JP2004191178A - 円環状センサハウジング - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のセンサハウジングは、シャフト(1)用センサハウジング(3)であって、シャフト(1)の運動パラメータを検出するための少なくとも一個のセンサ(4)を備え、円環状の形状を有し、シャフト(1)の外周面を間隔をもって同心状に取り囲むものにおいて、センサハウジング(3)が、機械ハウジングの、受容しシールされている穿孔部にプレス嵌め又はねじ止めにより保持されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回動可能なシャフトの運動を計測するための円環状のセンサハウジングに関する。
【0002】
【従来の技術】
シャフトの回動を計測するセンサを収納するためのハウジングはそれ自体公知である。
【0003】
回動する機械部材自体をシールするためのシールフランジが公知である(例えば特許文献1参照)。このシールフランジはセンサを有し、このセンサはバネ部材により固定されている。
【0004】
ハウジング内でセンサを位置調整することができる装置が開示されている(例えば特許文献2参照)。
【0005】
センサ用の円環状の固定部材が開示されている(例えば特許文献3参照)。
【0006】
センサを備えているシャフトシールリングが公知である(例えば特許文献4参照)。この場合、回転角を正確に位置決めできないことが欠点である。特許文献4の図面中には、確かにセンサが図示されているが、しかしながら特許文献4は、センサハウジングの種類及び位置決定に関し、何も記載していない。
【0007】
円環状のセンサハウジングが取り付けられている転がり軸受が開示されている(例えば特許文献5、6、7参照)。特許文献5又は6又は7に示されている公知の構造の場合、センサハウジングは機械部材に設けられている穿孔部のシール部として取り付けられておらず、シャフトの外周面を中心としないで取り囲んでいる。
【0008】
モータハウジングの外側にセンサ装置を有する直流モータが開示されている(例えば特許文献8参照)。特許文献8にも、機械部材の穿孔部に取り付けられている円環状のセンサハウジングに関する開示はない。
【0009】
【特許文献1】
ドイツ連邦共和国実用新案(DE-U)第20000694号明細書
【0010】
【特許文献2】
ドイツ連邦共和国特許公開(DE-A)第19922215号明細書
【0011】
【特許文献3】
ヨーロッパ特許公開(EP-A)第495323号明細書
【0012】
【特許文献4】
ドイツ連邦共和国特許公開(DE-A)第19740348号明細書
【0013】
【特許文献5】
国際公開(WO-A)00/67038号パンフレット
【0014】
【特許文献6】
ヨーロッパ特許公開(EP-A)第669534号明細書
【0015】
【特許文献7】
米国特許(US-A)第5873658号明細書
【0016】
【特許文献8】
ドイツ連邦共和国特許(DE-C)第4120023号明細書
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の先行技術から出発し、廉価に製造することができ、コストのかかる位置調整作業を行うことなく取り付けることができ、取り付けるために必要とされる空間が小さく、かつセンサを正確にかつ堅固に取り付けることが保証されるようなセンサハウジングの提供を課題としている。本発明のセンサハウジングは、シャフトに対する傾斜が許容されず、それによって簡単なやり方、方法でセンサの傾斜を防止することができ、結果としてより高い信号品質を導くことができる。
【0018】
本発明のセンサハウジングは、頑丈な構造を有し、それによって長期にわたって使用することが可能となる。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、シャフト1の周囲にハウジング3が配置され、ハウジングがシャフトに対して回動するように固定されているとともにシャフト1の運動パラメータ、たとえば回転数及び/又は回転角及び/又は回転の滑らかさを検出するための少なくとも一個のセンサ4を有することにより解決される。このハウジングは円環状の形状を有し、かつシャフト1を中心として、かつ間隔をあけてシャフトの外周面を取り囲み、それによってシャフト1とハウジング3内の中央の開口部の間は直接接触しない。
