JP2004189120A - 車両用衝撃吸収構造体 - Google Patents

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Kazuhiro Kawamoto
一博 川本
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Abstract

【課題】設置スペースの大きさに拘わらず、十分な衝撃吸収性能が発揮され得る、設計が容易で、しかも製造コストの低い車両用衝撃吸収構造体を提供する。
【解決手段】互いに異なる大きさの設置スペース56の何れに対しても、車両用内装部品52やボデー構成部品54との間に隙間58を形成せしめつつ配置されて、外部から入力される衝撃を、少なくとも予め設定された量だけ吸収せしめる衝撃吸収部材12と、かかる衝撃吸収部材12が設置スペース56内に配置された際に形成される隙間58の少なくとも一部に対応した形状を有し、かかる隙間58を満たすようにして、設置スペース56内に配置されるスペーサ部材14とを、組付手段26,44にて着脱可能に組み付けて、構成した。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、車両用衝撃吸収構造体に係り、特に、車両用内装部品と車両のボデー構成部品との間の設置スペースに対して有利に配設可能な車両用衝撃吸収構造体に関するものである。
【0002】
【背景技術】
一般に、自動車等の車両にあっては、多くの場合、天井内張やピラーガーニッシュ、ルーフサイドレール、インストルメントパネル、コンソールボックス等、衝突事故の発生時に乗員が接触する可能性が高い内装部品と、かかる内装部品の車室側とは反対側(裏側)に位置せしめられた、ボデーの一部を構成する各種のパネル等のボデー構成部品との間の設置スペース内に、衝撃吸収構造体が設置されており、それによって、衝突事故時等に乗員がそれら内装部品に接触した際に、乗員に加わる衝撃が緩和されて、乗員の保護が図られるようになっている。
【0003】
ところで、このような車両用衝撃吸収構造体の多くのものは、従来から、内装部品とボデー構成部品との間の設置スペースに対応した形状に設計されて、かかる設置スペース内に、それを満たすように配設されている。これによって、衝撃吸収構造体と内装部品やボデー構成部品との間の隙間が無くされて、例えば、車両の走行時における振動等に起因するガタツキ等により、衝撃吸収構造体が内装部品やボデー構成部品と接触して、異音が生ずるようなことや、内装部品を押圧した際等に、内装部品が容易に凹んでしまって、高級感とは逆の粗末な印象を与えるようなことが、未然に防止されるようになっているのである。
【0004】
ところが、一般に、内装部品とボデー構成部品との間における衝撃吸収構造体の設置スペースの形状が、各車種毎に種々異なるところから、従来では、衝撃吸収構造体の全体形状が、それぞれの設置スペースの形状に合わせて、各車種毎に、専用設計されていた。
【0005】
そのため、従来の衝撃吸収構造体の設計工程では、設置スペースに対応した形状に設計された衝撃吸収構造体が、果たして、十分な衝撃吸収性能を発揮するか否かを一々確認する余分な作業を行なう必要があったのであり、それが、衝撃吸収構造体の設計を煩雑化せしめて、その生産性を著しく低下せしめる要因となっていたのである。しかも、かかる従来の衝撃吸収構造体においては、設置スペースに対応した形状とされているために、全体が大きくなってしまうことが避けられず、それ故に、例えば、衝撃吸収構造体を合成樹脂材料を用いた金型成形によって成形する場合に、金型が大型化し、それによって、金型の製作コスト、ひいては衝撃吸収構造体の製造コストが高騰するといった問題も、惹起されていたのである。
【0006】
なお、本願出願人は、先に、互いに大きさの異なる設置スペースに対して、十分な衝撃吸収性能を確保しつつ設置され得るコンパクトな構造を有する車両用衝撃吸収構造体を提案した(例えば、特許文献1)。しかしながら、そこでは、そのようなコンパクトな構造を有する衝撃吸収構造体の設置スペース内への配置状態下において、かかる衝撃吸収構造体と内装部品やボデー構成部品との間に形成される隙間によって、異音の発生や高級感の喪失等の問題が生ずる恐れがあることについて、何等言及されてはいなかったのである。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−166804号公報
【0008】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、設置スペースの形状に拘わらず、それに対応した形状とされた場合に得られる利点を確保しつつ、より十分な衝撃吸収性能を発揮し得る構造が、容易に且つ適切に設計されて、生産性の向上が有利に図られ得ると共に、製造コストが効果的に低減せしめられ得る衝撃吸収構造体を提供することにある。
【0009】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かかる課題の解決のために、車両用内装部品と車両のボデー構成部品との間の設置スペース内に配設される車両用衝撃吸収構造体であって、(a)前記車両用内装部品と前記ボデー構成部品のそれぞれの種類に応じて、互いに異なる大きさとされる前記設置スペースのどれよりも小さな形状を有し、それら何れの設置スペース内においても、該車両用内装部品やボデー構成部品との間に隙間を形成せしめつつ配置されて、外部から入力される衝撃により変形せしめられることによって、該衝撃を、少なくとも予め設定された量だけ吸収せしめる衝撃吸収部材と、(b)該衝撃吸収部材が、前記設置スペース内に配置された際に形成される前記隙間の少なくとも一部に対応した形状を有し、前記車両用内装部品やボデー構成部品と該衝撃吸収部材との間に、該隙間を満たすように配置されるスペーサ部材と、(c)該スペーサ部材と前記衝撃吸収部材とを着脱可能に組み付ける組付手段とを含んで構成されていることを特徴とする車両用衝撃吸収構造体を、その要旨とするものである。
【0010】
すなわち、この本発明に従う車両用衝撃吸収構造体にあっては、互いに異なる大きさとされた様々な設置スペース内に配置可能で、且つそれら何れの設置スペース内においても、外部からの衝撃を、少なくとも予め設定された量だけ吸収せしめる衝撃吸収部材を含んで構成されているところから、配置される設置スペースの大きさに拘わらず、安定した衝撃吸収性能が確保され得るのであり、それによって、大きさが種々異なる設置スペース内にそれぞれ設置せしめられる際に、その設計段階で、十分な衝撃吸収性能が発揮されるか否かを一々確かめるための余分な作業を行なう必要が、有利に解消され得るのである。
