JP2004191010A - 木質ペレット状燃料燃焼装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本燃焼中において、灰処理用歯車24、25を所定の時間間隔で回転させて発生する灰を各灰処理板26のスリット部26aから下方に掻き出し、一旦灰処理扉30a、30b上に灰を溜め、灰の自重で灰処理扉30a、30bを開いて灰回収容器14に回収することにより、灰がバーナー本体17の周囲に形成した空気取入れ用の炎孔17bを閉塞して不完全燃焼が発生することを防止して、良好な燃焼を安定して継続することができる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料として木質ペレット状の燃料を用いた暖房機等の木質ペレット状燃料燃焼装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガスによる地球温暖化が問題になってきている。このため、二酸化炭素の排出源である石油や石炭等の化石資源由来のエネルギーをカーボンニュートラルという特性を持つバイオマスで代替することにより、二酸化炭素の発生を抑制し、地球温暖化を防止することが急務となっている。このような環境問題に伴い、石油や石炭等の化石燃料よりもクリーンな燃料であり、更に、木材の有効利用等の観点から、圧縮した木材チップからなるペレット状の固体燃料を用いる暖房機等の燃焼装置が再び見直されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
木材チップのペレット化とは、原料である木材を小片の均一な粒子サイズに粉砕して、水分含有率を8〜12%まで乾燥し、これを成型機で直径6〜8mm、長さ15mm程度の円筒状に成型固化されたものである。原料が木である場合、木の成分であるリグニンが接着剤の役割を果たす。また、粒状に成型することで形状を一定にし、高密化によってエネルギー密度を高くすることができ、燃料としての扱いが容易になる。
【0004】
木をペレット化する場合、木の木部のみで作られる木質部ペレット(ホワイトペレット)と、木の樹皮部のみで作られる樹皮系ペレット(バークペレット)と、木全体で作られる木ペレットとに大別される。樹皮系ペレットは、燃焼時に発生する灰分が約5%と木質部ペレットの約1%と比べて高く、灰処理が問題とされる。そのため、従来の暖房機等の燃焼装置においては、木質部ペレットが使われることがほとんどで、樹皮系ペレットはボイラー等の一部で利用される程度であった。しかしながら、製紙材料となる木材チップの生産工程において、剥皮工程で木部と樹皮部に分離され、樹皮部が未利用のまま大量に発生する現状があり、近年、これらの樹皮部についても有効利用することが求められている。
【0005】
【特許文献1】
特開昭56−149511号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した木質部ペレットや樹皮系ペレット、及び木ペレットを燃焼装置の燃焼室で燃焼させる場合、燃焼に伴って発生する灰が燃焼室の下部に堆積することによって、燃焼室に設けた燃焼用空気供給の炎孔を閉塞させてしまう。これにより、不完全燃焼を引き起こし、クリンカーが発生するおそれがあった。
【0007】
特に、樹皮系ペレットを用いた場合においては、燃料自体が持つ灰分が木質部ペレットよりも多く、より効果的に堆積した灰を排出処理する必要がある。
【0008】
そこで本発明は、樹皮系ペレットを用いた場合においても効果的に堆積した灰を排出処理して、不完全燃焼とクリンカーの発生を防止することができる木質ペレット状燃料燃焼装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、装置本体内に設けられ、木材チップからなるペレット状の固体燃料が収納される燃料収納部と、前記装置本体内に設けた、点火手段を有する燃焼部と、前記燃料収納部内に取り込まれる前記固体燃料を搬送し、燃料供給経路を通して前記固体燃料を前記燃焼部に供給する燃料搬送手段と、前記燃焼部の下部に設けられ、前記燃焼部に供給される前記固体燃料に前記点火手段で点火して着火させ、継続的な前記固体燃料の供給による燃焼時に発生する灰を前記燃焼部から回収処理する灰処理手段と、前記灰処理手段で回収した灰を収容する灰回収容器とを具備した木質ペレット状燃料燃焼装置であって、前記灰処理手段は、所定間隔で複数のスリット部を有する灰回収部材と、略平行に配置した少なくとも2本の回転軸にそれぞれ複数取付けた、外周面に灰を掻き取る複数の凹凸部を有する回転部材と、前記各回転軸を正逆方向に回転自在に回転させる回転駆動部と、を備え、前記各回転部材を、少なくともその外周面が前記スリット部の上部から露出するようにして前記各スリット部に配置し、前記燃焼部での前記固体燃料の燃焼中において前記各回転軸の各回転部材を所定のタイミングで回転させ、前記燃焼部の下部周囲に堆積した灰を前記スリット部を通して前記灰回収容器側に掻き出すことを特徴としている。
【0010】
また、燃焼中における燃焼の強度設定に合わせて、前記各回転部材を回転させる時間間隔を変化させることを特徴としている。
【0011】
また、前記各回転軸を設定時間の経過に合わせて正逆方向を切り替えて回転させることを特徴としている。
【0012】
また、前記燃焼部に供給される前記固体燃料の供給量に応じて前記各回転部材を所定時間回転させることを特徴としている。
【0013】
また、前記各回転軸を互いに内回り方向に回転させることを特徴としている。
【0014】
また、燃焼中における前記燃焼部の検知温度に応じて前記各回転部材を所定時間回転させることを特徴としている。
【0015】
また、燃焼後の消火時において前記各回転軸を正逆方向に回転させ、更に前記前記各回転軸を互いに内回り方向に回転させることを特徴としている。
【0016】
また、前記回転部材と前記灰回収容器の間に、閉じたときに略密閉される開閉自在な開閉蓋を設けたことを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置を示す概略側断面図、図2は、本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置の正面側から見た概略断面図である。
