JP2009047963A - 液晶装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベンド配向を維持しやすい液晶装置及び電子機器を提供すること。
【解決手段】液晶装置は、対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に配置された、スプレイ配向又はベンド配向のいずれの配向状態をもとりうる液晶層とを有している。第1の基板の液晶層側には、複数のゲート線12と、複数のソース線14と、TFT素子20と、TFT素子20に電気的に接続された画素電極16とが配置され、第2の基板の液晶層側には共通電極が配置されている。第1の基板の液晶層側のうち平面視で画素電極16と重ならない領域の少なくとも一部を含む領域には、転移防止電極13が形成されている。転移防止電極13は、ゲート線12に電気的に接続されている。
【選択図】図5
【解決手段】液晶装置は、対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、第1の基板と第2の基板との間に配置された、スプレイ配向又はベンド配向のいずれの配向状態をもとりうる液晶層とを有している。第1の基板の液晶層側には、複数のゲート線12と、複数のソース線14と、TFT素子20と、TFT素子20に電気的に接続された画素電極16とが配置され、第2の基板の液晶層側には共通電極が配置されている。第1の基板の液晶層側のうち平面視で画素電極16と重ならない領域の少なくとも一部を含む領域には、転移防止電極13が形成されている。転移防止電極13は、ゲート線12に電気的に接続されている。
【選択図】図5
Description
本発明に係る一態様は、液晶装置及び電子機器に関し、特にOCB(Optically Compensated Birefringence)モードを用いた液晶装置に関する。
OCBモードの液晶装置においては、一対の基板間に封入された液晶層は、スプレイ配向又はベンド配向のいずれの配向状態をもとりうるように構成される。そして、この液晶層は、初期状態ではスプレイ配向となっており、表示を行う際には、転移電圧を印加することによってベンド配向に転移させて使用する。このようなOCBモードの液晶装置は、表示動作時にはベンド配向の曲がりの度合いで透過率を変調することによって表示を行うため、高速応答性を有するという利点がある。
一度液晶層をベンド配向へ転移させた後は、スプレイ配向へ逆転移しないような工夫が必要となる。一部でもスプレイ配向へ逆転移すると、その箇所で光漏れが生じ、輝点不具合となるためである。スプレイ配向への逆転移を防止するためには、1フレーム期間の電圧実効値を、ベンド配向の維持に必要な臨界電圧以上とする必要がある。
ここで、液晶層は、隣接する領域の配向状態と同じ配向状態をとろうとする性質がある。よって、ある領域の液晶層を定常的にベンド配向とすることができれば、これに隣接する領域の液晶層をベンド配向に維持しやすくなり、臨界電圧を低くすることができる。特許文献1には、液晶表示素子の外周の非視認領域にTFT(Thin Film Transistor)素子等を配置し、非視認領域の液晶層を駆動させてベンド配向状態に保つ技術が開示されている。この結果、視認領域の液晶層もベンド配向状態を維持しやすくなる。
しかしながら、このような構成では、表示に寄与しない非視認領域の液晶を駆動させることとなるため、消費電力が大きくなるという課題がある。また、非視認領域の液晶を駆動させるために新たなTFT素子等の形成が必要となる他、これらの素子を駆動するためにドライバの構成がより複雑になるという課題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
[適用例1]複数の画素を有する液晶装置であって、第1の基板と、前記第1の基板に対向して配置された第2の基板と、前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された、スプレイ配向又はベンド配向のいずれの配向状態をもとりうる液晶層と、前記第1の基板の前記液晶層側に形成された複数のゲート線と、前記第1の基板の前記液晶層側に、平面視で前記ゲート線に交差するように形成された複数のソース線と、前記第1の基板の前記液晶層側に、前記ゲート線と前記ソース線との交差に対応して前記画素ごとに形成されたスイッチング素子と、前記第1の基板の前記液晶層側に前記画素ごとに形成され、前記スイッチング素子に電気的に接続された画素電極と、前記第1の基板の前記液晶層側のうち平面視で前記画素電極と重ならない領域の少なくとも一部を含む領域に形成され、前記ゲート線に電気的に接続された転移防止電極と、前記第2の基板の前記液晶層側に形成された共通電極と、を備える液晶装置。
このような構成によれば、転移防止電極はゲート線と等電位となるため、転移防止電極上の液晶層には、ゲート線に印加される走査信号と、共通電極の電位とで定まる転移防止電圧が印加される。この転移防止電圧により、転移防止電極上の液晶層をベンド配向状態に保つことができる。ここで、転移防止電極は、平面視で画素電極と重ならない領域(以下では画素電極間領域とも呼ぶ)に形成されているため、画素電極間領域の液晶層が転移防止電圧によりベンド配向状態に保たれることとなる。この影響により、画素電極上の液晶層もベンド配向を維持しやすくなり、この結果、ベンド配向を保つための臨界電圧を低くすることができる。
[適用例2]上記液晶装置であって、前記画素電極は、前記ソース線に沿って延在する第1の辺を有しており、前記転移防止電極は、前記第1の辺に沿った領域に形成されている液晶装置。
このような構成によれば、第1の辺の近傍の画素電極間領域において、液晶層をベンド配向状態に維持することができる。
[適用例3]上記液晶装置であって、前記転移防止電極は前記複数の画素のうち互いに隣り合う2つの前記画素の間の領域ごとに形成されている液晶装置。
このような構成によれば、各画素近傍の画素電極間領域において、液晶層をベンド配向状態に維持することができる。これにより、スプレイ配向への逆転移の起こりにくさが各画素間で均一となり、ひいては各画素における臨界電圧を均一にすることができる。
