JP2004192766A - 光情報記録媒体及び光情報記録媒体駆動装置、光情報記録媒体の記録方法 - Google Patents
光情報記録媒体及び光情報記録媒体駆動装置、光情報記録媒体の記録方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】ランドとグルーブを備えた情報の書き換えが可能な記録媒体にはエンボスやトラック形状により変調された情報記録により予め製造段階で記録または再生位置を特定するアドレス情報を付加しており、このアドレス情報を手掛かりに前記光情報記録媒体には不可逆的に記録できる手段を用いて記録を行い、該不可逆的に記録した情報の一部には該不可逆的な記録位置に対応した予め製造段階で付加したアドレス情報に関する内容を含ませることで、不正コピーを防止する手段を提供する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク及び光ディスクの記録再生可能な情報記録媒体と駆動装置に係り、特に不正コピー防止のための識別情報を記録する光ディスク及び光ディスクの情報管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光ディスクにおいては、不正コピー防止等のために光ディスク毎に固有の識別情報を記録することが行われている。識別情報を記録する従来技術としては、DVD(Digital Versatile Disk)等で用いられているBCA(Burst Cutting Area)記録や特開平9−091781号公報、特開2002−197670号公報などの方法が知られている。
【0003】
BCAではレーザトリミングによってディスクの反射層を部分的に溶融して複数トラックに無反射部分を形成し、この無反射部分をバーコード状に配置することによって、ディスク識別情報を記録する方法である。特開平9−091781号公報は通常の情報記録よりも遅い線速度と高いレーザーパワーでディスク識別信号を記録膜の不可逆的変化で記録する方法である。特開2002−197670号は、記録媒体に通常の情報記録時よりも強いレーザーパワーで記録する、又は通常の情報記録時よりもレーザー照射時間を長くして記録することで不可逆なマークを形成し、複数の不可逆領域と通常領域との交互配置パターンをユーザデータ領域外に製造段階で設けることによって識別情報を記録する方法である。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−091781号
【特許文献2】
特開2002−197670
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の方法では不可逆領域を形成するので、マークを消去される畏れはないものの、不可逆領域の信号レベルと、初期化後にドライブにより通常記録パワーで形成した可逆マークである非晶質マークとの信号レベルに差がないため、予め不可逆領域を設けていないディスクに対して、通常のドライブで擬似的に不正マークを形成、違法コピー品が作成可能となる畏れがある。
【0006】
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、不正コピー防止等のためのディスク固有の識別情報を、不可逆的に形成することで消去を不可能にし、且つ、通常のドライブでの擬似的マークの形成ができない記録媒体と、その再生方法を提供することを目的とする。
【0007】
上記目的とは別の目的として、アドレス情報(ID)、SYNCコード、エラー検出コード(EDC)のような固有情報を不可逆的に記録することで、特定セクタの情報書き換えの有無を検出することができるので、管理情報の記録方法及び情報の管理方法として提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の第1の目的は、ランドとグルーブを備えた情報の書き換えが可能な相変化型光ディスクの再生方法であって、前記相変化型光ディスクはユーザデータの記録領域外に不可逆的に形成されたマークにより情報を記録した管理領域を備え、前記不可逆的に設けたマークは、隣接するランドおよびグルーブで、位相をそろえて連続的、且つ、一体に設けられており、前記管理領域をサーボオフの状態で読み出して再生データを生成し、前記再生データをもとに前記ユーザデータを再生することを特徴とする。
