JP2004190283A - 施錠装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】配線工事も不要であり、低コストでバッテリー消耗の極めて少ない施錠装置を提供すること。
【解決手段】補助錠1は、引き違い方式で開閉される戸2A、2Bに、補助錠1を設ける。補助錠1は、施錠板7、規制板5、弦巻バネ10、永久磁石11、コイル12、マイクロコンピュータ13を備えている。施錠板7と規制板5とは施錠部材を構成し、永久磁石11は維持手段を構成し、コイル12は解除手段を構成し、弦巻バネ10は解除手段を構成する。補助錠1にはバッテリー17により作動可能なサブコントローラSを設け、サブコントローラSとメインコントローラ21とに送受信可能な無線通信機能を設ける。サブコントローラSはメインコントローラ21の送信した施錠命令を間欠的に受信し、施錠命令を受信したサブコントローラSが補助錠1を施錠する。
【選択図】 図1
【解決手段】補助錠1は、引き違い方式で開閉される戸2A、2Bに、補助錠1を設ける。補助錠1は、施錠板7、規制板5、弦巻バネ10、永久磁石11、コイル12、マイクロコンピュータ13を備えている。施錠板7と規制板5とは施錠部材を構成し、永久磁石11は維持手段を構成し、コイル12は解除手段を構成し、弦巻バネ10は解除手段を構成する。補助錠1にはバッテリー17により作動可能なサブコントローラSを設け、サブコントローラSとメインコントローラ21とに送受信可能な無線通信機能を設ける。サブコントローラSはメインコントローラ21の送信した施錠命令を間欠的に受信し、施錠命令を受信したサブコントローラSが補助錠1を施錠する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の戸に設けられる施錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、建物の施錠装置等では、クレセント錠等の主たる錠を備えたガラス戸のガラスに、補助錠や開閉センサ或いはガラス戸を叩いたり破壊したことを検出するガラス破壊センサ等を単独で設置するものが、知られている。
【0003】
【特許文献】
特開平6−309572号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
また、従来、ビル等の建物の管理では、施錠されたかどうかを確認する施錠確認システムがある。このような施錠確認システムは、施錠状態を確認するのみで、自動的に施錠を行うものではない。施錠はそれぞれ手動で行わなければならず、煩わしい問題がある。更に、このようなシステムはビル等を意図しており、装置が大型化しており、システムの設置・調整等に手間がかかる。
【0005】
また、実公平6−33173号の「電気施錠装置」が開示されているが、この「電気施錠装置」は単に鍵の施錠と解錠を電気的に行うものであるが、各部屋に設置された施錠装置がどのような状態にあるのかを表示するものではないため、ユーザーが各部屋の施錠状態を確認することは出来ないと共に、この「電気施錠装置」が非常に大型化し、施錠・解錠に伴う電力消費が大きい。
【0006】
そのため、バッテリー駆動では長時間の稼動が出来ず、このような装置は有線方式で行うのが常である。このため、配線作業が必要になり、簡単に設定作業が行えず簡易に利用することが出来ない。
【0007】
また、特開2000−303735号公報に記載のように、クレセント錠を主たる錠とし、補助的に行う補助装置もある。しかし、これら補助装置は、電気的に行うものではなく、施錠命令による電気施錠システムではない。
【0008】
このように、電気施錠システムと施錠管理システムを組み合わせたものはなく、補助錠と施錠管理を組み合わせたものはないため、利用者にあっては施錠されているかどうかについての状態の把握と、施錠を行うシステムが一つのシステムを利用できないため、非常に使い勝手が悪いという問題がある。
【0009】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、低コストで設置しやすく、しかも小電力の施錠装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願の第1の施錠装置は、戸締まりを行う施錠手段が、戸が開くことを阻止する施錠位置と前記戸が開くことを許容する解錠位置との間を移動可能な施錠部材と、解錠時に前記施錠部材を前記開位置に維持する維持手段と、施錠時に前記維持手段の維持を解除する解除手段と、該解除手段が維持解除するときに前記施錠部材を前記開位置から前記閉位置に移動させる駆動手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
第1の発明によれば、維持手段により施錠手段を開位置に維持しているときに、解除手段によって施錠手段の開位置維持を解除すると、駆動手段が施錠手段を駆動して閉位置に移動させ、施錠が行われる。従って、解除手段をサブコントローラによって駆動可能に構成すると、サブコントローラにより施錠を制御することができることとなる。
【0012】
本願の第2の施錠装置は、第1の施錠装置であって、前記施錠手段の施錠状態を把握するためのメインコントローラと無線により送受信する無線通信手段と、前記施錠手段が解錠位置に位置するときに、前記施錠手段を施錠位置に位置させるために、前記解除手段を動作させるサブコントローラとバッテリーとを備え、該サブコントローラは、前記バッテリーにより作動可能とされると共に、前記メインコントローラから無線による命令を受信して、前記戸を施錠するように前記解除手段を動作させる施錠機能を備えていることを特徴とする。
【0013】
第2の施錠装置によれば、サブコントローラがバッテリーで駆動され、サブコントローラとメインコントローラとが無線により送受信可能であるので、メインコントローラからの命令により、サブコントローラが施錠することが可能となると共に、サブコントローラがバッテリーで駆動されるので、室内の配線が不要となり、設置作業の手間が簡略化され、施工業者に依頼することなく、ユーザー自身で設置が可能となる。
【0014】
本願の第3の施錠装置は、請求項1,2の何れかに記載された施錠装置であって、前記施錠部材は、磁性体を備えると共に前記戸に固定される基板側の軸に回動可能に支持され、前記維持手段は、前記開位置に設けられて前記磁性体を吸着可能な永久磁石で構成され、前記解除手段は、前記永久磁石の磁力を相殺する磁力を発生させるためのコイルと、前記サブコントローラからの制御信号により前記コイルに通電するバッテリーとで構成され、前記駆動手段は、前記施錠部材を前記開位置から前記閉位置に向かって付勢する付勢部材により構成され、該付勢部材は前記永久磁石が前記施錠部材を前記開位置に維持する力より弱い付勢力を付与されたものであることを特徴とする。
【0015】
本願の第3の施錠装置によれば、コイルに通電されていないときは、施錠部材は永久磁石によって開位置に保持されている。サブコントローラによる制御によってバッテリーから通電されると、コイルに永久磁石と反対方向の磁界が発生して永久磁石の磁力が相殺され、施錠部材が付勢部材の付勢力により閉位置に移動して施錠状態となり、簡易な構成で施錠管理を行うことができる。
【0016】
本願の第4の施錠装置は、請求項1,2のいずれかに記載された施錠装置であって、前記施錠部材は、前記戸に固定される基板側において前記解錠位置と前記施錠位置との間を移動可能に支持され、前記駆動手段は、前記施錠部材を前記解錠位置から前記施錠位置に向かって付勢する第1の付勢部材により構成され、前記維持手段は、磁性体からなり、前記施錠部材を前記解錠位置に拘束可能な掛止部材と、該掛止部材を付勢する第2の付勢部材とで構成され、前記解除手段は、通電により前記第2の付勢部材の付勢力に抗して前記掛止部材を吸着して前記掛止部材の拘束を解除可能な電磁石により構成されていることを特徴とする。
【0017】
本願の第4の施錠装置によれば、電磁石への非通電時には第2の付勢部材により施錠部材を解錠位置に拘束しておくことが出来、電磁石への通電時により掛止部材による施錠部材の拘束を解除して、施錠部材の施錠を行うことができるため、通常時は電磁石への通電を行わず、施錠時に僅かに電磁石への通電を行えば施錠が可能となるので、小電力である。
【0018】
本願の第5の施錠装置は、戸の開閉状態を検知する開閉センサと、戸の施錠・解錠状態を検知する施錠センサと、戸を施錠する施錠手段と、前記施錠手段の施錠状態を把握するためのメインコントローラと無線により送受信する無線通信手段と、前記施錠手段を制御するサブコントローラと、バッテリーとを備え、前記サブコントローラは、前記施錠手段を施錠状態にする施錠機能と、前記開閉センサによって戸の開閉状態を検出する開閉検出機能と、前記施錠センサによって施錠・解錠の状態を検出する施錠・解錠検出機能と、前記バッテリーから前記開閉センサ及び前記施錠センサ並びに前記無線通信手段への供給電力を制御する電力制御機能とを備えていることを特徴とする。
【0019】
本願の第5の施錠装置によれば、前記第1〜第3の施錠装置と同様に、サブコントローラにより施錠を制御することができると共に、メインコントローラがサブコントローラ側の状態を監視することが出来、しかもバッテリーによる給電を行い無線方式で送受信を行うので、配線が不要であり、ユーザー自身による設置作業が可能となる。
【0020】
本願の請求項6の施錠装置は、請求項5に記載された施錠装置であって、前記サブコントローラは、前記メインコントローラと受信する受信機能を間欠的に起動させ、前記サブコントローラが施錠状態を維持するときに、前記施錠手段が解錠状態になったこと、若しくは、前記開閉センサが前記戸の開状態の何れかを検出したときに、前記サブコントローラから前記メインコントローラに送信を行う送信機能を備えていることを特徴とする。
【0021】
本願の第6の施錠装置によれば、サブコントローラが間欠的にメインコントローラの発信命令を受信するので、バッテリーの消耗が少なく長期間に渡ってバッテリー交換をすることなく施錠管理をすることが出来ると共に、メインコントローラからの命令を受信するときのみならず、施錠センサや開閉センサが所定の状態変化を検出したときにも、送信機能を起動することにより、メインコントローラがサブコントローラ側の状態をより速く把握でき、緊急時の警報等を迅速に行える。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照にしつつ本発明の実施の形態にかかる施錠装置を説明する。
[施錠装置の第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態にかかる施錠装置としての補助錠1を示している。この補助錠1は、引き違い式の戸2Aの縦框3Aに取り付けられる筐体4と、他方の戸2Bの上部框3Bに取り付けられるL型断面形状の規制板5とで構成される。戸2Aの框にはクレセント錠の一方の鍵k1が設けられ、戸2Bの框にはクレセント錠の他方の鍵k2が設けられている。
【0023】
筐体4の上部には溝6が形成されており、溝6の内部に規制板5の移動を規制可能な施錠板7が揺動軸7A(図2参照)に揺動可能に軸止されている。
【0024】
施錠手段は、施錠板7、規制板5、弦巻バネ10、永久磁石11、コイル12、マイクロコンピュータ13を備えている。施錠板7と規制板5とは施錠部材を構成し、永久磁石11は維持手段を構成し、コイル12は解除手段を構成し、弦巻バネ10は解除手段を構成している。
【0025】
規制板5は上部框3Bから突出する突起部8を備えており、この突起部8の移動領域に対して施錠板7の一端部が出入可能になっている。施錠板7は、磁性体からなるものであり、この実施の形態では鋼鉄製とされている。施錠板7は溝6の内部を揺動可能になっており、施錠板7の揺動軸7A側には、施錠板7を規制板5の移動領域から退避させるためのレバー9が形成されている。
【0026】
揺動軸7Aには弦巻バネ10が巻かれている。弦巻バネ10の一方の端部は施錠板7の一端部側に設けられた掛止突起10Aに掛止められ、弦巻バネ10の他方の端部は筐体4の溝6の内壁に設けられた掛止突起10Bに掛止されている。施錠板7は弦巻バネ10によって規制板8側に倒れる方向に常時付勢されている。弦巻バネ10の付勢力は、溝6の内壁に設けられた永久磁石11が施錠板7を吸着する力より弱いものであって、永久磁石11の磁力がコイル12の通電により逆方向の磁力によって弱められるまで、施錠板7が永久磁石11に吸着して移動しない程度の付勢力とされている。
【0027】
コイル12は永久磁石11から真鍮板12Bにより隔てられた軟鉄のコア12Aの周りに巻かれており、コイル12はコア12Aに取り付けられた真鍮板12Bを介して永久磁石11に支持されている。永久磁石11の磁力はコア12Aを通してレバー9を吸着可能とされる。コイル12は、永久磁石11の磁束の作用方向に対して逆方向の磁束を発生するためのものであり、マイクロコンピュータ13の入出力ポートからの通電により、コイル12が通電されて永久磁石11の磁束と反対方向の磁束を発生して永久磁石11の磁力を弱化させ、弦巻バネ10の付勢力により施錠板7を規制板5側に倒す。
【0028】
筐体4の内部には、マイクロコンピュータ13と、施錠板7の施錠・解錠を検知する施錠センサ14と、戸2A、2Bの開閉を検知する開閉センサ15と、戸2A、2Bのガラスの破壊音を検出するガラス破壊センサ16と、バッテリー17と、ガラス破壊時に警報音を鳴らすスピーカ18と、通信器19とを備えている。
【0029】
サブコントローラSは、マイクロコンピュータ13と、施錠センサ14と、開閉センサ15と、ガラス破壊センサ16と、バッテリー17と、スピーカ18と、通信器19により構成される。通信器19はマイクロコンピュータ13の指令によりアンテナ20から図3に示すメインコントローラと無線による通信を行う。尚、サブコントローラSは上記センサが同一筐体に収納されていなくても良い。
【0030】
サブコントローラSは、メインコントローラ21との通信環境条件を定める通信機能と、施錠手段である補助錠1を施錠状態にする施錠機能と、開閉センサ15によって戸の開閉状態を検出する開閉検出機能と、施錠センサ14によって施錠・解錠の状態を検出する施錠・解錠検出機能と、ガラス破壊センサ16によるガラス破壊の検出機能と、開閉センサ15、施錠センサ14、無線通信手段である通信器19の起動・停止への供給電力を制御する電力制御機能とを備えている。
【0031】
施錠センサ14は、例えば、常閉接点を有するマイクロスイッチからなるものであり、施錠板7が施錠センサ14に接触しているときに、マイクロスイッチは非導通状態となる。施錠センサ14は、マイクロスイッチに限らず、近接センサ、反射型ホトインタラプタ等によって構成しても良い。
【0032】
開閉センサ15は、反射型インタラプタ、近接センサ、マイクロスイッチ等で構成されるが、この実施の形態では反射型インタラプタで構成されている。反射型ホトインタラプタ15Aと反射板15Bによって構成されている。ホトインタラプタ15Aは筐体4の側面であって、規制板5に臨む部位に設けられている。規制板5側にはホトインタラプタ15Aの光を反射する反射板15Aが設けられている。戸2A、2Bの開閉状態を検知するとき、ホトインタラプタ15Aは光を規制板5側に照射し、反射板15Bからの反射光を受光して戸2A、2Bの開閉状態を検知する。
【0033】
ガラス破壊センサ16は、集音マイクにより構成され、戸2A、2Bのガラス2C、2Dが割られたときの超音波を集音し、ガラス2C、2Dの破壊を検知する。ガラスの破壊音を検知するとき、ガラス破壊センサ16の集音マイクは、ガラスが破壊されたときに生ずる音圧レベルによって微弱な電圧が発生して電流が流れ、ガラス破壊を検知する。
【0034】
施錠センサ14と開閉センサ15とガラス破壊センサ16は、サブコントローラS側の状態を確認する状態検知手段を構成している。
【0035】
バッテリー17にはリチウム電池が用いられる(バッテリー17は他の電池でも良い)。バッテリー17の正極はマイクロコンピュータ13の電源端子に接続され、負極はマイクロコンピュータ13の接地端子に接続されている。
【0036】
スピーカ18には図示しない増幅回路が設けられており、この増幅回路はマイクロコンピュータ13の入出力ポートに接続されている。スピーカは、ガラス破壊センサ16がガラス破壊音を検出したときに、マイクロコンピュータ13からの命令により動作して威嚇音を発生する。
【0037】
