JP5666381B2 - 蒸気製造装置及びその運転方法 - Google Patents
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Description
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。図1〜図2は、本発明の蒸気製造装置の第1実施形態を示し、図1は第1実施形態の概略図を示している。本発明の蒸気製造装置1は、第1流路10、第2流路20、熱交換器30、圧縮機40、制御装置50などから構成される。
第1流路10は、配管10a、配管10bからなり、それぞれ両端が熱交換器30と図示しない熱源設備に接続されている。第1流路10の内部には、熱源設備から排出された温水が流れており、温水は、まず配管10aに流入し、熱交換器30をとおって、配管10bから流出する。熱交換器30の上流側にあたる配管10aには、流量計11fと温水の供給温度を測定する温度計12tが設けられ、熱交換器30の下流側にあたる配管10bには、熱交換後の温水温度を測定する温度計13tが設けられている。本実施形態では、流量計11fを配管10aに設けているが、配管10bに設けてもよい。また、熱源から排出される熱交換媒体には温水を用いているが、熱交換媒体は油や気体などであってもよい。
第2流路20は、3本の配管(配管20a、配管20b、配管20c)からなり、配管20aは両端が熱交換器30と供給水を供給する装置とに接続され、配管20bは両端が熱交換器30と圧縮機40とに接続され、配管20cは両端が圧縮器40と図示しない蒸気利用施設などとに接続されている。第2流路20の内部には供給水が流れており、供給水は、まず配管20aに流入し、熱交換器30で蒸発した後、配管20bをとおって圧縮機40に入り昇温昇圧される。そして、昇温昇圧された蒸気は、配管20cから蒸気利用施設などに送られる。配管20aには上流側から、供給水の供給水量を制御する流量調整弁21、供給水の流量を測定する流量計22f、供給水の供給温度を測定する温度計23tが設けられ、配管20bには、供給水の蒸発温度を測定する温度計24tが設けられている。なお、流量調整弁21が流量計22fよりも上流側に設置されているのであれば、流量調整弁21と流量計22fは、配管20aや配管20bのどの位置に設置してあってもよい。
熱交換器30は、温水と供給水とを熱的に接続するものであり、温水の熱を供給水に伝えて供給水を蒸発させている。熱交換器30には、複数のプレートを有し、その複数のプレート間を温水と供給水とが交互に流れることで熱交換されるプレート式熱交換器が好適に用いられる。プレート式熱交換器は、他の熱交換器に比べ、伝熱面積に対して装置が小さいため、蒸気製造装置1がコンパクトになり、設置スペースの小さい蒸気利用施設にも蒸気製造装置1を設置することができる。なお、熱交換器30はプレート式熱交換器に限定されず、タンク式熱交換器や垂直短管式熱交換器等であってもよい。
圧縮機40は、第2流路20の配管20bと配管20cとの間に配置され、圧縮機40に流入した蒸気を圧縮する。圧縮機40には、スクリュ圧縮機が好適に用いられる。なお、圧縮機40はスクリュ圧縮機に限定されず、往復圧縮機、スクロール圧縮機、及び、ロータリ圧縮機等であってもよい。
制御装置50は、流量計11f、22f、温度計12t、13t、23t、24t、及び流量調整弁21と電気的に接続され、これら測定器から求められる測定値と、予め制御装置50に記憶させておいた各種設定値とから後述する必要熱量と供給熱量を算出し、その算出結果を基に流量調整弁21を制御している。制御装置50は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)と、CPUが実行する制御プログラム及び制御プログラムに使用されるデータが記憶されているROM(Read Only Memory)と、プログラム実行時にデータを一時記憶するためのRAM(Random Access Memory)とを有している。制御装置50による制御機能は、これらハードウェアとROM内のソフトウェアとが協働して構築されている。
次に、本実施形態における蒸気製造装置の運転方法について図2に示すフローチャートに沿って説明する。まず、蒸気製造装置1の運転を開始する(S1)。蒸気製造装置1の運転が開始されると、熱源設備と第1流路10との間に設けられた図示しないポンプが駆動されるなどして、熱源設備から排出された温水が第1流路10に流入する。また、圧縮機40が回転するなどして、供給水が第2流路20に流入する。なお、流量調整弁21は、全開ではないもののある程度開いた状態に制御されている。そして、温水と供給水はそれぞれ熱交換器30に入り、温水の熱が供給水に伝えられて供給水が蒸発する。さらに、蒸気は圧縮機40により昇温昇圧されて、配管20cから吐出され、蒸気利用施設に送られる。
(ii)流量計11fでの流量F1、温水の供給温度T1から熱交換後の温度T2までの平均比熱c1を測定する。
(iii)温度差(T2−T1)と、流量F1と、平均比熱c1とを全て乗算する。
以上の手順により、損失熱量Q1が求まる。
(i)温度計23tで測定した供給水の供給温度T3と温度計24tで測定した供給水の蒸発温度T4との温度差(T4−T3)を算出する。
(ii)流量計22fでの流量(供給水量)F2、供給温度T3から蒸発温度T4までの供給水の平均比熱c2、蒸発温度T4における蒸発潜熱Qbを求める。
(iii)温度差(T4−T3)と平均比熱c2とを乗算することにより顕熱Qaを求める。