【0009】
ここで、半径方向に複数の隣接するトラックに亘って不可逆的に形成されたマークは、トラック方向に対してバーコード状に形成されることが好ましい。複数の隣接トラックに亘ってバーコード状にマークを形成すると、サーボオフの状態で読み出しを行ってときに、ランドとグルーブにまたがって光が照射される場合であっても、不可逆的に設けたマークが半径方向に連続しているので、コントラスト比が低下することがない。またこの場合、不可逆的に形成されたマークは、位相のズレが生じても、半径方向に連続的、且つ、一体に形成されていても良い。この時、隣接トラック間で80%以上不可逆マークが重複していれば、信号レベルが劣化する事がない。
【0010】
本発明の第2の目的は、ランドとグルーブを備えた情報の書き換えが可能な相変化型光ディスクの再生方法であって、前記相変化型光ディスクはユーザデータの記録領域外に不可逆的に形成されたマークにより情報を記録した管理領域を備え、前記不可逆的に設けたマークは、隣接するランドおよびグルーブで、半径方向に連続的、且つ、一体に設けられており、前記管理領域に対してトラッキングを行って再生光を照射して再生データを生成し、前記再生データをもとに前記ユーザデータを再生することを特徴とする。
【0011】
トラッキングを行って、上記不可逆的に形成されたマークにより情報を記録した管理領域を読み出す場合であっても、次の理由により通常のドライブで記録を行ったマークとの区別が可能である。すなわち、不可逆的にマークを形成した場合、隣接するトラックの一部にもマークが記録されてしまうが、高パワーで記録をしているために、マーク縁部での再結晶化が起きないのに対して、通常ドライブの記録パワーでマークを形成した場合、記録マーク縁部は結晶化温度に達しているため非晶質部の結晶化現象を生じるため、マークである非晶質部分の縁部には結晶部が形成される。マークを隣接する複数のトラックに亘って形成すると、不可逆的に形成した記録マークの場合図1に示すように、光スポット内の領域全てが非晶質部で暗くなるのに対し、通常ドライブで記録する可逆マークは、図2に示すように結晶部がノイズ部分となるためにコントラスト比が不可逆的に形成した記録マークを形成した場合に比べて低下するため、不可逆的に形成した記録マークと通常に記録する可逆マークとの信号の区別が可能になる。
【0012】
また、不可逆的に形成した記録マークのトラック方向の長さは、光スポット径λ/NA(記録再生装置のレーザー波長:λ、レンズの開口数:NA)より長いと、図1のように光スポット内の領域全てが不可逆的に形成した記録マークになるので、コントラスト比を大きくする事ができるので好ましい。
【0013】
本発明の第3の目的は、少なくともグルーブを備えた情報の書き換えが可能な相変化型光ディスクにおいては、ユーザデータの記録領域外に不可逆的に形成されたマークにより情報を記録する管理領域を備え、アドレス情報(ID)を不可逆的に記録することで、情報の書き換えによる不可逆的に記録されたアドレス情報(ID)の変化から書き換えの有無を検出することができる。すなわち情報管理領域にある管理情報は製造者によって記録され、ユーザによって書き換えできなくすることで不正コピーを監視している。書き換えの有無を検出できる手段を設けることが、不正コピー防止に有効である。一方、管理情報全てを不可逆的に記録するためには、ライトワンス型情報記録媒体を用いて行なうことができ、相変化型や色素型の光ディスクが有効に使用できる。
【0014】