【0011】
また、本発明に係る車両用衝撃吸収構造体においては、衝撃吸収部材とスペーサ部材とが、組付手段にて着脱可能に組み付けられて構成されていることによって、衝撃吸収部材とスペーサ部材とを含む分割構造とされており、更に、それらのうち、衝撃吸収部材が、互いに異なる大きさとされた様々な設置スペース内の何れに対しても、内装部品やボデー構成部品との間に隙間を形成しつつ配置される大きさとされる一方、スペーサ部材が、それら衝撃吸収部材と内装部品やボデー構成部品との間の隙間の少なくとも一部に対応した形状とされて、設置スペース内に、かかる隙間を満たすように配置される大きさとされているため、例えば、衝撃吸収部材とスペーサ部材とが、合成樹脂材料を用いた金型成形によって成形される場合にも、衝撃吸収構造体の全体が、設置される設置スペースに対応した形状を有する一体品にて構成される従来の衝撃吸収構造体を金型成形する場合とは異なって、製作コストの低い、十分に小さな金型が用いられて、衝撃吸収部材とスペーサ部材とが、それぞれ成形されることとなるのである。
【0012】
しかも、かかる車両用衝撃吸収構造体にあっては、衝撃吸収部材が、互いに異なる大きさとされた様々な設置スペース内の何れに対しても、内装部品やボデー構成部品との間に隙間を形成しつつ配置される大きさとされていると共に、組付手段により、スペーサ部材に対して着脱可能に組み付けられ得るようなっているところから、大きさが種々異なる設置スペース内にそれぞれ設置せしめられる際に、それら各設置スペース内に配置される衝撃吸収部材として、一種類のものが汎用的に用いられ得るのである。それ故に、大きさが種々異なる設置スペース内に設置される衝撃吸収構造体の製造に際して、上述の如く、衝撃吸収部材とスペーサ部材とが、合成樹脂材料を金型成形によって成形される場合に、衝撃吸収部材を成形する金型を一種類で済ませることが可能となり、以て、金型の製作コストが、より効果的に低減せしめられ得るのである。
【0013】
さらに、本発明に係る車両用衝撃吸収構造体においては、スペーサ部材が、設置スペース内に、衝撃吸収部材と内装部品やボデー構成部品との間の隙間を満たすように配置されるようになっているため、設置スペースに対応した全体形状を有する従来の衝撃吸収構造体と同様に、設置スペースへの配設状態下で、例えば、車両の走行時における振動等に起因するガタツキ等により、衝撃吸収構造体が内装部品やボデー構成部品と接触して、異音が生ずるようなことや、内装部品を押圧した際等に、内装部品が容易に凹んでしまって、粗末な印象を与えるようなことが、効果的に防止され得るのである。
【0014】
従って、かくの如き本発明に従う車両用衝撃吸収構造体にあっては、設置スペースの形状に拘わらず、それに対応した形状とされた場合に得られる利点を有利に確保しつつ、より十分な衝撃吸収性能を発揮し得る構造が、容易に且つ適切に設計されて、生産性の向上が有利に図られ得るばかりでなく、製造コストの低減が、極めて効果的に達成され得ることとなるのである。
【0015】
また、本発明に従う車両用衝撃吸収構造体においては、衝撃吸収部材とスペーサ部材とが、組付手段にて、互いに組み付けられるようになっているため、内装部品やボデー構成部品に対して、衝撃吸収部材とスペーサ部材のうちの何れか一方を取り付けるための構造を設けるだけで、衝撃吸収構造体の全体を、設置スペース内に固定的に取り付けることが出来、それによって、例えば、内装部品やボデー構成部品に対して、衝撃吸収部材とスペーサ部材の両方を取り付けるための構造を設ける場合に比して、衝撃吸収構造体の設置スペース内への設置構造や設置作業の簡略化が、効果的に図られ得るといった利点も、得られるのである。
【0016】
なお、このような本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の好ましい態様の一つによれば、前記衝撃吸収部材が、前記設置スペース内において、前記外部からの衝撃の入力方向に延びるように立設せしめられ、該衝撃の入力により変形せしめられることによって、該衝撃を吸収する側壁を備えた筒状部を有する樹脂成形体にて構成される。
【0017】
かかる構成を有する車両用衝撃吸収構造体においては、衝撃が入力せしめられた際に、その衝撃荷重が、衝撃吸収部材を構成する樹脂成形体の筒状部における側壁に対して、その高さ方向の圧縮荷重として作用されて、側壁が高さ方向において座屈変形せしめられることとなる。それ故に、例えば、合成樹脂材料製の平板状のリブの複数が格子状に組み合わされてなる、所謂樹脂リブ構造体等にて衝撃吸収部材を構成する場合とは異なって、側壁が高さ方向に重なり合うことが可及的に解消され、それによって、側壁の高さが低くされて、衝撃ストロークが小さくされる場合にあっても、衝撃が効率的に吸収され得るのである。
【0018】
従って、上述の如き構造を有する衝撃吸収構造体にあっては、様々な大きさの設置スペース内の何れに対しても、内装部品やボデー構成部品との間に隙間を形成しつつ配置可能な小さな形状とされた樹脂成形体において、外部から入力される衝撃が、予め設定された量以上に、確実に吸収され得るのであり、その結果として、十分な衝撃吸収性能が、安定して発揮され得ることとなるのである。なお、ここで言う衝撃の入力方向とは、衝撃が入力せしめられる方向に一致した方向とその方向に近い方向とを含む。以下、同一の意味において使用する。
【0019】
また、本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の別の有利な態様の一つによれば、前記衝撃吸収部材が、前記樹脂成形体の複数を、互いに所定の間隔をおいて、それぞれの側壁を対向させつつ隣り合って位置せしめると共に、それら互いに隣り合うもの同士を連結体にて相互に連結して一体化せしめることにより構成され、更に、該連結体が、互いに隣り合う該複数の樹脂成形体の間に延びるように配設された、可撓性を有する合成樹脂材料からなる第一の連結部材と第二の連結部材にて構成されると共に、該第一の連結部材が、該複数の樹脂成形体における前記側壁の延出方向には容易に撓み変形するものの、該側壁の延出方向に対して直角な方向への撓み変形が困難となる形状をもって構成される一方、該第二の連結部材が、該側壁の延出方向に対して直角な方向には容易に撓み変形するものの、該側壁の延出方向への撓み変形が困難となる形状をもって構成されることとなる。
