JP2004191267A - 位置検出装置 - Google Patents

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Kinichi Ogawa
欣一 小川
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Abstract

【課題】強い振動や埃等の付着があっても、移動量を正確に検出する。
【解決手段】スケール部材及びイメージ検出手段を相対移動させて移動体の移動位置を検出する。イメージ検出手段はスケール部材に向かって光を照射する光照射部材及びスケール部材からの光に検出する所定数の画素が移動体の移動方向に配列されてスケール部材のイメージデータを出力するイメージセンサからなる。スケール部材には所定の画素数からなる多数の絶対値目盛を、イメージセンサが常に少なくとも1個の絶対値目盛を検出可能な間隔をおいて設けると共に各絶対値目盛を識別するための絶対値識別部を設ける。イメージセンサにより検出された絶対値識別部から識別された絶対値目盛数に絶対値目盛の相互間隔を乗算した値に、イメージセンサの画素方向中心から絶対値目盛の中心に至る画素数に画素ピッチを乗算した値を加減算して移動体の移動位置を画素ピッチに一致する分解能で計測する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、例えばサーボモータを閉ループ制御する際に移動体の移動位置を絶対値で検出する位置検出装置に関する。
【0002】
【従来技術】
サーボモータを閉ループ制御する際に移動体の移動位置(移動量)を検出する位置検出装置として、例えば非特許文献1に示す、所謂リニアエンコーダが一般に知られている。
このリニアエンコーダは、サーボモータの回転軸に取付けられるディスクの同心位置に多数の光透過部及び光非透過部を交互に設け、ディスクの一方側から照射される光が光透過部を通過してディスクの他方側に設けられた光受光部に受光される際に出力される電気信号によりディスクの回転量(回転角)に応じた移動体の移動位置(移動量)を検出している。
【0003】
【非特許文献1】
大塚 二郎著「位置決め設計特集」日経BP社 2002年10月号 No.577
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記したリニアエンコーダ形式の位置検出装置にあっては、以下の点において問題を有している。
(1).上記したリニアエンコーダにあっては、格子ピッチ移動毎に得られる正弦波的な変化を電気的に、例えば400等分して分解能を高めているため、急激な光量の変化がそのまま誤った位置を出力することになる。
【0005】
位置検出装置を搭載した機械の動作時に振動が発生する、得にプレス機に搭載する材料送り装置においては、プレス機からの振動も加わることで位置検出装置自体が大きく振動すると、ランプとスケールやレンズと受光素子の距離が変化して受光量の変化になり、微小な受光量の変化で位置を検出する方法では使用できないと共に付着する微小な埃によっても光量が変化しやすく、慎重な取り扱いが要求されている。
【0006】
(2).上記したリニアエンコーダにあっては、スリットピッチ毎の相対位置を検出するものであり、機械の始動時には別の基準位置検出器により基準位置を検出した後に始めて通常の動作に移行している。また、一般に使用される同期式モータにおいては、始動時に基準位置へ戻すには更に磁極検出器を装着する必要があり、高コストする要因になっている。
【0007】
本発明は、上記した従来の欠点を解決するために発明されたもので、その課題とする処は、強い振動が発生する場所に設けられる場合であっても、振動による誤動作を少なくして移動体の移動量を確実に検出することができる位置検出装置
を提供することにある。
【0008】
本発明の他の課題は、防塵が困難なリニアエンコーダにあっても、埃により受光量が数10%減少した際の誤動作を低減し、長期にわたって安定して位置検出を行うことができる位置検出装置を提供することにある。
【0009】
