JP2004191229A - 接触検知装置 - Google Patents

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Toru Sugimori
透 杉森
Hiroyuki Ogino
弘之 荻野
Shigeki Ueda
茂樹 植田
Mamoru Isoya
守 礒谷
Yu Fukuda
祐 福田
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Abstract

【課題】接触検知装置はノイズ対策として導電性の筐体に接触検知回路を内蔵しアース電位にしてシールド構造にするが、筐体は接触検知回路を内蔵するために蓋を持った構成となる。しかし蓋を持った構成となるために筐体の部品点数の増加、構造の複雑化といった問題がある。
【解決手段】可撓性を持ったケーブル状の圧電センサと、前記圧電センサから出力される信号に基づき前記圧電センサへの物体の接触を検出する接触検知回路9によってなり、前記接触検知回路9が導電性の筒状筐体11に覆われ、前記導電性の筒状筐体11が前記接触検知回路9のアース電位と接続された構成により、蓋の開閉を行うことなく接触検知回路9を内蔵することが出来るので、組立作業が簡素化される。また、構成が1部品の単純な構成となるので筐体を安価に構成することが出来る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は接触検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来可撓性を持ったケーブル状の圧電センサを利用した接触検知装置は電気コネクタ部に圧電センサからの信号を処理するインピーダンス変換回路、増幅回路、コンパレータ回路、A/D変換回路等の検知回路が内蔵された構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、導電性の箱体に前記検知回路を内蔵し導電性シールド材と導通させることにより、ノイズ進入による誤動作をなくしているものもある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
図3は、従来の接触検知装置を示すものである。図3において、ケーブル状圧電センサは内部電極を形成する可撓性の芯電極1の表面に可撓性複合圧電体層2を形成し、この可撓性複合圧電層2の表面を被覆し、外側電極を形成する導電性テープ3とにより構成される。つまり、ケーブル状圧電センサは、内部電極を形成する可撓性の芯電極1の周りに合成樹脂とセラミック圧電体粉末とを混合した複合圧電体により形成された可撓性複合圧電体層2を押出成形しフィルム状の導電性テープ3を螺旋状に巻き付けて形成されている。そして、外部から圧力が印加されて変形すると、可撓性複合圧電体層2に存在している圧電セラミックに応力が印加されて芯電極1と導電性テープ3との間に電圧が誘起されるので、その電圧により圧力を検知するものである。このとき、導電性テープ3は安定した外側電極の機能を果たすためには可撓性複合圧電体層2と密着している必要がある。
【0005】
ケーブル状圧電センサより発生する電圧を検出する接触検知回路9が導電性の筐体10に内蔵され配置されている。 接触検知回路9はケーブル状圧電センサより発生する電圧を検出すると共に、誤って刃物でケーブル状圧電センサを切断してしまったような場合に断線検出を行うために、信号処理回路と接続するのと反対側の先端部に断線検知用の抵抗体5を取付け、信号処理回路側で抵抗測定を行っている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
図4に前記の断線検出のための回路図の一例を示す。図中、Psは圧電センサ、R1は断線検出用の抵抗体で前述のように圧電センサの電極間に接続されている。R1は他の抵抗R2を介して電源Vdと接続されている。R3、R4は圧電センサからの信号導出用の抵抗、Q1はインピーダンス変換用のFETである。
【0007】
導電性の筐体10は開閉式の蓋を持ち接触検知回路9を内蔵出来ると共に、アース電位と接続することにより接触検知回路9へのノイズの進入を防止する役割を持つ。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−132669号公報(第3頁、第2図)
