JP2003535982A - 多層ワイプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 複数の繊維性層を含むウエットワイプ用のべースシートである。べースシートの繊維層が、１）ポリエチレン及び添加剤の混合物により形成されたポリエチレン繊維、２）ポリプロピレン及び添加剤の混合物により形成されたポリプロピレン繊維のいずれかを含む。完全に水素添加された炭化水素樹脂は、約８７℃より低い溶解温度をもつポリエチレン繊維を形成するポリエチレンの添加剤として使用できる。その繊維で作られたポリエチレン層は、強度が高く屑落ちが少なく、隣接する繊維層への接着性が良い。ポリブチレンは、隣接する繊維層への接着性が良好で柔軟な層を作るポリプロピレン繊維を形成するための、ポリプロピレン用の添加剤として使用できる。ポリエチレン及びポリプロピレン層は、セルロース繊維等の天然繊維を含んでもよい。ポリエチレン及びポリプロピレン層の両方をべースシートに加えるか、他の繊維性層と結合させることができる。略平面のべースシートの主外側面をポリエチレン層によって形成でき、比較的柔軟な外側ワイプ表面をもつべースシートを提供できる。ポリプロピレン層は柔軟な層に都合よく結合させべースシートに強度と弾性とを与える。３層べースシートは内側のポリプロピレン層と、２層の外側ポリエチレン層とを含み、これらの層の異なる特性の長所を得ることができる。ポリエチレン又はポリプロピレン繊維のいずれかに添加剤を使用すると、べースシートを意図された用途に適合させるように、更に調節されたべースシート特性が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明は多層ワイプに関する。本発明は特に多層べースシートを含むウエット
ワイプに関する。

【０００２】 （背景技術） ウエットワイプはよく知られており多数の形態で生産されてきた。ウエットワ
イプの最も一般的な形態は、プラスチック容器に収納されたウエットシートの積
層体である。ウエットワイプは種々の材料から作られており、種々の適当な拭き
取り溶液で湿潤されている。このようなウエットワイプはベビー用ワイプ、ハン
ドワイプ、家庭用清掃ワイプ、工業用ワイプ等に利用されてきた。 一般的に公知のウエットワイプは、実質的に均一な材料の単層を含んでいた。
例えば、公知のウエットワイプは、全体に亘り均一に混合又は分配された繊維の
エアーレイドウエブから形成されている。ワイプはポリエステル、ポリエチレン
、ポリプロピレン及びセルロース繊維等の種々のポリマー繊維、合成繊維及び天
然繊維から形成されている。他の公知のウエットワイプとしては、ポリプロピレ
ンとセルロース繊維との同時形成ウエブを含み、ウエブ全体に亘り繊維が均一に
混合されている。

【０００３】 一種類の繊維のみ又はベースシート材の厚さに亘り均一に混合された繊維を使
用する場合、エットワイプの柔軟性、可撓性、強度、保全性及び弾性等の物性の
バランスは完全には最適化されていない。このことは、改善された柔軟性を欲す
るユーザーに特にあてはまる。例えば、ウエットワイプに使用可能な幾つかの繊
維は、剛性が高く強度及び弾性を与え得るが、他の繊維程には柔軟性や可撓性が
十分ではない。一方、ウエットワイプに使用可能な他の繊維は柔軟であるが、ユ
ーザーの及ぼす力に耐えるだけの十分な湿潤時の強度をもたず、他の繊維に比し
てより多くの屑（ｌｉｎｔ）を発生する場合もある。

【０００４】 （発明の開示） 本発明者は従来技術の困難性及び問題点を認識し、これに応えて、多層ウエッ
トワイプべースシートの複数の層の１つを形成するのに使用されるポリプロピレ
ン又はポリエチレン繊維のいずれかに添加剤を加えることによって、改善された
物性をもつ多層ウエットワイプ・べースシートを開発してきた。積層べースシー
トにそのような添加剤を使用すると、べースシートの物性をワイプの意図された
目的に適合するよう改善できる。例えば、皮膚に接して使用することが意図され
たワイプでは、本発明によるウエットワイプべースシート層は、ワイプの強度、
保全性及び弾性を維持しながら柔軟性及び可撓性のあるワイプを提供するために
組み合わせ得る。

【０００５】 １つの実施形態において、本発明は互いに接するポリプロピレン及びポリエチ
レン層を有するウエットワイプ用の積層べースシートを提供する。特定の実施形
態において、２層の外側ポリエチレン層が内側ポリプロピレン層に結合される。
添加剤がポリプロピレン又はポリエチレン繊維のいずれかに加えられ、それによ
り繊維及び結果としてのワイプの物性の１つ又はそれ以上を改善する。天然繊維
をべースシート層の１つ、複数又は全てに加えるてもよい。

【０００６】 特定の実施形態において、ポリエチレンの溶解温度を低下させて粘着付与剤と
して機能する添加剤がポリエチレン繊維に加えられる。完全に水素添加された炭
化水素樹脂添加剤は粘着付与剤として使用することができ、約１３０℃から約８
７℃へと４０℃以上も線状低密度ポリエチレンの溶解温度を低下させる。 本発明の他の実施形態において、ポリブテン−１コポリマーといったポリブチ
レン等の添加剤をポリプロピレン繊維に加えて、ポリプロピレン層のプライ結合
力又は柔軟性を高める。粘着性を高めるためにポリプロピレン繊維に使用できる
他の添加剤としてはポリエチレンアクリル酸がある。

【０００７】 本発明の他の実施形態は、層の１つがポリエチレン及び添加剤の両方を含む混
合物から形成される繊維を含む、少なくとも２層の繊維層をもつべースシートか
らなるウエットワイプを提供する。ポリエチレン繊維層は天然繊維を含むことも
でき、一方で、他方の繊維層は天然繊維、合成繊維、又は天然及び合成繊維の両
方を含むこともできる。

【０００８】 本発明の別の実施形態は、層の１つがポリプロピレン及び添加剤の両方を含む
混合物から形成される繊維を含む、少なくとも２層の繊維層をもつべースシート
からなるウエットワイプを提供する。ポリプロピレン繊維層は天然繊維を含むこ
ともでき、一方で他方の繊維性層は天然繊維、合成繊維、又は天然及び合成繊維
の両方を含むこともできる。

【０００９】 本発明の実施形態は、反対側に配置される第１及び第２の主表面を有し、ポリ
プロピレン繊維を含む第１の層と、内側に向かう主表面と、反対側に配置される
外側に向かう主表面とを有し、前記内側に向かう主表面は前記第１の主表面へ向
きが合わされて接しており、前記外側に向かう主表面は前記べースシートの外側
面を形成する、ポリエチレン繊維を含む第２の層と、及び前記ポリプロピレン繊
維又は前記ポリエチレン繊維の１つに添加される添加剤を備える不織の積層ウエ
ットワイプべースシートの形態であってもよい。

【００１０】 更に、本発明の実施形態は、反対側に配置される第１及び第２の主表面を有し
、ポリプロピレン繊維を含む内側層と、各々がポリエチレン繊維を含み、各々が
内側に向かう主表面と、反対側に配置される外側に向かう主表面とを有し、前記
内側に向かう主表面の各々は前記内側層の第１及び第２の主表面とそれぞれ接し
ており、外側に向かう主表面の各々は前記べースシートの対向する２つの主外側
面を形成している、第１及び第２の外側層と、及び前記内側層の前記ポリプロピ
レン繊維又は前記第１及び第２の外側層の前記ポリエチレン繊維の１つに添加さ
れる添加剤を備える不織の積層ウエットワイプべースシートの形態であってもよ
い。

【００１１】 本発明の他の実施形態は、繊維性の第１の層及び第２の層を有する不織べース
シートを備え、前記繊維性の第１の層は反対側に配置される第１及び第２の主表
面を有し、前記第２の層は複数の繊維を含み、前記第２の層は内側に向かう主表
面と、反対側に配置される外側に向かう主表面とを有し、前記内側に向かう主表
面は前記第１の主表面へ向きが合わされて接しており、前記外側に向かう主表面
は前記べースシートの外側面を形成しており、前記複数の繊維はポリエチレン及
び添加剤を含む混合物により形成されており、溶液が前記べースシートに存在し
ているウエットワイプの形態であってもよい。