【0019】
この木質ペレット状燃料燃焼装置1は、直方体状の枠体2を有しており、枠体2の下部には燃料としての樹皮系ペレット(以下、単にペレットという)3が収納される燃料収納部4が設けられており、燃料収納部4の上部には燃焼室本体5が設けられている。また、枠体2の燃料収納部4と燃焼室本体5の背面側には、燃料としてのペレット3を燃焼室本体5内に搬送する燃料搬送部6が設けられている。
【0020】
燃料収納部4内の下部には、燃料収納部4内に収納されているペレット3を攪拌する燃料攪拌装置7が設置されている。燃料攪拌装置7は、ペレット攪拌モータ8とコイル状の燃料攪拌部材9を有しており、ペレット攪拌モータ8の駆動によって燃料攪拌部材9を回転させることによって、燃料攪拌部材9でペレット3を攪拌することができる。
【0021】
燃料攪拌部材9の先端部は、燃料搬送部6の燃料搬送用筒37の下部に形成した燃料取入れ口37a近くに位置しており、燃料攪拌部材9の回転によって攪拌されたペレット3を安定して燃料取入れ口37aに送り込むことができる。また、燃料攪拌部材9の回転によってペレット3を攪拌することによって、ペレット3が燃料取入れ口37aに送り込まれても、すぐに燃料取入れ口37aの周囲からペレット3が補給され、安定して連続的にペレット3を燃料取入れ口37aに送り込むことができる。
【0022】
また、燃料収納部4内の燃料攪拌部材9の上方には、燃料攪拌部材9の先端部近傍にペレット3が有るか否かを検知する検知センサ10が設置されており、燃料攪拌部材9の先端側の下部には、ペレット3の残量を検知する残量検知センサ11が設置されている。燃料収納部4内は、ペレット3を入れる上部は広く、両側面から下部に向けて狭くなるように形成されている。燃料収納部4内の上部には、引き出し自在なストーカー4aが設けられており、引き出したストーカー4aを介してペレット3を燃料収納部4内に補給することができる。
【0023】
ペレット3は、原料である木材の小片を均一な粒子サイズに粉砕して水分含有率を8〜12%まで乾燥し、これを成型機で直径6〜8mm、長さ15mm程度の円筒状に成型固化された固体燃料である。なお、本実施の形態では樹皮系ペレットを用いたが、上記した木質部ペレットや木ペレットを用いても良い。
【0024】
燃焼室本体5は、ペレット3を燃焼させるバーナー部12、バーナー部12の下部に設けたペレット3の燃焼によって発生する灰を回収処理する灰処理部13、灰処理部13の下方に配置した灰回収容器14、バーナー部12の上方に形成された燃焼室15、燃焼室15の上方に設置した放熱部16等を備えている。
【0025】
バーナー部12は、バーナーケース19に箱状のバーナー本体17を装着し、バーナー本体17内に燃料搬送部6から搬送供給されるペレット3を開口した上部から取り入れるホッパー17aを設け、バーナー本体17内の前面下部に位置するように配置した点火ヒータ18を有している。バーナー本体17を内側に取付けたバーナーケース19の背面側には、装置外から供給される燃焼用空気をバーナー本体17内に取り込む送気管20が接続されている。
【0026】
また、バーナーケース19の前面側には、燃焼室15の前面に取付けた透明な耐熱ガラス21の背面に空気を導く通風筒22が接続されている。バーナーケース19とバーナー本体17との間には流路(不図示)が形成されており、この流路を通して送気管20と通風筒22は連通している。バーナー本体17は、図3に示すように、バーナーケース19内に設置されており、バーナー本体17の周面には、空気取入れ用の炎孔17bが多数形成されている。また、ホッパー17aは、上部と下部が開口しており下部に向けて狭くなっている。
【0027】
灰処理部13は、図3に示すように、ホッパー17aの下部の開口近傍に設置されており、対向配置された一対のシャフト23a、23bに取付けた外周面が凹凸状の複数の灰処理用歯車(回転部材)24、25を有している。複数の各灰処理用歯車24、25は、図4、図5に示すように、等間隔で配置された薄板状の複数の灰処理板(灰回収部材)26の間に形成される複数のスリット部26a内に位置するようにして互い違いに交互に配置されている。灰処理用歯車24、25の凹凸状の外周面は灰処理板26の上面から露出し、バーナー本体17内の下部に位置している。
【0028】
一対のシャフト23a、23bは、バーナー本体17及びバーナーケース19に回転自在に支持されており、各シャフト23a、23bの一端側に取付けた各ギア27、28同士が噛合っている。シャフト23bには灰処理用モータ29が接続されており、灰処理用モータ29の駆動によりギア27、28を介して噛合っている各シャフト23a、23bに取付けた各灰処理用歯車24、25が、等間隔で配置された各灰処理板26の間のスリット部26a内で回転する。灰処理用モータ29は正逆方向に回転駆動可能である。
【0029】
各灰処理板26の下方には、図3に示すように開閉自在な灰処理扉30a、30bが設置されており、灰処理扉30a、30bの両端側に設けたバネ(不図示)による付勢力によって、各灰処理板26の隙間を通して灰が所定量以下しか落下していない状態では灰処理扉30a、30bは閉じており、灰処理扉30a、30b上に所定量以上の灰が落下するとバネ(不図示)による付勢力に抗して開くように構成されている。灰処理扉30a、30bの下方には灰回収容器14が設置されている。灰回収容器14は、木質ペレット状燃料燃焼装置1の枠体2の前面側に設けた開閉自在な扉(不図示)を開くことによって外に取出すことができる。
【0030】
燃焼室15は、その前面に透明な耐熱ガラス21が取付けられており、バーナー部12でペレット3を燃焼させているときの炎31が外から見えるようにしている。燃焼室15内の上部には複数の放熱管32が配置されている。
【0031】