【0020】
このような構成を有する車両用衝撃吸収構造体においては、大きさだけでなく、形状の種々異なる設置スペースに対しても、衝撃吸収部材における第一及び第二の連結部を撓み変形させることにより、複数の樹脂成形体が、設置スペース内において衝撃を有効に吸収し得る箇所に、それぞれ容易に且つ確実に位置せしめられ得るのである。また、第一の連結部と第二の連結部の形状を種々変更することによって、それら第一及び第二の連結部からなる連結体全体の、各樹脂成形体における側壁の延出方向とそれに直角な方向への撓み変形の許容量が、第一及び第二の連結部の形状の変更量に応じて、確実に調節され得るのであり、それ故に、例えば、単に、第一の連結部と第二の連結部を構成する合成樹脂材料の種類を種々変更するだけで、連結体全体の撓み変形の許容量を調節する場合とは異なって、必要とされる適度な柔軟性を維持しつつ、適度な剛性が、容易に且つ正確に得られるのである。
【0021】
従って、上述の如き構成を有する車両用衝撃吸収構造体にあっては、様々な大きさや形状の設置スペースに対して、隙間を形成しつつ設置されるコンパクトな構造が、十分な衝撃吸収性能をもって、より有利に実現せしめられ得るのであり、その結果として、生産性の向上や生産コストの低減が、更に一層効果的に図られ得ることとなるのである。
【0022】
さらに、本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の望ましい他の態様の一つによれば、前記スペーサ部材が、前記外部から入力される衝撃によって容易に変形せしめられ得るように構成される。これによって、外部から衝撃が入力せしめられた際に、かかる衝撃が、スペーサ部材に邪魔されることなく、衝撃吸収部材によって、より確実に且つ十分に吸収され得ることとなるのである。
【0023】
また、本発明に従う車両用衝撃吸収構造体の更に別の有利な態様の一つによれば、前記組付手段が、前記衝撃吸収部材と前記スペーサ部材の少なくとも何れか一方に対して、前記外部からの衝撃の入力方向に延びるように設けられた凹溝と、それらの少なくとも何れか他方に対して、該凹溝内に嵌入せしめられることにより、該衝撃吸収部材と該スペーサ部材とを互いに組み付けるように形成された凸部とにて構成されると共に、それら凹溝と凸部とに対して、該凸部の該凹溝内への嵌入状態下で、該凹溝の延出方向に直角な方向において互いに係合する係合面がそれぞれ形成されて、該衝撃吸収部材と該スペーサ部材との組付状態下で、それらのうちの何れか一方が、何れか他方に対して、該衝撃の入力方向に移動せしめられることにより、該衝撃吸収部材と該スペーサ部材との組付状態が解消され得るものの、該何れか一方が、該何れか他方に対して、該衝撃の入力方向に直角な方向に移動せしめられる際には、それら衝撃吸収部材とスペーサ部材との組付状態の解消が阻止されるように構成される。
【0024】
このような構成を有する車両用衝撃吸収構造体においては、外部から衝撃が入力せしめられた際に、衝撃吸収部材とスペーサ部材とに対して、それらを、衝撃入力方向に直角な方向に引き離すような作用力が加えられることがあっても、それら衝撃吸収部材とスペーサ部材との組付状態が解消されることが有利に防止され得るのであり、それによって、例えば、衝撃吸収部材が、衝撃により変形せしめられる際に、内装部品やボデー構成部品との間の隙間等に移動せしめられることなく、所定の位置に止まって、確実に変形せしめられ得、以て、より十分な衝撃吸収性能が、更に一層効果的に発揮され得ることとなるのである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明に係る車両用衝撃吸収構造体の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
【0026】
先ず、図1及び図2には、本発明に従う構造を有する車両用衝撃吸収構造体の一例として、自動車の内装部品の一種たる天井内張と、その車室側とは反対側(裏側)において、天井内張と対向位置せしめられるボデー構成部品の一つであるルーフパネルとの間の設置スペース内に配置される衝撃吸収構造体が、その斜視形態と横断面形態とにおいて、それぞれ概略的に示されている。それらの図からも明らかなように、衝撃吸収構造体10は、衝撃吸収部材12と複数のスペーサ部材14とを有して、構成されている。
【0027】
より具体的には、この衝撃吸収構造体10を構成する衝撃吸収部材12は、図3及び図4に示される如く、複数(ここでは5個)の樹脂成形体16と、それら複数の樹脂成形体16を連結する複数(ここでは8個)の連結体18とから成っており、それらのうち、樹脂成形体16は、略角筒形状を呈する筒状部20と略正矩形状の天板部22とを更に有して、構成されている。
【0028】
そして、かかる衝撃吸収部材12における樹脂成形体16の筒状部20は、上底が下底よりも所定寸法だけ短い略台形状を呈する薄肉平板からなる四つの側壁24を有し、それらが筒状部20の軸心に向かって漸次接近するように傾斜しつつ、上方に向かって延びるように立設されて、成っている。一方、天板部22も、筒状部20の各側壁24と略同一の肉厚を有する薄肉平板からなり、四つの辺部において、それら各側壁24の上底側の辺縁部に対して、それぞれ一体化されて、構成されている。
【0029】
すなわち、ここでは、樹脂成形体16が、後述する如く、天井内張52と、それに対向位置せしめられたルーフパネル54との間の設置スペース56内に配置された状態下で、衝撃の入力方向(天井内張52とルーフパネル56との対向方向)に延びるように立設せしめられた四つの側壁24を有する筒状部20と、この筒状部20の上部開口部を閉塞する天板部22とからなる一体品として構成されており、全体として、軸直方向に広がる断面が矩形状とされ、且つ先端に向かうに従って、該断面の面積が次第に小さくなる、片側有底の角筒形状をもって形成されている。そして、このような樹脂成形体16の複数が、互いに一定の間隔をおいて、それぞれの側壁24を対向させつつ隣り合って、一列(一直線)に並べられるように独立して配置されているのである。
【0030】