[適用例4]上記液晶装置であって、一の前記画素電極と、当該画素電極の前記第1の辺に沿った領域に形成された前記転移防止電極とは、互いに異なる前記ゲート線に電気的に接続されている液晶装置。
このような構成によれば、画素電極の電位と、当該画素電極の第1の辺に沿った領域に形成された転移防止電極の電位とが、駆動上、互いに独立したものとなる。このため、上記画素電極と転移防止電極との間の電気的な干渉による駆動上の影響を抑制することができる。
[適用例5]上記液晶装置であって、表示動作時において前記転移防止電極と前記共通電極との間に印加される電圧は、前記液晶層が前記ベンド配向を維持するための臨界電圧より大きい液晶装置。
このような構成によれば、転移防止電極上の液晶層を、確実にベンド配向状態に維持することができる。
[適用例6]上記液晶装置であって、前記画素電極は、前記ゲート線に沿って延在する第2の辺を有しており、前記転移防止電極は、前記第1の辺に沿った領域及び前記第2の辺に沿った領域に形成されている液晶装置。
このような構成によれば、第1の辺の近傍及び第2の辺の近傍の画素電極間領域において、液晶層をベンド配向状態に維持することができる。これにより、画素電極間領域の略全域において液晶層をベンド配向状態に維持することができる。
[適用例7]上記液晶装置であって、前記転移防止電極は、平面視で前記画素電極に一部が重なっている液晶装置。
このような構成によれば、転移防止電極と画素電極との間に平面視で間隔が生じないため、画素電極に隣接する領域において液晶層をベンド配向状態に維持することができる。これにより、画素電極上の液晶層を容易にベンド配向状態に維持することができる。
[適用例8]上記液晶装置であって、前記画素電極の前記第1の辺又は前記第2の辺、前記ゲート線、前記ソース線、前記転移防止電極のうち少なくとも1つは屈曲部を有している液晶装置。
このような構成によれば、転移動作時において屈曲部近傍にベンド配向の転移核が生じやすくなる。このため、より低い転移電圧で、あるいはより短時間に、ベンド配向への転移を行うことができる。
[適用例9]上記液晶装置であって、液晶モードがノーマリーホワイトモードであり、表示動作時において、前記画素は、各フレーム期間の少なくとも一部の期間で黒表示を行う液晶装置。
このような構成によれば、各フレーム期間の少なくとも一部において、臨界電圧以上の駆動電圧が画素電極上の液晶層に印加される。これにより、スプレイ配向への逆転移をより起こりにくくすることができる。
[適用例10]上記液晶装置を備える電子機器。
このような構成によれば、搭載する液晶装置においてスプレイ配向への逆転移が生じにくいことに起因して、高品位な表示が可能な電子機器が得られる。
以下、図面を参照し、液晶装置及び電子機器の実施形態について説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
(第1の実施形態)
<A.液晶装置の構成>
図1は、液晶装置1の構成を示しており、(a)は斜視図、(b)は(a)中のA−A線における断面図である。液晶装置1は、スイッチング素子としてTFT素子20(図4)を用いたアクティブマトリクス型の液晶装置であるとともに、OCBモードの液晶装置である。液晶装置1は、枠状のシール剤41を介して対向して貼り合わされた素子基板10及び対向基板30を有している。素子基板10、対向基板30、シール剤41によって囲まれた空間には、スプレイ配向又はベンド配向のいずれの配向状態をもとりうる液晶層40が封入されている。素子基板10は、対向基板30より大きく、一部が対向基板30に対して張り出した状態で貼り合わされている。この張り出した部位には、液晶層40を駆動するためのドライバIC42が実装されている。
<A.液晶装置の構成>
図1は、液晶装置1の構成を示しており、(a)は斜視図、(b)は(a)中のA−A線における断面図である。液晶装置1は、スイッチング素子としてTFT素子20(図4)を用いたアクティブマトリクス型の液晶装置であるとともに、OCBモードの液晶装置である。液晶装置1は、枠状のシール剤41を介して対向して貼り合わされた素子基板10及び対向基板30を有している。素子基板10、対向基板30、シール剤41によって囲まれた空間には、スプレイ配向又はベンド配向のいずれの配向状態をもとりうる液晶層40が封入されている。素子基板10は、対向基板30より大きく、一部が対向基板30に対して張り出した状態で貼り合わされている。この張り出した部位には、液晶層40を駆動するためのドライバIC42が実装されている。
液晶装置1は、液晶層40が封入された表示領域43において表示を行う。液晶層40は、初期的には図2(a)に示すようなスプレイ配向となっており、表示を行う際には、図2(b)に示すようなベンド配向に転移させて使用する。スプレイ配向からベンド配向への転移は、液晶層40に転移電圧を印加することによって行う。ベンド配向においては、液晶層40に含まれる液晶分子40aが弓なりに並んでおり、その弓なり形状の曲がりの度合いを変えることで透過率を変調して表示を行う。
図3は、表示領域43の拡大平面図である。この図に示すように、液晶装置1は、赤、緑、青に対応した画素44R,44G,44B(以下では、対応する色を区別しない場合には単に画素44とも呼ぶ)を多数有している。画素44は、マトリクス状に配置されており、ある列に配置される画素44の色は全て同一である。すなわち、画素44は、対応する色がストライプ状に並ぶように配置されている。隣り合う画素44の間の領域には、遮光層34が形成されている。換言すれば、遮光層34に囲まれた領域が1つの画素44の占める領域となる。また、行方向に並んだ隣り合う3つの画素44R,44G,44Bからなる画素群が、表示の最小単位(ピクセル)となる。液晶装置1は、各画素群において、画素44R,44G,44Bの輝度バランスを調節することによって、種々の色の表示を行うことができる。
<B.等価回路>
図4は、液晶装置1の表示領域43における各種素子、配線等の等価回路図である。表示領域43においては、複数のゲート線12と複数のソース線14とが交差するように形成されている。画素44は、ゲート線12とソース線14との交差に対応して設けられており、画素44ごとに画素電極16が形成されている。また、ゲート線12に沿って、容量線15が形成されており、画素電極16と容量線15との間に補助容量15aが形成されている。