【0020】
本発明の実施形態において、センサハウジング3は、機械ハウジングの、シャフトを受容するとともにシールされている穿孔部に固定され、好ましくはセンサハウジング3は、プレス嵌め又はねじ止めにより、機械ハウジングの、受容しシールされている穿孔部に支持される。特にセンサハウジング3が、穿孔部をシールするためのシール部材を有することが好ましく、かつ特に付加的にシャフトシールリング5用の保持部材10が取り付けられ、このシャフトシールリング5がシャフト1を動的にシールすることが好ましい。
【0021】
本発明のもう一つの実施形態において、センサハウジング3は、運動用シールのためのシャフトシールリング5、シャフトシールリング用の保持部材10及び穿孔部に対する固定シール11を含み、センサハウジング3はシャフトシールリング5用の保持部材10と一緒に機械ハウジングの受容穿孔部に固定されている。
【0022】
機械ハウジングの内部には一般に潤滑剤が存在する。したがって機械ハウジング内のシャフト1の貫通部はシールされなければならない。このもう一つの実施形態において、円環状のセンサハウジング3は、通常、穿孔部の大気側に存在し、つまり内部の潤滑剤とは接触せず、したがって必要な場合に、通常はシール作用を解除することなし簡単に交換することができる。
【0023】
機械ハウジングとして、シャフトを貫通させ、これをシールする穿孔部を有する全てのハウジングを挙げることができる。このようなハウジングとして、クランクシャフトハウジング、変速機ハウジング、ディフェレンシャル変速機又は外側プラネット軸のハウジングを挙げることができる。
【0024】
センサとして、シャフトの回転数及び/又は回転角及び/又は回転の滑らかさを測定することができる任意の素子を挙げることができる。素子としては、たとえばシャフトに取り付けられている位置指示器と共働する磁気的又は光学的センサを挙げることができる。このセンサハウジングの好適実施形態において、センサ4は、センサハウジング3内へ埋め込まれているか又ははめ込まれているか又は他の固定手段を利用して保持される。センサ4がセンサハウジング3から半径方向に取り外し可能であることが特に好ましい。
【0025】
好適実施形態において、センサホイール7はシャフト1と相対回動不能に結合し、このセンサホイール7はセンサ4と共働して、センサホイール、すなわちシャフトの回転運動及び/又は回転角の検出を行う。
【0026】
好適実施形態において、センサハウジング3及び保持部材10は、プラスチックから形成され、特に一体式に及び同一の材料から構成される。
【0027】
センサハウジング3は、センサホイール7とセンサハウジング3との間に狭い間隙を形成するように構成され、かつセンサハウジング3内には少なくとも一つのセンサ4が配置されていることが好ましい。
【0028】
通常、センサハウジング3は、センサホイール7の直径よりも大きいか又は小さいセンタリング直径8を有する。この場合、センタリング直径8とは、センサハウジング3と、シールされている穿孔部又は保持部材10又は保持部材10に設けられている補強部材6、シャフトシールリングの円筒状の面とが当接する面の直径であると解釈される。
【0029】
もう一つの好適実施形態において、シャフトシールリング5用の円環状の保持部材10が、好ましくは金属からなる補強リング6を取り囲む。
【0030】
この実施形態においては、保持部材10は、有利に円環状のセンサハウジング3と接着され、保持部材10及びシャフトシールリング5はポリマー製の中間層を介して相互に結合している。
【0031】
もう一つの好適実施形態において、シャフトシールリング5用の円環状の保持部材10は、プレス嵌めによって穿孔部2に保持され、ここで、穿孔部2は機械ハウジングの内部から外部に向かうシャフト1用の貫通開口部をなす。
【0032】
もう一つの好適実施形態において、シャフトシールリング5用の円環状の保持部材10は、ポリマーから形成されているとともに硬質の補強部材6を有し、センサハウジング3と機械部材又は機械ハウジングの壁部との間に挟み込まれている。