【００１２】 本発明の別の実施形態は、第１の層及び繊維性の第２の層を有する不織べース
シートを備え、前記第１の層は複数の繊維を含み、前記第１の層は反対側に配置
される第１及び第２の主表面を有し、前記複数の繊維はポリエチレン及び添加剤
を含む混合物により形成されており、前記繊維性の第２の層は内側に向かう主表
面と、反対側に配置される外側に向かう主表面とを有し、前記内側に向かう主表
面は前記第１の主表面へ向きが合わされて接しており、前記外側に向かう主表面
は前記べースシートの外側面を形成しており、溶液が前記べースシートに存在し
ているウエットワイプの形態であってもよい。

【００１３】 種々の実施形態において本発明は様々な利点をもたらす。異なる材料の異なる
物性の利点を得る態様で、ポリエチレン又はポリプロピレンのいずれかを含む異
なる材料を結合してウエットワイプべースシートを形成することが可能になる。
例えば、べースシートの層を結合して、ポリプロピレン繊維により提供される相
対的な強度、ポリエチレン繊維により提供される相対的な柔軟性、又はこれらの
特質の両方の利点を得ることができる。更に、ポリエチレン又はポリプロピレン
繊維のいずれかに添加剤を使用すれば、ワイプの意図された用途にべースシート
性を良好に適合させるよう更に調節されたべースシート特性が可能になる。

【００１４】 （発明を実施するための最良の形態） 本発明はウエットワイプ用の多層又は積層べースシートに関する。本発明もべ
ースシートは、ベビー用ワイプ、手や顔用ワイプ、化粧ワイプ、家庭用ワイプ、
工業用ワイプ及び他のウエットワイプ製品を作るのに使用できる。

【００１５】 ウエットワイプべースシート層は、メルトブロー材料、同時形成材料、エアー
レイド材料、ボンデッドカード・ウエブ材料、ハイドロ交絡材料、スパンボンド
材料等を含む種々の材料から作ることができ、合成繊維や天然繊維を含むことが
できる。積層べースシートは、線状低密度ポリエチレン繊維等の比較的柔い、及
び／又は柔軟な合成繊維を含む、比較的柔軟な層を含むことができる。また、積
層べースシートはイソタクチックポリプロピレン繊維等の比較的弾性があり、高
い引張り強度の合成繊維を含む、比較的強度が高く弾性がある層を含むことがで
きる。

【００１６】 本発明のべースシートは、１つの層がポリプロピレン繊維又はポリエチレン繊
維のいずれかを含む、少なくとも２層の繊維性層を含む多層べースシートである
。本発明はまた、第１の層がポリプロピレン繊維を含み、第２の層がポリエチレ
ン繊維を含む２層の繊維層を有利に結合できる。ポリエチレン又はポリプロピレ
ン繊維を含まない追加の繊維性層をべースシートに利用してもよい。 ポリプロピレン及びポリエチレンの両方を含むべースシートは、両方の繊維の
異なる特性の長所を利用できる。一般的にポリエチレン繊維は柔軟であるのでポ
リプロピレン繊維に比べて柔らかい。このことは、粘度、化学構造及び繊維固化
におけるポリエチレンとポリプロピレンのと間の固体差に由来する。従って、ポ
リエチレン繊維で作られたべースシートは、一般的にポリプロピレン繊維で作ら
れた同様のべースシートに比べて柔らかい。

【００１７】 しかし、柔軟性を高める同様の特性は、引張り強度、プライ接着、屑落ち及び
繊維の毛羽立ち等の他のべースシートの特性に悪影響を与えることもある。一般
的に、ポリプロピレンで作られたべースシートは後者の特性においてはポリエチ
レンべースシートより優れているがポリエチレンべースシートが与える柔軟性を
もっていない。 一般的に、べースシートは反対側に配置される２つの主外側面をもつ平面体で
ある。べースシートの側縁部は限定された表面領域であり、一般にワイプのエン
ドユーザーによってワイプ面又はクリーニング面として用いられない。つまり、
ポリエチレン層によって提供される柔軟性の利点を得るために、ポリエチレン層
はべースシートの片側の又は両側の主外側面を形成するように使用できる。例え
ば、２層べースシートにおいてはポリエチレン層はべースシートの片側の主外側
面を形成し、一方で、３層べースシートにおいてはポリエチレン層はべースシー
トの主外側面の両側を形成するように使用できる。

【００１８】 同様に、ポリプロピレン層は、べースシートの強度を高めるようにより柔軟性
のある層に結合させ得る。本明細書で使用され、他の意味に明示的に説明されな
場合、ポリエチレン層又はプライは、ポリエチレン又はポリエチレン混合繊維を
含むべースシート層を意味する。ポリエチレン繊維は、ホモポリマー繊維又は２
成分繊維であってもよい。また、ポリエチレン層は、天然繊維等の非ポリエチレ
ン繊維を含んでもよい。同様に、ポリプロピレン層は、ポリプロピレン又はポリ
プロピレン配合繊維を含んでもよい。ポリプロピレン繊維は、ホモポリマー又は
２成分繊維であってもよい。また、ポリプロピレン層は、天然繊維等の非ポリプ
ロピレン繊維を含んでもよい。

【００１９】 添加剤は繊維を形成するポリエチレン又はポリプロピレンに添加できる。ポリ
エチレン又はポリプロピレン繊維中の添加剤の存在は、ポリエチレン又はポリプ
ロピレン層の特性に影響を与え、ベースシートを特定の用途に適合させるために
べースシートの特性を改善する別の手段を提供し得る。

【００２０】 本発明の１つの実施形態において、ポリエチレンとポリプロピレン層とを結合
して２層べースシートを形成できる。第１の層がポリプロピレン繊維を含み、第
２の層がポリエチレン繊維を含むべースシートにおいて、ポリプロピレンの第１
の層は、互いに反対側に配置される第１及び第２の主表面をもつ。同様に、ポリ
エチレンの第２の層は、内側に向く主表面と、外側に向く主表面とを備える。内
側に向くポリエチレン層の主表面は、ポリプロピレン層の第１の主表面と接する
。外側に向くポリエチレン層の主表面は、べースシートの外側表面を形成して比
較的柔軟なワイプ表面を提供し、ポリプロピレン層はべースシートの強度を高め
る。

【００２１】 同様に、ポリエチレン層及びポリプロピレン層のいずれか一方又は両方は天然
繊維を含んでもよい。例えば、ポリプロピレン層は、パルプとポリマーとの重量
比が約５０／５０から約７５／２５、好都合には約６５／３５であるメルトブロ
ーポリプロピレン微細繊維と木材パルプ繊維の同時形成層であってもよい。適切
なポリプロピレンとしては、デラウエア州ウイルミントンのモンテルＵＳＡ社か
ら商品名ＭＯＮＴＥＬＬ ＰＦ０１５として入手できるイソタクチックポリプロ
ピレンがある。ポリエチレン層は、パルプとポリマーとの重量比が約２５／７５
から約７５／２５、好都合には約５０／５０又は６５／３５のいずれかである、
線状メルトブロー低密度ポリエチレン微細繊維及び木材パルプ繊維の同時形成層
であってもよい。適切なポリエチレンは、ダウケミカル社から商品名ＡＳＰＵＮ ６８３１Ａとして入手できる。

【００２２】 本発明の別の実施形態は、追加の繊維層を含んでもよい。例えば、３層べース
シートは、内側のポリプロピレン層と２層の外側ポリエチレン層とを好都合に含
むことができる。このように、ポリエチレン層の外側に向いた２つの表面はべー
スシートの両側に配置される主外側面を形成できる。ポリエチレン層の内側に向
いた主表面は、ポリプロピレン層の２つの主表面と接して配置され、これによっ
てポリプロピレン層はべースシートの主外側表面の柔軟性に悪影響を与えること
なくべースシートの強度を高めることができる。天然繊維もこのようなべースシ
ートの１つまたはそれ以上の層に含めることができる。