図4は、液晶装置1の表示領域43における各種素子、配線等の等価回路図である。表示領域43においては、複数のゲート線12と複数のソース線14とが交差するように形成されている。画素44は、ゲート線12とソース線14との交差に対応して設けられており、画素44ごとに画素電極16が形成されている。また、ゲート線12に沿って、容量線15が形成されており、画素電極16と容量線15との間に補助容量15aが形成されている。
ゲート線12とソース線14との交差に対応する位置には、画素電極16への通電制御を行うための、スイッチング素子としてのTFT素子20が画素44ごとに形成されている。TFT素子20のソース端子には、ソース線14が電気的に接続されている。TFT素子20のゲート端子には、ゲート線12が電気的に接続されている。TFT素子20のドレイン端子には、画素電極16が電気的に接続されている。
<C.画素構造>
図5は、画素44の構成を示す平面図である。この図は、画素44を対向基板30側から、より詳しくは対向基板30の法線方向から見た図である。本明細書では、対向基板30の法線方向から見ることを「平面視」とも呼ぶ。図6は、図5中のB−B線における断面図である。図7は、図5中のC−C線における断面図である。図8は、図5中のD−D線における断面図である。以下では、図5から図8を参照して、液晶装置1のうち、画素44及びその周辺部の構成について説明する。
図5は、画素44の構成を示す平面図である。この図は、画素44を対向基板30側から、より詳しくは対向基板30の法線方向から見た図である。本明細書では、対向基板30の法線方向から見ることを「平面視」とも呼ぶ。図6は、図5中のB−B線における断面図である。図7は、図5中のC−C線における断面図である。図8は、図5中のD−D線における断面図である。以下では、図5から図8を参照して、液晶装置1のうち、画素44及びその周辺部の構成について説明する。
図6から図8に示すように、素子基板10は、第1の基板としての基板11を基体として構成される。基板11としては、ガラス基板や石英基板等を用いることができる。基板11の液晶層40側には、ゲート線12と容量線15が形成されている。基板11と、ゲート線12及び容量線15との間には、さらに酸化シリコン(SiO2)等からなる絶縁層が設けられていてもよい。ゲート線12の上層には、酸化シリコン(SiO2)等からなる層間絶縁層23を挟んで半導体層20aが形成されている。半導体層20aは、例えばアモルファスシリコンやポリシリコン等から構成することができる。また、半導体層20aに一部が重なる状態で、ソース電極20sとドレイン電極20dが形成されている。ソース電極20sは、ソース線14(図5)と一体で形成することができる。半導体層20a、ソース電極20s、ドレイン電極20d、ゲート線12等からTFT素子20が構成される。ゲート線12は、TFT素子20のゲート電極20gの役割を兼ねる。ゲート線12(ゲート電極20g)、ソース電極20s、ドレイン電極20d、ソース線14、容量線15は、例えば、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの、あるいは導電性ポリシリコン等から構成することができる。
TFT素子20の上層には、酸化シリコン(SiO2)等からなる層間絶縁層24を挟んで転移防止電極13が形成されている(図7)。転移防止電極13は、例えば透光性を有するITO(Indium Tin Oxide)を用いて構成することができる。転移防止電極13は、層間絶縁層23,24を貫通して設けられたコンタクトホール22(図7)を介してゲート線12に電気的に接続されている。転移防止電極13の平面的な配置位置については後述する。
転移防止電極13の上層には、酸化シリコン(SiO2)等からなる層間絶縁層25を挟んでITOからなる画素電極16が形成されている。画素電極16は、層間絶縁層24,25を貫通して設けられたコンタクトホール21を介してTFT素子20のドレイン電極20dに電気的に接続されている。画素電極16及びドレイン電極20dは、一部が容量線15と対向しており、容量線15との間で補助容量15a(図4)を構成する。画素電極16上には、ポリイミドからなる配向膜19が形成されている。素子基板10は、基板11から配向膜19までの要素により構成される。
対向基板30は、第2の基板としての基板31を基体として構成される。基板31は、基板11に対向して配置されている。基板31としては、ガラス基板や石英基板等を用いることができる。基板31の液晶層40側には、カラーフィルタ32が形成されている。カラーフィルタ32は、赤、緑、青の各色に対応する3種の色要素を含んで構成され、これらの色要素はそれぞれ画素44R,44G,44Bに配置されている。また、カラーフィルタ32と同一の層には、遮光性を有する樹脂からなる遮光層34が形成されている。遮光層34は、平面視で隣り合う画素電極16の間の領域を覆う位置に形成されており、当該領域からの光漏れを防止して表示のコントラストを向上させる役割を果たす。
カラーフィルタ32上には、ITOからなる共通電極36が形成されている。共通電極36は、表示領域43(図1)の略全体にわたって形成されている。共通電極36上には、ポリイミドからなる配向膜39が形成されている。対向基板30は、基板31から配向膜39までの要素により構成される。
素子基板10と対向基板30との間には、上述のように液晶層40が配置されている。素子基板10の配向膜19及び対向基板30の配向膜39は、いずれも平面視でソース線14に沿う方向(図5における縦方向)にラビング処理がなされている。これにより、液晶層40に含まれる液晶分子40a(図2)は、電圧非印加時にはソース線14に沿う方向に配向する。したがって、液晶層40は電圧非印加時には平行配向となっている。液晶層40には、一般的なネマチック液晶を用いることができる。例えば、液晶層40の厚さは5μm、液晶分子40aのΔnは0.15とすることができる。なお、ラビングの方向は、必要に応じて変更することができ、例えばゲート線12に沿った方向としてもよい。
