JP2004192015A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Masanori Kimura
雅典 木村
Katsuhiko Kumakawa
克彦 熊川
Tetsuo Fukami
徹夫 深海
Hirofumi Yamakita
裕文 山北
Satoshi Asada
智 浅田
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Abstract

【課題】 IPS方式の液晶パネルにおいて、画素内の蓄積容量部の容量を確保しつつ開口率を増大することにより、明るく表示品質の高い液晶表示装置を提供する。
【解決手段】 アレイ基板(10)は、隣接する2本のゲート配線(1)及び隣接する2本のソース配線(2)により画定された各領域内に配置された画素電極(3)と、ゲート配線(1)から入力された信号電圧に基づいてソース配線(2)から画素電極(3)へ印加される電圧をスイッチングするスイッチング素子(5)と、隣接する2本のゲート配線(1)の間に形成された共通配線(8)と、共通配線(8)に電気的に接続され、電圧が印加された画素電極(3)との間に液晶を駆動する電界を生じさせる共通電極(4)と、共通配線(8)に電気的に接続された蓄積容量電極(20a)とを備え、共通配線(8)及び蓄積容量電極(20a)は、絶縁層(6a,6b)を介して画素電極(3)の少なくとも一部を挟持するように積層されている液晶表示装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示装置に関し、特に、IPS(In-Plane-Switching)モードの液晶表示装置に関する。
薄膜トランジスタ(TFT:Thin-Film-Transistor)を用いたアクティブマトリクス型液晶ディスプレイは、薄型化、軽量化、低電圧駆動などが可能という長所により、TV、カムコーダ、パ−ソナルコンピュ−タ、パ−ソナルワ−ドプロセッサなどのディスプレイとして種々の分野へ利用されており、大きな市場を形成している。
特に近年、コンピュ−タやTVなどの用途では、大画面化への対応から、より広視野角を有する液晶表示装置の要求が高まっている。これに対応して、液晶表示装置の視野角を広げる方式として、液晶を駆動するための画素電極及び対向電極を同一基板上に形成し、横方向の電界を印加することにより液晶分子を動作させるIPS(In-Plane-Switching)方式が提案されている(例えば、特許文献1)。この表示方式は、横電界方式あるいは櫛形電極方式とも呼ばれており、この表示方式では液晶分子の長軸が基板と常にほぼ平行であるため、基板に対して垂直に立ち上がることがない。従って視る方向を変えた時の明るさの変化が小さいために、広い視野角が得られる。
このような、従来のIPSモードの液晶表示装置について、図面を参照して説明する。
図11は、従来の液晶表示装置におけるアレイ基板の1画素の構成を表す平面図であり、図12(a)及び(b)は、それぞれ図11におけるP−P’及びQ−Q’部分の断面図である。図11において、走査信号を供給するゲート配線1と映像信号を供給するソース配線2とは略直交するように配置されており、ゲート配線1とソース配線2との各交差部付近に、半導体層を有する薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)5がスイッチング素子として形成されている。また、ソース配線2にはTFT5を介して櫛形の画素電極3が接続されており、画素電極3に噛み合うように、電位の基準となる共通電極4が配置されている。この共通電極4は、2つのゲート配線1,1の間に平行に設けられた共通配線8に対して電気的に接続されている。
図11及び図12に示すように、ゲート配線1、共通電極4、及び共通配線8は、アレイ基板10上に同一の層として形成されており、これらの上方に、絶縁層6aを介してソース配線2及び画素電極3が同一の層として形成されている。共通配線8と画素電極3とが絶縁層6aを介して重なった部分には、蓄積容量部109が形成されている。上述した配線や電極の主成分は、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の金属である。
また、対向基板14におけるアレイ基板10と対向する面上には、ブラックマトリクス12及びカラーフィルタ13が形成されている。ブラックマトリクス12は、図11に二点鎖線で示すように、ゲート配線1またはソース配線2と画素電極3または共通電極4との間に生じる電界の非制御領域や、TFT5を覆うように配置されている。また、カラーフィルタ13は、ブラックマトリクス12の開口部に形成され、各画素毎に赤色、緑色、青色のいずれかの色層を有しており、液晶表示装置全体ではこの3色を繰り返す配列となっている。
