JP2004191098A - オリゴヌクレオチド固定化基材 - Google Patents

オリゴヌクレオチド固定化基材 Download PDF

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Osamu Suzuki
収 鈴木
Tatsuo Ichihara
竜生 市原
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Abstract

【課題】目的とする塩基多型の近傍に、他の変異又は多型が存在するような場合であっても、オリゴヌクレオチド固定化基材上の一点のみで、目的とする多型の有無を検出し得るようなオリゴヌクレオチド固定化基板、及びそれを用いた多型の検出法を提供する。
【解決手段】複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドが基材上に固定化され、試料核酸中に、これらのオリゴヌクレオチドの少なくともいずれかに対応する配列が存在するか否かをハイブリダイゼーションによって検出するためのオリゴヌクレオチド固定化基材であって、前記基材の同じ部位に前記キャプチャーオリゴヌクレオチドが混在して固定化されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド固定化基材を用いて、試料核酸とのハイブリダイゼーションを行い、前記配列の有無を検出する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オリゴヌクレオチドが固定化された基材に関し、詳しくは被検体由来の核酸の塩基配列をハイブリダイゼーション手法を用いて特定するために用いられるオリゴヌクレオチド固定化基材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハイブリダイゼーション手法を用いて被検体由来の核酸の検出を行う方法として、被検体由来の核酸とハイブリダイズし得る核酸(キャプチャーオリゴヌクレオチド又はプローブ)、又は被検体由来の核酸(試料核酸)のいずれかを固定化した基材を用いる方法が知られている。
【0003】
前記試料核酸とハイブリダイズし得る核酸(キャプチャーオリゴヌクレオチド)を固定化した基材を用いる場合は、基材に複数種のオリゴヌクレオチドを固定化し、試料核酸がどのオリゴヌクレオチドにハイブリダイズしたかを特定することによって、試料核酸の塩基配列を特定することができる。一方、試料核酸を固定化した基材を用いる場合は、基材に複数の試料核酸を固定化し、プローブがどの試料核酸にハイブリダイズしたかを特定することによって、プローブに対応する配列を有する試料核酸を特定することができる。これらのいずれの方法においても、基材上に核酸が固定化された各々の部位には、均一の試料核酸又はキャプチャーオリゴヌクレオチドが固定化される。
【0004】
上記の方法が適用される典型的な例は、塩基配列における多型の検出である。多型を検出する場合、キャプチャーオリゴヌクレオチドは、多型を有する塩基配列に対応するオリゴヌクレオチドと、多型を有しない塩基配列に対応するオリゴヌクレオチドを使用し、いずれのオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするかによって、多型の有無が判断される。しかし、試料核酸には、多型部位の周辺に、他の変異又は多型が存在する場合があり、そのような場合は、試料核酸はいずれのオリゴヌクレオチドにもハイブリダイズしないため、目的の多型の検出ができない。したがって、前記のような目的以外の変異又は多型に対応するためには、配列に多様性を有するオリゴヌクレオチドを多数種作製し、各々のオリゴヌクレオチドを基板の異なる部位に固定化することが必要となる。そのため、オリゴヌクレオチド固定化基板の作製や、ハイブリダイゼーションの結果の解析が複雑となり、また、人為的ミスを招きやすいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、目的とする塩基多型の近傍に、他の変異又は多型が存在するような場合であっても、オリゴヌクレオチド固定化基材上の一点のみで、目的とする多型の有無を検出し得るようなオリゴヌクレオチド固定化基板、及びそれを用いた多型の検出法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、多様性を有するオリゴヌクレオチドを基材上の同じ部位に混在して固定化することによって、試料核酸に不特定な変異等があっても、目的とする多型を容易に検出し得ることに想到し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
【0007】
(1)複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドが基材上に固定化され、試料核酸中に、これらのオリゴヌクレオチドの少なくともいずれかに対応する配列が存在するか否かをハイブリダイゼーションによって検出するためのオリゴヌクレオチド固定化基材であって、
前記基材の同じ部位に前記キャプチャーオリゴヌクレオチドが混在して固定化されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド固定化基材。