【００２３】 ポリエチレン及びポリプロピレン繊維は熱的に相性が悪く、一般に相互の結合
性は良くない。しかし、ポリエチレン及びポリプロピレン繊維は、相互に交絡で
きるので各々の層はしっかりと結合できる。例えば、ポリエチレン及びセルロー
ス繊維の同時形成層と、ポリプロピレ及びセルロース繊維の同時形成層とを含む
積層べースシートにおいて、ポリエチレンとポリプロピレン繊維とは互いに、さ
らにセルロース繊維と交絡し、セルロース繊維と少なくとも一部が結合するので
、その結果各々の層はしっかりと結合する。このような層の間の結合及び交絡は
、滑らかな加熱アンビルロールとパターン加熱ロールとの間に積層べースシート
を通す加工熱処理により高めることができる。

【００２４】 ポリエチレン又はポリプロピレン繊維のいずれかに添加剤を混ぜることによっ
ても、隣接するポリエチレン層とポリプロピレン層との間の結合レベルを改善で
きる。添加剤として粘着付与剤を使用するとこのような結果がもたらされる。 当該技術分野では種々の粘着付与剤が公知であり、それらが付与された繊維の
接着性又は結合性を改善するのに使用できる。粘着付与剤は、該粘着付与剤が限
定された相溶性をもつ材料に効果的に添加できる。粘着付与剤は、広い分布幅で
５００から２０００の範囲の分子量をもつ場合が多い。そのような粘着付与剤の
軟化点は５０℃から１５０℃まで変化してもよい。

【００２５】 粘着付与剤は、変形の度合いが小さい場合は、変形に対する材料の抵抗力を低
減し（それにより密着時の結合形成を促進する）、一方で、変形の度合いが大き
い場合は、変形に対する抵抗力を高める（それにより剥離に対する大きな抵抗力
を与える）ことにより、エラストマー材料の接着性を改善できる。弾性回復力を
低減し塑性変形を促進することによって、粘着付与剤は接着性物質が表面をさら
にしっかりと密着させることを可能にし結合強度が高まる。粘着付与剤の機能性
は良く知られており、粘着付与剤がある場合とない場合とのエラストマー材料の
剪断ストレージ弾性係数を比較することによって特定のエラストマー材料及び粘
着付与剤について定量化又は検証できる。

【００２６】 ウエットワイプべースシート用のポリエチレン繊維を、ポリエチレンと、デラ
ウエア州ウイルミントンに事務所があるＨｅｒｃｕｌｅｓ社により製造される粘
着付与剤ＲＥＧＡＬＲＥＺ１１２６（登録商標）等の完全に水素添加された炭化
水素樹脂添加剤との混合物を利用して作る場合、隣接するポリエチレン及びポリ
プロピレン層の剥離強度が非常に大きくなることが分かっている。隣接する層の
結合力すなわち剥離強度は、以下の実施例において説明される方法で測定できる
。

【００２７】 さらに、８０％ポリエチレン及び２０％ＲＥＧＡＬＲＥＺ１１２６（登録商標
）を含有するポリエチレン混合物が、約８７℃の溶解温度の繊維を作ることも分
かっている。これは混合物を形成するのに使用される未処理のポリエチレンの約
１３０℃の溶解温度と比較される。

【００２８】 ポリエチレン繊維の溶解温度が低下し、処理温度の対応する降下がない状態で
、未処理のポリエチレンと比較して繊維はポリエチレン層の形成中により長い時
間半溶解状態に留まると予想される。更に、このことは個々のポリエチレン繊維
の間でより多くの結合を形成し得ると予想される。追加的な結合の存在が層の引
張り強度を高め、屑落ち量を低減し、ポリエチレン層と隣接の繊維層との間の結
合を改善するという仮説が成り立つ。つまり、ＲＥＧＡＬＲＥＺ１１２６（登録
商標）の「粘着性付与」特性は、主として繊維に結合する繊維数のいくらかの増
加に原因があると予想できるが、そうしてできたポリエチレン混合物の溶解温度
の低減がそのような結合の数に対して潜在的に有利な付加的な影響を与えるとも
予想できる。

【００２９】 繊維に結合する繊維数の増加が層の引張り強度を高めることは容易に理解でき
る。ポリエチレン層内の繊維に結合する繊維数の増加が２つのタイプの屑落ちを
低減することが予想できる。全てのポリエチレン層は、ポリエチレン屑落ち、す
なわちべースシートから分離したポリエチレン繊維を生じ得る。ポリエチレン層
が更に天然又は他の繊維を含む場合、これらの他の繊維の遊離も屑落ちを生む。
ポリエチレン繊維の繊維間の結合力が大きくなるとポリエチレン繊維は殆ど遊離
せず、一般に個々のポリエチレン繊維はしっかりと層に結合される。従って、お
そらく少数のポリエチレン繊維が遊離してポリエチレン屑落ちが生じる。ポリエ
チレン繊維の繊維間の結合力が高まると、層に存在する幾つかの非ポリエチレン
繊維の機械的捕捉力が高まり、屑落ちの第２の供給源を低減することも可能な繊
維の強固な網状組織をもたらし得ることも分かる。

【００３０】 ポリエチレン繊維の繊維間の結合力が大きくなると層の結合力も改善されると
予想される。隣接する層の繊維に結合するか又は交絡される個々のポリエチレン
繊維は、ポリエチレン繊維間の繊維間の結合力が大きく層間に比較的強い結合が
与えられる場合、おそらくポリエチレン層内の他の繊維へしっかり固定される。

【００３１】 しかし、繊維間の結合数の増加は、ポリエチレン層の柔軟性を低下させる場合
がある。（重量で）６５％のセルロースパルプと、８０％ポリエチレン及び２０
％ＲＥＧＡＬＲＥＺ１１２６（登録商標）を含む混合物から形成される３５％ポ
リエチレン繊維とを含むべースシート層は、６５％セルロースパルプ及び３５％
未処理ポリエチレンから形成される層より柔軟性に劣ると一部の人が認める場合
もある。ポリエチレン繊維の結合数の増加は、ポリエチレン繊維の柔軟性を低下
させる場合があり、それにより一部の人が感知できる程繊維の引張り特性に影響
を与えると予想される。 ポリプロピレン繊維へ添加剤を使用すると、ポリプロピレン及びポリエチレン
の隣接する層の間の結合レベルを改善できることも分かっている。例えば、添加
剤としてポリブチレンを使用すると、ポリプロピレン繊維の粘着付与性が高まり
、２０％及び５０％のレベルで層の結合にプラスの影響を与えることも分かって
いる。

【００３２】 添加剤としてポリブチレンを使用すると、べースシートの剛性を低減できるこ
とも分かっている。べースシートの剛性の低減、すなわち柔軟性が高くなると、
一般的にべースシートの触覚知覚にプラスの影響を与える。さらに、柔軟性の増
加はべースシートの主外側面の１つを形成しない内側層で生じ同様にべースシー
トの触覚知覚にプラスの影響をもたらす。

【００３３】 ポリエチレンアクリル酸は他の添加剤であり、それ自体又はポリブチレンと混
合されてポリプロピレン繊維に付与してポリプロピレン繊維の粘着付与性を高め
ることができる。ポリエチレンアクリル酸のポリプロピレンとの混合は、本明細
書に参考文献として組み込まれている米国特許第４，７９７，３１８号に教示さ
れている。

【００３４】 本発明の他の実施形態において、ポリエチレン層と少なくとも１つの追加の繊
維層をもつべースシートが提供される。ポリエチレン層の繊維は、ポリエチレン
と添加剤とを含む混合物から形成されるポリエチレン繊維を含む。ポリエチレン
層は天然繊維を含んでもよい。追加の繊維層の繊維は、合成繊維、天然繊維、又
は合成繊維と天然繊維との混合物のいずれであってもよい。