アレイ基板10と対向基板14との間には、基板上に散布されたビーズによって保たれる一定のギャップに液晶(図示せず)が封入され、液晶表示装置が得られる。
この液晶表示装置によれば、画素電極3へ供給された電圧と基準電位が印加される共通電極4の電圧との差により、基板面に略平行な方向の電界が発生し、電極間の液晶に印加される。蓄積容量部109は、TFT5のオン期間に電荷が蓄積されることで、TFT5のオフ期間に画素電極3からの電荷漏れが生じても、漏れた分の電荷を補充して信号電圧を維持することができ、これによって液晶の動作保持を行う。
特開平6−160878号公報
上述の液晶表示装置は、画素電極3、共通電極4、及び共通配線8が不透明な金属で形成されているため、この領域は光が透過することができない。ここで、蓄積容量部109を形成する画素電極3及び共通配線8の対向面積が小さすぎると、蓄積容量が十分でなくなりフリッカやクロストークの問題が生じる。このため、蓄積容量部109はある程度の大きさが必要とされるが、蓄積容量部109を大きくすると、光の非透過領域が拡大することになる。更に、光が透過可能な領域であっても、ソース配線及びゲート配線と共通電極及び画素電極との間に生じる隙間などにおいては光透過率を所望のように制御できないため、この部分をブラックマトリクス12で覆う必要がある。
これらの理由から、従来のIPSモードの液晶表示装置は、画素内の開口率、即ち、画素面積に対する有効表示面積の占める割合が十分でなく、パネルの輝度が低いという問題があった。
本発明は、IPS方式の液晶パネルにおいて、画素内の蓄積容量部の容量を確保しつつ開口率を増大することにより、明るく表示品質の高い液晶表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の液晶表示装置は、アレイ基板と、前記アレイ基板に対向する対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持された液晶とを備え、前記アレイ基板は、互いに交差している複数本のゲート配線及び複数本のソース配線と、隣接する2本の前記ゲート配線及び隣接する2本の前記ソース配線により画定された各領域内に配置された画素電極と、前記ゲート配線から入力された信号電圧に基づいて前記ソース配線から前記画素電極へ印加される電圧をスイッチングするスイッチング素子と、隣接する2本の前記ゲート配線の間に形成された共通配線と、前記共通配線に電気的に接続され、電圧が印加された前記画素電極との間に前記液晶を駆動する電界を生じさせる共通電極と、前記共通配線に電気的に接続された蓄積容量電極とを備え、前記共通配線及び前記蓄積容量電極は、絶縁層を介して前記画素電極の少なくとも一部を挟持するように積層されており、前記画素電極に電気的に接続された付加蓄積容量電極を更に備え、前記画素電極及び前記付加蓄積容量電極は、絶縁層を介して前記共通配線又は前記蓄積容量電極の少なくとも一部を挟持するように積層されていることを特徴とする。
この液晶表示装置によれば、共通配線、蓄積容量電極及び画素電極が平面視において重なり合った部分に蓄積容量部が形成され、共通配線と画素電極との間だけでなく、画素電極と蓄積容量電極との間にも電荷を蓄積することができるので、従来に比べて蓄積容量部の単位面積あたりの容量を大きくすることができる。したがって、蓄積容量部の面積を小さくしても表示品質を良好に維持することができ、これによって開口率を向上させることができる。
更に、この液晶表示装置は、前記画素電極に電気的に接続された付加蓄積容量電極を備え、前記画素電極及び前記付加蓄積容量電極は、絶縁層を介して前記共通配線又は前記蓄積容量電極の少なくとも一部を挟持するように積層されているので、共通配線又は蓄積容量電極と付加蓄積容量電極との間にも電荷を蓄積することができる。したがって、蓄積容量部の単位面積あたりの容量を更に大きくすることができ、これによって開口率の向上を図ることができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の他の液晶表示装置は、アレイ基板と、前記アレイ基板に対向する対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持された液晶とを備え、前記アレイ基板は、互いに交差している複数本のゲート配線及び複数本のソース配線と、隣接する2本の前記ゲート配線及び隣接する2本の前記ソース配線により画定された各領域内に配置された画素電極と、前記ゲート配線から入力された信号電圧に基づいて前記ソース配線から前記画素電極へ印加される電圧をスイッチングするスイッチング素子と、隣接する2本の前記ゲート配線の間に形成された共通配線と、前記共通配線に電気的に接続され、電圧が印加された前記画素電極との間に前記液晶を駆動する電界を生じさせる共通電極と、前記共通配線に電気的に接続された蓄積容量電極とを備え、前記共通配線及び前記蓄積容量電極は、絶縁層を介して前記画素電極の少なくとも一部を挟持するように積層されており、前記共通配線は前記ゲート配線と同一の層に形成され、前記蓄積容量電極は前記共通電極と同一の層に形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、ゲート配線が絶縁層を介して共通電極及び画素電極と別層に形成されているので、ゲート配線が共通電極又は画素電極とショートするおそれがなく、共通電極及び画素電極の端部をゲート配線まで延ばすことができる。