本発明の他の課題は、モータの磁極検出器や基準位置検出器を省いた構成で移動体の移動量を絶対値で検出することができる位置検出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スケール部材及びイメージ検出手段を相対移動させて移動体の移動位置を検出する位置検出装置のイメージ検出手段はスケール部材に向かって光を照射する光照射部材及びスケール部材からの光に検出する所定数の画素が移動体の移動方向に配列されてスケール部材のイメージデータを出力するイメージセンサからなる。スケール部材には所定の画素数からなる多数の絶対値目盛を、イメージセンサが常に少なくとも1個の絶対値目盛を検出可能な間隔をおいて設けると共に各絶対値目盛を識別するための絶対値識別部を設ける。イメージセンサにより検出された絶対値識別部から識別された絶対値目盛数に絶対値目盛の相互間隔を乗算した値に、イメージセンサの画素方向中心から絶対値目盛の中心に至る画素数に画素ピッチを乗算した値を加減算して移動体の移動位置を画素ピッチに一致する分解能で計測することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施形態】
以下に実施形態を示す図に従って本発明を説明する。
図1〜図4において、本体フレーム1には移動体3が長手方向へ所望の距離で往復移動するように支持されると共に移動体3の移動方向に沿って位置検出装置の一部を構成するスケール部材5が取付けられている。
【0012】
該移動体3はサーボモータ(図示せず)及び公知の往復駆動機構(図示せず)により所望の速度及び距離にて往復移動される。
移動体3には位置検出装置の一部を構成するイメージ検出部7が設けられている。該イメージ検出部7はスケール部材5の一面側に配置され、スケール部材5に対して所望の長手方向幅で光を照射する光照射部材7aと、スケール部材5の他面側にて光照射部材7aに相対配置され、所定数の画素を直列状に配列したイメージセンサ7bとから構成される。
【0013】
上記光照射部材7aは、例えばLEDランプ等でイメージセンサ7bの受光効率に優れた波長の光を発光するランプ等からなり、スケール部材5に向かって照射される光は、対物レンズ6によりイメージセンサ7b幅の平行光に形成される。又、上記光照射部材7aは、例えば1msの周期で8μsの間、光を照射するようにパルス状に駆動する。尚、上記したイメージセンサ7bにあっては、例えば後述する例においては、1画素幅:15μm、画素数:512、直線長さ:7.68mmとするが、これに限定されるものではない。
【0014】
スケール部材5には多数の絶対値目盛5aが長手方向に対して所定の間隔で配列される。各絶対値目盛5aとしては、例えばイメージセンサ7bの20画素分の長手方向幅からなるイメージ部としての光透過部からなる。また、長手方向に対する各絶対値目盛5aの配列ピッチとしては、イメージセンサ7bが常に少なくとも1個の絶対値目盛5aを検出する幅、従ってイメージセンサ7bの直線長さより短い幅に設定される。後述する例にあっては、各絶対値目盛5aの相互間隔を4.5mmとするが、これに限定されるものではない。
【0015】
各絶対値目盛5aの両側または絶対値目盛5a相互間に位置するスケール部材5には各絶対値目盛5aの絶対値を示す絶対値識別部5bがそれぞれ設けられる。該絶対値識別部5bとしては、例えばイメージセンサ7bの4画素幅からなるイメージ部としての光透過部及び非イメージ部としての非透過部で、これらを全体で8個設けて8ビットデータ領域として構成する。従って絶対値識別部5bは8ビットデータにより各絶対値目盛5aの絶対値を識別している。
【0016】
これによりスケール部材5は、後述する例においては全体として絶対値目盛5aの相互間隔L:4.5mm×8ビット(256)の長さが測定可能になる。尚、図3は絶対値目盛5a相互間の中間部に、一方の絶対値目盛5aの絶対値を識別するための絶対値識別部5bを設けた例を示す。また、絶対値識別部5bの数は、上記8個に限定されるものではなく、移動体3の移動距離に応じて数を適宜調整すればよい。
【0017】
各絶対値目盛5aの両側(絶対値目盛5aの両側に絶対値識別部5bを設けた例においては、絶対値識別部5bの両側)に位置するスケール部材5には多数の高分解能目盛5cが設けられる。該高分解能目盛5cとしては、例えばイメージセンサ7bの3画素分の長手方向幅からなるイメージ部としての光透過部及び非イメージ部としての光非透過部を多数対配置して構成され、各高分解能目盛5cは上記光透過部及び光非透過部の幅、従って画素6個分に、検出分解能値を加算又は減算した間隔をおいて順次設けられる。
【0018】
次に、位置検出装置の制御手段概略を説明する。
