JP2004192194A - 液圧制御装置 - Google Patents

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Tsugunari Cho
継成 張
Hideo Nakamura
英夫 中村
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Abstract

【課題】モータ駆動ポンプから作動液を供給されて増圧される系を徐々に昇圧させる時にモータがポンプを静摩擦に抗して確実に駆動させ得るようにする。
【解決手段】液圧制御器41Fはブレーキ液圧Pwcfおよびその目標値Pcwfからブレーキ液圧系の目標操作量Dutyfを求める。増減圧操作量配分器42Fは、Dutyfの極性から増圧指令か減圧指令かを判定し、増圧指令なら増圧ポンプ操作量DutymfにDutyfをセットし、減圧弁操作量Dutyvfに0(開度0)をセットする。設定器45Fは、減圧弁目標操作量DutyvfにDutyvf=0をそのままセットする。判断部43Fは、ポンプの作動指令に対し実液圧の時間変化割合が少ない状態をもってモータトルクの不足を判断する。設定器44Fは、トルク不足の判断がない場合、増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymfに上記のDutymf=Dutyfをそのままセットするが、トルク不足の判断がある場合、Dutymfを所定時間幅のワンショットパルス信号により増大補正して、トルク不足に伴う液圧の低周波変動を防止する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ駆動ポンプからの作動液を媒体とする、電子制御ブレーキ装置などに有用な液圧制御システムの液圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
モータ駆動されるポンプからの作動液を媒体とする液圧制御システムの液圧制御装置においては、モータがポンプを停止状態から駆動する時とか、若しくはポンプを低速回転で駆動する時に、回転時の動摩擦負荷トルクよりも停止時の静摩擦負荷トルクの方が大きいことを主たる原因として以下のような問題を生ずる。
【0003】
つまり、液圧を図9に目標液圧Pwcで示すようにゆっくりと増大させる必要があって、モータを停止状態からゆっくりと回転駆動させたり、微速回転状態から回転数をゆっくりと上昇させる要求に鑑み、モータの駆動電流を図9に増圧ポンプモータ駆動デューティー指令値Dutymで示すように少しずつ増加させる時は、当該増大によってもポンプの静摩擦の影響によりポンプがなかなか回転し始めないとか、回転の上昇がなかなか始まらないといった状況になるのが普通である。
この時液圧制御装置は、フィードバック制御の機能によりモータ駆動電流Dutymを更に増大させるが、モータ駆動電流Dutymがかなり増加して静摩擦に打ち勝つ状態にならないとポンプの回転、若しくは回転上昇が始まらない。
【0004】
その反面、モータがポンプの回転、若しくは回転上昇を開始すると、今度はモータ駆動電流Dutymの過大によりポンプ回転が急上昇して液圧Pwcを目標Pwcよも大きく増加させてしまう。
かように目標液圧Pwcを大きく超えると液圧フィードバック制御が機能して、モータ駆動電流Dutymを大きく絞ると共に、図9に減圧弁駆動デューティー指令値Dutyvで示すように出力して減圧弁の開により液圧Pwcを目標Pwcに向け低下させる。
【0005】
ところでこの時モータ駆動電流Dutymを絞り過ぎるためにモータが再び停止したりする可能性があり、上記の制御が繰り返される所謂スティックスリップ現象の発生によって、液圧制御時に液圧が低周波変動を起こす。
図9では、液圧Pwcが2MPaになったところでスティックスリップ現象が発生しており、かかるスティックスリップ現象は車両用ブレーキの場合、車両の減速度に変動を生じさせて車両の乗り心地を著しく悪化させるという問題を生ずる。
【0006】
そこで従来、例えば特許文献1に記載のごとく、液体の流入及び流出を行うポンプをサーボモータで駆動する液圧制御システム用のサーボモータ駆動制御装置において上記の問題を解消するため、サーボモータ駆動操作量の信号に、適切な周波数および振幅の発振信号(ディザ)を加えることによって液圧ポンプの回転体が完全停止する静止摩擦状態を回避し、これにより、前述の静摩擦に起因した液圧変動を低減する技術が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−159743号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記した従来の液圧制御装置では、上記のような対策が実質上は不要な、目標液圧が一定の場合や、増圧指令に応じてモータが比較的高回転で動き始めた後でも、サーボモータ駆動電流(液圧フィードバック制御で決まる基本値)に発振信号(ディザ)成分電流を常に上乗せすることとなり、むだな電流を消費したりモータとポンプの耐久性を悪化させるという新たな問題を生じさせる。
また、ポンプの構造や温度等の状態によって静摩擦値が異なるので、静摩擦状態を回避するため、発振信号の幅が大きすぎると、回転し始めた後の液圧に発振信号に同期した変動が発生する懸念を払拭し切れないという問題もある。