これにより、駆動制御可能な液晶の領域を拡げることができ、開口率を更に向上させることができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の更に他の液晶表示装置は、アレイ基板と、前記アレイ基板に対向する対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持された液晶とを備え、前記アレイ基板は、互いに交差している複数本のゲート配線及び複数本のソース配線と、隣接する2本の前記ゲート配線及び隣接する2本の前記ソース配線により画定された各領域内に配置された画素電極と、前記ゲート配線から入力された信号電圧に基づいて前記ソース配線から前記画素電極へ印加される電圧をスイッチングするスイッチング素子と、隣接する2本の前記ゲート配線の間に形成された共通配線と、前記共通配線に電気的に接続され、電圧が印加された前記画素電極との間に前記液晶を駆動する電界を生じさせる共通電極と、前記画素電極に電気的に接続された蓄積容量電極とを備え、前記画素電極及び前記蓄積容量電極は、絶縁層を介して前記共通配線の少なくとも一部を挟持するように積層されていることを特徴とする。
この液晶表示装置によれば、画素電極、蓄積容量電極及び共通配線が平面視において重なり合った部分に蓄積容量部が形成され、共通配線と画素電極との間だけでなく、共通配線と蓄積容量電極との間にも電荷を蓄積することができるので、従来に比べて蓄積容量部の単位面積あたりの容量を大きくすることができる。したがって、蓄積容量部の面積を小さくしても表示品質を良好に維持することができ、これによって開口率を向上させることができる。
この液晶表示装置は、前記共通配線に電気的に接続された付加蓄積容量電極を更に備えることも可能であり、この場合、前記共通配線及び前記付加蓄積容量電極は、絶縁層を介して前記画素電極又は前記蓄積容量電極の少なくとも一部を挟持するように積層される。この構成によれば、画素電極又は蓄積容量電極と付加蓄積容量電極との間にも電荷を蓄積することができるので、蓄積容量部の単位面積あたりの容量を更に大きくすることができ、これによって開口率の向上を図ることができる。
以上の各液晶表示装置においては、前記画素電極及び/又は前記共通電極を透明電極材料により形成することが可能であり、これによって、開口率を向上させることができる。また、前記の蓄積容量電極は、前記ゲート配線の信号入力側である一端側から他端側に向けて小さくなるように形成しても良く、これによってフリッカを抑制することができる。
本発明によれば、明るく表示品質の高い液晶表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、以降の説明においては、上述した従来の液晶表示装置と同様の構成部分には同一の符号を付して、繰り返しの説明を省略する。
(実施の形態1)
図1(a)は、実施の形態1の液晶表示装置におけるアレイ基板の1画素の構成を表す平面図であり、図1(b)は、図1(a)におけるA−A’部分の断面図である。
本実施形態における液晶表示装置は、上述した従来の液晶表示装置と同様、共通配線8と画素電極3とが絶縁層6aを介して重なり合った部分に蓄積容量部9aが形成されている。そして、この蓄積容量部9aにおいて、画素電極3の上方に蓄積容量電極20aが形成されている点で従来の液晶表示装置と相違する。
即ち、絶縁層6a上の同一層に形成されたソース配線2及び画素電極3の上に絶縁層6bが形成され、この絶縁層6bの上に蓄積容量電極20aが形成されており、蓄積容量電極20aは、絶縁層6a,6bに形成されたコンタクトホール30a,30bを介して共通配線8と電気的に接続されている。こうして、蓄積容量部9aは、蓄積容量電極20a及び共通配線8が絶縁層6a,6bを介して画素電極3の一部を挟持することにより、形成されている。
本実施形態の液晶表示装置は、例えば次のようにして製造することができる。まず、アレイ基板10となるガラス上に、アルミニウム(Al)などを主成分とする第1の導電層をスパッタ法等で成膜した後、フォトリソグラフ法で同一平面状にパターン形成して、ゲート配線1、共通電極4、及び共通配線8を得る。