図5において、制御手段41のCPU43にはプログラムメモリ45及び作業メモリ47が設けられ、プログラムメモリ45は後述するようにイメージセンサ7bにより読取られたスケール部材5のイメージデータに基づいて位置検出動作を実行する各種プログラムデータを記憶する。
【0019】
作業メモリ47はイメージセンサ7bから出力されてA/D変換されたイメージデータを順次記憶して出力する、例えばFIFO(First In, First Out)メモリ等のイメージメモリ47a、イメージメモリ47aから出力されたイメージデータを記憶する第1バッファメモリ47b、第1バッファメモリ47bに記憶されたイメージデータに基づいて高分解能目盛5cの数を記憶する第2バッファメモリ47c、イメージセンサ7bの中心画素(長手方向中心)と絶対値目盛5a中心までの画素数に画素ピッチを乗算した演算値を記憶する第1レジスタ47d、絶対値識別部5bにより識別された絶対値目盛5aの数値に絶対値目盛5a相互間の間隔を乗算した演算値と第1レジスタ47dの演算値を加算した演算値を記憶する第2レジスタ47e及び第2レジスタ47eに記憶された演算値に、高分解能目盛5cに基づいて算出された高分解能数値を加算した演算値である検出値を記憶する第3レジスタ47fとにより構成される。
【0020】
CPU43にはイメージセンサ7bがインターフェース49を介して接続される。該イメージセンサ7bは各画素を構成するCCDからの出力信号電圧が予め設定された所定の敷居値電圧以上の場合に電気信号を出力してイメージデータを形成する。
【0021】
次に、移動体3の移動位置の検出作用を説明する。
今、説明の便宜上、上記したように、イメージセンサ7bの画素数:512画素、画素ピッチ:15μm、長手方向幅:7.68mm、スケール部材5における絶対値目盛5aの長手方向幅:20画素幅、絶対値識別部5bの光透過部及び光非透過部の幅:各4画素幅で全体として8画素幅、高分解能目盛5cの光透過部及び光非透過部の幅:各3画素幅、分解能:1μmとし、高分解能目盛5cの相互間隔:91μmとする。但し、これらの値は、あくまで一例であり、これらに限定されるものではない。
【0022】
そして電源投入後の位置検出処理の一例を以下に説明すると、先ず、光照射部材7aを、例えば8μsの間、発光してスケール部材5に光を照射し、この光を受光したイメージセンサ7bからのアナログ信号をA/D変換したイメージデータをイメージメモリ47aに記憶させる。次に、イメージメモリ47aから出力されるイメージデータを第1バッファメモリ47bへ転送する。この間に光照射部材7aにより次の読み取りのための光照射を行い、上記した動作を並行処理する。そして第1バッファメモリ47bからイメージデータを読み出し手移動体3の現在位置検出処理を以下のように行う。
【0023】
即ち、図6及び図7に示すようにステップ61においてイメージセンサ7bにより読み取ったスケール部材5の絶対値目盛5a、絶対値識別部5b及び高分解能目盛5cのイメージデータをイメージメモリ47aへ画素順に記憶させた後、ステップ62においてイメージメモリ47aから画素順に出力されるイメージデータを第1バッファメモリ47bに記憶させる。
【0024】
次に、ステップ63において第1バッファメモリ47bに記憶されたイメージデータに基づいて絶対値目盛5aを検索処理した後、ステップ64において“1”が18個以上連続するイメージデータがあるか否かを判定する。
【0025】
今、イメージデータ中に“1”のデータが18個以上連続していない場合には、イメージセンサ7bが絶対値目盛5aを検出していないと判断してステップ63に戻り、絶対値目盛5aの検索処理を継続する。
【0026】
通常は、イメージセンサ7bの長手方向幅と絶対値目盛5aの間隔が、イメージセンサ7bが常に少なくとも1個の絶対値目盛5aを検出する間隔に設定されているため、上記ステップ64がYESになる。そしてステップ64がYESの時、ステップ65においてイメージセンサ7bの中心画素に近い、“1”の信号が18個以上連続する絶対値目盛5aを選択した後、ステップ66においてイメージセンサ7bの中心画素から検出された絶対値目盛5a中心までの画素数を検出し、該画素数に画素ピッチを乗算した演算値を第2バッファメモリ47cに記憶させる。
【0027】
