JP2002277419A - 蒸気の乾き度又は湿り度制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流下する蒸気の乾き度又は湿り度の制御を精
度良く、且つ、時間遅れを生じることなく行うことがで
きる、蒸気の乾き度又は湿り度制御装置を提供する。 【解決手段】 蒸気管１に、ドレン供給ノズル４と電磁
誘導加熱器５から成る乾き度又は湿り度調節手段２を接
続する。ドレン供給ノズル４の第２流体入口８にドレン
管９を接続する。ドレン管９を、熱交換器１５と分岐蒸
気管１７に接続する。ドレン供給ノズル４から蒸気中に
供給するドレンの量と、電磁誘導加熱器５での発熱量を
任意にコントロールすることによって、供給蒸気の乾き
度又は湿り度を任意に制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、各種蒸気使用装置
に供給される蒸気の乾き度又は湿り度を任意に制御する
装置に関する。蒸気使用装置の種類によっては、蒸気中
の水分の含有量、即ち蒸気の単位体積当りの全質量に対
する乾き飽和蒸気の占める質量の割合を示す、所謂乾き
度Ｘを測定する必要がある。乾き度がＸの場合、湿り度
は（１−Ｘ）で表される。各種ボイラや蒸気動力を利用
する機器、乾燥設備などでは、蒸気中の水分の含有量に
よって例えば稼動効率や乾燥状態が変化してしまうため
に、乾き度あるいは湿り度が測定され、制御される。

【０００２】

【従来の技術】従来の乾き度又は湿り度制御装置として
は、例えば特許第２８７３６４０号公報に記載されたも
のがある。これは、蒸気の乾き度を測定する絞り乾き度
計又は赤外線式湿り度計と、蒸気を加熱したり冷却する
乾き度及び湿り度調節装置から成るもので、供給蒸気の
乾き度又は湿り度を任意に制御することができるもので
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の乾き度制御
装置では、乾き度又は湿り度を精度良く、且つ、時間遅
れなく制御することができない問題があった。これは、
蒸気中に冷却水を供給して乾き度を低下させるものであ
るために、特に冷却水と蒸気の温度差が大きい場合に
は、蒸気中で冷却水が微細な水滴状になって均一に混合
することができずに、精度良く乾き度を制御することが
できないのである。また、上記従来のものは、コイル状
パイプに熱媒を供給して乾き度を上昇させるものである
ために、熱媒の温度を所定値に変更した上でパイプに供
給して蒸気を加熱するのに時間を要し、時間遅れを生じ
てしまうのである。

【０００４】従って、本発明の課題は、乾き度又は湿り
度の制御を精度良く、且つ、時間遅れを生じることなく
行うことのできる、蒸気の乾き度又は湿り度制御装置を
提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに講じた本発明の手段は、流下する蒸気の乾き度又は
湿り度を測定する乾き度又は湿り度測定手段と、蒸気の
乾き度又は湿り度を調節する乾き度又は湿り度調節手段
を備えて、供給する蒸気の乾き度又は湿り度を所定値に
制御するものにおいて、前記乾き度又は湿り度調節手段
が、蒸気の凝縮したドレンを供給するドレン供給ノズル
と、電磁誘導加熱器であることを特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】乾き度又は湿り度調節手段を、ド
レン供給ノズルと電磁誘導加熱器としたことにより、乾
き度を低下させる場合は、蒸気の凝縮した温度差のほと
んどないドレンを供給することによって、蒸気中でドレ
ンが微細な水滴状になって均一に混合して精度良く乾き
度を制御することができる。

【０００７】一方、乾き度を上昇させる場合は、電磁誘
導加熱器によって、蒸気を時間遅れなく加熱して、乾き
度を直ちに上昇させることができる。電磁誘導加熱器
は、パイプ中に発熱体としてのステンレス製の平板を複
数枚積層して配置し、パイプの外周に磁束を発生するコ
イルを取り付けて、このコイルで発生する高周波磁束で
発熱体自身を発熱するものであり、コイルに供給する電
力を変更すると時間遅れをほとんど生じることなく、パ
イプ内を流下する蒸気を加熱調節することができるもの
である。

