JP2004191860A - 分散補償器 - Google Patents
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Abstract
【課題】3次分散とゼロ分散波長を独立に制御可能な分散補償器を提供すること。
【解決手段】屈折率変調の周期が一定のチャープ量で互いに逆向きに連続的に変化するファイバグレーティング2、6それぞれ形成した第1光ファイバ1と第2光ファイバ5を使用し、ファイバグレーティング2、6の分散を制御するために行う加熱を、ファイバ長さ方向に沿って2次関数状または1次関数状の温度分布を得るように、それぞれ櫛型電極3a、7aの幅寸法を設定したヒータ3、7を用いて行うので、ヒータ制御部9から櫛型電極3a、7aに印加する温度を制御することにより、2次分散値と3次分散値、または3次分散値と0分散波長を独立に制御することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】屈折率変調の周期が一定のチャープ量で互いに逆向きに連続的に変化するファイバグレーティング2、6それぞれ形成した第1光ファイバ1と第2光ファイバ5を使用し、ファイバグレーティング2、6の分散を制御するために行う加熱を、ファイバ長さ方向に沿って2次関数状または1次関数状の温度分布を得るように、それぞれ櫛型電極3a、7aの幅寸法を設定したヒータ3、7を用いて行うので、ヒータ制御部9から櫛型電極3a、7aに印加する温度を制御することにより、2次分散値と3次分散値、または3次分散値と0分散波長を独立に制御することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長分散の補償技術に関し、特に光ファイバ通信に用いられる波長分散補償器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ファイバ通信の光加入者系への導入がすすめられている。低伝送損失である1.5ミクロン帯の光を用いる場合、波長分散があるため、伝送速度が高速になるに従って分散を補償する必要がある。分散補償ファイバや、分散シフトファイバを用いれば波長分散を補償することができるが、多くの場合補償できるのは2次の分散であり、3次の分散(分散スロープ)やさらに高次の分散が残留してしまう。より高速な光通信や、超短パルスを用いる場合はこれらの3次分散(分散スロープ)が伝送距離を制限してしまい、2次分散のみならず3次分散も補償する必要がある。
【0003】
光ファイバのコア中へ回折格子を形成するファイバ回折格子(ファイバグレーティング)は、ある波長の光を反射する特徴を持ち、光ファイバの長軸方向に向かって回折格子の周期を変化させた回折格子(チャープ回折格子またはチャープファイバグレーティング)を形成することで、光の波長により反射位置が異なる特徴を持った素子を構成することができる。この特性を利用したコンパクトな分散補償器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図3は従来の分散補償器の概略構成を示している。図3において、光ファイバ31のコア部には、光ファイバ31の長軸方向に向かって回折格子の周期を変化させたファイバグレーティング32が形成されている。光ファイバ31は、基板33上に載置固定される。基板33上には多数のヒータ電極34が光ファイバ31の長手方向に沿って等間隔に形成され、その上に光ファイバ31が載置されている。基板33上のヒータ電極34は、それぞれヒータ制御部35に接続されて、光ファイバ31ひいてはファイバグレーティング32に印加する温度をコントロールする。
【0005】
上記のように構成された分散補償器の動作について説明する。光ファイバ31の入出力端31aから入射した光は、ファイバグレーティング32で反射される。この時、光は、ファイバグレーティング32のチャープ量によって決まる分散が与えられ、分散の大きさが入射した光の分散量と大きさが等しく符号が逆の場合、分散は補償されて、光ファイバ31の入出力端31aから出射される。ファイバグレーティング32にヒータ電極34で温度が印加されると、ファイバグレーティング32は膨張し、格子の屈折率や周期が変わるため、分散の大きさが変化する。温度の印加がない場合、ファイバグレーティング32の群遅延特性は、波長に対し直線状の特性となり、2次分散のみを持つ。多数あるヒータ電極34の温度を1次関数状に分布をつけると群遅延曲線の傾きが変わり、2次の分散を変化させることができ、温度を2次関数状に分布をつけると、群遅延曲線は2次関数状の曲線となり、3次の分散値を変化させることができる。従って、各ヒータ電極34の温度を制御することにより、2次分散値および3次分散値をコントロールすることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−196159号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の分散補償器では、多数あるヒータ電極を個々に独立に制御する必要があるため、ヒータ制御部の回路構成が複雑になり、より小型化、低コスト化することが難しいという問題があった。ヒータ電極の個数が少ないと群遅延曲線の曲線上にリップルが生じ、補償の精度が悪くなってしまう。