JP2004188268A - Water quality monitoring/controlling apparatus and sewage treating system - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、都市下水や産業排水等の下水を処理する下水処理場を制御するための水質監視制御装置、及び当該水質監視制御装置を備えた下水処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、湖沼、湾などの閉鎖性水域で富栄養化が進行しているため、富栄養化の原因物質である有機物や窒素及びリンが、下水処理場から閉鎖性水域へ流出してしまうことを抑制する必要がある。従来の下水処理場では、活性汚泥法と呼ばれるプロセスにより下水から有機物を除去してきたが、上述の背景を鑑みて、有機物だけではなく、窒素やリンをも下水から除去するための高度処理の要求が増大してきている。
【0003】
下水から窒素やリンの除去を行う高度処理プロセスには様々なプロセスがある。その代表例として、図8に示すような凝集剤注入型嫌気―無酸素―好気法(凝集剤注入A2O法)と呼ばれるプロセスが知られている。図8は、下水処理場(下水処理システム)の概略構成を示す図である。図8に示されているプロセスにおいて行われる窒素・リン除去のメカニズムについて説明する。
【0004】
すなわち、好気槽12において、硝化菌は、以下の式(1)(2)に示すように、曝気装置9により供給される酸素を利用して、アンモニア性窒素(NH4−N)を亜硝酸性窒素(NO2−N)と硝酸性窒素(NO3−N)とに酸化する。
【0005】
循環ポンプ14によって好気槽12から無酸素槽11に送り込まれた亜硝酸性窒素(NO2−N)及び硝酸性窒素(NO3−N)は、脱窒細菌が無酸素条件下で有機物を栄養源として硝酸性呼吸あるいは亜硝酸性呼吸をすることにより、窒素ガス(N2)へと還元され、系外に除去されるようになっている。この時、脱窒反応に必要な有機物が脱窒細菌に十分に供給されない場合には、窒素を下水から効果的に除去することができない。
【0006】
この有機物を脱窒細菌に補填するための方法として、例えば、初沈バイパス弁23を開くと共に弁24を閉じることによって最初沈殿池をバイパスして有機物を確保する方法、炭素源貯留槽21に蓄えられているメタノール、エタノール、酢酸、廃酢酸、グルコースなどの炭素源を嫌気槽10に注入する方法、最初沈殿池2で発生した引抜汚泥を曝気槽に投入する方法、等が挙げられる
窒素除去反応を化学式で表現すると、硝化反応は、以下の式(1)及び式(2)のように表される。
【0007】
NH4 ++2O2→NO2 −+2H2O 式(1)
NO2 −+1/2O2→NO3 − 式(2)
また、有機物としてメタノールが使われた場合の脱窒反応は、以下の式(3)のように表される。
【0008】
6NO3 −+5CH3OH→3N2+5CO2+7H2O+6OH− 式(3)
また、曝気槽12の前段に配置された嫌気槽10において、活性汚泥中のリン蓄積細菌は、酢酸などの有機酸を体内に蓄積し、リン酸(PO4)を放出する。この過剰に放出されたリン酸態のリンは、嫌気槽10の後段に配置された好気槽12において、リン蓄積細菌のリン過剰摂取作用が利用されて除去され、嫌気槽10で放出された以上のリン酸態のリンが活性汚泥に吸収されることとなる。従って、この反応を進行させるためには、水素供与体として酢酸などの有機酸が必要とされる。雨水流入時には有機酸濃度が薄くなり、リン蓄積菌を利用することができる有機物が減少することから、リンの吐き出し反応が十分に行われなり、後に続くリンの過剰摂取反応も不十分となる。これを補填するためには、窒素除去の場合と同様の手段でリン除去に必要な炭素源を確保してリンを除去し、若しくは、凝集剤貯留槽22に蓄えられているポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、等の凝集剤を下水に注入して、リン酸アルミニウムやリン酸鉄の形でリン成分を沈殿させてリンを除去する必要がある。
【0009】
Al3 ++3PO4 −→Al(PO4)3 式(4)
ところで、従来の下水処理場水質監視制御装置には、図9に示すようなものがある。5はアンモニア性窒素濃度、9は曝気装置、12は好気槽、23は曝気風量コントローラである。図9は、アンモニア性窒素濃度計5の計測値と曝気風量コントローラ23に設定された制御目標値との偏差に基づいて、曝気装置9を調節し、好気槽12内のアンモニア性窒素濃度を一定に保つように構成された装置である。監視装置8にはアンモニア性窒素濃度計5の計測値が表示されるようになっている。
【0010】
また、下水処理場水質監視制御装置は、上記のものの他に色々なタイプのものが存在しており(例えば、特許文献1参照)、用途に応じて適切なタイプの下水処理場水質監視制御装置を選択することができるようになっている。
【0011】
また、下水処理場では、有機物成分として、TOC(総有機炭素濃度)、COD(化学的酸素要求量)、BOD(生物化学的酸素要求量)、等の水質項目が分析される。また、窒素成分として、アンモニア性窒素濃度、硝酸性窒素濃度、亜硝酸性窒素濃度、全窒素濃度、等の水質項目が分析される。また、リン成分として、リン酸性リン濃度、全リン濃度、等の水質項目が分析される。更に、その他、溶存酸素濃度、SS(汚泥濃度)等の水質項目が分析される。これらの水質項目は、下水処理場の水質分析係がサンプリングを行って手分析(週1回程度)により行われるか、若しくは水質センサによって連続的に計測されるか、のどちらかにより管理されている。
【0012】
【特許文献1】
特開平11−244894
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