次いで、CVD法等により窒化珪素(SiNx)等からなる第1の絶縁層6aを堆積させ、a−Si等からなる半導体層をCVD法及びフォトリソグラフ法などで形成した後、上記第1の導電層と同様の工程にて第2の導電層を形成しパターニングすることにより、ソース配線2、画素電極3、及びスイッチング素子であるTFT5を得る。画素電極3及び共通電極4の幅は、例えば3〜8μmであり、両者の間隔は、例えば10〜15μmである。
次に、第1の絶縁層6aと同様の工程にて第2の絶縁層6bを形成後、第1の絶縁層6a及び第2の絶縁層6bにフォトリソグラフ法でコンタクトホール30a,30bを形成する。
この後、上記第1の導電層と同様の工程にて第3の導電層を形成しパターニングすることにより蓄積容量電極20aを得るとともに、コンタクトホール30a,30bを介して共通配線8との電気的接続を行う。尚、このような形成されたアレイ基板の最表面には、TFTや電極などを保護するために、更に第4の絶縁層を形成してもよい。
また、上述した第1〜第3の導電層は、特に限定されるものではないが、アルミニウム(Al)系金属のように配線抵抗の低い金属材料からなるのが望ましい。更に、各導電層は、単層膜又は多層膜のいずれでも良い。
一方、対向基板14となるガラス基板上には、金属クロム(Cr)をスパッタ等により成膜後、フォトリソグラフ法でパターン形成することにより、導電性のブラックマトリクス12を形成する。次に、RGB(3色)の各々の色素を有する樹脂を画素となる部分に順にパターン形成し、ドット状に配置されたカラーフィルター13を得る。尚、Cr等による液晶層への汚染を防ぐため、この後アクリル等の樹脂によりカラー対向基板全体にオーバーコート層の形成を行っても良い。また、ブラックマトリクスは樹脂材料を用いて形成しても良く、この場合はスピンコートや印刷など塗布による成膜工程を用いることができるので、設備コストを低減することができる。
このように作製された2つの基板10,14の互いに対向する面に配向膜(図示せず)を塗布した後、所定の方向にラビングを行い、基板間に樹脂スペーサを挟んだ状態で周辺部をシール剤で接着する。最後に液晶(図示せず)を封入して、液晶表示装置が得られる。
この液晶表示装置の周辺部においては、ゲート配線1の端部にゲート駆動回路を接続し、ソース配線2の端部にソース信号駆動回路を接続することにより、各々の駆動回路が、コントローラからの入力に基づいて液晶表示装置を作動させる。この液晶表示装置の作動を以下に説明する。
まず、外部回路より供給された走査信号が各ゲート配線1へ、映像信号が各ソース配線2へそれぞれ供給される。ゲート配線1を介して供給された走査信号によって、ゲート配線1に接続されたTFT5が選択的にスイッチングされることで、TFT5のオン期間にソース配線2を通して供給される映像信号が画素電極3へ供給される。この画素電極3と共通電極4との電位差により電界が発生し、電極間に配向させた液晶の動きの制御が行われる。液晶パネルのアレイ基板側には冷陰極管からなるバックライト(図示せず)が配置されており、液晶の駆動制御により階調表示を行うことができる。
TFT5がオフ状態になると、画素電極3への信号電圧の供給が停止されるが、蓄積容量9aに蓄積された電荷により液晶の動作が保持される。本実施形態における蓄積容量部9aは、共通配線8と画素電極3との間、及び、画素電極3と蓄積容量電極20aとの間のそれぞれにおいて電位差が生じ、電荷を蓄積させることができるので、上記従来の液晶表示装置の蓄積容量部109に比べて単位面積あたりの容量が高まり、電極の対向面積を略半分にすることができる。この結果、画素の開口率を向上させることが可能になり、高い表示輝度を得ることができる。
(実施の形態2)
図2(a)は、実施の形態2の液晶表示装置におけるアレイ基板の1画素の構成を表す平面図であり、図2(b)は、図2(a)におけるB−B’部分の断面図である。
実施の形態2の液晶表示装置は、共通配線、画素電極及び蓄積容量電極により蓄積容量部が構成されている点で実施の形態1と同様であり、蓄積容量電極が画素電極と電気的に接続されている点で、実施の形態1と相違する。
即ち、アレイ基板10上に蓄積容量電極20bが形成され、この上に絶縁層6aを介してゲート配線1、共通電極4、及び共通配線8が形成され、これらの上に絶縁層6bを介してソース配線2、画素電極3、及びTFT5が形成されている。共通配線8の一部には開口81が形成されており、この開口81の略中心を通過するように絶縁層6a,6bに形成されたコンタクトホール30cを介して、蓄積容量電極20bと画素電極3とが電気的に接続されている。こうして、蓄積容量部9bは、蓄積容量電極20b及び画素電極3が絶縁層6a,6bを介して共通配線8の一部を挟持することにより、形成されている。