(2)前記オリゴヌクレオチド固定化基材は、試料核酸中の一の多型部位を検出するためのものであって、前記キャプチャーオリゴヌクレオチドの各々は、試料核酸の前記多型部位を含む領域の塩基配列に対応する塩基配列を有し、かつ、前記多型部位以外の1又は2以上の位置で他のキャプチャーオリゴヌクレオチドと異なる塩基を有する(1)に記載のオリゴヌクレオチド固定化基材。
(3)前記オリゴヌクレオチド固定化基材は、試料核酸中の複数の多型部位の少なくとも一つを検出するためのものであって、前記キャプチャーオリゴヌクレオチドの各々は、試料核酸の前記多型部位の各々を含む領域に対応する塩基配列を有する(1)に記載のオリゴヌクレオチド固定化基材。
(4)前記キャプチャーオリゴヌクレオチドの混合液を基材上にスポットすることにより、前記基材上に混在して固定化された(1)〜(3)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド固定化基材。
(5)キャプチャーオリゴヌクレオチドが固定化された部位を複数有し、各々の部位にキャプチャーオリゴヌクレオチドが混在して固定化された(1)〜(4)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド固定化基材。
(6)前記キャプチャーオリゴヌクレオチドが固定化された部位と異なる部位に、検出対象の多型を有しない試料核酸の配列に対応するコントロールオリゴヌクレオチドが固定化された(1)〜(5)のいずれかに記載のオリゴヌクレオチド固定化基材。
(7)前記コントロールオリゴヌクレオチドが、前記多型部位以外の部位において1又は複数の塩基置換を含む1又は複数種のオリゴヌクレオチドを含む(6)に記載のオリゴヌクレオチド固定化基材。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
<1>キャプチャーオリゴヌクレオチド
本発明に用いるキャプチャーオリゴヌクレオチドは、試料核酸中の塩基多型をハイブリダイゼーションにより検出するために用いられるものであり、複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドの混合物である。
【0010】
本発明の第一の形態においては、前記オリゴヌクレオチド固定化基材は、試料核酸中の一の多型部位を検出するためのものであって、前記キャプチャーオリゴヌクレオチドの各々は、試料核酸の前記多型部位を含む領域の塩基配列に対応する塩基配列を有し、かつ、前記多型部位以外の1又は2以上の位置で他のキャプチャーオリゴヌクレオチドと異なる塩基を有する。以下、試料核酸の前記多型部位を含む領域を「標的領域」ということがある。
【0011】
同種の生物であっても、遺伝子配列が個体間で異なる場合がある。このような配列の相違は、一般的に「多型」と呼ばれる。本発明においては、このような個体間の配列の相違のうち、検出対象となる塩基多型を特に「多型」と呼ぶ。このような検出対象の多型以外にも、個体間での遺伝子配列の相違があることがあるが、本明細書においては、このような検出対象の多型以外の遺伝子配列の相違を、「変異」と呼ぶこととする。本発明においては、検出対象の多型を含むが、前記のような「変異」のない配列を、「基準的な配列」ということがある。
【0012】
本発明の第一の形態においては、キャプチャーオリゴヌクレオチドは、前記「基準的な配列」に対応する塩基配列を有する。すなわち、試料核酸が一本鎖の場合には、オリゴヌクレオチドは試料核酸の多型部位を含む領域と相補的な配列を有し、試料核酸とハイブリダイズすることができる。また、試料核酸が二本鎖の場合には、オリゴヌクレオチドは試料核酸の多型部位を含む領域と相同な配列又は相補的な配列を有し、試料核酸の一方の鎖とハイブリダイズすることができる。キャプチャーオリゴヌクレオチドは、前記基準的な配列と完全に対応するオリゴヌクレオチド(以下、「基準オリゴヌクレオチドという」。)と、多型部位以外の1又は2以上の位置で基準オリゴヌクレオチドと異なる塩基を有するオリゴヌクレオチド、すなわち前記多型部位以外の部位において1又は複数の塩基置換を含むオリゴヌクレオチド(以下、「変異オリゴヌクレオチド」という。)を含む。変異オリゴヌクレオチドは、1種であってもよく、複数種であってもよい。
【0013】
前記基準オリゴヌクレオチドは、検出対象の多型以外の変異を含まない標的領域に対応する。また、変異オリゴヌクレオチドは、それぞれのオリゴヌクレオチドの変異に対応する変異を有する標的領域に対応する。
本発明のキャプチャーオリゴヌクレオチドと試料核酸中の標的配列との関係を図7に示す。P1、P2、P3は、多型部位を示す。また、M1、M2は、多型部位以外に存在し得る変異を示す。P1を検出するためのキャプチャーオリゴヌクレオチドは、A1〜A4であり、多型部位を含む領域に対応している。これらのキャプチャーオリゴヌクレオチドのうち、A1が基準オリゴヌクレオチドであり、A2〜A4は変異オリゴヌクレオチドである。
【0014】
キャプチャーオリゴヌクレオチドの長さは特に制限されないが、通常、10〜100mer、好ましくは10〜25mer、特に好ましくは13〜25merの長さが好ましい。
【0015】
キャプチャーオリゴヌクレオチドは、DNA、RNA、あるいは、ペプチド核酸、またはロックド核酸等、塩基部分を有し被検体由来のDNA若しくはRNAと水素結合によるハイブリダイゼーション反応形成可能な低重合高分子のいずれであってもよい。キャプチャーオリゴヌクレオチドの合成方法は、通常のオリゴヌクレオチドと同様にして、例えば市販のDNA合成機を用いる方法等によって、行うことができる。
