JP7222821B2 - マルチビーム検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、マルチビーム検査装置に関する。例えば、電子線によるマルチビームを照射して放出されるパターンの二次電子画像を取得してパターンを検査する検査装置に関する。
近年、大規模集積回路(LSI)の高集積化及び大容量化に伴い、半導体素子に要求される回路線幅はますます狭くなってきている。これらの半導体素子は、回路パターンが形成された原画パターン(マスク或いはレチクルともいう。以下、マスクと総称する)を用いて、いわゆるステッパと呼ばれる縮小投影露光装置でウェハ上にパターンを露光転写して回路形成することにより製造される。
そして、多大な製造コストのかかるLSIの製造にとって、歩留まりの向上は欠かせない。LSIを構成するパターンは、ナノメータのオーダーになっている。近年、半導体ウェハ上に形成されるLSIパターン寸法の微細化に伴って、パターン欠陥として検出しなければならない寸法も極めて小さいものとなっている。よって、半導体ウェハ上に転写された超微細パターンの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。その他、歩留まりを低下させる大きな要因の一つとして、半導体ウェハ上に超微細パターンをフォトリソグラフィ技術で露光、転写する際に使用されるマスクのパターン欠陥があげられる。そのため、LSI製造に使用される転写用マスクの欠陥を検査するパターン検査装置の高精度化が必要とされている。
検査手法としては、拡大光学系を用いて半導体ウェハやリソグラフィマスク等の試料上に形成されているパターンを所定の倍率で撮像した光学画像と、設計データ、あるいは試料上の同一パターンを撮像した光学画像と比較することにより検査を行う方法が知られている。例えば、パターン検査方法として、同一マスク上の異なる場所の同一パターンを撮像した光学画像データ同士を比較する「die to die(ダイ-ダイ)検査」や、描画装置用CADパターンフォーマットをベースに光学画像を模擬した設計画像データ(参照画像)を生成し、この設計画像データ(参照画像)と、パターンを撮像した測定データとなる光学画像とを比較する「die to database(ダイ-データベース)検査」がある。かかる検査装置における検査方法では、検査対象基板はステージ上に載置され、ステージが動くことによって光束が試料上を走査し、検査が行われる。検査対象基板には、光源及び照明光学系によって光束が照射される。検査対象基板を透過あるいは反射した光は光学系を介して、センサ上に結像される。センサで撮像された画像は測定データとして比較部へ送られる。比較部では、画像同士の位置合わせの後、測定データと参照データとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン欠陥有りと判定する。
上述したパターン検査装置では、レーザ光を検査対象基板に照射して、この透過像或いは反射像を撮像することにより、光学画像を取得する。これに対して、直線上に同一ピッチで配列されるビーム列が複数列並ぶようなアレイ配列の複数の電子ビームで構成されるマルチビームを検査対象基板に照射して、検査対象基板から放出される各ビームに対応する二次電子を検出して、パターン像を取得する検査装置の開発も進んでいる。かかるマルチビームを含む電子ビームを用いたパターン検査装置では、検査対象基板の小領域毎に走査して二次電子を検出する。この際、ビームを走査している間は検査対象基板の位置を固定し、走査終了後に次の小領域へと検査対象基板の位置を移動させる、いわゆるステップアンドリピート動作が行われる。直線上に同一ピッチで配列されるビーム列が複数列並ぶようなアレイ配列のマルチビームを用いることで、限られた領域内に多数のビームを配置できるので、一度に多数の小領域の走査を同時に行うことが可能になる。このため、スループットの向上が期待されている。
特許文献1には、マルチビーム型のパターン検査装置において、マルチビームのうち異なる複数のビームを用いて、各画像基準領域内の2次元状のn×m個の照射単位領域が照射される事が記載されている。
特開2017-090063号公報
そこで、本発明の一態様は、マルチビームの各ビームの特性差をリアルタイムに調整するマルチビーム検査装置を提供する。
本発明の一態様のパターン検査装置は、被検査対象を載置するステージと、被検査対象にマルチ一次電子ビームを照射するマルチビームカラムと、マルチ一次電子ビームのうち第1の一次電子ビームを被検査対象の第1ビーム走査領域に照射して放出された第1の二次電子ビームの照射を受ける第1検出画素及びマルチ一次電子ビームのうち第1の一次電子ビームに隣接する第2の一次電子ビームを被検査対象の第1ビーム走査領域に隣接し、第1の走査領域に重なる第2ビーム走査領域に照射して放出された第2の二次電子ビームの照射を受ける第2検出画素を有するマルチ検出器と、第1の二次電子ビームが第1検出画素に入射して得られた第1フレーム画像と第2の二次電子ビームが第2検出画素に入射して得られた第2フレーム画像の重なり部分を比較して第1の一次電子ビームと第2の一次電子ビームのビーム強度差を求める比較部と、ビーム強度差を補正するように第1検出画素又は/及び第2検出画素の検出感度を調整する感度調整部と、を備えたことを特徴とするマルチビーム検査装置が好ましい。
また比較部は、第1フレーム画像と第2フレーム画像が重なった重なりフレーム画像領域を参照画像と比較して被検査対象の欠陥を検出して欠陥情報を得て、欠陥情報を用いて欠陥検出パラメータを調整するようにしたことを特徴とするマルチビーム検査装置が好ましい。
またビーム強度差から求められた補正値を用いて、第1フレーム画像の階調値又は/及び第2フレーム画像の階調値を補正する画像補正部と、をさらに備えたことを特徴とするマルチビーム検査装置が好ましい。
また第1フレーム画像と第2フレーム画像を重ねてつなぎ合わせた画像と参照画像とを比較して、被検査対象の欠陥を検出する比較部と、をさらに備えたことを特徴とするマルチビーム検査装置が好ましい。
また比較部は、検出感度が調整された第1検出画素及び第2検出画素に入射した二次電子ビームから作成されたフレーム画像をつなぎ合わせた画像と参照画像とを比較して、調整された欠陥検出パラメータを用いて被検査対象の欠陥を検出する、ことを特徴とするマルチビーム検査装置が好ましい。
本発明の一態様によれば、マルチビームの各ビームの特性差をリアルタイムに調整するマルチビーム検査装置の提供が可能になる。
第1の実施形態におけるマルチビーム検査装置の構成を示す構成図である。 第1の実施形態における成形アパーチャアレイ基板の構成を示す概念図である。 第1の実施形態における第1ビーム走査領域A1、第2ビーム走査領域A2、第3ビーム走査領域A3、第4ビーム走査領域A4、第5ビーム走査領域A5、第6ビーム走査領域A6、第7ビーム走査領域A7、第8ビーム走査領域A8、第9ビーム走査領域A9を示す模式図である。 第1の実施形態における第1フレーム画像C1、第2フレーム画像C2、第3フレーム画像C3、第4フレーム画像C4、第5フレーム画像C5、第6フレーム画像C6、第7フレーム画像C7、第8フレーム画像C8、第9フレーム画像C9を示す模式図である。 第1の実施形態における一つのビーム操作領域の中の、位置ずれ補償エリアと画像処理による無効領域部分、及び有効領域を示す模式図である。 第1の実施形態における隣接する検査エリアとの重ね幅を示す模式的である。 第1の実施形態におけるマルチビーム検査方法のフローチャートである。 第1の実施形態におけるマルチビーム検査方法のフローチャートである。 第2の実施形態におけるマルチビーム検査方法のフローチャートである。 第2の実施形態におけるマルチビーム検査方法のフローチャートである。 第3の実施形態におけるマルチビーム検査方法のフローチャートである。 第3の実施形態におけるマルチビーム検査方法のフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた場合について説明する。但し、これに限るものではない。イオンビーム等のその他の荷電粒子ビームを用いても構わない。