アンモニア性窒素濃度計、硝酸性窒素濃度計、及び全窒素濃度計などを含む窒素成分濃度計や、リン酸濃度計、及び全リン計などを含むリン成分濃度計、に代表される水質センサを利用して各水質項目を測定する場合、各水質は、mg/Lのオーダすなわちppmのオーダで汚泥をろ過した後に、試薬を用いて比色させてその吸光度を測定し、当該測定値に基づいて対象物質(水質)の濃度が演算等(測定)されることとなる。このようにして、各水質項目をセンサにより測定しようとする場合、試薬劣化や検出部の汚泥付着などにより、計測値異常が生じて適正な計測値を得ることができないことがある。これに対して、上記水質センサと同じ項目の水質成分を手分析によって計測する場合には、分析に手間を要する。一方、下水処理場では、一般的には、水質分析員が週1回〜月1回程度の頻度で各水質項目を測定するのみで、毎日測定するというものではない。このため、計測値の異常に気づくのが遅れてしまい、水質の悪化を未然に防ぐための対策に遅れが生じたり、運転員によって間違った診断がなされたりすることもある。
【0014】
一方、従来の下水処理場水質監視制御装置の例として、図9に示される構成を有し、好気槽12で硝化処理が行われた後のアンモニア性窒素濃度計5による計測値に基づいて、曝気風量コントローラ23内に設定されたアンモニア性窒素濃度が目標値と一致するように、曝気装置9の曝気風量をFB制御によって調節するものがある。しかしながら、このようなFB制御が行われている場合に、アンモニア性窒素濃度計の値が実際の濃度と異なる値を示す時に、例えば、アンモニア性窒素濃度の実濃度は0.8mg/Lであるにも関わらずアンモニア性窒素濃度計計測値が3mg/Lである場合であって、曝気風量コントローラ23内に設定されたアンモニア性窒素濃度目標値が1mg/Lである場合について考えてみる。この場合、実濃度から考えると、曝気風量を削減する方向に制御が行われなければならないにも関わらず、計測値は目標値よりも大きいため、曝気風量を増大する方向に制御が働いてしまうという問題を生じうる。(図10参照)
また、図9のアンモニア性窒素濃度計5が溶存酸素濃度計である場合に、曝気風量コントローラ23内に設定された溶存酸素濃度が目標値と一致するように、好気槽12に設置された溶存酸素濃度計の計測値に基づいて、曝気装置9の曝気風量をFB制御により調節するような装置が用いられる場合にも、上述の問題と同様の問題が生じて、制御が良好に働かないことがある。
【0015】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、水質センサの計測値の異常の有無を迅速に診断することができる水質監視制御装置、及び当該水質監視制御装置を備えた下水処理システムを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下水の浄化を行う生物反応槽を1つ以上有する下水処理システムにおいて処理される下水の所定の対象水質の良否を監視するための水質監視制御装置であって、下水処理システムにおける下水の水質のうち、前記対象水質を計測する制御用水質センサと、下水処理システムにおける下水の水質のうち、前記対象水質と相関関係を有する相関水質を計測する異常診断用水質センサと、前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測値と、前記異常診断用水質センサによる前記相関水質の計測値と、前記対象水質と前記相関水質との相関関係と、を考慮して、前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測に関して異常を有するか否かを診断する異常診断部と、を備えたことを特徴とする水質監視制御装置である。本発明によれば、前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測値と、前記異常診断用水質センサによる前記相関水質の計測値と、前記対象水質と前記相関水質との相関関係と、が考慮されて、前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測に関して異常を有するか否かが診断される。従って、当該異常を有するか否かの診断を、正確に素早く行うことが可能である。
【0017】
また、本発明は、下水の浄化処理を行う1つ以上の生物反応槽と、上記の水質監視制御装置と、を備えたことを特徴とする下水処理システムである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0019】
第1の実施の形態
図1及び図2は、本発明の第1の実施の形態を示す図である。図1は、下水処理場(下水処理システム)の概略構成を示す図である。図2は、対応水質範囲の一例を示す図であって、NH4濃度とORPとの関係が示されている。
【0020】
図1に示されている下水処理場(下水処理システム)は、下水の浄化処理を行う複数の生物反応槽と、処理される下水のアンモニア性窒素濃度(所定の対象水質)の良否を監視するための水質監視制御装置と、を備えている。特に、本実施の形態の下水処理場は、脱窒・脱リンを行う高度処理プロセスの一つである「凝集剤注入型嫌気−無酸素−好気法(凝集剤注入A2O法)」と呼ばれるプロセスが、下水に対して行われるように構成されている。
【0021】
当該下水処理場は、最初沈殿池2と、最初沈殿池2の後段に水配管を介して設置された脱窒・脱リン処理槽40と、脱窒・脱リン処理槽40の後段に水配管を介して設置された最終沈殿池13と、を備えている。
【0022】
最初沈殿池2では、貯留されている下水中の不純物が沈殿させられるようになっている。なお、最初沈殿池2に沈殿した不純物を含む下水(最初沈殿水)は、最初沈殿池2から排出され、後述の汚泥貯留槽20に送られるようになっている。
【0023】
