入力したデジタル信号をアナログ信号に変換したのち増幅し、これを図20に示される副偏向器26、28に出力する。これにより、電子ビーム15のマスクへの入射角度が制御され、マスク32が歪んでいてもマスクパターンを正規の位置に転写できるようにしている。副DAC/AMP210は、更に、電子ビーム15のθ方向の制御も行える。
【0085】
図15は、電子ビーム15のマスク32への入射角度の制御について説明する概念図である。いま、図15に示されるように、電子ビーム15のマスク32への入射角度をβ、マスク32とウエハ40との間隔をGとすると、入射角度βによるマスクパターンの転写位置のずれ量δは、次式、
【0086】
【数2】
δ=G・tan β
で表される。図15上ではマスクパターンは、ずれ量δだけ正規の位置からずれた位置に転写される。
【0087】
従って、電子ビームの走査位置に応じて入射角度βを変化させることにより、転写位置を変化させたり、転写倍率を変化させたりすることができる。なお、転写倍率を変化させる場合には、入射角度βは、マスク中心では入射角度βを0とし、マスク中心から遠ざかるにしたがって入射角度βを大きくする。
【0088】
次に、上記構成の装置を使用した電子ビーム近接露光方法の手順について説明する。
【0089】
ステップ1では、最初のウエハ40の転写時に先立って、マスク32に設けられた第1のマークである全体マスクマークMと、ウエハ40に設けられた第2のマークであるウエハマークWとを顕微鏡撮像装置AXYによって同時に撮像する。
【0090】
ステップ2では、最初のウエハ40の転写時において、ウエハ40とマスク32とを相対移動させ、ウエハ40の各ダイD毎に設けられた第3のマークであるダイマークMDX、MDYと、マスク32にダイマークMDX、MDYに対応するように設けられた第4のマークであるマスクマークMMX、MMYとを顕微鏡撮像装置AX1、AX2、AY1によって同時に撮像する。
【0091】
ステップ3では、最初のウエハ40の転写時において、ステップ1で得られた全体マスクマークM及びウエハマークWの画像信号に基づいて、マスクマークMとウエハマークWとの相対的な位置ずれ量を求めるとともに、ステップ2で得られたダイマークMDX、MDY及びマスクマークMMX、MMYの画像信号に基づいて、ダイマークMDX、MDYとマスクマークMMX、MMYとの相対的な位置ずれ量を求め、これらの位置ずれ量よりウエハマークWとダイマークMDX、MDYとの相対的な位置関係を求める。
【0092】
ステップ4では、最初のウエハ40の転写時において、ステップ3でのダイマークMDX、MDYとマスクマークMMX、MMYとの相対的な位置ずれ量に基づいて、マスク32とウエハ40の各ダイDとを相対的に位置合わせし、マスクパターンをウエハ40上のレジスト層に転写を行う。
【0093】
ステップ5では、ステップ2〜ステップ4までの操作をウエハ40の各ダイDに対して繰り返し行う。すなわち、ステップ5では、ダイバイダイ方式の電子ビーム近接露光方法を行う。
【0094】
ステップ6では、2枚目以降のウエハ40の転写時において、全体マスクマークMと、ウエハマークWとを各マークが設けられた面と直交する方向から、顕微鏡撮像装置AXYによって同時に撮像する。
【0095】
ステップ7では、2枚目以降のウエハ40の転写時において、ステップ6で得られた全体マスクマークM及びウエハマークWの画像信号に基づいて全体マスクマークMとウエハマークWとの相対的な位置ずれ量を求める。
【0096】
ステップ8では、2枚目以降のウエハ40の転写時において、ステップ3で求められたウエハマークWとダイマークMDX、MDYとの相対的な位置関係、及び、ステップ7で求められた全体マスクマークMとウエハマークWとの相対的な位置ずれ量に基づいて、マスク32とウエハ40の各ダイDとを相対的に位置合わせし、マスクパターンをウエハ40上のレジスト層に転写し、この操作をウエハ40の各ダイDに対して繰り返し行う。
【0097】
次に、上記ステップ6〜ステップ8の詳細について、フローチャートを用いて更に説明する。図16は、2枚目以降のウエハの転写時における(ステップ6〜ステップ8)マスクとウエハの位置合わせ方法を含む電子ビーム近接露光方法の動作手順を示すフローチャートである。なお、この動作手順は、1枚目のウエハの転写時におけるステップ1及びステップ3とも共通する。ここでは、相互に離れた位置にある2個の全体マスクマークM1、M2が使用される。
【0098】
まず、マスク32をマスクステージ82にロードし(ステップS100)、続いて、1の全体マスクマークMが顕微鏡撮像装置AXYの視野に入るように顕微鏡ステージ84を移動させる(ステップS102)。なお、ステップS100は、通常は1枚目のウエハの転写時において、既に行われている。