【0009】
本発明は、前記のような液圧の低周波変動に関する問題の発生がポンプ駆動モータのトルク不足に起因するとの事実認識にもとづき、かかるトルク不足の発生を予知してその瞬時にモータ操作量を増大することで当該問題の解決を、従来装置によるような上記新たな問題の発生なしに実現し得るようにした液圧制御装置を提案することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明による液圧制御装置は、請求項1に記載のごとく、
モータにより駆動されて回転数に応じた流量の作動液を吐出するポンプと、
該ポンプから吐出された作動液の目標液圧を設定する目標液圧設定手段と、
この目標液圧に基づいて上記モータの目標操作量を決定するモータ目標操作量決定手段とを具えた液圧制御装置を前提とし、これに、以下のモータトルク不足判断手段およびモータ目標操作量補正手段を設ける。
モータトルク不足判断手段は、上記モータの目標操作量に対する実操作量の不足が設定値を越えている状態をもってモータトルクが不足していると判断し、
モータ目標操作量補正手段は、上記のようにモータトルク不足と判断される時、上記のモータ目標操作量を所定時間幅のワンショットパルス信号により増大補正するものである。
【0011】
【発明の効果】
かかる本発明の構成によれば、モータトルク不足判断手段によりモータトルクの不足が判断されるとき、モータ目標操作量補正手段がモータ目標操作量を所定時間幅のワンショットパルス信号により増大補正するため、
前記のような液圧の低周波変動の原因であるポンプ駆動モータのトルク不足を予知した瞬時にモータ操作量を増大することとなり、前記した液圧の低周波変動に関する問題を解消することができる。
また、上記モータ目標操作量の増大補正をモータトルクの不足が予知された時にのみ行うことから、むだな電流を消費したり、モータとポンプの耐久性を悪化させることなしに上記の問題解決を実現することができる。
更に、上記モータ目標操作量の増大補正を所定時間幅のワンショットパルス信号により行うことから、これが原因で新たな液圧振動が発生する懸念もない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明のー実施の形態になる液圧制御装置を具えた液圧ブレーキ装置のシステム図で、本実施の形態においてはこれを、図示しなかったが交流同期モータを用いた回生ブレーキと併用してブレーキ液圧を制御することで、回生エネルギを効率的に回収するようにした「回生協調ブレーキ制御システム」に応用するのに有利な液圧ブレーキ装置に構成する。
更に付言するとこの液圧ブレーキ装置は、前輪または後輪に設置された回生ブレーキ用のモータと協調制御し得るよう、そして車両の前後スプリット配管に適合させるべく、詳しくは後述する前輪ブレーキ液圧系および後輪ブレーキ液圧系を具え、これら2系統のブレーキ液圧を、運転者によるブレーキ操作力によるだけでなくこれから切り離して、しかも個別に電子制御可能な構成とする。
【0013】
図1において1は、運転者が希望する車両の制動力に応じて踏み込むブレーキペダルで、該ブレーキペダル1の踏力が液圧ブースタ2により倍力され、倍力された力でマスターシリンダ3の図示せざるピストンカップが押し込まれることによりマスターシリンダ3はブレーキペダル1の踏力に応じたマスターシリンダ液圧Pmcを前輪ブレーキ液圧配管4Fおよび後輪ブレーキ液圧配管4Rに出力するものとする。
前輪ブレーキ液圧配管4Fは、左右前輪5FL,5FRに設けられた左右前輪ホイールシリンダ6FL,6FR用の前輪ブレーキ液圧系を構成し、後輪ブレーキ液圧配管4Rは、左右後輪5RL,5RRに設けられた左右後輪ホイールシリンダ6RL,6RR用の後輪ブレーキ液圧系を構成する。
【0014】
液圧ブースタ2およびマスターシリンダ3は、個々のまたは共通なリザーバ7内におけるブレーキ液を作動媒体とする。
液圧ブースタ2はポンプ8を具え、このポンプはリザーバ7から吸入して吐出したブレーキ液をアキュムレータ9内に蓄圧し、アキュムレータ内圧を圧力スイッチ10によりシーケンス制御する。
液圧ブースタ2は、アキュムレータ9内の圧力を圧力源としてブレーキペダル1の踏力を倍力し、この倍力した踏力でマスターシリンダ3内のピストンカップを押し込む。
これによりマスターシリンダ3は、リザーバ7からのブレーキ液を後で詳述するごとくブレーキ配管4F,4R内に封じ込めてブレーキペダル踏力に対応したマスターシリンダ液圧Pmcを発生させ、これを圧力センサ11F,11Rにより検出して後述のごとく前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび後輪ブレーキ液圧Pwcrの電子制御に供給する。
【0015】
前輪ブレーキ液圧配管4Fおよび後輪ブレーキ液圧配管4Rにはそれぞれ常開電磁弁12F,12Rを挿置し、これら常開電磁弁12F,12Rよりもマスターシリンダ3に近い側において前輪ブレーキ液圧配管4Fおよび後輪ブレーキ液圧配管4Rにそれぞれ常閉電磁弁13F,13Rおよびストロークシュミレータ14F,14Rを順次接続する。
