JP2004190169A - セルロース系繊維構造物の染色方法 - Google Patents

セルロース系繊維構造物の染色方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超臨界二酸化炭素を媒体として、セルロース系繊維を改質することなく、少ない環境負荷で、均一かつ濃色に染色することができる、高堅牢性を有する染色方法を提供する。
【解決手段】分散染料可染性セルロース系繊維を含む構造物を、超臨界二酸化炭素を媒体として分散染料により染色するに際し、媒体中に低級アルコールを添加する。前記分散染料可染性セルロース系繊維が、芳香環を有し、芳香環に隣接する炭素原子がエステル結合、エーテル結合を少なくとも1つ有する化合物である重合体微粒子を1〜40重量%含有する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はセルロース系繊維構造物の染色方法に関し、さらに詳しくは超臨界または高圧二酸化炭素流体を用いたセルロース系繊維を含む繊維構造物の染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、直接染料または反応性染料を用いたセルロース系繊維の染色は、合成繊維の染色と比べ、染色によるシワの発生や染色ムラの発生が多いため、浴比を大きくして行われているが、この染色方法では染色後の廃液処理問題や大量の染色用水を必要とするという問題があった。環境問題が深刻化する昨今、セルロース系繊維の染色において、水などの資源の節約および硫酸ナトリウム使用量の低減など環境負荷の少ない染色法が望まれている。
近年、環境負荷の少ない染色法として、分散染料可染性の繊維を、超臨界状態の二酸化炭素流体に溶解可能な分散染料を用いて無水で染色する方法が提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0003】
また、セルロース系繊維のような分散染料では通常染色できない繊維構造物を染色する方法として、セルロース系繊維をアミノ基を有する化合物で変性した後、100〜150℃の温度および140〜250bar(14〜25MPa)の圧力で該繊維を反応性分散染料にて染色する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。この方法ではセルロース系繊維を改質により分散染料可染化させた後に超臨界染色が行われるが、事前に溶剤でセルロース系繊維を改質しなければならないため、堅牢度が低く、風合いが粗硬になるなどの問題がある。
また、繊維を予めポリエチレングリコールで前処理した後、分散染料を用いて超臨界流体を溶媒として染色する方法が提案されている(例えば、特許文献4および非特許文献1参照)。しかし、この方法では、均一で十分な染着性が得られにくく、また堅牢な染色物が得られない。
また、超臨界またはほぼ臨界の流体中で1種類以上の繊維材料を反応性分散染料で染色する方法が提案されている(例えば、特許文献5参照)。この方法では、反応性分散染料を用い、流体内の相対湿度を50%〜100%にして超臨界染色が行われるが、284バール(28.4MPa)の超高圧下でセルロース系繊維に水分が付与されるため、高圧下での水の酸性化による被染物の風合いの変化や強度劣化などの問題が生じる。
【0004】
また、綿を超臨界染色するに際し、綿繊維を予め前処理した後、反応型分散染料を用いる超臨界染色方法が報告されている(例えば、特許文献6および非特許文献2参照)。この方法では、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(以下、TEGDMEと称する)やN−メチルピロリドン(以下、NMPと称する)を前処理剤とし、アセトンを二酸化炭素の共溶媒として用い、さらに綿繊維をアルカリ水溶液で処理して染色が行われるが、綿繊維を水溶液で前処理する必要があるため、染色前の被染物の前処理や乾燥工程が必要となり、工程が長くなるなどの欠点があった。またアルカリ水溶液でセルロース系繊維を前処理すると、被染物の風合いが変化し易くなり、また上記TEGDMEは水との親和性が高いため、染色後の堅牢度を低下させる恐れがあった。
このように、セルロース系繊維を含む繊維構造物の染色において、環境負荷が少なく、均一かつ濃色に染色でき、さらに堅牢性に優れる染色方法はいまだ見出されていない。
【0005】
【特許文献1】
特開平4−245981号公報
【特許文献2】
特開2001−32134号公報
【特許文献3】
特開平8−74185号公報
【特許文献4】
米国特許第5298032号明細書
【特許文献5】
特開2001−316988号公報
【特許文献6】
特開2002−201575号公報
【非特許文献1】
M.L.Colomboらの報告(Proc.5th Meetingon Supercritical Fluids,351(1998))
【非特許文献2】
