JP2004189511A - ガラス板の風冷強化装置 - Google Patents

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洋一 合歡垣
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Abstract

【課題】固定側のエア供給源に対してエア吹口部材を上下移動自在に連結する連結管において、この連結管の耐久性を向上させたガラス板の風冷強化装置を提供する。
【解決手段】連結管108は、弾性変形可能で耐熱性のあるゴム管で構成されている。連結管108の下端部は、上部エア吹口ヘッド24Aに形成されているエア流路管130に固定される。また、連結管108の上端部の内周部には、リング状滑り軸受136が取り付けられている。この滑り軸受136が、上部送風ボックスに形成されたエア流路環138に摺接される。連結管108によれば、上部エア吹口ヘッド24Aが上下移動すると、これに連動し、滑り軸受136を介して連結管108が、エア流路管138に対し上下方向に摺動する。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガラス板の風冷強化装置に係り、特に曲げ成形された高温状態下にある湾曲ガラス板の上面及び下面に冷却エアを吹き付けてガラス板を風冷強化するガラス板の風冷強化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス板を加熱炉で軟化点近くまで加熱し、これを成形部にて曲げ成形した後、風冷強化装置で急冷することにより自動車用窓ガラス板を製造する製造装置が従来から知られている。
【0003】
従来の風冷強化装置として、曲げ成形された高温状態下にあるガラス板を搬送するとともに、上下移動されることによりガラス板の曲げ形状に対応するように搬送面を湾曲させる複数本のローラと、これらのローラを挟んで上下に配置されるとともに、複数のローラによって搬送中のガラス板の上面及び下面に冷却エアを吹きつける複数のエア吹口ヘッドであって、ローラの上下移動に対応して上下移動される複数のエア吹口ヘッドとを備えた風冷強化装置が知られている。
【0004】
また、前記複数のエア吹口ヘッドは、蛇腹状に構成されているフレキシブルパイプを介して固定側の送風ボックスに連結され、エア吹口ヘッドの上下移動に連動してフレキシブルパイプが伸縮するように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−2434号公報(第7頁、図4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、送風ボックスに対するエア吹口ヘッドの連結管として、フレキシブルパイプを採用した前記従来の風冷強化装置は、ガラス板の搬送中に発生するカレット(割れたガラス屑)がフレキシブルパイプに付着すると、フレキシブルパイプの伸縮時に、このカレットが原因になってフレキシブルパイプが損傷するという欠点があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みて成されたもので、固定側のエア供給源に対してエア吹口部材を上下移動自在に連結する連結管において、この連結管の耐久性を向上させたガラス板の風冷強化装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために、曲げ成形された高温状態下にあるガラス板を搬送するとともに、上下移動されることによりガラス板の曲げ形状に対応するように搬送面を湾曲させる複数本のローラと、該複数のローラを挟んで上下に配置されるとともに、複数のローラによって搬送中のガラス板の上面及び下面に冷却エアを吹きつける複数のエア吹口部材であって、前記ローラの上下移動に対応して上下移動される複数のエア吹口部材と、を備えたガラス板の風冷強化装置において、前記複数のエア吹口部材は、連結管を介して固定側のエア供給源に各々が連結され、前記連結管は、前記エア吹口部材側のエア流路管又は前記エア供給源側のエア流路管のうち一方のエア流路管に一端が固定されるとともに、他方のエア流路管に滑り軸受を介して軸方向に摺動自在に連結されていることを特徴とする。
