JP2004190163A - 湿式不繊布製ワイパー用基布 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】木質パルプに熱融着性繊維、レーヨン、バインダー繊維および紙力増強剤を配合して湿式抄造した低坪量ワイパー用シート。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は木質パルプを主体とした湿式不繊布製ワイパー用基布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
産業用ワイパーとしてパルプ100%のシートが広く用いられているが、より湿潤強度が高く発塵量の低いワイパーが望まれている。この様な要望にこたえるものとして木質パルプに5〜30重量%の熱融着性繊維、レーヨン、バインダー繊維を配合して抄造したシートが提案されている。
この配合は、高坪量のシートでは良好な性能を示すが、20g/m2程度の低坪量では熱融着性繊維の影響により急激な吸水速度低下を引き起こすことが認められた。
また木質パルプを主体としないワイパーシートとしてポリエステル系複合繊維を15重量%以上含む紙料を湿式抄紙し、熱融着または熱軟化バインダー繊維成分で熱融着したワイパー用紙も提案されている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開平02−307423号公報
【0004】
【発明が解決すべき課題】
従来の木質パルプ製ワイパーと比較して嵩高で特に耐発塵性と湿潤強度に優れ、低坪量でも吸水、吸油能力の高いワイパーを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は木質パルプに熱融着性繊維、レーヨン、バインダー繊維及び紙力増強剤を配合して湿式抄造した低坪量ワイパー用シートに関する。
本発明のシート配合は基本的には次の組成を有する。
木質パルプ:50〜85wt%
レーヨン(ビスコースレーヨン):10〜50wt%
熱融着性繊維:1〜3wt%
バインダー繊維:繊維分に対して1〜15wt%
【0006】
以下各組成について説明する。
(1)木質パルプ
吸水・吸油性に優れ、コスト面で有利な木質パルプを50wt%以上使用する。
パルプを85wt%以上とすると他の繊維の効果の発現が小さくなる。またパルプの柔細胞は発塵の原因となり、木質パルプとしては発塵性の面からN材が好ましい。
(2)ビスコースレーヨン
レーヨンを10wt%以上配合することで顕著な嵩高性を得ることができる。また、50wt%より多くすると、紙力が低くなり、使用時においては繊維の脱落が発生しやすい。
一例としては、湿式不繊布用レーヨン”コロナ”(ダイワボウレーヨン(株))が利用できる。コロナではSB,SD,SA等のタイプが適するが初期吸収性を高めたY型断面を持つSAタイプが好適である。
繊度としては、0.7〜15デニールのものから選択可能であるが、強度、コスト、繊維脱落性から1.5〜2.0デニールが最も好ましい。繊維長は2〜30mmの範囲で選択可能であるが操業性、コスト、紙質の面で2〜10mmのものが最も好適である。
(3)熱融着繊維
熱融着繊維を配合することで顕著な湿潤強度の上昇が見られる。このことは湿潤時の清拭作業に使用されることの多いワイパーとしては重要である。また嵩高化の効果もあり、これにより吸油の容量の向上に寄与する。また融着によるバインディング効果により発塵を抑えることができる。一方で、20g/m2前後の低坪量シートの場合に3%を超えて配合すると吸収速度が極端に悪化する。一例としては、以下の繊維を使用する。
チッソ株式会社 ES Chopシリーズ
ダイワボウポリテック株式会社 NBFシリーズ
特にNBFのEタイプは、低融点(約100℃)のEVA(エチレン−酢ビ共重合体)を鞘成分としており、抄造時の乾燥工程で乾燥と同時に融着を行うことができ、操業工程が簡略化できるために好適である。
(4)バインダー繊維
バインダー繊維を配合することは、強度向上及びレーヨン繊維の脱落防止に効果的である。配合量はパルプ、レーヨン、熱融着繊維の合計繊維量に対し1〜15wt%が適量である。配合量を多くしすぎるとシートが硬く締まってくる傾向にあり、風合い及び使用時の作業性に問題がある。またバインダー繊維の配合は抄紙用毛布の汚れの原因となることから、過大な添加は操業上の問題を引き起こすことが懸念される。さらにバインダー繊維は他の原料繊維と比べ高価であることからも過大な配合はコストアップの原因となる。これらの制約により+15wt%の配合が上限といえる。