素子基板10の外側には偏光板46が、また対向基板30の外側には偏光板47が、それぞれ配置されている。偏光板46,47の透過軸は、相互に略直交するように配置されるとともに、配向膜19,39のラビング処理の方向(すなわちソース線14の延在方向)と略45度の角度をなすように配置されている。偏光板47と対向基板30との間には、位相差板48が配置されている。位相差板48としては、λ/4板、又はλ/2板及びλ/4板を組み合わせたものを用いることができる。さらに、偏光板46と素子基板10との間、及び偏光板47と対向基板30との間の少なくとも一方に、必要に応じて光学補償フィルムを配置してもよい。この光学補償フィルムとしては、屈折率異方性が負のディスコティック液晶分子等をハイブリッド配向させてなる負の一軸性媒体(例えば、富士写真フィルム製のWVフィルム)、屈折率異方性が正のネマチック液晶分子等をハイブリッド配向させてなる正の一軸性媒体(例えば、新日本石油製のNHフィルム)等を使用可能であり、また負の一軸性媒体と正の一軸性媒体とを組み合わせて使用することも可能である。その他、各方向の屈折率がnx>ny>nzとなる二軸性媒体や、負のC−Plate等を使用してもよい。
さらに、偏光板46の外側には、光源、リフレクタ、導光板等を有するバックライト(不図示)が設置されている。
図5に戻り、上記の構成要素のうち、素子基板10に含まれる要素の平面的な配置について説明する。複数のゲート線12は、互いに並行するように配置されており、複数のソース線14も、互いに並行するように配置されている。ゲート線12とソース線14とは、平面視で互いに交差するように配置され、本実施形態では略直交するように配置されている。
画素電極16は、ソース線14に沿って延在する第1の辺16aと、ゲート線12に沿って延在する第2の辺16bとを有して形成されている。また、画素電極16は、隣り合う2本のゲート線12と隣り合う2本のソース線14とによって囲まれた領域に配置されている。ここで、第1の辺16aは、第2の辺16bより長くなっている。第1の辺16aの長さは、例えば200μmとすることができ、第2の辺16bの長さは、例えば70μmとすることができる。
転移防止電極13は、平面視で画素電極16と重ならない領域の少なくとも一部を含む領域に形成されている。また、転移防止電極13は、第1の辺16aに沿った領域に少なくとも形成されており、本実施形態では、画素電極間領域(平面視で隣り合う画素電極16の辺に挟まれた領域)のうち第1の辺16aに沿う部分の略全体に形成されている。より詳しくは、転移防止電極13は、一の画素電極16の第1の辺16aと、当該画素電極16に隣り合う画素電極16の第1の辺16aとによって挟まれた領域の略全体にわたって形成されている。さらに、転移防止電極13は、平面視で画素電極16に一部が重なっている。転移防止電極13と画素電極16とが重なる領域のうち、第1の辺16aに直交する方向についての幅w(図5、図8)は、約5μmである。また、転移防止電極13は、複数の画素44のうち互いに隣り合う2つの画素44の間の領域ごとに形成されている。よって、画素電極間領域のうち第1の辺16aに沿った領域には、いずれも転移防止電極13が形成されている。第1の辺16aは、第2の辺16bより長いため、転移防止電極13が第1の辺16aに沿った領域に配置される上記構成によれば、画素電極間領域のより広い範囲に転移防止電極13を配置することができる。
<D.転移動作>
以上の構成を有する液晶装置1は、次のように動作させることによって、液晶層40をスプレイ配向からベンド配向へ転移させることができる。
以上の構成を有する液晶装置1は、次のように動作させることによって、液晶層40をスプレイ配向からベンド配向へ転移させることができる。
まず、第1の工程では、ゲート線12と画素電極16との間に転移電圧を印加する。この転移電圧は、例えば10〜15V程度の交流の矩形波とすることができ、印加時間は例えば0.5秒とする。この工程は、ゲート線12へ転移のための信号を印加するとともに、TFT素子20をオン状態とした状態でソース線14に転移のための信号を印加することで当該信号を画素電極16へ供給することにより行われる。
ゲート線12と画素電極16との間に上記転移電圧が印加されると、ゲート線12と画素電極16との間に電界が生じる。液晶層40の液晶分子40a(図2)は、この電界の方向に沿って配向方向を変え、一部がベンド配向に転移する。こうして、ゲート線12と画素電極16との間、又はその近傍の領域に、ベンド配向の転移核が発生する。すなわち、画素電極16の第2の辺16bの近傍に転移核が発生する。
ここで、ゲート線12は、転移防止電極13に電気的に接続されているので、ゲート線12に印加される信号は転移防止電極13にも印加される。よって、上記転移電圧は、転移防止電極13と画素電極16との間にも印加される。このため、転移防止電極13と画素電極16との間にも電界が生じ、この結果、転移防止電極13と画素電極16との間、又はその近傍の領域にも、ベンド配向の転移核が発生する。すなわち、本実施形態のように転移防止電極13を配置することにより、画素電極16の第1の辺16aの近傍及び第2の辺16bの近傍のいずれにも転移核を発生させることができる。
続く第2の工程では、画素電極16と共通電極36との間に転移電圧を印加する。この転移電圧は、例えば5Vの交流の矩形波とすることができる。この工程においては、画素電極16上の液晶層40に、基板11の法線方向の成分を有する電界(縦電界)が生じる。この電界により画素電極16上の広い範囲で液晶分子40aが駆動される。この結果、第1の工程において発生した転移核を起点として、ベンド配向領域が画素電極16上に広がっていく。以上の工程を経て、液晶層40をスプレイ配向からベンド配向へ転移させることができる。
<E.表示動作>
続いて、液晶層40をベンド配向へ転移させた後の表示動作について説明する。
続いて、液晶層40をベンド配向へ転移させた後の表示動作について説明する。
図4に示すように、各ゲート線12には、走査信号G1,G2,…,Gnが供給される。また、各ソース線14には、画像信号S1,S2,…,Smが供給される。図9は、このうち各ゲート線12に印加される走査信号G1,G2,…,Gnの波形を示す図である。走査信号G1,G2,…,Gnは、1フレーム期間Fの間に一度ずつ、期間Pにおいて選択電位をとる。あるタイミングで選択電位となるゲート線12は1つだけであり、また全てのゲート線12が一定の期間をおいて順次選択電位となって、1フレーム期間Fにつき1回ずつ選択される。