通信器19は、マイクロコンピュータ13の命令によりアンテナ20を介して送信・受信を行う。
【0038】
通信器19は、通信電力を極力消費しないように、マイクロコンピュータ13の制御により間欠的に受信機能を起動するものであり、(1)戸2A、2Bが開いているとき、又は、(2)戸2A、2Bが閉じていて施錠センサ14が施錠を検出しているとき、即ち、所定条件下でメインコントローラ21からの送信信号を受信する受信機能を停止している。
【0039】
また、通信器19は、(1)メインコントローラの警戒が解除され、且つ、戸2A、2Bが閉まっている状態において、施錠センサ14が解錠を検出したときに、受信機能を起動し・受信可能となる。
【0040】
また、通信器19がメインコントローラと送信する送信機能は、マイクロコンピュータ13からの通信器19に給電されることによって起動される。通信器19の送信機能は、(1)ガラス破壊センサ16がガラス破壊時に発生する超音波を検知したとき、(2)補助錠1側で状態の変化が生じたとき、(3)開閉センサ15が「閉」で施錠センサ14が「施錠」とされて警戒モードになっているときに、開閉センサ15が「開」に状態変化したとき(ガラス破壊センサ16がガラス破壊を検出することなく戸2A、2Bが開いた場合)に、起動される。
【0041】
メインコントローラ21は、建物の内部に配置されるものであり、図3に示すように、マイクロコンピュータ22と、操作部23と、電源部24と、液晶表示板からなる表示部25と、サブコントローラSと無線通信を行うための無線通信部26と、警報用スピーカ及び増幅器を備えた威嚇音発生部27とを、備えている。メインコントローラ21は、施錠命令を発する指令手段等を別筐体として設けても良く、同一の筐体に配設することには限らない。
【0042】
電源部24は、二次バッテリー28と充電器ユニット29とを含んでいる。操作部23には、施錠の処理のための操作を行うための施錠ボタン30と、施錠や監視を解除する在宅ボタン31とを備えている。
【0043】
メインコントローラ21のマイクロコンピュータ22は、サブコントローラSとの通信環境条件と通信を行う通信機能と、サブコントローラSの状態を記憶する機能と、サブコントローラSへ施錠処理を行う機能と、警戒処理機能を実行するプログラムが記憶されている。また、マイクロコンピュータ22は、サブコントローラSのID、開閉状態、施錠状態を記憶する記憶領域を持っている。マイクロコンピュータ22は、サブコントローラSのチップIDを判別可能に設定されており、マイクロコンピュータ22とサブコントローラSとは互いに送受信可能になっている。
【0044】
次に、サブコントローラSとメインコントローラによる施錠システムについて説明する。
【0045】
サブコントローラSとメインコントローラ21は、サブコントローラSとメインコントローラ21同士が相互に通信可能な機能と、通信のための規約とを備えており、両者間で相互通信可能な環境が成立している。サブコントローラSは、メインコントローラ21が認識可能な固有のIDデータを備えている。このサブコントローラSのIDデータは、マイクロコンピュータ13のチップIDで定められており、メインコントローラ21は、個々のサブコントローラSの「IDデータ」と「施錠状態」と「戸の開閉状態」を記憶した記憶領域を少なくとも持っている。
【0046】
メインコントローラ21とサブコントローラSとの間では、相互に送受信可能な周波数の電波法に基づく小電力無線又は微弱無線による電波により送信及び受信が可能とされている。メインコントローラ21の通信器から送信された特定周波数の小電力又は微弱な電波を、サブコントローラSの通信器が受信し、サブコントローラSの通信器から送信された特定周波数の小電力又は微弱な電波を、メインコントローラ21の通信器が受信する。メインコントローラ21が施錠の実行を行うモードにおいて、メインコントローラ21が送信する小電力又は微弱な電波には、施錠命令を示す信号が含まれる。
【0047】
サブコントローラSでは、バッテリー17の装填後にマイクロコンピュータ13に給電され、マイクロコンピュータ13は微弱な電流で動作している。マイクロコンピュータ13は通信器19への給電を制御しており、上述の施錠センサ14、開閉センサ15、ガラス破壊センサ16等の状態検知手段の検知結果が所定条件を満たしたときに、メインコントローラ21と受信する受信機能を起動させる。
【0048】
サブコントローラSが、受信機能を起動するときに、この受信機能は間欠的に起動されてメインコントローラ21の発信命令を受信する。
【0049】
即ち、開閉センサ15が[戸2A、2Bが開](このとき戸2A、2Bは解錠されている)を検知するとき、マイクロコンピュータ13から通信器19には給電されない。又、開閉センサ15が[戸2A、2Bが閉]且つ施錠センサ14が[戸2A、2Bが施錠]のときも、マイクロコンピュータ13から通信器19には給電されない。
【0050】
また、開閉センサ15が[戸2A、2Bが閉]且つ施錠センサ14が[補助錠1の解錠」のとき、マイクロコンピュータ13から通信器19に間欠的な周期で給電がなされ、通信器19が間欠的に受信可能となる。
【0051】
この場合、メインコントローラ21は使用者の施錠命令を所定時間サブコントローラSに送信する。メインコントローラ21は例えば5秒間(基準はユーザーが施錠結果を知るために待つことが出来る時間で、2〜3秒でも良い。)継続して通信機能を動作させる。送信後メインコントローラ21はサブコントローラSからの送信信号を待っており、受信待機状態となっている。
【0052】
サブコントローラSの通信器19が動作する間欠的周期は、メインコントローラ21からの間欠的送信(一例として5秒間隔)のオンタイム継続時間よりも短い間隔(一例として4秒)で例えば30m秒間動作する。このため、サブコントローラSはメインコントローラ21の問い合わせ信号或いは施錠命令信号を確実に受信することができると共に、非常に短い時間のみ通信器19を機能させるので、電力の消耗が少なく、バッテリー消耗が少ない。送信機能は、メインコントローラ21が施錠命令の信号を送信している間は行わず、メインコントローラ21の送信が終わってから行うようになっている。
【0053】
サブコントローラSは、上述の施錠センサ14、開閉センサ15、ガラス破壊センサ16等の状態検知手段の検知結果が所定条件を満たしたときに、メインコントローラ21への送信する送信機能を起動する。
【0054】
即ち、サブコントローラSがメインコントローラ21に送信する条件は、
(1)サブコントローラSが受信状態にあって開閉センサ15が[開]を示すとき、
(2)メインコントローラ21が発する[施錠命令]を正常に受信したかについての問い合わせに対して[正常受信]を回答するとき、
(3)メインコントローラ21が発する[戸2A、2Bの開閉の確認命令]の問い合わせに対して開閉センサ15の[開][閉]を回答するとき、
(4)メインコントローラ21が発する[バッテリーの残量の確認命令]の問い合わせに対してマイクロコンピュータ13が[バッテリーの残量の充分・不十分]を回答するとき、
(5)サブコントローラS側で開閉センサ15が[閉]、施錠センサ14が[施錠]にあって、ガラス破壊センサ16が[破壊]を検知したとき、である。
【0055】
この送信電波に含まれるデータには、建物に設けられている個々のサブコントローラS自身のIDデータが含まれる。
【0056】
施錠センサ14、開閉センサ15、ガラス破壊センサ16等の状態検知手段は、停止状態と起動状態とを有しており、所定条件を満たしたときにマイクロコンピュータ13からの給電により、検出可能に変化する。
【0057】
この所定条件は、補助錠1の施錠板7は施錠するとき以外は給電されず、受信待機時において補助錠1が解錠状態で開閉センサ15が[閉]のときに通信器19には給電が間欠的に給電される。
【0058】
開閉センサ15には3種類の弱い電流が給電される。
【0059】
即ち、戸2A,2Bが開いているとき、マイクロコンピュータ13を動作させるための極微弱な電流が給電される。戸2A、2Bが閉じているとき、施錠センサ14、開閉センサ15、ガラス破壊センサ16を動作させるための微弱な電流が給電される。戸2A、2Bが[開][閉]の状態を変えるときには、通信器19によって受信・送信を行う場合や威嚇音を発生するための弱い電流が給電される。
【0060】
施錠センサ14には開閉センサ15が[閉]を示し、[施錠]を検知しているときに微弱な電流が給電され、それ以外の場合には給電されない。
【0061】
ガラス破壊センサ16には、開閉センサ15が[閉]を示し、[施錠]を検知しているときに微弱な電流が給電され、それ以外の場合には給電されない。
【0062】
送信時の通信器19への給電は、非通信時には給電されず、戸2A、2Bが[開]から[閉]又はその[閉]から[開]に変化するときに、メインコントローラ21に状態を送信するために給電される。
【0063】
警報手段としてのスピーカ18には、警戒モードで開閉センサ15が[閉]を示し、[施錠]を検知しており、ガラス破壊センサ16が[ガラス破壊]を検知し、若しくは開閉センサ15が[開]を検知したときに電流が給電され、威嚇音を発する。
【0064】
メインコントローラ21は、サブコントローラSにおける施錠センサ14、開閉センサ15の状態を認識しており、開閉センサ15が[閉]を示し、施錠センサ14が[解錠]を示す必要条件が満たされたサブコントローラSに対して所定命令である[施錠命令]を送信し、戸2A、2Bが開いているサブコントローラS、若しくは戸2A、2Bが閉じ更に施錠がなされているサブコントローラSには[施錠命令]は送信しない。
【0065】
このメインコントローラ21の送信はメインコントローラ21が記憶しているサブコントローラSの状態に基づいており、戸2A、2Bが開いているときや、既に施錠・戸閉のときは、通信不要としている。
[第1の実施の形態にかかる施錠装置の動作の流れ]
次に、この実施の形態の施錠システムの流れを説明する。
【0066】
先ず、バッテリー17がサブコントローラSに装填され、メインコントローラ21の施錠システムが起動開始状態にあり、サブコントローラSはバッテリー投入により起動状態となる(ステップ1)。
【0067】
次に、サブコントローラSは、戸2A、2Bの開閉状態を検出する。ステップ2の検出において、施錠センサ14、開閉センサ15、ガラス破壊センサ16、バッテリー残量との各種のチェックを行う(ステップ2)。
【0068】
このステップ2のチェックの後に、イニシャライズを行う(ステップ3)。このイニシャライズでは、サブコントローラSのIDと戸2A、2Bの開閉状態の確認、施錠状態を確認し、サブコントローラSからメインコントローラ21に送信する。
【0069】
ステップ4の判別では、戸2A、2Bが開いているときは、通信器19を起動して開いていることをメインコントローラ21に送信し(ステップ4−1)、サブコントローラSのIDを送信する(ステップ4−2)。メインコントローラ21ではこのサブコントローラSのIDを受信してメインコントローラ21の施錠管理テーブルの記憶領域に、開いている戸2A、2BのサブコントローラSのIDを記憶する(ステップ4−3)。
【0070】
ステップ4の判別において、戸2A、2Bが閉まっていれば、サブコントローラSは補助錠1の施錠状態を判別する(ステップ5)。
【0071】
ステップ5の判別において、施錠センサ14が施錠板7を検出したら、サブコントローラSからメインコントローラ21に施錠状態の戸のサブコントローラSのIDと施錠済み状態を送信し(ステップ5−1)、メインコントローラ21は施錠済みの戸のサブコントローラSのIDを記憶する(ステップ5−2)。
【0072】
ステップ4の判別において、補助錠1が解錠状態であれば、サブコントローラSは通信器19を起動させて、間欠的に受信可能とし、メインコントローラ21からの施錠命令の送信を待つ(ステップ6)。
【0073】
サブコントローラSが待機状態にあるときに、メインコントローラ21が施錠命令を送信し(ステップ7)、この施錠命令をサブコントローラSが受信したら(ステップ8)、サブコントローラSは正常に受信したかどうかの応答を送信し、この応答に基づいて正常に受信したかどうかをメインコントローラ21が判別する(ステップ9)。
【0074】
サブコントローラSが正常に受信しなければ、メインコントローラ21はn秒間施錠命令を送信したかどうかの判定をし(ステップ9−1)、このn秒間経過前にはステップ4の施錠命令送信に戻る。n秒を経過しても正常に受信したかどうかの応答がないときには、メインコントローラ21は受信不可状態のサブコントローラSのIDを表示部に表示する(ステップ9−2)。
【0075】
サブコントローラSがステップ8において正常受信の応答を行ったら、サブコントローラSは戸2A、2Bが閉まっているかどうかの判断を行う(ステップ10)。
【0076】
このステップ10の判断において、戸2A、2Bが閉まっていれば、サブコントローラSはバッテリーチェック(ステップ11)に移行する。
【0077】
戸2A、2Bが開いていれば、サブコントローラSは通信器19からメインコントローラ21に開いている戸2A、2BのサブコントローラSのIDを送信する(ステップ10−1)。メインコントローラ21は表示部に開いている戸のIDを表示し(ステップ10−2)、注意を促す。ユーザーはこの注意表示に基づいて戸を閉める(ステップ10−3)。
【0078】
ステップ8のバッテリーチェックにおいて、サブコントローラSのバッテリーが十分に残っているときには、マイクロコンピュータ13から補助錠1のコイル12に通電する(ステップ12)と共に、施錠センサ14の施錠・解錠の状態を見る(ステップ13)。
【0079】
施錠センサ14の施錠が正常に行われたら、サブコントローラSは通信器19から正常に施錠が行われたことを送信する。メインコントローラ21はこの正常に施錠が行われたことを示す施錠完了信号を受信したかどうかを判定する(ステップ14)。この施錠完了信号をメインコントローラ21が受信したら、サブコントローラSは警戒モードに入る(ステップ15)。
【0080】
ステップ10の施錠が正常に行われなければ、サブコントローラSはn回の施錠の実行を行い(ステップ13−1)、トライ回数がn+1回に到達したらサブコントローラSはエラー信号をメインコントローラ21に送信する(ステップ13−2)。メインコントローラ21はこのエラー信号を受信し、表示部にエラー信号を送信したサブコントローラSを表示する(ステップ13−3)。ステップ12−3の後はメンテナンス作業を行う(ステップ13−4)。
【0081】
ステップ15において、サブコントローラSが警戒モードに入ったら、サブコントローラSは施錠した自己のIDをメインコントローラ21に送信し(ステップ16)、メインコントローラ21はそのサブコントローラSのIDを記憶した後(ステップ17)、警戒モードに入る(ステップ18)。
【0082】
サブコントローラSは警戒モードに入ったら、ガラス破壊センサ16がガラス破壊音を検出するかどうかを監視し(ステップ19)、間欠受信を終了する(ステップ20)。
【0083】
警戒モードに入った状態では、図5に示すように、警戒モードの解除の有無を判別する(ステップ21)。メインコントローラ21の在宅ボタンが押されて警戒解除となったら、補助錠1の解錠を待つ(ステップ22)。補助錠1の解錠をサブコントローラSが送信したら(ステップ23)、メインコントローラ21は解錠したサブコントローラSのIDを記憶し(ステップ24)、間欠受信を行う受信待機をオンし(ステップ25)、サブコントローラSはガラス破壊センサ16をオフとして(ステップ26)終了する。
【0084】
ステップ21の警戒モード解除の判別において、サブコントローラSが警戒モードが解除されないで維持された状態にあるとき、補助錠1が解錠されたかどうかを判別する(ステップ27)。
【0085】
補助錠1が解錠されたことを施錠センサ14が検出したら、サブコントローラSは異常開口検知信号をメインコントローラ21に送信する(ステップ30)。メインコントローラ21はこの異常開口検知信号を異常検知として受信し(ステップ31)、警戒解除ボタンである在宅ボタン31が押されたかどうかを判別する(ステップ32)。この判別は、例えば、ユーザーが外出先から帰宅して在宅ボタン31を押しても、サブコントローラS側では受信機能を停止しているので、警戒モードが解除されているかどうかを判別できない。このため、補助錠1が解除されたり、戸が開けられると、施錠センサ14、開閉センサ15、ガラス破壊センサ16がこれらの異常を検知してしまうこととなる。そこで、サブコントローラSが何らかの状態変化(例えば異常検知)を検知した場合に、その変化は警戒モード下に起きたことであるかどうかを、サブコントローラSはメインコントローラ21に問い合わせることとしている。