また、従来例では、2次分散と3次分散とをそれぞれ可変にすることができるものの、2次分散を0にして3次分散値のみを可変にすることはできなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するのものであり、2次分散値と3次分散値を独立に可変することができる小型で低コストの分散補償器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の分散補償器は、屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に変化したファイバグレーティングを有する光ファイバと、前記光ファイバを固定する基板と、前記基板上に前記光ファイバに接するように配置されて、前記光ファイバの長手方向に沿ってその中心付近で対称な2次関数状にそれぞれの幅寸法を分布させた櫛型電極を有するヒータと、前記ヒータに供給する電源を制御するヒータ制御部とを備えたものである。この構成により、櫛型電極によりファイバグレーティングに印加する温度を2次関数状に分布させることができ、群遅延曲線は2次関数状の曲線となり、3次の分散値を変化させることができる。
【0010】
また、本発明の分散補償器は、屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に変化したファイバグレーティングを有する光ファイバと、前記光ファイバを固定する基板と、前記基板上に前記光ファイバに接するように配置されて、前記光ファイバの長手方向に沿ってその一端から他端に向かって1次関数状にそれぞれの幅寸法を分布させた櫛型電極を有するヒータと、前記ヒータに供給する電源を制御するヒータ制御部とを備えたものである。この構成により、櫛型電極によりファイバグレーティングに印加する温度を1次関数状に分布させることができ、群遅延曲線は直線となり、2次の分散値を変化させることができる。
【0011】
また、本発明の分散補償器は、屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に変化したファイバグレーティングを有する第1の光ファイバと、前記第1の光ファイバを固定する基板と、前記基板上に前記第1の光ファイバに接するように配置されて、前記第1の光ファイバの長手方向に沿ってその中心付近で対称な2次関数状にそれぞれの幅寸法を分布させた櫛型電極を有する第1のヒータと、屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に変化したファイバグレーティングを有する第2の光ファイバと、前記第2の光ファイバを固定する基板上に前記第2の光ファイバに接するように配置されて、前記第2の光ファイバの長手方向に沿ってその一端から他端に向かって1次関数状にそれぞれの幅寸法を分布させた櫛型電極を有する第2のヒータと、前記第1のヒータおよび第2のヒータに並列に接続されて供給する電源を制御するヒータ制御部と、前記第1の光ファイバおよび第2の光ファイバに対し光信号の授受を行う4端子の光サーキュレータとを備え、前記光サーキュレータの第3端子に前記第1の光ファイバの入出力端が接続され、前記光サーキュレータの第4端子に前記第2の光ファイバの入出力端が接続されていることを特徴とする。この構成により、2個の櫛形電極の電流値をコントロールすることで、2次分散値もしくは0分散波長と3次分散値とをそれぞれ独立に可変に制御し、可変分散補償することができる。
【0012】
また、本発明の分散補償器は、前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバのそれぞれのファイバグレーティングの屈折率変調の周期が、互いにチャープ量が等しく、かつチャープの向きが逆となるように設定されていることを特徴とする。この構成により、2個の櫛形電極の電流値をコントロールすることで、2次分散値もしくは0分散波長と3次分散値とをそれぞれ独立に可変に制御し、可変分散補償することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1(a)は本発明の実施の形態における分散補償器の概略構成を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のb−b線に沿う断面図、図1(c)は図1(a)の第1ヒータの部分拡大図を示している。図1において、第1光ファイバ1のコア部にはファイバグレーティング2が形成されている。このファイバグレーティング2は、第1光ファイバ1の長手方向に沿って屈折率変調の周期が一定のチャープ量で減少するように連続的に変化している。第1光ファイバ1は、石英、ガラスなどのセラミックまたはポリイミドなどの樹脂材料からなる第1基板4上に載置固定される。第1基板4の第1光ファイバ1が載置される部分には、第1光ファイバ1の長手方向に沿って、幅寸法がその中心付近で対称な2次関数状に分布した、すなわち幅寸法が中心付近から両端側に向かって漸次減少する多数の櫛型電極3aを有する第1ヒータ3が形成されている。櫛型電極3aは、図1(b)および(c)に示すように、第1光ファイバ1の下で櫛型電極3aどうしが連結しており、それぞれの両側部に連結電極3b、3cを有する。第1ヒータ3は、金属蒸着または印刷により第1基板4上に形成される。
【0014】