ゲート線12が選択電位となると、当該ゲート線12に接続されたTFT素子20がオン状態となる。TFT素子20がオン状態となっている期間においては、ソース線14に供給された画像信号S1,S2,…,Smが、TFT素子20を介して画素電極16に印加される(図4)。画素電極16に印加された所定のレベルの画像信号S1,S2,…,Smと、共通電極36(図6)の共通電位COM(図10)とで定まる電圧が駆動電圧となり、液晶層40に印加される。上記駆動電圧は、液晶層40の容量及び補助容量15aにより一定時間保持される。液晶層40に駆動電圧が印加されると、印加された電圧レベルに応じて液晶分子40aの配向状態が変化する。これによって、液晶層40に入射された光が変調されて階調表示が可能となる。
ここで、ゲート線12は転移防止電極13と電気的に接続されているため、走査信号G1,G2,…,Gnは、転移防止電極13にも印加される。このため、転移防止電極13と共通電極36との間には、走査信号G1,G2,…,Gnと共通電位COMとで定まる転移防止電圧が印加される。転移防止電極13は、図5に示すように、画素電極間領域のうち第1の辺16aに沿う部分の略全体に形成されている。したがって、画素電極間領域のうち第1の辺16aに沿う部分の略全体に、上記転移防止電圧が印加される。
図10は、転移防止電極13に印加される走査信号Gnの波形と、共通電極36の共通電位COMの波形とを示す図である。この図に示すように、走査信号Gnは、期間P又は期間Q(図9)においては選択電位となり、期間P,Q以外の期間においては非選択電位となる。そして、共通電位COMは、走査信号Gnの選択電位と非選択電位の中間電位に設定されている。よって、走査信号Gnと共通電位COMとの電位差は、走査信号Gnが選択電位となるか非選択電位となるかによらず、常にVdで一定となる。したがって、転移防止電極13と共通電極36との間に印加される転移防止電圧の実効値は常に一定である。
ここで、転移防止電圧の実効値は、液晶層40がベンド配向を維持するための臨界電圧より大きくなるように設定される。そのためには、例えば走査信号Gnの電位と、共通電位COMの電位との差が所定の値以上となるように走査信号Gnの電位を調整すればよい。転移防止電圧が臨界電圧より大きいため、転移防止電極13上に配置された液晶層40は、常にベンド配向状態に維持される。したがって、本実施形態では、画素電極間領域のうち第1の辺16aに沿う部分の略全体の領域において、液晶層40がベンド配向状態に維持される。ここで、液晶層40に含まれる液晶分子40aは、隣り合う液晶分子40aの配向状態と同じ配向状態をとろうとする性質がある。このため、画素電極間領域の液晶層40がベンド配向となっている場合には、その影響により、画素電極16上の液晶層40もベンド配向状態を維持しやすくなる。この結果、画素電極16上の液晶層40において、ベンド配向を保つための臨界電圧を低くすることができる。
なお、転移防止電圧は走査信号Gnと共通電位COMとで決まり、画像信号Smとは無関係である。このため、画素電極16上の液晶層40に印加される駆動電圧の大きさに関わらず、画素電極間領域の液晶層40をベンド配向状態に維持させることができる。
また、転移防止電極13は、画素44ごとに形成されているため、各画素44の近傍の画素電極間領域において、液晶層40をベンド配向状態に維持することができる。これにより、スプレイ配向への逆転移の起こりにくさが各画素44間で均一となり、ひいては各画素44における臨界電圧を均一にすることができる。
次に、画素電極16と共通電極36との間に印加される駆動電圧と、表示との関係について説明する。図11は、駆動電圧と、画素44における透過率との関係を示すグラフである。この図に示すように、駆動電圧が低い場合には透過率が高くなり、白表示が行われる。また、駆動電圧が高くなるにつれて透過率が低下していき、駆動電圧を所定の値まで上げた場合に黒表示が行われる。このような液晶モードは、ノーマリーホワイトモードと呼ばれる。
ここで、透過率は、所定の電圧範囲内においては、駆動電圧が低くなるほど向上する。しかしながら、駆動電圧が臨界電圧を下回ると、液晶層40がスプレイ配向に逆転移してしまうため、駆動電圧を臨界電圧以下に下げることは適切でない。図11における電圧V1は、転移防止電極13をもたない従来の構成の液晶装置における臨界電圧を示している。したがって、臨界電圧V1に対応する透過率T1が、従来の液晶装置における最大の透過率である。一方、本実施形態の液晶装置1は、上記したように転移防止電極13上の液晶層40が常にベンド配向となっているため、臨界電圧が低くなっている。図11における電圧V2は、本実施形態の液晶装置1における臨界電圧を示している。V2は、V1より低い電圧である。したがって、液晶装置1においては、臨界電圧V2に対応する透過率T2が最大の透過率である。透過率T2は、透過率T1より高くなっている。このように、液晶装置1は、臨界電圧がV2に低減されているため、より低い駆動電圧を用いて表示を行うことができる。これにより、白表示の輝度を向上させることができ、ひいては表示のコントラストを向上させることができる。
また、スプレイ配向への逆転移をより起こりにくくするために、液晶装置1では、表示動作とは別に、1フレーム期間Fごとに黒表示を挿入している。以下これについて詳述する。まず、図9に示すように、走査信号G1,G2,…,Gnは、期間Pとは異なる期間Qにおいて、一度に選択電位となる。期間Qでは、TFT素子20がオン状態となり、画素電極16には黒表示に対応する画像信号S1,S2,…,Smが印加される。この結果、全ての画素電極16上の液晶層40に対して、黒表示に対応する駆動電圧が印加される。ここで、液晶装置1はノーマリーホワイトモードであるので、黒表示に対応する駆動電圧は臨界電圧より大きな電圧である。このため、液晶層40はベンド配向状態を維持する方向の作用を受け、スプレイ配向への逆転移が起こりにくくなる。このように黒表示を挿入する表示方式は、擬似インパルス表示方式と呼ばれる。