【0099】
次に、ウエハパレット44をθXYステージにロードし、ウエハマークWが顕微鏡撮像装置AXYの視野に入るようにθXYステージ70を移動させる(ステップS104)。
【0100】
顕微鏡撮像装置AXYは、視野内の全体マスクマークM及びウエハマークWにそれぞれピントが合うように対物レンズ120やウエハマーク結像用対物レンズ125を移動させる(ステップS106)。
【0101】
次に、ウエハマークWを基準にして全体マスクマークM、M2を測定し、その測定結果に基づいてマスク32の回転量θを計算する(ステップS108)。
【0102】
図17は上記ステップS108の詳細を示すフローチャートである。同図に示されるように顕微鏡撮像装置AXYの視野内の全体マスクマークMとウエハマークWとの位置ずれ量を顕微鏡撮像装置AXYから得られる画像信号を処理することによって測定する(ステップS108A)。この測定した位置ずれ量がゼロか否かを判別し(ステップS108B)、位置ずれ量≠0の場合には、位置ずれ量がゼロに近づく方向にθXYステージ70を移動させ(ステップS108C)、ステップS108Aで再び全体マスクマークMとウエハマークWとの位置ずれ量を測定する。そして、位置ずれ量=0になるまでステップS108A、S108B、S108Cの処理を繰り返す。
【0103】
ステップS108Cで位置ずれ量=0と判別されると、そのときのθXYステージ70の移動位置(X、Y)をレーザ干渉計LXW、LYWから読み取ってメモリ203に記憶させる(ステップS108D)。
【0104】
次に、マスク32の全体マスクマークM2が顕微鏡撮像装置AXYの視野に入るように顕微鏡ステージ84を移動させる(ステップS108E)。なお、電子光学鏡筒102とマスク32との隙間は狭いため、全体マスクマークM2を視野に入れるように顕微鏡撮像装置AXYを移動させることができない場合が考えられるが、この場合には全体マスクマークM2を観察するための他の顕微鏡撮像装置を設ける必要がある。
【0105】
その後、上記と同様にして全体マスクマークM2とウエハマークWとの位置ずれ量がゼロになるようにθXYステージ70を移動させる(ステップS108F、S108G、S108H)。そして、ステップS108Gで位置ずれ量=0と判別されたときのθXYステージ70の移動位置(X、Y)を、レーザ干渉計LXW、LYWから読み取ってメモリ203に記憶させる(ステップS108I)。
【0106】
上記のようにして測定された全体マスクマークM、M2がそれぞれウエハマークWと一致したときのθXYステージ70の位置(X、Y)、(X、Y)からマスク32の回転量θを計算する(ステップS108J)。
【0107】
図16に戻って、ステップS110では、全体マスクマークM2を基準にしてウエハマークWを測定し、その測定結果に基づいてウエハパレット44の回転量θを計算する。
【0108】
図18は上記ステップS110の詳細を示すフローチャートである。前記ステップS108の処理が終了した時点では、ウエハマークWと全体マスクマークM2とが一致している状態にあり、また、このときのθXYステージ70の位置(X、Y)及びマスクステージ82の位置(X、Y)は測定済みである。
【0109】
図18のステップS110Aでは、ウエハパレット44のウエハマークW2が顕微鏡撮像装置AXYの視野に入るようにθXYステージ70を移動させ、顕微鏡撮像装置AXYの視野内の全体マスクマークM2とウエハマークW2との位置ずれ量を顕微鏡撮像装置AXYから得られる画像信号を処理することによって測定する。この測定した位置ずれ量がゼロか否かを判別し(ステップS110B)、位置ずれ量≠0の場合には、位置ずれ量がゼロに近づく方向にθXYステージ70を移動させ(ステップS110C)、ステップS110Aで再び全体全体マスクマークM2とウエハマークW2との位置ずれ量を測定する。そして、位置ずれ量=0になるまでステップS110A、S110B、S110Cの処理を繰り返す。
【0110】
ステップS110Bで位置ずれ量=0と判別されると、そのときのθXYステージ70の移動位置(X、Y)をレーザ干渉計LXM、LYMから読み取ってメモリ203に記憶させる(ステップS110D)。
【0111】
上記のようにして測定されたウエハマークWがそれぞれ全体マスクマークM2と一致したときのθXYステージ70の位置(X、Y)、(X、Y)からウエハパレット44の回転量θを計算する(ステップS110E)。なお、θXYステージ70の位置(X、Y)は、図17のステップS108Dで既に測定されている。
【0112】