本発明の第4の目的では、少なくともグルーブを備えた情報の書き換えが可能な相変化型光ディスクにおいては、ユーザデータの記録領域外に不可逆的に形成されたマークにより情報を記録する管理領域を備え、SYNCコード、エラー検出コード(EDC)の少なくともいずれか一部を不可逆的に記録することで、情報の書き換えによる不可逆的に記録されたSYNCコードの再生信号長や書き換えられた管理情報から演算されるエラー検出コード(EDC)の変化から書き換えの有無を検出することができる。すなわち、情報管理領域にある管理情報は製造者によって記録され、ユーザによって書き換えをできなくすることで、不正コピーを防止しようとしているので、書き換えの有無を検出できる手段を設けることは、不正コピー防止に有効である。一方、管理情報全てを不可逆的に記録することで、通常の書き換え条件より高パワーで記録する領域が増え、装置側の負担が大きくなるが、書き換えができなくなるので有効である。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の各実施の形態について、図面と共に説明する。本発明になる記録媒体の第1の実施形態について説明する。図1は本発明になる記録媒体の第1の実施形態である識別情報が記録された所定領域の一部の模式図を示す。
【0016】
この実施の形態の記録媒体はディスク状光記録媒体であって、情報を記録するためのグルーブが螺旋状又は同心円状に、内周から外周までの範囲内に形成されており、そのうちの所定範囲、例えばディスク内周側の所定範囲のランド(L)およびグルーブ(G)に、記録媒体固有の識別情報が、図1に黒色マークで示す非晶質部の不可逆領域と、白色で示す書き換え可能な通常領域(可逆領域)の結晶部との交互配置によって記録されている。なお、図1には示していないが、他の領域のグルーブ及び/或いはランドにはユーザ情報(コンテンツデータ)等が記録される。
【0017】
このようなマークを通常ドライブを用いて形成しようとした場合、図2に示すように所定範囲のランド(L)およびグルーブ(G)に、記録媒体固有の識別情報が、書き換え可能な通常領域(可逆領域)に灰色マークで示す非晶質部と白色で示す結晶部との交互配置によって記録されている。
【0018】
通常ドライブで可逆的に非晶質部を形成した場合、マーク縁部の再結晶化により、ランドに形成した非晶質マークとグルーブに形成した非晶質マークの間には結晶部が形成されてしまう。一方、媒体に低線速、高パワーで不可逆的なマークを形成する場合には、隣接トラックに対してもマークが形成さてしまうが、隣接トラックにある記録マークは不可逆的であるために再結晶化が起きず、、非晶質部間に結晶部が形成されない。
【0019】
この2種類の記録マークを光スポットにより検出する場合、通常ドライブで形成したマークの場合は非晶質部の間にできた結晶部のため、全体的に明るく見えるのに対し、不可逆的にマークを形成すると、スポット全体を非晶質部、すなわち暗い部分にすることができ、コントラストを通常に比べ高くすることができる。
【0020】
(実施例1)
本発明で使用した相変化型光ディスクの構造を図3に示す。
直径120mm、厚さ0.6mmのポリカーボネート樹脂板の表面に、アドレス情報などを含む凹凸ピットと、0.68μmピッチのU字型溝とをあらかじめ形成した基板11を用意した。U字型溝の溝幅と溝間(ランド)幅はほぼ等しく約0.34μmとした。
【0021】
この基板11を、複数のスパッタ室を持ち、膜厚の均一性および再現性に優れたスパッタ装置内の第1スパッタ室に配置した。ターゲットとしてZnSとSiO2の混合物を用い、アルゴンガス中で厚さ55nmの(ZnS)80(SiO2)20(モル%)第1誘電体層12を形成した。次いでこの基板を第2のスパッタ室に移動した後、ターゲットとしてGe80Cr20を用い、窒素含有量50モル%のアルゴン窒素混合ガス中で厚さ2nmのGeCrN第2誘電体層13を形成した。
【0022】
さらにこの基板を第3スパッタ室に移動した後、ターゲットをGe33Sb1 3Te54(原子%)焼結体として、アルゴンガス中で記録層14を10nm形成した。次いで第4スパッタ室に基板を移動し、Ge80Cr20ターゲットを用いて窒素含有量50モル%のアルゴン窒素混合ガス中でGeCrN界面層15を2nm形成した。
【0023】