なお、本実施形態では、かくの如き衝撃吸収部材12における樹脂成形体16が、座屈変形し易いオレフィン系樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の合成樹脂材料を用いて構成されている。このように、樹脂成形体16の構成材料として、座屈変形を容易ならしめる材料が用いられ、またそれと共に、上述せる如く、樹脂成形体16が、先端に向かうに従って、軸直方向に広がる断面の面積が小さくなる角筒形状をもって形成されているため、衝撃吸収部材12(衝撃吸収構造体10)に衝撃が加えられた際に、樹脂成形体16の側壁24が高さ方向に重なり合うことが可及的に解消されつつ、樹脂成形体16が、高さ方向に容易に座屈変形せしめられるようになっている。それ故に、かかる樹脂成形体16が、側壁24の高さが低くされて、衝撃ストロークが小さくされる場合にあっても、衝撃が、少なくとも予め設定(設計)された量だけ、効率的に吸収され得るのであり、以て、衝撃吸収部材12において、十分な衝撃吸収性能が確保され得るようになっているのである。
【0031】
また、図2乃至図4から明らかなように、かくの如き構造とされた複数の樹脂成形体16のうちの幾つかのもの(ここでは、5個の樹脂成形体16のうち、両端と中央に位置する3個の樹脂成形体16)には、互いに対応する位置に立設せしめられた側壁24の外面に、それぞれ、二つの凹溝形成突起26が、一体的に設けられており、そして、それら二つの凹溝形成突起26,26と側壁24の外面との間に、凹溝28が、形成されている。
【0032】
この凹溝形成突起26は、側壁24の高さの略半分程度の幅を有する平板が、その長さ方向の中間部で直角に屈曲せしめられてなる如き、全体としてL字形状を呈する薄肉板材にて、構成されている。そして、そのような凹溝形成突起26の二つが、側壁24の外面上における、その高さ方向に対して直角な方向に所定距離を隔てた位置において、L字の内側面同士を互いに対向させた状態で、側壁24に対して、それから側方に向かって一体的に延び出すように立設せしめられており、それによって、それら二つの凹溝形成突起26,26と側壁24の外面との間に、側壁24の外面と、二つの凹溝形成突起26,26のそれぞれにおけるL字の内側面とにて囲まれてなる凹溝28が、側壁24の高さ方向に延びるように、形成されているのである。
【0033】
また、かくして側壁24の外面に一体形成された二つの凹溝形成突起26,26においては、L字状に屈曲せしめられた先端部同士の間に、凹溝28を側方に開口せしめる間隙30が、形成されており、更に、そのような間隙30を形成する先端部分の内側面(側壁24の外面との対向面)が、それぞれ、後述するスペーサ部材14のT形突起44の第二係合面50と係合する第一係合面32とされている。
【0034】
一方、そのような樹脂成形体16同士を連結する連結体18は、樹脂成形体16を与える樹脂材料と同一の、適度な可撓性を有するオレフィン系樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の合成樹脂材料にて構成されており、これによって、容易に撓み変形せしめられ得るようになっている。
【0035】
そして、かかる連結体18が、互いに隣り合う樹脂成形体16の間において、一方の樹脂成形体16における側壁24の基部の幅方向両端から、それぞれ一つずつ、該側壁24に対向する、他方の樹脂成形体16の側壁24に向かって真っ直ぐに、且つ互いに平行に延び出して位置せしめられて、その両端において、それら隣り合う樹脂成形体16の対向する側壁24、24に対して、それぞれ一体化せしめられている。
【0036】
これによって、上述の如く一列に並べられて配置された複数の樹脂成形体16の互いに隣り合うもの同士が一体的に連結せしめられ、以て、衝撃吸収部材12が、それら複数の樹脂成形体16と複数の連結体18とからなる一体品として、構成されているのである。
【0037】
また、ここでは、連結体18が、樹脂成形体16の高さ方向、つまり、樹脂成形12の側壁24の延出方向に延びる、第一の連結部材としての薄肉平板状の縦壁部34と、この縦壁部34の下端縁から、樹脂成形体16の幅方向、つまり樹脂成形体16の側壁24の延出方向に対して直角な方向に向かって一体的に延び出す、第二の連結部としての薄肉平板状の横壁部36とを有して成っている。
【0038】
換言すれば、連結体18が、樹脂成形体16の側壁24の延出方向に切断した断面においてL字形状を呈するように、平板状の縦壁部34と横壁部36とが一体化された板材にて構成されており(図7参照)、その縦壁部34が、板厚方向を、樹脂成形体16の幅方向(樹脂成形体16の側壁24の延出方向に対して直角な方向)に対応させ、且つ板幅方向を、樹脂成形体16の高さ方向(樹脂成形体16の側壁24の延出方向)に対応させて位置せしめられている一方、横壁部36が、板厚方向を、樹脂成形体16の高さ方向(樹脂成形体16の側壁24の延出方向)に対応させ、且つ板幅方向を、樹脂成形体16の幅方向(樹脂成形体16の側壁24の延出方向に対して直角な方向)に対応させて位置せしめられているのである。なお、図4中、38は、衝撃吸収部材12をルーフパネル54に固定するためのビスが挿通せしめられるビス孔である。
【0039】
これによって、かかる連結体18にあっては、縦壁部34が、樹脂成形体16の側壁24の延出方向に対して直角な方向には容易に撓み変形せしめられるものの、該側壁24の延出方向への撓み変形が困難となっている一方、横壁部36が、樹脂成形体16の側壁24の延出方向には容易に撓み変形せしめられるものの、該側壁24の延出方向に対して直角な方向への撓み変形が困難となっている。それ故、このような連結体18を有する衝撃吸収部材12では、それら縦壁部34や横壁部36のそれぞれの厚さや幅を種々変更することによって、連結体18全体における側壁24の延出方向とそれに直角な方向への撓み変形の許容量、換言すれば、連結体18の柔軟性と剛性とが、容易に且つ正確に調節され得るようになっているのである。
【0040】
かくして、本実施形態においては、複数の樹脂成形体16が上述の如き連結体18の複数にて連結されてなる衝撃吸収部材12に対して、容易に撓み変形可能な適度な柔軟性と、天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56への設置状態下で、外部からの衝撃の入力時に、設置位置から安易に変位しない程度の剛性が、有利に付与され得るように、構成されているのである。
【0041】