以上のように、転移防止電極13を備えた液晶装置1によれば、画素電極間領域の液晶層40をベンド配向状態に維持することができ、臨界電圧を低くすることができる。その際、新たなTFT素子等を必要とせず、表示動作時において転移防止電極13上の液晶層40にも自動的に転移防止電圧が印加される構成となっている。このため、ドライバIC42(図1(a))の構成を複雑にすることなく、また少ない消費電力で、輝度向上やコントラスト向上等の効果を得ることができる。
(第2の実施形態)
続いて、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、転移防止電極13の平面視での配置位置及び電気的な接続が第1の実施形態と異なり、その他の点は第1の実施形態と同様である。
続いて、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、転移防止電極13の平面視での配置位置及び電気的な接続が第1の実施形態と異なり、その他の点は第1の実施形態と同様である。
図12は、本実施形態に係る液晶装置1における画素44の構成を示す平面図である。転移防止電極13は、第1の実施形態と同様に、画素電極間領域のうち第1の辺16aに沿う部分の略全体に形成されている。また、転移防止電極13は、平面視で画素電極16に一部が重なっているとともに、複数の画素44のうち互いに隣り合う2つの画素44の間の領域ごとに形成されている。
また、転移防止電極13は、コンタクトホール22を介してゲート線12に電気的に接続されている。ここで、ある画素電極16と、当該画素電極16の第1の辺16aに沿った領域に形成された転移防止電極13とは、互いに異なるゲート線12に電気的に接続されている。すなわち、ある画素電極16は、2つの第2の辺16bに沿って延在する2本のゲート線12のうちの一方に、TFT素子20を介して電気的に接続されており、当該画素電極16の第1の辺16aに沿って形成された転移防止電極13は、上記2本のゲート線12のうちの他方に、コンタクトホール22を介して電気的に接続されている。このような構成によれば、画素電極16の電位と、当該画素電極16の第1の辺16aに沿って形成された転移防止電極13の電位とが、表示駆動上、互いに独立したものとなる。このため、画素電極16と転移防止電極13との間の電気的な干渉による駆動上の影響を抑制することができる。また、画素電極16と転移防止電極13との重なりによって寄生容量が生じたとしても、表示に与える影響を低く抑えることができる。
(第3の実施形態)
続いて、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、転移防止電極13の平面視での形状及び配置位置が第1の実施形態と異なり、その他の点は第1の実施形態と同様である。
続いて、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、転移防止電極13の平面視での形状及び配置位置が第1の実施形態と異なり、その他の点は第1の実施形態と同様である。
図13は、本実施形態に係る液晶装置1における画素44の構成を示す平面図である。転移防止電極13は、平面視で画素電極16と重ならない領域の少なくとも一部を含む領域に形成されている。また、転移防止電極13は、第1の辺16aに沿った領域に形成されており、かつ第2の辺16bに沿った領域にも形成されている。より詳しくは、画素電極間領域のうち第1の辺16aに沿う部分の略全体と、第2の辺16bに沿う部分の略全体とにわたって形成されている。すなわち、転移防止電極13は、一の画素電極16の第1の辺16aと、当該画素電極16に隣り合う画素電極16の第1の辺16aとによって挟まれた領域全体にわたって形成されているとともに、一の画素電極16の第2の辺16bと、当該画素電極16に隣り合う画素電極16の第2の辺16bとによって挟まれた領域全体にわたって形成されている。さらに、転移防止電極13は、平面視で画素電極16に一部が重なっている。また、転移防止電極13は、画素44ごとに形成されている。転移防止電極13のうち、第1の辺16aに沿って形成された部分と第2の辺16bに沿って形成された部分とは、一繋がりに形成されている。したがって、各転移防止電極13はL字型をなしている。
このような構成によれば、画素電極間領域のうち、第1の辺16aに沿った領域及び第2の辺16bに沿った領域の液晶層40をベンド配向状態に維持することができる。すなわち、画素電極間領域の略全域において液晶層40をベンド配向状態に維持することができる。このため、画素電極16上の液晶層40は、周囲を常にベンド配向領域で囲まれた状態となるため、ベンド配向状態を維持しやすい。よって、臨界電圧をより大きく低減させることができる。
なお、第3の実施形態は、第2の実施形態と組み合わせて実施することもできる。すなわち、ある画素電極16と、当該画素電極16の辺に沿って形成された転移防止電極13とを、互いに異なるゲート線12に電気的に接続するようにしてもよい。このような構成によれば、画素電極16と転移防止電極13との間の電気的な干渉による駆動上の影響を抑制することができる。
(電子機器)
上述した液晶装置1は、例えば、携帯電話機等の電子機器に搭載して用いることができる。図15は、電子機器としての携帯電話機100の斜視図である。携帯電話機100は、表示部110及び操作ボタン120を有している。表示部110は、内部に組み込まれた液晶装置1によって、操作ボタン120で入力した内容や着信情報を始めとする様々な情報について表示を行うことができる。携帯電話機100は、搭載する液晶装置1においてスプレイ配向への逆転移が生じにくいことに起因して、高品位な表示を行うことができる。
上述した液晶装置1は、例えば、携帯電話機等の電子機器に搭載して用いることができる。図15は、電子機器としての携帯電話機100の斜視図である。携帯電話機100は、表示部110及び操作ボタン120を有している。表示部110は、内部に組み込まれた液晶装置1によって、操作ボタン120で入力した内容や着信情報を始めとする様々な情報について表示を行うことができる。携帯電話機100は、搭載する液晶装置1においてスプレイ配向への逆転移が生じにくいことに起因して、高品位な表示を行うことができる。