放熱部16は、燃焼室15と連通孔(不図示)を介して連通している排気室33を有している。排気室33内には、燃焼室15からの排ガスを上方から一旦下方に向けて排出させるバッフル板33aが設けられている。また、燃焼室15及び放熱部16の上面、背面、左右側面を断熱板51で囲い、燃焼室15と放熱部16及び断熱板51との間に形成される空間を温風通路51aとしている。温風通路51aの枠体2の前面側には複数の吹き出し口51bが形成されている。
【0032】
また、放熱部16の背面外側には対流用モータ34が接続された対流用ファン35が設置されており、放熱部16の前面外側には温風の向きを調節するルーバー36が設置されている。このルーバー36は吹き出し口51bの前面に設けられている。
【0033】
燃料搬送部6は、枠体2内の背面側の中央部に上下方向に設置した燃料搬送用筒37と、燃料搬送用筒37内に回転自在に支持された燃料搬送スクリュー38を有している。燃料搬送スクリュー38の上部には、スクリュー駆動用モータ39が減速部40を介して接続されており、燃料搬送スクリュー38を所定の回転速度で回転駆動することによって、燃料収納部4内に収納されているペレット3を順次上方に搬送し、排出筒41からバーナー部12のホッパー17aの上方に排出する。
【0034】
なお、図1では、燃料搬送スクリュー38に搬送されるペレット3を示していないが、図1に示す本燃焼中においては、燃料搬送スクリュー38の各スクリュー部38aには上方に搬送されるペレット3が載っている。燃料搬送スクリュー38の排出筒41と対応する部分の上側に位置するスクリュー部38bは、下方から搬送されるペレット3がこれより上方に搬送されないように、その下側のスクリュー部38aの傾斜と逆になるように形成している。
【0035】
バーナーケース19に接続した送気管20は、枠体2内の中央背面側に設置した給排気用送風機42に接続されており、給排気用送風機42の回転駆動によって給排気用送風機42に接続した吸気筒43から吸気される。吸気筒43には、室内から室外に伸びるように設置した給排気筒(不図示)が連結されており、この給排気筒を通して室外から外気が吸気筒43に吸気される。更に、給排気用送風機42の回転駆動によって放熱部16の排気室33に接続した排気筒43aの排気口から燃焼室15の排ガスが排気される。排気筒43aの排気口には、室内から室外に伸びるように設置した給排気筒(不図示)が連結されており、この給排気筒を通して排ガスが室外に排気される。
【0036】
断熱板51の側部内面には対流サーモスタット44が配置されている。対流サーモスタット44は、温風通路51aを通して送風する温風の温度に応じてON/OFFされる。対流用ファン35を回転駆動する対流用モータ34の回転数のHi(高)とLo(低)は、燃焼強弱に応じて切り替えられる。また、給排気用送風機42の外面には切替えサーモスタット45が配置されている。切替えサーモスタット45は、バーナー部12でペレット3を燃焼させる時における排気口近傍の排気温度に応じてON/OFFされ、このON/OFFに応じて給排気用送風機42、ペレット攪拌モータ8、及びスクリュー駆動用モータ39の設定回転数が切り替えられる。
【0037】
バーナーケース19を貫通してバーナー本体17の側面部には、バーナーサーミスタ46が設置されている。また、木質ペレット状燃料燃焼装置1の枠体2の側面には、室温を測定する室温サーミスタ47が設置されている。
【0038】
前記対流サーモスタット44、切替えサーモスタット45、バーナーサーミスタ46、室温サーミスタ47等からの情報は制御装置48に入力され、制御装置48は入力されるこれらの情報に基づいて、ペレット攪拌モータ8、灰処理用モータ29、対流用モータ34、スクリュー駆動用モータ39、給排気用送風機42の回転駆動等を制御し、木質ペレット状燃料燃焼装置1の運転動作と運転停止動作の制御を行う。
【0039】
次に、上記した木質ペレット状燃料燃焼装置1の運転動作(燃焼前工程)の手順を、図6を参照して説明する。
【0040】
本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置1は、木材の小片を均一な粒子サイズに粉砕して直径6〜8mm、長さ15mm程度の円筒状に成型固化したペレット3を燃料としていることにより、石油のように容易に点火して本燃焼させ、その後に容易に消火することができないので、本燃焼の前に燃焼前工程が必要となり、更に本燃焼後における燃焼後工程も必要となる。
【0041】
即ち、点火時において、ペレット3を過供給するとバーナー本体17内が暖まりだす点火の前後で未燃焼のガスが多量に発生し、燃焼室15が白煙で覆われ、それ以降の着火は爆発的な燃焼の危険がある。そこで、点火においては、点火ヒータ18及び点火ヒータ18の発熱によって加熱された空気によりバーナー本体17内を予熱後、ペレット3を一定量のみ供給し、燃焼に合わせてペレット3の供給量と空気供給量を段階的に上げ、燃焼を安定させるための予備燃焼を行う(詳細は後述する)。
【0042】
なお、運転動作時におけるペレット攪拌モータ(PM2)8、灰処理用モータ(HM)29、対流用モータ(FM)34、スクリュー駆動用モータ(PM1)39、給排気用送風機(BM)42の各回転駆動制御、及び点火ヒータ(H)18の点火ON/OFF制御は制御装置48によって制御される。
【0043】
給排気用送風機(BM)42とスクリュー駆動用モータ(PM1)39の駆動は、図7のように、6段階に設定した制御レベル1(最小レベル)〜6(最高レベル)、及び制御レベルF1、F2に応じて制御される。制御レベル1は、最小の弱運転時における制御レベルであり、レベルが上がるに連れて中から強運転時における制御レベルとなり、制御レベル6が最大の強運転時における制御レベルである。よって、制御レベル1(最小レベル)では、給排気用送風機(BM)42とスクリュー駆動用モータ(PM1)39は最小の回転数で回転駆動され、制御レベル6(最高レベル)では、給排気用送風機(BM)42とスクリュー駆動用モータ(PM1)39は最大の回転数で回転駆動される。
【0044】