一方、コア部にファイバグレーティング6が形成された第2光ファイバ5は、第1基板4と同じ材料、大きさに形成された第2基板8上に載置固定されている。このファイバグレーティング6は、第2光ファイバ5の長手方向に沿って屈折率変調の周期が一定のチャープ量で増加するように連続的に変化している。すなわち、第1光ファイバ1および第2光ファイバ5のそれぞれのファイバグレーティング2、6の屈折率変調の周期は、互いにチャープ量が等しく、かつチャープの向きが逆となるように設定されている。第2基板8の第2光ファイバ5が載置される部分には、第2光ファイバ5の長手方向に沿ってその入出力端5aから他端側に向かって幅寸法が漸次1次関数状に増大するように形成された多数の櫛型電極7aを有する第2ヒータ7が形成されている。櫛型電極7aは、櫛型電極3aと同様に、第2光ファイバ5の下で互いに連結されており、それぞれの両側部に連結電極7b、7cを有している。第2ヒータ7は、第1ヒータ3と同様に、金属蒸着または印刷により第2基板8上に形成される。
【0015】
第1ヒータ3の連結電極3bと第2ヒータ7の連結電極7bとは、それぞれヒータ制御部9に接続され、第1ヒータ3の連結電極3cと第2ヒータ7の連結電極7cとは、それぞれ接地されている。したがって、第1ヒータ3および第2ヒータ7は、ヒータ制御部9から並列に電源電流を供給され、その電流値を制御される。また、第1光ファイバ1の入出力端1aは、4端子の光サーキュレータ10の第3端子10cに接続され、第2光ファイバ5の入出力端5aは、光サーキュレータ10の第4端子10dに接続される。光サーキュレータ10の第1端子10aには分散補償前の光信号が入力され、第2端子10bからは分散補償後の光信号が出力される。
【0016】
次に、上記のように構成された分散補償器の動作について説明する。波長分散した光は、光サーキュレータ10の第1端子10aから第3端子10cを経て第1光ファイバ1の入出力端1aから入射してファイバグレーティング2を通過する。ファイバグレーティング2のグレーティングすなわち回折格子は屈折率変調の周期(グレーティングピッチ)が一定のチャープ量で連続的に減少している。入射した光は、このファイバグレーティング2で分散を受けて反射され、再び第1光ファイバ1の入出力端1aから出射され、光サーキュレータ10の第3端子10cを経て第4端子10dから出射し、他方の第2光ファイバ5の入出力端5aから入射してファイバグレーティング6を通過する。ファイバグレーティング6のグレーティングすなわち回折格子は屈折率変調の周期(グレーティングピッチ)が一定のチャープ量で連続的に増加している。入射した光は、ここでもファイバグレーティング6の分散を受けて反射され、入出力端6aから出射し、再度光サーキュレータ10の第4端子10dに入射した後に第2端子10bから出力される。したがって、光サーキュレータ10の第1端子10aに入射した光は、ファイバグレーティング2と6の両方の分散を受けて第2端子10bから出力される。
【0017】
ここで図2を用いて、本実施の形態における分散補償特性について説明する。図2(a)は第1光ファイバ1のファイバグレーティング2の群遅延特性を示したものである。第1ヒータ3により温度を印加しない場合は、ファイバグレーティング2のチャープ量により直線11のような群遅延特性を示すものとする。他方、図2(b)はファイバグレーティング6の群遅延特性を示したものである。こちらも第2ヒータ7による温度印加がない場合は、直線13のような群遅延特性を示すものとする。ファイバグレーティング2と6のグレーティングのチャープ量は同じでチャープの向きが逆とすると、群遅延特性直線11と13の傾きの大きさは等しくなる。したがって、ファイバグレーティング2と6の両方を通ると群遅延曲線は図2(c)の直線15のように0分散となる。ここで第1ヒータ3に電流を通してファイバグレーティング2に温度を印加する。第1ヒータ3の櫛型電極3aの各電極の幅は、ファイバ長手方向の中心位置から対称に2次関数状に減少するように形成してあるので、ファイバグレーティング2に印加される温度分布は、図2(d)の曲線19のような2次関数状を呈することになる。図2(d)の直線18は温度印加していない場合の温度分布である。このような分布の温度印加によって、グレーティング2の周期が微小に広くなるため波長がシフトし、群遅延特性は図2(a)の曲線12のように変化する。したがって、温度印加されたファイバグレーティング2と温度印加されないファイバグレーティング6とを合わせた分散補償機全体の群遅延特性は、図2(c)の曲線16(=曲線12+直線13)のようになり、λ1を0分散波長とした3次分散を補償する群遅延特性が得られることになる。
【0018】
一方、第2ヒータ7の櫛型電極7aの各電極の幅は、ファイバ長手方向に沿って1次関数状に増加するように形成してあるので、ファイバグレーティング6に印加される温度分布は、図2(e)の直線21のようなファイバ長手方向に沿って1次関数状に増加することになる。図2(e)の直線20は温度印加していない場合の温度分布である。このような分布の温度印加によって、グレーティング6の周期がファイバ長手方向に沿って微小に狭くなるため、群遅延特性は図2(b)の直線14のように変化する。したがって、温度印加されたファイバグレーティング2と6とを合わせた分散補償機全体の群遅延特性は図2(c)の曲線17(=曲線12+直線14)のようになり、λ2を0分散波長とした3次分散を補償する群遅延特性が得られることになる。この場合、ゼロ分散波長はλ1からλ2へシフトするが、3次分散値の大きさ(分散曲線のカーブの形)は変わらない。
【0019】
この結果、第2ヒータ7の温度を変えることにより3次分散値を、第1ヒータ3の温度を変えることによりゼロ分散波長を変えることができるので、ヒータ制御部9でそれぞれのヒータの櫛型電極3a、7aの電流値を制御することで、3次分散値と0分散波長をコントロールし、可変の分散補償が可能となる。