【００３５】 同様に、本発明のさらに別の実施形態において、ポリプロピレン層と少なくと
も１つの追加の繊維性層とを含むべースシートが提供される。ポリプロピレン層
の繊維は、ポリプロピレンと添加剤とを含む混合物から形成されるポリプロピレ
ン繊維を含む。ポリプロピレン層は天然繊維を含んでもよい。追加の繊維性層の
繊維は、合成繊維、天然繊維、又は合成繊維と然繊維との混合物のいずれであっ
てもよい。

【００３６】 セルロース繊維等の天然繊維は、ウエットワイプべースシートに使用でき、厚
みと高い湿潤性を与える。また、天然繊維はべースシートの湿気保持力を高める
間隙容量をべースシート中にもたらすことができる。本発明での使用に最適な天
然繊維の実施例としては、木材パルプ繊維等のセルロース繊維のみならず、木綿
繊維、亜麻繊維、麻繊維、絹繊維等を挙げることができる。ポリプロピレンやポ
リエチレン等のポリオレフィンに加えて、本発明に使用するのに最適な熱可逆性
重合体繊維の実施例としては、ポリアミド及びポリエチレンテレフタレート等の
ポリエステルを挙げることができる。他の最適な合成繊維としてはステープルナ
イロン及びレーヨン繊維を挙げることができる。

【００３７】 多層べースシートの層が、ポリプロピレン及びセルロース繊維等の合成繊維と
天然繊維との結合体である場合、層の合繊繊維と天然繊維との相対的な百分率は
ウエットワイプの所望の特性により幅広く変えることができる。例えば、層は該
層の乾燥重量基準で約２０から約9５重量％、望ましくは約２０から約６０重量
％、さらに望ましくは約３０から約４０重量％の合成繊維を含むことができる。
そのような合成繊維と天然繊維の層は当業者に公知の方法で製造できる。

【００３８】 一般的に合成繊維と天然繊維とを含む層は、個々の層に合成繊維と天然繊維の
ほぼ均一な分布をもたらす同時形成工程により形成されるのが望ましい。同時形
成層の製造方法は、１９７８年７月１１日に登録されたＡｎｄｅｒｓｏｎ他の米
国特許第４，１００，３２４号、１９８６年８月５日に登録されたＭｃＦａｒｌ
ａｎｄ他の米国特許第４，６０４，３１３号、及び１９９４年９月２７日に登録
された米国特許第５，３５０，６２４号に教示されており、それらの開示内容は
本明細書に参考文献として組み込まれている。典型的に、そのような同時形成層
は、ポリプロピレン微細繊維等の熱可逆性重合体メルトブロー微細繊維と、木材
パルプ繊維等のセルロース性繊維とのマトリックスを備える。同時形成層は、ま
ず最初に少なくとも１つの合成繊維を含有する一次流れを形成し、一次流れを少
なくとも１つの天然繊維を含有する二次流れと合流させることにより形成される
。一次流れと二次流れは乱流下で合流され、繊維の均一な分布を含む一体化され
た流れを形成する。一体化された流れは成形面に導かれ材料層を空気成形する。
これらの多数の同時形成層は連続して形成され、多層同時形成層のウエブを与え
る。

【００３９】 前述のように、ポリエチレン及びポリプロピレン同時形成層の結合は、積層べ
ースシートが滑らかな加熱アンビルロールとパターン加熱ロールとの間を通過さ
せる加工熱処理により高めることができる。パターンロールは、所望の交絡及び
層間結合をもたらす浮き出たパターンをもつことができる。望ましくは、パター
ンロールは、ロール総面積の約４％から約３０％の間の結合面積を定める複数の
結合場所を画定する浮き出たパターンを形成する。

【００４０】 ロール間の圧力とロール温度は、外側層の柔軟性を維持しながら適当な強度と
保全性とをもつべースシートを形成するよう調節される必要がある。温度と圧力
とは、所望のウエットワイプを提供するために使用される繊維の形式に応じて変
化させ得る。層が、少なくとも１つのポリエチレン繊維層と、少なくとも１つの
別のポリプロピレン繊維層とを備える特定の実施形態において、ロール間の圧力
は約５０から約９００ニュートン／リニアルセンチメートルの間であってもよく
、ロールの少なくとも１つの温度は、交絡及び結合を改善するように約４０℃か
ら約１５０℃の間であってもよい。このような温度と圧力条件下では、ポリエチ
レン繊維は、ポリプロピレン繊維との機械的な交絡と可能な結合をもたらすよう
変形する。結果的に層はパターンロールの浮き出たパターンに一致するパターン
に配列された不連続の区域で交絡され結合されることになる。

【００４１】 多層べースシートは、約２５から約１２０グラム／平方メートル、望ましくは
約４０から約９０グラム／平方メートルの総坪量をもつことができる。また、べ
ースシートの坪量は、ウエットワイプの所望のエンドユーザーの用途に応じて変
更できる。例えば、皮膚を拭くのに最適なべースシートは、約６０から約８０グ
ラム／平方メートル、望ましくは約７５グラム／平方メートルの坪量をもつこと
ができる。他の好ましい実施形態において、積層べースシートはポリプロピレン
及びセルロース繊維と、ポリエチレン及びセルロース繊維との同時形成層を含む
ことができ、約６０から約９０グラム／平方メートル、望ましくは約８０グラム
／平方メートルの坪量をもつことができる。

【００４２】 べースシートの各々の層は、ウエットワイプの所望の特性次第で同じ坪量をも
ってもよく又はもたなくてもよい。例えば、ポリプロピレン及び木材パルプ繊維
の内側層と、ポリエチレン及び木材パルプ繊維の２層の外側層とを含む３層同時
形成べースシートにおいて、該べースシート総重量基準で、層の坪量は約１０／
８０／１０から約４０／２０／４０、望ましくは約２５／５０／２５から約３３
／３３／３３、さらに望ましくは約３０／４０／３０である外側／内側／外側層
重量比を定めることができる。

【００４３】 べースシートは、溶液で湿らされた場合にユーザーが加える力に耐えるだけの
十分な強度をもつ必要がある。ポリプロピレンとポリエチレン層の両方の層を含
むべースシートにおいて、一般にポリプロピレン繊維を含む層はべースシート強
度の大部分を受け持ち、一方でポリエチレン繊維はウエットワイプの柔軟な外側
面を与えるよう使用できる。つまり、この積層べースシートの引張り強度は、ポ
リエチレン繊維を含有する単層の引張り強度より高くでき、ポリプロピレン繊維
を含有する単層よりもよりも柔軟な外側面を提供できる。 本発明による多層べースシートは、複数の個々の成形バンクを含む単一の生産
ラインで生産可能である。各々の成形バンクは個々のプライ即ち層を与えるよう
構成されている。例えば、最初と最後の成形バンクは外側層をもたらすよう構成
することができ、一方で、中央又は内側の成形バンクは１つ又はそれ以上の内側
層をもたらすよう構成できる。形成工程での隣接層の繊維の機械的交絡が隣接す
る層を結合する。結合は隣接する層の繊維間にも形成でき、べースシートの隣接
層のさらなる結合を与える。その後の加工熱結合は、隣接する層間の結合を改善
するためにも使用できる。

【００４４】 各々の成形バンクは、所望のタイプのウエブを提供するための適切な装置を含
むことができる。例えば、各々の層がメルトブロー微細繊維及び木材パルプ繊維
等の天然繊維の同時形成層を含む場合、各々の成形バンクは溶融した重合体材料
を微細流で押し出す複数のメルトブローダイスを含むことができる。その後微細
流は高速ガスの収束流によって細くされ、ポリマーの流れを遮断して小径の個々
の微細繊維にする。このようなメルトブローダイスは当業者には公知である。メ
ルトブロー微細繊維の流れに収束する１つ又は複数の天然繊維の流れは、当業者
には公知の従来型パルプピッカーロール工程により与えられる。