【0009】
請求項1に記載の連結管は、エア吹口部材側のエア流路管又はエア供給源側のエア流路管のうち一方のエア流路管に一端が固定されるとともに、他方のエア流路管に滑り軸受を介して軸方向に摺動自在に連結されている。これにより、エア吹口部材が上下移動すると、これに連動して連結管が滑り軸受を介して他方のエア流路管に対して軸方向に摺動する。よって、本発明の連結管は、伸縮動作することなくエア吹口部材の上下移動を許容するので、カレットが付着しても損傷しない。したがって、連結管の耐久性が向上する。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、弾性変形可能なゴム管で連結管を構成したので、エア吹口部材側のエア流路管とエア供給源側のエア流路管との芯ずれを、連結管が弾性変形することで吸収することができる。よって、前記芯ずれが生じていても連結管を双方のエア流路管に容易に組み付けることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るガラス板の風冷強化装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0012】
図1は、実施の形態に係る風冷強化装置が組み込まれたガラス板の曲げ成形装置10の構造を示す斜視図である。
【0013】
まず、同図に基づいてガラス板の曲げ成形工程の流れについて説明する。曲げ成形前のガラス板18は、加熱炉12の入口において搬送位置が位置決めされた後、図示しない搬入用のローラコンベアによって加熱炉12内に搬入され、加熱炉12内を通過中に所定の曲げ成形温度(600〜700℃程度)まで加熱される。
【0014】
曲げ成形温度まで加熱されたガラス板18は、加熱炉12の出口から成形ゾーン14の曲げ成形用ローラコンベア20に移載されて成形ゾーン14内で搬送される。ガラス板18は、成形ゾーン14内で搬送される過程において、曲げ成形用ローラコンベア20の上下移動動作により所定の湾曲面を有する形状に曲げ成形される。
【0015】
曲げ成形されたガラス板18は、成形ゾーン14の出口から風冷強化用ローラコンベア22に移載される。そして、風冷強化用ローラコンベア22を構成する複数本のローラ22A、22B…(図4参照)によって風冷強化装置16に搬送されて風冷強化される。
【0016】
風冷強化されたガラス板18は、図1の搬出用ローラコンベア28に移載され、次工程の図示しない検査装置に向けて搬送される。
【0017】
以上のように、ガラス板18は加熱炉12によって曲げ成形温度まで加熱され、成形ゾーン14によって所定の湾曲形状に曲げ成形されたのち、風冷強化装置16によって風冷強化される。なお、符号11は、加熱炉12、成形ゾーン14、及び風冷強化装置16を統括制御する制御装置である。
【0018】
次に、成形ゾーン14の構成について説明する。曲げ成形用ローラコンベア20は図1、図2に示すように、直棒状に形成された複数本のローラ20A、20B…によって構成されており、各ローラ20A、20B…は所定の間隔をもって並列配置されている。ガラス板18は、これらのローラ20A、20B…が回転することで、ローラ20A、20B…によって形成される搬送面に沿って搬送される。また、ローラコンベア20を構成する各ローラ20A、20B…は、回転駆動手段によって各々が独立して回転されるとともに、上下方向駆動手段によって各々が独立して上下方向に移動される。
【0019】
以下に、成形ゾーン14に設置されている回転駆動手段及び上下方向駆動手段の構成について説明する。なお、各ローラ20A、20B…の回転駆動手段及び上下方向駆動手段の構造は同一なので、ここではローラ20Aの回転駆動手段及び上下方向駆動手段の構造について説明し、他のローラ20B、20C…の各手段の説明は省略する。
【0020】
〔回転駆動手段〕