岡山県新技術振興財団らの報告(平成12年度地域コンソーシアム研究開発事業ベンチャー企業支援型地域コンソーシアム成果報告書)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記従来技術の問題点を解決し、超臨界または高圧二酸化炭素を媒体として、セルロース系繊維を改質することなく、少ない環境負荷で、均一かつ濃色に染色することができる、高堅牢性を有するセルロース系繊維構造物の染色方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、セルロース系繊維の染色において、分散染料可染性セルロース系繊維を含む構造物を用い、かつ助剤として低級アルコールおよび好ましくは環状アミン化合物を染色段階の超臨界または高圧二酸化炭素の染色槽に添加することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、上記課題を達成するために本願で特許請求される発明は以下の通りである。
【0008】
(1)分散染料可染性セルロース系繊維を含む構造物を超臨界または高圧二酸化炭素を媒体として分散染料により染色するに際し、前記媒体中に低級アルコールを添加することを特徴とするセルロース系繊維構造物の染色方法。
(2)前記分散染料可染性セルロース系繊維が、繰り返し単位の20〜95重量%が芳香環を有し、かつ該芳香環に隣接する炭素原子がエステル結合(−COO−)および/またはエーテル結合(−O−)を少なくとも1つ有する化合物より構成されている重合体微粒子を1〜40重量%含有するセルロース系繊維である(1)に記載のセルロース系繊維構造物の染色方法。
(3)前記媒体中に無機性/有機性値が1.0〜4.5である環状アミン系化合物を添加することを特徴とする(1)または(2)に記載のセルロース系繊維構造物の染色方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において、超臨界二酸化炭素とは、二酸化炭素に7.38MPa以上の圧力および31.1℃以上の温度をかけることにより製造される高密度流体をいい、高圧二酸化炭素とは、31.1℃で4.0MPa以上、7.38MPa未満のものをいう。また本発明の方法は、中空糸、多孔糸、綿、紐、不織布、織物、編物、糸条、およびこれらを使用した衣類、医療用製品、資材等の分散染料可染性セルロース系繊維を含む構造体に適用され、繊維の形状、織編物の組織、不織布等の構造、糸条形態等によらない。さらに本発明でいうセルロース系繊維は、綿などの天然セルロース系繊維以外のセルロース系繊維を意味し、短繊維または長繊維を含む。具体的には、銅アンモニアレーヨン繊維およびビスコースレーヨン繊維が挙げられ、繊維は樹脂加工されていても、セルロースと反応する2つ以上の官能基を有する化合物で架橋されていてもよい。
【0010】
本発明に用いられる分散染料可染性セルロース系繊維としては、好ましくは繰り返し単位の20〜95重量%が芳香環を有し、かつ該芳香環に隣接する炭素原子がエステル結合(−COO−)および/またはエーテル結合(−O−)を少なくとも1つ有する化合物より構成されている重合体微粒子を1〜40重量%含有するセルロース系繊維、例えば、WO98/58104号公報記載の分散染料にて染色されうる重合体を含有するセルロース系繊維が挙げられる。
上記セルロース系繊維中に含有される重合体微粒子は、芳香環を有し、かつ芳香環または芳香環に隣接する炭素原子にエステル結合または/およびエーテル結合を少なくとも一つ以上有する化合物(以下、この繰り返しユニットを同色ユニットと称する)を20〜95重量%の範囲で重合されたものである。
【0011】
前記重合体を構成するポリマーは、単体で分散染料にて染色されうるものであるなら、その組成はいかなるものでもよいが、好ましくはビニル系ポリマーまたは重縮合系ポリマーを含有してなる組成物である。ビニル系ポリマーとしては、芳香族ビニルエステル系ポリマー、芳香族ビニルエーテル系ポリマー、芳香族ビニルケトン系ポリマー、芳香族メタアクリル酸エステル系ポリマー、スチレン誘導体系ポリマー、芳香族マレイン酸エステル系ポリマーなどが挙げられ、重縮合系ポリマーとしては、芳香族ポリエステル共重合などが挙げられる。同色ユニットについては芳香環が少なくとも一つあればよく、分散染料との親和性の点では平面性の高い多環式芳香環が優れるが、工業的にはベンゼン環系化合物が好ましい。
最も好ましいビニル系ポリマーとしては、芳香族メタアクリル酸ポリエステルポリマーおよび芳香族ビニルエステルポリマーが挙げられる。重縮合系としては、テレフタル酸/アジピン酸/エチレングリコール/ポリエチレングリコール系、テレフタル酸/アジピン酸/エチレングリコール/5−ナトリウムスルイソフタル酸系、等の分散染料易染性ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0012】