【特許文献2】
特開平7−237484号公報(第1〜2頁、第3図)
【特許文献3】
特開平10−76843号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記従来の方法では以下のような課題があった。通常筐体は接触検知回路を内蔵するために蓋を持った構成となっている。このため筐体に接触検知回路を内蔵させる作業をするときに蓋を閉じる作業が必要となり、作業が複雑となる。また筐体に蓋を持った構成となるために筐体の部品点数の増加、構造の複雑化といった問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、可撓性を持ったケーブル状の圧電センサと前記圧電センサから出力される信号に基づき前記圧電センサへの物体の接触を検出する接触検知回路によってなり、前記接触検知回路が導電性の筒状筐体に覆われ、前記導電性の筒状筐体が前記接触検知回路のアース電位と接続された構成を持つ接触検知装置を提供する。前記発明によれば、筐体が筒状となっているために、蓋の開閉を行うことなく接触検知回路を内蔵することが出来るので、組立作業が簡素化される。また、構成が1部品の単純な構成となるので筐体を安価に構成することが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載の接触検知装置は可撓性を持ったケーブル状の圧電センサと前記圧電センサから出力される信号に基づき前記圧電センサへの物体の接触を検出する接触検知回路によってなり、前記接触検知回路が導電性の筒状筐体に覆われ、前記導電性の筒状筐体が前記接触検知回路のアース電位と接続された構成を持つ接触検知装置で、筐体が筒状となっているために、蓋の開閉を行うことなく接触検知回路を内蔵することが出来るので、組立作業が簡素化される。また、構成が1部品の単純な構成となるので筐体を安価に構成することが出来る。
【0012】
請求項2に記載の接触検知装置は請求項1に記載の構成に加えて筒状筐体が接触検知回路を自己保持し、接触検知回路の導電部が前記筐体と接触しない構成を持つことにより、請求項1の構成では接触検知回路と筒状筐体との間に何らかの絶縁対策を採る必要があるが、簡易に接触検知回路の絶縁構成を取ることが出来る。
【0013】
請求項3に記載の接触検知装置は請求項1または2に記載の構成に加えて筒状の筐体内に絶縁性の樹脂を注入した構成を持つことにより、接触検知回路と筐体間での保持と絶縁の信頼性を高めることが出来る。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図1〜2を用いて説明する。
【0015】
(実施例1)
図1は本発明の第1の実施例における接触検知装置の構成を示す断面図である。内部電極を形成する可撓性の芯電極1の表面に可撓性複合圧電体層2を形成し、この可撓性複合圧電体層2の表面を被覆し外側電極を形成する導電性テープ3と、更にその周囲に保護被覆層4を成形し構成される。芯電極1としてコイル状金属線や金属細線を束ねた線などが用いることができ、本実施例では外径0.3mmのステンレス撚り線を使用している。可撓性複合圧電体層2としてエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、クロロプレン樹脂、塩素化ポリエチレン樹脂などの高分子母材に、チタン酸ジルコン酸鉛などのセラミック圧電体粉末を添加した複合圧電体やPVDFなどの高分子圧電体が用いられ本実施例では外径1.7mmに被覆成形している。導電性テープ3として銅箔、アルミニウム箔、アルミを蒸着したPETフィルムなどが用いられ本実施例では巾3mmのAl−PET−Al3層ラミネートフィルムを螺旋状に巻いている。保護被覆層4として塩化ビニル、フッ素樹脂、ポリウレタンなどが用いられ本実施例では塩化ビニルを外径2.5mmに被覆成形している。抵抗体5をリード線方向をセンサと同軸方向に合わせ、センサに近い側のリード線6aを芯電極1に接続し、反対側でリード線6bを折り返して導電性テープ3に接続している。抵抗体5はチップ抵抗、リード線付き抵抗等どれでも良く、本実施例ではリード線が一体となっている1/4Wリード線付き被膜抵抗を用いている。リード線6aと芯電極1の接続は溶接、ろう接、カシメなどが用いられ、リード線6bと導電性テープ3の接続は溶接、ろう接、カシメなどが用いられることにより電気的に接続される。リード線6bの表面にはリード線6aとの短絡を防ぐために絶縁被覆7を形成している。絶縁被覆7には塩化ビニル、フッ素樹脂、ポリウレタンなどが用いられる。絶縁被覆7はリード線6aの側に成形しても良い。抵抗体5を保護するために熱収縮チューブ8を周囲に配置する。熱収縮チューブ8は絶縁体ならばエポキシ、シリコン、ホットメルトなどで代用しても良い。