なお、液晶装置1は、上記携帯電話機100の他、モバイルコンピュータ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、車載機器、オーディオ機器などの各種電子機器に用いることができる。また、液晶装置1は、プロジェクタ等の投写型表示装置にライトバルブとして組み込んで用いることができる。
以上、種々の実施形態について説明したが、上記実施形態に対しては、例えば以下のような変形を加えることが可能である。
(変形例1)
画素電極16の第1の辺16a、第2の辺16b、ゲート線12、ソース線14、転移防止電極13のうち少なくとも1つは屈曲部を有していてもよい。この屈曲部は、例えばV字状又は矩形状とすることができる。図14は、第1の辺16aにV字状の屈曲部をもたせるとともに、ソース線14及び転移防止電極13のうち上記屈曲部に沿う部分をV字状に屈曲させた画素44を示す平面図である。このような構成によれば、転移動作時において屈曲部近傍にベンド配向の転移核が生じやすくなる。このため、より低い転移電圧で、あるいはより短時間に、ベンド配向への転移を行うことができる。
画素電極16の第1の辺16a、第2の辺16b、ゲート線12、ソース線14、転移防止電極13のうち少なくとも1つは屈曲部を有していてもよい。この屈曲部は、例えばV字状又は矩形状とすることができる。図14は、第1の辺16aにV字状の屈曲部をもたせるとともに、ソース線14及び転移防止電極13のうち上記屈曲部に沿う部分をV字状に屈曲させた画素44を示す平面図である。このような構成によれば、転移動作時において屈曲部近傍にベンド配向の転移核が生じやすくなる。このため、より低い転移電圧で、あるいはより短時間に、ベンド配向への転移を行うことができる。
(変形例2)
上記実施形態は、転移防止電極13の効果により臨界電圧を低くするとともに擬似インパルス表示方式による黒表示挿入を行い、白表示電圧を低くして白表示の輝度を向上させる構成であるが、これに限定する趣旨ではない。転移防止電極13の効果により臨界電圧を低減させつつ、白表示電圧を臨界電圧に対して多少余裕をもたせて高い電圧に設定すれば、擬似インパルス表示方式による黒表示挿入を行わない構成か、又は黒挿入の頻度を低減させる構成とすることもできる。白表示電圧が臨界電圧に対して余裕をもって高く設定されているため、黒表示挿入の頻度が低下しても画素電極16上の液晶層40をベンド配向状態に維持することができる。このような構成によれば、黒表示挿入による画質低下を抑制することが可能となる。
上記実施形態は、転移防止電極13の効果により臨界電圧を低くするとともに擬似インパルス表示方式による黒表示挿入を行い、白表示電圧を低くして白表示の輝度を向上させる構成であるが、これに限定する趣旨ではない。転移防止電極13の効果により臨界電圧を低減させつつ、白表示電圧を臨界電圧に対して多少余裕をもたせて高い電圧に設定すれば、擬似インパルス表示方式による黒表示挿入を行わない構成か、又は黒挿入の頻度を低減させる構成とすることもできる。白表示電圧が臨界電圧に対して余裕をもって高く設定されているため、黒表示挿入の頻度が低下しても画素電極16上の液晶層40をベンド配向状態に維持することができる。このような構成によれば、黒表示挿入による画質低下を抑制することが可能となる。
(変形例3)
上記実施形態の構成においては、液晶層40の厚さ、すなわち素子基板10と対向基板30との間隔を小さくすることができる。液晶層40の厚さが小さくなると、図11の電圧−透過率曲線が低電圧側にシフトする。これは、白表示の輝度が低下する方向である。しかしながら、転移防止電極13の効果により臨界電圧がV2に低減されているため、白表示の輝度低下を抑制しつつ液晶層40の厚さを小さくすることができる。液晶層40の厚さを低減することにより、表示の応答速度を向上させることができる。
上記実施形態の構成においては、液晶層40の厚さ、すなわち素子基板10と対向基板30との間隔を小さくすることができる。液晶層40の厚さが小さくなると、図11の電圧−透過率曲線が低電圧側にシフトする。これは、白表示の輝度が低下する方向である。しかしながら、転移防止電極13の効果により臨界電圧がV2に低減されているため、白表示の輝度低下を抑制しつつ液晶層40の厚さを小さくすることができる。液晶層40の厚さを低減することにより、表示の応答速度を向上させることができる。
(変形例4)
上記実施形態では、画素電極間領域のうち第1の辺16aに沿う部分の略全体に転移防止電極13が配置されているが、第1の辺16aに沿う部分の一部にのみ配置される構成であってもよい。あるいは、画素電極間領域のうち第2の辺16bに沿う部分の一部にのみ配置される構成であってもよい。このような構成においても、転移防止電極13の配置領域においてはベンド配向状態が維持されるため、臨界電圧を低くすることができる。
上記実施形態では、画素電極間領域のうち第1の辺16aに沿う部分の略全体に転移防止電極13が配置されているが、第1の辺16aに沿う部分の一部にのみ配置される構成であってもよい。あるいは、画素電極間領域のうち第2の辺16bに沿う部分の一部にのみ配置される構成であってもよい。このような構成においても、転移防止電極13の配置領域においてはベンド配向状態が維持されるため、臨界電圧を低くすることができる。
(変形例5)
転移防止電極13は、平面視で画素電極16との重なりがないように形成してもよい。例えば、転移防止電極13は、画素電極16の第1の辺16a又は第2の辺16bから5μm程度離れた領域に形成してもよい。このような構成においても、転移防止電極13の配置領域においてはベンド配向状態が維持されるため、臨界電圧を低くすることができる。
転移防止電極13は、平面視で画素電極16との重なりがないように形成してもよい。例えば、転移防止電極13は、画素電極16の第1の辺16a又は第2の辺16bから5μm程度離れた領域に形成してもよい。このような構成においても、転移防止電極13の配置領域においてはベンド配向状態が維持されるため、臨界電圧を低くすることができる。
(変形例6)
転移防止電極13は、ITO以外の導電性材料を用いて構成してもよく、例えば、アルミニウム(Al)、又はAPC(銀、パラジウム、銅の合金)から構成することができる。あるいは、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの、あるいは導電性ポリシリコン等から構成することもできる。転移防止電極13を遮光性部材によって構成した場合には、転移防止電極13によって画素44の間から漏れる光を遮光することができ、表示のコントラストを向上させることができる。