続いて第5スパッタ室に基板を移動し、ターゲットとしてZnSとSiO2の混合物を用い、厚さ38nmの(ZnS)60(SiO2)40(モル%)中間層16を形成した。次いで、第6スパッタ室内でAl99Ti1(原子%)合金をターッゲットとして用い、Al99Ti1第1反射層17を50nm形成した。最後に第7スパッタ室室内でAg97Ru2Au1(原子%)をターッゲットとして用い、Ag97Ru2Au1第2反射層18を50nm形成した。積層された基板をスパッタ装置から取り出し、最上層の上に紫外線硬化樹脂保護層19をスピンコートによって形成した。
【0024】
同様にしてもう一枚の同様な基板11'上に(ZnS)80(SiO2)20(モル%)第1誘電体層12'、GeCrN第2誘電体層13'、記録層14'、GeCrN界面層15'、(ZnS)60(SiO2)40(モル%)中間層16'、Al99Ti1(原子%)第1反射層17'、Ag97Ru2Au1第2反射層18'、紫外線硬化樹脂保護層19'を形成した。この2枚の基板を、紫外線硬化樹脂保護層19、19'を内側にして接着剤層20によって貼り合わせを行い、相変化型光ディスク21を作成した。
【0025】
次にこの相変化型光ディスク21の半径21.5mm〜21.7mmの領域の各トラックに対して、パルステック製光ディスク記録再生特性評価装置DDU−1000(レーザー波長:405nm,レンズの開口数:0.65)を用い、予め情報をコード化した記録パターンを、線速3.0m/s、10mwの記録パワーで不可逆マークを形成(BCA記録)した。この時、各トラックに対しては、隣接するトラック間で位相が揃うようにタイミングを調整をして、バーコード状にマークを形成した。
【0026】
次に不可逆マークをバーコード状に形成した相変化型光ディスク21に対して日立製CP初期化装置POP120を用い、線速度6m/s、パワー700mw、送り量36μmの条件で初期化テストを繰り返し行った結果を図4に示す。初期化装置のレーザ波長は810nmで、スポット形状は48μm×1μmである。10回の初期化を行った後でも、信号の低下は0.8dBであり、不可逆的にマークが形成されていることが分かる。また同様に、不可逆マークをバーコード状に形成した相変化型光ディスク21に対してDDU−1000を用いて線速度3m/s、2.5mwのパワーでDC消去を繰り返し行った結果を図5に示す。消去を50回繰り返しても信号の低下は3.1dBで、この結果からも不可逆的にマークが形成されていることが分かる。なお通常再生パワーでの連続再生における信号低下は見られなかった。
【0027】
(比較例1)
実施例1と同じ条件で作成した相変化型光ディスク11の同じ領域に、DDU−1000を用い、予め情報をコード化した記録パターンを、線速5.7m/s、5mwの記録パワーで可逆マークを形成(通常記録)した。この時、各トラックに対しては、隣接するトラック間で位相が揃うようにタイミングを調整をして、バーコード状にマークを形成した。
【0028】
次に不可逆マークをバーコード状に形成した相変化型光ディスク21に対してDDU−1000を用いて線速度5.7m/s、2mWのパワーでDC消去を行った結果を図5に示す。消去を1回行うと信号は25.9dB低下する。
【0029】
(BCA記録と通常記録のコントラスト比較)
実施例1でバーコード状にマークを形成した相変化型光ディスクと、比較例1でバーコード状にマークを形成した相変化型光ディスクの反射率を測定したところ、結晶部の反射率は両者とも17%と同一であるのに対して、非晶質部における反射率は、不可逆的にマークを形成した実施例1の光ディスクの反射率が5%、比較例1の場合が8.5%と、実施例1の方が3.5%低かった。
【0030】
実施例1の媒体を用いて、線速度および記録パワーを変えて、不可逆マークの形成を行った。その結果、不可逆マークの記録線速度が、通常記録の線速度である5.7m/sの0.25倍より小さい場合、不可逆マークの記録は可能だがその振幅は通常記録マークよりも小さくなった。その理由は、記録膜として線速度5.7m/sでも結晶化が可能な材料を用いているため、記録線速度が遅くなりすぎると記録膜の再結晶化領域が大きくなってしまうためである。従って、不可逆マークの形成線速度は、通常記録の線速度の0.25倍以上が好ましい。不可逆マークの形成線速度が通常記録の線速度と同じでも、不可逆マークの形成は可能である。ただし、この場合記録パワーを通常記録の2倍より小さい値に設定すると、記録されたマークは可逆マークとなった。