【0086】
この処理を行うことにより、サブコントローラSが受信機能を停止しており、警戒モードの解除を認識できないときでも、ユーザーが帰宅して在宅ボタン31を押して警戒解除をしたにも拘わらず、警報や威嚇音が出力されるといった不具合を解消できる。
【0087】
ステップ32の判別はこのメインコントローラ21が警戒モードにあるかどうかの判別であり、在宅ボタン31が押されて警戒解除になっていれば、ステップ22の前に移行する。また、在宅ボタン31が押されておらず、警戒中であるときには、メインコントローラ21からサブコントローラSに警報命令を送信する(ステップ33)と共に、メインコントローラ21は威嚇音発生部27から警報用スピーカにより警報を発生させる(ステップ34)。同時にサブコントローラSは警報命令を受信し(ステップ35、サブコントローラSはスピーカ18から威嚇音を発生する(ステップ36)。
【0088】
これらのステップ30からステップ36の一連の警報処理は、施錠センサ14の解錠検知判別(ステップ27)において、施錠が継続されている状態でガラス破壊センサ16のガラス破壊判別処理(ステップ28)、続いて行われる開閉センサ15の戸の開閉状態の判別(ステップ29)において、それぞれ異常(ガラス破壊、戸の開)を検知したときに処理される。ステップ27,28,29のいずれにおいても異常が検出されなければ、ステップ21の判別処理の前に移行する。
【0089】
以上説明した施錠システムでは、戸2A、2Bの補助錠1について説明したが、主たる錠にこのシステムを適用することも可能であり、補助錠1には限らない。
【0090】
上述の施錠システムによれば、工事業者に依頼せずにユーザーがメインコントローラ21とサブコントローラSとを設置することが可能であり、低コストで施錠監視を行うことが可能であると共に、サブコントローラSがメインコントローラ21と常時通信を行うものでなく、予め戸が開いていたり、既に戸が閉まって施錠も済んでいるときには、メインコントローラ21はサブコントローラSに通信を行わないと共に、サブコントローラSも通信器19への給電を行わないので、バッテリーの消耗が極めて少ない。また、戸が閉まっており、補助錠1の施錠が行われないときに、サブコントローラSがメインコントローラ21から間欠受信により施錠命令を待つので、更にバッテリーの消耗が少ない。施錠監視状態にあるときは、サブコントローラSは開閉センサ15と施錠センサ14を起動させ、ガラス破壊センサ16が監視を行うので、施錠監視も十分に行うことができる。
【0091】
尚、上記実施の形態では、メインコントローラ21とサブコントローラSとを直接交信する構成としたが、両者の伝送路上に、中継器を設け、メインコントローラ21と中継器との通信を小電力無線若しくは建物の電灯線搬送通信の何れかで行い、中継器とサブコントローラSとの通信を微弱な無線で行うと、サブコントローラSの通信手段が微弱で済むこととなる。
【0092】
上記の実施の形態では、補助錠1の解除は手動で行っているが、電気的に行っても良い。また、サブコントローラSと各種センサは同一筐体に設けられていなくても良い。サブコントローラSは最低限補助錠1を施錠状態に出来る機能とメインコントローラ21と送受信出来る機能を有しておればよい。更に、各種センサは他のセンサに変更のみならず、付加しても良く、本件実施の形態の範囲に限るものではなく多種多様である。
【0093】
ガラス破壊センサ等の防犯センサを設けたことにより、施錠の管理及び自動施錠機能に加え、セキュリティ(防犯)機能を有するシステムとなっている。
[第2の実施の形態にかかる施錠装置]
図6は、他の実施の形態にかかる施錠装置としての補助錠50の構成を示している。補助錠50は、戸51Aのガラスを保持する框52Aの下部であって、戸の外側から見えない位置に設けられている。補助錠50の厚さは、戸51A,51B同士が開閉される際に交差する隙間に位置可能な2乃至5mm程度に設定されており、引き違い式の戸51A、51Bが、補助錠50が解錠状態にあるときに、自在にスライドできるようになっている。尚、補助錠50は框4に凹部を形成して、その凹部の内部に設けても良い。
【0094】
補助錠50は、框52Aに接着剤若しくは両面テープ等で接着される金属製のベース53と、ベース53から上下に回動する施錠板部54とを有する。ベース53の下端縁部にはヒンジ棒を保持する保持部が設けられており、このヒンジ棒の周りを施錠板部54の保持部が抱え込むように保持している。ヒンジ棒には弦巻バネが通されており、弦巻バネは、施錠板部54がベース53から開くように、施錠板部54とベース53とを互いに引き離す方向に両者を付勢している。
【0095】
ベース53には凹部からなる回路配置部55が形成されており、回路配置部55を施錠板部54が開閉する。回路配置部55には永久磁石56とコイル57とが設けられており、永久磁石56の周囲にコイル57が配設されている。このコイル57は、サブコントローラ58が備える電池から通電することで永久磁石56の磁力を相対的に微弱化させるもので、通電するときに永久磁石56の磁束に対して反対の極性の磁束が発生するように、電池に接続される。コイル57と電池は補助錠施錠スイッチを介して接続されている。
【0096】
この補助錠施錠スイッチは、サブコントローラ58のマイクロコンピュータにより概念上構成されるものであり、サブコントローラ58のマイクロコンピュータの補助錠施錠スイッチに該当する出力ポートから所定電圧の電流を通電すること、並びに、所定電圧の電流供給を停止することによって、コイル57と電池13とを接続し、若しくは切断する。補助錠施錠スイッチを、マイクロスイッチやリレー或いはフォトカプラーによって構成しても良いのは勿論である。なお、サブコントローラ58の電池収納部には、ボタン電池の正極用接点と負極用接点とが目視確認できるように+、−符号が表示されており、間違えないようになっている。
【0097】
施錠板部54は永久磁石56によって接着されるように鉄製とされており、施錠板部54をベース53側に倒したときに永久磁石56と施錠板部54とは接触する。戸51Aの框52Aにベース53を貼り付けるとき、施錠板部54の自由端部側が重力方向に対して鉛直上方に位置し、ヒンジ棒側を鉛直下方に位置するように、補助錠50を取り付ける。コイル57に接続されるリード線はサブコントローラ58のマイクロコンピュータの入出力ポートに接続されている。
【0098】
回路配置部55には、施錠板部54の開閉状態を検出する補助錠施錠センサが設けられている。この補助錠施錠センサは、スイッチで構成されており、回路配置部55の底部側(ベース側)に固定接点と可動接点とが設けられている。可動接点は板バネで構成され、施錠板部54に押されて固定接点に接触し、補助錠施錠センサが導通する。
【0099】
固定接点と可動接点の何れか一方は、抵抗を介してマイクロコンピュータの入出力ポートに直列に接続され、固定接点と可動接点の何れか他方は、接地されている。可動接点と固定接点とが導通したときに、一方の入出力ポートからアースに電流が流れ、この電流が流れることによって、補助錠50は解錠状態になっていることがマイクロコンピュータによって判断され、この電流が流れていないときに、補助錠50は施錠状態になっていることがマイクロコンピュータによって判断される。
【0100】
この補助錠施錠センサは、補助錠50のベース53に反射型のインタラプタを設けて構成することもできる。この場合、インタラプタの発光部と受光部とをマイクロコンピュータのそれぞれ別の入出力ポートに接続し、補助錠50の施錠確認の際に、インタラプタの発光部から光を発光させ、受光部が光を検出したときに、施錠板部54が閉じていて施錠されていないことを認識させ、インタラプタの受光部が光を検出していないときに、施錠板部54が開いており、施錠状態であることを認識させ、サブコントローラからメインコントローラに施錠しているか、否かを通信する構成とすることも可能である。
【0101】
補助錠50は、サブコントローラ58に接続されている。サブコントローラ58は、ケース内部に基板及び電源である前述の電池及び通信モジュールからなる通信器を収納したものであり、ケース外部に無線通信用のアンテナ59及びサブコントローラ58を起動させたり、停止させるためのオンオフスイッチ60を備えている。
【0102】
サブコントローラ58は、基板にマイクロコンピュータ及び電源回路及び周辺回路を接続したものであり、電池の消費電力を極力抑えた微弱電流を消費する状態と、サブコントローラ58が十分に機能を発揮できるように電池の電力を消費する状態とに変わることが出来る。
【0103】
サブコントローラ58のマイクロコンピュータは通常時は微弱電流供給状態にあるものである。サブコントローラ58の通信器は通常時は機能停止状態にあるものである。サブコントローラ58が動作する状態は、既に述べたサブコントローラSの動作条件と同様であるので、その説明を援用する。
【0104】
開閉センサ60は常閉スイッチで構成される。開閉センサ60は、一対のブロック60A、60Bを備えており、一対のブロック60A,60Bの一方であってサブコントローラ58が設けられている側に、常閉スイッチが設けられ、サブコントローラ58から電力の供給を受けるようになっている。
【0105】
この実施の形態では、一方の戸51Aの框にブロック60Aが設けられ、他方の戸51Bの框にブロック60Bが設けられ、ブロック60A側に常閉スイッチが設けられている。
【0106】
常閉スイッチは、他方のブロック60Bによって接触子がバネの弾発力に抗して押されているとき電流が遮断され、他方のブロック60Bが一方のブロック60Aから離れるときに、電流が流れるようになっている。この電流はマイクロコンピュータの入出力ポートから供給されている。
【0107】
また、ガラス破壊センサ61は、ガラス衝撃センサであり、ガラスを割った音を検知したときにその衝撃音を検出するものである。ガラス破壊センサ61はサブコントローラ58から電力を供給されており、ガラス破壊センサ61は衝撃を検知可能になる。ガラス破壊センサ61は、市販されているものであるが、超音波センサや歪みセンサ或いはマイク等により、ガラスが割れるときの音や振動を検出し、所定値以上の場合に、ガラスの破壊や衝撃を検出してマイクロコンピュータに送信する。
【0108】
尚、補助錠施錠センサ、開閉センサ60、ガラス破壊センサ61、威嚇音発生部としての威嚇音発生ブザーは電線により、サブコントローラ58のマイクロコンピュータに接続されている。
【0109】
サブコントローラ58のマイクロコンピュータは周知のようにROM・RAMを備えたものであり、ROMには、サブコントローラ58を特定するためのIDデータ、施錠システムのサブコントローラ58側のプログラム及び通信処理用のプログラムが記録されている。
【0110】
マイクロコンピュータの施錠システムは、上述のサブコントローラSのマイクロコンピュータのものと同様であるので、その説明を援用する。
[第3の実施の形態にかかる施錠装置]
図7,8において符号70は補助錠を指しており、補助錠70はサッシ戸の縦框Y1に取り付けられる。図7,8において、サッシ戸の縦框Y1は、サッシ戸のレールに対して直交方向に向けられる壁面部を指している。
【0111】
補助錠70は、縦框Y1にネジ穴を開け、補助錠70の基板Bに形成した穴hにネジを通して縦框Y1のネジ穴に螺着して取り付けるが、両面粘着テープ等により固定するようにしても良い。
【0112】
補助錠70の基板Bの上部には、取付軸71Aが突出して取り付けられており、取付軸71Aに施錠板71が回動可能に取り付けられている。取付軸71Aには弦巻バネ73が装着されている。弦巻バネ73の一端は取付枠78の上部に接触しており、弦巻バネ73の他端は施錠板71に形成された突起71Bに掛止されている。施錠板71はこれによって取付枠78から離反する方向に付勢されている。施錠板71と規制板74とは施錠部材を構成している。揺動板77と掛止部77A並びに掛止穴71G、コイルスプリング79は維持手段を構成し、電磁石75は解除手段を構成している。
【0113】
図9に示すように、施錠板71(施錠部材)は取付軸71Aが挿入される一対の対向板部71C、71Dを有しており、一対の対向板部71C、71Dは略U字形状となる断面形状を有している。一対の対向板部71C、71Dの対向部分には、取付軸71Aを通すための取付穴71Eが形成され、一対の対向板部71C、71Dの連結部分71Fには掛止穴71Gが開口されている。また、連結部分71Fの端部にはレバー部71Hが突出して形成されている。レバー部71Hは、ユーザーがユーザー自身の指によって、施錠板71を弦巻バネ73の付勢力に抗して取付枠78側に室内側に回転させるためのものである。
【0114】
対向板部71Dは、縦框Y1の横を移動するサッシ戸の上部横框Y2の規制板74と接触可能に回動する。規制板74は略L字型の断面形状を有しており、上部横框Y2から縦框Y1側に突出している。対向板部71Dはこの規制板74の移動領域に緩衝するように回動することによって、縦框Y1側のサッシ戸と、規制板74側のサッシ戸の移動を規制し、サッシ戸の開きを防止可能になっている。施錠板71は、対向板部71Dが規制板74の移動領域に緩衝するように回動しているときに、閉状態の位置となり、対向板部71Dが規制板74の移動領域から退避するように回動しているときに開状態の位置となる。
【0115】
取付枠78には、施錠板71の拘束を解除する解除手段としての電磁石75が装着されている。電磁石75は水平方向に延びる鉄心の周りにコイル76が巻かれており、コイル76にサブコントローラ80が接続されている。電磁石75はサブコントローラ80の通電により鋼製の揺動板77を吸着して爪部77Bが掛止穴71Gから離脱する。爪部77Bが掛止穴71Gから離脱すると、弦巻バネ73の付勢力により施錠板71の施錠が行われる。また、サブコントローラ80の通電遮断により、コイルスプリング79が揺動板77を電磁石75から解放し、施錠板71のレバー71Hを水平に向ければ、爪部77Bが掛止穴71Gにかかって施錠板71の解錠状態が維持される。
【0116】
維持手段は、電磁石75と揺動板77と掛止部77Aと掛止穴71Gとコイルスプリング79(第2の付勢部材)により構成されている。揺動板77は取付枠78の下端部に形成された一対の挟着部78Aに挟着されており、この挟着部78Aを中心に揺動可能とされている。揺動板77の上端部にはプラスチック製の掛止部77Aが取り付けられており、掛止部77Aの爪77Bが掛止穴71Gに挿入可能とされている。施錠板71のレバー部71Hを水平方向に倒すと、揺動板77の爪部77Bが掛止穴71Gに挿入されて、レバー部71Hが水平方向に倒れた状態が維持される。
【0117】
揺動板77の下端部には、コイルスプリング79の一端部が掛け止められており、コイルスプリング79の他端部は取付枠78に形成された掛止突起78Bに掛け止められている。コイルスプリング79は揺動板77の下端部を掛止突起78B側に引き寄せるように引張しており、揺動板77の掛止部77Aを図1の右側方向に付勢している。コイルスプリング79の付勢力は、電磁石75が揺動板77を吸着する吸着力より弱く設定されており、揺動板77が電磁石75に吸着されているときに、コイルスプリング79の付勢力が作用しても、揺動板77は電磁石75に接触している。突起等により揺動板77が電磁石75に完全に接触しないようになっている場合には、近接した位置に位置する。
【0118】
サブコントローラ80は、マイクロコンピュータ及び通信モジュールからなるものであり、バッテリー81から給電される。通信モジュールは無線通信用の通信回路を有するものであり、サブコントローラ80と一体に設けられ、図示しないアンテナを備えている。サブコントローラ80及び通信モジュールは実施の形態1の補助錠1に設けられたサブコントローラ13と同様であるので、その説明を援用する。
【0119】
この実施の形態の施錠装置によれば、サブコントローラ80が通信モジュール(図示省略)により無線により通信を行うので、配線工事の必要が無く、室内の美観を損なうことなく、低コストであると共に建物の居住者が手軽に施錠システムを作成することができる。しかもバッテリー81を用いても、バッテリー81の消耗等が極力少なく、頻繁にバッテリーを交換する手間がかからないと言う顕著な効果が得られる。