本発明のセルロース系繊維中の含有粒子は、繊維内部で高分散しているほうが好ましい。また、染色工程、後加工工程、洗濯、ドライクリーニング等の処理の際に、重合体が溶出しない程度の重合度を有している必要がある。これら重合体の微粒子は、1種類またはそれ以上の種類の重合体を混合されたものでもよく、平均粒径、粒度分布、または分子量の異なる微粒子を含んでいてもよい。重合体の平均粒子径は特に限定するものではないが、好ましくはその平均粒子径が0.01〜5μmのものである。
【0013】
本発明に用いられる分散染料としては、超臨界または高圧二酸化炭素に溶解するものであればよい。染色槽への反応型分散染料の添加は、二酸化炭素の添加前または超臨界もしくは高圧二酸化炭素状態のいずれの段階で行ってもよいが、超臨界または高圧二酸化炭素状態で添加するのが好ましい。
超臨界または高圧二酸化炭素を媒体として染色を行う際には、セルロース系繊維を濃色に染色するために、染色槽に低級アルコールおよび無機性/有機性値が1.0〜4.5である環状アミン系化合物の少なくとも1種を助剤として添加することが好ましい。染色槽への上記助剤の添加は、二酸化炭素の添加前または超臨界もしくは高圧二酸化炭素状態のいずれの段階で行ってもよいが、超臨界または高圧二酸化炭素の状態で添加するのが好ましい。低級アルコールおよび環状アミン系化合物はそれぞれ単独で用いても両者を同時に用いてもよい。
【0014】
低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられるが、メタノールおよびエタノールが好ましく用いられる。低級アルコールの添加量は、染色槽の単位容積に対して0.1〜5vol.%の範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜2vol.%である。
環状アミン系化合物としては、無機性/有機性値が1.0〜4.5のものが好ましく、より好ましくは1.4〜4.0であるものが用いられる。ここで環状アミン系化合物の無機性/有機性値は、有機化合物の一般性状を表す値であり、有機化合物は、その数値が小さいほど疎水性になり、大きいほど親水性になることを示す。この値が1.0未満では被染物の染料の未染着や脱落を起こし易く、4.5を超えると染料の色相が変化する場合がある。このような環状アミン系化合物としては、NMP、NMMO(4−メチルモルフォリン,N−オキシド)等が挙げられる。環状アミン系化合物の添加量は、染色槽の単位容積に対して0.1〜5vol.%の範囲が好ましく、より好ましくは0.3〜3vol.%である。
【0015】
次に、本発明の染色方法について説明する。超臨界の二酸化炭素を媒体とする場合、染色温度は二酸化炭素の臨界温度よりも5℃以上高いのが好ましく、より好ましくは70〜120℃である。染色温度を120℃以上にしても問題はないが、120℃以下で十分に染着可能であり、コスト高を招く。染色圧力は、二酸化炭素の臨界圧力である7.38MPa以上であればよく、好ましくは15〜25MPaである。超臨界状態の雰囲気を作るには、液化二酸化炭素またはドライアイスなどを用い、密閉系にて31.1℃以上で、かつ7.38MPa以上にすればよい。具体的には、例えば、オートクレーブ中に分散染料、被染物および低級アルコール、好ましくはさらに無機性/有機性値が1.0〜4.5の環状アミン系化合物などの助剤を入れ、その中にドライアイスまたは液化二酸化炭素などを入れて密閉し、加圧・加温して7.38MPa以上の圧力および31.1℃以上の温度を保持して染色を行う。
また高圧二酸化炭素を媒体とする場合は、染色濃度は60℃以上が好ましく、より好ましくは70〜120℃である。染色圧力は4.0MPa以上7.38MPa未満が好ましく、より好ましくは5.0〜7.0MPaである。
【0016】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。染色後の被染物の評価は以下のようにして行った。
1)染色物の測色値
洗浄前およびボイル洗浄後の染色物について、マクベスCOLOR−EYE3000分光光度計を用い、色差式:CIELab法により、K/S(色濃度)値、L(明度)値およびC(彩度)値を測定した。なお、各測定値により、それぞれ下記のように評価される。
K/S値:表面染着濃度を表し、数値が大きいほど濃染である。
L値:明度を表し、数値が大きいほど明るく、淡染である。
C値:彩度を表し、数値が大きいほど鮮やかである。
2)洗濯堅牢度評価
洗浄前およびボイル洗浄後の被染物の洗濯堅牢度をJIS L−0884 A−2法に準じ、次のように評価した。すなわち、試験片の変褪色および添付白布片の汚染の程度をそれぞれ変褪色用グレースケールおよび汚染用グレースケールと比較して5級〜1級の5段階で評価した。なお、5級が変褪色または汚染がない場合を示し、数値が小さくなるほど変褪色、汚染が大きくなることを示す。
【0017】
3)昇華堅牢度評価