【0016】
キャプチャーオリゴヌクレオチドの設計にあたっては、検出対象の多型部位に相当する塩基は、オリゴヌクレオチドの配列内の中心部、中心部より3’側、又は5’側のいずれの位置にあってもよい。しかし、キャプチャーオリゴヌクレオチドと標的領域とのハイブリダイゼーションにおいて、他の変異よりも検出対象の多型部位を選択的に特定できるような位置にすることが好ましい。
【0017】
本発明の第二の形態においては、前記オリゴヌクレオチド固定化基材は、試料核酸中の複数の多型部位の少なくとも一つを検出するためのものであって、前記キャプチャーオリゴヌクレオチドの各々は、試料核酸の前記多型部位の各々を含む領域に対応する塩基配列を有する。
【0018】
本発明の第二の形態のオリゴヌクレオチド固定化基材は、単一のキャプチャーオリゴヌクレオチドではカバーし切れない複数の多型のうちの少なくとも一つを検出するためのものである。図7中、P1、P2、P3は各々離れた位置に存在する多型であり、A1、B1、C1は、P1、P2、P3を含む各々の領域(太線)に対応している。
本発明の別の形態においては、キャプチャーオリゴヌクレオチドは、前記第一の形態のキャプチャーオリゴヌクレオチドと、第二の形態のキャプチャーオリゴヌクレオチドをともに含んでいててもよい。
【0019】
<2>キャプチャーオリゴヌクレオチドの基材への固定化
キャプチャーオリゴヌクレオチドは、基材に固定化される。その際、キャプチャーオリゴヌクレオチドは、基材上の同じ部位に混在して固定化される。この固定化は、例えば、キャプチャーオリゴヌクレオチドの混合液を作製し、この混合液を基材上にスポットすることによって、行うことができる。あるいは、基材上の同じ部位に、各々のキャプチャーオリゴヌクレオチドを単独で含む溶液を、順次スポットしてもよい。
キャプチャーオリゴヌクレオチドが「基材上の同じ部位に混在して固定化される」とは、複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドが均一に混合された状態で基板上に固定化されている場合の他、各々のキャプチャーオリゴヌクレオチドが他のキャプチャーオリゴヌクレオチドと近接して固定化され、肉眼的には単一のスポットとして認識される場合を含む。
【0020】
キャプチャーオリゴヌクレオチドは、検出対象の多型に対応して作製されたすべてのオリゴヌクレオチド(前記多型以外の種々の変異に対応する種々のオリゴヌクレオチドを含む)を一箇所に固定化してもよいが、複数箇所に分けて固定化してもよい。いずれにしても、キャプチャーオリゴヌクレオチドが固定化される部位には、複数種のオリゴヌクレオチドが混在して固定化される。
【0021】
また、基材上の他の位置には、検出対象の多型を有しない試料核酸の標的領域配列に対応するオリゴヌクレオチド(コントロールオリゴヌクレオチド)を固定化してもよい。コントロールオリゴヌクレオチドは、前記多型部位以外の部位において1又は複数の塩基置換を含む1又は複数種のオリゴヌクレオチドを含んでいてもよい。
さらに、前記本発明の第一の形態のキャプチャーオリゴヌクレオチドと、第二の形態のキャプチャーオリゴヌクレオチドが、同じ部位に混在して固定化されていてもよい。
【0022】
キャプチャーオリゴヌクレオチドは、好ましくは5’末端部分又は3’末端部分で、基材に固定化される。本発明で用いる基材は、物理的吸着又は化学結合によってオリゴヌクレオチドを固定化することができ、通常のハイブリダイゼーションの条件に耐えうるものであれば、材質、形状等は特に制限されない。具体的には、オリゴヌクレオチドの固定及びハイブリダイゼーション等に用いる溶剤に不溶であり、かつ常温若しくはその付近の温度範囲内(例えば0℃〜100℃)で固体又はゲル状であるものが挙げられる。尚、基材が溶剤に不溶性であるとは、基材に後述のようにしてカルボジイミド基等のオリゴヌクレオチドに結合性を有する基材が胆持され、ついでオリゴヌクレオチドが固定化され、その後、例えば、DNAチップ等として使用される際の各過程で用いられる水性溶剤、有機溶剤等の各種溶剤に実質的に不溶性であることをいう。
【0023】
オリゴヌクレオチドを固定化する領域も特に制限はないが、操作性・視認性などを考慮しておよそ直径5mm以下の円周内に収まる形状が望ましい。固定化される形状は円形・多角型などオリゴヌクレオチドを基材に分注する機器によって制限され得るが、一つの基材上に固定化される形状は全て同じであることが望ましい。
【0024】
上記のような基材の材質として、具体的には、プラスチック、無機高分子、金属、天然高分子、セラミック等が挙げられる。
上記プラスチックとして具体的には、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン、ポリイミド及びアクリル樹脂等が挙げられる。
【0025】
また、無機高分子として具体的には、ガラス、水晶、カーボン、シリカゲル及びグラファイト等が挙げられる。
また、金属として具体的には、金、白金、銀、銅、鉄、アルミニウム、磁石、パラマグネット及びアパタイト等が挙げられる。
【0026】
また、天然高分子としては、ポリアミノ酸、セルロース、キチン、キトサン、アルギン酸及びそれら誘導体が挙げられる。
また、セラミックとして具体的には、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素及び炭化ホウ素等が挙げられる。