【0120】
また、揺動板77とコイルスプリング79により施錠板71を開位置に維持しているときに、電磁石75への通電によって揺動板77を電磁石75に吸着し、揺動板77の爪部77Bが掛止穴71Gから離脱すると、施錠板71が開位置維持から解除され、弦巻バネ73(駆動手段)が施錠板71を駆動して閉位置に移動させ、施錠が行われる。従って、電磁石75をサブコントローラ80によって通電することにより、施錠することができることとなる。
【0121】
しかも、サブコントローラ80がバッテリー81で駆動され、サブコントローラ80とメインコントローラとが無線により送受信可能であるので、メインコントローラからの命令により、サブコントローラ80が施錠することができると共に、サブコントローラ80がバッテリーで駆動されるので、室内の配線が不要となり、設置作業の手間が簡略化され、施工業者に依頼することなく、ユーザー自身で設置が可能となる。
【0122】
尚、76Aは戸が開いているかどうかを検出する開閉センサとしての近接スイッチであり、サブコントローラ80に接続されている。この近接スイッチ76Aは高周波等で非接触で近傍の金属を検出するセンサであり、近接スイッチ76Aの近傍に戸の被検出部分76Bを検出して、戸の開閉状態を検出し、サブコントローラ80に戸の開閉状態を出力する。
[第4の実施の形態にかかる施錠装置]
図10〜図12は、第4の実施の形態にかかる施錠装置を示す。これらの図に示される施錠装置としての補助錠70’は、図7乃至図9に示す補助錠70に施錠板71の施錠状態/解錠状態を検出する施錠センサ82(状態検知手段)を設けたものである。この施錠センサ82は、前述の対向板部71Dに設けられており、接触子83とマイクロスイッチ84とで構成される。接触子83は例えばプラスチックからなるものであり、接触子83は一対の対向板部71C、71Dの間に納められるように配設されている。接触子83の基部には取付穴83Aが開口されており、接触子83の取付穴83Aには前述の取付軸71Aが挿入される。取付軸71Aには接触子83をマイクロスイッチ84から引き離す方向に付勢する弦巻バネ85が挿入されている。弦巻バネ85の一端部は対向板部71Cの内側に形成された突起85Aに掛止され、弦巻バネ85の他端部は接触子83の内側縁部に掛止されている。
【0123】
マイクロスイッチ84は、対向板部71Dに取り付けられており、マイクロスイッチ84の接触子84Aは、マイクロスイッチ84内部の接点を導通・遮断させる。マイクロスイッチ84の接点には、図示しない一対の導線が接続されており、この導線は前述のサブコントローラ80のマイクロコンピュータに接続されている。接触子83が接触子84Aに接触して、接触子84Aがマイクロスイッチ84の接点を導通させると、サブコントローラ80のマイクロコンピュータに電流が流れ、施錠がなされて施錠状態にあることをサブコントローラ80が認識する。また、接触子83が接触子84Aから離れて、接触子84Aがマイクロスイッチ84の接点を遮断すると、サブコントローラ80のマイクロコンピュータに電流が流れなくなり、施錠が解除されて解除状態にあることをサブコントローラ80が認識する。
【0124】
その他の構成は、図7乃至図9の補助錠70と同様であるので、その説明を援用する。
【0125】
図10乃至図12の補助錠70’によれば、補助錠70’が施錠センサ82を備えており、引き違い戸同士を開かないように、施錠板71が規制板74の移動を阻止しているとき、施錠状態となるが、このとき施錠センサ82のプラスチック製接触子83が規制板74に実際に接触して押される。
【0126】
プラスチック製接触子83が接触子84Aを押すと、マイクロスイッチ84がオンとなり、マイクロスイッチ84が導通する。
【0127】
このように、プラスチック製接触子83が実際に規制板74と接触することによって、実際に引き違い戸が施錠されているかどうかを実地に確認するので、サブコントローラ99は、補助錠70’の施錠状態と解錠状態との監視並びに警報を確実に行うことができ、セキュリティ機能が更に向上する。
【0128】
第3、第4の実施の形態にかかる施錠装置において、施錠板71は、基板Bにおいて解錠位置と施錠位置との間を移動可能に支持され、弦巻バネ73(駆動手段の第1の付勢部材)が、施錠板71を解錠位置から施錠位置に向かって付勢している。
【0129】
また、施錠板71の解錠状態を維持する維持手段は、磁性体からなり、施錠板71を解錠位置に拘束可能な爪部77Bを有する揺動板77(掛止部材)と、揺動板77を付勢するコイルスプリング79(第2の付勢部材)とで構成されており、電磁石75(解除手段)は、通電によりコイルスプリング79の付勢力に抗して揺動板77を吸着して揺動板77による施錠板71の拘束を解除可能とされている。
【0130】
これによって、サブコントローラ80からの通電により、電磁石75に通電して弦巻バネ73の付勢力で施錠板71の施錠を行うことが出来、僅かな電力で施錠が可能となる。
[第5の実施の形態にかかる施錠装置]
図13,14は、第5の実施の形態にかかる施錠装置としての補助錠90を示す。
【0131】
この補助錠90において、前述のサッシ戸の縦框Y1に取り付けられる基板部91には施錠板92を回転可能に支持する取付軸93が取り付けられており、取付軸93は取付軸93から脱落しないように支持されている。取付軸93には弦巻バネ94が装着されており、弦巻バネ94の一端部は基板部91の突起95に掛止され、弦巻バネ94の他端部は施錠板92の裏面側の突起96に掛止されている。施錠板92は弦巻バネ94により基板部91から離間する方向に付勢されている。基板部91の上には円柱状の電磁石97と円筒状のコイル98とが取り付けられており、コイル98は電磁石の周囲を取り囲んでいる。基板部91にはサブコントローラ99とバッテリー100が設けられており、サブコントローラ99はバッテリー100から給電されるように接続されている。コイル98は電磁石97の磁力を減衰させる磁力を発生するようにサブコントローラ99から通電される。基板部91には接触スイッチにより構成される施錠センサ101が設けられており、施錠センサ101の導通接点はそれぞれサブコントローラ99に接続されている。施錠センサ101は、施錠板92が施錠センサ101を覆うときに導通してサブコントローラ99に補助錠90が解錠状態にあることを検出させ、施錠板92が施錠センサ10から離間するときに非導通となってサブコントローラ99に補助錠90が施錠状態にあることを検出させる。
【0132】
尚、図14に示すように、補助錠90が取り付けられる引き違い戸並びにこの戸と対となる他方の戸は、図14の表裏方向にスライドするものであり、補助錠90が取り付けられるとの相対する戸の方には、施錠板92が水平方向に向いているときに、引き違い戸の開きを防止するための規制板(図7,図10参照)が設けられていることは勿論である。
【0133】
図13、14の補助錠90によれば、補助錠90が施錠センサ101を備えていることにより、補助錠90が解錠状態にあるか施錠状態にあるかを施錠センサ101によって検出することが出来るので、補助錠90の施錠と状態の監視並びに警報を行うことができ、セキュリティ機能が更に向上する。
【0134】
尚、図13,14の補助錠90は、施錠板92が鉛直方向から水平方向に倒れるタイプなので、例えばヒンジ式のドアにも適用できる。この場合、補助錠90をドア側に設け、ドアの開口部側に施錠板92を受けるU字形状の受け金具を取り付けるが、勿論、補助錠90をドアの開口部側に設け、U字形状の受け金具をドア側に設けても良い。
【0135】
また、サブコントローラ99の施錠システムは、第1の実施の形態にて説明したものと同様であるので、その説明を援用する。
[第6の実施の形態にかかる施錠装置]
図15,16は第6の実施の形態にかかる施錠装置としての補助錠110を示す。この補助錠110の基板部115は、縦框Y1の壁面部Fに取り付けられる。補助錠110の基板部115には鉛直方向に延びる取付軸111が設けられており、この取付軸111に施錠部材112が回動可能に取り付けられている。
【0136】
施錠部材112はガラスGに接触したときの摩擦抵抗が大となるように、ゴム製とされている。施錠部材112にはガラスGに接触したときに撓んで接触面積を増大させるように、窪み113が形成されている。また、施錠部材112の裏面には鉄板部114が取り付けられており、鉄板部114が基板部115の永久磁石116に吸着されるようになっている。
【0137】
基板部115において、円柱状の永久磁石116の周りには円筒状のコイル117が設けられており、コイル117は基板部115に保持されたサブコントローラ118からの通電により永久磁石116の磁力を相殺して鉄板部114を解放するように通電される。また、取付軸111には施錠部材112を基板部115から引き離すように回転させるためのバネ(図示省略)が設けられている。このバネの回転方向の付勢力は永久磁石116の吸着力より弱いものであり、永久磁石116の磁力がコイル117の通電により相殺されたときに、施錠部材112をガラスG側に回転させる。尚、サブコントローラ118のシステムの構成は第1の実施の形態にて説明したものと同様であるので、その説明を援用する。
【0138】
第6の実施の形態にかかる補助錠110によれば、補助錠110が取り付けられる戸の反対側に位置する戸に規制板等を設けなくても良いので、取付方法が簡単である。また、施錠センサを設ける場合には、図13,14に示すような接触スイッチを設け、この接触スイッチの接点をサブコントローラ118に接続すれば良い。
【0139】
尚、上述の実施の形態では、手動で施錠板の施錠を行っているが、小電力のものであれば、電力によって施錠を行うようにしても良い。
【0140】
また、本発明にかかる施錠装置は、上記の実施の形態に限らないのは勿論であり、様々な態様が採用可能である。
【0141】
【発明の効果】
本発明にかかる施錠装置によれば、配線工事の必要が無く、室内の美観を損なうことなく、低コストであると共に建物の居住者が手軽に施錠システムを作成することができる。しかもバッテリーを用いても、バッテリーの消耗等が極力少なく、頻繁にバッテリーを交換する手間がかからないと言う顕著な効果が得られる。
【0142】
また、第1の発明によれば、維持手段により施錠手段を開位置に維持しているときに、解除手段によって施錠手段の開位置維持を解除すると、駆動手段が施錠手段を駆動して閉位置に移動させ、施錠が行われる。従って、解除手段をサブコントローラによって駆動可能に構成すると、サブコントローラにより施錠を制御することができることとなる。
【0143】
第2の施錠装置によれば、サブコントローラがバッテリーで駆動され、サブコントローラとメインコントローラとが無線により送受信可能であるので、メインコントローラからの命令により、サブコントローラが施錠することが可能となると共に、サブコントローラがバッテリーで駆動されるので、室内の配線が不要となり、設置作業の手間が簡略化され、施工業者に依頼することなく、ユーザー自身で設置が可能となる。
【0144】
本願の第3の施錠装置によれば、コイルに通電されていないときは、施錠部材は永久磁石によって開位置に保持されている。サブコントローラによる制御によってバッテリーから通電されると、コイルに永久磁石と反対方向の磁界が発生して永久磁石の磁力が相殺され、施錠部材がバネの付勢力により閉位置に移動して施錠状態となり、簡易な構成で施錠管理を行うことができる。
【0145】
本願の第4の施錠装置によれば、電磁石への非通電時には第2の付勢部材により施錠部材を解錠位置に拘束しておくことが出来、電磁石への通電時により掛止部材による施錠部材の拘束を解除して、施錠部材の施錠を行うことができるため、通常時は電磁石への通電を行わず、施錠時に僅かに電磁石への通電を行えば施錠が可能となるので、小電力である。
【0146】
本願の第5の施錠装置によれば、前記第1〜第3の施錠装置と同様に、サブコントローラにより施錠を制御することができると共に、メインコントローラがサブコントローラ側の状態を監視することが出来、しかもバッテリーによる給電を行い無線方式で送受信を行うので、配線が不要であり、ユーザー自身による設置作業が可能となる。
【0147】
本願の第6の施錠装置によれば、サブコントローラが間欠的にメインコントローラの発信命令を受信するので、バッテリーの消耗が少なく長期間に渡ってバッテリー交換をすることなく施錠管理をすることが出来ると共に、メインコントローラからの命令を受信するときのみならず、施錠センサや開閉センサが所定の状態変化を検出したときにも、送信機能を起動することにより、メインコントローラがサブコントローラ側の状態をより速く把握でき、緊急時の警報等を迅速に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかる補助錠の斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態にかかる補助錠の構成を示す説明図である。
【図3】図3はこの実施の形態のメインコントローラのブロック図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態にかかる施錠システムの流れを示す流れ図である。
【図5】図5は図4に続く本発明の実施の形態にかかる施錠システムの流れを示す流れ図である。
【図6】図6は第2の実施の形態にかかる補助錠の斜視図である。
【図7】図7は第3の実施の形態にかかる補助錠において施錠状態を示す説明図である。
【図8】図8は第3の実施の形態にかかる補助錠において解錠状態を示す説明図である。
【図9】図9は第3の実施の形態にかかる補助錠の施錠板の説明図である。
【図10】図10は第4の実施の形態にかかる補助錠において施錠状態を示す説明図である。
【図11】図11は第4の実施の形態にかかる補助錠において解錠状態を示す説明図である。
【図12】図12は第4の実施の形態にかかる補助錠の施錠板の説明図である。
【図13】図13は第5の実施の形態にかかる補助錠において解錠状態を示す説明図である。
【図14】図14は第5の実施の形態にかかる補助錠において施錠状態を示す説明図である。
【図15】図15は第6の実施の形態にかかる補助錠において解錠状態を示す説明図である。
【図16】図16は第6の実施の形態にかかる補助錠において施錠状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 補助錠
2A,2B 戸
3A,3B 框
4 筐体
5 規制板
7 施錠板
8 突起部
11 永久磁石
12 コイル
13 マイクロコンピュータ
14 施錠センサ
15 開閉センサ
16 ガラス破壊センサ
17 バッテリー
18 スピーカ
S サブコントローラ
21 メインコントローラ
25 表示部
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物の戸に設けられる施錠装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、建物の施錠装置等では、クレセント錠等の主たる錠を備えたガラス戸のガラスに、補助錠や開閉センサ或いはガラス戸を叩いたり破壊したことを検出するガラス破壊センサ等を単独で設置するものが、知られている。
【0003】
【特許文献】
特開平6−309572号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
また、従来、ビル等の建物の管理では、施錠されたかどうかを確認する施錠確認システムがある。このような施錠確認システムは、施錠状態を確認するのみで、自動的に施錠を行うものではない。施錠はそれぞれ手動で行わなければならず、煩わしい問題がある。更に、このようなシステムはビル等を意図しており、装置が大型化しており、システムの設置・調整等に手間がかかる。
【0005】
また、実公平6−33173号の「電気施錠装置」が開示されているが、この「電気施錠装置」は単に鍵の施錠と解錠を電気的に行うものであるが、各部屋に設置された施錠装置がどのような状態にあるのかを表示するものではないため、ユーザーが各部屋の施錠状態を確認することは出来ないと共に、この「電気施錠装置」が非常に大型化し、施錠・解錠に伴う電力消費が大きい。
【0006】
そのため、バッテリー駆動では長時間の稼動が出来ず、このような装置は有線方式で行うのが常である。このため、配線作業が必要になり、簡単に設定作業が行えず簡易に利用することが出来ない。