本実施形態の蓄積容量部9bによれば、蓄積容量電極20bと共通配線8との間、及び、共通配線8と画素電極3との間のそれぞれにおいて電位差が生じ、電荷を蓄積させることができるので、上記従来の液晶表示装置の蓄積容量部109に比べて単位面積あたりの容量が高まり、電極の対向面積を略半分にすることができる。この結果、画素の開口率を向上させることが可能になり、高い表示輝度を得ることができる。
(実施の形態3)
図3(a)は、実施の形態3の液晶表示装置におけるアレイ基板の1画素の構成を表す平面図であり、図3(b)は、図3(a)におけるC−C’部分の断面図である。
実施の形態3の液晶表示装置は、実施の形態1の液晶表示装置において、付加蓄積容量電極を更に備えるものであり、その他の点については実施の形態1と同様である。
即ち、蓄積容量電極20aの上に絶縁層6cが形成され、この絶縁層6cの上に付加蓄積容量電極20dが形成されており、付加蓄積容量電極20dは、絶縁層6b,6cに形成されたコンタクトホール30dを介して画素電極3に電気的に接続されている。こうして、蓄積容量部9cは、共通配線8、画素電極3、蓄積容量電極20a、及び付加蓄積容量電極20dが平面視において重なった部分に、形成されている。
本実施形態の蓄積容量部9cによれば、、共通配線8と画素電極3との間、画素電極3と蓄積容量電極20aとの間、及び、蓄積容量電極20aと付加蓄積容量電極20dとの間のそれぞれにおいて電位差が生じ、電荷を蓄積させることができるので、実施の形態1及び実施の形態2の蓄積容量部に比べて単位面積あたりの容量を更に高めることができる。この結果、画素の開口率をより向上させることが可能になり、高い表示輝度を得ることができる。
本実施形態の液晶表示装置においては、付加蓄積容量電極20dの上方に、更に別の蓄積容量電極を積層することも可能である。即ち、第1の蓄積容量電極は、前記共通配線8に電気的に接続されるように、また、第2の蓄積容量電極は、前記画素電極3に電気的に接続されるように、それぞれ絶縁層を介して交互に積層することにより、蓄積容量部の単位面積あたりの容量をより高めることができる。
また、実施の形態2に示す液晶表示装置に対しても、画素電極の上に絶縁層を介して付加蓄積容量電極を形成することが可能であり、この付加蓄積容量電極と共通配線8とをコンタクトホールを介して電気的に接続することにより、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
図4(a)は、実施の形態4の液晶表示装置におけるアレイ基板の1画素の構成を表す平面図であり、図4(b)は、図4(a)におけるD−D’部分の断面図である。
実施の形態4における液晶表示装置は、実施の形態1の液晶表示装置において、蓄積容量電極20aと同一の層に、蓄積容量電極20aと同一材料からなる遮光膜15aが形成されたものであり、その他の構成については実施の形態1と同様である。
この構成によれば、遮光膜15aを蓄積容量電極20aと同時に形成することができるので、遮光膜15a形成のための工程を新たに追加する必要がない。そして、この遮光膜15aによりTFT5の上方が覆われているので、バックライトや外光などによるTFT特性の悪化を防止することができる。
図5は、遮光膜を設けた場合及び設けない場合のそれぞれについて、ゲート・ドレイン電圧とソース・ドレイン電流との関係を示すグラフである。同図に示すように、遮光膜15aを設けない場合には、ゲート・ドレイン電圧が0ボルト以下、即ち、TFTのオフ期間においてもソース・ドレイン電流が流れる。この結果、画素電位が変動し、クロストークによる画質劣化などの問題を生じる。
これに対し、遮光膜15aを設けた場合には、ゲート・ドレイン電圧が0ボルト以下、即ち、TFTのオフ期間においては、ソース・ドレイン電流がほとんど流れないため、上述の問題が解消され、表示品質を高めることが可能になる。
この遮光膜15aは、図6に示すように、実施の形態1における絶縁層6b上に、CVD法等により窒化珪素(SiNx)等からなる平坦化膜22aを形成し、平らな表面上に蓄積容量電極20aと共に形成しても良い。このように平坦化膜22aを形成した場合には、遮光膜15aとTFT5との間に形成されてしまう寄生容量を小さくすることができるので、TFT5の負荷が小さくなり、TFT5の動作を安定させることができる。また、封入した液晶の配向の乱れが少なくなるため、表示品質をより向上させることが可能になる。
(実施の形態5)
図7(a)は、実施の形態5の液晶表示装置におけるアレイ基板の1画素の構成を表す平面図であり、図7(b)は、図7(a)におけるE−E’部分の断面図である。
実施の形態1における液晶表示装置の共通電極が共通配線と同一の層に形成されているのに対し、実施の形態5における液晶表示装置は、共通電極が蓄積容量電極と同一の層に形成されている点で相違し、その他の構成については実施の形態1と同様である。