次に、ステップ67において検出された絶対値目盛5aのイメージデータの両側に位置する絶対値識別部5bのイメージデータに基づいて絶対値目盛5a数を識別し、識別された数値に絶対値目盛5a相互間のピッチを乗算した演算値に、第2バッファメモリ47cに記憶された演算値を加算した演算値を第1レジスタ47dに記憶させる。これにより移動体3の移動位置を画素ピッチである15μmの分解能で検出する。(図8参照)
【0028】
次に、ステップ68において第1バッファメモリ47bに記憶された高分解能目盛5cのイメージデータから光透過部、従って3画素分が“1”になったイメージデータ数を読み出して第2バッファメモリ47cに記憶させる。高分解能目盛5cのイメージデータは、基本的には光透過部及び光非透過部がそれぞれ3画素分、全体として6画素分であるが、高分解能目盛5c自体、上記した6画素分の幅に、分解能である1μmを加算(または減算)した間隔で配列されるため、絶対値目盛5a相互は絶対値目盛5aの中心から遠ざかるに従って上記分解能である1μmのずれることになり、光透過部に対して2画素分しか“1”にならなくなる箇所が生じ、これをチェックする。(図9参照)
【0029】
次に、ステップ69において第2バッファメモリ47cに記憶されたイメージデータをマスクパターン処理して絶対値目盛5aを中心とする両側に、高分解能目盛5cにおける光透過部のイメージデータが3画素分から2画素分に変化した箇所がそれぞれあるかをチェックした後、ステップ70においてステップ69によりチェックした両側が同じか否かを判定する。
【0030】
今、図10に示すように絶対値目盛5aの中心に対して移動体3の移動位置のずれが大きい場合には一方側に光透過部が多い状態になり、ステップ70の判定がNOになる。
【0031】
この場合にはステップ71においてマスクパターン処理の中心を1画素分、光透過部が多い方へシフトした後、上記と同様にマスクパターン処理により第1バッファメモリ47bに記憶された高分解能目盛5cにおける光透過部に対応する画素数をカウントし、第2バッファメモリ47cに記憶された数にカウント値を加算した値に書き換える。(図11参照)
【0032】
上記ステップ71の処理が終了したとき、またはステップ70がYESのとき、ステップ72において絶対値目盛5aの両側に位置し、光透過部で3画素分が“1”に遷移した高分解能目盛5cの中間及びイメージセンサ7bの中心間の画素数に分解能数値、この場合にあっては1μmを乗算した演算値を第2レジスタ47eに記憶された演算値に加算して第3レジスタ47fに記憶させる。
【0033】
本実施形態は、スケール部材5における絶対値目盛5a、絶対値識別部5b及び高分解能目盛5cの光透過部としてのスリットを形成する簡易に構成によりそれぞれの目盛及びマークをイメージデータとして処理することができる。
【0034】
また、移動体3の移動に伴って読み取られるスケール部材5における絶対値目盛5a、絶対値識別部5b及び高分解能目盛5cをイメージデータで処理して移動位置を絶対値として検出するため、移動体3の移動に伴って発生する振動等によりイメージ検出部材7が振動した場合であっても、スリットによる光の透過及び非透過に基づいて位置検出する従来のロータリーエンコーダに比べて検出不能になることが少なく、移動体3の移動位置を確実に検出することができる。
【0035】
更に、経時使用による劣化や埃等の付着等により光照射部材7aやイメージセンサ7bの性能が低下して出力される電気信号の電圧が、例えば10%程度、低下した場合であっても、スケール部材5の絶対値目盛5a、絶対値識別部5b及び高分解能目盛5cを確実にイメージデータとして読み取ることができ、移動体3の移動位置を確実に検出することができる。
【0036】
特に、イメージセンサ7bからの電気信号が振動等により急激に低下した場合であっても、絶対値目盛5a、絶対値識別部5b及び高分解能目盛5cをイメージとして読み取るため、移動体3の現在位置を計測することが不能になる確率が極めて低い。
【0037】
本発明は、以下のように変更実施及び応用実施することができる。
1.上記説明は、光照射部7aから照射される光を、絶対値目盛5a、絶対値識別部5b及び高分解能目盛5cを構成する光透過部に透過させてそれぞれのイメージデータとすることにより移動体3の現在位置を計測するものとしたが、スケール部材に、絶対値目盛、絶対値識別部及び高分解能目盛に応じた光吸収部及び光反射部をそれぞれ設け、光反射部からの光を受光してイメージデータとする光反射形式であってもよい。