最初沈殿池2と脱窒・脱リン処理槽40とを連結する水配管には、流入流量計30が取り付けられている。流入流量計30は、最初沈殿池2から脱窒・脱リン処理槽40に送られる新たな下水の流量を計測するようになっている。この脱窒・脱リン処理槽40は、後述するように、本発明の制御用水質センサであるアンモニア性窒素濃度計5及び異常診断用水質センサであるORP計4によって対象水質(アンモニア性窒素濃度)及び相関水質(ORP)が計測される好気槽12を有しているため、流入流量計30によって、好気槽12に流入する新たな下水の流入量も計測されうるようになっている。
【0024】
脱窒・脱リン処理槽40は、嫌気槽10と、嫌気槽10の後段に設置された無酸素槽11と、無酸素槽11の後段に設置された好気槽12と、を有している。
【0025】
嫌気槽10は、リン蓄積細菌を含有する活性汚泥を有している。嫌気槽10には、水配管を介して炭素源貯留槽21が接続されており、当該水配管には炭素源注入ポンプ19が取り付けられている。そして、嫌気槽10には、炭素源貯留槽21から水配管を介して炭素源が注入されるようになっており、炭素源注入ポンプ19によって炭素源貯留槽21から嫌気槽10への炭素源の注入量が調整されるようになっている。なお、炭素源貯留槽21に貯留される炭素源は、特に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、酢酸、廃酢酸、グルコース、等を、炭素源として好適に用いることができる。このような嫌気槽10では、活性汚泥中のリン蓄積細菌が、炭素源貯留槽21から注入される炭素源を利用して、下水中の酢酸等の有機酸を体内に蓄積し、リン酸(PO4)を放出するようになっている。このようなリン蓄積細菌の働きによって、下水中からリン成分が除去されるようになっている。
【0026】
無酸素槽11には、循環ポンプ14が取り付けられた水配管の一端部が接続されており、当該水配管の他端部は好気槽12の底部に接続されている。そして、循環ポンプ14によって、好気槽12に貯留されている下水の一部が当該水配管を介して無酸素槽11に返送されるようになっている。この時、無酸素槽11に返送される下水には、亜硝酸性窒素(NO2−N)と、硝酸性窒素(NO3−N)と、が含まれている。また、無酸素槽11には、無酸素条件下で有機物を栄養源とする脱窒細菌が存在する。そして、無酸素槽11では、脱窒細菌が硝酸性呼吸或いは亜硝酸性呼吸することによって、好気槽12から送り込まれる亜硝酸性窒素(NO2−N)及び硝酸性窒素(NO3−N)が窒素ガス(N2)へと還元されるようになっている。還元された窒素ガス(N2)は、系外に向けて排出され、下水処理場から除去されるようになっている。
【0027】
好気槽12には、好気槽12内の下水を曝気するための曝気装置9と、好気槽12内の下水の酸化還元電位(ORP)(相関水質)を計測するORP計4(酸化還元電位計)(異常診断用水質センサ)と、好気槽12内の下水のアンモニア性窒素(対象水質)の濃度を計測するアンモニア性窒素濃度計5(制御用水質センサ)と、好気槽12内の下水の溶存酸素濃度を計測する溶存酸素濃度計6と、が設置されている。アンモニア性窒素濃度計5は、下水のアンモニア性窒素に対して比色反応を示す試薬を利用した有試薬水質センサであって、下水中のアンモニア性窒素と試薬との比色反応を検知することにより、下水のアンモニア性窒素濃度を計測することができるようになっている。一方、ORP計4は、試薬を利用しない無試薬水質センサである。なお、アンモニア性窒素濃度とORPとは、後述される式(1.2)に示されるような相関関係を有している。
【0028】
曝気装置9(水質調整装置)は、好気槽12内の下水に対して曝気することができるように構成された装置であって、当該曝気により下水中のアンモニア性窒素濃度を調整することができるようになっている。曝気装置9には曝気風量コントローラ23が接続されており、曝気装置9は当該曝気風量コントローラ23によって制御され、好気槽12内の下水への曝気風量がコントロールされるようになっている。また、曝気風量コントローラ23には、好気槽12に設置されたアンモニア性窒素濃度計5及び溶存酸素濃度計6が接続されており、アンモニア性窒素濃度計5の計測値及び溶存酸素濃度計6の計測値は、曝気風量コントローラ23に送られるようになっている。
【0029】
曝気風量コントローラ23は、送られてくるアンモニア性窒素濃度計5の計測値及び溶存酸素濃度計6の計測値に基づいて曝気装置9を制御して、曝気装置9から好気槽12内に供給される曝気風量を調整することができるようになっている。具体的には、アンモニア性窒素濃度の目標値が曝気風量コントローラ23において予め設定されており、曝気風量コントローラ23は、アンモニア性窒素濃度計5から送られてくる計測値が、設定されているアンモニア性窒素濃度の目標値に近づくように、曝気装置9から好気槽12に供給する曝気風量の目標値を演算するようになっている。曝気風量の目標値を曝気風量演算式を用いて演算する際に、例えば曝気風量コントローラ23がPIコントローラの場合には、以下の式(1.1)のような形で示される曝気風量演算式が用いられうる。
【0030】
【数1】
Qair(t):時刻tにおける曝気風量目標値(m3/min)、Qair0:曝気風量初期値(m3/min)、Kp:比例ゲイン(m6/g・min)、TI:積分定数(min)、△t:制御周期(min)、e(t):偏差(mg/L)、SVNH4(t):アンモニア性窒素濃度目標値(mg/L)、PV NH4 (t):アンモニア性窒素濃度計の計測値(mg/L)
このような場合、アンモニア性窒素濃度の計測値(PVNH4)がアンモニア性窒素濃度の目標値(SVNH4)よりも大きい場合には、好気槽12における曝気風量が増大するように、曝気風量の目標値が演算されるようになっている。逆に、アンモニア性窒素濃度の計測値(PVNH4)がアンモニア性窒素濃度の目標値(SVNH4)よりも小さい場合には、好気槽12における曝気風量が減少するように、曝気風量目標値が演算されるようになっている。
【0031】
一方、ORP計4、アンモニア性窒素濃度計5、及び溶存酸素濃度計6の各水質センサは、水質センサ異常診断装置7に接続されており、これらの各水質センサの計測値が水質センサ異常診断装置7に送られるようになっている。