そして、ここでは、そのような連結体18にて連結された樹脂成形体16の高さに相当する衝撃吸収部材12の高さ:hが、天井内張52とルーフパネル54との間における衝撃吸収構造体10の設置スペース56の高さよりも僅かに小さな寸法とされていると共に、樹脂成形体16の幅に相当する衝撃吸収部材12の幅:wが、設置スペース56の幅よりも所定量だけ小さな寸法とされ、更に、複数の樹脂成形体16の総長さと複数の連結体18の総長さとの合計値に相当する衝撃吸収部材12の長さ:tも、設置スペース56の長さよりも所定量だけ小さな寸法とされている。
【0042】
これによって、衝撃吸収部材12の全体形状のコンパクト化が図られ、以て、衝撃吸収部材12が、天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56よりも小さな形状とされて、かかる設置スペース56内に、天井内張52やルーフパネル54との間に所定の隙間58を形成せしめつつ、配置され得るようになっているのである(図7参照)。
【0043】
そして、かくの如き構造とされた衝撃吸収部材12を有する本実施形態の衝撃吸収構造体10にあっては、従来品には見られないスペーサ部材14を更に有して、構成されているのである。
【0044】
すなわち、スペーサ部材14は、図5及び図6から明らかな如く、矩形の底壁部40と、かかる底壁部40の隣り合う三つの辺部から、互いに隣接せしめられた状態で、それぞれ上方に向かって延出せしめられた三つの隣接壁部42a〜cとを有している。換言すれば、スペーサ部材14は、三つの隣接壁部42a〜cにて三方が囲まれてなる有底の筐体にて、構成されている。また、このスペーサ部材14も、衝撃吸収部材12の樹脂成形体16や連結体18の形成材料と同じ合成樹脂材料にて構成されており、それによって、天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56内への設置状態下で、外部から入力される衝撃にて、容易に圧縮変形され得るようになっている。
【0045】
そして、ここでは、特に、かかる筐体からなるスペーサ部材14の三つの隣接壁部42のうち、互いに対向する二つの隣接壁部42a,42bが、衝撃吸収部材12を天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56内に配置せしめた際に、衝撃吸収部材12の幅方向の一方側において、各樹脂成形体16と天井内張52やルーフパネル54との間に形成される隙間58の縦断面に略対応した形状を有しており(図7参照)、また、それら二つの隣接壁部42a,42bの間に位置するもう一つの隣接壁部42cが、衝撃吸収部材12における樹脂成形体16の側壁24よりも一周り大きな矩形形状を有して(図1参照)、構成されている。これによって、スペーサ部材14が、設置スペース56内に配置された衝撃吸収部材12の幅方向一方側に形成される隙間58における、樹脂成形体16の隣りの空隙部分を満たし得る形状とされているのである。
【0046】
また、このようなスペーサ部材14においては、樹脂成形体16の側壁24よりも一周り大きな矩形形状を有する隣接壁部24cの外面に、横断面T字形状を呈する、凸部としてのT形突起44が、一体的に形成されている。
【0047】
このT形突起44は、隣接壁部24cの高さの略半分程度の幅をもって、その外面から、かかる高さ方向に直角な方向に向かって一体的に延び出す支持部46と、そのような支持部46の先端の両側面から隣接壁部24cに平行に延び出す係合部48とにて構成されている。そして、かかるT形突起44の係合部48が、前記樹脂成形体16における側壁24の外面と二つの凹溝形成突起26,26とにて、側壁24の高さ方向に延びるように形成された凹溝28内に挿通可能な大きさとされており、また、そのような係合部48の隣接壁部42cとの対向面が、二つの凹溝形成突起26,26のそれぞれにおける第一係合面32,32に対して、凹溝28の延出方向に対して直角な方向において係合する第二係合面50とされている。更に、T形突起44の支持部46は、それら二つの凹溝形成突起26,26のそれぞれの先端部の間に形成される前記間隙30に挿入可能な大きさとされている。
【0048】
そして、図1及び図2に示されるように、かかるスペーサ部材14の複数(ここでは3個)のもののそれぞれにおけるT形突起44の係合部48と支持部46とが、衝撃吸収部材12の複数(ここでは3個)樹脂成形体16のそれぞれにおける側壁24の外面と二つの凹溝形成突起26,26とにて形成された凹溝28内と間隙30内とに、挿入されて、嵌合せしめられることにより、衝撃吸収部材12と各スペーサ部材14とが一体的に組み付けられ、以て、天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56内に配置可能な衝撃吸収構造体10が、構成されるようになっているのである。
【0049】
なお、ここでは、スペーサ部材14のT形突起44を、衝撃吸収部材12における樹脂成形体16の凹溝28内と間隙30内とに、上から滑り込ませるようにして、挿入することによって、スペーサ部材14と衝撃吸収部材12とが一体的に組み付けられるようになっているところから、そのような組付状態から、スペーサ部材14を、衝撃吸収部材12に対して引き上げることによって、スペーサ部材14のT形突起44が樹脂成形体16の凹溝28や間隙30から離脱せしめられ、以て、それらスペーサ部材14と衝撃吸収部材12との組付状態が、容易に解消され得るようになっているのである。
【0050】
また、そのようなスペーサ部材14と衝撃吸収部材12との組付状態では、樹脂成形体16における各凹溝形成突起26の第一係合面32と、スペーサ部材14におけるT形突起44の第二係合面50とが、凹溝28の延出方向と直角な方向に係合せしめられることとなるため、それらスペーサ部材14と衝撃吸収部材12との間に、それらを、それぞれの高さ方向と直角な方向に引き離すような作用力が加えられても、スペーサ部材14と衝撃吸収部材12との組付状態が解消されることが阻止されるようになっているのである。これらのことから明らかなように、ここでは、衝撃吸収部材12の凹溝形成突起26とスペーサ部材14のT形突起44とにて、組付手段が構成されているのである。
【0051】
而して、かくの如き構造とされた衝撃吸収部材12と複数のスペーサ部材14とを有する本実施形態の衝撃吸収構造体10にあっては、例えば、図7に示されるようにして、天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56内に、設置されることとなる。