また、制御レベルF1、F2は、給排気用送風機(BM)42とスクリュー駆動用モータ(PM1)39の駆動制御において、運転開始時から予熱、点火、予熱燃焼時においてのみ使用される。制御レベルF2の方が制御レベルF1よりもスクリュー駆動用モータ(PM1)39を高速に駆動して燃料搬送スクリュー38を高速回転させる。また、対流用モータ(FM)34は、制御レベル1〜3ではLo(低)回転、制御レベル4〜6ではHi(高)回転である。
【0045】
本実施の形態における本燃焼の前の燃焼前工程を開始するにあたって、木質ペレット状燃料燃焼装置1の電源を投入した後に運転スイッチ(不図示)をONし、給排気用送風機(BM)42のみを10秒間駆動回転させる(運転開始)。この際、給排気用送風機(BM)42は制御レベルF1の回転数(制御レベル1より小さい回転数(例えば1300rpm)で回転駆動される。次に、給排気用送風機(BM)42を制御レベルF1で回転駆動した状態で点火ヒータ18を2分間ONしてバーナー本体17内を予熱する(予熱)。この際、ペレット攪拌モータ(PM2)8を5秒間駆動して燃料攪拌部材9を回転させ、ペレット3を攪拌する。
【0046】
次に、点火ヒータ(H)18をON状態で、かつ給排気用送風機(BM)42を制御レベルF1で回転駆動した状態で、スクリュー駆動用モータ(PM1)39を制御レベル6で20秒間回転駆動して、ペレット3を燃料搬送スクリュー38の回転によって排出筒41を通してホッパー17aにより案内して、バーナー本体17下部の灰処理部13の上方へ一定量落下させる(点火1)。
【0047】
次に、点火ヒータ(H)18をON状態で、かつ給排気用送風機(BM)42を制御レベルF1で40秒間回転駆動する(点火2)。この際、点火ヒータ18近傍の温度が所定温度以上となって、供給されたペレット3に着火される。次に、点火ヒータ18をON状態で、かつ給排気用送風機(BM)42を制御レベルF2で回転駆動した状態で、スクリュー駆動用モータ(PM1)39を制御レベルF1で30秒間回転駆動して、ペレット3を燃料搬送スクリュー38の回転によって排出筒41を通してホッパー本体17内に順次供給し、ペレット3に点火させる(点火3)。
【0048】
次に、点火ヒータ(H)18をON状態で、かつ給排気用送風機(BM)42を制御レベル1で回転駆動した状態で、スクリュー駆動用モータ(PM1)39を制御レベルF1で2分間回転駆動して、ペレット3を燃料搬送スクリュー38の回転によって排出筒41を通してバーナー本体17内に順次供給し、灰処理部13の上方に最初に供給されている着火状態にあるペレット、及び点火ヒータ18による加熱により供給されるペレット3を予備燃焼させる(予備燃焼1)。この際、対流サーモスタット44が約60度以上になると、対流用モータ(FM)34をONして対流用ファン35を低回転(例えば1500rpm)させる。
【0049】
次に、上記予備燃焼1から点火ヒータ(H)18をON状態で、かつ給排気用送風機(BM)42を制御レベル2で回転駆動し、スクリュー駆動用モータ(PM1)39を制御レベル1で約3分間回転駆動して、ペレット3を燃料搬送スクリュー38の回転によって排出筒41を通してバーナー本体17内に順次供給し、灰処理部13の上方に最初に供給されている燃焼状態にあるペレット、及び点火ヒータ18による加熱により供給されるペレット3を予備燃焼させる(予備燃焼2)。この際、上記予備燃焼1から対流サーモスタット44が約60度以上であると、対流用モータ(FM)34がON状態で対流用ファン35が低回転(例えば1500rpm)されている。
【0050】
そして、この予備燃焼2において、切替えサーモスタット44が約60度以上になると、上記予備燃焼2から点火ヒータ18をON状態で、かつ給排気用送風機(BM)42を制御レベル3で回転駆動し、スクリュー駆動用モータ(PM1)39をレベル2で約3分間回転駆動して、ペレット3を燃料搬送スクリュー38の回転によって排出筒41を通してバーナー本体17内に順次供給し、灰処理部13の上方に最初に供給されている燃焼状態にあるペレット、及び点火ヒータ18による加熱により供給されるペレット3を強制燃焼させる(強制燃焼1)。この際、対流用モータ(FM)34がON状態で対流用ファン35が低回転(例えば1500rpm)されている。
【0051】
そして、ペレット3の燃焼によって発生した灰が灰処理部13の各灰処理用歯車24、25上のバーナー本体17内の下部に堆積することになり、灰処理用モータ(HM)29を駆動してギア27、28を介して灰処理用歯車24、25を回転させる。この際、灰処理用歯車24、25を互いに外回り(図3において灰処理用歯車24を右回転、灰処理用歯車25を左回転)に4秒間回転させて掻きならし、灰処理用歯車24、25上に供給されるペレット3を分散して均一化すると共に、灰を掻き取る。
【0052】
次に、上記強制燃焼1から点火ヒータ(H)18をOFFし、かつ給排気用送風機(BM)42を制御レベル4で回転駆動し、スクリュー駆動用モータ(PM1)39を制御レベル3で約2分間回転駆動して、ペレット3を燃料搬送スクリュー38の回転によって排出筒41を通してバーナー本体17内に順次供給し、灰処理部13の上方に最初に供給されている燃焼状態にあるペレットにより供給されるペレット3を強制燃焼させる(強制燃焼2)。この際、対流用モータ(FM)34がON状態で対流用ファン35が低回転(例えば1500rpm)されている。
【0053】
そして、ペレット3の燃焼によって発生した灰が灰処理部13の各灰処理用歯車24、25付近のバーナー本体17内の下部に堆積することになり、灰処理用モータ(HM)29を駆動してギア27、28を介して灰処理用歯車24、25を回転させる。この際、灰処理用歯車24、25を互いに外回り(図3において灰処理用歯車24を右回転、灰処理用歯車25を左回転)に4秒間回転させて掻きならし、灰処理用歯車24、25上に供給されるペレット3を分散して均一化すると共に、灰を掻き取る。
【0054】