常開電磁弁12F,12Rおよび常閉電磁弁13F,13Rは、ノーマル状態でマスターシリンダ液圧Pmcをそのまま対応するホイールシリンダに供給することができ、これにより、前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび後輪ブレーキ液圧Pwcrが電子制御不能になった時におけるフェール対策を行う。
【0016】
しかして常開電磁弁12F,12Rおよび常閉電磁弁13F,13Rは、ブレーキペダル1の踏み込み時にONされるブレーキスイッチ15からの信号に応答して制動時は全てがONされ、常開電磁弁12F,12Rが閉じると共に常閉電磁弁13F,13Rが開く。
これにより、常開電磁弁12F,12Rよりもマスターシリンダ3に近い前輪ブレーキ液圧配管4Fおよび後輪ブレーキ液圧配管4Rの箇所に、ストロークシュミレータ14F,14Rを反力受けとしてブレーキペダル1の踏力に応じたマスターシリンダ液圧Pmcが発生し、この時運転者はストロークシュミレータ14F,14Rからの反力により通常と同じブレーキペダル操作感を感じることができ、マスターシリンダ液圧Pmcを圧力センサ11F,11Rにより検出する。
【0017】
常開電磁弁12F,12Rよりもマスターシリンダ3から遠い前輪ブレーキ液圧配管4Fおよび後輪ブレーキ液圧配管4Rの箇所は、以下のようにして対応する左右前輪ホイールシリンダ6FL,6FRおよび左右後輪ホイールシリンダ6RL,6RRに接続する。
つまり前輪ブレーキ液圧配管4Fは、一方で配管16FLおよび常開アンチスキッド制御弁17FLを介し左前輪ホイールシリンダ6FLに接続し、この左前輪ホイールシリンダ6FLを常閉アンチスキッド制御弁18FLを経てリザーバ7への還流配管19に接続する。
前輪ブレーキ液圧配管4Fは他方で、配管20FRおよび常開アンチスキッド制御弁21FRを介し右前輪ホイールシリンダ6FRに接続し、この右前輪ホイールシリンダ6FRを常閉アンチスキッド制御弁22FRを経て還流配管19に接続する。
そして後輪ブレーキ液圧配管4Rは、一方で配管23RLおよび常開アンチスキッド制御弁24RLを介し左後輪ホイールシリンダ6RLに接続し、この左後輪ホイールシリンダ6RLを常閉アンチスキッド制御弁25RLを経て還流配管19に接続する。
後輪ブレーキ液圧配管4Rは他方で、配管26RRおよび常開アンチスキッド制御弁27RRを介し右後輪ホイールシリンダ6RRに接続し、この右後輪ホイールシリンダ6RRを常閉アンチスキッド制御弁28RRを経て還流配管19に接続する。
【0018】
ここで、各車輪に係わる常開アンチスキッド制御弁および常閉アンチスキッド制御弁によるアンチスキッド制御作用は周知であり、その詳細な説明を省略するが、概略を説明すると以下の通りである。
車輪がスリップしていなければ(スリップ率が、摩擦係数に対応した理想スリップ率を超えていなければ)、常開アンチスキッド制御弁および常閉アンチスキッド制御弁が共にノーマル状態で、ホイールシリンダへの液圧はアンチスキッド制御されない。
車輪がスリップすると(スリップ率が、理想スリップ率を超えると)、先ず常開アンチスキッド制御弁がONされて閉じ、常閉アンチスキッド制御弁の閉状態保持と相まって、ホイールシリンダへの液圧を保圧し、それでも車輪がスリップすれば、常閉アンチスキッド制御弁もONして開くことによりホイールシリンダへの液圧を減圧して車輪のスリップを防止する。
【0019】
常開電磁弁12F,12Rよりもマスターシリンダ3から遠い前輪ブレーキ液圧配管4Fおよび後輪ブレーキ液圧配管4Rの箇所にそれぞれ前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび後輪ブレーキ液圧Pwcrを発生させてこれらを電子制御可能にするため、
前輪ブレーキ液圧配管4Fおよび後輪ブレーキ液圧配管4Rの上記箇所にそれぞれ増圧ポンプ29F,29Rの吐出ポートを接続すると共に常閉の減圧弁30F,30Rを接続し、増圧ポンプ29F,29Rの吸入ポートをリザーバ7への還流配管19に接続する。
【0020】
なお、増圧ポンプ29F,29Rは共通なモータ31により駆動するようになし、これら増圧ポンプ29F,29Rはモータ31への駆動デューティーDutymf,Dutymr(増圧ポンプ操作量)の増大につれブレーキ液供給量を増して前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび後輪ブレーキ液圧Pwcrを上昇させるものとする。
一方で減圧弁30F,30Rはそれぞれ、駆動デューティーDutyvf,Dutyvr(減圧弁操作量)の増大につれて開度を0から増大されて還流配管19へのブレーキ液排出量を増すことにより前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび後輪ブレーキ液圧Pwcrを低下させるものとする。
かくて前輪ブレーキ液圧Pwcfは、増圧ポンプ29Fからのブレーキ液供給量と減圧弁30Fからのブレーキ液排出量とで制御することができ、後輪ブレーキ液圧Pwcrは、増圧ポンプ29Rからのブレーキ液供給量と減圧弁30Rからのブレーキ液排出量とで制御することができ、
これら前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび後輪ブレーキ液圧Pwcrをそれぞれ圧力センサ32F,32Rにより検出する。