次に、図16に戻って、顕微鏡ステージ84を駆動して顕微鏡撮像装置AXYを転写領域から退避させる(ステップS112)。続いて、マスク32に対してウエハ40の各ダイDを位置合わせするための各ダイDの位置(θXYステージ70の位置(X、Y)とθXYステージ70の回転量θ)を計算する(ステップS114)。
【0113】
上記のようにして計算した各ダイDの位置(θXYステージ70の位置(X、Y)とθXYステージ70の回転量θ)に基づいてθXYステージ70を移動させるとともに、θXYステージ70を回転させる(ステップS116)。
【0114】
次に、電子ビームによってマスク32に形成されたマスクパターンをウエハ40に転写する(ステップS118)。続いて、全てのダイDの転写が終了したか否かを判別し(ステップS120)、終了していない場合にはステップS116に戻って他のダイDの位置合わせを行い、再びマスクパターンの転写を行う。このようにして全てのダイDの転写が終了すると、ウエハ40をアンロードして終了する。
【0115】
なお、この実施の形態では、マスクマークとウエハマークとの位置ずれ量がゼロになるようにマスクステージ又はウエハステージを移動させ、そのときのマクスステージ及びウエハステージの移動位置を測定するようにしたが、これに限らず、マスクマークとウエハマークとの位置ずれ量を顕微鏡撮像装置の画面上の位置ずれ量から測定するとともに、この測定時におけるマクスステージ及びウエハステージの移動位置を測定し、これらの測定結果に基づいてマスクマークとウエハマークとの位置ずれ量がゼロになるときのマスクステージ及びウエハステージの移動位置を算出するようにしてもよい。
【0116】
また、この実施の形態では、ウエハ32がウエハパレット44に搭載され、更にウエハパレット44がθXYステージ70(θXYステージ70の電磁チャック60)に搭載される例について説明したが、これに限らず、本発明はウエハ32を直接θXYステージ70上の電磁チャック60に吸着させる場合にも適用できる。この場合にも、ウエハ40上の少なくとも2つのウエハマークの位置を測定する。
【0117】
次に、本発明に係る電子ビーム近接露光方法及び露光装置の他の実施の形態について説明する。これは、請求項2の発明に該当する。すなわち、ステップ3において、ダイマークMDX、MDYとマスクマークMMX、MMYとの相対的な位置ずれ量が所定の値未満である場合には、ステップ4に代えて、以下に記載するステップ4’を採用する電子ビーム近接露光方法である。
【0118】
ステップ4’では、最初のウエハ40の転写時において、所定の個数のダイDにおいては、ステップ3でのダイマークMDX、MDYとマスクマークMMX、MMYとの相対的な位置ずれ量に基づいて、マスク32とウエハ40のダイとDを相対的に位置合わせし、マスクパターンをウエハ40上のレジスト層に転写し、前記所定の個数のダイD以外のダイDにおいては、ステップ3での全体マスクマークMとウエハマークWとの相対的な位置ずれ量に基づいて、マスク32とウエハ40のダイDとを相対的に位置合わせし、マスクパターンをウエハ40上のレジスト層に転写し、これらの操作をウエハ40の各ダイDに対して繰り返し行う。
【0119】
図19は、このステップ4’の詳細な手順を説明するフローチャートである。所定の工程時(たとえば、図3における1番目のダイD1の転写が終了した時点)における、ダイD1の位置合わせ情報を記憶する(ステップS202)。そして、この記憶した位置合わせ情報より次に転写するダイD2の位置合わせ位置を算出する(ステップS203)。
【0120】
この算出結果に基いて次に転写するダイD2を転写する位置に位置決めする(ステップS204)。そして、マスク32に設けられたマスクマーク(MMX、MMY、MMX1 、MMX2 、MMY1 、MMY2 )とダイD2に設けられたダイマーク(MDX、MDY、MDX1 、MDX2 、MDY1 、MDY2 )とを撮像し、この撮像した情報よりダイD2の位置決め結果を算出する(ステップS205)。
【0121】
このステップS203で算出された位置合わせ位置とステップS205で算出された位置決め結果とを比較する。そして、この比較結果よりマスク32とダイD2との位置ズレ量が所定の値ν未満になるように位置合わせを行い及び/又は電子ビームの入射角度を制御する(ステップS206)。なお、所定の値νの具体例としては、5nmが採用できる。次いで、マスクパターンをウエハ32上のレジスト層に転写する(ステップS207)。
【0122】
次に、ステップS206での比較結果であるマスク32とダイD2との位置ズレ量が所定の閾値γ未満であるかの有無が判断される(ステップS208)。なお、所定の閾値γの具体例としては、5nmが採用できる。
【0123】
位置ズレ量が所定の閾値γ以上である場合には、ステップS202に戻り、次のダイ(本例では、ダイD3)の位置合わせが開始される。