本発明の一態様のパターン検査装置は、被検査対象を載置するステージと、被検査対象にマルチ一次電子ビームを照射するマルチビームカラムと、マルチ一次電子ビームのうち第1の一次電子ビームを被検査対象の第1ビーム走査領域に照射して放出された第1の二次電子ビームの照射を受ける第1検出画素及びマルチ一次電子ビームのうち第1の一次電子ビームに隣接する第2の一次電子ビームを被検査対象の第1ビーム走査領域に隣接し、第1の走査領域に重なる第2ビーム走査領域に照射して放出された第2の二次電子ビームの照射を受ける第2検出画素を有するマルチ検出器と、第1の二次電子ビームが第1検出画素に入射して得られた第1フレーム画像と第2の二次電子ビームが第2検出画素に入射して得られた第2フレーム画像の重なり部分を比較して第1の一次電子ビームと第2の一次電子ビームのビーム強度差を求める比較部と、ビーム強度差を補正するように第1検出画素又は/及び第2検出画素の検出感度を調整する感度調整部と、を備える。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるパターン検査装置の構成を示す構成図である。図1において、基板に形成されたパターンを検査する検査装置100は、荷電粒子ビーム検査装置の一例である。検査装置100は、制御部110及び電子光学画像取得機構150を備えている。制御部110は、制御計算機121、バス122、記憶装置131、モニタ132、プリンタ133、メモリ134、位置演算部135,ステージ制御部136、偏向制御部137、ブランキング制御部138、レンズ制御部139、検査画像作成部140、比較部141、感度調整部142、画像補正部143、参照画像作成部144を含む。電子光学画像取得機構150は、駆動部151、レーザ測長システム152、検出部153、パターンメモリ154、電子ビームカラム161(電子鏡筒)及び検査室162を含む。電子ビームカラム161内には、電子銃163、照明レンズ164、成形アパーチャアレイ基板165、縮小レンズ166、制限アパーチャ基板167、対物レンズ168、主偏向器169、副偏向器170、一括ブランキング偏向器171、ビームセパレータ172、投影レンズ173、投影レンズ174、偏向器175、及びマルチ検出器176が配置されている。
検査室162内には、例えば、xy平面上を移動可能なステージ177とミラー178が配置される。xyステージ177上には、被検査対象領域Xが配置される。検査対象Xは、半導体基板、パターンが形成されたチップやパターンを形成するためのマスクなどである。検査対象Xは、例えば、パターン形成面を上側に向けてステージ177に配置される。また、ステージ177上には、検査室162の外部に配置されたレーザ測長システム152から照射されるレーザ測長用のレーザ光を反射するミラー178が配置されている。
マルチ検出器176は、電子ビームカラム161の外部で検出部153に接続される。検出部153は、パターンメモリ154に接続される。
制御部110では、コンピュータとなる制御計算機121が、バス122を介して、記憶装置131、モニタ132、プリンタ133、メモリ134、位置演算部135、ステージ制御部136、偏向制御部137、ブランキング制御部138、レンズ制御部139、検査画像作成部140、比較部141、感度調整部142、画像補正部143、参照画像作成部144に接続されている。また、パターンメモリ154は、検査画像作成部140に接続されている。
ステージ177では、ステージ制御部136により、駆動部151が制御されている。ステージ制御部136によって制御された駆動部151によってステージ177の位置が移動する。駆動部151は、例えば、x方向、y方向、θ方向に駆動する3軸(x-y-θ)モータの様な駆動系によって構成されている。これらの駆動系によって、任意の方向にステージ177が移動可能となっている。これらの、図示しないxモータ、yモータ、θモータは、例えばステップモータを用いることができる。ステージ177は、xyθ各軸のモータによって水平方向及び回転方向に移動可能である。そして、ステージ177の移動位置は、レーザ測長システム152により測定され、位置演算部135に供給され、ステージ177及び被検査対象領域Xの位置が演算される。レーザ測長システム152は、例えば、ミラー178からの反射光を受光することによって、レーザ干渉法の原理でステージ177の位置を測長する。
電子銃163には、図示しない高圧電源回路が接続され、電子銃163内の図示しないフィラメントと引出電極間への高圧電源回路からの加速電圧の印加と共に、所定の引出電極の電圧の印加と所定の温度のカソード(フィラメント)の加熱によって、カソードから放出された電子群が加速させられ、電子ビームとなって放出される。照明レンズ164、縮小レンズ166、対物レンズ168、投影レンズ173及び投影レンズ174は、例えば電磁レンズが用いられ、共にレンズ制御部139によって制御される。また、ビームセパレータ172もレンズ制御部139によって制御される。一括ブランキング偏向器171、及び偏向器175は、それぞれ少なくとも2極の電極群により構成され、ブランキング制御部138によって制御される。主偏向器169、及び副偏向器170は、それぞれ少なくとも4極の電極群により構成され、偏向制御部137によって制御される。
被検査対象領域Xが複数のチップ(ダイ)パターンが形成された半導体ウェハである場合には、かかるチップ(ダイ)パターンのパターンデータが検査装置100の外部から入力され、記憶装置131に格納される。被検査対象領域Xが露光用マスクである場合には、かかる露光用マスクにマスクパターンを形成する基になる設計パターンデータが検査装置100の外部から入力され、記憶装置131に格納される。
ここで、図1では、第1の実施形態を説明する上で必要な構成を記載している。検査装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。
図2は、第1の実施形態における成形アパーチャアレイ基板165の構成を示す概念図である。図2において、成形アパーチャアレイ基板165には、2次元状(行列状)の横(x方向)M列×縦(y方向)M’段(Nは2以上の整数、M’は1以上の整数)の穴(開口部)aがx方向、y方向(x:第1の方向、y:第2の方向)に所定の配列ピッチLで形成されている。なお、マルチビームの縮小倍率がa倍(マルチビーム径を1/aに縮小して被検査対象領域Xに照射する場合)、試料101上でのx、y方向に対するマルチビームのビーム間ピッチをpとする場合、配列ピッチLは、L=(a×p)の関係となる。図2の例では、M=5、M’=5の5×5本のマルチビーム形成用の穴22が形成される場合を示している。次に検査装置100における電子光学画像取得機構150の動作について説明する。