(iv)顕熱Qaと、蒸発潜熱Qbに予め制御装置50に設定された乾き度の閾値X0を乗算して求めた値との和に、流量F2を乗算する((Qa+Qb×X0)×F2)。
以上の手順により、必要熱量Q2が求まる。なお、損失熱量Q1を算出するステップ(S4)と必要熱量Q2を算出するステップ(S5)は順番を入れ替えてもよい。
ΔQ=0、又はΔQ<0、即ち、必要熱量Q2が損失熱量Q1と等しい又は下回った場合には(S6:No)、ステップS8に進む。
ΔQ=0、即ち、必要熱量Q2と損失熱量Q1との差が等しい場合には(S8:No)、圧縮機吸口側41の乾き度Xと乾き度の閾値X0が略同じ大きさの状態であることを意味しているので、流量調整弁21を制御することなく次のステップ(S10)に進む。
次に、本実施形態により得られる効果について説明する。本実施形態の蒸気製造装置1は、第2流路20に設けられた供給水の流量を調整する流量調整弁21と、流量調整弁21を制御する制御装置50とを有し、圧縮機40に流入する蒸気の乾き度Xが乾き度の閾値X0になるために必要な熱量(必要熱量Q2)と温水が熱交換により失う熱量(損失熱量Q1)とを比較して、必要熱量Q2が損失熱量Q1を上回った場合には、流量調整弁21を絞って供給水の供給水量を低減させ、必要熱量Q2が損失熱量Q1を下回った場合には、流量調整弁21の開度を大きくして供給水の供給水量を増加させるようにしている。
次に本発明の変形例について、図3を用いて説明する。図3は、変形例の概略図を示している。本変形例は、第1実施形態から温度計23t、24tを取り除き、代わりに、供給水の供給温度T3'と蒸発温度T4'とを設定値として、予め制御装置50に設定しておいたものである。
続いて、変形例における蒸気製造装置の運転方法について説明する。ここでは、第1実施形態における蒸気製造装置の運転方法と異なる箇所についてのみ説明し、第1実施形態における蒸気製造装置の運転方法と同様の箇所は説明を割愛する。
(i)予め制御装置50に設定しておいた供給水の供給温度T3'と同じく制御装置50に設定しておいた供給水の蒸発温度T4'との温度差(T4'−T3')を算出する。
(ii)流量測定器22fでの流量F2、供給温度T3'から蒸発温度T4'までの供給水の平均比熱c2'、蒸発温度T4'における蒸発潜熱Qb'を測定する。
(iii)温度差(T4'−T3')と平均比熱c2'とを乗算することにより顕熱Qa'を求める。
(iv)顕熱Qa’と、蒸発潜熱Qb’に予め制御装置50に設定された乾き度の閾値X0を乗算して求めた値との和に、流量F2を乗算する((Qa’+Qb’×X0)×F2)。
以上の手順により必要熱量Q2は求まる。
本変形例による効果について説明する。本変形例において、供給水の供給温度T3'と蒸発温度T4'を予め制御装置50に設定された設定値とした。この構成により、温度測定器にて供給水の供給温度と蒸発温度を測定する必要がなく、蒸気製造装置を簡素化することができる。
10 第1流路
10a、10b 配管
11f 流量計
12t、13t 温度計
20 第2流路
20a、20b、20c 配管
21 流量調整弁
22f 流量計
23t、24t 温度計
30 熱交換器
40 圧縮機
41 圧縮機吸口側
50 制御装置
Claims (4)
- 熱源から排出された熱交換媒体が流れる第1流路と、供給水が流れる第2流路と、前記熱交換媒体の熱を前記供給水に伝えて前記供給水を蒸発させる熱交換器と、前記熱交換器で生成された蒸気を圧縮する圧縮機とを備えた蒸気製造装置において、
前記供給水の供給水量を調整する流量調整弁と、前記流量調整弁を制御する制御装置とを有し、
前記制御装置は、
前記供給水の供給温度から蒸発温度までの顕熱と、前記蒸発温度での蒸発潜熱に予め設定された乾き度の閾値を乗算して求めた値との和に、前記供給水量を乗算して必要熱量を求め、
前記必要熱量と前記熱交換媒体が熱交換により失った損失熱量とを比較して、前記必要熱量が前記損失熱量を上回った場合には、前記流量調整弁を絞って前記供給水の供給水量を低減させ、前記必要熱量が前記損失熱量を下回った場合には、前記流量調整弁の開度を大きくして前記供給水の供給水量を増加させるようにしたことを特徴とする蒸気製造装置。 - 前記第2流路の前記熱交換器上流側及び前記熱交換器と前記圧縮機との間に温度計を設けることにより、前記供給水の供給温度と蒸発温度を求めたことを特徴とする請求項1に記載の蒸気製造装置。
- 前記供給水の供給温度と蒸発温度が予め前記制御装置に設定された設定値であることを特徴とする請求項1に記載の蒸気製造装置。
- 熱源から排出された熱交換媒体が流れる第1流路と、供給水が流れる第2流路と、前記熱交換媒体の熱を前記供給水に伝えて前記供給水を蒸発させる熱交換器と、前記熱交換器で生成された蒸気を圧縮する圧縮機とを備えた蒸気製造装置の運転方法において、
前記供給水の供給温度から蒸発温度までの顕熱と、前記蒸発温度での蒸発潜熱に予め設定された乾き度の閾値を乗算して求めた値との和に、前記供給水の供給水量を乗算して必要熱量を求める必要熱量算出工程と、
前記熱交換媒体が熱交換により失った熱量を求める損失熱量算出工程と、
前記必要熱量算出工程で算出された必要熱量と前記損失熱量算出工程で算出された損失熱量とを比較して、前記必要熱量が前記損失熱量を上回った場合には、前記供給水の供給水量を調整する流量調整弁を絞って前記供給水の供給水量を低減させ、前記必要熱量が前記損失熱量を下回った場合には、前記流量調整弁の開度を大きくして前記供給水の供給水量を増加させる流量制御工程とを備えたことを特徴とする蒸気製造装置の運転方法。
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