【0021】
増圧ポンプ29Fおよび29R(共通なモータ31)と、減圧弁30Fおよび30Rとによる上記前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび後輪ブレーキ液圧Pwcrの制御は、図2に示すブレーキ液圧コントローラ40で、図3〜図5の制御プログラムにより示すようにこれらを行う。
図3の制御プログラムは、一定周期(例えば10msec)ごとに繰り返し実行されるもので、ステップS1において実前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび実後輪ブレーキ液圧Pwcrを読み込み、次のステップS2において目標前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび目標後輪ブレーキ液圧Pwcrを算出する。
よってステップS2は、本発明における目標液圧手段に相当する。
ここで目標前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび目標後輪ブレーキ液圧Pwcrは、マスターシリンダ液圧Pmcをもとに求めるが、制動時の荷重移動により前荷重が増大して後輪荷重が低下しても後輪が先にロックすることのないよう目標前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび目標後輪ブレーキ液圧Pwcr間に差を付ける。
目標前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび目標後輪ブレーキ液圧Pwcrはそのほかに、車両挙動制御や回生ブレーキを併用した協調制御などを考慮して任意に定めることができる。
【0022】
ステップS3においては、ブレーキペダル1の踏み込みに応答して(ブレーキスイッチ15からの信号により)前後輪ブレーキ液圧系4F,4Rを常開電磁弁12F,12RのONにより遮断すると共に、常閉電磁弁13F,13RをONして開くことにより、ストロークシミュレータ14F,14Rからの反力で通常とおりのブレーキペダルフィーリングを運転者が感じ得るようにする。
次のステップS4においては、図2に示すように液圧制御器41F,41Rを用いて目標前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび目標後輪ブレーキ液圧Pwcrと、実前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび実後輪ブレーキ液圧Pwcrとから、実ブレーキ液圧を目標ブレーキ液圧に一致させる前後輪ブレーキ液圧系4F,4Rの目標操作量(デューティ比換算量)Dutyf,Dutyrを算出する。
【0023】
液圧制御器41F,41Rは、「二自由度制御手法」を用いた図6に例示するようなものとし、フィードフォワード補償器GFF(S)、規範モデルGref(S)、およびフィードバック補償器GFB(S)で構成する。
この場合、安定性や耐外乱性など閉ループ性能はフィードバック補償器GFB(S)で調整され、目標ブレーキ液圧に対する実ブレーキ液圧の応答性は基本的には(モデル化誤差がない場合には)フィードフォワード補償器GFF(S)で調整される。
ここでフィードフォワード補償器GFF(S)は
FF(S)=S/(Tref・S+1)
Tref:時定数
S:ラプラス演算子
で表されるようなものとし、
規範モデルGref(S)は
Gref(S)=S/(Tref・S+1)
Tref:時定数
で表されるようなものとし、
フィードバック補償器GFB(S)は
FB(S)=(Kp・S+Ki)/S
Kp:比例制御定数
Ki:積分制御定数
で表されるようなものとする。
【0024】
まず、制御対象の応答特性P(S)を規範モデル特性Gref(S)に一致させるため、目標ブレーキ液圧Pwc(目標前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび目標後輪ブレーキ液圧Pwcr)をフィードフォワード補償器GFF(S)に通してフィードフォワード補償(位相補償)を施し、フィードフォワード操作量Dutyffを算出する。
次に、目標ブレーキ液圧Pwcを規範モデルGref(S)に通して規範ブレーキ液圧Prefを算出し、
更に、規範ブレーキ液圧Prefと実ブレーキ液圧Pwc(実前輪ブレーキ液圧Pwcfおよび実後輪ブレーキ液圧Pwcr)との間におけるブレーキ液圧偏差ΔP=Pref−Pwcを算出し、
このブレーキ液圧偏差ΔPをフィードバック補償器GFB(S)に通してフィードバック補償を施し、フィードバック操作量Dutyfbを算出する。
最後に、フィードフォワード操作量Dutyffとフィードバック操作量Dutyfbとを加算して、該当するブレーキ液圧系の目標操作量(デューティ比換算量)Duty(前輪ブレーキ液圧系4Fの目標操作量Dutyfおよび後輪ブレーキ液圧系4Rの目標操作量Dutyr)を求める。
【0025】
図3のステップS5〜ステップS7においては、図2の増減圧操作量配分器(モータ目標操作量決定手段)42F、モータトルク不足判断部(モータトルク不足判断手段)43F、増圧ポンプ目標操作量設定器(モータ目標操作量補正手段)44F、および減圧弁目標操作量設定器45Fで以下のように、前輪ブレーキ液圧系4Fの目標操作量Dutyfを減圧弁目標操作量Dutyvfと増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymfとに配分する。