【0007】
また、特開2000−303735号公報に記載のように、クレセント錠を主たる錠とし、補助的に行う補助装置もある。しかし、これら補助装置は、電気的に行うものではなく、施錠命令による電気施錠システムではない。
【0008】
このように、電気施錠システムと施錠管理システムを組み合わせたものはなく、補助錠と施錠管理を組み合わせたものはないため、利用者にあっては施錠されているかどうかについての状態の把握と、施錠を行うシステムが一つのシステムを利用できないため、非常に使い勝手が悪いという問題がある。
【0009】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであり、低コストで設置しやすく、しかも小電力の施錠装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願の第1の施錠装置は、戸締まりを行う施錠手段が、戸が開くことを阻止する施錠位置と前記戸が開くことを許容する解錠位置との間を移動可能な施錠部材と、解錠時に前記施錠部材を前記開位置に維持する維持手段と、施錠時に前記維持手段の維持を解除する解除手段と、該解除手段が維持解除するときに前記施錠部材を前記開位置から前記閉位置に移動させる駆動手段とを備えていることを特徴とする。
【0011】
第1の発明によれば、維持手段により施錠手段を開位置に維持しているときに、解除手段によって施錠手段の開位置維持を解除すると、駆動手段が施錠手段を駆動して閉位置に移動させ、施錠が行われる。従って、解除手段をサブコントローラによって駆動可能に構成すると、サブコントローラにより施錠を制御することができることとなる。
【0012】
本願の第2の施錠装置は、第1の施錠装置であって、前記施錠手段の施錠状態を把握するためのメインコントローラと無線により送受信する無線通信手段と、前記施錠手段が解錠位置に位置するときに、前記施錠手段を施錠位置に位置させるために、前記解除手段を動作させるサブコントローラとバッテリーとを備え、該サブコントローラは、前記バッテリーにより作動可能とされると共に、前記メインコントローラから無線による命令を受信して、前記戸を施錠するように前記解除手段を動作させる施錠機能を備えていることを特徴とする。
【0013】
第2の施錠装置によれば、サブコントローラがバッテリーで駆動され、サブコントローラとメインコントローラとが無線により送受信可能であるので、メインコントローラからの命令により、サブコントローラが施錠することが可能となると共に、サブコントローラがバッテリーで駆動されるので、室内の配線が不要となり、設置作業の手間が簡略化され、施工業者に依頼することなく、ユーザー自身で設置が可能となる。
【0014】
本願の第3の施錠装置は、請求項1,2の何れかに記載された施錠装置であって、前記施錠部材は、磁性体を備えると共に前記戸に固定される基板側の軸に回動可能に支持され、前記維持手段は、前記開位置に設けられて前記磁性体を吸着可能な永久磁石で構成され、前記解除手段は、前記永久磁石の磁力を相殺する磁力を発生させるためのコイルと、前記サブコントローラからの制御信号により前記コイルに通電するバッテリーとで構成され、前記駆動手段は、前記施錠部材を前記開位置から前記閉位置に向かって付勢する付勢部材により構成され、該付勢部材は前記永久磁石が前記施錠部材を前記開位置に維持する力より弱い付勢力を付与されたものであることを特徴とする。
【0015】
本願の第3の施錠装置によれば、コイルに通電されていないときは、施錠部材は永久磁石によって開位置に保持されている。サブコントローラによる制御によってバッテリーから通電されると、コイルに永久磁石と反対方向の磁界が発生して永久磁石の磁力が相殺され、施錠部材が付勢部材の付勢力により閉位置に移動して施錠状態となり、簡易な構成で施錠管理を行うことができる。
【0016】
本願の第4の施錠装置は、請求項1,2のいずれかに記載された施錠装置であって、前記施錠部材は、前記戸に固定される基板側において前記解錠位置と前記施錠位置との間を移動可能に支持され、前記駆動手段は、前記施錠部材を前記解錠位置から前記施錠位置に向かって付勢する第1の付勢部材により構成され、前記維持手段は、磁性体からなり、前記施錠部材を前記解錠位置に拘束可能な掛止部材と、該掛止部材を付勢する第2の付勢部材とで構成され、前記解除手段は、通電により前記第2の付勢部材の付勢力に抗して前記掛止部材を吸着して前記掛止部材の拘束を解除可能な電磁石により構成されていることを特徴とする。
【0017】
本願の第4の施錠装置によれば、電磁石への非通電時には第2の付勢部材により施錠部材を解錠位置に拘束しておくことが出来、電磁石への通電時により掛止部材による施錠部材の拘束を解除して、施錠部材の施錠を行うことができるため、通常時は電磁石への通電を行わず、施錠時に僅かに電磁石への通電を行えば施錠が可能となるので、小電力である。
【0018】
本願の第5の施錠装置は、戸の開閉状態を検知する開閉センサと、戸の施錠・解錠状態を検知する施錠センサと、戸を施錠する施錠手段と、前記施錠手段の施錠状態を把握するためのメインコントローラと無線により送受信する無線通信手段と、前記施錠手段を制御するサブコントローラと、バッテリーとを備え、前記サブコントローラは、前記施錠手段を施錠状態にする施錠機能と、前記開閉センサによって戸の開閉状態を検出する開閉検出機能と、前記施錠センサによって施錠・解錠の状態を検出する施錠・解錠検出機能と、前記バッテリーから前記開閉センサ及び前記施錠センサ並びに前記無線通信手段への供給電力を制御する電力制御機能とを備えていることを特徴とする。
【0019】
本願の第5の施錠装置によれば、前記第1〜第3の施錠装置と同様に、サブコントローラにより施錠を制御することができると共に、メインコントローラがサブコントローラ側の状態を監視することが出来、しかもバッテリーによる給電を行い無線方式で送受信を行うので、配線が不要であり、ユーザー自身による設置作業が可能となる。
【0020】
本願の請求項6の施錠装置は、請求項5に記載された施錠装置であって、前記サブコントローラは、前記メインコントローラと受信する受信機能を間欠的に起動させ、前記サブコントローラが施錠状態を維持するときに、前記施錠手段が解錠状態になったこと、若しくは、前記開閉センサが前記戸の開状態の何れかを検出したときに、前記サブコントローラから前記メインコントローラに送信を行う送信機能を備えていることを特徴とする。
【0021】
本願の第6の施錠装置によれば、サブコントローラが間欠的にメインコントローラの発信命令を受信するので、バッテリーの消耗が少なく長期間に渡ってバッテリー交換をすることなく施錠管理をすることが出来ると共に、メインコントローラからの命令を受信するときのみならず、施錠センサや開閉センサが所定の状態変化を検出したときにも、送信機能を起動することにより、メインコントローラがサブコントローラ側の状態をより速く把握でき、緊急時の警報等を迅速に行える。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照にしつつ本発明の実施の形態にかかる施錠装置を説明する。
[施錠装置の第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態にかかる施錠装置としての補助錠1を示している。この補助錠1は、引き違い式の戸2Aの縦框3Aに取り付けられる筐体4と、他方の戸2Bの上部框3Bに取り付けられるL型断面形状の規制板5とで構成される。戸2Aの框にはクレセント錠の一方の鍵k1が設けられ、戸2Bの框にはクレセント錠の他方の鍵k2が設けられている。
【0023】
筐体4の上部には溝6が形成されており、溝6の内部に規制板5の移動を規制可能な施錠板7が揺動軸7A(図2参照)に揺動可能に軸止されている。
【0024】
施錠手段は、施錠板7、規制板5、弦巻バネ10、永久磁石11、コイル12、マイクロコンピュータ13を備えている。施錠板7と規制板5とは施錠部材を構成し、永久磁石11は維持手段を構成し、コイル12は解除手段を構成し、弦巻バネ10は解除手段を構成している。
【0025】
規制板5は上部框3Bから突出する突起部8を備えており、この突起部8の移動領域に対して施錠板7の一端部が出入可能になっている。施錠板7は、磁性体からなるものであり、この実施の形態では鋼鉄製とされている。施錠板7は溝6の内部を揺動可能になっており、施錠板7の揺動軸7A側には、施錠板7を規制板5の移動領域から退避させるためのレバー9が形成されている。
【0026】
揺動軸7Aには弦巻バネ10が巻かれている。弦巻バネ10の一方の端部は施錠板7の一端部側に設けられた掛止突起10Aに掛止められ、弦巻バネ10の他方の端部は筐体4の溝6の内壁に設けられた掛止突起10Bに掛止されている。施錠板7は弦巻バネ10によって規制板8側に倒れる方向に常時付勢されている。弦巻バネ10の付勢力は、溝6の内壁に設けられた永久磁石11が施錠板7を吸着する力より弱いものであって、永久磁石11の磁力がコイル12の通電により逆方向の磁力によって弱められるまで、施錠板7が永久磁石11に吸着して移動しない程度の付勢力とされている。
【0027】
コイル12は永久磁石11から真鍮板12Bにより隔てられた軟鉄のコア12Aの周りに巻かれており、コイル12はコア12Aに取り付けられた真鍮板12Bを介して永久磁石11に支持されている。永久磁石11の磁力はコア12Aを通してレバー9を吸着可能とされる。コイル12は、永久磁石11の磁束の作用方向に対して逆方向の磁束を発生するためのものであり、マイクロコンピュータ13の入出力ポートからの通電により、コイル12が通電されて永久磁石11の磁束と反対方向の磁束を発生して永久磁石11の磁力を弱化させ、弦巻バネ10の付勢力により施錠板7を規制板5側に倒す。
【0028】
筐体4の内部には、マイクロコンピュータ13と、施錠板7の施錠・解錠を検知する施錠センサ14と、戸2A、2Bの開閉を検知する開閉センサ15と、戸2A、2Bのガラスの破壊音を検出するガラス破壊センサ16と、バッテリー17と、ガラス破壊時に警報音を鳴らすスピーカ18と、通信器19とを備えている。
【0029】
サブコントローラSは、マイクロコンピュータ13と、施錠センサ14と、開閉センサ15と、ガラス破壊センサ16と、バッテリー17と、スピーカ18と、通信器19により構成される。通信器19はマイクロコンピュータ13の指令によりアンテナ20から図3に示すメインコントローラと無線による通信を行う。尚、サブコントローラSは上記センサが同一筐体に収納されていなくても良い。
【0030】
サブコントローラSは、メインコントローラ21との通信環境条件を定める通信機能と、施錠手段である補助錠1を施錠状態にする施錠機能と、開閉センサ15によって戸の開閉状態を検出する開閉検出機能と、施錠センサ14によって施錠・解錠の状態を検出する施錠・解錠検出機能と、ガラス破壊センサ16によるガラス破壊の検出機能と、開閉センサ15、施錠センサ14、無線通信手段である通信器19の起動・停止への供給電力を制御する電力制御機能とを備えている。
【0031】
施錠センサ14は、例えば、常閉接点を有するマイクロスイッチからなるものであり、施錠板7が施錠センサ14に接触しているときに、マイクロスイッチは非導通状態となる。施錠センサ14は、マイクロスイッチに限らず、近接センサ、反射型ホトインタラプタ等によって構成しても良い。
【0032】
開閉センサ15は、反射型インタラプタ、近接センサ、マイクロスイッチ等で構成されるが、この実施の形態では反射型インタラプタで構成されている。反射型ホトインタラプタ15Aと反射板15Bによって構成されている。ホトインタラプタ15Aは筐体4の側面であって、規制板5に臨む部位に設けられている。規制板5側にはホトインタラプタ15Aの光を反射する反射板15Aが設けられている。戸2A、2Bの開閉状態を検知するとき、ホトインタラプタ15Aは光を規制板5側に照射し、反射板15Bからの反射光を受光して戸2A、2Bの開閉状態を検知する。
【0033】
ガラス破壊センサ16は、集音マイクにより構成され、戸2A、2Bのガラス2C、2Dが割られたときの超音波を集音し、ガラス2C、2Dの破壊を検知する。ガラスの破壊音を検知するとき、ガラス破壊センサ16の集音マイクは、ガラスが破壊されたときに生ずる音圧レベルによって微弱な電圧が発生して電流が流れ、ガラス破壊を検知する。
【0034】
施錠センサ14と開閉センサ15とガラス破壊センサ16は、サブコントローラS側の状態を確認する状態検知手段を構成している。
【0035】
バッテリー17にはリチウム電池が用いられる(バッテリー17は他の電池でも良い)。バッテリー17の正極はマイクロコンピュータ13の電源端子に接続され、負極はマイクロコンピュータ13の接地端子に接続されている。
【0036】
スピーカ18には図示しない増幅回路が設けられており、この増幅回路はマイクロコンピュータ13の入出力ポートに接続されている。スピーカは、ガラス破壊センサ16がガラス破壊音を検出したときに、マイクロコンピュータ13からの命令により動作して威嚇音を発生する。
【0037】
通信器19は、マイクロコンピュータ13の命令によりアンテナ20を介して送信・受信を行う。
【0038】
通信器19は、通信電力を極力消費しないように、マイクロコンピュータ13の制御により間欠的に受信機能を起動するものであり、(1)戸2A、2Bが開いているとき、又は、(2)戸2A、2Bが閉じていて施錠センサ14が施錠を検出しているとき、即ち、所定条件下でメインコントローラ21からの送信信号を受信する受信機能を停止している。
【0039】
また、通信器19は、(1)メインコントローラの警戒が解除され、且つ、戸2A、2Bが閉まっている状態において、施錠センサ14が解錠を検出したときに、受信機能を起動し・受信可能となる。
【0040】
また、通信器19がメインコントローラと送信する送信機能は、マイクロコンピュータ13からの通信器19に給電されることによって起動される。通信器19の送信機能は、(1)ガラス破壊センサ16がガラス破壊時に発生する超音波を検知したとき、(2)補助錠1側で状態の変化が生じたとき、(3)開閉センサ15が「閉」で施錠センサ14が「施錠」とされて警戒モードになっているときに、開閉センサ15が「開」に状態変化したとき(ガラス破壊センサ16がガラス破壊を検出することなく戸2A、2Bが開いた場合)に、起動される。
【0041】
メインコントローラ21は、建物の内部に配置されるものであり、図3に示すように、マイクロコンピュータ22と、操作部23と、電源部24と、液晶表示板からなる表示部25と、サブコントローラSと無線通信を行うための無線通信部26と、警報用スピーカ及び増幅器を備えた威嚇音発生部27とを、備えている。メインコントローラ21は、施錠命令を発する指令手段等を別筐体として設けても良く、同一の筐体に配設することには限らない。
【0042】
電源部24は、二次バッテリー28と充電器ユニット29とを含んでいる。操作部23には、施錠の処理のための操作を行うための施錠ボタン30と、施錠や監視を解除する在宅ボタン31とを備えている。
【0043】
メインコントローラ21のマイクロコンピュータ22は、サブコントローラSとの通信環境条件と通信を行う通信機能と、サブコントローラSの状態を記憶する機能と、サブコントローラSへ施錠処理を行う機能と、警戒処理機能を実行するプログラムが記憶されている。また、マイクロコンピュータ22は、サブコントローラSのID、開閉状態、施錠状態を記憶する記憶領域を持っている。マイクロコンピュータ22は、サブコントローラSのチップIDを判別可能に設定されており、マイクロコンピュータ22とサブコントローラSとは互いに送受信可能になっている。
【0044】
次に、サブコントローラSとメインコントローラによる施錠システムについて説明する。
【0045】
サブコントローラSとメインコントローラ21は、サブコントローラSとメインコントローラ21同士が相互に通信可能な機能と、通信のための規約とを備えており、両者間で相互通信可能な環境が成立している。サブコントローラSは、メインコントローラ21が認識可能な固有のIDデータを備えている。このサブコントローラSのIDデータは、マイクロコンピュータ13のチップIDで定められており、メインコントローラ21は、個々のサブコントローラSの「IDデータ」と「施錠状態」と「戸の開閉状態」を記憶した記憶領域を少なくとも持っている。
【0046】