【0038】
2.上記説明は、多数の画素をシリアルに配列したリニアイメージセンサを使用したが、多数の画素がマトリクス状に配列されたエリアイメージセンサを使用してスケール部材5の絶対値目盛5a、絶対値識別部5b及び高分解能目盛5cをイメージデータとして読み取って位置検出を行ってもよい。
【0039】
エリアイメージセンサを使用した場合にあっては、スケール部材5の絶対値目盛5a、絶対値識別部5b及び高分解能目盛5cを二次元的に読み取ってイメージデータとする他に、図12に示すようにスケール部材5の絶対値目盛5aに対してエリアイメージセンサ81の列画素が所望の角度、傾斜させて取付けることにより、スケール部材5に高分解能目盛5cを設けることなく、移動体3の移動位置を高分解能に検出することができる。
【0040】
即ち、例えば行方向及び列方向に多数の画素をマトリクス状に配列したエリアイメージセンサ81を、絶対値目盛5aの長手方向に対してその列方向が所望の角度、例えば1度、傾けて取付ける。この場合、絶対値目盛5a及び絶対値識別部5bのイメージデータによる画素ピッチ分解能での絶対値検出処理に付いては、上記説明と同様であるが、これに加算又は減算される高分解能値に付いては、以下のように計測する。
【0041】
図13に示すように絶対値目盛5aの中心に対してエリアイメージセンサ91を傾斜させて設けるため、例えば図示する上端に位置する画素が絶対値目盛5aを検出して“1”(又は“0”)に変位したとき、図示する下方に位置する画素は列方向に対し、傾斜角度に応じた画素数の間隔をおいて“1”(又は“0”)に変化することになる。この間隔は、エリアイメージセンサ81の傾斜角度が小さいほど大きく、反対に傾斜角度が大きいほど小さくなる。
【0042】
そして上記した“1”(又は“0”)になった両端間の1画素ピッチを画素数で除算した値が分解能値になり、これを上記した絶対値目盛の相互間隔に、絶対値識別部により識別された値を乗算した演算値に加算又は減算した値が移動体3の移動位置の絶対値になる。
【0043】
尚、図13は説明の便宜上、エリアイメージセンサ81の各画素に対する光の受光量が減少し始めるポイント間の画素数をカウントするものとしたが、例えば70%に減少したポイント間の画素数としてもよい。
【0044】
3.上記説明は、直線状のスケール部材5に光透過部(光反射部)及び光非透過部(光吸収部)からなる絶対値目盛5a、絶対値識別部5b及び高分解能目盛5cを長手方向へ形成し、それぞれのイメージデータに基づいて移動体3の移動位置を絶対値で検出する構成としたが、図14に示すようにスケール部材としては、従来のロータリーエンコーダのようにディスク101とし、該ディスク101の外周側に絶対値目盛101a、絶対値識別部101b及び高分解能目盛101cを設けたロータリー構造の位置検出装置であってもよい。このディスク101は、例えばサーボモータ4における回転軸の非出力側に取付ける。
【0045】
この構成にあっては、得られるイメージデータ自体、それぞれの目盛及びマークの配列間隔に応じた角度で歪みが生じるため、計測処理する際には得られたイメージデータを上記した角度で修正する必要があるが、いずれにしてもディスク101に設けられたそれぞれの目盛をイメージとして読み込んで直接識別して絶対値計測するため、従来のロータリーエンコーダに比べて振動による計測不良や電気信号の電圧低下による計測不良に対処することができる。
【0046】
4.上記説明は、光照射部材7aの前に対物レンズ6を配置し、スケール部材5に対して平行光を照射するものとしたが、対物レンズを使用せずにスケール部材に対して非平行光を照射する構成、また拡大或いは縮小して投影する構成であってもよい。後者にあっては、得られたイメージを拡大率或いは縮小率に基づいて等倍補正して検出のためのイメージデータを得ればよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、強い振動が発生する場所に設けられる場合であっても、振動による脱調を防止して移動体の移動量を確実に検出することができる。また、設置場所雰囲気中の埃等の付着により光量が減少した場合であっても、移動体の移動量を正確に検出することができる。更に、簡易な処理により移動体の移動量を絶対値で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】位置検出器の設置例を示す説明図である。