バインダー繊維としては株式会社クラレ製のビニロンバインダーが好適に使用できる。
【0007】
【実施例】
以下に本発明の実施例および比較例並びにそれに基づく効果について説明する。
尚本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
【0008】
[実施例]
以下原料を水を媒体として抄紙機により坪量18g/m2となるように抄造した。
パルプについては、ダブルディスクリファイナーでろ水度が600mlcsfになるまで叩解を行なって使用した。湿潤紙力増強剤としてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂を対繊維+1.0wt%及び粘剤としてポリエチレングリコールを適量添加した。乾燥は、ヤンキードライヤーにてドライヤー表面温度を105℃となるように設定した。巻き取りリールとヤンキードライヤーの速度比を0.82とし、クレープ率は18%とした。
【0009】
【表1】
【0010】
[比較例]
〈比較1〉N材パルプを100wt%配合し、実施例と同様に抄造した。
〈比較2〉N材パルプを60wt%、レーヨンを30wt%、NBFを10wt%配合して、実施例と同様に抄造した。
〈比較3〉N材パルプを65wt%、レーヨンを30wt%、NBFを5wt%配合して、同様に抄造した。
〈比較4〉N材パルプを70wt%、レーヨンを30wt%配合して、同様に抄造した。
【0011】
【表2】
【0012】
従来の木質パルプ製ワイパーと比較して嵩高で特に発塵性と湿潤強度に優れ、低米坪でも吸水、吸油能力の高いワイパーが得られる。
【0013】
[測定方法概要]
1.嵩(cc/g)
ピーコック紙厚計にて40g/cm2加重下で紙厚を測定し、これを坪量で除して嵩を求めた。
2.強度(kgf)
25mm幅の短冊状の試験片を作成し、これをテンシロン強度試験機にて引張り試験を行い、このときの最大荷重点を試験片の強度とした。強度はシートの縦方向と横方向について行い√(縦方向×横方向)を強度とした。
湿潤強度は試験片を精製水で濡らして測定した。
3.クレム吸水度(mm)
15mm幅の短冊状の試験片を作成し、これを垂直に吊り下げ、下方5mm分を水中に浸漬し、1分後の吸い上げ高さをこの試験片のクレム吸水度とした。試験はシート縦方向と横方向について行い、√(縦方向×横方向)をクレム吸水度とした。
クレム吸油度は水の代わりに機械油(日石FBK−100)を使用した。
4.保水量(g/g)
75mm四方の試験片を水中に30分浸漬後、水蒸気飽和状態の容器中で30分間吊り下げて水切りを行い重量を測定した。測定値をサンプル1g当たりの保水量に換算した。
保油量は水の代わりに機械油(日石FBK−100)を使用した。
5.発塵性(g/m2)
20cm四方の試験片を手動で1秒間に1回を30秒間振とうしたときに発生した0.3〜5μの大きさの塵の個数をパーティクルカウンターにて測定し、振とう時の発塵個数とした。同様の試験を動作を揉みに代えて行い、揉み時の発塵個数とした。これら2つの発塵個数の平均値を1平米当たりに換算して発塵性とした。
Claims (5)
- 木質パルプに、熱融着性繊維、レーヨン、バインダー繊維および紙力増強剤を配合して湿式抄造したことを特徴とする湿式不繊布製ワイパー用基布。
- 10〜30g/m2の低坪量である請求項1記載の湿式不繊布製ワイパー用基布。
- 木質パルプ50〜85wt%、レーヨン10〜50wt%、熱融着性繊維1〜3wt%を含有し、かつ繊維分に対してバインダー繊維を1〜15wt%含む請求項1または2記載の湿式不繊布製ワイパー用基布。
- 嵩高で耐発塵性および湿潤強度に優れた木質パルプ製ワイパーを提供する請求項1から3までのいずれか1項記載の湿式不繊布製ワイパー。
- 低坪量で吸水、吸油能力の高いワイパーを提供する請求項1から3までのいずれか1項記載の湿式不繊布ワイパー。
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