【0033】
もう一つの好適実施形態において、本発明によるセンサハウジング3は、穿孔部の雌ねじ山に螺合させるために利用される雄ねじ山15を有する。センサハウジング3の内部表面付近に少なくとも一個のセンサ4が配置され、かつシャフト1自体はセンサ4による測定値を生成することができる装置を備えていることが特に好ましい。
【0034】
もう一つの好適実施形態において、シャフトシールリング5用の円環状の保持部材10は、センサハウジング3と形状的な嵌め合いにより(クリップ固定により)結合し、かつ好ましくはプラスチックから形成されている。この実施形態の場合には、センサハウジング3はまず保持部材10とクリップ固定され、その後でこの組み合わされたものがシールすべき穿孔部内へ挿入される。
【0035】
本発明によるセンサハウジング3の好適実施形態において、このセンサハウジング3は半径方向内側、内径位置近傍に少なくとも一個のセンサ4を有し、このセンサ4はケーブル9の導出部と共に半径方向外側に向かう突出部19内に配置されている。
【0036】
本発明によるセンサハウジング3のもう一つの好適実施形態において、このセンサハウジング3は複数のセンサ4を有し、これらのセンサ4はそれぞれセンサハウジング3の半径方向内側に向かう突出部17に配置されている。
【0037】
さらに、回転角の位置を決定するための装置が内部に設けられているセンサハウジング3が、フェザーキー用の切欠16及び/又は少なくとも一つの半径方向外側に向かう突出部19を有し、これらの切欠及び/又は突出部によって回転角の位置が決定されることが好ましい。
【0038】
もう一つの好適実施形態において、本発明によるセンサハウジングは、別個に製造された2つのリング、すなわち外側リング23と内側リング22とからなり、この場合、測定値検出部20と測定値変換部21とからなる少なくとも一つのセンサ4は、2つのリング22、23の間に挿入されており、シャフト1は内側リング22の中央の穿孔部を貫通するように案内されている。
【0039】
もう一つの好適実施形態は、センサハウジング3に関し、センサハウジング3が、センサホイール7と共に角度位置を決めるためにそれぞれ一つの孔を有し、この孔に組み立て工具の位置決めピン18を嵌入することができる。
【0040】
シャフト1も同様に角度位置を決めるために一つの孔を有し、この孔に組み立て工具24の別の位置決めピン又は円筒状ピン18を嵌入することが特に好ましい。
【0041】
本発明によるセンサハウジングは一般に、シャフトを貫通させるための穿孔部を有するような機械ハウジング又は機械部材中に組み込むことができる。本発明のセンサハウジングを、カムシャフト、クランクシャフト又はトランスミッションレイシャフトが機械ハウジング内の穿孔部を貫通する場合に使用することが有利である。
【0042】
本発明は、上記のようなシャフトと組み合わせて使用ことにも関する。
【0043】
【発明の実施の形態】
次に、本発明によるセンサハウジングを図1〜11を参照してさらに詳細に説明する。
【0044】
図1に、本発明によるセンサハウジングの一実施形態を断面図で示す。センサホイール7がシャフト1と相対回動不能、互いに回転しないように結合している。シャフト1は、円環状のセンサハウジング3の中央の穿孔部を外部に向かって貫通するように案内されている。後者のセンサハウジング3は、シャフトシールリング5の保持部材10を有し、シャフト1を動的にシールし、かつ受容穿孔部2を静的にシールする。シャフトシールリング5の保持部材10は、プラスチックから形成され、たとえば熱可塑性材料又は熱硬化性材料から形成されていることが好ましい。保持部材10及びセンサハウジング3は、この図示された実施形態では一体式にかつ同一の材料から形成されている。センサハウジング3は、センサホイール7とセンサハウジングとの間に狭い間隙を形成するように構成されている。センサハウジング3には少なくとも一個のセンサ4が設けられている。このセンサ4は図示されていない評価ユニットと接続し、この評価ユニットは、半径方向に延びるケーブル9を介して導出される信号をシャフト1の回転数及び回転角及び/又は回転の滑らかさに関する情報へと処理する。