JP2004190994A - 蒸気の乾き度制御装置 - Google Patents

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Masao Yonemura
米村  政雄
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TLV Co Ltd
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Abstract

【課題】正確に乾き度を制御することのできる、蒸気の乾き度制御装置を得ること。
【解決手段】蒸気配管4に、容積流量計5と圧力センサ7と温度センサ8及び質量流量計6を順次取り付けて、乾き度測定手段3を構成する。上流側の蒸気配管1に、加熱器本体13と冷却器本体16で構成する乾き度調節手段2を取り付ける。
乾き度測定手段3で被測定蒸気の乾き度又は湿り度を測定算出し、この算出値を基に乾き度調節手段2を調節することによって、供給蒸気の乾き度を任意に制御することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各種蒸気使用装置に供給される蒸気の乾き度又は湿り度を任意に制御する装置に関する。蒸気使用装置の種類によっては、蒸気中の水分の含有量、すなわち、蒸気の単位体積当りの全質量に対する乾き飽和蒸気の占める質量の割合を示す、所謂乾き度:Xを測定する必要がある。乾き度がXの場合、湿り度は(1−X)で表される。各種ボイラや蒸気動力を利用する機器、乾燥設備などでは、蒸気中の水分の含有量によって例えば稼動効率や乾燥状態が変化してしまうために、乾き度あるいは湿り度が測定される。
【0002】
【従来の技術】特開2002−243612号公報
これは、蒸気の乾き度測定手段として、蒸気の動圧と流速から蒸気の比重量を求め、この比重量と乾き度との関係から蒸気の乾き度を算出すると共に、この蒸気の乾き度測定手段の入口側に、蒸気を加熱したり冷却する乾き度調節手段を配置したもので、供給蒸気の乾き度又は湿り度を任意に制御することができるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の乾き度制御装置は、蒸気の動圧を測定して乾き度を求めるものであるが、この蒸気の動圧を精度良く測定することが難しく、被測定蒸気の乾き度を正確に検出できず、供給蒸気の乾き度を精度良く制御できない問題があった。
【0004】
従って、本発明の課題は、蒸気の動圧を測定する必要が無く、正確に乾き度を制御することのできる、蒸気の乾き度制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために講じた本発明の手段は、流下する蒸気の乾き度又は湿り度を測定する乾き度測定手段と、蒸気の乾き度又は湿り度を調節する乾き度調節手段を備えて、供給する蒸気の乾き度又は湿り度を所定値に制御するものにおいて、前記乾き度測定手段が、流下する蒸気の容積流量を検出する容積流量計と、流下する蒸気の質量流量を検出する質量流量計とを直列に配置して、当該それぞれの流量計からの検出値と、蒸気の圧力値又は温度値から、流下する蒸気の乾き度又は湿り度を算出する演算制御部とを具備するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
容積流量計で蒸気の容積流量値:Aを検出し、一方、質量流量計で蒸気の質量流量値:Mを検出して、A/M=V式よりV、すなわち、蒸気と水滴状の復水との混合流体の比体積が求まる。更に、飽和水の比体積をV1とし、飽和蒸気の比体積をV2とし、蒸気の乾き度をXとすると、V=V1+X(V2−V1)なる関係式が成り立ち、V1とV2を蒸気表から読み取って入力することによって、あるいは、演算制御部に予め記憶しておいた蒸気表から読み取ることによって、蒸気の乾き度:Xを求めることができる。
【0007】
【実施例】