【0016】
接触検知回路9を抵抗体5を接続した部分の反対側に接続している。導電性を持つ筒状筐体11を接触検知回路9の周囲に配置し、筒状筐体11をアース電位と接続している。筒状筐体11は図1に示される矢印の方向から接触検知回路9に挿入することにより簡単に配置が可能である。筒状筐体11は前記の配置法が可能であるならば筒の片側が閉じている、もしくは接触検知回路9の大きさよりも小さな径をしていても良い。筒状筐体11は導電性の材質ならば何でも良く、本実施例では導電性の高い銅を用いている。筒状筐体11は接触検知回路9を自己保持し接触検知回路9の導電部が筒状筐体11と接触しない断面形状をしている。これは図2に示す通り円形、楕円形、多角形、任意形状に回路保持用の溝を付ける等の形状が可能で、本実施例では入手が容易な円形を採用している。最後に接触検知回路9と筒状筐体11の隙間の部分に絶縁性の樹脂12を注入している。樹脂12は絶縁性であれば何でも良く、本実施例ではエポキシ樹脂を使用している。
【0017】
本実施例の接触検知装置は筒状筐体11が1部品の単純な構成となるので筐体を安価に構成することが出来、蓋の開閉を行うことなく接触検知回路9を内蔵できるので組立が簡素化する。また、筒状筐体11が接触検知回路9を自己保持し接触検知回路9の導電部が筒状筐体11と接触しない断面形状をしており、かつ接触検知回路9と筒状筐体11の隙間の部分に絶縁性の樹脂12を注入することにより接触検知回路9の機械的、電気的安全性を確保している。尚、熱収縮チューブ8の外側を導電部材で電気的にシールドし、前記導電部材と導電性テープ3とを導通させるとともに、導電性テープ3を接触検知回路9のアース電位または筒状筐体11と接続する構成としてもよく、接触検出装置全体が電気的にシールドさせるので、ノイズ侵入による誤動作が防止される。また、芯電極1を接続した筒状筐体11の反対側の端部で、接触検知回路9の電源ケーブルや接触検出信号の出力ケーブルが配設される場所に、貫通コンデンサやフェライトコア等のノイズ対策部品を配設してもよく、ノイズ侵入による誤動作が一層防止される。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1〜3に記載の発明によれば、接触検知回路をアース電位と接続された導電性の筒状筐体で覆うことにより、筐体を安価に構成することが出来、蓋の開閉を行うことなく接触検知回路を内蔵できるので組立が簡素化する。
【0019】
また、接触検知回路と筐体間での保持と絶縁の信頼性を高めることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における接触検知装置の構成を示す断面図
【図2】本発明の実施例1における筒状の筐体と断線検知回路の構成を示す断面図
【図3】従来の接触検知装置の構成を示す断面図
【図4】従来の接触検知装置の断線検知の回路図
【符号の説明】
1 芯電極
2 可撓性複合圧電体層
3 導電性テープ
4 保護被覆層
5 抵抗体
6a リード線
6b リード線
7 絶縁被覆
8 熱収縮チューブ
9 断線検知回路
10 筐体
11 筒状筐体
12 樹脂

Claims (3)

  1. 可撓性を持ったケーブル状の圧電センサと、前記圧電センサから出力される信号に基づき前記圧電センサへの物体の接触を検出する接触検知回路によってなり、前記接触検知回路が導電性の筒状筐体に覆われ、前記導電性の筒状筐体が前記接触検知回路のアース電位と接続された構成を持つ接触検知装置。
  2. 筒状の筐体が前記接触検知回路を自己保持し、前記接触検知回路の導電部が前記筐体と接触しない構成を持つ請求項1に記載の接触検知装置。
  3. 筒状の筐体内に絶縁性の樹脂を注入した構成を持つ請求項1または2に記載の接触検知装置。
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