このセンサハウジング3は、プレス嵌めにより受容穿孔部2に保持されている。固定シール11は、センサハウジング3を外側に向かってシールしている。図示する実施形態の場合には、センサハウジング3はセンタリング直径8を有し、このセンタリング直径8はセンサホイール7の直径又は外径よりも大きい。このセンサハウジング3は、シャフト1用の穿孔部内で芯出し、センタリングされ、センサハウジング3と穿孔部は同心状に配置され;センサ4は、センサハウジング3内に嵌め込まれているか又は埋め込まれているか又は他の固定手段を利用して保持されている。センサ4が、シャフト1の運動パラメータに関する情報を検出することができるよう設けられている限り、センサホイール7は任意の形状を有することができる。センサホイール7は、たとえばその周面に沿って一定の直径を有し、N極及びS極の形で交互に磁化されている多極リングとして構成されているか、又はセンサホイール7はその周面に沿って交互に配置された異なる直径のセグメントを有する。
【0045】
図2は、図1の円環状のセンサハウジングの位置Xにおける平面図を示す。この図から、シャフト1及びセンサホイール7の断面を確認することができる。センサホイールは円環状のセンサハウジング3により取り囲まれ、このセンサハウジング3内には半径方向に延びるケーブル9を備えているセンサ4が組み込まれている。このセンサハウジングには複数の(図示されていない)センサ4が設けられていることが好ましい。さらにこの図から、この穿孔部2を確認することができ、この穿孔部2を貫通してシャフト1が外部に案内されている。
【0046】
図3は、本発明による円環状のセンサハウジングのもう一つの実施形態の縦断面図を表す。シャフト1とセンサホイール7とが相対回動不能に結合している。シャフト1は、円環状のセンサハウジング3の中央の穿孔部を貫通して外部に案内されている。シャフトシールリング5用の保持部材10は補強リング6を取り囲み、この補強リング6は金属から形成されることが好ましく、かつ受容穿孔部を固定シール、静的にシールする。この保持部材10は、この実施形態において、円環状のセンサハウジング3と接着12されている。保持部材10及びシャフトシールリング5は、この図3に示されている実施形態の場合に、エラストマーの中間層を介して相互に結合している。センサハウジング3は、センサホイール7とセンサハウジングとの間に狭い間隙が形成されるように構成されている。センサハウジング3内には複数のセンサ4が配置されている。センサ4は図示されていない評価ユニットと接続され、この評価ユニットは、軸方向に延伸するケーブル9を介して導出された信号をシャフト1の回転数又は回転角に関する情報に処理する。保持部材10は、センサハウジング3と共に穿孔部2に固定され、この穿孔部2を貫通してシャフト1が装置又は機械ハウジングから出ている。この図3に示されている実施形態の場合に、センサハウジング3はセンタリング直径8を有し、このセンタリング直径はセンサホイール7の直径又は外径よりも大きい。センサハウジング3は、シャフト1用の穿孔部内で芯出し、センタリングされ;センサ4は、センサハウジング3内へ埋め込まれているか又は嵌め込まれているか又は他の固定手段を利用して保持されている。
【0047】
図4は、本発明による円環状のセンサハウジングのもう一つの実施形態の縦断面図を示す。シャフト1とセンサホイール7とが相対回動不能に結合している。シャフト1は、断面が略T字形を示す概略円環状のセンサハウジング3の中央の穿孔部を貫通して外部に案内されている。シャフトシールリング5用の保持部材10は、穿孔部2にプレス嵌めによって保持されている。センサハウジング3は、装置又は機械ハウジングの壁部にねじ13でねじ止めされている。保持部材10は、センサハウジング3と同様にプラスチックから形成されることが好ましい。固定シール11は保持部材10を半径方向外側でシールする。センサハウジング3は、センサホイール7及びセンサハウジングの間に狭い間隙が形成されるように構成されている。センサハウジング3には少なくとも一個のセンサ4が設けられ、センサ4は図示されていない評価ユニットと接続されている。センサ4により検出された信号は、半径方向に延伸するケーブル9を介して導出される。この図4の実施形態の場合、シール又はその保持手段5、10、11と、センサ装置3、4、9は2つの別個の部材である。この図4に示されている実施例の場合、センサハウジング3はセンタリング直径8を有し、このセンタリング直径8はセンサホイール7の直径又は外径よりも小さい。センサハウジング3は、シャフト1用の穿孔部内で芯出し、センタリングされ;センサ4は、センサハウジング3内に埋め込まれているか又は嵌め込まれているか又は他の固定手段で支持されている。