即ち、ゲート配線1及び共通配線8は、アレイ基板10上に同一の層として形成されており、これらの上方に、絶縁層6aを介してソース配線2及び画素電極3が同一の層として形成されている。そして、これらの上方に絶縁層6bを介して蓄積容量電極20a及び共通電極4が形成されている。共通電極4は、蓄積容量電極20a及び絶縁層に形成されたコンタクトホール30a,30bを介して共通配線8と電気的に接続されている。
この構成によれば、実施の形態1と同様、従来の蓄積容量部9に比べて電極の対向面積を略半分にすることができ、画素の開口率を向上させることができる。更に、画素電極3及び共通電極4が、ゲート配線1とは絶縁層6a,6bを介して別層に形成されているので、画素電極3又は共通電極4がゲート配線1との間でショートするおそれなしに画素電極3及び共通電極4の端部をゲート配線1まで延長することができ、画素における液晶駆動の制御可能領域を拡げることができる。したがって、これによっても開口率を向上させることができる。
画素電極3及び共通電極4の端部をゲート配線1に重ねた場合には、図7(a)において二点差線の幅で示すように、ブラックマトリクス12をゲート配線1に沿って形成する必要がない。この場合、画素電極3及び共通電極4の端部がゲート配線1と重なる部分の長さは、アライメント誤差を考慮すれば1μm以上であることが好ましい一方、重なりが大き過ぎると寄生容量が大きくなりゲート配線1の信号なまりを生じるおそれがあるため5μm以下であることが好ましい。
(実施の形態6)
図8(a)は、実施の形態6の液晶表示装置におけるアレイ基板の1画素の構成を表す平面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるF−F’部分の断面図である。
実施の形態5における液晶表示装置の蓄積容量電極20a及び共通電極4が絶縁層6b上に形成されているのに対し、実施の形態6における液晶表示装置は、絶縁層6b上に形成された平坦化膜22b上に蓄積容量電極20a及び共通電極4が形成されている。その他の構成については、実施の形態5と同様である。
この構成によれば、ショートの共通電極4が長手方向に沿ってソース配線2の一部と重なり合うように構成することが容易であり、ソース配線2と共通電極4との隙間から光漏れを生じるおそれがない。したがって、液晶駆動の制御可能領域が更に拡がり、開口率を向上させることができる。この場合、この重なった部分に対応する対向基板14上の位置に、ブラックマトリクスを形成する必要がない。
本実施形態においては、実施の形態4と同様にして、図8(a)に二点鎖線で示すように、蓄積容量電極20a及び共通電極4と同一の層に遮光膜15bを更に形成しても良い。このような構成によれば、表示品質の高い液晶表示装置が得られるだけでなく、対向基板14にブラックマトリクスを形成する必要が全くなくなり、製造工程の短縮を図ることができる。尚、TFT5の近傍からの光漏れを防止するため、図8(a)に示すように、TFT5をゲート配線1上に形成することが好ましい。
また、平坦化膜22bは、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などから形成することも可能であるが、ゲート配線1と共通電極4とが重なった部分に生じる寄生容量を十分小さくするためには、感光性アクリル樹脂などの有機膜により形成することが好ましく、更に、膜厚を0.5μm以上にすることがより好ましい。これによりクロストークなどの問題が低減され、表示品質をより向上させることができる。平坦化膜22bの平均的な厚みは、3μm程度が適当である。
(実施の形態7)
図9(a)は、実施の形態6の液晶表示装置におけるアレイ基板の1画素の構成を表す平面図であり、図9(b)は、図9(a)におけるG−G’部分の断面図である。
図11及び図12に示す上記従来の液晶表示装置の共通電極4が共通配線8と同一の層に形成されているのに対し、実施の形態7における液晶表示装置は、共通電極4が共通配線8とは別の層で、且つ、画素電極3と同一の層に形成されている点で相違する。その他の構成については、上記従来の液晶表示装置と同様である。
即ち、ゲート配線1及び共通配線8は、アレイ基板10上に同一の層として形成されており、これらの上方に、絶縁層6aを介してソース配線2、画素電極3及び共通電極4が同一の層として形成されている。共通電極4は、絶縁層6aに形成されたコンタクトホール30eを介して共通配線8と電気的に接続されており、画素電極3と共通配線8とが絶縁層6aを介して重なり合った部分に蓄積容量部9dが形成されている。