電子銃163(放出源)から放出された電子ビーム201は、照明レンズ164によりほぼ垂直に成形アパーチャアレイ基板165全体を照明する。成形アパーチャアレイ基板165には、図2に示すように、矩形の複数の穴22(開口部)が形成され、電子ビーム201は、すべての複数の穴22が含まれる領域を照明する。複数の穴22の位置に照射された電子ビーム201の各一部が、かかる成形アパーチャアレイ基板165の複数の穴22をそれぞれ通過することによって、例えば矩形の複数の電子ビーム(マルチビーム)202a、202b、202c、202d(図1の実線)(マルチ一次電子ビーム)が形成される。
形成されたマルチ一次電子ビーム202a~202dは、ビームセパレータ172を通過した後、縮小レンズ166によって、縮小され、制限アパーチャ基板167に形成された中心の穴に向かって進む。ここで、成形アパーチャアレイ基板165と縮小レンズ166との間に配置された一括ブランキング偏向器171によって、マルチ一次電子ビーム202a~202d全体が一括して偏向された場合には、マルチ一次電子ビーム202a~202dは、制限アパーチャ基板167の中心の穴から位置がズレ、制限アパーチャ基板167によって遮蔽される。一方、一括ブランキング偏向器171によって偏向されなかったマルチ一次電子ビーム202a~202dは、図1に示すように制限アパーチャ基板167の中心の穴を通過する。かかる一括ブランキング偏向器171のON/OFFによって、ブランキング制御が行われ、ビームのON/OFFが一括制御される。このように、制限アパーチャ基板167は、一括ブランキング偏向器171によってビームOFFの状態になるように偏向されたマルチ一次電子ビーム202a~202dを遮蔽する。そして、ビームONになってからビームOFFになるまでに形成された、制限アパーチャ基板167を通過したビーム群により、検査用のマルチ一次電子ビーム202a~202dが形成される。
制限アパーチャ基板167を通過したマルチ一次電子ビーム202a~202dは、対物レンズ168により被検査対象領域X面上に焦点が合わされ、所望の縮小率のパターン像(ビーム径)となり、主偏向器169及び副偏向器170によって、制限アパーチャ基板167を通過したマルチ一次電子ビーム202全体が同方向に一括して偏向され、各ビームの被検査対象領域X上のそれぞれの照射位置に照射される。かかる場合に、主偏向器169によって、マルチ一次電子ビーム202が走査する被検査対象領域Xの基準位置にマルチ一次電子ビーム202全体を一括偏向する。
実施の形態1では、例えばステージ177を連続移動させながらスキャンを行う。このため、主偏向器169は、さらにステージ177の移動に追従するように、トラッキング偏向を行う。そして、副偏向器170によって、各ビームがそれぞれ対応する領域内を走査するようにマルチ一次電子ビーム202全体を一括偏向する。一度に照射されるマルチ一次電子ビーム202は、理想的には成形アパーチャアレイ基板165の複数の穴22の配列ピッチに上述した所望の縮小率(1/a)を乗じたピッチで並ぶことになる。このように、電子ビームカラム161は、一度に2次元状のm×n本のマルチ一次電子ビーム202を被検査対象領域Xに照射する。被検査対象領域Xの所望する位置にマルチ一次電子ビーム202が照射されたことに起因して被検査対象領域Xからマルチ一次電子ビーム202の各ビームに対応する、反射電子を含む二次電子の束(マルチ二次電子ビーム203a、203b、203c、203d)(図1の破線)が放出される。
被検査対象領域Xから放出されたマルチ二次電子ビーム203は、対物レンズ168によって、マルチ二次電子ビーム203の中心側に屈折させられ、制限アパーチャ基板167に形成された中心の穴に向かって進む。制限アパーチャ基板167を通過したマルチ二次電子ビーム203は、縮小レンズ166によって光軸とほぼ平行に屈折させられ、ビームセパレータ172に進む。
ここで、ビームセパレータ172はマルチ一次電子ビーム202が進む方向(光軸)に直交する面上において電界と磁界を直交する方向に発生させる。電界は電子の進行方向に関わりなく同じ方向に力を及ぼす。これに対して、磁界はフレミング左手の法則に従って力を及ぼす。このため電子の侵入方向によって電子に作用する力の向きを変化させることができる。ビームセパレータ172に上側から侵入してくるマルチ一次電子ビーム202(一次電子ビーム)には、電界による力と磁界による力が打ち消し合い、マルチ一次電子ビーム202は下方に直進する。これに対して、ビームセパレータ172に下側から侵入してくるマルチ二次電子ビーム203には、電界による力と磁界による力がどちらも同じ方向に働き、マルチ二次電子ビーム203は斜め上方に曲げられる。
斜め上方に曲げられたマルチ二次電子ビーム203は、投影レンズ173及び投影レンズ174によって、屈折させられながらマルチ検出器176に投影される。マルチ検出器176は、投影されたマルチ二次電子ビーム203を検出する。マルチ検出器176は、複数の検出画素を有する。マルチ検出器176は、例えば図示しないダイオード型の2次元センサを有する。そして、マルチ二次電子ビーム203の各ビームに対応するダイオード型の2次元センサ位置において、マルチ二次電子ビーム203の各二次電子がダイオード型の2次元センサに衝突して、電子を発生し、二次電子画像データを後述する画素毎に生成する。また、ステージ177を連続移動させながらスキャンを行うため、上述したようにトラッキング偏向が行われる。かかるトラッキング偏向に伴う偏向位置の移動に合わせて、偏向器175は、マルチ二次電子ビーム203をマルチ検出器176の受光面における所望の位置に照射させるように偏向する。
図3は、本実施形態における第1ビーム走査領域A1、第2ビーム走査領域A2、第3ビーム走査領域A3、第4ビーム走査領域A4、第5ビーム走査領域A5、第6ビーム走査領域A6、第7ビーム走査領域A7、第8ビーム走査領域A8、第9ビーム走査領域A9を説明するための模式図である。図3は、被検査対象領域X内のマルチ一次電子ビーム202で走査する領域を示している。例えば、3×3の9本のマルチ一次電子ビーム202で被検査対象領域Xを検査する場合、3×3の走査領域からなるサブ検査領域を検査する工程を複数回行なって、被検査対象領域Xの全体を検査する。実施形態では、便宜的に9つの走査領域を示して説明をしているため、図4においても操作領域A1~A9に対応した出力画像C1~C9が9つ示されている。これらは例示であり、穴22の数、マルチ一次電子ビーム202の数、走査領域の数、マルチ検出器176の画素の数等は、これに限定されるものではない。
図3においては、被検査対象領域X内におけるマルチ一次電子ビーム202の走査領域A1~A9及び走査領域A1~A9の重なり領域B1~B12を示している。第1~第9ビーム走査領域A1~A9が占める領域は、被検査対象領域Xの一部である。各走査領域は、ハッチングパターンで区別されている。ハッチングパターンが重なった部分は、走査領域が重なった領域である。マルチ一次電子ビーム202のうちの1本のn番目の一次電子ビームを第nの一次電子ビーム202とする。第1の一次電子ビーム202が走査する領域が第1ビーム走査領域A1である。第2の一次電子ビーム202が走査する領域が第2ビーム走査領域A2である。第3の一次電子ビーム202が走査する領域が第3ビーム走査領域A3である。第4の一次電子ビーム202が走査する領域が第4ビーム走査領域A4である。第5の一次電子ビーム202が走査する領域が第5ビーム走査領域A5である。第6の一次電子ビーム202が走査する領域が第6ビーム走査領域A6である。第7の一次電子ビーム202が走査する領域が第7ビーム走査領域A7である。第8の一次電子ビーム202が走査する領域が第8ビーム走査領域A8である。第9の一次電子ビーム202が走査する領域が第9ビーム走査領域A9である。