【0031】
不可逆マークを形成するための線速度Vaと記録パワーPa(mW)の関係をさらに詳細に調べたところ、Vaを通常記録の線速度Vの0.25倍以上1倍以下とし、かつ記録パワーPa(mW)を
Pa>2×P×(Va/V)1/2
としたときに不可逆マーク形成が正常に行われ、かつ不可逆マークの信号振幅が、通常記録マークの信号振幅の1.3倍以上となった。これ以外の範囲ではマークが可逆マークになったり、不可逆マークが形成されてもその振幅が小さくなった。さらに、
Pa>2.5×P×(Va/V)1/2
としたときには、不可逆マークの信号振幅が、通常記録マークの信号振幅の1.4倍以上となった。
【0032】
なお、本実施例においてはランドとグルーブの両方を記録トラックとする場合について述べたが、記録トラックとしてランドもしくはグルーブのどちらか一方を用いる場合についても同様の結果が得られた。この場合、不可逆マークは記録トラック上のみに形成してもよいが、記録トラック上と記録トラック間の両方に形成しても良い。
【0033】
(実施例2)
実施例1では、ランドとグルーブに記録トラックを設け、ランドとグルーブに記録したマークを半径方向にほぼ揃えて重ね書きして不可逆的に記録した場合について述べたが、実施例2では、管理情報データをBCA記録条件で管理情報領域に不可逆的記録マークとして形成する場合について述べる。
【0034】
相変化型光ディスクは実施例1と同様にして作成した。DDU−1000を用い、この相変化型光ディスクの半径21.5mm〜21.7mmの領域に不可逆マークをバーコード状に形成、半径24.0mm〜24.1mmの領域の”Discidentification zone”に、製造者コード、ディスク識別情報、ユーザデータのコピー管理に係わる鍵情報および記録するセクタアドレス情報のような固有情報を8/16変調した記録信号により、線速3.0m/s、10mwの記録パワー(BCA記録)で不可逆マーク(図6の黒いマークが形成された領域)を形成した。記録再生特性評価装置の代りにBCA記録専用に作られた記録装置を用いる場合、製造者IDの代りに記録装置固有のID情報でも良い。ディスク固有情報を記録した相変化型光ディスクは、ユーザの記録装置でユーザデータ(図6の灰色マークが形成された領域)を通常記録条件で記録される。
【0035】
管理領域に不可逆マークで形成された管理情報は図4及び図5に示すように殆ど消去することができないので、図7のように管理情報を別のセクタにコピー記録した場合、メインデータ中にセクタアドレス情報を組み込んで、不可逆的なマークで記録することにより、記録トラックに埋め込まれているセクタ先頭のセクタアドレス情報とメインデータ中に記録されたセクタアドレス情報が一致しなくなり、管理情報を複製したものとして検出できる。検出は図8に例示するステップにより、不正にコピーされていることが判別できる。
【0036】
まず管理情報領域に書かれている管理情報を再生する。このときの管理情報を記録しているセクタアドレス情報SA(n)に指差されたメインデータを再生し、この再生されたメインデータに含むように記録したアドレス情報ID(n)を取り出す。ここに記録されたアドレス情報ID(n)はシステム的に予め指定したセクタアドレス情報SA(n)によって一義的に決まるアドレス情報ID(n)に一致する必要がある。図8のID(n')のように一致しない場合は不正記録した可能性がある。次いでメインデータから検出したアドレス情報ID(n)は、物理アドレスであるSA(n)と内容比較する。図8のSA(n')のように比較により一致しない場合は元の管理情報を最初に記録したセクタアドレスSA(n)とは異なるセクタアドレス位置SA(m)に複製して記録したことは明白である。
【0037】
このようなプロセスにより不正手段により複製された管理情報であることが判明する。
【0038】
以上説明したように、書き換え可能な相変化光ディスクのデータコピー管理情報やこれに関連する鍵情報を管理情報に組み込み、BCA記録条件で不可逆的なマークを形成することで、不正コピー防止のハードルを高くすることができる。また、重要な情報が誤消去される可能性を低減することができる