【0052】
すなわち、天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56内において、衝撃吸収部材12における複数の樹脂成形体16が、ルーフパネル54の天井内張52との対向面上に載置されると共に、それら複数の樹脂成形体16の幾つかのものに組み付けられた複数のスペーサ部材14が、衝撃吸収部材12と天井内張52やルーフパネル54との間の隙間58内に配置される。
【0053】
かくして、複数の樹脂成形体16における筒状部20の各側壁24が、ルーフパネル54から天井内張52に向かって延びるように立設せしめられる一方、天板部22が天井内張52のルーフパネル54との対向面に接触乃至は対向位置せしめられ、また、それと共に、複数のスペーサ部材14が、衝撃吸収部材12と天井内張52やルーフパネル54との間の隙間58において、幾つかの樹脂成形体16の隣りに位置する空隙部分を満たすようにして位置された状態下において、衝撃吸収構造体10の全体が、天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56内に配置されるのである。
【0054】
そして、かかる配置下で、連結体18の前記横壁部36に設けられたビス孔38に挿通されたビス60が、ルーフパネル54にねじ止めされることにより、衝撃吸収構造体10が、天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56内に、複数の樹脂成形体16における筒状部20の各側壁24の延出方向と衝撃の入力方向とが同一となるようにして、位置固定に取り付けられるのである。
【0055】
このように、本実施形態の衝撃吸収構造体10にあっては、設置スペース56内への設置下において、外部からの入力される衝撃を確実に吸収する衝撃吸収部材12と、かかる衝撃吸収部材12を設置スペース56内に配置せしめた際に形成される隙間58の一部に対応した形状を有するスペーサ部材14とを有して構成され、そして、それら衝撃吸収部材12とスペーサ部材14とが互いに一体的に組み付けられた状態下において、設置スペース56内に、衝撃吸収部材12が、天井内張52やルーフパネル54との間に隙間58を形成しつつ配置される一方、そのような隙間58の一部が満たされるように、スペーサ部材14が配置されて、衝撃吸収構造体10の全体が、設置スペース56内に設置されるようになっているのである。
【0056】
それ故、かかる衝撃吸収構造体10にあっては、その設計工程において、設置スペース56内に設置せしめた際に、全体として、十分な衝撃吸収性能が発揮されるか否かを確認する作業を行なう必要が、有利に皆無ならしめられ得るのであり、また、設置スペース56内への設置状態下において、車両の走行時における振動等に起因するガタツキ等により、衝撃吸収部材12が天井内張52やルーフパネル54と接触して、異音が生ずるようなことや、天井内張52を押圧した際等に、それが容易に凹んでしまって、粗末な印象を与えるようなことが、効果的に防止され得るのである。
【0057】
また、本実施形態の衝撃吸収構造体10においては、上述の如く、合成樹脂製の衝撃吸収部材12とスペーサ部材14とが、互いに組み付けられてなる構造とされているため、例えば、設置スペース56に対応した形状を有する、合成樹脂材料からなる一体成形品にて構成された従来品よりも小さな衝撃吸収部材12とスペーサ部材14とを、かかる従来品を成形するために用いられる金型よりも小さく、従って製作コストの低い金型を用いて、別々に成形することが可能となっているのである。
【0058】
しかも、かかる衝撃吸収部材10では、衝撃吸収部材12が、側壁24の高さが低くされて、衝撃ストロークが小さくされても、衝撃が効率的に吸収され得る樹脂成形体16を有して構成されているため、例えば、天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56とは大きさの異なる設置スペースに設置される場合にあっても、同一種類の衝撃吸収部材12を汎用的に利用することが可能となって、衝撃吸収部材12の成形金型を使い回しすることが出来、これによっても、金型の製作コストの低減が、有利に図られ得るのである。
【0059】
従って、かくの如き本実施形態の衝撃吸収構造体10にあっては、天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56は勿論、そのような設置スペース56とは形状や大きさの異なる設置スペースに対して設置される場合にも、それらの設置スペース56に対応した形状を有する一体成形品とした場合に得られる利点を有利に確保しつつ、より十分な衝撃吸収性能を発揮し得る構造が、容易に且つ適切に設計されて、生産性の向上が有利に図られ得るのであり、その上、製造コストの低減が、極めて効果的に達成され得ることとなるのである。
【0060】
また、本実施形態に係る衝撃吸収構造体10においては、ルーフパネル54にビス60にて固定される衝撃吸収部材12に対して、スペーサ部材14が、一体的に組み付けられるようになっているため、スペーサ部材14を設置スペース56内に固定するための構造が、有利に省略され得ているのであり、それによって、衝撃吸収構造体10の設置スペース56内への設置構造、更にはその設置作業の簡略化が、効果的に図られ得るのである。
【0061】
さらに、かかる衝撃吸収構造体10においては、衝撃吸収部材12における複数の樹脂成形体16を連結する複数の連結体18の柔軟性と剛性とが、容易に且つ正確に調節され得るようになっていることによって、衝撃吸収部材12に対して、容易に撓み変形可能な適度な柔軟性と、天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56への設置状態下で、外部からの衝撃の入力時に、設置位置から安易に変位しない程度の剛性が有利に付与され得るようになっているところから、様々な大きさや形状の設置スペース56に対して、隙間58を形成しつつ設置されるコンパクトな構造が、十分な衝撃吸収性能をもって、より有利に実現せしめられ得るのであり、その結果として、生産性の向上や生産コストの低減が、更に一層効果的に図られ得ることとなるのである。
【0062】