【００４５】 もしくは、ウエットワイプべースシートの１つ又はそれ以上の層は、重合体微
細繊維のメルトブローシート等の異なったタイプの材料から作ることができる。
例えば、内側の強度が高く弾性のある層はメルトブローポリプロピレン繊維の層
で形成でき、一方、前述のように柔軟な外側層はポリエチレンと木材パルプ繊維
との同時形成層で形成できる。柔軟性と可撓性のある外側層も当業者には公知の
工程で生産でき、エアーレイド、カーデッドウエブ又はメルトブロー材料等の異
なるタイプの材料により提供できる。

【００４６】 本発明のべースシートは、べースシートに適切な溶液を加えることによってウ
エットワイプを形成するのに利用される。溶液は、ウエットワイプべースシート
に吸収されて所望のワイプ性能を与える種々の異なる成分を含む、如何なる液体
であってもよい。例えば、この成分としては、当業者には公知である水、皮膚軟
化材、界面活性剤、香料、保存料、キレート剤、ｐH緩衝液又はこれらを組み合
せたものを挙げることができる。溶液は化粧水及び／又は薬剤を含有することも
できる。

【００４７】 各々のウエットワイプに含まれる溶液の量は、べースシートを形成する材料の
タイプ、使用する溶液のタイプ、ウエットワイプを収納するのに使用する容器の
タイプ、及びウエットワイプの意図した用途により変えることができる。一般的
に、各々のウエットワイプはべースシートの乾燥重量基準で約１５０から約６０
０重量％、望ましくは約２５０から約４５０重量％の溶液を含む。一般的に、ウ
エットワイプに含まれる溶液の量は、べースシートの乾燥重量基準で約３００か
ら約４００重量％、好都合には約３３０重量％であることが望ましい。

【００４８】 十分な溶液をべースシートに加えないと、結果としてのウエットワイプは乾燥
し過ぎて適切に機能しない。必要以上の溶液をべースシートに加えると、結果と
してのウエットワイプは過飽和状態になってずぶ濡れになり、溶液は容器の底に
溜まることもある。 べースシート及び結果としてのウエットワイプの形状は略矩形であり、どのよ
うな適切な展開幅と長さであってもよい。例えば、ウエットワイプは約２．０か
ら約８０．０センチメートル、望ましくは約１０．０から約２５．０センチメー
トルの展開長さと、約２．０から約８０．０センチメートル、望ましくは約１０
．０から約２５．０センチメートルの展開幅をもつことができる。典型的に、個
々のウエットワイプは折り畳んだ形状で配置され、一枚を他の真上に重ねてウエ
ットワイプの積層体が提供される。そのような折り畳んだ形状は当業者には公知
のＣ型折り、Ｚ型折り、４つ折り及び類似の形状を含んでいる。

【００４９】 折り畳まれたウエットワイプの積層体は、プラスチックタブ等の容器内に配置
されて最終的に消費者に販売されるウエットワイプのパッケージが形成される。
積層体を折り込むと、ワイプは、通常「ポップアップ」ディスペンサと呼ばれる
ものを使用すれば好都合に取り出すことができる。もしくは、ウエットワイプべ
ースシートは、各々個々のワイプの間にミシン目をもつ連続ストリップを形成で
きる。べースシート材料の連続ストリップは、積層体へ配置するか又はディスペ
ンサのロールに巻き取ることができる。

【００５０】実施例 本発明を更に詳細に理解するために以下の実施例を示す。特定の材料及びパラ
メータは例示的なものであり本発明の範囲に限定することを意図していない。 個々の添加剤の有用性と特性とを比較するために添加剤及び繊維層のマトリッ
クスを作った。各々のコードに従う各々の試料を調製し比較した。各々の試料は
ポリエチレン同時形成層及びポリプロピレン同時形成層をもつ２層材料であった
。異なる試料の比較を容易にするため、各々のべースシート試料の目標坪量は５
４グラム／平方メートル（ｇｓｍ）であり、各々の試料層は６５重量％のセルロ
ースパルプを含有した。

【００５１】 各々の試料を以下の表に示す。 ＰＥ＝ポリエチレン ＰＰ＝ポリプロピレン

【００５２】 コード２，３及び７のポリエチレンに添加された炭化水素樹脂は、デラウエア
州ウイルミントンのＨｅｒｃｕｌｅｓ社により製造される、完全に水素添加され
た炭化水素樹脂であるＲＥＧＡＬＲＥＺ１１２６（登録商標）であった。この樹
脂は、純粋な炭化水素モノマー原料の重合と水素添加とによって製造され、高い
安定性で薄く着色された低分子量の非極性樹脂である。

【００５３】 完全に水素添加された炭化水素樹脂（コード２及び３）を含むポリエチレン繊
維を形成する場合、炭化水素樹脂ペレットが比較的「粘着性」があることが判明
した。処理法を改善するために、炭化水素樹脂ペレットはポリエチレンに混合さ
れ、結果としての混合物を２つのスクリューをもつ押し出し工程で再ペレット化
した。混合されたペレットは、次いでポリエチレン繊維を形成するのに使用した
。炭化水素樹脂添加剤を使用するコード、すなわちコード２及び３では、ポリエ
チレン及び炭化水素プライが押し出し温度２４３℃（華氏４７０度）、ポリエチ
レン繊維を運ぶ主空気流温度２７７−２８２℃（華氏５３０−５４０度）、成形
高さ２５．４−２７．９ｃｍ（１０−１１インチ）の工程で形成された。添加剤
なしのポリエチレン繊維を含むプライを形成する場合、押し出し温度は２４９℃
（華氏４８０度）、ポリエチレン繊維を運ぶ主空気流温度は２７７−２８２℃（
華氏５３０−５４０度）、成形高さは２５．４−３０．５ｃｍ（１０−１２イン
チ）であった。

【００５４】 ポリブチレンはテキサス州ヒューストンのシェルケミカル社から商品名Ｓｈｅ
ｌｌ ＤＰ ８９１１として入手でき、以後モンテルＵＳＡ社から商品名ＤＵＲ
ＡＦＬＥＸ ８９１１で入手できるようになっている。アタクチックポリプロピ
レンはテキサス州ヒューストンとオデッサに事務所があるＨｕｎｔｓｍａｎ社か
ら商品名ＲＥＸＴＡＣ−２１１５として入手した。ポリブチレン添加剤を使用す
るコードすなわちコード４及び５では、ポリプロピレン及びポリブチレンプライ
は、押し出し温度２４３℃（華氏４７０度）、ポリエチレン繊維を運ぶ主空気流
温度２６８−２８８℃（華氏５１５−５５０度）、成形高さ２５．４−３０．５
ｃｍ（１０−１２インチ）の工程で形成された。添加剤なしのポリプロピレン繊
維を含むプライを形成する場合、押し出し温度は２６０℃（華氏５００度）、ポ
リプロピレン繊維を運ぶ主空気流温度は２８８℃（華氏５５０度）、成形高さは
２７．９ｃｍ（１１インチ）であった。 ポリエチレンは線状低密度ポリエチレンであり、ミシガン州ミッドランドのダ
ウケミカル社から商品名ＡＳＰＵＮ６８３１で入手した。ポリプロピレンはデラ
ウエア州ウイルミントンのモンテルＵＳＡ社から商品名Ｍｏｎｔｅｌｌ ＰＦ０
１５で入手した。

【００５５】 コード１は、ポリエチレン繊維又はポリプロピレン繊維のいずれにも添加剤を
含有せず対照として使用した。２種類のコード１を作った。「ＰＥ対照」では、
ポリエチレン同時形成層をウエブ形成体にすでに存在するポリプロピレン同時形
成層上に形成し、「ＰＰ対照」では、ポリプロピレン同時形成層をウエブ形成体
に存在するポリエチレン同時形成層上に形成した。