【0048】
図5は、本発明による円環状のセンサハウジングのもう一つの実施形態の縦断面図を示す。センサホイール7がシャフト1と相対回動不能に結合している。シャフト1は、断面が略L字形を示す概略円環状のセンサハウジング3の中央の穿孔部を貫通し外部に案内されている。シャフトシールリング5用の保持部材10は、エラストマーからなるとともに硬質の、特に金属製の補強部材6を備え、センサハウジング3と機械部材又は機械ハウジングの壁部との間にはめ込まれている。センサハウジング3は、センサホイール7とセンサハウジングとの間に狭い間隙が形成されるように構成されている。センサハウジング3には少なくとも一個のセンサ4が設けられ、センサ4は図示されていない評価ユニットと接続されている。センサ4によって検出された信号は、軸方向に延伸するケーブル9を介して導出される。保持部材10は、プレス嵌めによって機械部材の穿孔部2に固定されている。図示されている実施形態の場合、センサハウジング3はセンタリング直径8を有し、このセンタリング直径8はセンサホイール7の直径又は外径より大きい。センサハウジング3は、シャフトシールリング5中のシャフト1用の穿孔部内で芯出し、センタリングされている。センサ4は、センサハウジング3内に埋め込むことができ、又は他の固定手段によって保持することができる。センサハウジング3は、山形リング及びねじ13を介して機械ハウジングの壁部に対して軸方向に固定されている。
【0049】
図6は、本発明による円環状のセンサハウジングのもう一つの実施形態の縦断面図を示す。シャフト1は、円環状のセンサハウジング3の中央の穿孔部を貫通して外部に案内されている。センサハウジング3は、雄ねじ山15を有し、図示されていない穿孔部の雌ねじ山に螺合する。センサハウジング3は、シャフト1が直接中央の穿孔部を貫通して外部に案内されるように構成されている。センサハウジング3の内側表面付近には、少なくとも一つのセンサ4が設けられ、センサ4は図示されていない評価ユニットと接続されている。センサから取り出された信号は、軸方向に延伸するケーブル9を介して導出される。この実施形態の場合、シャフト1自体は、装置が、例えば光学的マーキングストライプを有するように構成され、マーキングストライプによりセンサ4を介して測定値が生成される。シャフト1をエラストマー製のバンドにより取り囲み、このエラストマー製のバンドをN極及びS極で交互に磁化することも可能である。センサハウジング3は、シャフト1用の穿孔部2内で芯出し、センタリングされている。センサ4は、センサハウジング3内に埋め込まれているか又は別の手段によって固定されている。
【0050】
図7は、本発明による円環状のセンサハウジングのもう一つの実施形態の縦断面図を示す。センサホイール7はシャフト1と相対回動不能に結合されている。シャフト1は、略円環状のセンサハウジング3の中央の穿孔部を貫通して外部に案内されている。シャフトシールリング5用の保持部材10は、センサハウジング3と形状的な又は形状による嵌め合いにより(クリップ固定により)結合し、かつプラスチックから形成されていることが好ましい。センサハウジング3は、軸方向ストッパを有し、センサホイール7とセンサハウジング3との間に狭い間隙が形成されるように構成されている。センサハウジング3には、少なくとも一個のセンサ4が設けられ、センサ4は図示されていない評価ユニットと接続されている。センサ4から取り出された信号は、軸方向に延伸するケーブル9を介して導出される。保持部材10は、センサハウジング3と共に機械部材又は機械ハウジングに固定されている。穿孔部2は、機械の内部から外部に向かうシャフト1の貫通開口部である。図示する実施形態の場合、センサハウジング3はセンタリング直径8を有し、このセンタリング直径8はセンサホイール7の直径又は外径よりも大きい。センサハウジング3は、保持部材10のシャフト1用の穿孔部内で芯出し、センタリングされている。センサ4は、センサハウジング3内に埋め込まれているか又は他の固定手段を利用して保持されている。