第1の一次電子ビーム202は、第2の一次電子ビーム202、第4の一次電子ビーム202及び第5の一次電子ビーム202と隣接する。第2の一次電子ビーム202は、第1の一次電子ビーム202、第3の一次電子ビーム202、第4の一次電子ビーム202、第5の一次電子ビーム202、及び第6の一次電子ビーム202と隣接する。第3の一次電子ビーム202は、第2の一次電子ビーム202、第5の一次電子ビーム202及び第6の一次電子ビーム202と隣接する。第4の一次電子ビーム202は、第1の一次電子ビーム202、第2の一次電子ビーム202、第5の一次電子ビーム202、第7の一次電子ビーム202及び第8の一次電子ビーム202と隣接する。第5の一次電子ビーム202は、第1の一次電子ビーム202、第2の一次電子ビーム202、第3の一次電子ビーム202、第4の一次電子ビーム202、第6の一次電子ビーム202、第7の一次電子ビーム202、第8の一次電子ビーム202及び第9の一次電子ビーム202と隣接する。第6の一次電子ビーム202は、第2の一次電子ビーム202、第3の一次電子ビーム202、第5の一次電子ビーム202、第8の一次電子ビーム202及び第9の一次電子ビーム202と隣接する。第7の一次電子ビーム202は、第4の一次電子ビーム202、第5の一次電子ビーム202及び第8の一次電子ビーム202と隣接する。第8の一次電子ビーム202は、第4の一次電子ビーム202、第5の一次電子ビーム202、第6の一次電子ビーム202、第7の一次電子ビーム202及び第9の一次電子ビーム202と隣接する。第9の一次電子ビーム202は、第5の一次電子ビーム202、第6の一次電子ビーム202及び第8の一次電子ビーム202と隣接する。
一次電子ビーム202が隣接する位置関係と各ビームが走査する各走査領域が隣接する位置関係は対応する。ビームの番号と走査領域の番号も対応する。例えば、第1ビーム走査領域A1は、第2ビーム走査領域A2、第4ビーム走査領域A4及び第5ビーム走査領域A5と隣接している。
検査エリアの抜けを防止するためには、装置性能に伴う各ビーム操作領域の位置ずれを考慮し、さらには、それぞれのビームに対応した出力画像にBlur処理などの周辺画素を利用した画像処理を実施すると、画像端部には計算処理上の無効領域が生じるため、この量を必要に応じて追加して、隣接する一次電子ビーム202で走査する走査領域が先に説明した隣接関係のある電子ビームの操作領域と重なるように設定する必要がある。図5は、一つのビーム操作領域の中の、位置ずれ補償エリアT1と画像処理による無効領域部分T2、及び有効領域T3を模式的に示したものである。図6に隣接する検査エリアとの重ね幅を模式的に示す。図6に示すように、隣接する検査エリアとの重ね幅T4は、隣接エリアとの検査有効領域が重なるようにするため、
T4>(T1の幅+T2の幅)x2
に設定する必要がある。
重なり走査領域B1は、第1ビーム走査領域A1と第1ビーム走査領域A1に隣接する第2ビーム走査領域A2が重なった部分の領域である。重なり走査領域B2は、第2ビーム走査領域A2と第2ビーム走査領域A2に隣接する第3ビーム走査領域A3が重なった部分の領域である。重なり走査領域B3は、第1ビーム走査領域A1と第1ビーム走査領域A1に隣接する第4ビーム走査領域A4が重なった部分の領域である。重なり走査領域B4は、第2ビーム走査領域A2と第2ビーム走査領域A2に隣接する第5ビーム走査領域A5が重なった部分の領域である。重なり走査領域B5は、第3ビーム走査領域A3と第3ビーム走査領域A3に隣接する第6ビーム走査領域A6が重なった部分の領域である。重なり走査領域B6は、第4ビーム走査領域A4と第4ビーム走査領域A4に隣接する第5ビーム走査領域A5が重なった部分の領域である。重なり走査領域B7は、第5ビーム走査領域A5と第5ビーム走査領域A5に隣接する第6ビーム走査領域A6が重なった部分の領域である。重なり走査領域B8は、第4ビーム走査領域A4と第4ビーム走査領域A4に隣接する第7ビーム走査領域A7が重なった部分の領域である。重なり走査領域B9は、第5ビーム走査領域A5と5ビーム走査領域A5に隣接する第8ビーム走査領域A8が重なった部分の領域である。重なり走査領域B10は、第6ビーム走査領域A6と第6ビーム走査領域A6に隣接する第9ビーム走査領域A9が重なった部分の領域である。重なり走査領域B11は、第7ビーム走査領域A7と第7ビーム走査領域A7に隣接する第8ビーム走査領域A8が重なった部分の領域である。重なり走査領域B12は、第8ビーム走査領域A8と第8ビーム走査領域A8に隣接する第9ビーム走査領域A9が重なった部分の領域である。なお、例えば、重なり走査領域B1は、第1ビーム走査領域A1と第5ビーム走査領域A5が重なる領域(重なり領域B1、重なり領域B3、重なり領域B4及び重なり領域B6の4つが重なった領域)も含む。
以下、電子ビーム走査による二次電子ビーム出力で得られた画像の装置内での画像処理単位をフレームと呼ぶ。フレームの大きさは各電子ビーム走査領域からの出力画像内で、複数に分割して処理されてもよい。上記に説明した隣接電子ビーム走査領域の必要な重なり量は、フレームの大きさが各電子ビーム走査領域内で複数に分割されても、ビーム操作領域端部の画像処理で生じる無効領域の幅は同じなので、実施例説明の便宜上、各電子ビーム操作領域から得られる出力画像の大きさが画像処理単位1フレーム画像と一致するものとして、説明する。
図4は、本実施形態における第1フレーム画像C1、第2フレーム画像C2、第3フレーム画像C3、第4フレーム画像C4、第5フレーム画像C5、第6フレーム画像C6、第7フレーム画像C7、第8フレーム画像C8、第9フレーム画像C9を説明するための模式図である。フレーム画像の一部が重なるように縦3×横3でつなぎ合わせてサブ検査領域画像が得られる。サブ検査領域画像をさらに重ねてつなぎ合わせることで検査領域画像Yを得ることが出来る。サブ検査領域が1つの場合は、サブ検査領域画像が検査領域画像Yとなる。図4は、被検査対象領域Xの各走査領域から放出された二次電子ビーム203から得られる検査領域画像Yの領域を示している。走査領域の番号とフレーム画像の番号は対応する。
被検査対象領域Xにマルチ一次電子ビーム202が照射されることにより、被検査対象領域Xから放出されたマルチ二次電子ビーム203が上記の説明のとおり、マルチ検出器176に入射する。各走査領域(例えば、図3のA1~A9)を照明して放出されたマルチ二次電子ビーム203は、それぞれマルチ検出器176の異なる画素に入射する。各画素に入射した二次電子ビーム203の強度と検査位置のデータから各走査領域のフレーム画像が作成される。なお、第1検出画素は、1つの検出画素であってもよいし、二次元状に配置された複数のサブ画素から構成されていてもよい。
図4においては、検査領域画像Y内における各マルチ二次電子ビーム203から作成されるフレーム画像C1~C9と、このフレーム画像C1~C9の第1~第12重なりフレーム画像領域D1~D12を示している。マルチ検出器176に二次電子ビーム203が入射した信号は、検出部153で処理される。例えば、検出部153に入力されたアナログ信号は、デジタル信号に変換される。信号の変換の前後には、増幅などの処理を行なうことが出来る。検出部153における処理で生成されたデジタル信号は、パターンメモリ154に一時的に保存され、検査画像作成部140でパターンメモリ154に保存されたデータから、検査に必要なフレーム画像が作成される。