【００５６】 コード２及び３はＰＥ対照と同じ方法で形成した。すなわちポリエチレン同時
形成層をポリプロピレン同時形成層上に形成した。従って、コード２及び３に使
用される添加剤の有効性は、ＰＥ対照との比較で殆ど直接的に判定できる。一方
で、コード４−６はＰＰ対照と同じ方法で形成した。すなわちポリプロピレン同
時形成層をポリエチレン同時形成層上に形成した。従って、コード４−６に使用
される添加剤の有効性は、ＰＰ対照との比較で殆ど直接的に判定できる。 試料の剥離強度、屑落ち、カップ圧潰強度及び引張り強度（機械方向「ＭＤ」
及び機械横方向［「ＣＤ」の両方における）を、個々の試料のこれらの物理パラ
メータの相対的な比較を行うために試験した。

【００５７】１８０゜剥離（Ｔ−剥離）強度 剥離試験に先立ち、類似のパターンで試料を各々を結合した。結合パターンは
、試料の表面積の約１３％を結合させたものであった。結合は約１３１．３ニュ
ートン／リニアルセンチメータ（７５ポンド／リニアルインチ）の圧力で行った
。結合装置の平均高温油芯部温度は約７７℃（華氏１７０度）であり、結合温度
は約６８℃から７１℃（華氏１５５から１６０度）と推定した。

【００５８】 剥離試験の試料は、最初にワイプの７×７インチ区域を切り取り、ワイプの乾
燥重量基準で、３３０％の量の溶液を含むようワイプに溶液を添加することによ
って調製した。溶液はウイスコンシン州ニーナのキンバリークラーク社で市販用
に製造されているＨｕｇｇｉｅｓ（登録商標）Ｗｅｔ Ｗｉｐｅｓに使用されて
いるものと同じ溶液である（代替の溶液として脱イオン水が使用できる）。次い
で、長手方向の辺が機械方向に平行に延びている２±０．０４インチ（１３±１
ｍｍ）×７±０．０４インチ（１５２±１ｍｍ）の試料を飽和ワイプから切り取
る。試料の端部はスパッと切れた切り口をもち、平行になっている必要がある。

【００５９】 適切なロードセルを装着した定速伸張ユニット（又は引張試験機）及びコンピ
ュータ制御データ取得システムを剥離強度試験を実施するために使用した。適切
な引張試験機及びロードセルはマサチューセッツ州カントンのインストロン社、
又はノースカロライナ州リサーチトライアングルパークのシンテック社から入手
できる。

【００６０】 引張試験機のグリップは、相互に平行に取り付けられる。引張試験機の設定は
以下のようにする。クロスヘッド速度は２０±０．０４インチ／分（５０８±１
０ｍｍ／分）、ゲージ長さは１．０±０．０４インチ（２５±１ｍｍ）、開始測
定値は０．５±０．０４インチ（１３±１ｍｍ）、終了測定値は６±０．０４イ
ンチ（１５２±１ｍｍ）である。

【００６１】 試験は、まず試料の１つの端部でポリエチレン及びポリプロピレン層を手で分
離することにより行う。層を約１インチから２インチを超えない長さに分離する
。次いで、試料が真っ直ぐな緩みの無い状態になるよう２つの層を試験装置の対
向するグリップに取り付ける。次いで、試験装置により指定速度で層を引き離し
（分離層は角度１８０度になる）、同時に層の分離に必要な力をグラム力で記録
する。

【００６２】屑落ち シートの屑落ちの測定のためにＧｅｌｂｏユニットの改良版を使用した。適切
な試験ユニットはニュージャージ州０７０３０、ホーボーケン市、Ｐａｒｋ街１
４１５、私書箱３１８９のＵＳテスティング社から入手できる。この試験は、連
続的な曲げと捻り運動を加える場合、繊維から遊離する粒子の相対的な量を測定
するのに用いる。 少なくとも５枚のべースシートを試料の測定用に使用する。最初は少なくとも
７枚のべースシートが積層されており、一番上と一番下のべースシートは試料の
保護用のためにある。試験試料は、清潔で乾燥しており環境からの汚染が無い状
態にある必要がある。また、試験試料は異常を引き起こす折れや皺、他の歪曲が
あってはいけない。試料６から１０の試験を実施すれば、一般に平均試料値を得
るための妥当な信頼度を得るのに十分である。範囲外の値を平均試料値を計算す
る際に除外してもよい。

【００６３】 試験を実施するために、シートが該シートを管状に保持する２枚のディスクの
間に固定されるＧｅｌｂｏ曲げユニットの改良版へ、９インチ×９インチ（２３
ｃｍ×２３ｃｍ）の乾燥べースシートを取り付ける。シートは最小限のハンドリ
ングで注意深く取り付け、同時に屈曲ヘッドが最大間隔に広げられる。試料はシ
ートで形成された管の上端のところで隙間をもつ必要があり、シートの機械方向
は管の長手方向の軸に一致する必要がある。

【００６４】 次いで、シートは屑を放出するよう５分間回転させ曲げる。２つのホルダーは
、曲げストローク４．７インチ（１１９．８ｃｍ）をもち、１８０度のシャフト
に対する捻じれ角、約６０サイクル／分のストローク率をもつ。５分後にシート
を取り外して放出された屑の量を測定する。 発生した屑の量によって、屑落ちの測定は、粒子計数器を使用するのではなく
シートの曲げ前後のシートの坪量を測定して行う。粒子計数器を使用するのでは
なく試料の重量測定を行うと、試験を層流式フード即ち１００クラスのクリーン
ルームで実施する必要性や、濾過された空気で清潔にされ浄化されたＰｒｅｘｉ
ｇｌａｓ（登録商標）チャンバ内に曲げユニットを入れる必要性がなくなる。

【００６５】 試験装置は通常の試験環境に置き、試料もその条件に適合させる必要がある。
試験環境はＡＳＴＭ条件（６５±２％ＲＨ及び華氏７２±２度）又はＴＡＰＰＩ
条件（５０±２％ＲＨ及び華氏７２±１．８度）のいずれかに一致させる必要が
ある。 個々の屑落ち試験の結果はかなり変動する可能性があるので、前述の屑落ち試
験は、無名数に関して唯一公平な再現性をもつ結果をもたらす。しかし、相対的
なランキングに関しては、この試験の再現性は大変良好であることが分かってお
り、結果的に繊維及び屑を発生する繊維の傾向についての価値ある相対的尺度を
もたらす。

【００６６】総エネルギー又は「カップ圧潰」 不織布の総エネルギーは「カップ圧潰」試験に基づいて測定できる。カップ圧
潰試験は、カップ形織物が直径約６．５cmの円筒で取り囲まれて該カップ形織物
の均一な変形を維持する直径約６．５ｃｍ、高さ６．５cmの倒立カップ形に形成
された２３ｃｍ×２３ｃｍの織物を、直径４．５ｃｍの半円形状の脚部が圧潰す
るのに必要なピーク負荷（カップ圧潰とも呼ばれる）を測定することにより織物
の剛性を評価する。５から１０の読み値の間の平均値が最終値を測定するのに用
いられ、個々の読み値に変動が殆ど無いか又は全く無い場合、読み値の数が少な
くてもよく、一方で、読み値に大きな変動がある場合、読み値の数が多いことが
望ましい。脚部とカップは、読み値に影響を及ぼすカップ壁と脚部との接触を防
ぐよう整合されている。脚部は約０．２５インチ／秒（３８０ｍｍ／分）の速度
で降下する。

【００６７】 カップ圧潰試験は、試験の開始からピーク負荷点までの総エネルギーである、
試料の圧潰に必要な総エネルギー（圧潰エネルギー）の値をもたらす。総エネル
ギー又は圧潰エネルギーは、一軸の負荷（グラム）と、他の軸の試験開始からピ
ーク負荷までの脚部の移動距離（ミリメートル）とによる曲線の下の面積を測定
することにより算出される。従って、圧潰エネルギーはグラム−ミリメートルで
記録される。 低いカップ圧潰値は、低剛性の繊維であることを表し、これは一般的に柔軟な
繊維と判断できる。カップ圧潰を試験するのに適切な装置としては、ニュージャ
ージ州ペンソーケンのＳｃｈａｅｖｉｔｚ社から入手できる、ｍｏｄｅｌ ＴＤ
−Ｇ−５００ロードセル（レンジ：５００グラム）を挙げることができる。