【0051】
図8は、本発明による円環状のセンサハウジングの平面図を表す。センサハウジング3は、内径位置近傍に少なくとも一個のセンサ4を有し、センサ4は図示されていない評価ユニットと接続されている。センサ4及びケーブル9の導出部は、半径方向外側に向かう突出部19内に配置されている。さらにセンサハウジング3は、回転角の位置の決定のためのフェザーキー用の切欠16を有する。センサ装置の作用は、上述した実施形態と同じである。
【0052】
図9は、もう一つの本発明による円環状のセンサハウジングの平面図を表す。図9には、センサハウジング3に加えて、3個のセンサ4が示され、これらの3個のセンサ4はそれぞれセンサハウジング3の半径方向内側に向かう突出部17に配置されている。半径方向外側に向かう突出部19の少なくとも一つは、半径方向の突出部19が機械ハウジングにおいて回転角の位置を調整された切欠と咬み合うことにより回転角の位置を決定する。ケーブルは半径方向に導出され、センサ4が取り付けられているのと異なる円周位置に導かれる。図示する実施形態は、センサ4の配置により材料を節約することができるために特に好ましい。
【0053】
図10a及び10bは、本発明による円環状のセンサハウジングの斜視図及び断面図を示す。円環状のセンサハウジングは、別個に製造された外側リング23と内側リング22とから構成されている。センサ4は、測定値検出部20と測定値変換部21からなり、2つのリング22、23の間に挟まれている。ケーブル9は、検出された測定値を、図示されていない評価ユニットに半径方向に伝達する。この特別な実施形態は、測定値検出部20及び測定値変換部21が2つの別個に製造されたリング22、23内に挿入されていることよりなる。供給状態において、2つのリング22、23を相互に脱落不能に結合させておくことができる。図示されていないシャフトは、内側リング22の中央の穿孔部を貫通して外部に案内される。この実施形態の場合、シャフト1自体は、装置が、例えば光学的マーキングストライプを有し、マーキングストライプによりセンサ4を介して測定値が生成される。センサハウジング3は、シャフト用の穿孔部内で芯出し、センタリングされている。
【0054】
図11は、本発明によるセンサハウジングのもう一つの実施形態の縦断面図を示す。この図では、センサハウジング3、センサホイール7及び組み立て工具24が示されている。角度位置を決めるために、センサハウジング3及びセンサホイール7は、それぞれ一つの孔を有し、それらの孔の内へ組み立て工具の円筒状ピン18が嵌入されている。もう一つの円筒状ピン18が、シールすべきシャフト1に嵌入されている。センサハウジング3とセンサハウジング7の回転角の調整は、同じマーキングにより、例えばシャフト1の穿孔を介して行われる。それによりきわめて正確な位置決めがなされ、その結果、良好な信号品質がもたらされる。図示する実施形態の場合、シャフトシールリング5、シャフトシールリング5用の保持部材10を有するセンサハウジング3及びセンサホイール7が同時に組み立てられる。この特別な実施形態では、回転角の位置決めが、組み立て工具24及びシャフト中の穿孔を介して、円筒状ピン18により行われる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、固定されているシャフト(1)用センサハウジング(3)に関する。センサハウジングは、シャフト(1)の運動パラメータを検出するための少なくとも一個のセンサ(4)を備え、円環状の形状を有し、シャフト(1)の外周面を間隔をもって同心状に取り囲む。センサハウジング(3)は、機械ハウジングの、受容しシールされている穿孔部にプレス嵌め又はねじ止めにより保持されている。この構成により、廉価に製造することができ、コストのかかる位置調整作業を行うことなく取り付けることができ、取り付けるために必要とされる空間が小さく、かつセンサを正確にかつ堅固に取り付けることが保証されるセンサハウジングを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円環状のセンサハウジングの縦断面図を示す。