つまり、ステップS5で前輪ブレーキ液圧系4Fの目標操作量Dutyfの極性をチェックし、正なら前輪ブレーキ液圧の増圧指令であるとしてステップS6を、また、負なら前輪ブレーキ液圧の減圧指令であるとしてステップS7を実行する。
【0026】
前輪ブレーキ液圧が増圧指令である時に実行されるステップS6では、増圧指令に呼応して増減圧操作量配分器42Fが、前輪側増圧ポンプ29F(モータ31)の操作量Dutymfに目標操作量Dutyfをセットし、前輪側減圧弁30Fの操作量Dutyvfに0(開度0)をセットするが、基本的には増圧ポンプ目標操作量設定器44Fおよび減圧弁目標操作量設定器45Fでこれら前輪側増圧ポンプ操作量Dutymf(=Dutyf)および前輪側減圧弁操作量Dutyvf(=0)をそれぞれ前輪側増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymfおよび前輪側減圧弁目標操作量Dutyvfにセットする。
しかしステップS6では、図4につき後で詳述するごとく、モータトルク不足判断部43Fで前輪用増圧ポンプ29Fに関してモータ31がトルク不足により回転を開始し得ない(若しくは回転上昇を行い得ない)モータトルク不足状態かどうかを判断し、その判断結果に応じ増圧ポンプ目標操作量設定器44Fで、上記の前輪側増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymfを補正する。
【0027】
ステップS5で前輪ブレーキ液圧系4Fの目標操作量Dutyfの極性が負と判定する前輪ブレーキ液圧の減圧指令時に実行されるステップS7では、減圧指令に呼応して増減圧操作量配分器42Fが、前輪側増圧ポンプ29F(モータ31)の操作量Dutymfに0をセットし、前輪側減圧弁30Fの操作量Dutyvfに目標操作量Dutyfをセットし、増圧ポンプ目標操作量設定器44Fおよび減圧弁目標操作量設定器45Fでこれら前輪側増圧ポンプ操作量Dutymf(=0)および前輪側減圧弁操作量−Dutyvf(=−Dutyf)をそれぞれ前輪側増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymfおよび前輪側減圧弁目標操作量Dutyvfにセットする。
【0028】
ステップS6での処理は図4に明示するごときもので、ステップS600では、フラグfJUDGfにより、前輪用増圧ポンプ29Fに関してモータ31がトルク不足により回転を開始し得ない(若しくは回転上昇を行い得ない)モータトルク不足状態かどうかの判断を行うことが許可されているか禁止しているかを判断する。
fJUDGf=0により当該判断が許可されていれば制御をステップS601に進め、fJUDGf=0により当該判断が禁止されていれば制御をステップS603に進める。
【0029】
上記の判断が許可されている時は先ずステップS601において、前輪用増圧ポンプ29Fがモータ駆動トルクの不足により回転を開始し得ない(若しくは回転上昇を行い得ない)モータトルク不足状態かどうかの判断を行う。
この判断に当たっては以下の2つ条件が揃うときに、前輪用増圧ポンプがモータ駆動トルクの不足により回転を開始し得ない(若しくは回転上昇を行い得ない)モータトルク不足状態と判断する。
(1)モータ目標操作量D ut ymfが設定値α以上(D ut ymf≧α)であるか、または、前輪ブレーキ液圧指令値P wcfと実液圧Pwc との偏差が設定値β以上(P wcf−Pwc ≧β)である時、つまり前輪側ポンプの駆動指令が発せられている。
(2)特定時間Δt1の実液圧変化量に基づいてポンプが停止していることを判断する。
すなわち、現在の実液圧Pwcfと或る特定時間Δt1前の液圧Pwcfzとの間にPwcf−Pwcfz<γ(前記スティックスリップ現象の発生を予知する設定値)の関係、つまり実液圧Pwcfの時間変化割合が設定値γ未満である。
【0030】
ステップS601で上記の条件(1),(2)が揃って前輪用増圧ポンプのモータ駆動トルクの不足が検知される場合、制御をステップS602に進めて前輪側増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymfの増大補正を行い、ステップS601で前輪用増圧ポンプのモータ駆動トルクの不足が検知されない場合、制御をステップS603に進めて前輪側増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymfの増大補正を行わず、Dutymf=Dutymfとする。
ステップS602で行う前輪側増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymfの増大補正に当たっては、モータ目標操作量Dutymfの修正値(本発明におけるワンショットパルス信号のパルスレベルで、同じ符号Dutymfにより示す)と、修正時間tf(ワンショットパルス信号のパルス幅)を次式により計算する。
utymf=counterf×ΔDf+Dutyf