図1において、乾き度を制御すべく蒸気の流下する蒸気配管1と、乾き度を調節する調節手段2と、乾き度測定手段3とで蒸気の乾き度制御装置を構成する。また、蒸気配管1と連通して蒸気が左側から右側へ流下する蒸気配管4に直列に取り付けた容積流量計5及び質量流量計6と、両方の流量計5,6の間の蒸気配管4に取り付けた圧力センサ7及び温度センサ8と、演算制御部9とで乾き度測定手段3を構成する。
【0008】
容積流量計5としては、カルマン渦を利用する渦式流量計や超音波式流量計や絞り流量計あるいは面積式流量計等の従来周知のものを用いることができる。同様に、質量流量計6としてはコリオリ式流量計等を用いることができる。
【0009】
流量計5,6の間の蒸気配管4に、配管内の蒸気の圧力を検出する圧力センサ7と、温度を検出する温度センサ8を取り付ける。蒸気表から飽和水の比体積と飽和蒸気の比体積を読み取る場合に、蒸気圧力を基準にして読み取る場合は圧力センサ7からの検出値を利用し、一方、蒸気温度を基準にして読み取る場合は温度センサ8からの検出値を利用する。従って、飽和水と飽和蒸気の比体積を読み取るためには、圧力か温度のいずれか一方が判れば良い。
【0010】
各流量計5,6とセンサ7,8は演算制御部9と電気接続する。演算制御部9には図示しない記憶部を内蔵して、蒸気表の各圧力と温度ごとの比体積を少なくとも予め記憶しておく。なお、記憶部には蒸気表全体を予め記憶しておくこともできる。
【0011】
乾き度調節手段2は、供給する蒸気を加熱して乾き度を高めるための加熱器11と、反対に蒸気に水滴を供給して乾き度を低めるための冷却器12とで構成する。
【0012】
加熱器本体13に、バルブ19を介して加熱流体供給管14と排出管15を接続し、加熱流体の供給量をコントロールして加熱器本体13内を通過する蒸気を適宜加熱することによって、蒸気の乾き度を任意に高めることができるものである。
【0013】
冷却器本体16は、バルブ20を介して冷却水供給管17を接続して、蒸気の乾き度を任意に低めることができるものである。冷却器本体16の下部にはスチームトラップ18を接続して、冷却器本体16内の余剰の冷却水を外部に排出する。
【0014】
蒸気配管4内を流下する蒸気の乾き度:X又は湿り度:(1−X)を測定するには、まず、容積流量計5で蒸気の容積流量値:Aを検出し、一方、質量流量計6で蒸気の質量流量値:Mを検出して、A/M=V式よりV、すなわち、蒸気と復水の混合流体の比体積を演算制御部9で求め、次に、演算制御部9に記憶しておいて読み取った飽和水の比体積:V1と飽和蒸気の比体積:V2から、同様に記憶しておいた関係式V=V1+X(V2−V1)を用いて蒸気の乾き度:Xを求めることができる。
【0015】
演算制御部9で求まった乾き度又は湿り度と設定値とが比較され、両者の偏差を零にするように演算制御部9からバルブ19,20への開閉弁信号あるいは開度信号が発せられることによって、供給蒸気の乾き度又は湿り度が任意に制御される。
【0016】
【発明の効果】
上記のように本発明によれば、容積流量計と質量流量計を直列に配置することによって蒸気の動圧を測定する必要が無く、正確に乾き度を制御することが可能な蒸気の乾き度制御装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による蒸気の乾き度制御装置の構成図。
【符号の説明】
1 蒸気配管
2 乾き度調節手段
3 乾き度測定手段
4 蒸気配管
5 容積流量計
6 質量流量計
7 圧力センサ
8 温度センサ
9 演算制御部
13 加熱器本体
14 加熱流体供給管
16 冷却器本体
17 冷却流体供給管

Claims (1)

  1. 流下する蒸気の乾き度又は湿り度を測定する乾き度測定手段と、蒸気の乾き度又は湿り度を調節する乾き度調節手段を備えて、供給する蒸気の乾き度又は湿り度を所定値に制御するものにおいて、前記乾き度測定手段が、流下する蒸気の容積流量を検出する容積流量計と、流下する蒸気の質量流量を検出する質量流量計とを直列に配置して、当該それぞれの流量計からの検出値と、蒸気の圧力値又は温度値から、流下する蒸気の乾き度又は湿り度を算出する演算制御部とを具備することを特徴とする蒸気の乾き度制御装置。
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