図3に示すようにローラ20Aは、その両端が上下移動フレーム30上に配設された軸受32、32によって回転自在に支持されている。また、ローラ20Aの図3の左端にはギヤ34が取り付けられ、ギヤ34は、駆動ギヤ36に噛合されている。駆動ギヤ36は、上下移動フレーム30上に設けられたサーボモータ38の回転軸40に連結されている。ローラ20Aは、このサーボモータ38を駆動することにより所定の角速度で回転される。以上が回転駆動手段の構造である。
【0021】
〔上下方向駆動手段〕
図3に示すように上下移動フレーム30は、固定フレーム42に上下移動自在に支持されている。すなわち、上下移動フレーム30の両側部にはガイドレール44、44が上下方向に沿って配設され、このガイドレール44、44が固定フレーム42に固着されたガイドブロック46、46に係合されている。また、上下移動フレーム30には、両端下部にラック48、48が下側に向けて突設されている。ラック48、48にはピニオン50、50が噛合され、ピニオン50、50は回転軸52に固定されている。回転軸52は、両端が軸受54、54に軸支され、図3の左端にはサーボモータ56のスピンドル58が連結されている。回転軸52は、サーボモータ56を駆動することにより回転され、その回転運動がピニオン50とラック48との作用によって直線運動に変換される。これにより、上下移動フレーム30が上下方向に移動される。そして、上下移動フレーム30の上下移動によって、ローラ20Aが上下方向に移動される。以上が上下方向駆動手段の構造である。なお、図3において符号60、62は、成形ゾーン14に設けられたヒータを示している。
【0022】
上述した回転駆動手段と上下方向駆動手段とは、他のローラ20B、20C…全てに設けられている。そして、これらの駆動手段のサーボモータ38、56が、すべて制御装置11によって制御されている。
【0023】
制御装置11は、外部入力手段からガラス板18の型式が入力されると、その型式のガラス板18の曲率に対応するローラ20A、20B…の角速度制御データ及び上下移動制御データを作成する。そして、この作成した角速度制御データに基づきサーボモータ38を制御するとともに、上下移動制御データに基づきサーボモータ56を制御する。すなわち、制御装置11は、ガラス板18がローラ20A、20B…による搬送中に所望の曲率で搬送方向に曲げ成形されるように、各ローラ20A、20B…を多軸制御する。
【0024】
前記のごとく構成されたローラコンベア20によるガラス板18を曲げ成形動作を図2を用いて説明する。
【0025】
図2(A)に示す初期状態において、全てのローラ20A、20B…は最上位の位置に位置している。そして、図2(B)に示すようにガラス板18の搬送が開始されると、ローラ20D〜20Fが下降する。これにより、ローラ20D〜20Fで形成される搬送面が曲率半径の大きい緩やかな湾曲状に変形する。ガラス板18は、このローラ20D〜20F上を通過することにより、自重でローラ20D〜20Fの湾曲面に沿って撓み、搬送方向に沿って曲げ成形される。
【0026】
そして、図2(C)の如くガラス板18が更に搬送されると、ローラ20F〜20Hが、先のローラ20D〜20Fよりも大きく下降する。これにより、ローラ20F〜20Hで形成される搬送面が、先の湾曲面よりも曲率半径の小さい湾曲状に変形する。ガラス板18は、このローラ20F〜20H上を通過することにより、自重でローラ20F〜20Hの湾曲面に沿って更に撓み、搬送方向に沿って曲げ成形される。
【0027】
そして、図2(D)の如くガラス板18が更に搬送されると、ローラ20H〜20Jが、先のローラ20F〜20Hよりも更に大きく下降する。これにより、ローラ20H〜20Jで形成される搬送面が、先の湾曲面よりも曲率半径の小さい湾曲状に変形する。ガラス板18は、このローラ20H〜20J上を通過することにより、自重でローラ20H〜20Jの湾曲面に沿って更に撓み、搬送方向に沿って曲げ形成される。
【0028】