第1走査領域A1から放出された第1の二次電子ビーム203がマルチ検出器176の第1検出画素に入射して、第1フレーム画像C1が得られる。また、第1の二次電子ビーム203に隣接する第2の二次電子ビーム203がマルチ検出器176の第1検出画素に隣接する第2検出画素に入射して第2フレーム画像C2が得られる。また、第2の二次電子ビーム203に隣接する第3の二次電子ビーム203がマルチ検出器176の第2検出画素に隣接する第3検出画素に入射して第3フレーム画像C3が得られる。また、第1の二次電子ビーム203に隣接する第4の二次電子ビーム203がマルチ検出器176の第1検出画素に隣接する第4検出画素に入射して第4フレーム画像C4が得られる。また、第4の二次電子ビーム203に隣接する第5の二次電子ビーム203がマルチ検出器176の第4検出画素に隣接する第5検出画素に入射して第5フレーム画像C5が得られる。また、第5の二次電子ビーム203に隣接する第6の二次電子ビーム203がマルチ検出器176の第5検出画素に隣接する第6検出画素に入射して第6フレーム画像C6が得られる。また、第4の二次電子ビーム203に隣接する第7の二次電子ビーム203がマルチ検出器176の第4検出画素に隣接する第7検出画素に入射して第7フレーム画像C7が得られる。また、第7の二次電子ビーム203に隣接する第8の二次電子ビーム203がマルチ検出器176の第7検出画素に隣接する第8検出画素に入射して第8フレーム画像C8が得られる。また、第8の二次電子ビーム203に隣接する第9の二次電子ビーム203がマルチ検出器176の第8検出画素に隣接する第9検出画素に入射して第9フレーム画像C9が得られる。
得られたフレーム画像C1~C9は、隣接するフレーム画像と重なり領域を有する。第1重なりフレーム画像領域D1は、第1フレーム画像C1と第2フレーム画像C2が重なった部分の領域である。第2重なりフレーム画像領域D2は、第2フレーム画像C2と第3フレーム画像C3が重なった部分の領域である。第3重なりフレーム画像領域D3は、第1フレーム画像C1と第4フレーム画像C4が重なった部分の領域である。第4重なりフレーム画像領域D4は、第2フレーム画像C2と第5フレーム画像C5が重なった部分の領域である。第5重なりフレーム画像領域D5は、第3フレーム画像C3と第6フレーム画像C6が重なった部分の領域である。第6重なりフレーム画像領域D6は、第4フレーム画像C4と第5フレーム画像C5が重なった部分の領域である。第7重なりフレーム画像領域D7は、第5フレーム画像C5と第6フレーム画像C6が重なった部分の領域である。第8重なりフレーム画像領域D8は、第4フレーム画像C4と第7フレーム画像C7が重なった部分の領域である。第9重なりフレーム画像領域D9は、第5フレーム画像C5と第8フレーム画像C8が重なった部分の領域である。第10重なりフレーム画像領域D10は、第6フレーム画像C6と第9フレーム画像C9が重なった部分の領域である。第11重なりフレーム画像領域D11は、第7フレーム画像C7と第8フレーム画像C8が重なった部分の領域である。第12重なりフレーム画像領域D12は、第8フレーム画像C8と第9フレーム画像C9が重なった部分の領域である。なお、例えば、重なりフレーム画像領域D1は、第1フレーム画像C1と第5フレーム画像C5が重なる領域(重なりフレーム画像領域D1、重なりフレーム画像領域D3、重なりフレーム画像領域D4および重なりフレーム画像領域D6の4つが重なった領域)も含む。
比較部141では、参照画像生成部144で作成された参照フレーム画像と、検査画像生成部140で生成された検査フレーム画像を比較(差分)し、その結果から欠陥検出を行う。検査時には、比較部141での差分結果にビームの特性の違いが入らないように、検査前にビーム特性のキャリブレーションが行なわる。参照画生成部の参照フレーム画像作成時に、この事前キャリブレーション結果を反映させた参照フレーム画像を生成すること、あるいは検出部153で、キャリブレーション結果を反映させた補正フレーム画像を生成し、ビーム特性による差分を小さくすることで、欠陥部分だけが大きな差分信号となるようにして欠陥検出感度を上げられるようにしている。
検査中に、何らかの要因(温度ドリフトなど)でビーム特性に変化が生じた場合、検査フレーム画像の輝度変化として現れるが、欠陥検出動作の画像処理では、参照フレーム画像との差分のオフセット量の変化になるため、一般的に知られる画像間のオフセット量の補正(輝度平均値による補正など)が画像処理内で行われると、欠陥検出感度の大きな変化が見られず、このビーム特性変化が見逃される結果となる。
そこで、本実施例の比較部141では、隣接フレーム画像との重なり部分の変化(例えば輝度平均値)をモニタする。検査の際にマルチ一次電子ビーム202の強度に変化が生じ無ければ、例えば、第1フレーム画像C1内の重なりフレーム画像領域D1と第2フレーム画像C2の重なりフレーム画像領域D1は、同じ画像又は実質的に差の無い画像になる。しかし、第1の一次電子ビーム202の強度又は/及び第2の一次電子ビーム202の強度に変化があると、重なりフレーム画像領域D1における第1フレーム画像C1と重なりフレーム画像領域D1における第2フレーム画像C2の差が大きくなる。同じ領域を異なる一次電子ビーム202で異なる検出画素でモニタしているのでマルチ一次電子ビーム202の隣接ビーム間の変化を検知することができる。
マルチ一次電子ビーム202間の変化が検知された場合、例えば輝度平均値差が設定された閾値を超えた場合、感度調整部142で検出感度の調整量を計算し、検出画素の検出感度を補正する。また感度調整部142は、検出部153における信号処理条件を変更する指示を検出部153に出すことができるので、次のサブ検査領域を検査する際に、マルチ一次電子ビーム202間の強度差が補正された、つまり、再度キャリブレーションされた条件で検査を行なうことができる。
各サブ検査領域の検査を行なった後に、得られた画像を重ねてつなぎ合わせて(一部重ね合わせて)検査領域画像Yを得る。得られた検査領域画像Yは、画像補正部143において、ゆがみを取り除く等の任意の画像処理が施されてもよい。
得られた欠陥情報や検査画像は、例えば、記憶装置131に保存される。
次に、マルチビーム検査装置100の検査方法を説明することにより、検査装置100についてより詳細に説明する。図7にマルチビーム検査方法のフローチャートを示す。第1の実施形態における検査方法は、キャリブレーション工程(S101)、サブ検査領域の検査工程(S110~S1N0)、検査画像作成工程(S201)、参照画像作成工程(S202)、比較工程(S203)を含む。
<キャリブレーション工程(S101)>
キャリブレーション工程(S101)は、被検査対象領域X又はキャリブレーション用基板をマルチ一次電子ビーム202で検査して、マルチ一次電子ビーム202の強度差に応じてマルチ検出器176における検出感度などを調整する。例えば、マルチ検出器176で得られたアナログ信号や、このアナログ信号からデジタル信号に変換して処理する検出部153の処理条件等を変更することにより検出感度などを調整する。
<サブ検査領域の検査工程(S110~S1N0)>