tf=counterf×Δtf+t
【0031】
上式は、実際にポンプが回転を始めるまでモータ目標操作量Dutymfの修正値大きさと幅を、パルスを出力する毎に除々に大きくするものである。
なお、counterfはワンショットパルスを出力した回数のカウント値、△Dfと△tfはパルス毎のワンショットパルスの大きさと幅の変化量、Dutyf’およびt’は修正値の初期値である。
次のステップS604では、ワンショットパルス幅のタイマTimer2fをカウントアップする。
ステップS605では、タイマTimer2fが、ステップS602で設定したワンショットパルス幅tfより大きいかどうかを判断すし、大きければステップS606に制御を進め、大きくなければステップS607に制御を進めて、前輪側減圧バルブ目標操作量Dut yv を前輪系減圧指令に呼応して0にする。
【0032】
ステップS605でTimer2fが、ステップS602におけるワンショットパルス幅tfより大きいと判定する時に選択されるステップS606では、タイマTimer2fをクリアし、ワンショットパルス出力を行った回数を計測するカウンターcounterfをインクリメントし、トルク不足状態判断フラグfJUDGfを1にして当該判断を禁止する。
次のステップS608では、前輪系減圧指令に呼応して減圧弁目標操作量Dut yv を0にし、更にステップS609で、fJUDGf=1か否かによりモータトルク不足状態の判断を禁止しているかどうかをチェックする。
【0033】
当該判断が禁止されていれば、ステップS610〜ステップS612に制御を進め、当該判断が許可されていれば、ステップS610〜ステップS612をスキップしてステップS8に制御を進める。
かくて、ポンプを停止状態から作動させる時モータ駆動トルクの不足判断によりステップS602で上記のごとくモータ目標操作量Dutymfを所定時間幅tfのワンショットパルス信号により増大補正したのに、ステップS610でインクリメントされるタイマーTimmer1fがステップS611で設定時間θに至ったと判定されるまでの間は、ステップS601でポンプが実際に作動したと検知されなければ、再度、上記ステップS602におけるモータ目標操作量Dutymfの増大補正を繰り返すことができる。
【0034】
しかし、ステップS611でタイマTimmer1fが設定時間θに至ったと判定された後は、ステップS612でフラグfJUDGfおよびタイマTimmer1fをクリアする。
これによって、モータ駆動トルクの新たな不足判断を許可して、判断結果に基づくモータ目標操作量Dutymfの増大補正を行わせることができる。
【0035】
図3のステップS7での処理は図5に明示するごときもので、ステップS71においては既に前記したが、減圧指令に呼応して前輪側増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymfに前輪側増圧ポンプ操作量Dutymf(=0)をセットし、前輪側減圧弁目標操作量Dutyvfに前輪側減圧弁操作量−Dutyvf(=−Dutyf)をセットする。
次のステップS72においては、フラグfJUDGfと、タイマTimer1fおよびTimer2fと、カウンターcounterfをクリアして、制御を図3のステップS8に進める。
【0036】
図3のステップS8〜ステップS10においては、図2の増減圧操作量配分器(モータ目標操作量決定手段)42R、モータトルク不足判断部(モータトルク不足判断手段)43R、増圧ポンプ目標操作量設定器(モータ目標操作量補正手段)44R、および減圧弁目標操作量設定器45Rで以下のように、後輪ブレーキ液圧系4Rの目標操作量Dutyrを減圧弁目標操作量Dutyvrと増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymrとに配分する。
つまり、ステップS8で後輪ブレーキ液圧系4Rの目標操作量Dutyrの極性をチェックし、正なら後輪ブレーキ液圧の増圧指令であるとしてステップS9を、また、負なら後輪ブレーキ液圧の減圧指令であるとしてステップS10を実行する。
【0037】
後輪ブレーキ液圧が増圧指令である時に実行されるステップS9では、増圧指令に呼応して増減圧操作量配分器42Rが、後輪側増圧ポンプ29R(モータ31)の操作量Dutymrに目標操作量Dutyrをセットし、後輪側減圧弁30Rの操作量Dutyvrに0(開度0)をセットするが、基本的には増圧ポンプ目標操作量設定器44Rおよび減圧弁目標操作量設定器45Rでこれら後輪側増圧ポンプ操作量Dutymr(=Dutyr)および後輪側減圧弁操作量Dutyvr(=0)をそれぞれ後輪側増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymrおよび後輪側減圧弁目標操作量Dutyvrにセットする。
しかしステップS9では、図4につき前述した前輪用の処理と同様にして、モータトルク不足判断部43Rで後輪用増圧ポンプ29Rに関してモータ31がトルク不足により回転を開始し得ない(若しくは回転上昇を行い得ない)モータトルク不足状態かどうかを判断し、その判断結果に応じ増圧ポンプ目標操作量設定器44Rで、上記の後輪側増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymrを補正する。