更に、図2(E)の如くガラス板18が前方に搬送されると、ローラ20J〜20Lが、先のローラ20H〜20Jよりも更に大きく下降する。そして、ローラ20J〜20Lで形成される搬送面が、最終的に得ようとするガラス板18の曲率と同じ曲率の湾曲面に変形する。ガラス板18は、このローラ20J〜20L上を通過することにより、最終的に得ようとする曲率に搬送方向に沿って曲げ成形される。以後、ローラ20M…は、この曲率の湾曲面を維持するように上下移動する。
【0029】
このように、ローラコンベア20は、ローラ20A、20B…の上下移動によって形成される湾曲面の曲率半径を順次小さくして行くことで、ガラス板18を搬送方向に沿って曲げ成形する。
【0030】
次に、図1の風冷強化装置16について説明する。風冷強化装置16は、風冷強化用ローラコンベア22によって連続搬送されるガラス板18の上面と下面とに冷却エアを吹き付けることによってガラス板18を風冷強化する。また、風冷強化用ローラコンベア22は、前述した曲げ成形用ローラコンベア20と同様に上下移動可能に構成されている。
【0031】
ローラコンベア22は、図1、図4の如く直棒状に形成された複数本のローラ22A、22B…で構成され、各ローラ22A、22B…は所定の間隔をもって並列配置されている。各ローラ22A、22B…は、回転駆動手段によって各々が独立して回転駆動されるとともに、上下方向駆動手段によって各々が独立して上下方向に移動される。
【0032】
次に、各ローラ22A、22B…の回転駆動手段及び上下方向駆動手段の構成について説明する。なお、各ローラ22A、22B…回転駆動手段及び上下方向駆動手段の構造は同一なので、ここではローラ22Aの回転駆動手段及び上下方向駆動手段の構造について説明し、他のローラ22B、22C…の各手段の説明は省略する。
【0033】
〔回転駆動手段〕
図5に示すようにローラ22Aは、その両端が一対の上下移動フレーム70A、70A上に配設された軸受72A、72Aによって回転自在に支持されている。また、ローラ22Aの図5の右端にはサーボモータ78Aの出力軸が連結されている。ローラ22Aは、サーボモータ78Aを駆動することにより所定の角速度で回転される。以上が回転駆動手段の構造である。
【0034】
〔上下方向駆動手段〕
一対の上下移動フレーム70A、70Aは、それぞれ一対の固定フレーム82A、82Aによって上下移動自在に支持されている。すなわち、各上下移動フレーム70Aの外側部にはガイドレール84Aが上下方向に沿って配設されており、このガイドレール84Aが固定フレーム82Aの内側部に固着されたガイドブロック86A、86Aに摺動自在に支持されている。また、この上下移動フレーム70Aの外側部にはラック88A、88Aが配設され、ラック88A、88Aにはピニオン90A、90Aが噛合されている。このピニオン90A、90Aは回転軸92Aに固定され、回転軸92Aは、両端が軸受94A、94Aに軸支されている。そして、この回転軸92Aの図5の右端には、一方の固定フレーム82Aの頂部に配設されたサーボモータ96Aのスピンドルが連結されている。回転軸92Aは、サーボモータ96Aを駆動することにより回転され、その回転運動がピニオン90Aとラック88Aとの作用によって直線運動に変換される。これにより、上下移動フレーム70Aが上下方向に移動されるので、ローラ22Aが上下方向に移動される。以上が上下方向駆動手段の構造である。
【0035】
上述した回転駆動手段と上下方向駆動手段とは、他のローラ22B、22C…全てに設けられている。そして、これらの駆動手段のサーボモータ78A、78B…、96A、96B…が、全て制御装置11によって制御されている。
【0036】
制御装置11は、外部入力手段からガラス板18の型式が入力されると、その型式のガラス板18の曲率に対応するローラ22A、22B…の角速度制御データ及び上下移動制御データを作成する。そして、この作成した角速度制御データに基づきサーボモータ78A、78B…を制御するとともに、上下移動制御データに基づきサーボモータ96A、96B…を制御する。すなわち、制御装置11は、成形ゾーン14で曲げ成形されたガラス板18が、その形状を保持したまま搬送されるように、各ローラ22A、22B…を多軸制御する。
【0037】