【0032】
好気槽12には、水配管を介して凝集剤貯留槽22が接続されており、当該水配管にはPAC注入ポンプ16が取り付けられている。そして、好気槽12には、凝集剤貯留槽22から水配管を介して凝集剤が注入されるようになっており、PAC注入ポンプ16によって好気槽12への凝集剤の注入量が調整されるようになっている。凝集剤貯留槽22から好気槽12に注入される凝集剤は、主として、下水中のリン成分を、リン酸アルミニウムやリン酸鉄の形で沈殿させるのに用いられる。なお、このような凝集剤は特に限定されるものではなく、例えば、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸鉄、等を当該凝集剤として好適に用いることができる。そして、好気槽12では、、硝化菌の働きによって、アンモニア性窒素(NH4−N)が亜硝酸性窒素(NO2−N)と硝酸性窒素(NO3−N)とに酸化される。また、好気槽12では、リン蓄積細菌のリン過剰摂取作用が利用されて、嫌気槽10で放出された以上のリン酸態のリンが、活性汚泥に吸収されるようになっている。これにより、嫌気槽10において過剰放出されたリン酸態のリンが除去されるようになっている。
【0033】
水質センサ異常診断装置7は異常診断部50を有しており、当該異常診断部50は、対応水質範囲算出部51と対応水質範囲照合部52とを有している。当該異常診断部50は、対応水質範囲算出部51及び対応水質範囲照合部52を協働させ、アンモニア性窒素濃度計5(制御用水質センサ)によるアンモニア性窒素濃度(対象水質)の計測値と、ORP計4(異常診断用水質センサ)によるORP(相関水質)の計測値と、アンモニア性窒素濃度とORPとの相関関係と、を考慮して、アンモニア性窒素濃度計5(制御用水質センサ)によるアンモニア性窒素濃度の計測に関して異常を有するか否かを診断するようになっている。
【0034】
対応水質範囲算出部51は、アンモニア性窒素濃度とORPとの相関関係に基づいて、アンモニア性窒素濃度計5によるアンモニア性窒素濃度の計測値に対応する、ORPに関する対応水質範囲を求めるようになっている。この対応水質範囲算出部51が求める対応水質範囲は、ORP計4によるORPの計測値に関する範囲である。
【0035】
対応水質範囲照合部52は、ORP計4によるORPの計測値に基づくデータと、対応水質範囲算出部51の求めた対応水質範囲と、を照合することによって、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有するか否かを診断するようになっている。対応水質範囲照合部52によって対応水質範囲と照合する際に用いられるORP計4によるORPの計測値に基づくデータは、ORP計4によるORPの計測値である。そして、対応水質範囲照合部52は、ORP計4によるORPの計測値が、対応水質範囲算出部51が求めた対応水質範囲から外れているか否かに基づいて、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有するか否かを診断するようになっている。
【0036】
例えば、下水のアンモニア性窒素濃度が目標値に近づくように制御されている場合、ORP計4の計測値は、必ずしも一意の値には定まらないが、所定の範囲(対応水質範囲)内に収まることとなる。このような特性を利用して、異常診断部50は、ORP計4の計測値がこの対応水質範囲外に出た場合には、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有すると診断するようになっている。このようにしてアンモニア性窒素濃度計5の計測に関する異常の有無を診断する際に、異常診断部50が用いる診断式の一例を以下の式(1.2)に示す。
【0037】
【数2】
PVNH4:アンモニア性窒素濃度計の計測値(mgN/L)、ORP:ORP計の計測値(mV)、a NH4:変数(mgN/L)、UNORP:ORP異常診断下限値(mV)、UPORP:ORP異常診断上限値(mV)、F(a NH4)、G(a NH4):アンモニア性窒素計異常診断関数式(1.2)の診断式から導かれるORP計4の計測に関する異常の有無についての診断の上下限は、アンモニア性窒素濃度を用いた関数(F(aNH4)、G(a NH4))で与えられ、当該上下限によってORP計4の計測値の適正な範囲である対応水質範囲が定められるようになっている。そして、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50は、ORP計4の計測値が上記の対応水質範囲から逸脱する場合には、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有するものと診断するようになっている。
【0038】
このような水質センサ異常診断装置7には、監視装置8が接続されており、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50におけるアンモニア性窒素濃度計5の計測に関する異常の有無の診断結果が、水質センサ異常診断装置7から監視装置8に送られるようになっている。
【0039】
監視装置8は、水質センサ異常診断装置7から送られてくる異常診断部50の診断結果を、下水処理場の管理者等に対してガイダンスするようになっている。また、当該監視装置8は、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50がアンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有すると診断した場合には、当該異常に関する警報を行うようになっている。
【0040】