【図2】図1に示す円環状のセンサハウジングの位置Xの平面図を示す。
【図3】別の円環状のセンサハウジングの縦断面図を示す。
【図4】別の円環状のセンサハウジングの縦断面図を示す。
【図5】別の円環状のセンサハウジングの縦断面図を示す。
【図6】別の円環状のセンサハウジングの縦断面図を示す。
【図7】別の円環状のセンサハウジングの縦断面図を示す。
【図8】円環状のセンサハウジングの平面図を示す。
【図9】別の円環状のセンサハウジングの平面図を示す。
【図10a】別の円環状のセンサハウジングの平面図並びに縦断面図を示す。
【図10b】図10aのセンサハウジングの拡大図を示す。
【図11】組み立て状況での円環状のセンサハウジングの縦断面図を示す。
【符号の説明】
1 シャフト
2 穿孔部
3 センサハウジング
4 センサ
5 シャフトシールリング
6 補強部材
7 センサホイール
8 センタリング直径
9 ケーブル
10 保持部材
11 固定シール
Claims (23)
- シャフト(1)用センサハウジング(3)であって、該シャフト(1)の運動パラメータを検出するための少なくとも一個のセンサ(4)を備え、円環状の形状を有し、前記シャフト(1)の外周面を間隔をもって同心状に取り囲むものにおいて、
前記センサハウジング(3)が、機械ハウジングの、受容しシールされている穿孔部にプレス嵌め又はねじ止めにより保持されていることを特徴とするセンサハウジング。 - シャフト(1)用センサハウジング(3)であって、このセンサハウジングが、該シャフト(1)の運動パラメータを検出するための少なくとも一個のセンサ(4)を備え、円環状の形状を有し、前記シャフト(1)の外周面を間隔をもって同心状に取り囲み、前記シャフト(1)が前記円環状のセンサハウジング(3)の中央の穿孔部を貫通して外部に案内され、前記センサハウジング(3)が運動用シールのためのシャフトシールリング(5)、このシャフトシールリング用の保持部材(10)及び前記穿孔部に対する固定シール(11)を有するものにおいて、
前記センサハウジング(3)が、前記シャフトシールリング(5)用の保持部材(10)と共に機械ハウジングの受容穿孔部に固定されていることを特徴とするセンサハウジング。 - 前記センサハウジング(3)が、穿孔部をシールするためのシール部材を有する請求項1記載のセンサハウジング。
- センサホイール(7)が前記シャフト(1)と相対回動不能に結合され、該センサホイール(7)が、前記センサ(4)と共に、前記シャフト(1)の回転運動及び/又は回転角を検出する請求項1又は2記載のセンサハウジング。
- 前記センサハウジング(3)及び前記保持部材(10)が、プラスチックから形成され、特に一体的にかつ同一材料から形成されている請求項2記載のセンサハウジング。
- 前記センサハウジング(3)が、前記センサホイール(7)と当該センサハウジング(3)との間に狭い間隙が形成されるように構成され、かつ前記センサハウジング(3)内に少なくとも一個のセンサ(4)が設けられている請求項4記載のセンサハウジング。
- 前記センサハウジング(3)がセンタリング直径(8)を有し、このセンタリング直径(8)が前記センサホイール(7)の直径よりも大きいか又は小さい請求項4記載のセンサハウジング。
- 前記シャフトシールリング(5)用の円環状の保持部材(10)が補強リング(6)を取り囲み、この補強リング(6)が好ましくは金属から形成されている請求項2記載のセンサハウジング。
- 前記保持部材(10)が円環状のセンサハウジング(3)と接着され、前記保持部材(10)及び前記シャフトシールリング(5)がポリマー製の中間層を介して相互に結合している請求項8記載のセンサハウジング。
- 前記シャフトシールリング(5)用の円環状の保持部材(10)が、前記機械ハウジングの内部から外部に向かう前記シャフト(1)のための貫通開口部である穿孔部(2)にプレス嵌めにより保持されている請求項2記載のセンサハウジング。