【0039】
(実施例3)
実施例1、2では、ランドとグルーブに記録トラックを設けたランド・グルーブ記録において、情報管理領域にBCA記録条件で不可逆的記録した場合について述べたが、次に、グルーブのみに記録トラックを設けた場合の実施例について述べる。
【0040】
一定周期で蛇行し、ID情報を重畳して記録したグルーブが形成された厚さ1.1mmの基板上に実施例1と同じ相変化記録膜を逆の順番で積層し、さらに、厚さ0.1mmのカバー層を形成し情報記録媒体を作製した。前記情報記録媒体の記録膜は、実施例1と同様に、初期化装置により初期化を行なった。初期化した前記情報記録媒体を、記録レーザー波長λ=405nm、対物レンズNA=0.85のピックアップを有する記録再生装置を用い、記録線速度=2.5m/s、バイアスパワーPb=0.5mW、メインデータは通常記録パワーPw1=2.0mW、ID、SYNCコード、EDCは不可逆記録パワーPw2=10mW、基準クロックT=33MHzで、管理情報領域に記録を行い、ID、SYNCコード、EDCを不可逆記録マークで形成した(図9−a)。前記ディスクを線速度=6m/s、再生パワーPr=0.5mWで再生した信号変調度は、通常記録部で60%、不可逆記録部で75%であった。
【0041】
次に、線速度=5.0m/s、バイアスパワーPb=2.0mW、通常記録パワーPw0=5.0mWで、上記管理情報領域の情報の書き換えを行なった(図9−b)後、再生パワーPr=0.5mWで再生した。SYNCコードは前の情報によってパターンが異なるため、SYNCコードが記録された部分が消去できず、スペースに書き換えられるべきSYNCフレームの部分ではSYNCコードに連続して記録マークが形成されるため、この部分ではSYNCコードの再生信号長が変調パターンとは異なり、長くなる。このように再生信号長が変化したことを検出することで、管理情報が書き換えられ(改竄され)たことを検出することができる。特に、別の記録装置を用いた場合、スピンドルのサーボ系制御の安定性が装置によって異なり、SYNCコードの記録開始タイミングがずれるため、再生信号長の変化がより大きくなる。
【0042】
また、エラー検出コード(EDC)データはメインデータからの演算結果から決められるので、書き換えによってエラー検出コード(EDC)データも異なってくることからも管理情報が書き換えられ(改竄され)たことを検出することができる。
【0043】
さらに、アドレス情報(ID)は一般的にトラック方向に連続的に増加するように設定されているので、書き換えようとするデータを別のセクタ・トラックに記録しても蛇行グルーブに記録されているアドレス情報(ID)との整合が取れなくなるので、管理情報が書き換えられ(改竄され)たことを検出することができる。
【0044】
上記ではアドレス情報(ID)、SYNCコード、エラー検出コード(EDC)全てを不可逆的記録で行なったが、いずれかを組み合わせて不可逆的記録を行なっても良い。このように管理情報領域の固有情報領域のみ不可逆的な記録マークを形成することにより、全ての管理情報を不可逆的なマークで形成する場合に比べ、記録レーザーへの負担が軽減される。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、固有の識別情報をバーコード状に不可逆的に設けるので、不正にコピーができない光ディスクとその再生方法を提供することが出来る。
【0046】
また、ID、SYNCコード、エラー検出コード(EDC)のような特定位置に固有の情報が記録される情報を不可逆的マークで形成することで、情報の書き換え(改竄)を行なった場合、容易に検出することができ、管理情報領域に適用することで、管理情報の改竄防止に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】不可逆的に形成した記録マークを示す図である。
【図2】ドライブで通常に形成した記録マークを示す図である。
【図3】本発明の記録媒体の構造を示す図である。
【図4】初期化実験の結果を示す図である。
【図5】消去実験の結果を示す図である。