【0020】
このように、本実施の形態によれば、屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に減少しているファイバグレーティング2を形成した第1光ファイバ1と、屈折率変調の周期が光ファイバ1と同じ一定のチャープ量で向きが逆に連続的に増加しているファイバグレーティング6を形成した第2光ファイバ5とを使用し、ファイバグレーティング2に櫛型電極3aによりファイバ長手方向の中心位置から対称に2次関数状に減少する温度分布の温度を印加し、ファイバグレーティング6に櫛型電極7aによりファイバ長手方向に沿って1次関数状に増加する温度分布の温度を印加し、ヒータ制御部9によりファイバグレーティング6の印加電流を変えることで3次分散値を変化させ、ファイバグレーティング2の印加電流を変えることで0分波長または2次分散値を変化させることができる。また、本実施の形態によれば、ファイバ回折格子を曲げる必要もないので偏波の依存性もなく、安定性にも優れる。
【0021】
なお、本実施の形態では、光ファイバを2個用いて、それぞれに形状の異なるヒータを設けたが、いずれか一方の光ファイバだけを用いても、ある程度の分散のコントロールが可能である。例えば第1光ファイバ1のみの場合は、ファイバグレーティング2のチャープ量で決まる2次分散量に可変できる3次分散量が加わることになる。また、第2光ファイバ5のみの場合は、ファイバグレーティング6のチャープ量できまる2次分散量に可変部分として温度でコントロールされる2次分散量が加わることになる。
【0022】
また、本実施の形態では、ファイバグレーティング2と6のチャープ量を同じ大きさとしたが、異なる大きさでもかまわない。チャープ量が大きく異なる場合は、0分散波長が制御する波長帯域から外れることがあり、3次分散量と0分散波長の制御というよりも、3次分散量と2次分散量をそれぞれ制御することになる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、チャープファイバグレーティングの分散を制御するために行う加熱を、ファイバ長さ方向に沿って2次関数状または1次関数状の温度分布を得るように幅寸法を設定した櫛型ヒータを用いて行うので、この櫛型ヒータに印加する温度を制御することにより、2次分散値と3次分散値、もしくは3次分散値と0分散波長を独立にコントロールすることができる。このため、従来のような多数のヒータ部分を制御する必要がなく、よりコンパクトで、低コストな分散補償器を実現することができ、その実用的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態における分散補償器の概略構成を示す平面図
(b)(a)におけるb−b線に沿う断面図
(c)(a)における第1ヒータの部分拡大図
【図2】本発明の実施の形態における各ファイバグレーティングの群遅延特性およびファイバ回折格子の長手方向における温度分布を模式的に示した特性図
【図3】従来例における分散補償器の概略構成を示す平面図
【符号の説明】
1 第1光ファイバ
1a 入出力端
2 ファイバグレーティング
3 第1ヒータ
3a 櫛型電極
3b、3c 連結電極
4 第1基板
5 第2光ファイバ
5a 入出力端
6 ファイバグレーティング
7 第2ヒータ
7a 櫛型電極
7b、7c 連結電極
8 第2基板
9 ヒータ制御部
10 光サーキュレータ
10a 第1端子
10b 第2端子
10c 第3端子
10d 第4端子
31 光ファイバ
32 ファイバグレーティング
33 基板
34 ヒータ電極
35 ヒータ制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長分散の補償技術に関し、特に光ファイバ通信に用いられる波長分散補償器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ファイバ通信の光加入者系への導入がすすめられている。低伝送損失である1.5ミクロン帯の光を用いる場合、波長分散があるため、伝送速度が高速になるに従って分散を補償する必要がある。分散補償ファイバや、分散シフトファイバを用いれば波長分散を補償することができるが、多くの場合補償できるのは2次の分散であり、3次の分散(分散スロープ)やさらに高次の分散が残留してしまう。より高速な光通信や、超短パルスを用いる場合はこれらの3次分散(分散スロープ)が伝送距離を制限してしまい、2次分散のみならず3次分散も補償する必要がある。
【0003】
光ファイバのコア中へ回折格子を形成するファイバ回折格子(ファイバグレーティング)は、ある波長の光を反射する特徴を持ち、光ファイバの長軸方向に向かって回折格子の周期を変化させた回折格子(チャープ回折格子またはチャープファイバグレーティング)を形成することで、光の波長により反射位置が異なる特徴を持った素子を構成することができる。この特性を利用したコンパクトな分散補償器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図3は従来の分散補償器の概略構成を示している。図3において、光ファイバ31のコア部には、光ファイバ31の長軸方向に向かって回折格子の周期を変化させたファイバグレーティング32が形成されている。光ファイバ31は、基板33上に載置固定される。基板33上には多数のヒータ電極34が光ファイバ31の長手方向に沿って等間隔に形成され、その上に光ファイバ31が載置されている。基板33上のヒータ電極34は、それぞれヒータ制御部35に接続されて、光ファイバ31ひいてはファイバグレーティング32に印加する温度をコントロールする。