- 前記シャフトシールリング(5)用の円環状の保持部材(10)が、ポリマー及び硬質の補強部材(6)から形成され、前記センサハウジング(3)と前記機械ハウジングの壁部の間に挟まれている請求項2記載のセンサハウジング。
- 前記センサハウジング(3)が、穿孔部の雌ねじ山に螺合する雄ねじ山(15)を有し、前記センサハウジング(3)の内部表面付近に少なくとも一個のセンサ(4)が設けられ、前記シャフト(1)自体が、前記センサ(4)を介して測定値を生成することができる装置を備えている請求項1記載のセンサハウジング。
- 前記シャフトシールリング(5)用の円環状の保持部材(10)が、前記センサハウジング(3)と形状的な嵌め合いにより(クリップ固定により)結合し、好ましくはプラスチックから形成されている請求項2記載のセンサハウジング。
- 前記センサハウジング(3)が、内径位置近傍に少なくとも一個のセンサ(4)を有し、このセンサ(4)が、ケーブル(9)の導出部と共に、半径方向外側に向かう突出部(19)内に配置されている請求項1又は2記載のセンサハウジング。
- 前記センサハウジング(3)が、回転角の位置を決定するためのフェザーキー用の切欠(16)を有している請求項1又は2記載のセンサハウジング。
- 前記センサハウジング(3)が複数のセンサ(4)を有し、前記複数のセンサ(4)が、それぞれ前記センサハウジング(3)の半径方向内側に向かう突出部(17)に配置されている請求項2記載のセンサハウジング。
- 前記センサハウジング(3)が、少なくとも一個の半径方向外側に向かう突出部(19)を有し、この突出部(19)が回転角の位置を決定する請求項1又は2記載のセンサハウジング。
- 前記センサハウジング(3)が、別個に作成された外側リング(23)と内側リング(22)からなり、測定値検出部(20)及び測定値変換部(21)からなる少なくとも一つのセンサ(4)が、前記外側リング(22)と前記内側リング(23)の間に挟まれ、前記シャフト(1)が、前記内側リング(22)の中央の穿孔部を介して案内されている請求項1又は2記載のセンサハウジング。
- 前記センサハウジング(3)及び前記センサホイール(7)が、角度位置を決めるための一個の孔を有し、この孔内へ組み立て工具の円筒状ピン(18)が嵌入可能である請求項4記載のセンサハウジング。
- 前記シャフト(1)もまた、角度位置を決めるための一個の孔を有し、この孔内へ組み立て工具(24)のもう一つの円筒状ピン(18)が嵌入する請求項18記載のセンサハウジング。
- 前記センサ(4)が、前記センサハウジング(3)中へ埋め込まれているか又は嵌め込まれているか又は他の固定手段を利用して保持されている請求項1又は2記載のセンサハウジング。
- 前記センサ(4)が、前記センサハウジング(3)から半径方向に取り外し可能である請求項21記載のセンサハウジング。
- カムシャフト、クランクシャフト又はトランスミッションレイシャフトの運動パラメータを検出するための、請求項1又は2記載のセンサハウジングの使用方法。
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JP2002359453A JP2004191178A (ja) | 2002-12-11 | 2002-12-11 | 円環状センサハウジング |
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JP (1) | JP2004191178A (ja) |
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2002
- 2002-12-11 JP JP2002359453A patent/JP2004191178A/ja active Pending
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JP2006047223A (ja) * | 2004-08-06 | 2006-02-16 | Nok Corp | 回転検出装置 |
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