マルチ一次電子ビーム202の範囲は、被検査対象領域Xの検査範囲以下の大きさであることから、被検査対象領域Xを1以上のサブ検査領域にわけて第1回から第N回まで複数回の検査を行なう(Nは、1以上の整数)。第1サブ検査領域の検査工程(S110)の工程を図8のフローチャートに詳細に示す。2回目以降のサブ検査領域の検査工程(S120~S1N0)は、第1サブ検査領域の検査工程(S110)と同様である。第1サブ検査領域の検査工程(S110)は、マルチビーム照射工程(S111)、フレーム画像作成工程(S112)、フレーム画像比較工程(S113)、ビーム強度差判定(S114)、検出画素感度調整工程(S115)を含む。
<マルチビーム照射工程(S111)>
マルチビーム照射工程は、被検査対象領域Xのサブ検査領域にマルチ一次電子ビーム202を照射して走査する工程である。走査領域毎に異なる一次電子ビーム202を照射する。被検査対象領域Xから放出されたマルチ二次電子ビーム203は、マルチ検出器176に導かれる。
<フレーム画像作成工程(S112)>
フレーム画像作成工程(S112)は、サブ検査領域の走査領域毎に異なる検出画素に入射した二次電子ビーム203からフレーム画像を作成する工程である。例えば第1走査領域A1から放出された第1の二次電子ビームは、第1検出画素に入射してアナログ信号が生成される。アナログ信号は、検出部153で信号処理がなされデジタル信号が生成される。生成されたデジタル信号は、パターンメモリ154に一時的に保存される。パターンメモリ154に保存されたデジタル信号を用いて、検査画像作成部140で画像データ(第1フレーム画像C1)が作成される。作成された第1フレーム画像C1は、例えば、メモリ134に記憶される。他の走査領域についても同様にフレーム画像が作成され、メモリ134に記憶される。
<フレーム画像比較工程(S113)>
フレーム画像間の重なり領域(D1~D12)の輝度差を比較する工程である。例えば第1フレーム画像C1の重なり領域D1の輝度平均(D1-1とする)と、第2フレーム画像C2の重なり領域D1の輝度平均(D1-2とする)の差分から、キャリブレーション後の第1の一次電子ビーム202と第2走査領域A2に照射される第2の一次電子ビーム202の強度差の変化が求まる。
他のフレーム画像領域についても同様にフレーム画像の重なり領域を比較することでビーム強度差を求めることができる。フレーム画像比較工程では、フレーム画像の階調値やフレーム画像ヒストグラム等を比較することが出来る。
本実施形態では、マルチビームの走査領域に準じたサブ検査領域、サブ検査領域画像単位での比較工程を説明しているが、検査領域画像Yを埋め尽くすため、サブ検査領域(S110-S1N0)間も検査漏れが無いよう、重ねられているので、サブ検査領域とその重なりに関して説明したサブ検査領域内の重なりの関係は、隣接するサブ検査領域との間にもある。例えば、A3の右側には次のサブ検査領域のA1との重なり部分がある。これを利用すれば、A1とA3を受け持つビーム間の比較データも得られる。説明の便宜上、サブ検査領域間の重なり領域については省略するが、これによって得られた情報も同様に利用できる。
<ビーム強度差判定工程(S114)>
ビーム強度差判定工程(S114)は、フレーム画像比較工程(S113)で求められたビーム強度差が閾値以上であるか否かを判定する工程である。この判定は、比較部141で行なうことが出来る。例えば、ビーム強度差が閾値以上であると判断された場合は、検出画素感度調整工程(S115)にて、検出画素の感度を調整する。ビーム強度差が閾値以上であるかどうか判定において、隣接する重なりフレーム画像領域におけるビーム強度差を考慮することで、例えば、ビーム強度差が閾値未満であれば、検出画素の感度調整は行なわず第1のサブ検査領域の検査工程(S110)は終了し、第1のサブ検査領域の検査工程(S110)と同様に第2のサブ検査領域の検査工程(S120)を行なう。サブ検査領域がN個あれば、第Nのサブ検査領域の検査工程(S1N0)まで行なう。
<検出画素感度調整工程(S115)>
検出画素感度調整工程(S115)は、ビーム強度差判定工程(S114)において、ビーム強度差が閾値以上であると判定された場合に、ビーム強度差があると判定された一次電子ビーム202に対応する検出画素の検出感度を調整する工程である。まず、比較部141でビーム強度差を求め、感度調整部142で、ビーム強度差を考慮した検出感度の調整値を求める。そして、感度調整部142は、検出部153における信号処理条件を求めた調整値の分だけ補正する。検出部153の信号処理条件を検査画素毎に変更することで、次のサブ検査領域を検査する際には、前回の検査時におけるビーム強度差が補正されたフレーム画像を得ることができる。すなわち、リアルタイムにフレーム画像を得るための処理条件が変更されるため検査開始から検査終了までに生じるビーム強度の変化は補正された条件で検査がなされる。ビーム強度に応じて適切な条件で信号処理を行なわないと、画像の階調値が高すぎたり低すぎたりすることがある。このような、階調値が不適切な画像は、画像処理を行なっても欠陥検出等に適した画像に補正することが難しい。実施形態では、ビーム強度に変化が生じてもリアルタイムに補正をしていることから、欠陥検査等により適した画像を得ることが出来る。
<検査画像作成工程(S201)>
検査画像作成工程(S201)は、サブ検査領域を検査して得られるフレーム画像、サブ検査領域画像、又は、フレーム画像並びに検査領域画像を重ねてつなぎ合わせた検査領域画像Yを作成する工程である。画像を重ねてつなぎ合わせる処理において、位置ずれなどを考慮して行なう。検査画像作成工程(S201)は、検査画像作成部140にて処理等が行なわれる。検査領域画像Yは、メモリ134又は及び記憶装置131に保存される。
<参照画像作成工程(S202)>
参照画像作成工程(S202)は、検査領域画像Yと比較対象となる参照画像を作成する工程である。参照画像作成は、参照画像作成部144にて処理等が行なわれる。いわゆるdie to die検査を行なう場合は、隣接する同一パターン部の検査画像を参照画像として用いる。また、いわゆるdie to database検査を行なう場合は、例えば設計パターンから参照画像を作成する。参照画像は、メモリ134又は/及び記憶装置131に保存される。
なお、本実施形態では省略するが、die to die検査を行なう場合の参照画像も、上述した検査画像生成と同様の工程で得られる。
<比較工程(S203)>
比較工程(S203)は、検査領域画像Yと参照画像を比較して欠陥を検出する工程である。比較工程(S203)は、比較部141にて処理等が行なわれる。欠陥検出パラメータを用いて検査領域画像Yと参照画像の差から欠陥を検出する。検出された欠陥情報は、記憶装置131に保存される。
実施形態の検査方法によれば、検査中にリアルタイムでビームの強度差が求まり、ビーム強度差を考慮した条件で検査画像を得ることが出来る。
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例である。第2の実施形態においては、比較部141で、例えば、第1フレーム画像C1と第2フレーム画像C2と参照画像とのフレーム画像比較工程(S113)、欠陥検出工程(S116)により、重なり領域D1内のそれぞれの欠陥検出結果情報を得て、この欠陥情報を用いて欠陥検出パラメータを調整する。すなわち、サブ検査領域の欠陥検査の際にそれぞれのフレームの重なり領域の欠陥情報の差を使って欠陥検出パラメータを調整することが第1の実施形態と異なる。