【0124】
位置ズレ量が所定の閾値γ未満である場合には、この閾値γ未満となる度数をカウントし、このカウント結果が所定の度数Qとなった場合には、以降の工程において所定の数毎のダイではステップS205及びステップS206を省略する。以下、流れに従って説明する。
【0125】
ダイD2において、位置ズレ量が閾値γ未満であった場合、これまでのダイDにおいて位置ズレ量が閾値γ未満であった回数Nに1を加算する。すなわち、N=N+1の計算を行う(ステップS209)。そして、このNの値を所定の度数Qと比較する(ステップS210)。
【0126】
Nの値が所定の度数Q未満の場合には、ステップS202に戻り、次のダイ(本例では、ダイD3)の位置合わせが開始される。
【0127】
Nの値が所定の度数Q又はQ以上の場合には、以降の所定数毎のダイ(たとえば3枚毎)ではステップS205及びステップS206の工程が省略される。
【0128】
より具体的には、ダイD3、D4及びダイD5では、ダイDの位置合わせ情報の記憶(ステップS302)、次に転写するダイDの位置合わせ位置の算出(ステップS303)、算出結果に基いて次に転写するダイDの転写位置への位置決め(ステップS304)及び転写(ステップS307)のみが行われる。なお、このステップにおいて、ステップS302、ステップS303、ステップS304及びステップS307は、それぞれステップS202、ステップS203、ステップS204及びステップS207と同一の処理内容である。
【0129】
次いで、位置合わせのスキップ回数(本例では、3回)が満了したかが判断され(ステップS312)、スキップ回数が未了の場合にはステップS302に戻り、このループが繰り返され、スキップ回数が満了した場合には、ステップS202に戻り、次のダイ(本例では、ダイD6)の位置合わせが開始される。
【0130】
ステップS312からステップS202に戻るフローの場合、本例では、ダイD6の位置合わせが開始されるが、このダイD6の処理において、ステップS208で位置ズレ量が所定の閾値γ未満である場合には、ステップS209に進む。ステップS209では、既に所定の度数Q以上となっているNの値に更に1が加算されるので、必然的に次はステップS302へと進み、以降の所定数毎のダイ(たとえば3枚毎)ではステップS205及びステップS206の工程が省略されることとなる。
【0131】
なお、図19のフローチャートでは、ステップS208において、比較結果の値が所定の閾値γ未満であるかの有無が判断されて、以降の所定数毎のダイ(たとえば3枚)ではステップS205及びステップS206の工程が省略されているが、比較結果の値の大小によって工程をスキップするダイの所定毎数を変化させてもよい。
【0132】
以上、本発明に係る電子ビーム近接露光方法の実施形態の例について説明したが、本発明は上記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。
【0133】
たとえば、実施形態の例では第2の顕微鏡撮像装置として3台の顕微鏡撮像装置AX1、AY1、AX2が設けられているが、これを2台としたり、この3台の顕微鏡撮像装置AX1、AY1、AX2に代えて第1の顕微鏡撮像装置AXYを移動させて使用する構成も採用できる。
【0134】
また、実施形態の例では、ウエハ44とマスク32とのθ方向のずれ量補正がθXYステージ70等によってなされているが、請求項4に記載のように、このθ方向のずれ量補正を電子ビームの入射角度制御によって行う構成も採用できる。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、最初のウエハの転写時においては、ダイバイダイ(Die by Die)方式の電子ビーム近接露光方法が採用される。そして、このときの各マーク間の相対的な位置ずれ量が求められる。次に、この結果を基に、2枚目以降のウエハの転写時においては、ダイバイダイ方式を採用せずに、一旦マスクとウエハとの位置合わせが済んだ後に、マスクとウエハとのダイのピッチ毎の相対移動で各ダイの位置決めを行う。したがって、マスクとウエハとの位置決めに要する時間を極力短縮し、マスクパターンを精度よくウエハの各ダイに転写することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電子ビーム近接露光装置の転写部の上面図
【図2】図1の2−2線に沿う断面図本発明に係る電子ビーム近接露光装置の転写部の側面図
【図3】図1に示した電子ビーム近接露光装置の転写部を拡大した上面図
【図4】図3の要部拡大図
【図5】図4の5−5線に沿う断面図
【図6】第2の顕微鏡撮像装置の概略構成図