【0005】
上記のように構成された分散補償器の動作について説明する。光ファイバ31の入出力端31aから入射した光は、ファイバグレーティング32で反射される。この時、光は、ファイバグレーティング32のチャープ量によって決まる分散が与えられ、分散の大きさが入射した光の分散量と大きさが等しく符号が逆の場合、分散は補償されて、光ファイバ31の入出力端31aから出射される。ファイバグレーティング32にヒータ電極34で温度が印加されると、ファイバグレーティング32は膨張し、格子の屈折率や周期が変わるため、分散の大きさが変化する。温度の印加がない場合、ファイバグレーティング32の群遅延特性は、波長に対し直線状の特性となり、2次分散のみを持つ。多数あるヒータ電極34の温度を1次関数状に分布をつけると群遅延曲線の傾きが変わり、2次の分散を変化させることができ、温度を2次関数状に分布をつけると、群遅延曲線は2次関数状の曲線となり、3次の分散値を変化させることができる。従って、各ヒータ電極34の温度を制御することにより、2次分散値および3次分散値をコントロールすることができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−196159号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の分散補償器では、多数あるヒータ電極を個々に独立に制御する必要があるため、ヒータ制御部の回路構成が複雑になり、より小型化、低コスト化することが難しいという問題があった。ヒータ電極の個数が少ないと群遅延曲線の曲線上にリップルが生じ、補償の精度が悪くなってしまう。また、従来例では、2次分散と3次分散とをそれぞれ可変にすることができるものの、2次分散を0にして3次分散値のみを可変にすることはできなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するのものであり、2次分散値と3次分散値を独立に可変することができる小型で低コストの分散補償器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の分散補償器は、屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に変化したファイバグレーティングを有する光ファイバと、前記光ファイバを固定する基板と、前記基板上に前記光ファイバに接するように配置されて、前記光ファイバの長手方向に沿ってその中心付近で対称な2次関数状にそれぞれの幅寸法を分布させた櫛型電極を有するヒータと、前記ヒータに供給する電源を制御するヒータ制御部とを備えたものである。この構成により、櫛型電極によりファイバグレーティングに印加する温度を2次関数状に分布させることができ、群遅延曲線は2次関数状の曲線となり、3次の分散値を変化させることができる。
【0010】
また、本発明の分散補償器は、屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に変化したファイバグレーティングを有する光ファイバと、前記光ファイバを固定する基板と、前記基板上に前記光ファイバに接するように配置されて、前記光ファイバの長手方向に沿ってその一端から他端に向かって1次関数状にそれぞれの幅寸法を分布させた櫛型電極を有するヒータと、前記ヒータに供給する電源を制御するヒータ制御部とを備えたものである。この構成により、櫛型電極によりファイバグレーティングに印加する温度を1次関数状に分布させることができ、群遅延曲線は直線となり、2次の分散値を変化させることができる。
【0011】
また、本発明の分散補償器は、屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に変化したファイバグレーティングを有する第1の光ファイバと、前記第1の光ファイバを固定する基板と、前記基板上に前記第1の光ファイバに接するように配置されて、前記第1の光ファイバの長手方向に沿ってその中心付近で対称な2次関数状にそれぞれの幅寸法を分布させた櫛型電極を有する第1のヒータと、屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に変化したファイバグレーティングを有する第2の光ファイバと、前記第2の光ファイバを固定する基板上に前記第2の光ファイバに接するように配置されて、前記第2の光ファイバの長手方向に沿ってその一端から他端に向かって1次関数状にそれぞれの幅寸法を分布させた櫛型電極を有する第2のヒータと、前記第1のヒータおよび第2のヒータに並列に接続されて供給する電源を制御するヒータ制御部と、前記第1の光ファイバおよび第2の光ファイバに対し光信号の授受を行う4端子の光サーキュレータとを備え、前記光サーキュレータの第3端子に前記第1の光ファイバの入出力端が接続され、前記光サーキュレータの第4端子に前記第2の光ファイバの入出力端が接続されていることを特徴とする。この構成により、2個の櫛形電極の電流値をコントロールすることで、2次分散値もしくは0分散波長と3次分散値とをそれぞれ独立に可変に制御し、可変分散補償することができる。
【0012】