【０００８】

【実施例】乾き度又は湿り度を制御すべく蒸気の流下す
る蒸気配管１と、乾き度又は湿り度を調節する調節手段
２と、乾き度又は湿り度測定手段３とで蒸気の乾き度又
は湿り度制御装置を構成する。蒸気配管１にコントロー
ルバルブ１１と圧力センサ２０を介して、調節手段２と
接続する。

【０００９】調節手段２は、ドレン供給ノズル４と電磁
誘導加熱器５で構成し、ドレン供給ノズル４の第１流体
入口６に蒸気管１を分岐した分岐蒸気管７を、コントロ
ールバルブ１２を介して接続し、第２流体入口８に後述
するドレン管９を接続する。ドレン管９からのドレン
と、分岐蒸気管７からの蒸気がノズル４で混合されて蒸
気流下管１０に供給されることによって、流下する蒸気
の乾き度を低下させ、また、湿り度を上昇させる。

【００１０】ドレン管９の上流側には、コントロールバ
ルブ１３とスチームトラップ１４と熱交換器１５とコン
トロールバルブ１６、及び、分岐蒸気管１７を順次接続
する。熱交換器１５には、冷却流体供給管１８と排出管
１９を接続して、分岐蒸気管１７から供給される蒸気を
熱交換してドレンとする。蒸気が凝縮したドレンは、ス
チームトラップ１４とコントロールバルブ１３を通っ
て、ドレン管９からドレン供給ノズル４に供給される。

【００１１】電磁誘導加熱器５は、管内に図示しない平
板状の発熱体を複数枚配置し、管の外周に磁束を発生す
るコイル２１を取り付けたもので、制御ボックス２２と
電気接続する。制御ボックス２２でコイル２１に供給す
る電力や時間等を任意に制御できるものである。

【００１２】制御ボックス２２には、乾き度又は湿り度
測定手段３と、圧力センサ２０、及び、コントロールバ
ルブ１１，１２，１３，１６，２３，２４も電気接続す
る。制御ボックス２２で、測定された乾き度又は湿り度
と、設定入力された設定値とが比較され、両者の偏差を
例えば零にするようにそれぞれのコントロールバルブへ
の開度信号が発せられて、蒸気管１内の供給蒸気の乾き
度又は湿り度が任意に制御される。

【００１３】熱交換器１５で蒸気を熱交換して凝縮した
ドレンを、ドレン管９からドレン供給ノズル４に供給し
て、蒸気と混合して管１０に噴射することによって、温
度差のほとんどないドレンで蒸気の乾き度あるいは湿り
度を任意に、且つ、精度良く制御することができる。

【００１４】また、電磁誘導加熱器５によって、蒸気管
５内を流下する蒸気を時間遅れなく任意に加熱すること
ができる。

【００１５】

【発明の効果】上記のように本発明によれば、流下する
蒸気の乾き度又は湿り度の制御を精度良く、且つ、時間
遅れを生じることなく行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による蒸気の乾き度又は湿り度制御装置
の構成図。

【符号の説明】

１ 蒸気配管 ２ 乾き度又は湿り度調節手段 ３ 乾き度又は湿り度測定手段 ４ ドレン供給ノズル ５ 電磁誘導加熱器 ７ 分岐蒸気管 ９ ドレン管 １５ 熱交換器 １７ 分岐蒸気管 １８ 冷却流体供給管 ２１ コイル ２２ 制御ボックス

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 流下する蒸気の乾き度又は湿り度を測定
   する乾き度又は湿り度測定手段と、蒸気の乾き度又は湿
   り度を調節する乾き度又は湿り度調節手段を備えて、供
   給する蒸気の乾き度又は湿り度を所定値に制御するもの
   において、前記乾き度又は湿り度調節手段が、蒸気の凝
   縮したドレンを供給するドレン供給ノズルと、電磁誘導
   加熱器であることを特徴とする蒸気の乾き度又は湿り度
   制御装置。