この構成によれば、実施の形態5と同様に、画素電極3及び共通電極4の端部をゲート配線1に重ねることが可能であり、これによって液晶駆動制御が可能な領域を拡大することができる。したがって、この重なった部分に対応する対向基板14上の位置にはブラックマトリクスを形成する必要がなく、これによって開口率を向上させることができる。画素電極3及び共通電極4の端部がゲート配線1と重なる部分の長さは、実施の形態5と同様の理由から1〜5μmであることが好ましい。
(実施の形態8)
図10(a)は、実施の形態8の液晶表示装置におけるアレイ基板の1画素の構成を表す平面図であり、図10(b)は、図10(a)におけるH−H’部分の断面図である。
実施の形態7の液晶表示装置は、画素電極3及び共通電極4がソース配線2と同一の層に形成されているのに対し、実施の形態8の液晶表示装置は、画素電極3及び共通電極4が平坦化膜22cを介してソース配線2と別層に形成されている点で相違する。その他の構成については実施の形態7と同様である。
即ち、アレイ基板10上に形成されたゲート配線1及び共通配線8の上方に絶縁層6aを介してソース配線2が形成されており、この上方に、平坦化膜22cを介して画素電極3及び共通電極4が同一の層として形成されている。TFT5のドレイン側は、コンタクトホール30fを介して画素電極3に接続されている。
この構成によれば、共通電極4の少なくとも一部を長手方向に沿ってソース配線2に重ね合わせることができるので、ソース配線2と共通電極4との隙間から光漏れを生じるおそれがない。したがって、この部分に対応する対向基板14上の位置にブラックマトリクスを形成する必要がないため、開口率をより向上させることができる。
更に、実施の形態4と同様にして、図10(a)に二点鎖線で示すように、画素電極3及び共通電極4と同一の層に遮光膜15cを形成しても良い。このような構成によれば、表示品質の高い液晶表示装置が得られるだけでなく、対向基板14にブラックマトリクスを全く形成しなくても良いので、製造工程の短縮を図ることができる。
また、画素電極3及び共通電極4は、絶縁層を介して互いに別の層になるように形成しても良く、これによって、画素電極3と共通電極4との間のショートを確実に防止することができる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明の具体的な態様が上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施形態において、共通電極及び画素電極は金属電極としているが、ITO(Indium-Tin-Oxide)などの透明電極で形成することもできる。このような構成によれば、開口率を更に向上させることができる。
また、上記各実施形態において、各画素毎の蓄積容量部の平面視における大きさは、ゲート配線の信号入力側である一端側から他端側に向けて小さくなるように形成されていることが好ましい。これにより、主要配線や電極形状などを変更しなくても、液晶に印加する電圧を各画素で略一定にすることができる。したがって、断線などの不良を回避しつつフリッカの発生を抑制することができ、表示品質の向上を図ることができる。
また、マトリクス状に設けられた複数本のゲート配線及び複数本のソース配線によって画定される各画素領域の形状は、必ずしも矩形状のものに限られず、ひし形に近い形状であっても良い。
(a)本発明の実施の形態1に係る液晶表示装置においてアレイ基板の1画素の構成を示す平面図、及び、(b)この図におけるA−A’部分の断面図である。 (a)本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置においてアレイ基板の1画素の構成を示す平面図、及び、(b)この図におけるB−B’部分の断面図である。 (a)本発明の実施の形態3に係る液晶表示装置においてアレイ基板の1画素の構成を示す平面図、及び、(b)この図におけるC−C’部分の断面図である。 (a)本発明の実施の形態4に係る液晶表示装置においてアレイ基板の1画素の構成を示す平面図、及び、(b)この図におけるD−D’部分の断面図である。 本発明の実施の形態4に係る試験結果を示す図である。 本発明の実施の形態4の変形例を示す断面図である。 (a)本発明の実施の形態5に係る液晶表示装置においてアレイ基板の1画素の構成を示す平面図、及び、(b)この図におけるE−E’部分の断面図である。 (a)本発明の実施の形態6に係る液晶表示装置においてアレイ基板の1画素の構成を示す平面図、及び、(b)この図におけるF−F’部分の断面図である。 (a)本発明の実施の形態7に係る液晶表示装置においてアレイ基板の1画素の構成を示す平面図、及び、(b)この図におけるG−G’部分の断面図である。 (a)本発明の実施の形態8に係る液晶表示装置においてアレイ基板の1画素の構成を示す平面図、及び、(b)この図におけるH−H’部分の断面図である。 従来の液晶表示装置においてアレイ基板の1画素の構成を示す平面図である。 (a)第11図におけるP−P’部分の断面図、及び、(b)同Q−Q’部分の断面図である。