最終沈殿池13は、脱窒・脱リン処理槽40から送られてくる下水を貯留して、当該下水中の不純物を沈殿させるようになっている。なお、最終沈殿池13に沈殿した不純物を含む下水(最終沈殿水)は、最終沈殿池13から後述の汚泥貯留槽20に送られるようになっている。なお、最終沈殿池13の底部と嫌気槽10とは、返送ポンプ15が取り付けられた水配管によって連結されており、返送ポンプ15によって、最終沈殿池13に貯留されている下水の一部が当該水配管を介して嫌気槽10に返送されるようになっている。
【0041】
また、下水処理場は汚泥貯留槽20を有している。汚泥貯留槽20は、初沈引抜ポンプ18が取り付けられた水配管を介して最初沈殿池2に接続されると共に、余剰ポンプ17が取り付けられた水配管を介して最終沈殿池13に接続されている。そして、初沈引抜ポンプ18によって、最初沈殿池2の最初沈殿水が水配管を介して汚泥貯留槽20に送られると共に、余剰ポンプ17によって最終沈殿池13の最終沈殿水が水配管を介して汚泥貯留槽20に送られるようになっている。
【0042】
なお、本発明の水質監視制御装置は、ORP計4と、アンモニア性窒素濃度計5と、水質監視制御装置の異常診断部50と、を含んで構成されている。
【0043】
次に、本実施の形態の下水処理場の作用について説明する。
【0044】
まず、下水が下水処理場において浄化処理される過程について概説する。
【0045】
下水処理場において浄化処理が必要とされる都市下水や産業排水等の下水1は、水配管を介して最初沈殿池2に流入する。最初沈殿池2に流入した下水は最初沈殿池2に所定の時間だけ貯留される。これにより、下水中の不純物が沈降して、最初沈殿池2の下部に当該不純物が沈殿する。そして、最初沈殿池2で貯留されて不純物が沈殿除去された下水の大部分は、水配管を介して、脱窒・脱リン処理槽40を構成する嫌気槽10に送られる。なお、最初沈殿池2の下部の下水であって、沈殿した不純物を含む下水(最初沈殿水)は、最初沈殿池2の下方部に設けられた水配管を介して汚泥貯留槽20に送られ、初沈引抜ポンプ18によって送り量が調整される。
【0046】
最初沈殿池2から嫌気槽10に送られる下水の流量は、水配管に取り付けられた流入流量計30によって計測される。この流入流量計30の計測値に基づいて、管理者等は、嫌気槽10、無酸素槽11、及び好気槽12を含んで構成されている脱窒・脱リン処理槽40に送られる下水の流量を、把握することが可能である。
【0047】
嫌気槽10に送られてきた下水は、嫌気処理が施される。すなわち、下水中の酢酸等の有機酸が、嫌気槽10内の活性汚泥中のリン蓄積細菌によってリン酸(PO4)とされる。これにより、下水からリン成分が除去される。なお、この時、下水から効率良くリン成分を除去することができるように、炭素源貯留槽21から嫌気槽10への炭素源の注入量が、炭素源注入ポンプ19によって調整されている。
【0048】
嫌気槽10において嫌気処理が施された下水は、嫌気槽10から無酸素槽11へ送られる。そして、無酸素槽11に送られてきた下水は無酸素処理が施される。すなわち、無酸素条件下の無酸素槽11内の脱窒細菌は、無酸素槽11に貯留されている下水に含まれる有機物を利用して、循環ポンプ14によって好気槽12から水配管を介して無酸素槽11に返流されてきた下水に含まれる亜硝酸性窒素(NO2−N)及び硝酸性窒素(NO3−N)を、窒素ガス(N2)に還元する。そして、還元された窒素ガス(N2)は、図示しない無酸素槽排出部を介して下水処理場の系外に排出される。
【0049】
無酸素槽11において無酸素処理が施された下水は、無酸素槽11から好気槽12に送られる。そして、好気槽12に送られてきた下水は、好気処理が施される。すなわち、好気槽12内の硝化菌の働きによって、下水中のアンモニア性窒素(NH4−N)が、亜硝酸性窒素(NO2−N)と硝酸性窒素(NO3−N)とに酸化される。このように酸化された亜硝酸性窒素(NO2−N)及び硝酸性窒素(NO3−N)の一部乃至全部は、循環ポンプ14によって、下水と共に好気槽12から無酸素槽11に送られるようになっている。このような好気槽12内の硝化菌の働きによって、下水からアンモニア性窒素が除去され、下水のアンモニア性窒素濃度の減少が図られている。また、好気槽12内における活性汚泥によって、下水に含まれるリン成分が吸収、除去される。また、下水に含まれるリン成分は、凝集剤貯留槽22から好気槽12に注入された凝集剤によって、リン酸アルミニウムやリン酸鉄の形で沈殿させられる。なお、この時、凝集剤貯留槽22の凝集剤は、PAC注入ポンプ16によって好気槽12への注入量が調整されており、適量の凝集剤が好気槽12に注入されるようになっている。
【0050】
好気槽12において好気処理が施された下水の大部分は、好気槽12の排出口及び水配管を介して最終沈殿池13に送られる。なお、好気槽12のうち最終沈殿池13への排出口近傍であって好気槽12の下方部に設けられた水配管を介して、好気槽12内の下水の一部が無酸素槽11に返送される。これにより、好気処理によって生じた亜硝酸性窒素(NO2−N)及び硝酸性窒素(NO3−N)の一部も、下水と共に無酸素槽11に送られる。そして、無酸素槽11に送られた亜硝酸性窒素(NO2−N)及び硝酸性窒素(NO3−N)は、上述のように無酸素槽11において無酸素処理が施され、窒素ガス(N2)に還元され、当該窒素ガス(N2)は、図示しない無酸素槽11排出部を介して下水処理場の系外に排出される。なお、好気槽12から無酸素槽11への下水の返送量は、循環ポンプ14によって調整されており、適量の下水が無酸素槽11に返送される。
【0051】
最終沈殿池13に流入した下水は、最終沈殿池13に所定の時間だけ貯留される。これにより、下水中の不純物が沈降して、最終沈殿池13の下部に当該不純物が沈殿する。そして、最終沈殿池13で貯留されて不純物が沈殿除去された下水の大部分は、処理水3として、水配管を介して下水処理場の系外に設置された他の施設等に送られる。なお、最終沈殿池13の下部の下水であって、沈殿した不純物を含む下水(最終沈殿水)は、水配管を介して汚泥貯留槽20に送られ、余剰ポンプ17によって送り量が調整される。
【0052】
次に、好気槽12における好気処理について詳しく説明する。
【0053】