風冷強化装置16の本体部は、図6の如くローラコンベア22を挟んで上方に配置された上部送風ボックス(固定側のエア供給源)100と、下方に配置された下部送風ボックス(固定側のエア供給源)102とから構成される。
【0038】
上部送風ボックス100と下部送風ボックス102とには各々ダクト104、106が連結され、これらのダクト104、106には図示しないブロアが連結されている。したがって、ブロアからの冷却エアが、ダクト104、106を介して上部送風ボックス100と下部送風ボックス102とに供給される。
【0039】
上部送風ボックス100及び下部送風ボックス102は、図1の如くガラス板18の搬送経路において最も上流側に位置する送風ボックス100A、102A(図6参照)から10個目の送風ボックス100J(送風ボックス102側は不図示)までボックス毎に分割され、分割されたボックス毎にダクト104、106が連結されている。また、分割されたボックス毎にエアノズル25A〜25Jが設けられている(図4参照)。
【0040】
図6の上部送風ボックス100に供給された冷却エアは、図4に示す各ローラ22A、22B…間の上方に配設された上部エア吹口ヘッド(エア吹口部材)部材24A、24B…に、図6の例えば3本の連結管108を介して供給された後、図4に示す上部エア吹口ヘッド24A、24B…の各エアノズル25A、25B…からローラコンベア22に向けて吹き出される。一方で、下部送風ボックス102に供給された冷却エアは、各ローラ22A、22B…間の下方に配設された下部エア吹口ヘッド26A、26B…に3本の連結管110を介して供給された後、下部エア吹口ヘッド26A、26B…の各エアノズル27A、…からローラコンベア22に向けて吹き出される。これにより、ローラコンベア22によって搬送されるガラス板18の上面と下面とに冷却エアが噴射され、ガラス板18が冷却される。
【0041】
また、上部エア吹口ヘッド24A、24B…と下部エア吹口ヘッド26A、26B…とは、それぞれ上下移動自在に設けられている。そして、上部エア吹口ヘッド24A、24B…と下部エア吹口ヘッド26A、26B…とは、それぞれローラ22A、22B…に連動して上下移動される。ローラ22A、22B…は、ガラス板18の搬送に伴い上下動される。この場合、ローラ22A、22B…のうちのガラス板18が搬送されている位置のローラが上下動し、これらの位置の複数のローラにより形成される搬送面がガラス板の搬送方向について、曲げ成形されたガラス板の湾曲形状に対応した湾曲面を有する。そして、ガラス板の搬送に伴い各ローラを順次上下動させ、各ローラにより形成される湾曲面をガラス板の搬送方向に進行させる。
【0042】
次に、上部エア吹口ヘッド24A、24B…と下部エア吹口ヘッド26A、26B…とを上下移動させる機構について説明する。なお、双方の機構は同一なので、ここでは上部エア吹口ヘッド24Aの上下移動機構の構造についてのみを説明し、他の上部エア吹口ヘッド24B、24C…、及び下部エア吹口ヘッド26A、26B…の構造に関しては同一の符号を付すことによりその説明は省略する。
【0043】
〔上下移動機構〕
図6に示す上部エア吹口ヘッド24Aの両側にはフレーム112、112が固定され、このフレーム112、112は、ガイドフレーム114、114にスライダ116、116を介して取り付けられ、ガイドフレーム114、114に沿って上下移動可能に支持される。ガイドフレーム114は、上部送風ボックス100を支持する支持体118の下部に上下方向に延設されている。
【0044】
また、フレーム112、112にはラック120、120が上下方向に固定され、このラック120、120にピニオン122、122が噛合されている。ピニオン122、122は、軸124に取り付けられており、この軸124は支持体118に軸受126、126を介して支持されるとともに、軸124の図6上で右端部がサーボモータ128の回転軸に連結されている。よって、軸124がサーボモータ96Aによって回転されると、その回転運動がピニオン122とラック120との作用によって直線運動に変換される。これにより、上部エア吹口ヘッド24Aが上下方向に移動される。以上が上下移動機構の構造である。