比較部141において、フレーム画像の重なりフレーム画像領域と参照画像とを比較する。例えば、第1フレーム画像の第1重なりフレーム画像領域D1と参照画像を比較した際に欠陥が検出されたが、第2フレーム画像C2の第1重なりフレーム画像領域D1と参照画像を比較した際に欠陥が検出されない場合に、欠陥検出パラメータを調整する。第1フレーム画像C1と第2フレーム画像C2のどちらの欠陥検出が正常に行えなかったのか確定出来ない場合は、例えば、第2重なりフレーム画像領域D2で第2フレーム画像C2と一部重なる第3フレーム画像C3を第2フレーム画像C2と比較することが好ましい。この比較によって、第2重なりフレーム画像領域D2における欠陥検出を行なえば第2フレーム画像C2の欠陥を正しく検出出来たか否かの判断の信頼度が高まる。その他の重なりフレーム画像領域における比較を複数行なうことで、欠陥検出パラメータの精度を高めることが出来る。
比較部141は、例えば、第1サブ検査領域を検査して、ビーム強度差に基づいて例えば、第1検出画素及び/又は第2検出画素の検出感度を調整する。さらに比較部141は、第1サブ検査領域の検査から欠陥検出パラメータを調整して、第2サブ検査領域を検査して、検出感度が調整された第1検出画素と、第2検出画素に入射した二次電子ビームから作成されたフレーム画像を参照画像とを比較して、調整された欠陥検出パラメータを得る。比較部141は、この調整された欠陥検出パラメータ用いて、被検査対象領域Xの欠陥を検出したり、さらに、欠陥検出パラメータを調整したりすることが出来る。
図9に第2の実施形態のフローチャートを示す。第2の実施形態における検査方法は、キャリブレーション工程(S101)、サブ検査領域の検査工程(S110~S1N0)、参照画像作成工程(S202)を含む。第1の実施形態では、参照画像作成工程(S202)を比較工程(S203)前に行なっていたが、第2の実施形態では、第1サブ検査領域の検査工程(S110)の前に参照画像作成工程(S202)の処理等を行なう。
図10に第2の実施形態の第1サブ検査領域の検査工程のフローチャートを示す。なお、第1の実施形態と同様に、図10に示すフローチャートは、他のサブ検査領域の検査工程にも適用できる。サブ検査領域の検査工程(S110~S1N0)以外の工程は、第1の実施形態と第2の実施形態とで共通する。共通する工程の説明は省略する。
<サブ検査領域の検査工程(S110~S1N0)>
第2の実施形態の第1サブ検査領域の検査工程(S110)は、マルチビーム照射工程(S111)、フレーム画像作成工程(S112)、フレーム画像比較工程(S113)、ビーム強度差判定(S114)、検出画素感度調整工程(S115)、欠陥検出工程(S116)、欠陥比較工程(S117)、欠陥検出パラメータ調整工程(S118)を含む。欠陥検出工程(S116)、欠陥比較工程(S117)及び欠陥検出パラメータ調整工程(S118)以外の工程は、第1の実施形態と第2の実施形態で共通する。共通する工程の説明は、省略する。なお、欠陥検出工程(S116)、欠陥比較工程(S117)及び欠陥検出パラメータ調整工程(S118)の工程は、すべてのサブ検査領域の検査工程で行なってもよいし、一部のサブ検査領域の検査工程で行なってもよい。欠陥検出工程(S116)、欠陥比較工程(S117)及び欠陥検出パラメータ調整工程(S118)の工程は、一群の工程であり、これらは連続して処理が行なわれる。かかる一群の工程は、ビーム強度差判定工程(S114)と並列に処理等を行なってもよいし、ビーム強度差判定工程(S114)の前後のいずれかに処理等を行なってもよい。
<欠陥検出工程(S116)>
第1から第Nサブ検査領域の検査工程(S110~S1N0)で得られたフレーム画像を参照画像と比較して、比較工程(S203)と同様のフレーム画像の欠陥検出を行なう工程である。
<欠陥比較工程(S117)>
欠陥比較工程(S117)は、欠陥検出工程(S116)で共通する重なり領域を有するフレーム画像において、それぞれのフレーム画像の欠陥情報を比較して、一方は欠陥が検出され、他方は欠陥が検出されなかったフレーム画像の組み合わせを抽出する工程である。欠陥比較工程(S117)は、比較部141にて処理等が行なわれる。一方は欠陥が検出され、他方は欠陥が検出されなかったフレーム画像が見つかった場合は、さらに、一方の欠陥が本来欠陥ではないものを欠陥として検出した場合であるのか、他方において欠陥があるのにもかかわらず欠陥を検出出来なかった場合であるのかを判定する。欠陥検出パラメータの調整には、欠陥検出のアルゴリズムの調整も含まれる。
または、重なり領域の同じ位置に、隣接フレーム画像両方で欠陥が検出された場合でも、欠陥強度や欠陥サイズなど、欠陥検出手法に伴う欠陥情報の差分があれば、欠陥の有無情報と同じく、欠陥検出パラメータの調整に使うことができる。
<欠陥検出パラメータ調整工程(S118)>
欠陥検出パラメータ調整工程(S118)は、欠陥比較工程(S117)で抽出されたフレーム画像の組み合わせにおける重なりフレーム画像領域の欠陥情報から欠陥検出パラメータを調整する工程である。欠陥検出パラメータ調整工程(S118)は、比較部141にて処理等が行なわれる。例えば、一方の欠陥が本来は欠陥ではないものを欠陥(偽欠陥)として検出した場合は、当該欠陥として検出された部分が欠陥として検出されないように欠陥検出パラメータを調整する。また、例えな、他方において欠陥があるにもかかわらず欠陥として検出出来なかった部分を欠陥として検出出来るように欠陥検出パラメータを調整する。
実施形態の検査方法によれば、サブ検査領域の検査工程(S110~S1N0)において、欠陥検出パラメータを調整することで、最終的な欠陥検出の精度を高めることができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、第1の実施形態の変形例である。第3の実施形態においては、画像補正部143で、フレーム画像、サブ検査領域画像及び検査画像からなる群より選ばれる1種以上の画像を補正することが第1の実施形態と異なる。例えば、ビーム強度差から求められた画像補正パラメータを用いて、第1フレーム画像C1の階調値又は/及び第2フレーム画像C2の階調値を画像補正部143で補正する。画像補正部143では、ビーム強度差を考慮したアルゴリズムで画像の補正を行なう。リアルタイムにビームの強度差に応じて検出部153の設定を調整するが、当該ビーム強度差が求められた画像は、ビーム強度差を考慮しない条件で検査された画像である。そこで、求められたビームの強度差から画像補正パラメータを求め、ビームの強度差の影響がなくなる(少なくなる)ように画像を補正する。フレーム画像、フレーム画像を重ねてつなぎ合わせたサブ検査領域画像及びサブ検査領域画像を重ねてつなぎ合わせた検査領域画像Yのいずれかを補正することができる。ビームの強度差の経時的変化を補うように検出部を調整していることから得られる画像は、ビームの強度差があまり大きくない。従って、得られる画像を軽度に補正すれば、ビームの強度差の影響がなくなる(少なくなる)ように補正をすることが出来るため、画像の後処理の観点からも実施形態の検査装置は好適である。
図11に第3の実施形態のフローチャートを示す。第3の実施形態における検査方法は、キャリブレーション工程(S101)、サブ検査領域の検査工程(S110~S1N0)、検査画像作成工程(S201)、参照画像作成工程(S202)、比較工程(S203)、画像補正工程(S301)を含む。第3の実施形態では、フレーム画像、サブ検査領域画像及び検査領域画像Yからなる群より選ばれる1種以上の画像を補正する工程を行なう。画像補正工程(S301)以外は、第1の実施形態とで共通する。共通する工程の説明は省略する。