【0027】
上記基材の形状としては、例えば、フィルム、平板、粒子、成形品(ビーズ、ストリップ、マルチウェルプレートのウェルまたはストリップ、チューブ、メッシュ、連続発砲フォーム、膜、紙、針、ファイバー、プレート、スライド及び細胞培養容器等)、ラテックス等を挙げることができる。また、それらの大きさについては、特に制限は無い。
【0028】
上記基材にオリゴヌクレオチドを固定化するにあたって、基材にオリゴヌクレオチドを直接固定化してもよく、担体を基材に担持させて、担体を介してオリゴヌクレオチドを基材に固定化してもよい。基材としては、基材自体がオリゴヌクレオチドに結合性を有していてもよく、オリゴヌクレオチドに結合性を有するリガンドを介してオリゴヌクレオチドを固定化できるものであってもよい。ここで、「担持」とは、基材にオリゴヌクレオチドを固定化する際や、オリゴヌクレオチド固定化基材をDNAチップ等として使用する際等に用いられる水溶性溶剤、有機溶剤等の各種溶剤中で、基材からオリゴヌクレオチドが実質的に脱離しないことを意味する。
【0029】
本発明に用いられる担体は、上記基材上に担持される限り、単に物理的な接着性を利用して担持されていてもよく、また、化学的に共有結合等を介して担持されていてもよい。また、上記担体は、必要に応じ、基材上の全面において担持されても、また、その一部において胆持されてもよい。
【0030】
担体としては、有機低分子、プラスチック、無機高分子、金属、天然高分子、セラミック等が挙げられる。
上記有機低分子として具体的には、カルボジイミド基含有化合物、イソシアネート基含有化合物、窒素イペリット基含有化合物、アルデヒド基含有化合物、アミノ基含有化合物等が挙げられる。
【0031】
また、プラスチックとして具体的には、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリアミド、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカルボジイミド樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化エチレン、ポリイミド及びアクリル樹脂等が挙げられる。
【0032】
また、無機高分子として具体的には、ガラス、水晶、カーボン、シリカゲル及びグラファイト等が挙げられる。
また、金属として具体的には、金、白金、銀、銅、鉄、アルミニウム、磁石、パラマグネット及びアパタイト等が挙げられる。
【0033】
また、天然高分子としては、ポリアミノ酸、セルロース、キチン、キトサン及びそれらの誘導体が挙げられる。
また、セラミックとして具体的には、アルミナ、シリカ、炭化ケイ素、窒化ケイ素及び炭化ホウ素等が挙げられる。
【0034】
このような担体は、上記基材に対して高い接着性を有するものであり、この接着性を利用して基材に担持されるものである。尚、前記担体が基材上に物理的な接着性を利用して担持される際の代表的な形態は皮膜である。前記基材上に前記担体を皮膜で担持させる方法としては、スプレー、浸漬、ブラッシング、スタンプ、蒸着、フィルムコータを用いたコーティング等の公知の方法を用いることができる。
【0035】
例えば、ガラス基材の表面全体にカルボジイミド基を有する樹脂を担持させるには、まず、3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ置換オルガノアルコキシシランを適当な溶媒に溶解して得られた溶液に、70〜80℃程度の温度条件下でガラス基材を概ね2〜3時間程度浸漬したあと、これを取り出して溶液を水洗し、さらに、100〜120℃程度で約4〜5時間加熱乾燥する。乾燥後、適当な溶媒中に浸し、カルボジイミド樹脂を加え30〜170℃程度の温度条件下で12時間程度攪拌し洗浄すれば良い。また、上記3−アミノプロピルトリエトキシシランのアミノ基と窒素イペリット基のオリゴヌクレオチド結合基以外の官能基を適当な溶媒を用いて反応させ、ガラス基材の表面に窒素イペリット基を導入することもできる。
【0036】
また、ガラス基材にアミノ基以外の官能基を存在する場合や、基材がガラス以外の材料からなる場合においても、上記基材の説明で挙げた各種材料表面に種々の官能基を導入することは、従来より一般的に行われていることであり、その方法も公知であるので、このような公知の方法を用いて基材表面への官能基の導入を行うことができる。
【0037】
さらに、上記で挙げた基材のプラスチック基材の中には、基材表面に既に上記のような官能基を有するものも有り、この場合には基材表面に官能基を導入することなしに、これをそのまま基材の製造に用いることも可能である。また、このようなプラスチック基材であってもさらに官能基を導入して上記基材の製造に用いることも可能である。
【0038】
キャプチャーオリゴヌクレオチドは、上記のような基材上に、5’末端部分又は3’末端部分で固定化される。オリゴヌクレオチドの固定化の方法は、基材、基材表面の官能基、リガンドの種類等に応じて、適宜設定すればよい。
【0039】
キャプチャーオリゴヌクレオチドは、基材に固定化する末端側に、3塩基又はそれ以上の長さのホモポリマーを結合させてもよい。特に、表面にカルボジイミド基を有する基材を用いる場合、ホモポリマーを有するオリゴヌクレオチドは、基材により強固に固定化される。
【0040】