【００６８】ピーク引張り強度 試料のピーク引張り強度は、公知の技術であるストリップ引張試験を使用して
測定される。試料は最初にワイプの７インチ×７インチ区域を切り取り、ワイプ
の乾燥重量基準で３３０％の量の溶液をワイプが含むよう、ワイプに溶液を添加
することにより調製される。溶液はウイスコンシン州ニーナのキンバリークラー
ク社で市販用に製造されている、Ｈｕｇｇｉｅｓ（登録商標）Ｗｅｔ Ｗｉｐｅ
ｓに使用されているものと同じ溶液である（代替の溶液として脱イオン水が使用
できる）。次いで、ストリップ長手方向の辺と平行に延びる試験方向（機械方向
又は横方向）をもつ、１±０．０４インチ（２５±１ｍｍ）×６±０．０４イン
チ（１５０±１ｍｍ）の試料を飽和ワイプから切り取る。試料の端部はスパッと
切れた切り口をもち、平行になっている必要がある。

【００６９】 適切なロードセルを装着した定速伸張ユニット（引張試験機）及びコンピュー
タ制御データ取得システムを試験の実施のために使用する。適切な引張試験機及
びロードセルは、マサチュ−セッツ州カントンのインストロン社又はノースカロ
ライナ州リサーチトライアングルパークのシンテック社から入手できる。 引張試験機のグリップは相互に平行に取り付けられる。引張試験機の設定は以
下の通りである。クロスヘッド速度は１２±０．０４インチ／分（３００±１０
ｍｍ／分）、チャート速度は１２±０．０４インチ／分（３００±１０ｍｍ／分
）、ゲージ長さ（上側水平線クランプの中心から下側水平線クランプの中心まで
計測値）は３．０±０．０４インチ（７６±１ｍｍ）であり、破損（中断基準）
は６５％である。

【００７０】 試験は長手寸法が負荷の印加方向と平行になるように試料をクランプに左右対
称に配置して行う。次いで、クロスヘッドを始動して試料が破損するまで継続す
る。測定される最大負荷をピーク引張り強度として記録する。ピーク引張りエネ
ルギーとピーク延伸値もこの試験のデータを使用して測定できる。 試験されるコードのピーク引張り強度は、材料の機械方向（ＭＤ）と横方向（
ＣＤ）の両方で測定した。

【００７１】試料比較 種々の試料を前述の試験方法を用いて比較した。これらの試験結果を以下に示
す。 １ 実坪量（グラム／平方メートル） ２ 放出された屑の量（ミリグラム／３００秒） ３ カップ圧潰値（グラム−ミリメートル） ４ 負荷（グラム） ５ 剥離強度（グラム／５．０８ｃｍ幅（グラム／２インチ幅）） ※コード２の剥離強度値は、剥離前に層が破損したので測定不可能であった。

【００７２】 上記の試験結果から分かるように、コード２及び３は屑落ちが低減し、一方で
、コード３は対照コードに比較して非常に大きな剥離強度を示した。コード２の
剥離強度は、剥離前に層が破損したので測定できなかった。このことは、非常に
大きくなった剥離強度の表れと解釈した。（一旦剥離強度が結合層の破損負荷を
上回ると、剥離強度の増加は限られた値になる。）また、この結果はサンプル添
加剤をポリエチレン繊維へ添加すると、パルプの捕捉力と層の結合力が大きくな
ることを示した。しかし、この結果は同様にコード２及び３のカップ圧潰値の増
加に伴うものであった。カップ圧潰値の増加は、一般的に柔軟性の低下と解釈で
きるべースシートの剛性の増加を表す。主観的な感触の比較では、パルプ捕捉力
と剥離強度値の増加は、コード２及び３の柔軟性の低下に伴って起きることも示
した。

【００７３】 この試験結果は、ポリプロピレン繊維への添加剤の使用がべースシートの物理
パラメータの調節に効果的であることも示している。カップ圧潰値の比較で分か
るように、コード４−６は全てＰＰ対照コード（４−６と同じ方法で形成された
）に比較して剛性が低く、これらの試料のうちの２つは、ＰＥ対照コードに比較
しても剛性が低い。しかし、これらの結果も一般的に引張り強度の低下に伴って
起きた。

【００７４】 前述の試料の測定結果は、多層ウエットワイプべースシートのポリエチレンと
ポリプロピレン繊維のいずれか一方への添加剤の添加が結果としての多層化べー
スシートの物性を変える力を及ぼすことを示す。従って、層を選択して結合して
、結果としてのウエットワイプの意図された用途に関する所望の特性の適切な釣
合いをもつべースシートを作ることができる。 本発明は、特定の態様に関連して詳細に説明されているが、当業者であれば前
述の理解に基づいてこれらの態様の変更、変形、及び均等物を容易に想起できる
ことが分かる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ， ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，Ｋ Ｅ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ )，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ， ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ， ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，Ｃ Ｒ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＤＭ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ， ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，Ｋ Ｚ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ， ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，Ｓ Ｋ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 フランク ライアン クリントン アメリカ合衆国 ジョージア州 30350 アトランタ スプリング クリーク レー ン 1218 (72)発明者 ラティマー マーガレット グウィン アメリカ合衆国 ジョージア州 30022 アルファレッタ ジョーンズ ブリッジ ウッズ プレイス 115 (72)発明者 シュルツ ウォルター セオドア アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 54915 アップルトン シェパード レー ン エヌ9650 (72)発明者 ショーヴァー スーザン エレイン アメリカ合衆国 ジョージア州 30076 ロズウェル ピアウッド パス 2010 (72)発明者 スミス チャールズ アレン アメリカ合衆国 ジョージア州 30078 スネルヴィル スプリングサイド コート 1420 (72)発明者 ユー リーシャ アメリカ合衆国 ウィスコンシン州 54915 アップルトン イースト オーヴ ァーランド ロード 1325 Ｆターム(参考） 2D034 CC03 3B074 AA02 AA08 AB01 AC02 BB01 BB04 CC03 4L047 AA07 AA14 AA29 BA23 CA02 CB10 CC16