メインコントローラ21とサブコントローラSとの間では、相互に送受信可能な周波数の電波法に基づく小電力無線又は微弱無線による電波により送信及び受信が可能とされている。メインコントローラ21の通信器から送信された特定周波数の小電力又は微弱な電波を、サブコントローラSの通信器が受信し、サブコントローラSの通信器から送信された特定周波数の小電力又は微弱な電波を、メインコントローラ21の通信器が受信する。メインコントローラ21が施錠の実行を行うモードにおいて、メインコントローラ21が送信する小電力又は微弱な電波には、施錠命令を示す信号が含まれる。
【0047】
サブコントローラSでは、バッテリー17の装填後にマイクロコンピュータ13に給電され、マイクロコンピュータ13は微弱な電流で動作している。マイクロコンピュータ13は通信器19への給電を制御しており、上述の施錠センサ14、開閉センサ15、ガラス破壊センサ16等の状態検知手段の検知結果が所定条件を満たしたときに、メインコントローラ21と受信する受信機能を起動させる。
【0048】
サブコントローラSが、受信機能を起動するときに、この受信機能は間欠的に起動されてメインコントローラ21の発信命令を受信する。
【0049】
即ち、開閉センサ15が[戸2A、2Bが開](このとき戸2A、2Bは解錠されている)を検知するとき、マイクロコンピュータ13から通信器19には給電されない。又、開閉センサ15が[戸2A、2Bが閉]且つ施錠センサ14が[戸2A、2Bが施錠]のときも、マイクロコンピュータ13から通信器19には給電されない。
【0050】
また、開閉センサ15が[戸2A、2Bが閉]且つ施錠センサ14が[補助錠1の解錠」のとき、マイクロコンピュータ13から通信器19に間欠的な周期で給電がなされ、通信器19が間欠的に受信可能となる。
【0051】
この場合、メインコントローラ21は使用者の施錠命令を所定時間サブコントローラSに送信する。メインコントローラ21は例えば5秒間(基準はユーザーが施錠結果を知るために待つことが出来る時間で、2〜3秒でも良い。)継続して通信機能を動作させる。送信後メインコントローラ21はサブコントローラSからの送信信号を待っており、受信待機状態となっている。
【0052】
サブコントローラSの通信器19が動作する間欠的周期は、メインコントローラ21からの間欠的送信(一例として5秒間隔)のオンタイム継続時間よりも短い間隔(一例として4秒)で例えば30m秒間動作する。このため、サブコントローラSはメインコントローラ21の問い合わせ信号或いは施錠命令信号を確実に受信することができると共に、非常に短い時間のみ通信器19を機能させるので、電力の消耗が少なく、バッテリー消耗が少ない。送信機能は、メインコントローラ21が施錠命令の信号を送信している間は行わず、メインコントローラ21の送信が終わってから行うようになっている。
【0053】
サブコントローラSは、上述の施錠センサ14、開閉センサ15、ガラス破壊センサ16等の状態検知手段の検知結果が所定条件を満たしたときに、メインコントローラ21への送信する送信機能を起動する。
【0054】
即ち、サブコントローラSがメインコントローラ21に送信する条件は、
(1)サブコントローラSが受信状態にあって開閉センサ15が[開]を示すとき、
(2)メインコントローラ21が発する[施錠命令]を正常に受信したかについての問い合わせに対して[正常受信]を回答するとき、
(3)メインコントローラ21が発する[戸2A、2Bの開閉の確認命令]の問い合わせに対して開閉センサ15の[開][閉]を回答するとき、
(4)メインコントローラ21が発する[バッテリーの残量の確認命令]の問い合わせに対してマイクロコンピュータ13が[バッテリーの残量の充分・不十分]を回答するとき、
(5)サブコントローラS側で開閉センサ15が[閉]、施錠センサ14が[施錠]にあって、ガラス破壊センサ16が[破壊]を検知したとき、である。
【0055】
この送信電波に含まれるデータには、建物に設けられている個々のサブコントローラS自身のIDデータが含まれる。
【0056】
施錠センサ14、開閉センサ15、ガラス破壊センサ16等の状態検知手段は、停止状態と起動状態とを有しており、所定条件を満たしたときにマイクロコンピュータ13からの給電により、検出可能に変化する。
【0057】
この所定条件は、補助錠1の施錠板7は施錠するとき以外は給電されず、受信待機時において補助錠1が解錠状態で開閉センサ15が[閉]のときに通信器19には給電が間欠的に給電される。
【0058】
開閉センサ15には3種類の弱い電流が給電される。
【0059】
即ち、戸2A,2Bが開いているとき、マイクロコンピュータ13を動作させるための極微弱な電流が給電される。戸2A、2Bが閉じているとき、施錠センサ14、開閉センサ15、ガラス破壊センサ16を動作させるための微弱な電流が給電される。戸2A、2Bが[開][閉]の状態を変えるときには、通信器19によって受信・送信を行う場合や威嚇音を発生するための弱い電流が給電される。
【0060】
施錠センサ14には開閉センサ15が[閉]を示し、[施錠]を検知しているときに微弱な電流が給電され、それ以外の場合には給電されない。
【0061】
ガラス破壊センサ16には、開閉センサ15が[閉]を示し、[施錠]を検知しているときに微弱な電流が給電され、それ以外の場合には給電されない。
【0062】
送信時の通信器19への給電は、非通信時には給電されず、戸2A、2Bが[開]から[閉]又はその[閉]から[開]に変化するときに、メインコントローラ21に状態を送信するために給電される。
【0063】
警報手段としてのスピーカ18には、警戒モードで開閉センサ15が[閉]を示し、[施錠]を検知しており、ガラス破壊センサ16が[ガラス破壊]を検知し、若しくは開閉センサ15が[開]を検知したときに電流が給電され、威嚇音を発する。
【0064】
メインコントローラ21は、サブコントローラSにおける施錠センサ14、開閉センサ15の状態を認識しており、開閉センサ15が[閉]を示し、施錠センサ14が[解錠]を示す必要条件が満たされたサブコントローラSに対して所定命令である[施錠命令]を送信し、戸2A、2Bが開いているサブコントローラS、若しくは戸2A、2Bが閉じ更に施錠がなされているサブコントローラSには[施錠命令]は送信しない。
【0065】
このメインコントローラ21の送信はメインコントローラ21が記憶しているサブコントローラSの状態に基づいており、戸2A、2Bが開いているときや、既に施錠・戸閉のときは、通信不要としている。
[第1の実施の形態にかかる施錠装置の動作の流れ]
次に、この実施の形態の施錠システムの流れを説明する。
【0066】
先ず、バッテリー17がサブコントローラSに装填され、メインコントローラ21の施錠システムが起動開始状態にあり、サブコントローラSはバッテリー投入により起動状態となる(ステップ1)。
【0067】
次に、サブコントローラSは、戸2A、2Bの開閉状態を検出する。ステップ2の検出において、施錠センサ14、開閉センサ15、ガラス破壊センサ16、バッテリー残量との各種のチェックを行う(ステップ2)。
【0068】
このステップ2のチェックの後に、イニシャライズを行う(ステップ3)。このイニシャライズでは、サブコントローラSのIDと戸2A、2Bの開閉状態の確認、施錠状態を確認し、サブコントローラSからメインコントローラ21に送信する。
【0069】
ステップ4の判別では、戸2A、2Bが開いているときは、通信器19を起動して開いていることをメインコントローラ21に送信し(ステップ4−1)、サブコントローラSのIDを送信する(ステップ4−2)。メインコントローラ21ではこのサブコントローラSのIDを受信してメインコントローラ21の施錠管理テーブルの記憶領域に、開いている戸2A、2BのサブコントローラSのIDを記憶する(ステップ4−3)。
【0070】
ステップ4の判別において、戸2A、2Bが閉まっていれば、サブコントローラSは補助錠1の施錠状態を判別する(ステップ5)。
【0071】
ステップ5の判別において、施錠センサ14が施錠板7を検出したら、サブコントローラSからメインコントローラ21に施錠状態の戸のサブコントローラSのIDと施錠済み状態を送信し(ステップ5−1)、メインコントローラ21は施錠済みの戸のサブコントローラSのIDを記憶する(ステップ5−2)。
【0072】
ステップ4の判別において、補助錠1が解錠状態であれば、サブコントローラSは通信器19を起動させて、間欠的に受信可能とし、メインコントローラ21からの施錠命令の送信を待つ(ステップ6)。
【0073】
サブコントローラSが待機状態にあるときに、メインコントローラ21が施錠命令を送信し(ステップ7)、この施錠命令をサブコントローラSが受信したら(ステップ8)、サブコントローラSは正常に受信したかどうかの応答を送信し、この応答に基づいて正常に受信したかどうかをメインコントローラ21が判別する(ステップ9)。
【0074】
サブコントローラSが正常に受信しなければ、メインコントローラ21はn秒間施錠命令を送信したかどうかの判定をし(ステップ9−1)、このn秒間経過前にはステップ4の施錠命令送信に戻る。n秒を経過しても正常に受信したかどうかの応答がないときには、メインコントローラ21は受信不可状態のサブコントローラSのIDを表示部に表示する(ステップ9−2)。
【0075】
サブコントローラSがステップ8において正常受信の応答を行ったら、サブコントローラSは戸2A、2Bが閉まっているかどうかの判断を行う(ステップ10)。
【0076】
このステップ10の判断において、戸2A、2Bが閉まっていれば、サブコントローラSはバッテリーチェック(ステップ11)に移行する。
【0077】
戸2A、2Bが開いていれば、サブコントローラSは通信器19からメインコントローラ21に開いている戸2A、2BのサブコントローラSのIDを送信する(ステップ10−1)。メインコントローラ21は表示部に開いている戸のIDを表示し(ステップ10−2)、注意を促す。ユーザーはこの注意表示に基づいて戸を閉める(ステップ10−3)。
【0078】
ステップ8のバッテリーチェックにおいて、サブコントローラSのバッテリーが十分に残っているときには、マイクロコンピュータ13から補助錠1のコイル12に通電する(ステップ12)と共に、施錠センサ14の施錠・解錠の状態を見る(ステップ13)。
【0079】
施錠センサ14の施錠が正常に行われたら、サブコントローラSは通信器19から正常に施錠が行われたことを送信する。メインコントローラ21はこの正常に施錠が行われたことを示す施錠完了信号を受信したかどうかを判定する(ステップ14)。この施錠完了信号をメインコントローラ21が受信したら、サブコントローラSは警戒モードに入る(ステップ15)。
【0080】
ステップ10の施錠が正常に行われなければ、サブコントローラSはn回の施錠の実行を行い(ステップ13−1)、トライ回数がn+1回に到達したらサブコントローラSはエラー信号をメインコントローラ21に送信する(ステップ13−2)。メインコントローラ21はこのエラー信号を受信し、表示部にエラー信号を送信したサブコントローラSを表示する(ステップ13−3)。ステップ12−3の後はメンテナンス作業を行う(ステップ13−4)。
【0081】
ステップ15において、サブコントローラSが警戒モードに入ったら、サブコントローラSは施錠した自己のIDをメインコントローラ21に送信し(ステップ16)、メインコントローラ21はそのサブコントローラSのIDを記憶した後(ステップ17)、警戒モードに入る(ステップ18)。
【0082】
サブコントローラSは警戒モードに入ったら、ガラス破壊センサ16がガラス破壊音を検出するかどうかを監視し(ステップ19)、間欠受信を終了する(ステップ20)。
【0083】
警戒モードに入った状態では、図5に示すように、警戒モードの解除の有無を判別する(ステップ21)。メインコントローラ21の在宅ボタンが押されて警戒解除となったら、補助錠1の解錠を待つ(ステップ22)。補助錠1の解錠をサブコントローラSが送信したら(ステップ23)、メインコントローラ21は解錠したサブコントローラSのIDを記憶し(ステップ24)、間欠受信を行う受信待機をオンし(ステップ25)、サブコントローラSはガラス破壊センサ16をオフとして(ステップ26)終了する。
【0084】
ステップ21の警戒モード解除の判別において、サブコントローラSが警戒モードが解除されないで維持された状態にあるとき、補助錠1が解錠されたかどうかを判別する(ステップ27)。
【0085】
補助錠1が解錠されたことを施錠センサ14が検出したら、サブコントローラSは異常開口検知信号をメインコントローラ21に送信する(ステップ30)。メインコントローラ21はこの異常開口検知信号を異常検知として受信し(ステップ31)、警戒解除ボタンである在宅ボタン31が押されたかどうかを判別する(ステップ32)。この判別は、例えば、ユーザーが外出先から帰宅して在宅ボタン31を押しても、サブコントローラS側では受信機能を停止しているので、警戒モードが解除されているかどうかを判別できない。このため、補助錠1が解除されたり、戸が開けられると、施錠センサ14、開閉センサ15、ガラス破壊センサ16がこれらの異常を検知してしまうこととなる。そこで、サブコントローラSが何らかの状態変化(例えば異常検知)を検知した場合に、その変化は警戒モード下に起きたことであるかどうかを、サブコントローラSはメインコントローラ21に問い合わせることとしている。
【0086】
この処理を行うことにより、サブコントローラSが受信機能を停止しており、警戒モードの解除を認識できないときでも、ユーザーが帰宅して在宅ボタン31を押して警戒解除をしたにも拘わらず、警報や威嚇音が出力されるといった不具合を解消できる。
【0087】
ステップ32の判別はこのメインコントローラ21が警戒モードにあるかどうかの判別であり、在宅ボタン31が押されて警戒解除になっていれば、ステップ22の前に移行する。また、在宅ボタン31が押されておらず、警戒中であるときには、メインコントローラ21からサブコントローラSに警報命令を送信する(ステップ33)と共に、メインコントローラ21は威嚇音発生部27から警報用スピーカにより警報を発生させる(ステップ34)。同時にサブコントローラSは警報命令を受信し(ステップ35、サブコントローラSはスピーカ18から威嚇音を発生する(ステップ36)。
【0088】
これらのステップ30からステップ36の一連の警報処理は、施錠センサ14の解錠検知判別(ステップ27)において、施錠が継続されている状態でガラス破壊センサ16のガラス破壊判別処理(ステップ28)、続いて行われる開閉センサ15の戸の開閉状態の判別(ステップ29)において、それぞれ異常(ガラス破壊、戸の開)を検知したときに処理される。ステップ27,28,29のいずれにおいても異常が検出されなければ、ステップ21の判別処理の前に移行する。
【0089】
以上説明した施錠システムでは、戸2A、2Bの補助錠1について説明したが、主たる錠にこのシステムを適用することも可能であり、補助錠1には限らない。
【0090】
上述の施錠システムによれば、工事業者に依頼せずにユーザーがメインコントローラ21とサブコントローラSとを設置することが可能であり、低コストで施錠監視を行うことが可能であると共に、サブコントローラSがメインコントローラ21と常時通信を行うものでなく、予め戸が開いていたり、既に戸が閉まって施錠も済んでいるときには、メインコントローラ21はサブコントローラSに通信を行わないと共に、サブコントローラSも通信器19への給電を行わないので、バッテリーの消耗が極めて少ない。また、戸が閉まっており、補助錠1の施錠が行われないときに、サブコントローラSがメインコントローラ21から間欠受信により施錠命令を待つので、更にバッテリーの消耗が少ない。施錠監視状態にあるときは、サブコントローラSは開閉センサ15と施錠センサ14を起動させ、ガラス破壊センサ16が監視を行うので、施錠監視も十分に行うことができる。
【0091】
尚、上記実施の形態では、メインコントローラ21とサブコントローラSとを直接交信する構成としたが、両者の伝送路上に、中継器を設け、メインコントローラ21と中継器との通信を小電力無線若しくは建物の電灯線搬送通信の何れかで行い、中継器とサブコントローラSとの通信を微弱な無線で行うと、サブコントローラSの通信手段が微弱で済むこととなる。
【0092】