上記のようなオリゴヌクレオチドの末端にホモポリマーを結合する方法としては、公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、市販されている核酸合成器を用いて、オリゴヌクレオチドの末端に核酸塩基が少なくとも3塩基以上重合するように、一体として合成する方法が挙げられる。また、ホモポリマーを、オリゴヌクレオチドと化学的または酵素的な手法を用いて結合する方法等が挙げられる。ホモポリマーを構成する核酸塩基は、核酸がDNAである場合はアデニン、グアニン、シトシン又はチミンであり、RNAである場合はアデニン、グアニン、シトシン又はウラシルである。
【0041】
ホモポリマーの長さとしては、3塩基以上100塩基以下が好ましく、5塩基以上50塩基以下がより好ましく、10塩基以上40塩基以下が特に好ましい。この塩基数が2塩基以下であると、十分な量の核酸を基材上に固定できず、また、塩基数が101塩基以上であると核酸製造工程で著しく収率が低下する。
【0042】
また、ホモポリマーは、ある塩基から構成されるホモポリマーと、他の塩基から構成されるホモポリマーが連結したものであってもよい。
また、オリゴヌクレオチドの5’末端は、アミノリンカーを介して固定化してもよい。
【0043】
オリゴヌクレオチドを固定化するに際し、基材上にオリゴヌクレオチドをドット状に固定することが好ましい。ドット状に固定するとは、基材の大きさに対して、オリゴヌクレオチド固定部位が複数個所設けられる程度に充分小さいことをいう。前記ドットの形状は、特に制限されないが、通常は円形が好ましい。キャプチャーオリゴヌクレオチドは、通常、基材上の複数個所に固定化され、いわゆるDNAアレイ又はDNAチップとして調製される。
【0044】
具体的には、例えば、オリゴヌクレオチドと基材との接触反応において固定化されるオリゴヌクレオチドの活性が維持されるように、通常、オリゴヌクレオチドは水またはバッファー中に含まれる形で供給される。また、接触の際の温度としては固定化されるオリゴヌクレオチドの活性が失われないように、概ね0〜100℃とすることが好ましい。
【0045】
また、オリゴヌクレオチドと基材の接触後にUV等の電磁波を照射することによって固定することもできる。さらに、オリゴヌクレオチドとカルボジイミド樹脂、窒素イペリット、ポリアミノ酸、ニトロセルロール等の公知の化合物を化学的に結合又は物理的に結合した状態で、これら混合物と基材を接触させ固定させても良く、また、このときUV等の電磁波を照射して固定しても良い。
【0046】
本発明においてオリゴヌクレオチドを、通常は、オリゴヌクレオチドを含有する水またはバッファーを、基材にドット状に供給する手段として、ディスペンサを用いる方法、ピンを用いる方法、インクジェットを用いる方法等があるが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、このように溶液を微量に供給する装置は、一般に市販されており、本発明においてもこれらを用いることが可能である。
【0047】
キャプチャーオリゴヌクレオチドを固定化した基材は、試料核酸が非特異的に結合することを防ぐため、上記のようにしてドット状にキャプチャーオリゴヌクレオチドを基材に固定化した後に、過剰量のウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、サケ精子DNA等を接触させ、未反応部分をブロックしておくことが好ましい。
【0048】
<3>試料核酸及びハイブリダイゼーション
本発明は、上記キャプチャーオリゴヌクレオチドを固定化した基板を用い、キャプチャーオリゴヌクレオチドと試料核酸、又はその増幅産物との間でのハイブリダイゼーションを行う。
【0049】
試料核酸は特に制限されず、目的に応じて、種々の生物由来のDNA又はRNAが使用される。試料核酸は、微生物細胞、又は動物もしくは植物の種々の組織から調製される。試料核酸の調製は、通常の細胞からのDNA又はRNAの調製と同様にして行うことができる。また、試料核酸としては、細胞から調製したDNA又はRNAをそのまま使用することもできるが、PCR法等によって標的配列又は標的配列を含む領域を増幅したものを用いてもよい。
【0050】
ハイブリダイゼーションの具体的方法は特に制限されないが、例えば、キャプチャーオリゴヌクレオチドを固定化した基板を、試料核酸を含む溶液に浸漬するか、基板上のキャプチャーオリゴヌクレオチドを固定化した部分に試料核酸を含む溶液をスポットすることによって、行うことができる。また、基板上のキャプチャーオリゴヌクレオチドを固定化した部分を囲むように枠で覆い、その中に試料核酸を含む溶液を流し込んでもよい。
【0051】
溶液は、DNAのハイブリダイゼーションが可能であれば特に制限されず、各種緩衝液を用いることができる。例えば、pH6.5〜8程度のTris−HClが挙げられる。溶液は、通常、DNAやオリゴヌクレオチドの分子内で形成される塩基対が解離する程度の温度、例えば90〜100℃程度に高められた後、キャプチャーオリゴヌクレオチドと試料核酸中の標的配列がアニールする温度に調整される。具体的には、キャプチャーオリゴヌクレオチドの長さにもよるが、通常5〜80℃であることが好ましい。
【0052】