好気槽12に設置されたアンモニア性窒素濃度計5は、必ずしも正確な値を示すとは限らない。すなわち、試薬の劣化、アンモニア性窒素濃度計5の検出部の汚れや気泡の付着、アンモニア性窒素濃度計5の故障、等の様々な要因によって、アンモニア性窒素濃度計5は、実際の値と異なる値を計測する場合がある。
【0054】
例えば、アンモニア性窒素濃度計5が測定レンジを超えた値を示したり、アンモニア性窒素濃度計5の計測値がゼロのまま動かなかったりした場合のように、アンモニア性窒素濃度計5の計測値があまりにも異常な値を示した場合には、アンモニア性窒素濃度計5側(センサ側)若しくは曝気風量コントローラ23側(コントローラ側)において、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関する異常が生じている、ということを診断しうる。
【0055】
しかしながら、例えば下水中におけるアンモニア性窒素濃度の実際の値が2mg/Lであってアンモニア性窒素濃度計5の計測値が5mg/Lとなっている場合、等のように、アンモニア性窒素濃度計5が、実際にあり得る値を計測値として示している場合には、アンモニア性窒素濃度計5側(センサ側)若しくは曝気風量コントローラ23側(コントローラ側)において、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常が生じている、ということを診断することは難しい。また、このような場合に、人間系によってアンモニア性窒素濃度計5の計測に関する異常の有無を診断する場合には、手分析によって診断するしかなく、手間及び時間がかかるという問題がある。また、アンモニア性窒素濃度計5等のように試薬を利用してppmのオーダのものを計測する水質センサよりも、酸化還元電位(ORP)や紫外線吸光度(UV)等のように物理量を測定するセンサの方が、計測誤差が少なく計測精度はよいといえる。このような事情を鑑みて、好気槽12では、具体的に以下のようなことが行われている。
【0056】
すなわち、好気槽12に流入した下水は、ORP計4、アンモニア性窒素濃度計5、及び溶存酸素濃度計6の各水質センサによって、当該下水に含まれる各水質が計測される。このようにして計測された各水質のうち、ORP計4の計測値、アンモニア性窒素濃度計5の計測値、及び溶存酸素濃度計6の計測値は、各水質センサから水質センサ異常診断装置7に送られる。また、アンモニア性窒素濃度の計測値及び溶存酸素濃度の計測値は、各水質センサから曝気風量コントローラ23に送られる。
【0057】
水質センサ異常診断装置7の異常診断部50では、送られてきたアンモニア性窒素濃度計5(制御用水質センサ)によるアンモニア性窒素濃度(対象水質)の計測値と、ORP計4(異常診断用水質センサ)によるORP(相関水質)の計測値と、アンモニア性窒素濃度及びORPの相関関係と、が考慮されて、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有するか否かが診断される。すなわち、異常診断部50では、上記の式(1.2)の診断式が利用されて、対応水質範囲を定める上下限値が、アンモニア性窒素濃度を用いた関数(F(aNH4)、G(a NH4))として算出される。これにより、例えば、図2に示されるような対応水質範囲が得られる。従って、例えば、下水のアンモニア性窒素濃度の目標値が0.5mg/Lとなるように制御されている場合、ORP計の計測値は、例えば、100mv〜150mvで定められる対応水質範囲内に収まることとなる。そして、異常診断部50は、ORP計4の計測値が上記の対応水質範囲から逸脱する場合には、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有していると診断され、ORP計4の計測値が上記の対応水質範囲に含まれている場合には、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有していないと診断される。
【0058】
水質センサ異常診断装置7の異常診断部50における上記の診断結果は、監視装置8に送られ、監視装置8において下水処理場の管理者等に対してガイダンスされる。また、監視装置8は、異常診断部50がアンモニア性窒素濃度の計測に関して異常を有していると診断した場合には、警報を鳴らして管理者等に当該異常を知らせる。
【0059】
一方、曝気風量コントローラ23は、アンモニア性窒素濃度計5の計測値及び溶存酸素濃度計6の計測値に基づいて、曝気装置9から好気槽12内に供給される曝気風量を制御する。すなわち、アンモニア性窒素濃度計5の計測値が、設定されているアンモニア性窒素濃度の目標値に近づくように、曝気装置9から好気槽12に供給される曝気風量の目標値が曝気風量コントローラ23によって演算される。具体的には、曝気風量コントローラ23では、上記の式(1.2)の曝気風量演算式が利用されて、曝気装置9から好気槽12に供給される曝気風量の目標値が演算される。そして、曝気装置9は、アンモニア性窒素濃度計5から送られてくるアンモニア性窒素濃度の計測値が、設定されているアンモニア性窒素濃度の目標値よりも大きい場合には、好気槽12に供給される曝気風量が増加するように、曝気風量コントローラ23によって制御される。一方、アンモニア性窒素濃度計5から送られてくるアンモニア性窒素濃度の計測値が、設定されているアンモニア性窒素濃度の目標値よりも小さい場合には、好気槽12に供給される曝気風量が減少するように、曝気装置9は曝気風量コントローラ23によって制御される。このように曝気装置9を制御することによって、曝気風量コントローラ23は、好気槽12に対して常に過不足のなく曝気を供給することができる。これにより、好気槽12内で酸素不足が生じて硝化反応が進行しなかったり、過曝気によって硝化反応が過度に進行してしまったりすることを防いで、下水のアンモニア性窒素濃度を適正な値に調整することができるようになっている。
【0060】