また、本発明の分散補償器は、前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバのそれぞれのファイバグレーティングの屈折率変調の周期が、互いにチャープ量が等しく、かつチャープの向きが逆となるように設定されていることを特徴とする。この構成により、2個の櫛形電極の電流値をコントロールすることで、2次分散値もしくは0分散波長と3次分散値とをそれぞれ独立に可変に制御し、可変分散補償することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1(a)は本発明の実施の形態における分散補償器の概略構成を示す平面図であり、図1(b)は図1(a)のb−b線に沿う断面図、図1(c)は図1(a)の第1ヒータの部分拡大図を示している。図1において、第1光ファイバ1のコア部にはファイバグレーティング2が形成されている。このファイバグレーティング2は、第1光ファイバ1の長手方向に沿って屈折率変調の周期が一定のチャープ量で減少するように連続的に変化している。第1光ファイバ1は、石英、ガラスなどのセラミックまたはポリイミドなどの樹脂材料からなる第1基板4上に載置固定される。第1基板4の第1光ファイバ1が載置される部分には、第1光ファイバ1の長手方向に沿って、幅寸法がその中心付近で対称な2次関数状に分布した、すなわち幅寸法が中心付近から両端側に向かって漸次減少する多数の櫛型電極3aを有する第1ヒータ3が形成されている。櫛型電極3aは、図1(b)および(c)に示すように、第1光ファイバ1の下で櫛型電極3aどうしが連結しており、それぞれの両側部に連結電極3b、3cを有する。第1ヒータ3は、金属蒸着または印刷により第1基板4上に形成される。
【0014】
一方、コア部にファイバグレーティング6が形成された第2光ファイバ5は、第1基板4と同じ材料、大きさに形成された第2基板8上に載置固定されている。このファイバグレーティング6は、第2光ファイバ5の長手方向に沿って屈折率変調の周期が一定のチャープ量で増加するように連続的に変化している。すなわち、第1光ファイバ1および第2光ファイバ5のそれぞれのファイバグレーティング2、6の屈折率変調の周期は、互いにチャープ量が等しく、かつチャープの向きが逆となるように設定されている。第2基板8の第2光ファイバ5が載置される部分には、第2光ファイバ5の長手方向に沿ってその入出力端5aから他端側に向かって幅寸法が漸次1次関数状に増大するように形成された多数の櫛型電極7aを有する第2ヒータ7が形成されている。櫛型電極7aは、櫛型電極3aと同様に、第2光ファイバ5の下で互いに連結されており、それぞれの両側部に連結電極7b、7cを有している。第2ヒータ7は、第1ヒータ3と同様に、金属蒸着または印刷により第2基板8上に形成される。
【0015】
第1ヒータ3の連結電極3bと第2ヒータ7の連結電極7bとは、それぞれヒータ制御部9に接続され、第1ヒータ3の連結電極3cと第2ヒータ7の連結電極7cとは、それぞれ接地されている。したがって、第1ヒータ3および第2ヒータ7は、ヒータ制御部9から並列に電源電流を供給され、その電流値を制御される。また、第1光ファイバ1の入出力端1aは、4端子の光サーキュレータ10の第3端子10cに接続され、第2光ファイバ5の入出力端5aは、光サーキュレータ10の第4端子10dに接続される。光サーキュレータ10の第1端子10aには分散補償前の光信号が入力され、第2端子10bからは分散補償後の光信号が出力される。
【0016】
次に、上記のように構成された分散補償器の動作について説明する。波長分散した光は、光サーキュレータ10の第1端子10aから第3端子10cを経て第1光ファイバ1の入出力端1aから入射してファイバグレーティング2を通過する。ファイバグレーティング2のグレーティングすなわち回折格子は屈折率変調の周期(グレーティングピッチ)が一定のチャープ量で連続的に減少している。入射した光は、このファイバグレーティング2で分散を受けて反射され、再び第1光ファイバ1の入出力端1aから出射され、光サーキュレータ10の第3端子10cを経て第4端子10dから出射し、他方の第2光ファイバ5の入出力端5aから入射してファイバグレーティング6を通過する。ファイバグレーティング6のグレーティングすなわち回折格子は屈折率変調の周期(グレーティングピッチ)が一定のチャープ量で連続的に増加している。入射した光は、ここでもファイバグレーティング6の分散を受けて反射され、入出力端6aから出射し、再度光サーキュレータ10の第4端子10dに入射した後に第2端子10bから出力される。したがって、光サーキュレータ10の第1端子10aに入射した光は、ファイバグレーティング2と6の両方の分散を受けて第2端子10bから出力される。
【0017】