ハイブリダイゼーションの検出の方法は特に制限されないが、例えば、試料核酸を予め標識物質で標識しておき、ハイブリダイゼーションに続いて基板を洗浄た後に、標識を検出することによって、行うことができる。標識物質としては、特に制限されないが、通常ハイブリダイゼーションの検出に用いられている物質、例えば放射性同位元素、蛍光色素、ビオチン、ハプテン、又は抗原等が挙げられる。例えば、標識物質としてビオチンを用いた場合、ハイブリダイゼーション操作後に、ビオチンに特異的に結合する蛋白質(アビジン又はストレプトアビジン)とこれに化学的に結合された酵素の複合体を結合させ、更に同酵素によって分解されると沈着性の色素を形成する化合物を加えて反応を行うと、ハイブリダイゼーションの有無及び位置を容易に検出することができる。
【0053】
本発明の基材上に固定化されたキャプチャーオリゴヌクレオチドと試料核酸とをハイブリダイズさせると、試料核酸中に、これらのキャプチャーオリゴヌクレオチドの少なくともいずれかに対応する配列が存在するか否かを検出することができる。それによって、被検体を特徴付ける塩基配列があるかないかの結果を、一つの点、又は少ない数の点にシグナルが出るかでないかで判断することができる。これは検出対象の多型以外の変異にそれぞれ対応したオリゴヌクレオチドを、異なる点に固定化した場合に得られる複数箇所のハイブリダイゼーションシグナルをもって判定するよりも、検体間に存在する目的の多型以外の変異のある無しに影響されることなしに、検体由来の試料核酸中の塩基配列を特定でき、シグナルが一点又は少数の点にのみ得られるため、人為的なエラーの入る余地が生じないため有効な手段になり得る。
【0054】
例えば、図7において、変異M1、M2の有無に拘わらず、多型P1が被検体を特徴付ける形質に関与している場合、キャプチャーオリゴヌクレオチドA1〜A4の少なくともいずれかが試料核酸にハイブリダイズすれば、被検体は多型P1を有していることがわかり、前記形質を有していると判断される。また、多型P1、P2及びP3のいずれもが独立して被検体を特徴付ける形質に関与している場合、キャプチャーオリゴヌクレオチドA1、B1、C1の少なくともいずれかが試料核酸にハイブリダイズすれば、被検体はP1、P2及びP3の少なくともいずれかの多型を有していることがわかり、前記被検体は前記形質を有していると判断される。
【0055】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。
【0056】
【実施例1】オリゴヌクレオチドの合成
常法に従い、オリゴヌクレオチド合成機(Perkin−Elmer Applied Biosystems)を用いてオリゴヌクレオチドを合成し、脱保護を施したのち乾燥させた。このオリゴヌクレオチド乾燥体を10mM Tris−HCl(pH7.5), 1mM EDTA緩衝液に溶解させ100pmol/μLのオリゴヌクレオチド溶液を調製した。この方法で合成したオリゴヌクレオチドの塩基配列を配列番号1〜27に示す。配列番号27のオリゴヌクレオチドには、合成の際に5’末端にビオチンを導入した。
【0057】
上記オリゴヌクレオチドのうち、配列番号7〜25のオリゴヌクレオチドは、リファンピシン耐性及び感受性を示すマイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacterium tuberculosis)のrpoB遺伝子の塩基配列に基づき、リファンピシン耐性に関与する塩基変異を配列の中心に含むように設計した。また、配列番号1〜6のオリゴヌクレオチドは、リファンピシン感受性株のrpoB遺伝子の配列に基づき、前記塩基変異に対応する塩基がほぼ配列の中心に来る様に配列を設計した。尚、前記「塩基変異」に対応するとは、耐性株と感受性株のrpoB遺伝子の同一領域で塩基配列のアライメントを作成し、各塩基に番号をつけ、耐性株の塩基変異と同じ番号の感受性株の配列の塩基を指す。
【0058】
【実施例2】スポット用オリゴヌクレオチド溶液の調製
実施例1で合成したオリゴヌクレオチド溶液のうち、配列番号7〜25のオリゴヌクレオチド溶液(100pmol/μL)を、10μLづつ1本の1.5mLマイクロチューブに加え凍結乾燥させた。このチューブに、10mM Tris−HCl(pH7.5), 1mM EDTA緩衝液を10μL加え、総オリゴヌクレオチド濃度1.9nmol/μLにした。配列番号1〜6のオリゴヌクレオチド溶液については、10μLの前記緩衝液を各々の1.5mLマイクロチューブに加えた。
【0059】
これらのオリゴヌクレオチド溶液に対して、各々10μLのマイクロスポッティング溶液(TeleChem Internationl Inc.)を加え混合した。各チューブ内の溶液を、96穴マイクロタイタープレート(Greiner Labotechnik Ltd.)に移した。スポッティングマシン(Pixsys;CARTESIAN TECHNOLOGIES, INC.)の所定の位置にカルボジイミド基を有するスライドグラス(特開2001−66304に記載の方法にしたがって作製した)を配置し、スポッティングマシンを作動させ、各ウェル内のオリゴヌクレオチド溶液をスライドグラスの所定の位置にスポットした。それぞれのオリゴヌクレオチド溶液は、図1及び2に示す2種類のパターンでスポッティングした。図中の数字は、配列番号を表す。図2中、「M」は配列番号7〜25のオリゴヌクレオチドの混合溶液をスポットしたことを示す。
【0060】