更にまた、本実施形態の衝撃吸収構造体10にあっては、衝撃吸収部材12に対して一体的に組み付けられるスペーサ部材14が、設置スペース56内への設置状態下で、外部から入力される衝撃によって容易に圧縮変形せしめられ得るようになっているため、かかる衝撃が、スペーサ部材14に邪魔されることなく、衝撃吸収部材12によって、より確実に且つ十分に吸収され得るのである。
【0063】
また、かかる衝撃吸収部材10においては、スペーサ部材14に一体形成されたT形突起44が、衝撃吸収部材12の樹脂成形体16のそれぞれにおける側壁24の外面と二つの凹溝形成突起26,26とにて形成された凹溝28内と間隙30内とに嵌入されることにより、スペーサ部材14が衝撃吸収部材12に対して一体的に組み付けられ、また、そのような組付状態下で、樹脂成形体16の各凹溝形成突起26における第一係合面32と、スペーサ部材14におけるT形突起44の第二係合面50とが、互いに係合せしめられるようになっており、それによって、スペーサ部材14と衝撃吸収部材12との間に、それらを、それぞれの高さ方向と直角な方向に引き離すような作用力が加えられても、スペーサ部材14と衝撃吸収部材12との組付状態が解消されることが阻止されるようになっているところから、例えば、衝撃吸収構造体10が設置スペース56内に設置された状態下で、衝撃吸収部材12が、衝撃により変形せしめられる際に、天井内張52やルーフパネル54との間の隙間58等に移動せしめられることなく、所定の位置に止まって、確実に変形せしめられ得るのであり、その結果として、より十分な衝撃吸収性能が、更に一層効果的に発揮され得ることとなるのである。
【0064】
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないものであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
【0065】
例えば、前記実施形態では、衝撃吸収部材12が、衝撃の入力方向に延びるように立設せしめられ、衝撃の入力により変形せしめられることによって、その衝撃を吸収する側壁24を備えた筒状部20を有する樹脂成形体16の複数が、複数の連結体18にて連結されて構成されていたが、かかる樹脂成形体16の一つのみにて、衝撃吸収部材12を構成することも可能であり、また、複数の樹脂成形体16を連結体18にて連結する場合にあっても、かかる連結体18の構造は、例示のものに、何等限定されるものではないのである。
【0066】
また、衝撃吸収部材12は、互いに異なる大きさとされる設置スペースのどれよりも小さな形状を有し、それら何れの設置スペース内においても、車両用内装部品やボデー構成部品との間に隙間を形成せしめつつ配置されて、外部から入力される衝撃により変形せしめられることによって、衝撃を、少なくとも予め設定された量だけ吸収せしめ得るように構成されるものであれば、その構造が、特に限定されるものではなく、例えば、例示の樹脂成形体16に代えて、公知の樹脂リブ構造体や、合成樹脂材料以外の材料にて構成された、衝撃吸収を行なうための公知の各種の部材等が、適宜に採用されることとなる。
【0067】
なお、衝撃吸収部材12を、筒状部20を有する樹脂成形体16にて構成する場合にあっても、樹脂成形体16の全体形状が、前記実施形態に示されるものに、決して限定されるものではなく、例えば、筒状部20を、三つ若しくは五つ以上の平板状の側壁24を有する角筒形状において構成したり、或いは円筒状やテーパ筒状の側壁24を有する形状において構成することも可能である。
【0068】
さらに、スペーサ部材14の形状や大きさも、設置スペース56内において、衝撃吸収部材12と車両用内装部品としての天井内張52やボデー構成部品としてのルーフパネル54との間に形成される隙間58の形状や大きさに応じて、種々変更され得るものである。従って、衝撃吸収部材12における樹脂成形体16の側壁24と天井内張52やルーフパネル54との間だけでなく、天板部22と天井内張52やルーフパネル54との間にも隙間58が形成される場合には、例えば、図8に示されるように、互いに対向する二つの隣接壁部42a,42bのそれぞれの上端部に対して、衝撃吸収部材12における樹脂成形体16の天板部22上に延び出す延出部62を設け、また、この延出部62を、天板部22と天井内張52やルーフパネル54との間の隙間の断面形状に対応した形状を有するように構成しても良いのである。
【0069】
更にまた、前記実施形態では、スペーサ部材14が、衝撃吸収部材12と天井内張52やルーフパネル54との間の隙間58の一部を満たし得る形状とされて、そのようなスペーサ部材14が、衝撃吸収部材12の樹脂成形体16の一つ一つに対して、それぞれ一つずつ、一体的に組付けられていたが、例えば、図9に示されるように、スペーサ部材14を、衝撃吸収部材12と天井内張52やルーフパネル54との間の隙間58の全部を満たし得る形状と為し、そして、そのようなスペーサ部材14を、衝撃吸収部材12の樹脂成形体16の複数のものに対して、一体的に組み付けるように為すことも、可能である。
【0070】
また、そのようなスペーサ部材14を、前記実施形態に例示される、底壁部40と三つの隣接壁部42a〜cからなる筐体とは異なる形態、例えば、ブロック形態等の構造において構成しても、何等差し支えないのであり、更に、かかるスペーサ部材14の材質も、決して限定されるものではない。
【0071】
更にまた、組付手段の構造も、前記実施形態に示されるものに、特に限定されるものでないことは、勿論であり、例えば、かかる組付手段を、衝撃吸収部材12やスペーサ部材14とは独立した部材にて構成しても良いのである。
【0072】
また、前記実施形態では、平板状の第一の連結部材としての縦壁部34と第二の連結部材としての横壁部36とが断面L字形状を呈するように一体化されて、連結体18が構成されていたが、それら縦壁部34と横壁部36とを、互いに独立した別部材にて形成して、連結体18を、それら別部材からなる縦壁部34と横壁部36とにて構成することも、可能である。
【0073】
また、そのように別部材からなる縦壁部34と横壁部36とにて連結体18構成する場合と、前記実施形態に例示されるように一体化された縦壁部34と横壁部36とにて連結体18構成する場合の何れにしても、縦壁部34と横壁部36の配設位置や配設個数等は、何等限定されるものではなく、それらは、衝撃吸収構造体10に要求される剛性等によって適宜に決定されることとなる。
【0074】