【0045】
この上下移動機構は、他の上部エア吹口ヘッド24B、24C…及び下部エア吹口ヘッド26A、26B…の全てに設けられている。そして、これらの上下移動機構の全てのサーボモータ128、128…が、全て制御装置11によって制御されている。
【0046】
制御装置11は、外部入力手段からガラス板18の型式が入力されると、その型式のガラス板18の曲率に対応する上部エア吹口ヘッド24A、24B、24C…及び下部エア吹口ヘッド26A、26B…の上下移動制御データを作成する。そして、制御装置11は、この作成した上下移動制御データに基づきサーボモータ128、128…を制御する。すなわち、制御装置11は、上部エア吹口ヘッド24A、24B…と、この上部エア吹口ヘッド24A、24B…に対向する下部エア吹口ヘッド26A、26B…との間隔を一定に保持した状態でローラ22A、22B…の上下位置に応じて上部エア吹口ヘッド24A、24B…と下部エア吹口ヘッド26A、26B…とを上下移動させる。これにより、ガラス板18の上面と上部エア吹口ヘッド24A、24B…との距離、及びガラス板18の下面と下部エア吹口ヘッド26A、26B…との距離が一定に制御される。
【0047】
次に、上部エア吹口ヘッド24A、24B…及び下部エア吹口ヘッド26A、26B…の上下移動をサポートする連結管108、110の構造について説明する。なお、連結管108、110の構造は同一なので、ここでは連結管108の構造について説明し、連結管110の構造については説明を省略する。
【0048】
図7に示す連結管108は、弾性変形可能で耐熱性のあるゴム管で構成されている。この連結管108の下端部は、上部エア吹口ヘッド24Aの上面に突設形成されているエア流路管130にホースバンド132、132によって締結されている。また、連結管108の上端部の内周面には、サポート管134がホースバンド135によって締結され、このサポート管134の内周部に金属製のリング状滑り軸受136が取り付けられている。この滑り軸受136が、上部送風ボックス100Aの下面に突設形成されたエア流路管138に、軸方向に摺接されている。ここでいう軸方向とは、エア流路管138の軸方向である。
【0049】
図7の連結管108によれば、上部エア吹口ヘッド24Aが図7の実線で示す下位置と二点鎖線で示す上位置との間で上下移動すると、これに連動し、滑り軸受136を介して、エア流路管138に対し、上下方向に摺動する。よって、図7の連結管108は、フレキシブルパイプのように伸縮動作することなく上部エア吹口ヘッド24Aの上下移動を許容するので、カレットが付着しても損傷しない。したがって、連結管108の耐久性が向上する。
【0050】
また、連結管108は、弾性変形可能なゴム管なので、エア流路管130の軸芯130Aとエア流路管138の軸芯138Aとがずれていても、自身が弾性変形することで、その芯ずれを吸収する。よって、前記芯ずれが生じていても連結管108をエア流路管130、138に容易に組み付けることができる。
【0051】
なお、図7の連結管108は、ゴム管に限定されず金属管であってもよい。また、連結管108の上端部をエア流路管138に固定し、連結管108の下端部に滑り軸受136を取り付けて、エア流路管130に摺接させてもよい。
【0052】
図8に示す連結管108´は、本体部が金属管140で構成されており、その下端部は、ゴム製のジョイント管142を介してエア流路管130に連結されている。ジョイント管142は、ホースバンド144によって金属管140の下端部に締結されるとともに、ホースバンド146によってエア流路管130に締結されている。
【0053】
また、金属管140の上端部にもゴム製のジョイント管148がホースバンド150によって締結され、このジョイント管148の上端部の内周部に滑り軸受152がホースバンド154によって締結されている。この滑り軸受152がエア流路管138に摺接されている。
【0054】