ここで図2を用いて、本実施の形態における分散補償特性について説明する。図2(a)は第1光ファイバ1のファイバグレーティング2の群遅延特性を示したものである。第1ヒータ3により温度を印加しない場合は、ファイバグレーティング2のチャープ量により直線11のような群遅延特性を示すものとする。他方、図2(b)はファイバグレーティング6の群遅延特性を示したものである。こちらも第2ヒータ7による温度印加がない場合は、直線13のような群遅延特性を示すものとする。ファイバグレーティング2と6のグレーティングのチャープ量は同じでチャープの向きが逆とすると、群遅延特性直線11と13の傾きの大きさは等しくなる。したがって、ファイバグレーティング2と6の両方を通ると群遅延曲線は図2(c)の直線15のように0分散となる。ここで第1ヒータ3に電流を通してファイバグレーティング2に温度を印加する。第1ヒータ3の櫛型電極3aの各電極の幅は、ファイバ長手方向の中心位置から対称に2次関数状に減少するように形成してあるので、ファイバグレーティング2に印加される温度分布は、図2(d)の曲線19のような2次関数状を呈することになる。図2(d)の直線18は温度印加していない場合の温度分布である。このような分布の温度印加によって、グレーティング2の周期が微小に広くなるため波長がシフトし、群遅延特性は図2(a)の曲線12のように変化する。したがって、温度印加されたファイバグレーティング2と温度印加されないファイバグレーティング6とを合わせた分散補償機全体の群遅延特性は、図2(c)の曲線16(=曲線12+直線13)のようになり、λ1を0分散波長とした3次分散を補償する群遅延特性が得られることになる。
【0018】
一方、第2ヒータ7の櫛型電極7aの各電極の幅は、ファイバ長手方向に沿って1次関数状に増加するように形成してあるので、ファイバグレーティング6に印加される温度分布は、図2(e)の直線21のようなファイバ長手方向に沿って1次関数状に増加することになる。図2(e)の直線20は温度印加していない場合の温度分布である。このような分布の温度印加によって、グレーティング6の周期がファイバ長手方向に沿って微小に狭くなるため、群遅延特性は図2(b)の直線14のように変化する。したがって、温度印加されたファイバグレーティング2と6とを合わせた分散補償機全体の群遅延特性は図2(c)の曲線17(=曲線12+直線14)のようになり、λ2を0分散波長とした3次分散を補償する群遅延特性が得られることになる。この場合、ゼロ分散波長はλ1からλ2へシフトするが、3次分散値の大きさ(分散曲線のカーブの形)は変わらない。
【0019】
この結果、第2ヒータ7の温度を変えることにより3次分散値を、第1ヒータ3の温度を変えることによりゼロ分散波長を変えることができるので、ヒータ制御部9でそれぞれのヒータの櫛型電極3a、7aの電流値を制御することで、3次分散値と0分散波長をコントロールし、可変の分散補償が可能となる。
【0020】
このように、本実施の形態によれば、屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に減少しているファイバグレーティング2を形成した第1光ファイバ1と、屈折率変調の周期が光ファイバ1と同じ一定のチャープ量で向きが逆に連続的に増加しているファイバグレーティング6を形成した第2光ファイバ5とを使用し、ファイバグレーティング2に櫛型電極3aによりファイバ長手方向の中心位置から対称に2次関数状に減少する温度分布の温度を印加し、ファイバグレーティング6に櫛型電極7aによりファイバ長手方向に沿って1次関数状に増加する温度分布の温度を印加し、ヒータ制御部9によりファイバグレーティング6の印加電流を変えることで3次分散値を変化させ、ファイバグレーティング2の印加電流を変えることで0分波長または2次分散値を変化させることができる。また、本実施の形態によれば、ファイバ回折格子を曲げる必要もないので偏波の依存性もなく、安定性にも優れる。
【0021】
なお、本実施の形態では、光ファイバを2個用いて、それぞれに形状の異なるヒータを設けたが、いずれか一方の光ファイバだけを用いても、ある程度の分散のコントロールが可能である。例えば第1光ファイバ1のみの場合は、ファイバグレーティング2のチャープ量で決まる2次分散量に可変できる3次分散量が加わることになる。また、第2光ファイバ5のみの場合は、ファイバグレーティング6のチャープ量できまる2次分散量に可変部分として温度でコントロールされる2次分散量が加わることになる。
【0022】
また、本実施の形態では、ファイバグレーティング2と6のチャープ量を同じ大きさとしたが、異なる大きさでもかまわない。チャープ量が大きく異なる場合は、0分散波長が制御する波長帯域から外れることがあり、3次分散量と0分散波長の制御というよりも、3次分散量と2次分散量をそれぞれ制御することになる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、チャープファイバグレーティングの分散を制御するために行う加熱を、ファイバ長さ方向に沿って2次関数状または1次関数状の温度分布を得るように幅寸法を設定した櫛型ヒータを用いて行うので、この櫛型ヒータに印加する温度を制御することにより、2次分散値と3次分散値、もしくは3次分散値と0分散波長を独立にコントロールすることができる。このため、従来のような多数のヒータ部分を制御する必要がなく、よりコンパクトで、低コストな分散補償器を実現することができ、その実用的効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明の実施の形態における分散補償器の概略構成を示す平面図
(b)(a)におけるb−b線に沿う断面図
(c)(a)における第1ヒータの部分拡大図
【図2】本発明の実施の形態における各ファイバグレーティングの群遅延特性およびファイバ回折格子の長手方向における温度分布を模式的に示した特性図
【図3】従来例における分散補償器の概略構成を示す平面図
【符号の説明】
1 第1光ファイバ
1a 入出力端
2 ファイバグレーティング
3 第1ヒータ
3a 櫛型電極
3b、3c 連結電極
4 第1基板
5 第2光ファイバ
5a 入出力端
6 ファイバグレーティング
7 第2ヒータ
7a 櫛型電極
7b、7c 連結電極
8 第2基板