<画像補正工程(S301)>
画像補正工程(S301)は、フレーム画像、サブ検査領域画像及び検査領域画像Yからなる群より選ばれる1種以上の画像をビーム強度差の情報に基づいて補正を行なう工程である。画像補正工程(S301)は、画像補正部143にて処理等が行なわれる。補正する画像に応じて、画像補正工程(S301)の処理等を行なう順番は、任意に変更可能である。画像補正工程(S301)は、欠陥検出を行なう比較工程(S203)の前に行なうことで、欠陥検出を行なう際に、画像が補正されており、欠陥検出の精度が高まることが好ましい。
フレーム画像を補正する場合は、例えば、各サブ検査領域の検査工程において画像補正工程(S301)の処理等を行なうことが出来る。サブ検査領域画像を補正する場合は、フレーム画像を重ねてつなぎ合わせたサブ検査領域画像を得てから画像補正工程(S301)の処理等を行なうことが出来る。検査領域画像Yを補正する場合は、検査画像作成工程(S201)と比較工程(S203)の間に画像補正工程(S301)の処理等を行なうことが出来る。いずれの場合において、実質的にフレーム画像が補正される。
図12に第3の実施形態の第1サブ検査領域の検査工程のフローチャートを示す。なお、第1の実施形態と同様に、図12に示すフローチャートは、他のサブ検査領域の検査工程(S120~S1N0)にも適用できる。サブ検査領域の検査工程(S110~S1N0)以外の工程は、第1の実施形態と第2の実施形態で共通する。共通する工程の説明は省略する。
サブ検査領域の検査工程で処理が行なわれる画像補正工程(S301)においては、例えば、第1フレーム画像C1の第3重なりフレーム画像領域D3が第4フレーム画像C4の第3重なりフレーム画像領域D3よりも階調値が高い場合は、ビーム強度差に基づく補正アルゴリズムを用いて第1フレーム画像C1の画像の階調値を低くするか、第4フレーム画像C4の階調値を高くする。
第1の実施形態では、検出されたビーム強度差は、次のサブ検査領域を検査する際にビーム強度差に基づいて検出部153の処理条件が調整されているため、ビーム強度の経時的な変化に対応している。第3の実施形態では、ビーム強度が変化した検査の画像もビーム強度差に基づいて補正がなされるため、欠陥検出の精度がより向上する。
以上の説明において、各「~部」は、ハードウェア、ソフトウェア及びハードウェア並びにソフトウェアの組み合わせを含む。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。上記の実施形態はあくまで、例として挙げられているだけであり、本発明を限定するものではない。また、各実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもかまわない。
実施形態では、マルチビーム検査装置の構成、その製造方法や、マルチビーム検査方法等、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされるマルチビーム検査装置及びマルチビーム検査方法の構成を適宜選択して用いることができる。その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全てのマルチビーム検査装置及びマルチビーム検査方法は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物の範囲によって定義されるものである。
100 検査装置
110 制御部
121 制御計算機
122 バス
131 記憶装置
132 モニタ
133 プリンタ
134 メモリ
135 位置演算部
136 ステージ制御部
137 偏向制御部
138 ブランキング制御部
139 レンズ制御部
140 検査画像作成部
141 比較部
142 感度調整部
143 画像補正部
144 参照画像作成部
150 電子光学画像取得機構
151 駆動部
152 レーザ測長システム
153 検出部
154 パターンメモリ
161 電子ビームカラム
162 検査室
163 電子銃
164 照明レンズ
165 成形アパーチャアレイ基板
166 縮小レンズ
167 制限アパーチャ基板
168 対物レンズ
169 主偏向器
170 副偏向器
171 一括ブランキング偏向器
172 ビームセパレータ
173 投影レンズ
174 投影レンズ
175 偏向器
176 マルチ検出器
177 ステージ
178 ミラー
201 電子ビーム
202a、202b、202c、202d マルチ一次電子ビーム
203a、203b、203c、203d マルチ二次電子ビーム
X 検査対象
A1~A9 第1~9ビーム走査領域
B1~B12 重複した走査領域
Y 撮影画像
C1~C9 第1~9検出画素画像
D1~D12 重複した画像領域
T1 位置ずれによる無効エリア
T2 画像処理による無効エリア
T3 検査有効領域
T4 重ね幅

Claims (5)

  1. 被検査対象を載置するステージと、前記被検査対象にマルチ一次電子ビームを照射するマルチビームカラムと、前記マルチ一次電子ビームのうち第1の一次電子ビームを前記被検査対象の第1ビーム走査領域に照射して放出された第1の二次電子ビームの照射を受ける第1検出画素及び前記マルチ一次電子ビームのうち第1の一次電子ビームに隣接する第2の一次電子ビームを前記被検査対象の前記第1ビーム走査領域に隣接し、第1の走査領域に重なる第2ビーム走査領域に照射して放出された第2の二次電子ビームの照射を受ける第2検出画素を有するマルチ検出器と、
    前記第1の二次電子ビームが第1検出画素に入射して得られた第1フレーム画像と前記第2の二次電子ビームが第2検出画素に入射して得られた第2フレーム画像の重なり部分を比較して前記第1の一次電子ビームと前記第2の一次電子ビームのビーム強度差を求める比較部と、前記ビーム強度差を補正するように前記第1検出画素又は/及び第2検出画素の検出感度を調整する感度調整部と、
    を備えたことを特徴とするマルチビーム検査装置。
  2. 前記比較部は、前記第1フレーム画像と前記第2フレーム画像が重なった重なりフレーム画像領域を参照画像と比較して前記被検査対象の欠陥を検出して欠陥情報を得て、前記欠陥情報を用いて欠陥検出パラメータを調整する、
    ことを特徴とする請求項1のマルチビーム検査装置。
  3. 前記ビーム強度差から求められた補正値を用いて、前記第1フレーム画像の階調値又は/及び前記第2フレーム画像の階調値を補正する画像補正部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のマルチビーム検査装置。
  4. 前記第1フレーム画像と前記第2フレーム画像を重ねてつなぎ合わせた画像と参照画像とを比較して、前記被検査対象の欠陥を検出する比較部と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1つの請求項に記載のマルチビーム検査装置。
  5. 前記比較部は、前記検出感度が調整された前記第1検出画素及び前記第2検出画素に入射した二次電子ビームから作成されたフレーム画像をつなぎ合わせた画像と参照画像とを比較して、前記調整された欠陥検出パラメータを用いて前記被検査対象の欠陥を検出する、
    ことを特徴とする請求項2に記載のマルチビーム検査装置。
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