以上説明したように本実施の形態によれば、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50は、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常が生じたか否かについて、アンモニア性窒素濃度計5の計測値と、ORP計4の計測値と、アンモニア性窒素濃度とORPとの相関関係と、に基づいて、当該異常の発生の有無を迅速に診断することができる。これにより、正確且つ迅速に、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関する異常の有無を診断することができる。
【0061】
そして、アンモニア性窒素濃度計5によるアンモニア性窒素濃度の計測に関して異常が生じている場合には、監視装置8を介して、当該異常の発生をいち早く運転員にガイダンスすることができる。これにより、運転員に対して診断の遅れや診断の間違いを生じさせないようにして、水質センサ異常に起因する制御異常をいち早く回避することが可能となる。また、曝気装置9による過曝気や曝気不足のようにアンモニア性窒素濃度の調整が不適切である時間を短縮させることができ、処理下水の水質の悪化を効果的に防止することができる。
【0062】
また、安定な水質センサであるORP計4による計測値が、対応水質範囲算出部51が求めた対応水質範囲から外れているか否かに基づいて、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有するか否かを診断するようになっているので、アンモニア性窒素濃度計5による計測の補償に関するアルゴリズムを比較的シンプルに組み立てることができる。また、このようなアルゴリズムを比較的容易に曝気風量コントローラ23に組み込むことができる。
【0063】
また、アンモニア性窒素濃度計5とORP計4とは同一の好気槽12に設置されており、これらの各水質センサ5,4によって各水質が計測される下水は、同一の生物反応槽における下水である。また、制御用水質センサであるアンモニア性窒素濃度計5の計測対象である対象水質(アンモニア性窒素濃度)と、異常診断用水質センサであるORP計4の計測対象である相関水質(ORP)と、は異なる。このため、水質センサ異常診断装置7は、正確性及び信頼性の高い、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関する異常の有無の診断を行うことが可能である。
【0064】
なお、監視装置8によるガイダンス及び/又は警報の方式は、特に限定されるものではなく、例えば、文字等を表示する方式、音声を伴う方式、その他、下水処理場の管理者等に水質センサ異常診断装置7の異常診断部50における診断結果を知らせることができる方式全般を含みうる。
【0065】
次に本実施の形態の変形例について説明する。
【0066】
アンモニア性窒素濃度計5、ORP計4、及び溶存酸素濃度計6は、それぞれ、好気槽12よりも後段に設置されていてもよい。例えば、第1アンモニア性窒素濃度計5a、第2アンモニア性窒素濃度計5b、及びORP計4は、それぞれ、最終沈殿池13、好気槽12と最終沈殿池13とを連結する水配管、最終沈殿池13から下水を排出するための水配管、等に設置され、設置箇所における下水の各水質を計測するようになっていてもよい。
【0067】
また、ORP計4は、アンモニア性窒素濃度計5が設置されている生物反応槽よりも後段に設けられた生物反応槽に設置されてもよい。このような場合に、アンモニア性窒素濃度計5の計測値(アンモニア性窒素濃度)とORP計4の計測値(ORP)との間に所定の相関関係が存在する場合には、当該相関関係を利用することによって、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有するか否かが診断されうる。
【0068】
また、アンモニア性窒素濃度計5及びORP計4と水質センサ異常診断装置7との間、アンモニア性窒素濃度計5及びORP計4と曝気風量コントローラ23との間、のそれぞれにおいて、アンモニア性窒素濃度計5によるアンモニア性窒素濃度の計測値、及び、ORP計4によるORPの計測値、をフィルタリング処理するフィルタリング処理装置(フィルタリング処理部)を設置してもよい。フィルタリング処理装置は、例えば以下の式(1.3)及び式(1.4)のような演算式によって、アンモニア性窒素濃度計5及びORP計4の計測値に対してフィルタリング処理を施すことができる。
【0069】
【数3】
PV(t):時刻tにおけるセンサ計測値、FT:フィルタ係数(0〜1)、n:整数
フィルタリング処理装置においてフィルタリング処理が施された計測値は、その後、水質センサ異常診断装置7或いは曝気風量コントローラ23において用いられうる。そして、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50において考慮されるアンモニア性窒素濃度計5の計測値とORP計4の計測値とは、フィルタリング処理装置によってフィルタリング処理が施されたアンモニア性窒素濃度計5の計測値及びORP計4の計測値を用いることができる。上記各水質センサの計測値に対してフィルタリング処理を施すことによって、計測値に関する計測誤差等の不安定さ(ノイズ)をなまらせることができる。従って、フィルタリング処理が施された計測値を用いることによって、水質センサ異常診断装置7或いは曝気風量コントローラ23は、比較的安定的に曝気装置9を制御することができる。
【0070】