【図7】第2の顕微鏡撮像装置によってマスクマークとダイマークとの位置ずれ量を検出する方法を説明するために用いた図
【図8】第2の顕微鏡撮像装置によってマスクマークとダイマークとの位置ずれ量を検出する方法を説明するために用いた図
【図9】電子ビーム近接露光装置の要部縦断面図
【図10】電子ビーム近接露光装置の要部上面図
【図11】第1の顕微鏡撮像装置の詳細を示す光学部品配置図
【図12】第1の顕微鏡撮像装置の他の実施の形態を示す光学部品配置図
【図13】第1の顕微鏡撮像装置によって全体マスクマークとウエハマークとの位置ずれ量を検出する方法を説明するために用いた図
【図14】電子ビーム近接露光装置の制御部の実施の形態を示すブロック図
【図15】電子ビーム15のマスク32への入射角度が制御について説明する概念図
【図16】電子ビーム近接露光方法の動作手順を示すフローチャート
【図17】図16に示したフローチャート中の一部の詳細な処理手順を示すフローチャート
【図18】図16に示したフローチャート中の他の一部の詳細な処理手順を示すフローチャート
【図19】ステップ4’の詳細な動作手順を示すフローチャート
【図20】電子ビーム近接露光装置の基本構成図
【図21】電子ビームによるマスクの走査を説明するために用いた図
【図22】電子ビーム近接露光装置の全体構成図
【符号の説明】
15…電子ビーム、22、24…主偏向器、26、28…副偏向器、32…マスク、40…ウエハ、60…静電チャック、70…θXYステージ(ウエハステージ)、200…中央処理装置(CPU)、202…信号処理回路、204、206…ステージ駆動回路、205…デジタル演算回路、AXY…第1の顕微鏡撮像装置、AX1、AY1、AX2…第2の顕微鏡撮像装置、D…ダイ、MDX、MDY、MDX1 、MDX2 、MDY1 、MDY2 …ダイマーク、MMX、MMY、MMX1 、MMX2
MY1 、MMY2 …マスクマーク、M…全体マスクマーク、W…ウエハマーク

Claims (6)

  1. ウエハにマスクを近接配置し、電子ビームによって前記マスクを走査することにより該マスクに形成されたマスクパターンを、前記ウエハの各ダイ毎に前記ウエハ上のレジスト層に転写し、この操作を複数枚のウエハに対して繰り返し行う電子ビーム近接露光方法において、
    最初のウエハの転写に先立って、前記マスクに設けられた位置合わせ用の第1のマークと、前記ウエハに設けられた位置合わせ用の第2のマークとを各マークが設けられた面と直交する方向から同時に撮像するステップであって、前記第1のマーク及び第2のマークにそれぞれピントを合わせることが可能な2組の結像光学系を有する第1の顕微鏡撮像装置によって同時に撮像し、各マークの相対的な位置関係を求め、前記ウエハの転写すべき各ダイの座標を決定するステップであるステップ1と、
    最初のウエハの転写時において、前記ウエハと前記マスクとを相対移動させ、前記ウエハの各ダイ毎に設けられた位置合わせ用の第3のマークと、前記マスクに前記第3のマークに対応するように設けられた位置合わせ用の第4のマークとを同時に撮像するステップであって、前記第1の顕微鏡撮像装置又は複数の第2の顕微鏡撮像装置によって前記マスクと1のダイとを同時に撮像するステップであるステップ2と、
    最初のウエハの転写時において、前記ステップ1で得られた前記第1のマーク及び第2のマークの画像信号に基づいて前記第1のマークと第2のマークとの相対的な位置ずれ量を求めるとともに、前記ステップ2で得られた1のダイの前記第3のマーク及び第4のマークの画像信号に基づいて1のダイの前記第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量を求め、これらの位置ずれ量より前記第2のマークと前記第3のマークとの相対的な位置関係を求めるステップであるステップ3と、
    最初のウエハの転写時において、前記ステップ3での前記第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量に基づいて、前記マスクと前記ウエハの1のダイとを相対的に位置合わせし、前記マスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写するステップであるステップ4と、
    前記ステップ2からステップ4までを前記ウエハの各ダイに対して繰り返し行うステップであるステップ5と、
    2枚目以降のウエハの転写時において、前記第1のマークと、前記第2のマークとを各マークが設けられた面と直交する方向から、前記第1の顕微鏡撮像装置によって同時に撮像するステップであるステップ6と、