【図6】不可逆記録管理領域と通常記録ユーザ領域を示す図である。
【図7】オリジナルデータとコピーデータのセクタ配置を示す図である。
【図8】管理情報の整合性を判別するステップを示す図である。
【図9】管理情報を書き換えた場合のデータ配列を示す図である。
【符号の説明】
11、11' 基板
12、12' 第1誘電体層
13、13' 第2誘電体層
14、14' 記録層
15、15' 界面層
16、16' 中間層
17、17' 第1反射層
18、18' 第2反射層
19、19' 紫外線硬化樹脂保護層
20 接着剤層
21 相変化型光ディスク
Claims (7)
- グルーブやランドのいずれか一方、あるいは両方を記録トラックとして用いる情報の記録可能な光情報記録媒体であって、該記録媒体にはエンボスやトラック形状により変調された情報記録により予め製造段階で記録または再生位置を特定するアドレス情報を付加しており、このアドレス情報を手掛かりに前記光情報記録媒体には不可逆的に記録できる手段を用いて記録を行い、該不可逆的に記録した情報の一部には該不可逆的な記録位置に対応した予め製造段階で付加したアドレス情報に関する内容を含んでいることを特徴とする光情報記録媒体。
- 請求項1記載の光情報記録媒体において、前記光情報記録媒体は相変化型光ディスクであり、記録条件を設定することで可逆的記録マークと不可逆的記録マークを選択的に記録可能であることを特徴とする光情報記録媒体。
- 請求項1記載の光情報記録媒体において、前記光情報記録媒体は相変化型もしくは色素型のライトワンス型光ディスクであって、不可逆的記録マークを記録することを特徴とする光情報記録媒体。
- グルーブやランドのいずれか一方、あるいは両方を記録トラックとして用いる情報の記録可能な光情報記録媒体のエンボスやトラック形状により変調した情報記録により予め製造段階で記録または再生位置を特定するアドレス情報を付加したアドレス情報を手掛かりに前記光情報記録媒体には不可逆的に記録できる手段を用いて記録を行い、該不可逆的に記録した情報の一部には該不可逆的な記録位置に対応して予め製造段階で付加したアドレス情報に関する内容を含む情報を記録することを特徴とする光情報記録媒体駆動装置。
- 請求項4において、不可逆的記録手段として可逆的記録条件に比較し記録線速度を遅くすること、もしくは光強度を強くして実効的な記録光ビームのエネルギー密度を高くして記録することを特徴とする光情報記録媒体駆動装置。
- 請求項5において、記録条件の変化により可逆的もしくは不可逆的に記録マークを形成できる相変化型光情報記録媒体駆動装置。
- グルーブやランドのいずれか一方、あるいは両方を記録トラックとして用いる情報の記録可能な光情報記録媒体の記録方法であって、前記光情報記録媒体は、予め製造段階で、記録または再生位置を特定するアドレス情報を変調してエンボスやトラック形状により形成されており、前記アドレス情報の少なくとも一部を、前記光情報記録媒体に不可逆的に記録を行い、前記不可逆的に記録したアドレス情報は、前記不可逆的に記録した位置に対応したアドレス情報に関する内容を含む情報であることを特徴とする光情報記録媒体の記録方法。
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WO2006043548A1 (ja) * | 2004-10-19 | 2006-04-27 | Fujifilm Corporation | 光情報記録媒体およびその製造方法 |
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2002
- 2002-12-13 JP JP2002362811A patent/JP2004192766A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006043548A1 (ja) * | 2004-10-19 | 2006-04-27 | Fujifilm Corporation | 光情報記録媒体およびその製造方法 |
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