【0038】
ステップS8で後輪ブレーキ液圧系4Rの目標操作量Dutyrの極性が負と判定する後輪ブレーキ液圧の減圧指令時に実行されるステップS10では、図5につき前述した前輪用の処理と同様の処理を行い、減圧指令に呼応して増減圧操作量配分器42Rが、後輪側増圧ポンプ29R(モータ31)の操作量Dutymrに0をセットし、後輪側減圧弁30Rの操作量Dutyvrに目標操作量Dutyrをセットし、増圧ポンプ目標操作量設定器44Rおよび減圧弁目標操作量設定器45Rでこれら後輪側増圧ポンプ操作量Dutymr(=0)および後輪側減圧弁操作量−Dutyvf(=−Dutyf)をそれぞれ後輪側増圧ポンプ(モータ)目標操作量Dutymrおよび後輪側減圧弁目標操作量Dutyvrにセットする。
【0039】
図3のステップS11〜ステップS13においては、図2の増圧ポンプ操作量選択部46で、以下のようにモータ31の目標操作量Dutymを決定する。
先ずステップS11において、上記のように求めた前輪側増圧ポンプ29Fの目標操作量Dutymfおよび後輪側増圧ポンプ29Rの目標操作量Dutymrの大小比較を行い、Dutymf≧DutymrならステップS12で大きい方の前輪側増圧ポンプ操作量Dutymfを選択してモータ31の目標操作量Dutymにセットし、これをステップS16でモータ31へ出力し、逆にDutymf<DutymrならステップS13で大きい方の後輪側増圧ポンプ操作量Dutymrを選択してモータ31の目標操作量Dutymにセットし、これをステップS16でモータ31へ出力する。
これにより、前輪側増圧ポンプ29Fの操作量Dutymfおよび後輪側増圧ポンプ29Rの操作量Dutymrのうち大きい側の増圧ポンプ操作量に基づきモータ31を駆動させる。
ステップS16では更に、前記のごとくに求めた前輪側減圧弁目標操作量Dutyvfおよび前輪側減圧弁目標操作量Dutyvrをそれぞれ、対応する前輪用減圧弁30Fおよび対応する前輪用減圧弁30Fに出力する。
【0040】
上記した本実施の形態によれば、モータトルク不足判断部43F,43R(ステップS601)によりモータトルクの不足が判断されるとき、増圧ポンプ(モータ)目標操作量設定器44F,44R(ステップS602)がモータ目標操作量Dutym(Dutymf,Dutymr)を所定時間幅tfのワンショットパルス信号により増大補正するため、
前記のような液圧の低周波変動の原因であるポンプ駆動モータのトルク不足を予知した瞬時にモータ操作量を増大することとなり、前記した液圧の低周波変動に関する問題を解消することができる。
また、上記モータ目標操作量の増大補正をモータトルクの不足が予知された時にのみ行うことから、むだな電流を消費したり、モータとポンプの耐久性を悪化させることなしに上記の問題解決を実現することができる。
更に、上記モータ目標操作量の増大補正を所定時間幅のワンショットパルス信号により行うことから、これが原因で新たな液圧振動が発生する懸念もない。
【0041】
また本実施の形態においては、前記モータトルクの不足判断に際しステップS601において、モータの目標操作量、または目標ブレーキ液圧と実ブレーキ液圧との偏差に基づいて判断したポンプの作動指令に対し、実ブレーキ液圧の時間変化割合が少ない状態をもって、モータトルクの不足を判断するから、
液圧制御装置内における既存の情報にもとづいてモータトルクの不足判断を行うことができ、コスト上大いに有利である。
【0042】
更に、ステップS611で設定時間θを計測するまでの間は、モータ目標操作量を所定時間幅のワンショットパルス信号により増大補正した後も、モータトルクが不足していると判断する限りモータ目標操作量の増大補正を再び実行するため、
モータ目標操作量の上乗せ増大補正が行われることとなり、ポンプ回転部の静摩擦負荷トルクにバラツキがあっても確実にポンプを回転させることができ、上記の作用効果を顕著なものにし得る。
【0043】
またステップS602の演算により、モータ目標操作量の増大補正の度に、ワンショットパルス信号のパルス時間幅およびパルス信号レベルが増大されることとなり、
ポンプ回転部の静摩擦負荷トルクにバラツキがあっても早期にポンプを回転させることができ、上記の作用効果を更に顕著なものにすることがでできる。
【0044】
なお上記では、ポンプが停止状態から回転を開始される時のモータトルク不足について主に述べたが、ポンプが低速回転している状態から目標液圧がゆっくり上昇した場合のトルク不足に伴う液圧の低周波変動に関する問題も同様の理由から解消し得ることは言うまでもない。
【0045】
図7は、図9と同じ条件で上記実施の形態による液圧制御を行った場合の動作シミュレーション図を示す。
モータ目標操作量Dutymの修正値(ワンショットパルスのパルスレベル)および修正時間(ワンショットパルスのパルス幅)を図示のごとく一定値に設定したとしても、液圧の低周波変動に関する問題を生ずるポンプ駆動(モータ)トルクの不足が予知されるたびに確実に、モータ目標操作量Dutymの修正値(所定時間の幅のワンショットパルス)が出力されてポンプ駆動(モータ)トルクの不足を解消することができる。
これにより実ブレーキ液圧Pwcが、目標ブレーキ液圧Pwcから大きく乖離することなく良く追従することができ、液圧の低周波変動に関する問題を回避し得る。