ボイル洗浄後の被染物の昇華堅牢度をJIS L−0854に準じ、次のように評価した。すなわち、試験片の変褪色および添付白布片の汚染の程度をそれぞれ変褪色用グレースケールおよび汚染用グレースケールと比較して5級〜1級の5段階で評価した。なお、5級が昇華堅牢度に優れることを示し、数値が小さくなるほど昇華堅牢度に劣ることを示す。
4)総合評価
上記1)〜3)の項目について下記のように総合判断した。
◎:非常に優れている。
○:優れている。
×:不適である
【0018】
実施例1
まず、下記に示す固形分濃度26.5%、平均粒径0.039μmの重合体エマルジョンと銅アンモニアセルロース溶液を混合し、紡糸させることで得られる135dtex/72fの繊維を、栄光産業社製試験筒編み機NCR−BW(編釜3.5インチ,針本数220本)にて筒編物とした。次に該編物を常法にて精練し、100℃で1分乾燥した。
上記重合体エマルジョンは、WO98/58104号公報実施例1の記載に従って重合して得た。すなわち、安息香酸ビニル、メチルメタアクリレート、スチレン、アクリルアミド、アントックスMS60(日本乳化剤社製アニオン系乳化剤)、水酸化ナトリウム10%水溶液、過硫酸カリウム水溶液、蒸留水を添加したプレ乳化物を、ニューコール707SF(日本乳化剤社製アニオン系界面活性剤)、アクアロンHS10(第一工業社製アニオン系乳化剤)、イタコン酸および過硫酸カリウムと混合後、攪拌しながらt−ブチルハイドロパーオキサイド水溶液と重亜硫酸ソーダ、エマルゲン950(花王社製ノニオン系界面活性剤)を加えて重合させてエマルジョンを得た。
【0019】
次に容積1000ccのオートクレーブ(材質SUS316)内に、上記筒編物2.8gおよび市販の分散染料(Ciba SC.社Terasil Black BFA)5%omf.およびメタノール10mlを入れた。次に該オートクレーブを20℃にて15分放置し、オートクレーブ内部が超臨界状態ではないことを確認した後、昇温速度2℃/分にてオートクレーブを昇温した。オートクレーブ内部の温度が120℃になったことを確認して、オートクレーブ内に液化二酸化炭素をオートクレーブの内圧が25MPaになるよう注入した後、120分間温度と圧力を保持し染色を行った。次に、オートクレーブの圧力を1.0MPa/分で減圧を行い5MPaまで減圧後はオートクレーブ内部圧力を大気圧まで開放した。
この結果、紺色に均一に染色され、かつ風合いの変化のない染色物を得た。得られた被染物を80℃で10分洗浄し乾燥後、測色した結果を表1に示したが、洗浄前とボイル洗浄後のK/S値の差が殆どなく、ボイル洗浄による染料脱落が極めて少なかった。
【0020】
実施例2
実施例1において、編物をオートクレーブに投入する際に、分散染料、メタノールと同時にNMPを3ml添加した以外は、実施例1と同条件にて染色を行った。
この結果、紺色に均一に染色され、かつ風合いの変化のない染色物を得た。得られた被染物を沸水洗浄、80℃で10分湯洗、乾燥後測色した結果を表1に示したが、洗浄前とボイル洗浄後のK/S値の差が殆どなく、ボイル洗浄により染料脱落が極めて少なかった。
【0021】
比較例1
実施例1において、編物をオートクレーブに投入する際に、メタノールを添加せずに、染色を行った以外は、実施例1と同条件にて染色を行った。この結果、被染物はかなり薄い紺色を呈しており染料本来の発色は見られなかった。80℃で10分湯洗、乾燥した結果、染料は布帛から脱落した。
【0022】
【表1】
Figure 2004190169
【0023】
表1から、実施例1、2では、いずれも洗浄前およびボイル洗浄後の染色物のK/S値、L値、C値共に殆ど差がなく、かつ、洗浄前とボイル洗浄後の洗濯堅牢度・昇華堅牢度が良好な結果が得られ、均一な染色物が得られることが確認された。これに対して、比較例1は染着が低く、かつ洗浄で簡単に染料が脱落し問題があった。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、セルロース系繊維を含む繊維構造物を、少ない環境負荷で、セルロース系繊維の改質をすることなく、均一かつ濃色に染色でき、また堅牢性に優れた染色物を提供することができる。

Claims (3)

  1. 分散染料可染性セルロース系繊維を含む構造物を超臨界または高圧二酸化炭素を媒体として分散染料により染色するに際し、前記媒体中に低級アルコールを添加することを特徴とするセルロース系繊維構造物の染色方法。
  2. 前記分散染料可染性セルロース系繊維が、繰り返し単位の20〜95重量%が芳香環を有し、かつ該芳香環に隣接する炭素原子がエステル結合(−COO−)および/またはエーテル結合(−O−)を少なくとも1つ有する化合物より構成されている重合体微粒子を1〜40重量%含有するセルロース系繊維であることを特徴とする請求項1に記載のセルロース系繊維構造物の染色方法。
  3. 前記媒体中に無機性/有機性値が1.0〜4.5である環状アミン系化合物を添加することを特徴とする請求項1または2に記載のセルロース系繊維構造物の染色方法。
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