9 ヒータ制御部
10 光サーキュレータ
10a 第1端子
10b 第2端子
10c 第3端子
10d 第4端子
31 光ファイバ
32 ファイバグレーティング
33 基板
34 ヒータ電極
35 ヒータ制御部
Claims (4)
- 屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に変化したファイバグレーティングを有する光ファイバと、前記光ファイバを固定する基板と、前記基板上に前記光ファイバに接するように配置されて、前記光ファイバの長手方向に沿ってその中心付近で対称な2次関数状にそれぞれの幅寸法を分布させた櫛型電極を有するヒータと、前記ヒータに供給する電源を制御するヒータ制御部とを備えた分散補償器。
- 屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に変化したファイバグレーティングを有する光ファイバと、前記光ファイバを固定する基板と、前記基板上に前記光ファイバに接するように配置されて、前記光ファイバの長手方向に沿ってその一端から他端に向かって1次関数状にそれぞれの幅寸法を分布させた櫛型電極を有するヒータと、前記ヒータに供給する電源を制御するヒータ制御部とを備えた分散補償器。
- 屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に変化したファイバグレーティングを有する第1の光ファイバと、前記第1の光ファイバを固定する基板と、前記基板上に前記第1の光ファイバに接するように配置されて、前記第1の光ファイバの長手方向に沿ってその中心付近で対称な2次関数状にそれぞれの幅寸法を分布させた櫛型電極を有する第1のヒータと、
屈折率変調の周期が一定のチャープ量で連続的に変化したファイバグレーティングを有する第2の光ファイバと、前記第2の光ファイバを固定する基板上に前記第2の光ファイバに接するように配置されて、前記第2の光ファイバの長手方向に沿ってその一端から他端に向かって1次関数状にそれぞれの幅寸法を分布させた櫛型電極を有する第2のヒータと、
前記第1のヒータおよび第2のヒータに並列に接続されて供給する電源を制御するヒータ制御部と、
前記第1の光ファイバおよび第2の光ファイバに対し光信号の授受を行う4端子の光サーキュレータとを備え、
前記光サーキュレータの第3端子に前記第1の光ファイバの入出力端が接続され、前記光サーキュレータの第4端子に前記第2の光ファイバの入出力端が接続されていることを特徴とする分散補償器。 - 前記第1の光ファイバおよび前記第2の光ファイバのそれぞれのファイバグレーティングの屈折率変調の周期が、互いにチャープ量が等しく、かつチャープの向きが逆となるように設定されていることを特徴とする請求項3記載の分散補償器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002362689A JP2004191860A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 分散補償器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002362689A JP2004191860A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 分散補償器 |
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JP2004191860A true JP2004191860A (ja) | 2004-07-08 |
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ID=32761064
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002362689A Withdrawn JP2004191860A (ja) | 2002-12-13 | 2002-12-13 | 分散補償器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004191860A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010016386A (ja) * | 2008-07-07 | 2010-01-21 | Ofs Fitel Llc | ファイバ伸張器およびモジュール |
CN107765362A (zh) * | 2017-11-27 | 2018-03-06 | 电子科技大学 | 一种基于石墨烯的电光可调d型啁啾光纤光栅 |
CN110320590A (zh) * | 2019-05-17 | 2019-10-11 | 浙江工业大学 | 一种机械制啁啾长周期光纤光栅的制作方法 |
-
2002
- 2002-12-13 JP JP2002362689A patent/JP2004191860A/ja not_active Withdrawn
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CN107765362A (zh) * | 2017-11-27 | 2018-03-06 | 电子科技大学 | 一种基于石墨烯的电光可调d型啁啾光纤光栅 |
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