次に、上記強制燃焼2から点火ヒータ(H)18のOFF状態を維持し、かつ給排気用送風機(BM)42を制御レベル4で回転駆動し、スクリュー駆動用モータ(PM1)39を制御レベル4で約2分間回転駆動して、ペレット3を燃料搬送スクリュー38の回転によって排出筒41を通してバーナー本体17内に順次供給し、灰処理部13の上方に最初に供給されている燃焼状態にあるペレットにより供給されるペレット3を強制燃焼させる(強制燃焼3)。この際、対流用モータ(FM)34がON状態で対流用ファン35が低回転(例えば1500rpm)されている。
【0055】
そして、ペレット3の燃焼によって発生した灰が灰処理部13の各灰処理用歯車24、25上のバーナー本体17内の下部に堆積することになり、灰処理用モータ(HM)29を駆動してギア27、28を介して灰処理用歯車24、25を回転させる。この際、灰処理用歯車24、25を互いに外回り(図3において灰処理用歯車24を右回転、灰処理用歯車25を左回転)に4秒間回転させて掻きならし、灰処理用歯車24、25上に供給されるペレット3を分散して均一化すると共に、灰を掻き取る。
【0056】
そして、上記強制燃焼3が終了すると本燃焼となり、通常の燃焼運転が開始される。本燃焼時には、ペレット3の燃焼による炎31及び燃焼ガスの熱は、燃焼室15内の上部に設けた複数の放熱管32内を流れる空気、及び燃焼室15、放熱部16等の周囲に形成した温風通路51aを流れる空気と熱交換してこれらの空気を加熱する。加熱されたこれらの空気は、対流用モータ34の駆動による対流用ファン35の回転によって枠体2の前面側の温風通路51aに形成した吹き出し口51bから外に向けて吹き出される。吹き出される温風はルーバー36によって向きを変えることができる。
【0057】
この本燃焼では、上記強制燃焼3から点火ヒータ18のOFF状態を維持し、室温サーミスタ47で検出した室温情報と使用者が温度設定器(不図示)により設定した希望温度との差に基づいて、制御装置48の制御によりペレット攪拌モータ(PM2)8、灰処理用モータ(HM)29、対流用モータ(FM)34、スクリュー駆動用モータ(PM1)39、給排気用送風機(BM)42の各回転駆動を制御する。
【0058】
例えば、希望温度から室温サーミスタ47の検出温度を引き算した値が5度以上の場合は強モードとなり、給排気用送風機(BM)42を制御レベル6で回転駆動し、スクリュー駆動用モータ(PM1)39も制御レベル6で連続回転駆動(この場合、本実施の形態では、燃料搬送スクリュー38の回転数は2.25rpmで、送り燃料量は2.25kg/h)して、ペレット3を燃料搬送スクリュー38の回転によって排出筒41を通してバーナー本体17内に順次供給し、ペレット3を燃焼させ、更に、対流用モータ(FM)34を駆動して対流用ファン35を高回転(例えば2000rpm)させる。
【0059】
また、希望温度から室温サーミスタ47の検出温度を引き算した値が1度未満の場合は弱モードとなり、給排気用送風機(BM)42を制御レベル1で回転駆動し、スクリュー駆動用モータ(PM1)39もレベル1で連続回転駆動(この場合、本実施の形態では、燃料搬送スクリュー38の回転数は0.7rpmで、送り燃料量は0.7kg/h)して、ペレット3を燃料搬送スクリュー38の回転によって排出筒41を通してバーナー本体17内に順次供給し、ペレット3を燃焼させ、更に、対流用モータ(FM)34を駆動して対流用ファン35を低回転(例えば1500rpm)させる。
【0060】
また、希望温度から室温サーミスタ47の検出温度を引き算した値が1〜5度のときは、その温度差に応じて、給排気用送風機(BM)42、スクリュー駆動用モータ(PM1)39も制御レベル2〜5で駆動して、火力調整制御される。
【0061】
この本燃焼時においては、ペレット3の消費によりペレット攪拌モータ(PM2)8を駆動して燃料攪拌部材9を回転させ、ペレット3を攪拌する。このペレット3の攪拌動作によって、燃料収納部4内でペレット3が均一にならされ、安定した供給が可能となる。以下、上記した本燃焼時における燃料攪拌部材9の回転によるペレット3の攪拌動作を、図8、図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0062】
本燃焼中での燃料収納部4内におけるペレット3の攪拌動作は、通常時には図8に示すように、予め設定した「攪拌1」の時間間隔(図7のPM2参照)毎に行われる(ステップS1、S2)。
【0063】
「攪拌1」で設定した時間間隔は、図7に示した制御レベル1〜6に対応しており、給排気用送風機(BM)42とスクリュー駆動用モータ(PM1)39の回転数の制御レベル1〜6に応じてペレット3の攪拌の時間間隔を変化させている。なお、本実施の形態では、1回の攪拌動作毎にペレット攪拌モータ(PM2)8を5秒間駆動して燃料攪拌部材9を回転させ、燃料収納部4の下部でペレット3を連続攪拌する。
【0064】
また、本燃焼中において、図9に示すように、燃料攪拌部材9の先端側の上部に設置した検知センサ10が、数秒間(本実施の形態では5秒間)ペレット3を検知しなかった異常時には「攪拌2」に切り替り、ペレット攪拌モータ(PM2)8を10秒間駆動して燃料攪拌部材9を回転させる(ステップS3)。そして、ステップS4で、所定時間(本実施の形態では30秒間)が経過後に、上方や周囲に残っていたペレット3が燃料攪拌部材9の先端近傍に移動して検知センサ10がペレット3を検知すると、ペレット攪拌モータ(PM2)8を5秒間駆動して燃料攪拌部材9を回転させ、ペレット3を攪拌して本燃焼を継続する。
【0065】
また、ステップS4で、上記所定時間(本実施の形態では30秒間)が経過しても後でも上方や周囲からペレット3が供給されず、燃料収納部4内にペレット3が残っていないことを検知センサ10が検知すると、ペレット攪拌モータ(PM2)8を5秒間駆動して燃料攪拌部材9を回転させ、表示部(不図示)にペレット3が残っていないことを表示するLEDを点灯させ、更に所定の警報音を鳴らして利用者に燃料収納部4内が空であることを知らせる(ステップS5)。なお、燃料収納部4内が空になっても燃料搬送スクリュー38にペレット3がまだ残っているので、まだ数分間はバーナー本体17内にペレット3が順次供給され、本燃焼を継続する。
【0066】