転移防止電極13は、ITO以外の導電性材料を用いて構成してもよく、例えば、アルミニウム(Al)、又はAPC(銀、パラジウム、銅の合金)から構成することができる。あるいは、チタン(Ti)、クロム(Cr)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)等の高融点金属のうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、これらを積層したもの、あるいは導電性ポリシリコン等から構成することもできる。転移防止電極13を遮光性部材によって構成した場合には、転移防止電極13によって画素44の間から漏れる光を遮光することができ、表示のコントラストを向上させることができる。
(変形例7)
上記実施形態では、スイッチング素子として3端子のTFT素子20を用いているが、これに代えて、2端子のTFD(Thin Film Diode)素子を用いてもよい。
上記実施形態では、スイッチング素子として3端子のTFT素子20を用いているが、これに代えて、2端子のTFD(Thin Film Diode)素子を用いてもよい。
1…液晶装置、10…素子基板、11…第1の基板、12…ゲート線、13…転移防止電極、14…ソース線、15…容量線、16…画素電極、16a…第1の辺、16b…第2の辺、19,39…配向膜、20…スイッチング素子としてのTFT素子、21,22…コンタクトホール、30…対向基板、31…第2の基板、32…カラーフィルタ、34…遮光層、36…共通電極、40…液晶層、40a…液晶分子、43…表示領域、44…画素、46,47…偏光板、48…位相差板、100…電子機器としての携帯電話機。
Claims (10)
- 複数の画素を有する液晶装置であって、
第1の基板と、
前記第1の基板に対向して配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に配置された、スプレイ配向又はベンド配向のいずれの配向状態をもとりうる液晶層と、
前記第1の基板の前記液晶層側に形成された複数のゲート線と、
前記第1の基板の前記液晶層側に、平面視で前記ゲート線に交差するように形成された複数のソース線と、
前記第1の基板の前記液晶層側に、前記ゲート線と前記ソース線との交差に対応して前記画素ごとに形成されたスイッチング素子と、
前記第1の基板の前記液晶層側に前記画素ごとに形成され、前記スイッチング素子に電気的に接続された画素電極と、
前記第1の基板の前記液晶層側のうち平面視で前記画素電極と重ならない領域の少なくとも一部を含む領域に形成され、前記ゲート線に電気的に接続された転移防止電極と、
前記第2の基板の前記液晶層側に形成された共通電極と、を備えることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1に記載の液晶装置であって、
前記画素電極は、前記ソース線に沿って延在する第1の辺を有しており、
前記転移防止電極は、前記第1の辺に沿った領域に形成されていることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1又は2に記載の液晶装置であって、
前記転移防止電極は前記複数の画素のうち互いに隣り合う2つの前記画素の間の領域ごとに形成されていることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の液晶装置であって、
一の前記画素電極と、当該画素電極の前記第1の辺に沿った領域に形成された前記転移防止電極とは、互いに異なる前記ゲート線に電気的に接続されていることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の液晶装置であって、
表示動作時において前記転移防止電極と前記共通電極との間に印加される電圧は、前記液晶層が前記ベンド配向を維持するための臨界電圧より大きいことを特徴とする液晶装置。 - 請求項2から5のいずれか一項に記載の液晶装置であって、
前記画素電極は、前記ゲート線に沿って延在する第2の辺を有しており、
前記転移防止電極は、前記第1の辺に沿った領域及び前記第2の辺に沿った領域に形成されていることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の液晶装置であって、
前記転移防止電極は、平面視で前記画素電極に一部が重なっていることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載の液晶装置であって、
前記画素電極の前記第1の辺又は前記第2の辺、前記ゲート線、前記ソース線、前記転移防止電極のうち少なくとも1つは屈曲部を有していることを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から8のいずれか一項に記載の液晶装置であって、
液晶モードがノーマリーホワイトモードであり、
表示動作時において、前記画素は、各フレーム期間の少なくとも一部の期間で黒表示を行うことを特徴とする液晶装置。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載の液晶装置を備えることを特徴とする電子機器。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009157470A1 (ja) | 2008-06-24 | 2009-12-30 | 昭和電工株式会社 | ロータの製造方法 |
-
2007
- 2007-08-21 JP JP2007214452A patent/JP2009047963A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009157470A1 (ja) | 2008-06-24 | 2009-12-30 | 昭和電工株式会社 | ロータの製造方法 |
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