【0046】
図8は、モータ目標操作量Dutym(Dutymf,Dutymr)の修正値(ワンショットパルスのパルス信号レベルH)および修正時間(ワンショットパルスのパルス時間幅W)をモータ目標操作量の増大補正の度に増加した場合の動作を示す。
この場合、ポンプの静摩擦トルク特性にバラツキや経年変化があっても、ワンショットパルスレベルHおよびワンショットパルス時間幅Wの増大により、瞬時t1で確実に液圧ポンプを停止状態から確実に且つ速やかに起動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態になる液圧制御装置を具えた電子式液圧ブレーキ装置のシステム図である。
【図2】同ブレーキ装置におけるブレーキ液圧制御コントローラの機能別ブロック線図である。
【図3】同ブレーキ液圧制御コントローラが実行する制御プログラムを示すフローチャートである。
【図4】図3におけるステップS6の詳細を示すフローチャートである。
【図5】図3におけるステップS7の詳細を示すフローチャートである。
【図6】図2における液圧制御器のブロック線図である。
【図7】図2および図3に示すブレーキ液圧制御コントローラの動作タイムチャートである。
【図8】図7におけるワンショットパルス信号のパルス幅およびパルスレベルを、ポンプ駆動モータの目標操作量を増大補正する度に増大させた場合の動作タイムチャートである。
【図9】従来の液圧制御装置による動作タイムチャートである。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル
2 液圧ブースタ
3 マスターシリンダ
4F 前輪ブレーキ液圧配管
4R 後輪ブレーキ液圧配管
6FL,6FR 左右前輪ホイールシリンダ
6RL,6RR 左右後輪ホイールシリンダ
11F,11R マスターシリンダ液圧センサ
12F,12R 常開電磁弁
13F,13R 常閉電磁弁
14F,14R ストロークシュミレータ
15 ブレーキスイッチ
17FL 常開アンチスキッド制御弁
18FL 常閉アンチスキッド制御弁
21FR 常開アンチスキッド制御弁
22FR 常閉アンチスキッド制御弁
24RL 常開アンチスキッド制御弁
25RL 常閉アンチスキッド制御弁
27RR 常開アンチスキッド制御弁
28RR 常閉アンチスキッド制御弁
29F,29R 増圧ポンプ
30F,30R 減圧弁
31 共通なモータ
40 ブレーキ液圧コントローラ
41F,41R 液圧制御器
42F,42R 増減圧操作量配分器
43F,43R モータトルク不足判断部
44F,44R 増圧ポンプ目標操作量設定器
45F,45R 減圧弁目標操作量設定器

Claims (4)

  1. モータにより駆動されて回転数に応じた流量の作動液を吐出するポンプと、
    該吐出作動液の目標液圧を設定する目標液圧設定手段と、
    この目標液圧に基づいて前記モータの目標操作量を決定するモータ目標操作量決定手段とを具えた液圧制御装置において、
    前記モータの目標操作量に対する実操作量の不足が設定値を越えている状態をもってモータトルクが不足していると判断するモータトルク不足判断手段と、
    該手段によりモータトルク不足と判断される時、前記モータ目標操作量を所定時間幅のワンショットパルス信号により増大補正するモータ目標操作量補正手段とを具備することを特徴とする液圧制御装置。
  2. 請求項1に記載の液圧制御装置において、前記モータトルク不足判断手段は、前記モータの目標操作量、または前記吐出作動液の目標液圧と実液圧との偏差に基づいて判断した前記ポンプの作動指令に対し該実液圧の時間変化割合が少ない状態をもって、前記モータトルクの不足を判断するよう構成したことを特徴とする液圧制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の液圧制御装置において、前記モータ目標操作量補正手段は、前記モータ目標操作量を所定時間幅のワンショットパルス信号により増大補正した後でも、前記モータトルク不足判断手段がモータトルクが不足していると判断する場合は、前記モータ目標操作量の増大補正を再び実行するよう構成したことを特徴とする液圧制御装置。
  4. 請求項3に記載の液圧制御装置において、前記モータ目標操作量補正手段は、前記モータ目標操作量の増大補正の度に、ワンショットパルス信号の前記所定時間幅およびパルス信号レベルを増大させるよう構成したことを特徴とする液圧制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009137377A (ja) * 2007-12-05 2009-06-25 Honda Motor Co Ltd 車両用ブレーキ装置
CN109838421A (zh) * 2017-11-28 2019-06-04 B和R工业自动化有限公司 具有伺服驱动装置和液压消耗器的液压系统以及用于该液压系统的控制装置
CN111176174A (zh) * 2020-01-03 2020-05-19 合肥工业大学 一种面向冲压车间的多功能监管系统

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