    2枚目以降のウエハの転写時において、前記ステップ6で得られた前記第1のマーク及び第2のマークの画像信号に基づいて前記第1のマークと第2のマークとの相対的な位置ずれ量を求めるステップであるステップ7と、
    2枚目以降のウエハの転写時において、前記ステップ3で求められた前記第2のマークと前記第3のマークとの相対的な位置関係、及び、前記ステップ7で求められた前記第1のマークと第2のマークとの相対的な位置ずれ量に基づいて、前記マスクと前記ウエハの各ダイとを相対的に位置合わせし、前記マスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写し、この操作を前記ウエハの各ダイに対して繰り返し行うステップであるステップ8と、
    を含むことを特徴とする電子ビーム近接露光方法。
  2. 前記ステップ3において、前記第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量が所定の値未満である場合には、ステップ4に代えて、最初のウエハの転写時において、所定の個数のダイにおいては、前記ステップ3での前記第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量に基づいて、前記マスクと前記ウエハのダイとを相対的に位置合わせし、前記マスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写し、
    前記所定の個数のダイ以外のダイにおいては、前記ステップ3での前記第1のマークと第2のマークとの相対的な位置ずれ量に基づいて、前記マスクと前記ウエハのダイとを相対的に位置合わせし、前記マスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写し、
    これらの操作を前記ウエハの各ダイに対して繰り返し行うステップであるステップ4’を採用する請求項1に記載の電子ビーム近接露光方法。
  3. 前記ステップ3において、前記第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量が所定の値を超える場合には、ステップ4に代えて、
    全てのダイにおいて、前記ステップ3での前記第1のマークと第2のマークとの相対的な位置ずれ量に基づいて、前記マスクと前記ウエハのダイとを相対的に位置合わせし、前記マスクパターンを前記ウエハ上のレジスト層に転写し、
    これらの操作を前記ウエハの各ダイに対して繰り返し行うステップであるステップ4’’を採用する請求項1に記載の電子ビーム近接露光方法。
  4. 前記ステップ4、ステップ4’又はステップ4’’において、前記マスクと前記ウエハの各ダイとを相対的に位置合わせする際に、前記ウエハと前記マスクとをX方向及びY方向に相対移動させるとともに、前記電子ビームをθ方向に入射角度制御させる請求項1、2又は3のいずれか1項に記載の電子ビーム近接露光方法。
  5. ウエハにマスクを近接配置し、電子ビームによって前記マスクを走査することにより該マスクに形成されたマスクパターンを、前記ウエハの各ダイ毎に前記ウエハ上のレジスト層に転写し、この操作を複数枚のウエハに対して繰り返し行う電子ビーム近接露光装置において、
    前記マスクに設けられた位置合わせ用の第1のマークと、前記ウエハに設けられた位置合わせ用の第2のマークとを各マークが設けられた面と直交する方向から同時に撮像する第1の顕微鏡撮像装置と、
    前記ウエハの各ダイ毎に設けられた位置合わせ用の第3のマークと、前記マスクに前記第3のマークに対応するように設けられた位置合わせ用の第4のマークとを同時に撮像する第2の顕微鏡撮像装置と、
    前記第1のマーク及び第2のマークの画像信号に基づいて前記第1のマークと第2のマークとの相対的な位置ずれ量を求めるとともに、前記第3のマーク及び第4のマークの画像信号に基づいて前記第3のマークと第4のマークとの相対的な位置ずれ量を求め、これらの位置ずれ量より前記第2のマークと前記第3のマークとの相対的な位置関係を求める検出手段と、
    前記検出手段の検出出力に基づいて前記位置ずれが所定値未満になるように前記マスクとウエハとを相対的に位置合わせする位置合わせ手段と、
    を備えることを特徴とする電子ビーム近接露光装置。
  6. 前記位置合わせ手段は、ウエハとマスクとのX方向、Y方向及びθ方向の相対位置の位置合わせを行う手段と、前記電子ビームの入射角度の制御を行う手段と、よりなる請求項5に記載の電子ビーム近接露光装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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