スポッティング終了後、スライドグラスを37℃の乾燥機内に30分間置いた。スライドグラスを3% BSA(仔牛血清アルブミンフラクションV)を含む100mMTris−HCl(pH7.5), 100mM NaCl, 0.1% TritonX−100に室温で30分間浸すことでブロッキングした。その後室温で乾燥させたのち、10mM Tris−HCl(ph7,5), 1mM EDTA緩衝液で洗浄した。スライドグラスを再度室温で乾燥させ、使用まで乾燥状態で冷暗所で保存した。
【0061】
【実施例3】核酸プローブの調製
米国健康保険局(U.S.Department of Health and Human Services)が紹介する方法、又はJacobsらの方法を用いて、結核菌の菌体を破壊し、DNAを抽出した(Jacobs, W. R. Jr. et al. Methods in Enzymology, 204:537,1991, Kent, P.T. et al., Mycobacteriology. A guide for the Level III laboratory. pp31, U.S. Department of Health and Human Services. Public health Service, Centers for Disease Control, 1985)。
【0062】
1ユニットのTaqポリメラーゼ(ampliTaq Gold、Perkin−Elmer Applied Biosystems)、100pmolの配列番号26及び27のオリゴヌクレオチド溶液を各々1μL、×10反応用緩衝液2μL、2.5mM dNTP(Gibco BRL)を2μL、リファンピシン感受性の結核菌(Mycobacterium tuberculosis H37Rv株)より抽出したDNA、又は結核患者から分離されたリファンピシン耐性の結核菌より抽出したDNA 1μLをチューブに加え、滅菌蒸留水を加えて総容量20μLにした。サーマルサイクラー(PTC−200,MJ Research Inc.)にチューブをセットして、▲1▼98℃:2分、▲2▼98℃:5秒、▲3▼55℃:5秒、▲4▼72℃:10秒、▲5▼72℃:2分の加熱サイクル中、▲2▼〜▲4▼を50回繰り返すプログラムを作動させて、PCR反応を行った。
【0063】
H37Rv株由来のDNAを鋳型とした場合に増幅される塩基配列を、配列番号28に示す。また、リファンピシン耐性の結核菌由来のDNAを鋳型としたときに増幅される塩基配列を、配列番号29に示す。前者では塩基番号50の塩基が「A」であるのに対し、後者では「T」である点で、これらの配列は異なっている。
【0064】
【実施例4】ハイブリダイゼーションと化学発色
実施例3で作製した核酸プローブ5μLを取り、1.5mL容チューブに加え、さらにハイブリダイゼーション溶液(UniHyb Hybridization Solution、TeleChem International Inc.) 20μLを加えて混合し、プローブ溶液を調製した。この溶液を100℃で10分間加熱処理した後、氷中に5分間浸した。この核酸プローブ溶液を、実施例2で作製したオリゴヌクレオチドを固定化した基材上に10μLのせ、カバーグラスを載せた。容器(ハイブリカセット、TeleChem International Inc.)にこの基材を入れ、42℃の水浴中で一時間放置した。ハイブリカセットから基材を取り出し、4℃の5×SSC(0.75M NaCl, 0.075クエン酸ナトリウム)に浸してカバーグラスを除去した。基材を4℃の5×SSCに30分間浸す操作を2回行い、室温の3Mテトラメチルアンモニウムクロライド水溶液で2回濯いだのち、45℃の3Mテトラメチルアンモニウムクロライド水溶液で2回濯いだ、最後に2×SSCの入った容器に基材を移した。
【0065】
容器から基材を取り出し、基材の端をペーパータオルに着け余分な水分を除去し、オリゴヌクレオチドが固定化されている面を上にしてペーパータオルの上に置いた。あらかじめ使用する30分前に調整しておいたストレプトアビジン−HRPコンジュゲート溶液(調製法は下記に示す)1.4mLを基材上に均一に載せた。
【0066】
〔ストレプトアビジン−HRPコンジュゲート溶液の調製方法〕
5mLのTBST溶液(50mM トリス塩酸(pH7.6)、0.15M塩化ナトリウム、0.05%ツィーン20)にアビジンDH及びビオチン化ペルオキシダーゼ(Vector Laboratories, Inc.)をそれぞれ1滴加えて混合し、室温で30分間放置した。
【0067】
分注機で基材上の溶液を吸い取り、基材をTBST溶液の入った容器に移し、振とうさせながら室温で5分間洗浄した。溶液をいったん捨てて、新しいTBST溶液を容器に加え振とうさせながら室温で5分間洗浄した。基材を容器から取り出し、基材の端をペーパータオルに着け余分な水分を除去した後、基材をオリゴヌクレオチドが固定化されている面を上にしてペーパータオル上に置いた。基材上にTMB溶液(Vector Laboratories, Inc.)を1.4mLのせ、室温で20分間反応させた後、脱イオン水で洗浄し酵素反応を停止させた。
【0068】
室温で基材を乾燥させたのち、OA用スキャナーで基材のオリゴヌクレオチドが固定化されている面をスキャンし、得られる画像をコンピューター内にJPEGファイルとして保存した。H37Rvより抽出したDNAを用いてパターン1の基材(図1)を用いた結果を図3に、パターン2の基材(図2)を用いた結果を図4に示す。また、リファンピシン耐性の結核菌より抽出したDNAを用い、パターン1の基材を用いた結果を図5に、パターン2の基材を用いた結果を図6に示した。
【0069】