図8の連結管108´によれば、上部エア吹口ヘッド24Aが図8の実線で示す下位置と二点鎖線で示す上位置との間で上下移動すると、金属管140がこれに連動し、滑り軸受152を介してエア流路管138に対し、上下方向に摺動する。よって、図8の連結管108´も図7の連結管108と同様に、フレキシブルパイプのように伸縮動作することなく上部エア吹口ヘッド24Aの上下移動を許容するので、カレットが付着しても損傷しない。したがって、連結管108´の耐久性が向上する。
【0055】
また、金属管140は、弾性変形可能なゴム製のジョイント管142、148を介してエア流路管130、138に支持される構造なので、エア流路管130の軸芯130Aとエア流路管138の軸芯138Aとがずれていても、ジョイント管142、148が弾性変形することで、その芯ずれを吸収することができる。よって、前記芯ずれが生じていても連結管108´を双方のエア流路管130、138に容易に組み付けることができる。
【0056】
なお、ジョイント管148をエア流路管138に固定し、ジョイント管142の下端部に滑り軸受152を取り付けて、エア流路管130に摺接させてもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るガラス板の風冷強化装置によれば、上下移動するエア吹口部材と固定側のエア供給源とを連結する連結管構造において、エア吹口部材側のエア流路管又はエア供給源側のエア流路管のうち一方のエア流路管に一端が固定されるとともに、他方のエア流路管に滑り軸受を介して軸方向に摺動自在に連結された構造を採用したので、連結管の耐久性が向上する。
【0058】
また、本発明によれば、弾性変形可能なゴム管で連結管を構成したので、エア吹口部材側のエア流路管とエア供給源側のエア流路管との芯ずれを、連結管が弾性変形することで吸収することができる。よって、前記芯ずれが生じていても連結管を双方のエア流路管に容易に組み付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る風冷強化装置が組み込まれたガラス板の曲げ製造装置の構造を示す斜視図
【図2】ローラコンベアによるガラス板の曲げ動作を示す説明図
【図3】ローラの回転駆動手段と上下方向移動手段との構造を示す説明図
【図4】風冷強化装置の吹口ヘッドのエアノズルの構造を示す断面図
【図5】風冷強化装置のローラの回転機構及び上下移動機構の構造図
【図6】風冷強化装置の吹口ヘッドの上下移動機構の構造図
【図7】第1の実施の形態の連結管構造を示す断面図
【図8】第2の実施の形態の連結管構造を示す断面図
【符号の説明】
10…ガラス板の曲げ成形装置、11…制御装置、12…加熱炉、14…成形ゾーン、16…風冷強化装置、18…ガラス板、20…曲げ成形用のローラコンベア、22…風冷強化用のローラコンベア、24A〜24J…上部エア吹口ヘッド、25A〜25J、27A…エアノズル、26A〜26J…下部エア吹口ヘッド、108、108´、110…連結管、130、138…エア流路管、136,152…滑り軸受、140…金属管、142、148…ジョイント管

Claims (2)

  1. 曲げ成形された高温状態下にあるガラス板を搬送するとともに、上下移動されることによりガラス板の曲げ形状に対応するように搬送面を湾曲させる複数本のローラと、
    該複数のローラを挟んで上下に配置されるとともに、複数のローラによって搬送中のガラス板の上面及び下面に冷却エアを吹きつける複数のエア吹口部材であって、前記ローラの上下移動に対応して上下移動される複数のエア吹口部材と、
    を備えたガラス板の風冷強化装置において、
    前記複数のエア吹口部材は、連結管を介して固定側のエア供給源に各々が連結され、
    前記連結管は、前記エア吹口部材側のエア流路管又は前記エア供給源側のエア流路管のうち一方のエア流路管に一端が固定されるとともに、他方のエア流路管に滑り軸受を介して軸方向に摺動自在に連結されていることを特徴とするガラス板の風冷強化装置。
  2. 前記連結管は、弾性変形可能なゴム管であることを特徴とする請求項1に記載のガラス板の風冷強化装置。
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