符号の説明
1 ゲート配線
2 ソース配線
3 画素電極
4 共通電極
5 スイッチング素子(TFT)
6a,6b,6c 絶縁層
8 共通配線
10 アレイ基板
14 対向基板
15a,15b,15c 遮光膜
20a,20b 蓄積容量電極
20d 付加蓄積容量電極
22a,22b,22c 平坦化膜

Claims (6)

  1. アレイ基板と、前記アレイ基板に対向する対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持された液晶とを備え、
    前記アレイ基板は、互いに交差している複数本のゲート配線及び複数本のソース配線と、隣接する2本の前記ゲート配線及び隣接する2本の前記ソース配線により画定された各領域内に配置された画素電極と、前記ゲート配線から入力された信号電圧に基づいて前記ソース配線から前記画素電極へ印加される電圧をスイッチングするスイッチング素子と、隣接する2本の前記ゲート配線の間に形成された共通配線と、前記共通配線に電気的に接続され、電圧が印加された前記画素電極との間に前記液晶を駆動する電界を生じさせる共通電極と、前記共通配線に電気的に接続された蓄積容量電極とを備え、
    前記共通配線及び前記蓄積容量電極は、絶縁層を介して前記画素電極の少なくとも一部を挟持するように積層されており、
    前記画素電極に電気的に接続された付加蓄積容量電極を更に備え、
    前記画素電極及び前記付加蓄積容量電極は、絶縁層を介して前記共通配線又は前記蓄積容量電極の少なくとも一部を挟持するように積層されていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. アレイ基板と、前記アレイ基板に対向する対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持された液晶とを備え、
    前記アレイ基板は、互いに交差している複数本のゲート配線及び複数本のソース配線と、隣接する2本の前記ゲート配線及び隣接する2本の前記ソース配線により画定された各領域内に配置された画素電極と、前記ゲート配線から入力された信号電圧に基づいて前記ソース配線から前記画素電極へ印加される電圧をスイッチングするスイッチング素子と、隣接する2本の前記ゲート配線の間に形成された共通配線と、前記共通配線に電気的に接続され、電圧が印加された前記画素電極との間に前記液晶を駆動する電界を生じさせる共通電極と、前記共通配線に電気的に接続された蓄積容量電極とを備え、
    前記共通配線及び前記蓄積容量電極は、絶縁層を介して前記画素電極の少なくとも一部を挟持するように積層されており、
    前記共通配線は前記ゲート配線と同一の層に形成され、前記蓄積容量電極は前記共通電極と同一の層に形成されていることを特徴とする液晶表示装置。
  3. アレイ基板と、前記アレイ基板に対向する対向基板と、前記アレイ基板と前記対向基板との間に挟持された液晶とを備え、
    前記アレイ基板は、互いに交差している複数本のゲート配線及び複数本のソース配線と、隣接する2本の前記ゲート配線及び隣接する2本の前記ソース配線により画定された各領域内に配置された画素電極と、前記ゲート配線から入力された信号電圧に基づいて前記ソース配線から前記画素電極へ印加される電圧をスイッチングするスイッチング素子と、隣接する2本の前記ゲート配線の間に形成された共通配線と、前記共通配線に電気的に接続され、電圧が印加された前記画素電極との間に前記液晶を駆動する電界を生じさせる共通電極と、前記画素電極に電気的に接続された蓄積容量電極とを備え、
    前記画素電極及び前記蓄積容量電極は、絶縁層を介して前記共通配線の少なくとも一部を挟持するように積層されていることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 前記共通配線に電気的に接続された付加蓄積容量電極を更に備え、
    前記共通配線及び前記付加蓄積容量電極は、絶縁層を介して前記画素電極又は前記蓄積容量電極の少なくとも一部を挟持するように積層されていることを特徴とする請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記画素電極及び/又は前記共通電極は、透明電極材料により形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。
  6. 前記蓄積容量電極は、前記ゲート配線の信号入力側である一端側から他端側に向けて小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。
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