上記の実施の形態では、補助錠1の解除は手動で行っているが、電気的に行っても良い。また、サブコントローラSと各種センサは同一筐体に設けられていなくても良い。サブコントローラSは最低限補助錠1を施錠状態に出来る機能とメインコントローラ21と送受信出来る機能を有しておればよい。更に、各種センサは他のセンサに変更のみならず、付加しても良く、本件実施の形態の範囲に限るものではなく多種多様である。
【0093】
ガラス破壊センサ等の防犯センサを設けたことにより、施錠の管理及び自動施錠機能に加え、セキュリティ(防犯)機能を有するシステムとなっている。
[第2の実施の形態にかかる施錠装置]
図6は、他の実施の形態にかかる施錠装置としての補助錠50の構成を示している。補助錠50は、戸51Aのガラスを保持する框52Aの下部であって、戸の外側から見えない位置に設けられている。補助錠50の厚さは、戸51A,51B同士が開閉される際に交差する隙間に位置可能な2乃至5mm程度に設定されており、引き違い式の戸51A、51Bが、補助錠50が解錠状態にあるときに、自在にスライドできるようになっている。尚、補助錠50は框4に凹部を形成して、その凹部の内部に設けても良い。
【0094】
補助錠50は、框52Aに接着剤若しくは両面テープ等で接着される金属製のベース53と、ベース53から上下に回動する施錠板部54とを有する。ベース53の下端縁部にはヒンジ棒を保持する保持部が設けられており、このヒンジ棒の周りを施錠板部54の保持部が抱え込むように保持している。ヒンジ棒には弦巻バネが通されており、弦巻バネは、施錠板部54がベース53から開くように、施錠板部54とベース53とを互いに引き離す方向に両者を付勢している。
【0095】
ベース53には凹部からなる回路配置部55が形成されており、回路配置部55を施錠板部54が開閉する。回路配置部55には永久磁石56とコイル57とが設けられており、永久磁石56の周囲にコイル57が配設されている。このコイル57は、サブコントローラ58が備える電池から通電することで永久磁石56の磁力を相対的に微弱化させるもので、通電するときに永久磁石56の磁束に対して反対の極性の磁束が発生するように、電池に接続される。コイル57と電池は補助錠施錠スイッチを介して接続されている。
【0096】
この補助錠施錠スイッチは、サブコントローラ58のマイクロコンピュータにより概念上構成されるものであり、サブコントローラ58のマイクロコンピュータの補助錠施錠スイッチに該当する出力ポートから所定電圧の電流を通電すること、並びに、所定電圧の電流供給を停止することによって、コイル57と電池13とを接続し、若しくは切断する。補助錠施錠スイッチを、マイクロスイッチやリレー或いはフォトカプラーによって構成しても良いのは勿論である。なお、サブコントローラ58の電池収納部には、ボタン電池の正極用接点と負極用接点とが目視確認できるように+、−符号が表示されており、間違えないようになっている。
【0097】
施錠板部54は永久磁石56によって接着されるように鉄製とされており、施錠板部54をベース53側に倒したときに永久磁石56と施錠板部54とは接触する。戸51Aの框52Aにベース53を貼り付けるとき、施錠板部54の自由端部側が重力方向に対して鉛直上方に位置し、ヒンジ棒側を鉛直下方に位置するように、補助錠50を取り付ける。コイル57に接続されるリード線はサブコントローラ58のマイクロコンピュータの入出力ポートに接続されている。
【0098】
回路配置部55には、施錠板部54の開閉状態を検出する補助錠施錠センサが設けられている。この補助錠施錠センサは、スイッチで構成されており、回路配置部55の底部側(ベース側)に固定接点と可動接点とが設けられている。可動接点は板バネで構成され、施錠板部54に押されて固定接点に接触し、補助錠施錠センサが導通する。
【0099】
固定接点と可動接点の何れか一方は、抵抗を介してマイクロコンピュータの入出力ポートに直列に接続され、固定接点と可動接点の何れか他方は、接地されている。可動接点と固定接点とが導通したときに、一方の入出力ポートからアースに電流が流れ、この電流が流れることによって、補助錠50は解錠状態になっていることがマイクロコンピュータによって判断され、この電流が流れていないときに、補助錠50は施錠状態になっていることがマイクロコンピュータによって判断される。
【0100】
この補助錠施錠センサは、補助錠50のベース53に反射型のインタラプタを設けて構成することもできる。この場合、インタラプタの発光部と受光部とをマイクロコンピュータのそれぞれ別の入出力ポートに接続し、補助錠50の施錠確認の際に、インタラプタの発光部から光を発光させ、受光部が光を検出したときに、施錠板部54が閉じていて施錠されていないことを認識させ、インタラプタの受光部が光を検出していないときに、施錠板部54が開いており、施錠状態であることを認識させ、サブコントローラからメインコントローラに施錠しているか、否かを通信する構成とすることも可能である。
【0101】
補助錠50は、サブコントローラ58に接続されている。サブコントローラ58は、ケース内部に基板及び電源である前述の電池及び通信モジュールからなる通信器を収納したものであり、ケース外部に無線通信用のアンテナ59及びサブコントローラ58を起動させたり、停止させるためのオンオフスイッチ60を備えている。
【0102】
サブコントローラ58は、基板にマイクロコンピュータ及び電源回路及び周辺回路を接続したものであり、電池の消費電力を極力抑えた微弱電流を消費する状態と、サブコントローラ58が十分に機能を発揮できるように電池の電力を消費する状態とに変わることが出来る。
【0103】
サブコントローラ58のマイクロコンピュータは通常時は微弱電流供給状態にあるものである。サブコントローラ58の通信器は通常時は機能停止状態にあるものである。サブコントローラ58が動作する状態は、既に述べたサブコントローラSの動作条件と同様であるので、その説明を援用する。
【0104】
開閉センサ60は常閉スイッチで構成される。開閉センサ60は、一対のブロック60A、60Bを備えており、一対のブロック60A,60Bの一方であってサブコントローラ58が設けられている側に、常閉スイッチが設けられ、サブコントローラ58から電力の供給を受けるようになっている。
【0105】
この実施の形態では、一方の戸51Aの框にブロック60Aが設けられ、他方の戸51Bの框にブロック60Bが設けられ、ブロック60A側に常閉スイッチが設けられている。
【0106】
常閉スイッチは、他方のブロック60Bによって接触子がバネの弾発力に抗して押されているとき電流が遮断され、他方のブロック60Bが一方のブロック60Aから離れるときに、電流が流れるようになっている。この電流はマイクロコンピュータの入出力ポートから供給されている。
【0107】
また、ガラス破壊センサ61は、ガラス衝撃センサであり、ガラスを割った音を検知したときにその衝撃音を検出するものである。ガラス破壊センサ61はサブコントローラ58から電力を供給されており、ガラス破壊センサ61は衝撃を検知可能になる。ガラス破壊センサ61は、市販されているものであるが、超音波センサや歪みセンサ或いはマイク等により、ガラスが割れるときの音や振動を検出し、所定値以上の場合に、ガラスの破壊や衝撃を検出してマイクロコンピュータに送信する。
【0108】
尚、補助錠施錠センサ、開閉センサ60、ガラス破壊センサ61、威嚇音発生部としての威嚇音発生ブザーは電線により、サブコントローラ58のマイクロコンピュータに接続されている。
【0109】
サブコントローラ58のマイクロコンピュータは周知のようにROM・RAMを備えたものであり、ROMには、サブコントローラ58を特定するためのIDデータ、施錠システムのサブコントローラ58側のプログラム及び通信処理用のプログラムが記録されている。
【0110】
マイクロコンピュータの施錠システムは、上述のサブコントローラSのマイクロコンピュータのものと同様であるので、その説明を援用する。
[第3の実施の形態にかかる施錠装置]
図7,8において符号70は補助錠を指しており、補助錠70はサッシ戸の縦框Y1に取り付けられる。図7,8において、サッシ戸の縦框Y1は、サッシ戸のレールに対して直交方向に向けられる壁面部を指している。
【0111】
補助錠70は、縦框Y1にネジ穴を開け、補助錠70の基板Bに形成した穴hにネジを通して縦框Y1のネジ穴に螺着して取り付けるが、両面粘着テープ等により固定するようにしても良い。
【0112】
補助錠70の基板Bの上部には、取付軸71Aが突出して取り付けられており、取付軸71Aに施錠板71が回動可能に取り付けられている。取付軸71Aには弦巻バネ73が装着されている。弦巻バネ73の一端は取付枠78の上部に接触しており、弦巻バネ73の他端は施錠板71に形成された突起71Bに掛止されている。施錠板71はこれによって取付枠78から離反する方向に付勢されている。施錠板71と規制板74とは施錠部材を構成している。揺動板77と掛止部77A並びに掛止穴71G、コイルスプリング79は維持手段を構成し、電磁石75は解除手段を構成している。
【0113】
図9に示すように、施錠板71(施錠部材)は取付軸71Aが挿入される一対の対向板部71C、71Dを有しており、一対の対向板部71C、71Dは略U字形状となる断面形状を有している。一対の対向板部71C、71Dの対向部分には、取付軸71Aを通すための取付穴71Eが形成され、一対の対向板部71C、71Dの連結部分71Fには掛止穴71Gが開口されている。また、連結部分71Fの端部にはレバー部71Hが突出して形成されている。レバー部71Hは、ユーザーがユーザー自身の指によって、施錠板71を弦巻バネ73の付勢力に抗して取付枠78側に室内側に回転させるためのものである。
【0114】
対向板部71Dは、縦框Y1の横を移動するサッシ戸の上部横框Y2の規制板74と接触可能に回動する。規制板74は略L字型の断面形状を有しており、上部横框Y2から縦框Y1側に突出している。対向板部71Dはこの規制板74の移動領域に緩衝するように回動することによって、縦框Y1側のサッシ戸と、規制板74側のサッシ戸の移動を規制し、サッシ戸の開きを防止可能になっている。施錠板71は、対向板部71Dが規制板74の移動領域に緩衝するように回動しているときに、閉状態の位置となり、対向板部71Dが規制板74の移動領域から退避するように回動しているときに開状態の位置となる。
【0115】
取付枠78には、施錠板71の拘束を解除する解除手段としての電磁石75が装着されている。電磁石75は水平方向に延びる鉄心の周りにコイル76が巻かれており、コイル76にサブコントローラ80が接続されている。電磁石75はサブコントローラ80の通電により鋼製の揺動板77を吸着して爪部77Bが掛止穴71Gから離脱する。爪部77Bが掛止穴71Gから離脱すると、弦巻バネ73の付勢力により施錠板71の施錠が行われる。また、サブコントローラ80の通電遮断により、コイルスプリング79が揺動板77を電磁石75から解放し、施錠板71のレバー71Hを水平に向ければ、爪部77Bが掛止穴71Gにかかって施錠板71の解錠状態が維持される。
【0116】
維持手段は、電磁石75と揺動板77と掛止部77Aと掛止穴71Gとコイルスプリング79(第2の付勢部材)により構成されている。揺動板77は取付枠78の下端部に形成された一対の挟着部78Aに挟着されており、この挟着部78Aを中心に揺動可能とされている。揺動板77の上端部にはプラスチック製の掛止部77Aが取り付けられており、掛止部77Aの爪77Bが掛止穴71Gに挿入可能とされている。施錠板71のレバー部71Hを水平方向に倒すと、揺動板77の爪部77Bが掛止穴71Gに挿入されて、レバー部71Hが水平方向に倒れた状態が維持される。
【0117】
揺動板77の下端部には、コイルスプリング79の一端部が掛け止められており、コイルスプリング79の他端部は取付枠78に形成された掛止突起78Bに掛け止められている。コイルスプリング79は揺動板77の下端部を掛止突起78B側に引き寄せるように引張しており、揺動板77の掛止部77Aを図1の右側方向に付勢している。コイルスプリング79の付勢力は、電磁石75が揺動板77を吸着する吸着力より弱く設定されており、揺動板77が電磁石75に吸着されているときに、コイルスプリング79の付勢力が作用しても、揺動板77は電磁石75に接触している。突起等により揺動板77が電磁石75に完全に接触しないようになっている場合には、近接した位置に位置する。
【0118】
サブコントローラ80は、マイクロコンピュータ及び通信モジュールからなるものであり、バッテリー81から給電される。通信モジュールは無線通信用の通信回路を有するものであり、サブコントローラ80と一体に設けられ、図示しないアンテナを備えている。サブコントローラ80及び通信モジュールは実施の形態1の補助錠1に設けられたサブコントローラ13と同様であるので、その説明を援用する。
【0119】
この実施の形態の施錠装置によれば、サブコントローラ80が通信モジュール(図示省略)により無線により通信を行うので、配線工事の必要が無く、室内の美観を損なうことなく、低コストであると共に建物の居住者が手軽に施錠システムを作成することができる。しかもバッテリー81を用いても、バッテリー81の消耗等が極力少なく、頻繁にバッテリーを交換する手間がかからないと言う顕著な効果が得られる。
【0120】
また、揺動板77とコイルスプリング79により施錠板71を開位置に維持しているときに、電磁石75への通電によって揺動板77を電磁石75に吸着し、揺動板77の爪部77Bが掛止穴71Gから離脱すると、施錠板71が開位置維持から解除され、弦巻バネ73(駆動手段)が施錠板71を駆動して閉位置に移動させ、施錠が行われる。従って、電磁石75をサブコントローラ80によって通電することにより、施錠することができることとなる。
【0121】
しかも、サブコントローラ80がバッテリー81で駆動され、サブコントローラ80とメインコントローラとが無線により送受信可能であるので、メインコントローラからの命令により、サブコントローラ80が施錠することができると共に、サブコントローラ80がバッテリーで駆動されるので、室内の配線が不要となり、設置作業の手間が簡略化され、施工業者に依頼することなく、ユーザー自身で設置が可能となる。
【0122】
尚、76Aは戸が開いているかどうかを検出する開閉センサとしての近接スイッチであり、サブコントローラ80に接続されている。この近接スイッチ76Aは高周波等で非接触で近傍の金属を検出するセンサであり、近接スイッチ76Aの近傍に戸の被検出部分76Bを検出して、戸の開閉状態を検出し、サブコントローラ80に戸の開閉状態を出力する。
[第4の実施の形態にかかる施錠装置]
図10〜図12は、第4の実施の形態にかかる施錠装置を示す。これらの図に示される施錠装置としての補助錠70’は、図7乃至図9に示す補助錠70に施錠板71の施錠状態/解錠状態を検出する施錠センサ82(状態検知手段)を設けたものである。この施錠センサ82は、前述の対向板部71Dに設けられており、接触子83とマイクロスイッチ84とで構成される。接触子83は例えばプラスチックからなるものであり、接触子83は一対の対向板部71C、71Dの間に納められるように配設されている。接触子83の基部には取付穴83Aが開口されており、接触子83の取付穴83Aには前述の取付軸71Aが挿入される。取付軸71Aには接触子83をマイクロスイッチ84から引き離す方向に付勢する弦巻バネ85が挿入されている。弦巻バネ85の一端部は対向板部71Cの内側に形成された突起85Aに掛止され、弦巻バネ85の他端部は接触子83の内側縁部に掛止されている。
【0123】
マイクロスイッチ84は、対向板部71Dに取り付けられており、マイクロスイッチ84の接触子84Aは、マイクロスイッチ84内部の接点を導通・遮断させる。マイクロスイッチ84の接点には、図示しない一対の導線が接続されており、この導線は前述のサブコントローラ80のマイクロコンピュータに接続されている。接触子83が接触子84Aに接触して、接触子84Aがマイクロスイッチ84の接点を導通させると、サブコントローラ80のマイクロコンピュータに電流が流れ、施錠がなされて施錠状態にあることをサブコントローラ80が認識する。また、接触子83が接触子84Aから離れて、接触子84Aがマイクロスイッチ84の接点を遮断すると、サブコントローラ80のマイクロコンピュータに電流が流れなくなり、施錠が解除されて解除状態にあることをサブコントローラ80が認識する。
【0124】
その他の構成は、図7乃至図9の補助錠70と同様であるので、その説明を援用する。