そして、ステップS6で、燃料収納部4内が空であることを表示するLEDが点灯してから所定時間(本実施の形態では5分間)の間に、利用者が外部からペレット3を燃料収納部4内に補給して、検知センサ10がペレット3を検知すると、ペレット攪拌モータ(PM2)8を5秒間駆動して燃料攪拌部材9を回転させ、ペレット3を燃料搬送スクリュー38の下部側に攪拌搬送して本燃焼を継続する。
【0067】
また、ステップS6で、燃料収納部4内が空であることを表示するLEDが点灯してから所定時間(本実施の形態では5分間)の間に、外部からペレット3が燃料収納部4内に補給されず、燃料収納部4内にペレット3が残っていないことを検知センサ10が検知すると、表示部(不図示)に運転停止を表示するLEDを点灯させ、本燃焼を強制的に停止させる燃焼後処理を行う(ステップS7)。ステップS7における燃焼後処理時においては、後述する燃焼後処理工程を行う。
【0068】
このように本燃焼中において、燃料攪拌部材9を回転させて燃料収納部4の下部でペレット3を攪拌させることにより、多数重なっているペレット3の分布が均一にならされ、燃料搬送用筒37の燃料供給口37aにペレット3を安定して連続的に供給することができる。
【0069】
また、ペレット3の攪拌動作において、バーナー本体17内に供給されるペレット3の供給量に応じて、燃料攪拌部材9の回転数を変化させてペレット3を攪拌するようにしても良い。この場合、燃料攪拌部材9を連続して回転させる。
【0070】
また、上記した本燃焼中においては、ペレット3の燃焼によって大量の灰が発生することにより、連続して本燃焼を行うには発生する灰をバーナー本体17内から排出する処理を行う必要がある。以下、上記した本燃焼時における灰処理部13による灰処理動作を、図10、図11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0071】
本燃焼中における灰処理動作は、通常時には図10に示すように、予め設定した「灰処理1」の時間間隔(図7のHMの灰処理1を参照)で行われる(ステップS10、S11)。
【0072】
「灰処理1」の時間間隔は、図7に示したように制御レベル1〜6に対応しており、制御レベル1〜6に応じて灰処理用モータ(HM)29を駆動する時間間隔を変化させている。本実施の形態では、この「灰処理1」時に灰処理用モータ(HM)29の回転方向の切り替えにより、最初に灰処理用歯車24、25を互いに外回り(図3において灰処理用歯車24を右回転、灰処理用歯車25を左回転)に4秒間回転、次に灰処理用歯車24、25を互いに内回り(図3において灰処理用歯車24を左回転、灰処理用歯車25を右回転)に5秒間回転、次に灰処理用歯車24、25を互いに外回りに4秒間回転、次に灰処理用歯車24、25を互いに内回りに5秒間回転させている。
【0073】
上記「灰処理1」では、図7に示した制御レベル1〜6に応じてそれぞれの時間間隔で灰処理用歯車24、25を左右方向に切り替えて回転させることによって、掻き取られた灰は各灰処理板26のスリット部26aを通して灰処理扉30a、30b上に落下して堆積する。そして、灰処理扉30a、30b上に所定量以上の灰が落下するとバネ(不図示)による付勢力に抗して開き、灰回収容器14に回収される。
【0074】
灰処理扉30a、30bは、灰が灰回収容器14に回収されると、バネ(不図示)による付勢力で閉じる。灰回収容器14内に灰が一杯になると、木質ペレット状燃料燃焼装置1の枠体2の前面側に設けた開閉自在な扉(不図示)を開いて外に取出して、外部の回収容器(不図示)に廃棄する。灰処理扉30a、30bは灰を灰回収容器14に回収させるとき以外は閉じているので、点火時の気化ガスがバーナー本体17の下部から外に流出することや、本燃焼中や灰処理中にバーナー本体17の下部から燃焼炎が下方へ吹き出すことを防止することができる。
【0075】
そして、本燃焼中において、図11に示すように、バーナーサーミスタ46で検知したバーナー本体17下部の温度が予め設定した温度以下(図7のHMの灰処理2を参照)の場合には、「灰処理2」に切り替え、「灰処理2」に基づいた制御を行う(ステップS12)。上記「灰処理2」では、図7に示した制御レベル1〜6に応じてそれぞれの設定温度の場合において灰処理用歯車24、25を互いに内回り(図3において灰処理用歯車24を左回転、灰処理用歯車25を右回転)に40秒間回転させる。
【0076】
本燃焼中に上記「灰処理1」で良好に灰が灰回収容器14に回収されないとバーナー本体17内の下部に灰が堆積し、この灰によってペレット3の燃焼が妨げられることによって、バーナー本体17下部の温度が予め設定した温度よりも低下し、燃焼不良が発生する。
【0077】
そして、ステップS12の「灰処理2」から所定時間(本実施の形態では20秒間)が経過後に、バーナーサーミスタ46で検知したバーナー本体17下部近傍の温度が所定時間(本実施の形態では5秒間)の間設定した温度以上になっていたら本燃焼を継続する(ステップS13)。
【0078】
また、ステップS13で、バーナーサーミスタ46で検知したバーナー本体17近傍の温度が所定時間(本実施の形態では5秒間)の間設定した温度以下であると、再度ステップS12の「灰処理2」を行う。そして、この「灰処理2」から所定時間(本実施の形態では20秒間)が経過後に、バーナーサーミスタ46で検知した温度が再び所定時間(本実施の形態では5秒間)の間設定した温度以下であると(ステップS14)、表示部(不図示)に運転停止を表示するLEDを点灯させ、本燃焼を強制的に停止させる燃焼後処理を行う(ステップS15)。ステップS15における燃焼後処理時においては、後述する燃焼後処理工程を行う。
【0079】
このように本燃焼中において、灰処理用歯車24、25を回転させて発生する灰を各灰処理板26のスリット部26aから下方に掻き出し、一旦灰処理扉30a、30b上に灰を溜めてから灰回収容器14に回収処理することにより、灰がバーナー本体17の周囲に形成した空気取入れ用の炎孔17bを閉塞して不完全燃焼が発生することを防止して、良好な燃焼を安定して継続することができる。
【0080】