Claims (44)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 反対側に配置される第１及び第２の主表面を有し、ポリプロ
   ピレン繊維を含む第１の層と、 内側に向かう主表面と、反対側に配置される外側に向かう主表面とを有し、前
   記内側に向かう主表面は前記第１の主表面へ向きが合わされて接しており、前記
   外側に向かう主表面はべースシートの外側面を形成する、ポリエチレン繊維を含
   む第２の層と、 前記ポリプロピレン繊維又は前記ポリエチレン繊維の１つに存在する添加剤と
   、 を備えることを特徴とする不織の積層ウエットワイプべースシート。
2. 【請求項２】 前記添加剤が、前記第１の層の前記ポリプロピレン繊維に添
   加されることを特徴とする請求項１に記載のべースシート。
3. 【請求項３】 前記第１の層が、さらに天然繊維を含むことを特徴とする請
   求項２に記載のべースシート。
4. 【請求項４】 前記天然繊維と前記ポリエチレン繊維とが均一に混合され、
   前記天然繊維が、乾燥重量で前記第２の層の少なくとも約５０％含まれることを
   特徴とする請求項３に記載のべースシート。
5. 【請求項５】 前記第２の層が、さらに天然繊維を含むことを特徴とする請
   求項２に記載のべースシート。
6. 【請求項６】 前記第１及び第２の層の各々が、さらに天然繊維を含むこと
   を特徴とする請求項２に記載のべースシート。
7. 【請求項７】 前記第１及び第２の層の前記天然繊維が、前記ポリプロピレ
   ン繊維及び前記ポリエチレン繊維と均一に混合されることを特徴とする請求項６
   に記載のべースシート。
8. 【請求項８】 前記天然繊維が、乾燥重量で前記第１及び第２の層の各々の
   少なくとも約５０％含まれることを特徴とする請求項７に記載のべースシート。
9. 【請求項９】 前記添加剤が、ポリブチレン又はアタクチックポリプロピレ
   ンを含むことを特徴とする請求項２に記載のべースシート。
10. 【請求項１０】 前記添加剤が、前記第２の層の前記ポリエチレン繊維に添
    加されることを特徴とする請求項１に記載のべースシート。
11. 【請求項１１】 前記第１の層が、さらに天然繊維を含むことを特徴とする
    請求項１０に記載のべースシート。
12. 【請求項１２】 前記天然繊維及び前記ポリエチレン繊維が均一に混合され
    、前記天然繊維が、乾燥重量で前記第２の層の少なくとも約５０％含まれること
    を特徴とする請求項１０に記載のべースシート。
13. 【請求項１３】前記第２の層が、さらに天然繊維を含むことを特徴とする請
    求項１０に記載のべースシート。
14. 【請求項１４】 前記第１及び第２の層の各々が、さらに天然繊維を含むこ
    とを特徴とする請求項１０に記載のべースシート。
15. 【請求項１５】 前記第１及び第２の層の前記天然繊維が、前記ポリプロピ
    レン繊維及び前記ポリエチレン繊維と均一に混合されることを特徴とする請求項
    １４に記載のべースシート。
16. 【請求項１６】 前記天然繊維が、乾燥重量で前記第１及び第２の層の各々
    の少なくとも約５０％含まれることを特徴とする請求項１５に記載のべースシー
    ト。
17. 【請求項１７】 前記添加剤が、完全に水素添加された炭化水素樹脂を含む
    ことを特徴とする請求項１０に記載のべースシート。
18. 【請求項１８】前記第２の層が、さらに天然繊維を含むことを特徴とする、
    請求項１７に記載のべースシート。
19. 【請求項１９】 前記添加剤が添加された前記ポリエチレン繊維が、未処理
    のポリエチレンの溶解温度より少なくとも約４０℃低い溶解温度をもつことを特
    徴とする請求項１０に記載のべースシート。
20. 【請求項２０】 前記第２の層が、さらに天然繊維を含むことを特徴とする
    請求項１９に記載のべースシート。
21. 【請求項２１】 前記第１の層が、さらに天然繊維を含むことを特徴とする
    請求項２０に記載のべースシート。
22. 【請求項２２】 前記添加剤が添加された前記ポリエチレン繊維が、約８７
    ℃の溶解温度をもつことを特徴とする請求項１０に記載のべースシート。
23. 【請求項２３】 前記第１及び第２の層の各々が、さらに前記第１及び第２
    の層中にそれぞれ均一に混合される天然繊維を含むことを特徴とする請求項１に
    記載のべースシート。
24. 【請求項２４】 前記第１及び第２の層に加えられる前記天然繊維が、乾燥
    重量で前記第１及び第２の層の各々の少なくとも約５０％含まれることを特徴と
    する請求項２３に記載のべースシート。
25. 【請求項２５】 反対側に配置される第１及び第２の主表面を有し、ポリプ
    ロピレン繊維を含む内側層と、 各々がポリエチレン繊維を含み、各々が内側に向かう主表面と、反対側に配置
    される外側に向かう主表面とを有し、前記内側に向かう主表面の各々は前記内側
    層の第１及び第２の主表面とそれぞれ接しており、外側に向かう主表面の各々は
    べースシートの対向する２つの主外側面を形成している、第１及び第２の外側層
    と、 前記内側層の前記ポリプロピレン繊維又は前記第１及び第２の外側層の前記ポ
    リエチレン繊維の１つに存在する添加剤と、 を備えることを特徴とする不織の積層ウエットワイプべースシート。
26. 【請求項２６】 前記添加剤が、前記内側層の前記ポリプロピレン繊維に添
    加されることを特徴とする請求項２５に記載のべースシート。
27. 【請求項２７】 前記添加剤が、ポリブチレン又はアタクチックポリプロピ
    レンを含むことを特徴とする請求項２６に記載のべースシート。
28. 【請求項２８】 前記添加剤が、前記第１及び第２の外側層の前記ポリエチ
    レン繊維に添加されることを特徴とする請求項２５に記載のべースシート。
29. 【請求項２９】 前記添加剤が、完全に水素添加された炭化水素樹脂を含む
    ことを特徴とする請求項２８に記載のべースシート。
30. 【請求項３０】 前記第１及び第２の外側層が、さらに天然繊維を含むこと
    を特徴とする請求項２９に記載のべースシート。
31. 【請求項３１】 前記内側層が、さらに天然繊維を含むことを特徴とする請
    求項３０に記載のべースシート。
32. 【請求項３２】 前記添加剤が添加された前記ポリエチレン繊維が、未処理
    のポリエチレンの溶解温度より少なくとも約４０℃低い溶解温度をもつことを特
    徴とする請求項２９に記載のべースシート。
33. 【請求項３３】 前記添加剤が添加された前記ポリエチレン繊維が、約８７
    ℃の溶解温度をもつことを特徴とする請求項２９に記載のべースシート。
34. 【請求項３４】 前記内側及び外側層の各々が、さらにそれぞれの前記内側
    及び外側層中で均一に混合される天然繊維を含むことを特徴とする請求項２５に
    記載のべースシート。
35. 【請求項３５】 前記内側及び外側層に加えられる前記天然繊維が、乾燥重
    量で前記内側及び外側層の各々の少なくとも約５０％含まれることを特徴とする
    請求項３４に記載のべースシート。
36. 【請求項３６】 繊維性の第１の層及び第２の層を有する不織べースシート
    を備え、 前記繊維性の第１の層は互いに反対側に配置される第１及び第２の主表面を有
    し、 前記第２の層は複数の繊維を含み、前記第２の層は内側に向かう主表面と、反
    対側に配置される外側に向かう主表面とを有し、前記内側に向かう主表面は前記
    第１の主表面へ向きが合わされて接しており、前記外側に向かう主表面は前記べ
    ースシートの外側面を形成しており、前記複数の繊維はポリエチレン及び添加剤
    を含む混合物により形成されており、 溶液が前記べースシートに存在している、 ことを特徴とするウエットワイプ。
37. 【請求項３７】 前記添加剤が、完全に水素添加された炭化水素樹脂を含む
    ことを特徴とする請求項３６に記載のウエットワイプ。
38. 【請求項３８】 前記混合物が、約９０℃より低い溶解温度をもつことを特
    徴とする請求項３６に記載のウエットワイプ。
39. 【請求項３９】 前記第１及び第２の層の各々が、さらにそれぞれ前記第１
    及び第２の層に均一に混合される天然繊維を含むことを特徴とする請求項３６に
    記載のウエットワイプ。
40. 【請求項４０】 前記第１及び第２の層に加えられる前記天然繊維が、乾燥
    重量で前記第１及び第２の層の各々の少なくとも約５０％含まれることを特徴と
    する請求項３９記載のウエットワイプ。
41. 【請求項４１】 第１の層及び繊維性の第２の層を有する不織べースシート
    を備え、 前記第１の層は複数の繊維を含み、前記第１の層は互いに反対側に配置される
    第１及び第２の主表面を有し、前記複数の繊維はポリエチレン及び添加剤を含む
    混合物により形成されており、 前記繊維性の第２の層は内側に向かう主表面と、反対側に配置される外側に向
    かう主表面とを有し、前記内側に向かう主表面は前記第１の主表面へ向きが合わ
    されて接しており、前記外側に向かう主表面は前記べースシートの外側面を形成
    しており、 溶液が前記べースシートに存在している、 ことを特徴とするウエットワイプ。
42. 【請求項４２】 前記添加剤が、ポリブチレン又はアタクチックポリプロピ
    レンを含むことを特徴とする請求項４１に記載のウエットワイプ。
43. 【請求項４３】 前記第１及び第２の層の各々が、さらにそれぞれ前記第１
    及び第２の層中に均一に混合される天然繊維を含むことを特徴とする請求項４１
    に記載のウエットワイプ。
44. 【請求項４４】 前記第１及び第２の層に加えられる前記天然繊維が、乾燥
    重量で前記第１及び第２の層の各々の少なくとも約５０％含まれることを特徴と
    する請求項４３に記載のウエットワイプ。