さらに、前記実施形態では、連結体を構成する第一の連結部材と第二の連結部材が、それぞれ平板形状を呈する横壁部36と縦壁部34にて構成されていたが、第一の連結部材は、複数の樹脂成形体における側壁の延出方向には容易に撓み変形するものの、該側壁の延出方向に対して直角な方向への撓み変形が困難となる形状を有するもので、また、第二の連結部材は、該側壁の延出方向に対して直角な方向には容易に撓み変形するものの、該側壁の延出方向への撓み変形が困難となる形状を有するものであれば、如何なる構造を有するものであっても良いのである。
【0075】
加えて、前記実施形態では、本発明を、自動車の天井内張52とルーフパネル54との間の設置スペース56に設置される衝撃吸収構造体に適用したものの具体例を示したが、本発明は、天井内張以外の自動車用内装部品と、その車室側とは反対側に位置するボデー構成部品との間の設置スペースに設置される衝撃吸収構造体、或いは自動車以外の車両に設置される衝撃吸収構造体の何れに対しても、有利に適用されるものであることは、言うまでもないところである。
【0076】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
【0077】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明に従う車両用衝撃吸収構造体にあっては、設置スペースの形状に拘わらず、それに対応した形状とされた場合に得られる利点を有利に確保しつつ、より十分な衝撃吸収性能を発揮し得る構造が、容易に且つ適切に設計されて、生産性の向上が有利に図られ得るばかりでなく、製造コストの低減が、極めて効果的に達成され得ることとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造を有する車両用衝撃吸収構造体の一例を示す斜視説明図である。
【図2】図1におけるII−II断面説明図である。
【図3】図1に示された車両用衝撃吸収構造体を構成する衝撃吸収部材の正面説明図である。
【図4】図3に示された衝撃吸収部材の平面説明図である。
【図5】図1に示された車両用衝撃吸収構造体を構成するスペーサ部材の平面拡大説明図である。
【図6】図5に示されたスペーサ部材の左側面拡大説明図である。
【図7】図1に示された車両用衝撃吸収構造体を自動車の天井内張とルーフパネルとの間の設置スペースに設置した状態を示す説明図である。
【図8】本発明に従う構造を有する車両用衝撃吸収構造体の別の例を示す図1に対応する図である。
【図9】本発明に従う構造を有する車両用衝撃吸収構造体の更に別の例を示す図1に対応する図である。
【符号の説明】
10 衝撃吸収構造体 12 衝撃吸収部材
14 スペーサ部材 16 樹脂成形体
18 連結体 20 筒状部
24 側壁 26 凹溝形成突起
28 凹溝 32 第一係合面
34 縦壁部 36 横壁部
44 T形突起 50 第二係合面
52 天井内張 54 ルーフパネル
56 設置スペース 58 隙間

Claims (5)

  1. 車両用内装部品と車両のボデー構成部品との間の設置スペース内に配設される車両用衝撃吸収構造体であって、
    前記車両用内装部品と前記ボデー構成部品のそれぞれの種類に応じて、互いに異なる大きさとされる前記設置スペースのどれよりも小さな形状を有し、それら何れの設置スペース内においても、該車両用内装部品やボデー構成部品との間に隙間を形成せしめつつ配置されて、外部から入力される衝撃により変形せしめられることによって、該衝撃を、少なくとも予め設定された量だけ吸収せしめる衝撃吸収部材と、
    該衝撃吸収部材が、前記設置スペース内に配置された際に形成される前記隙間の少なくとも一部に対応した形状を有し、前記車両用内装部品やボデー構成部品と該衝撃吸収部材との間に、該隙間を満たすように配置されるスペーサ部材と、該スペーサ部材と前記衝撃吸収部材とを着脱可能に組み付ける組付手段とを、含んで構成されていることを特徴とする車両用衝撃吸収構造体。
  2. 前記衝撃吸収部材が、前記設置スペース内において、前記外部からの衝撃の入力方向に延びるように立設せしめられ、該衝撃の入力により変形せしめられることによって、該衝撃を吸収する側壁を備えた筒状部を有する樹脂成形体にて構成されている請求項1に記載の車両用衝撃吸収構造体。
  3. 前記衝撃吸収部材が、前記樹脂成形体の複数を、互いに所定の間隔をおいて、それぞれの側壁を対向させつつ隣り合って位置せしめると共に、それら互いに隣り合うもの同士を連結体にて相互に連結して一体化せしめることにより構成され、更に、該連結体が、互いに隣り合う該複数の樹脂成形体の間に延びるように配設された、可撓性を有する合成樹脂材料からなる第一の連結部材と第二の連結部材にて構成されると共に、該第一の連結部材が、該複数の樹脂成形体における前記側壁の延出方向には容易に撓み変形するものの、該側壁の延出方向に対して直角な方向への撓み変形が困難となる形状をもって構成される一方、該第二の連結部材が、該側壁の延出方向に対して直角な方向には容易に撓み変形するものの、該側壁の延出方向への撓み変形が困難となる形状をもって構成されている請求項2に記載の車両用衝撃吸収構造体。
  4. 前記スペーサ部材が、前記外部から入力される衝撃によって容易に変形せしめられ得るようになっている請求項1乃至請求項3の何れかに記載の車両用衝撃吸収構造体。
  5. 前記組付手段が、前記衝撃吸収部材と前記スペーサ部材の少なくとも何れか一方に対して、前記外部からの衝撃の入力方向に延びるように設けられた凹溝と、それらの少なくとも何れか他方に対して、該凹溝内に嵌入せしめられることにより、該衝撃吸収部材と該スペーサ部材とを互いに組み付けるように形成された凸部とにて構成されると共に、それら凹溝と凸部とに対して、該凸部の該凹溝内への嵌入状態下で、該凹溝の延出方向に直角な方向において互いに係合する係合面がそれぞれ形成されて、該衝撃吸収部材と該スペーサ部材との組付状態下で、それらのうちの何れか一方が、何れか他方に対して、該衝撃の入力方向に移動せしめられることにより、該衝撃吸収部材と該スペーサ部材との組付状態が解消され得るものの、該何れか一方が、該何れか他方に対して、該衝撃の入力方向に直角な方向に移動せしめられる際には、それら衝撃吸収部材とスペーサ部材との組付状態の解消が阻止されるようになっている請求項1乃至請求項4の何れかに記載の車両用衝撃吸収構造体。
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