また、灰処理動作において、バーナー本体17内に供給されるペレット3の供給量に応じて、灰処理用歯車24、25を回転させるようにしても良い。この場合、灰処理用歯車24、25を互いに内回りに連続して回転させる。
【0081】
そして、上記本燃焼を停止(OFF)して消火する前に燃焼後工程を行う。即ち、本燃焼の状態からペレット3の供給を停止して運転停止(消火)を行う際に、バーナー本体17内にまだ残っている未燃焼のペレット3を完全に燃焼させると共に、発生する灰を回収処理する必要がある。以下、上記した木質ペレット状燃料燃焼装置1の燃焼後工程の手順を、図12を参照して説明する。
【0082】
上記本燃焼が停止(OFF)されると、点火ヒータ(H)18をOFF状態で、給排気用送風機(BM)42のみを制御レベル6で所定時間(本実施の形態では3分間)回転駆動し、スクリュー駆動用モータ(PM1)39、ペレット攪拌モータ(PM2)8、灰処理用モータ(HM)29の各回転駆動を停止する(燃焼後工程1)。この際、対流サーモスタット44が約60度以上であると対流用モータ(FM)34のON状態を維持して、対流用ファン35をその直前の回転数に維持して回転を継続する。
【0083】
その後、点火ヒータ(H)18をOFF状態で、給排気用送風機(BM)42を制御レベル2で所定時間(本実施の形態では6分間)回転駆動し、かつ灰処理用モータ(HM)29を制御レベル2で回転駆動して上記「灰処理1」を1回行う(燃焼後工程2)。この際、スクリュー駆動用モータ(PM1)39とペレット攪拌モータ(PM2)8の各回転駆動は停止している。また、対流サーモスタット44が約60度以上であると対流用モータ(FM)34のON状態を維持して、対流用ファン35をその直前の回転数に維持して回転を継続する。
【0084】
その後、点火ヒータ(H)18をOFF状態で、給排気用送風機(BM)42を制御レベル1で所定時間(本実施の形態では数分間)回転駆動し、かつ灰処理用モータ(HM)29を制御レベル1で回転駆動して上記「灰処理1」を1回行う(燃焼後工程3)。この際、スクリュー駆動用モータ(PM1)39とペレット攪拌モータ(PM2)8の各回転駆動は停止している。また、対流サーモスタット44が約60度以上であると対流用モータ(FM)34のON状態を維持して、対流用ファン35をその直前の回転が低回転であればこの回転を維持し、直前の回転が高回転であれば低回転に切り替える。
【0085】
その後、燃焼後工程3においては、バーナー本体17内に燃料となるペレット3が供給されておらず、かつバーナー本体17内に残っていたペレット3もほとんど燃焼済みなので、消火状態となる。この際、バーナーサーミスタ46で検知したバーナー本体17下部近傍の温度は60度以下となる。
【0086】
その後、点火ヒータ(H)18をOFF状態で、灰処理用モータ(HM)29を制御レベル6よりも高回転させ、灰処理用歯車24、25を互いに内回り(図3において灰処理用歯車24を左回転、灰処理用歯車25を右回転)に2分間回転させ、バーナー本体17内下部に堆積していた灰を各灰処理板26のスリット部26aから灰処理扉30a、30b上に掻き落とし、上記したようにして灰回収容器14に回収する(燃焼後工程4)。この際、給排気用送風機(BM)42、スクリュー駆動用モータ(PM1)39、対流用モータ(FM)34、ペレット攪拌モータ(PM2)8の各回転駆動は停止している。
【0087】
そして、燃焼後工程4での灰処理が終了すると、自動的に運転停止状態となり、運転スイッチ(不図示)がOFFとなる(停止)。
【0088】
このように本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置1は、本燃焼の前に上記した燃焼前工程(予熱、点火1、2、3、予備燃焼1、2、強制燃焼1、2、3)を順次自動的に行うことにより、安全に本燃焼に移行することができ、更に本燃焼後に上記した燃焼後工程(燃焼後工程1、2、3、4)を順次自動的に行うことにより、安全に運転停止に移行することができる。
【0089】
なお、上述した実施の形態では、燃料収納部4内へのペレット3の補給は定期的に手作業で行う構成であったが、木質ペレット状燃料燃焼装置1の近くにペレットを貯蔵したペレット貯蔵タンクを設け、両者を連結した搬送機構により定期的に機械的に補給するようにしてもよい。
【0090】
また、上述した実施の形態では、灰処理扉30a、30bはバネによる付勢力により閉じるようになっているが、このような構成以外にも、例えば図13に示すような構成の灰処理部13aでも良い。
【0091】
この灰処理部13aは、灰処理用歯車24、25のシャフト23a、23bの軸線方向に沿ってその底面の中央部を高くしてその両側を下り勾配に形成した灰回収板52を設けると共に、灰回収板52の両側面にシャフト23a、23bの軸線方向に沿って少し斜め内側上方に傾斜した灰処理扉30c、30dを設けている。灰処理扉30c、30dは、その上部が開閉自在にバーナーケース19下部に支持され、その下部が灰回収板52先端に接している。
【0092】
このような構成により、灰処理用歯車24、25の回転によって灰回収板52と灰処理扉30c、30d内の下部領域に所定量以上の灰が堆積することによって、堆積した灰に押されるようにして灰処理扉30c、30dが外方向に開いてその下方に配置した灰回収容器(不図示)に回収することができる。その後、少し斜め内側上方に傾斜して回転自在に支持されている灰処理扉30c、30dは、上記の実施の形態のようにバネ等の付勢手段を用いることなくその自重で内側方向に閉じる。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、燃焼部での固体燃料の燃焼中において各回転軸の各回転部材を所定のタイミングで回転させ、燃焼部の下部周囲に堆積した灰をスリット部を通して灰回収容器側に掻き出させることにより、燃焼部で固体燃料を燃焼させているときに発生する灰を燃焼部内に堆積させることなく安定して良好に回収処理することができるので、特に固体燃料として樹皮系ペレットを用いた場合においても、不完全燃焼とクリンカーの発生を防止して安定した燃焼を持続することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置を示す概略側断面図。