【0125】
図10乃至図12の補助錠70’によれば、補助錠70’が施錠センサ82を備えており、引き違い戸同士を開かないように、施錠板71が規制板74の移動を阻止しているとき、施錠状態となるが、このとき施錠センサ82のプラスチック製接触子83が規制板74に実際に接触して押される。
【0126】
プラスチック製接触子83が接触子84Aを押すと、マイクロスイッチ84がオンとなり、マイクロスイッチ84が導通する。
【0127】
このように、プラスチック製接触子83が実際に規制板74と接触することによって、実際に引き違い戸が施錠されているかどうかを実地に確認するので、サブコントローラ99は、補助錠70’の施錠状態と解錠状態との監視並びに警報を確実に行うことができ、セキュリティ機能が更に向上する。
【0128】
第3、第4の実施の形態にかかる施錠装置において、施錠板71は、基板Bにおいて解錠位置と施錠位置との間を移動可能に支持され、弦巻バネ73(駆動手段の第1の付勢部材)が、施錠板71を解錠位置から施錠位置に向かって付勢している。
【0129】
また、施錠板71の解錠状態を維持する維持手段は、磁性体からなり、施錠板71を解錠位置に拘束可能な爪部77Bを有する揺動板77(掛止部材)と、揺動板77を付勢するコイルスプリング79(第2の付勢部材)とで構成されており、電磁石75(解除手段)は、通電によりコイルスプリング79の付勢力に抗して揺動板77を吸着して揺動板77による施錠板71の拘束を解除可能とされている。
【0130】
これによって、サブコントローラ80からの通電により、電磁石75に通電して弦巻バネ73の付勢力で施錠板71の施錠を行うことが出来、僅かな電力で施錠が可能となる。
[第5の実施の形態にかかる施錠装置]
図13,14は、第5の実施の形態にかかる施錠装置としての補助錠90を示す。
【0131】
この補助錠90において、前述のサッシ戸の縦框Y1に取り付けられる基板部91には施錠板92を回転可能に支持する取付軸93が取り付けられており、取付軸93は取付軸93から脱落しないように支持されている。取付軸93には弦巻バネ94が装着されており、弦巻バネ94の一端部は基板部91の突起95に掛止され、弦巻バネ94の他端部は施錠板92の裏面側の突起96に掛止されている。施錠板92は弦巻バネ94により基板部91から離間する方向に付勢されている。基板部91の上には円柱状の電磁石97と円筒状のコイル98とが取り付けられており、コイル98は電磁石の周囲を取り囲んでいる。基板部91にはサブコントローラ99とバッテリー100が設けられており、サブコントローラ99はバッテリー100から給電されるように接続されている。コイル98は電磁石97の磁力を減衰させる磁力を発生するようにサブコントローラ99から通電される。基板部91には接触スイッチにより構成される施錠センサ101が設けられており、施錠センサ101の導通接点はそれぞれサブコントローラ99に接続されている。施錠センサ101は、施錠板92が施錠センサ101を覆うときに導通してサブコントローラ99に補助錠90が解錠状態にあることを検出させ、施錠板92が施錠センサ10から離間するときに非導通となってサブコントローラ99に補助錠90が施錠状態にあることを検出させる。
【0132】
尚、図14に示すように、補助錠90が取り付けられる引き違い戸並びにこの戸と対となる他方の戸は、図14の表裏方向にスライドするものであり、補助錠90が取り付けられるとの相対する戸の方には、施錠板92が水平方向に向いているときに、引き違い戸の開きを防止するための規制板(図7,図10参照)が設けられていることは勿論である。
【0133】
図13、14の補助錠90によれば、補助錠90が施錠センサ101を備えていることにより、補助錠90が解錠状態にあるか施錠状態にあるかを施錠センサ101によって検出することが出来るので、補助錠90の施錠と状態の監視並びに警報を行うことができ、セキュリティ機能が更に向上する。
【0134】
尚、図13,14の補助錠90は、施錠板92が鉛直方向から水平方向に倒れるタイプなので、例えばヒンジ式のドアにも適用できる。この場合、補助錠90をドア側に設け、ドアの開口部側に施錠板92を受けるU字形状の受け金具を取り付けるが、勿論、補助錠90をドアの開口部側に設け、U字形状の受け金具をドア側に設けても良い。
【0135】
また、サブコントローラ99の施錠システムは、第1の実施の形態にて説明したものと同様であるので、その説明を援用する。
[第6の実施の形態にかかる施錠装置]
図15,16は第6の実施の形態にかかる施錠装置としての補助錠110を示す。この補助錠110の基板部115は、縦框Y1の壁面部Fに取り付けられる。補助錠110の基板部115には鉛直方向に延びる取付軸111が設けられており、この取付軸111に施錠部材112が回動可能に取り付けられている。
【0136】
施錠部材112はガラスGに接触したときの摩擦抵抗が大となるように、ゴム製とされている。施錠部材112にはガラスGに接触したときに撓んで接触面積を増大させるように、窪み113が形成されている。また、施錠部材112の裏面には鉄板部114が取り付けられており、鉄板部114が基板部115の永久磁石116に吸着されるようになっている。
【0137】
基板部115において、円柱状の永久磁石116の周りには円筒状のコイル117が設けられており、コイル117は基板部115に保持されたサブコントローラ118からの通電により永久磁石116の磁力を相殺して鉄板部114を解放するように通電される。また、取付軸111には施錠部材112を基板部115から引き離すように回転させるためのバネ(図示省略)が設けられている。このバネの回転方向の付勢力は永久磁石116の吸着力より弱いものであり、永久磁石116の磁力がコイル117の通電により相殺されたときに、施錠部材112をガラスG側に回転させる。尚、サブコントローラ118のシステムの構成は第1の実施の形態にて説明したものと同様であるので、その説明を援用する。
【0138】
第6の実施の形態にかかる補助錠110によれば、補助錠110が取り付けられる戸の反対側に位置する戸に規制板等を設けなくても良いので、取付方法が簡単である。また、施錠センサを設ける場合には、図13,14に示すような接触スイッチを設け、この接触スイッチの接点をサブコントローラ118に接続すれば良い。
【0139】
尚、上述の実施の形態では、手動で施錠板の施錠を行っているが、小電力のものであれば、電力によって施錠を行うようにしても良い。
【0140】
また、本発明にかかる施錠装置は、上記の実施の形態に限らないのは勿論であり、様々な態様が採用可能である。
【0141】
【発明の効果】
本発明にかかる施錠装置によれば、配線工事の必要が無く、室内の美観を損なうことなく、低コストであると共に建物の居住者が手軽に施錠システムを作成することができる。しかもバッテリーを用いても、バッテリーの消耗等が極力少なく、頻繁にバッテリーを交換する手間がかからないと言う顕著な効果が得られる。
【0142】
また、第1の発明によれば、維持手段により施錠手段を開位置に維持しているときに、解除手段によって施錠手段の開位置維持を解除すると、駆動手段が施錠手段を駆動して閉位置に移動させ、施錠が行われる。従って、解除手段をサブコントローラによって駆動可能に構成すると、サブコントローラにより施錠を制御することができることとなる。
【0143】
第2の施錠装置によれば、サブコントローラがバッテリーで駆動され、サブコントローラとメインコントローラとが無線により送受信可能であるので、メインコントローラからの命令により、サブコントローラが施錠することが可能となると共に、サブコントローラがバッテリーで駆動されるので、室内の配線が不要となり、設置作業の手間が簡略化され、施工業者に依頼することなく、ユーザー自身で設置が可能となる。
【0144】
本願の第3の施錠装置によれば、コイルに通電されていないときは、施錠部材は永久磁石によって開位置に保持されている。サブコントローラによる制御によってバッテリーから通電されると、コイルに永久磁石と反対方向の磁界が発生して永久磁石の磁力が相殺され、施錠部材がバネの付勢力により閉位置に移動して施錠状態となり、簡易な構成で施錠管理を行うことができる。
【0145】
本願の第4の施錠装置によれば、電磁石への非通電時には第2の付勢部材により施錠部材を解錠位置に拘束しておくことが出来、電磁石への通電時により掛止部材による施錠部材の拘束を解除して、施錠部材の施錠を行うことができるため、通常時は電磁石への通電を行わず、施錠時に僅かに電磁石への通電を行えば施錠が可能となるので、小電力である。
【0146】
本願の第5の施錠装置によれば、前記第1〜第3の施錠装置と同様に、サブコントローラにより施錠を制御することができると共に、メインコントローラがサブコントローラ側の状態を監視することが出来、しかもバッテリーによる給電を行い無線方式で送受信を行うので、配線が不要であり、ユーザー自身による設置作業が可能となる。
【0147】
本願の第6の施錠装置によれば、サブコントローラが間欠的にメインコントローラの発信命令を受信するので、バッテリーの消耗が少なく長期間に渡ってバッテリー交換をすることなく施錠管理をすることが出来ると共に、メインコントローラからの命令を受信するときのみならず、施錠センサや開閉センサが所定の状態変化を検出したときにも、送信機能を起動することにより、メインコントローラがサブコントローラ側の状態をより速く把握でき、緊急時の警報等を迅速に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態にかかる補助錠の斜視図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態にかかる補助錠の構成を示す説明図である。
【図3】図3はこの実施の形態のメインコントローラのブロック図である。
【図4】図4は本発明の実施の形態にかかる施錠システムの流れを示す流れ図である。
【図5】図5は図4に続く本発明の実施の形態にかかる施錠システムの流れを示す流れ図である。
【図6】図6は第2の実施の形態にかかる補助錠の斜視図である。
【図7】図7は第3の実施の形態にかかる補助錠において施錠状態を示す説明図である。
【図8】図8は第3の実施の形態にかかる補助錠において解錠状態を示す説明図である。
【図9】図9は第3の実施の形態にかかる補助錠の施錠板の説明図である。
【図10】図10は第4の実施の形態にかかる補助錠において施錠状態を示す説明図である。
【図11】図11は第4の実施の形態にかかる補助錠において解錠状態を示す説明図である。
【図12】図12は第4の実施の形態にかかる補助錠の施錠板の説明図である。
【図13】図13は第5の実施の形態にかかる補助錠において解錠状態を示す説明図である。
【図14】図14は第5の実施の形態にかかる補助錠において施錠状態を示す説明図である。
【図15】図15は第6の実施の形態にかかる補助錠において解錠状態を示す説明図である。
【図16】図16は第6の実施の形態にかかる補助錠において施錠状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 補助錠
2A,2B 戸
3A,3B 框
4 筐体
5 規制板
7 施錠板
8 突起部
11 永久磁石
12 コイル
13 マイクロコンピュータ
14 施錠センサ
15 開閉センサ
16 ガラス破壊センサ
17 バッテリー
18 スピーカ
S サブコントローラ
21 メインコントローラ
25 表示部
Claims (6)
- 戸締まりを行う施錠手段が、戸が開くことを阻止する施錠位置と前記戸が開くことを許容する解錠位置との間を移動可能な施錠部材と、解錠時に前記施錠部材を前記開位置に維持する維持手段と、施錠時に前記維持手段の維持を解除する解除手段と、該解除手段が維持解除するときに前記施錠部材を前記開位置から前記閉位置に移動させる駆動手段とを備えていることを特徴とする施錠装置。
- 請求項1の施錠装置であって、前記施錠手段の施錠状態を把握するためのメインコントローラと無線により送受信する無線通信手段と、前記施錠手段が解錠位置に位置するときに、前記施錠手段を施錠位置に位置させるために、前記解除手段を動作させるサブコントローラと、バッテリーとを備え、該サブコントローラは、前記バッテリーにより作動可能とされると共に、前記メインコントローラから無線による命令を受信して、前記戸を施錠するように前記解除手段を動作させる施錠機能を備えていることを特徴とする施錠装置。
- 請求項1,2の何れかに記載された施錠装置であって、
前記施錠部材は、磁性体を備えると共に前記戸に固定される基板側の軸に回動可能に支持され、前記維持手段は、前記解錠位置に設けられて前記磁性体を吸着可能な永久磁石で構成され、前記解除手段は、前記永久磁石の磁力を相殺する磁力を発生させるためのコイルと、前記サブコントローラからの制御信号により前記コイルに通電するバッテリーとで構成され、前記駆動手段は、前記施錠部材を前記解錠位置から前記施錠位置に向かって付勢する第1の付勢部材により構成され、該第1の付勢部材は前記永久磁石が前記施錠部材を前記解錠位置に維持する力より弱い付勢力を付与されたものであることを特徴とする施錠装置。 - 請求項1,2のいずれかに記載された施錠装置であって、
前記施錠部材は、前記戸に固定される基板側において前記解錠位置と前記施錠位置との間を移動可能に支持され、
前記駆動手段は、前記施錠部材を前記解錠位置から前記施錠位置に向かって付勢する第1の付勢部材により構成され、
前記維持手段は、磁性体からなり、前記施錠部材を前記解錠位置に拘束可能な掛止部材と、該掛止部材を付勢する第2の付勢部材とで構成され、
前記解除手段は、通電により前記第2の付勢部材の付勢力に抗して前記掛止部材を吸着して前記掛止部材の拘束を解除可能な電磁石により構成されていることを特徴とする施錠装置。 - 戸の開閉状態を検知する開閉センサと、戸の施錠・解錠状態を検知する施錠センサと、戸を施錠する施錠手段と、前記施錠手段の施錠状態を把握するためのメインコントローラと無線により送受信する無線通信手段と、前記施錠手段を制御するサブコントローラと、バッテリーとを備え、前記サブコントローラは、前記施錠手段を施錠状態にする施錠機能と、前記開閉センサによって戸の開閉状態を検出する開閉検出機能と、前記施錠センサによって施錠・解錠の状態を検出する施錠・解錠検出機能と、前記バッテリーから前記開閉センサ及び前記施錠センサ並びに前記無線通信手段への供給電力を制御する電力制御機能とを備えていることを特徴とする施錠装置。
- 請求項5に記載された施錠装置であって、
前記サブコントローラは、前記メインコントローラと受信する受信機能を間欠的に起動させ、前記サブコントローラが施錠状態を維持するときに、前記施錠手段が解錠状態になったこと、若しくは、前記開閉センサが前記戸の開状態の何れかを検出したときに、前記サブコントローラから前記メインコントローラに送信を行う送信機能を備えていることを特徴とする施錠装置。
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JP2002357614A JP2004190283A (ja) | 2002-12-10 | 2002-12-10 | 施錠装置 |
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JP (1) | JP2004190283A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016069942A (ja) * | 2014-09-30 | 2016-05-09 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 施解錠センサおよびそれを用いた施解錠確認システム |
KR200493117Y1 (ko) * | 2020-01-09 | 2021-02-03 | 차정운 | 고정 프레임이 결합된 이엠락 |
-
2002
- 2002-12-10 JP JP2002357614A patent/JP2004190283A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR200493117Y1 (ko) * | 2020-01-09 | 2021-02-03 | 차정운 | 고정 프레임이 결합된 이엠락 |
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