図3及び4に示した結果は、リファンピシン感受性結核菌のDNAについてハイブ
リダイゼーションを行ったものであり、パターン1及びパターン2の両方において、配列番号1〜6にのみハイブリダイゼーションシグナルが得られた。
また、図5及び6に示した結果は、リファンピシン耐性結核菌由来のDNAについてハイブリダイゼーションを行ったものであり、図5はパターン1のアレイを、図6はパターン2のアレイを用いた結果である。図5では、配列番号1、3〜6及び11のオリゴヌクレオチドにシグナルが得られている。一方図6では、配列番号1、3〜6及び7〜25のうちのどれかのオリゴヌクレオチド(M)に対してハイブリダイゼーションシグナルが得られている。図5及び6に示した結果は、被検体はリファンピシン耐性であるということを示している。
【0070】
図1に示すパターン1のアレイを用いて、リファンピシン耐性結核菌のDNAについてハイブリダイゼーションを行った場合は、配列番号7〜25のオリゴヌクレオチドの少なくともいずれか1つにシグナルを得ることになる(図5)。一方、図2に示すパターン2のアレイを用いた場合は、必ず「M」の点にシグナルを得ることができる(図6)が、リファンピシン感受性株のDNA配列に基づいて設計された配列番号1〜6に示すオリゴヌクレオチドが固定化された点のそれぞれの内、どれか一つ又は2つ以上の点でシグナルが得られない。言いかえれば、点「M」にシグナルが得られ、かつ配列番号1〜6のうちどれか一つ以上にシグナルが得られないときはリファンピシン耐性、点「M」にシグナルが無く、配列番号1〜6の全てにシグナルが得られているときにリファンピシン感受性を示す。
【0071】
【発明の効果】
本発明により、目的とする塩基多型の近傍に、他の変異又は多型が存在するような場合であっても、目的とする多型の有無を簡便に検出することができる。
【0072】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2において基板上にオリゴヌクレオチドを固定化したパターン(パターン1)を示す。
【図2】実施例2において基板上にオリゴヌクレオチドを固定化したパターン(パターン2)を示す。
【図3】リファンピシン感受性の結核菌(Mycobacterium tuberculosis H37Rv株)より抽出したDNAを用いてパターン1の基材(図1)を用いたハイブリダイゼーションの結果を示す図(写真)。
【図4】リファンピシン感受性の結核菌(Mycobacterium tuberculosis H37Rv株)より抽出したDNAを用いてパターン2の基材(図1)を用いたハイブリダイゼーションの結果を示す図(写真)。
【図5】リファンピシン耐性の結核菌より抽出したDNAを用い、パターン1の基材(図1)の基材を用いたハイブリダイゼーションの結果を示す図(写真)。
【図6】リファンピシン耐性の結核菌より抽出したDNAを用い、パターン2の基材(図2)の基材を用いたハイブリダイゼーションの結果を示す図(写真)。
【図7】本発明のキャプチャーオリゴヌクレオチドと試料核酸との関係を示す図。

Claims (7)

  1. 複数種のキャプチャーオリゴヌクレオチドが基材上に固定化され、試料核酸中に、これらのオリゴヌクレオチドの少なくともいずれかに対応する配列が存在するか否かをハイブリダイゼーションによって検出するためのオリゴヌクレオチド固定化基材であって、
    前記基材の同じ部位に前記キャプチャーオリゴヌクレオチドが混在して固定化されていることを特徴とするオリゴヌクレオチド固定化基材。
  2. 前記オリゴヌクレオチド固定化基材は、試料核酸中の一の多型部位を検出するためのものであって、前記キャプチャーオリゴヌクレオチドの各々は、試料核酸の前記多型部位を含む領域の塩基配列に対応する塩基配列を有し、かつ、前記多型部位以外の1又は2以上の位置で他のキャプチャーオリゴヌクレオチドと異なる塩基を有する請求項1に記載のオリゴヌクレオチド固定化基材。
  3. 前記オリゴヌクレオチド固定化基材は、試料核酸中の複数の多型部位の少なくとも一つを検出するためのものであって、前記キャプチャーオリゴヌクレオチドの各々は、試料核酸の前記多型部位の各々を含む領域に対応する塩基配列を有する請求項1に記載のオリゴヌクレオチド固定化基材。
  4. 前記キャプチャーオリゴヌクレオチドの混合液を基材上にスポットすることにより、前記基材上に混在して固定化された請求項1〜3のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド固定化基材。
  5. キャプチャーオリゴヌクレオチドが固定化された部位を複数有し、各々の部位にキャプチャーオリゴヌクレオチドが混在して固定化された請求項1〜4のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド固定化基材。
  6. 前記キャプチャーオリゴヌクレオチドが固定化された部位と異なる部位に、検出対象の多型を有しない試料核酸の配列に対応するコントロールオリゴヌクレオチドが固定化された請求項1〜5のいずれか一項に記載のオリゴヌクレオチド固定化基材。
  7. 前記コントロールオリゴヌクレオチドが、前記多型部位以外の部位において1又は複数の塩基置換を含む1又は複数種のオリゴヌクレオチドを含む請求項6に記載のオリゴヌクレオチド固定化基材。
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