【図2】本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置を正面側から見た概略断面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置の灰処理部を正面側から見た概略断面図。
【図4】本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置の灰処理部を示す概略平面図。
【図5】本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置の灰処理部を示す概略側断面図。
【図6】本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置の運転動作(燃焼前工程)の手順を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置の運転動作時の制御レベルに応じた各モータ、各送風機の制御の一例を示した図。
【図8】本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置の本燃焼時の燃料収納部内におけるペレットの攪拌動作制御を示すフローチャート。
【図9】本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置の本燃焼時の燃料収納部内におけるペレットの攪拌動作制御を示すフローチャート。
【図10】本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置の本燃焼時の灰処理制御を示すフローチャート。
【図11】本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置の本燃焼時の灰処理制御を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置の運転停止(燃焼後工程)の手順を示す図。
【図13】本発明の他の実施の形態に係る木質ペレット状燃料燃焼装置の灰処理部を示す概略断面図。
【符号の説明】
1 木質ペレット状燃料燃焼装置
3 ペレット
4 燃料収納部
5 燃焼室本体
6 燃料搬送部
7 燃料攪拌装置
8 ペレット攪拌モータ(PM2)
9 燃料攪拌部材
12 バーナー部
13 灰処理部
14 灰回収容器
15 燃焼室
16 放熱部
17 バーナー本体
17b 炎孔
18 点火ヒータ(H)
23a、23b シャフト
24、25 灰処理用歯車
26 灰処理板
29 灰処理用モータ(HM)
30a、30b 灰処理扉
34 対流用モータ(FM)
35 対流用ファン
38 燃料搬送スクリュー
39 スクリュー駆動用モータ(PM1)
42 給排気用送風機(BM)
48 制御装置
Claims (9)
- 装置本体内に設けられ、木材チップからなるペレット状の固体燃料が収納される燃料収納部と、前記装置本体内に設けた、点火手段を有する燃焼部と、前記燃料収納部内から取り込まれる前記固体燃料を搬送し、燃料供給経路を通して前記固体燃料を前記燃焼部に供給する燃料搬送手段と、前記燃焼部の下部に設けられ、前記燃焼部に供給される前記固体燃料に前記点火手段で点火して着火させ、継続的な前記固体燃料の供給による燃焼時に発生する灰を前記燃焼部から回収処理する灰処理手段と、前記灰処理手段で回収した灰を収容する灰回収容器とを具備した木質ペレット状燃料燃焼装置であって、
前記灰処理手段は、所定間隔で複数のスリット部を有する灰回収部材と、略平行に配置した少なくとも2本の回転軸にそれぞれ複数取付けた、外周面に灰を掻き取る複数の凹凸部を有する回転部材と、前記各回転軸を正逆方向に回転自在に回転させる回転駆動部と、を備え、前記各回転部材を、少なくともその外周面が前記スリット部の上部から露出するようにして前記各スリット部に配置し、
前記燃焼部での前記固体燃料の燃焼中において前記各回転軸の各回転部材を所定のタイミングで回転させ、前記燃焼部の下部周囲に堆積した灰を前記スリット部を通して前記灰回収容器側に掻き出す、
ことを特徴とする木質ペレット状燃料燃焼装置。 - 燃焼中における燃焼の強度設定に合わせて、前記各回転部材を回転させる時間間隔を変化させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の木質ペレット状燃料燃焼装置。 - 前記各回転軸を設定時間の経過に合わせて正逆方向を切り替えて回転させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の木質ペレット状燃料燃焼装置。 - 前記燃焼部に供給される前記固体燃料の供給量に応じて前記各回転部材を所定時間回転させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の木質ペレット状燃料燃焼装置。 - 前記各回転軸を互いに内回り方向に回転させる、
ことを特徴とする請求項4に記載の木質ペレット状燃料燃焼装置。 - 燃焼中における前記燃焼部の検知温度に応じて前記各回転部材を所定時間回転させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の木質ペレット状燃料燃焼装置。 - 前記各回転軸を互いに内回り方向に回転させる、
ことを特徴とする請求項6に記載の木質ペレット状燃料燃焼装置。 - 燃焼後の消火時において前記各回転軸を正逆方向に回転させ、更に前記前記各回転軸を互いに内回り方向に回転させる、
ことを特徴とする請求項1に記載の木質ペレット状燃料燃焼装置。 - 前記回転部材と前記灰回収容器の間に、閉じたときに略密閉される開閉自在な開閉蓋を設けた、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の木質ペレット状燃料燃焼装置。
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