【図2】位置検出装置の概略を示す説明図である。
【図3】スケール部材の説明図である。
【図4】高分解能目盛の説明図である。
【図5】位置検出装置の制御手段を示す電気的ブロック図である。
【図6】移動体の移動位置検出処理を示すフローチャートの一部である。
【図7】移動体の移動位置検出処理を示すフローチャートの一部である。
【図8】画素ピッチ分解能での位置検出状態を示す説明図である。
【図9】高分解能目盛の分解能による位置検出状態を示す説明図である。
【図10】高分解能目盛の重心が偏った状態を示す説明図である。
【図11】重心をシフトして高分解能検出する処理を示す説明図である。
【図12】エリアイメージセンサを使用した例を示す説明図である。
【図13】エリアイメージセンサを使用した計測状態を示す説明図である。
【図14】スケール部材としてディスクを使用した例を示す説明図である。
【符号の説明】
5−位置検出装置の一部を構成するスケール部材、5a−絶対値目盛、5b−絶対値識別部、5c−高分解能目盛、7−位置検出装置の一部を構成するイメージ検出部、7a−光照射部材、7b−イメージセンサ、41−制御手段

Claims (10)

  1. 相対移動するスケール部材及びイメージ検出手段により移動体の移動位置を検出する位置検出装置において、イメージ検出手段はスケール部材に向かって光を照射する光照射部材及びスケール部材からの光に検出する所定数の画素が移動体の移動方向に配列されてスケール部材のイメージデータを出力するイメージセンサからなり、スケール部材には所定の画素数からなる多数の絶対値目盛を、イメージセンサが少なくとも1個の絶対値目盛を常に検出可能な間隔をおいて設けると共に各絶対値目盛を識別するための絶対値識別部を設け、イメージセンサにより検出された絶対値識別部に基づいて識別された絶対値目盛数に絶対値目盛の相互間隔を乗算した値に、イメージセンサの画素方向中心から絶対値目盛の中心に至る画素数に画素ピッチを乗算した値を加減算して移動体の移動位置を画素ピッチに一致する画素分解能で計測する制御手段を有した位置検出装置。
  2. 請求項1のスケール部材には、絶対値目盛の両側に所望の画素数幅からなるイメージ部及び非イメージ部からなる多数の高分解能目盛を検出分解能の間隔をおいて設け、絶対値目盛両側のイメージデータにおける高分解能目盛のイメージ部が所望の画素数より小さい値になった箇所の中間位置と絶対値目盛の中心との間の高分解能目盛数に分解能を乗算した値を加算し、移動体の移動位置を上記分解能で計測可能にした位置検出装置。
  3. 請求項1の絶対値目盛は、所望の画素数幅からなるイメージ部からなると共に絶対値識別部は絶対値目盛の幅より短い所望の画素数幅のイメージ部及び非イメージ部を複数組配列した位置検出装置。
  4. 請求項2又は3において、スケール部材のイメージ部は光透過部からなると共に非イメージ部は光非透過部からなる光透過式の位置検出装置。
  5. 請求項2又は3において、スケール部材のイメージ部は光反射部からなると共に非イメージ部は光吸収部からなる光反射式の位置検出装置。
  6. 請求項1において、イメージセンサは所定数の画素を移動体の移動方向へ直線状に配置したリニアイメージセンサからなる位置検出装置。
  7. 請求項1において、イメージセンサは多数の画素を、少なくとも移動体の移動方向に対し、少なくとも1個の絶対値目盛を常に検出可能な幅となるマトリクス状に配列したエリアイメージセンサからなり、絶対値目盛に対してエリアイメージセンサを検出分解能に応じた所定の傾斜角度で配置し、絶対値目盛を検出する画素間の数と画素ピッチの関係に基づいて高分解能値を計測可能にした位置検出装置。
  8. 請求項1又は2において、スケール部材は移動体の移動方向へ長尺状からなり、長手方向に対して絶対値目盛、絶対値識別部及び高分解能目盛を設けた位置検出装置。
  9. 請求項1又は2において、スケール部材はディスク状からなり、外周側周方向に対して絶対値目盛、絶対値識別部及び高分解能目盛を設けた位置検出装置。
  10. 請求項1において、光照射部材はスケール部材に対して短時間のパルス幅で光を照射する制御手段を設けた位置検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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