また、水質センサ異常診断装置7によるアンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有するか否かの診断方法は、ORP計4の計測値が上記の対応水質範囲から逸脱するか否かに基づくものに限定されない。例えば、対応水質範囲算出部51が求める対応水質範囲は、ORP計4(異常診断用水質センサ)によるORP(相関水質)の計測値の時間変化量に関する範囲であり、対応水質範囲照合部52が対応水質範囲算出部51の求めた対応水質範囲と照合するORP計4によるORPの計測値に基づくデータは、ORP計4によるORPの計測値の時間変化量とすることができる。そして、対応水質範囲照合部52は、ORP計4の計測値の時間変化量が、対応水質範囲算出部51が求めた対応水質範囲から外れているか否かに基づいて、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有するか否かを診断することもできる。この場合、例えば図3に示されるような、関数G(ao2)と関数F(ao2)とによって規定される対応水質範囲を、対応水質範囲算出部51が算出することができる。そして、アンモニア性窒素濃度計5の計測値の時間変化が、対応水質範囲から外れている時間が所定時間続いたか否かに基づいて、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を有するか否かを診断することができる。これは、アンモニア性窒素濃度計5の計測値がアンモニア性窒素濃度の目標値に近づくように実際に制御されていれば、ORPが急激な時間変化を示すことはない、という特性を利用したものである。
【0071】
また、溶存酸素濃度計6を本発明の制御用水質センサとして、ORP計4を本発明の異常診断用水質センサとして、溶存酸素濃度計6の計測に関して異常を有するか否かを、ORP計4の計測値に基づいて診断するものであってもよい。例えば、水質センサ異常診断装置7は、以下の式(1.5)で示される診断式に基づいて、溶存酸素濃度計6の計測に関して異常を有するか否かを診断することができる。
【0072】
【数4】
PV O2:溶存酸素濃度計の計測値(mgN/L)、ORP:ORP計の計測値(mV)、a O2:変数(mgN/L)、UNORP:ORP異常診断下限値(mV)、UPORP:ORP異常診断上限値(mV)
この場合、水質センサ異常診断装置7(異常診断部50)では、上記の式(1.3)(1.4)に基づいてフィルタリング処理が施されたORP計4の計測値を用いることができる。また、この場合に、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50で用いられる診断式は上記の式(1.5)に限定されるものではなく、例えば、ORP計4の計測値の時間変化が、所定の閾値を超えた状態が所定時間続いたか否かに基づいて、溶存酸素濃度計6の計測に関して異常を有するか否かを診断してもよい。
【0073】
また、曝気風量コントローラ23は、アンモニア性窒素濃度計5の計測値に基づいて曝気装置9を制御するものに限定されない。例えば、曝気風量コントローラ23は、溶存酸素濃度計6の計測値のみに基づいて曝気装置9を制御することもでき、また、曝気風量が一定となるような制御方法や、好気槽12への下水の流入流量に対する曝気風量の比率が一定となるような制御方法によって曝気装置9を制御することもできる。また、曝気風量コントローラ30を異常診断部50に接続して、異常診断部50における診断結果に基づいて、曝気風量コントローラ30における曝気装置9の制御モードを適宜変更させることも可能である。
【0074】
第2の実施の形態
図4は、本発明の第2の実施の形態を示す図であって、下水処理場(下水処理システム)の概略構成を示す図である。
【0075】
本実施の形態の下水処理場における好気槽12に設置されている水質センサは、図4に示すように、ORP計4と、第1アンモニア性窒素濃度計5aと、第2アンモニア性窒素濃度計5bと、を含んで構成されている。水質センサ異常診断装置7には、第1アンモニア性窒素濃度計5a、第2アンモニア性窒素濃度計5b、及びORP計4が接続されており、曝気風量コントローラ23には、第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5bが接続されている。なお、本実施の形態では、後述のように、第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5bのうち、一方が本発明の制御用水質センサとして機能し、他方が本発明の異常診断用水質センサとして機能するようになっている。また、ORP計4は、本発明の異常診断用水質センサとして機能するようになっている。
【0076】
また、下水処理場は水質データベース24(水質データ記憶部)を更に備えており、当該水質データベース24は、第1アンモニア性窒素濃度計5a、第2アンモニア性窒素濃度計5b、及びORP計4を含んで構成される水質センサと、流入流量計30と、水質センサ異常診断装置7と、に接続されている。
【0077】
水質データベース24には、本発明の対象水質と相関水質との相関関係に関連する過去の相関データが記憶されている。本実施の形態では、以下の表1に示されているように、過去の所定日時における、ORP計4の計測値(ORP(mV))と、第1アンモニア性窒素濃度計5aの計測値(NH4(1)(mg/L))と、第2アンモニア性窒素濃度計5bの計測値(NH4(2)(mg/L))と、流入流量計30の計測値(流量(m3/min)と、を含む過去の相関データが相互に関連づけられて記憶されている。
【0078】
【表1】
水質データベース24に記憶されている表1に示されるような相関データは、ORP計4、第1アンモニア性窒素濃度計5a、第2アンモニア性窒素濃度計5b、及び流入流量計30から送られてくる各計測値に基づいている。また、流入流量計30は、本発明の流入流量計及び流入流量計として機能している。従って、水質データベース24に記憶される流入流量計30の計測値は、制御用水質センサ(アンモニア性窒素濃度計5)によって対象水質(アンモニア性窒素濃度)が計測される生物反応槽(好気槽12)に流入する新たな下水の流入量、及び異常診断用水質センサ(アンモニア性窒素濃度計5、ORP計4)によって下水の相関水質(アンモニア性窒素濃度、ORP)が計測される生物反応槽(好気槽12)に流入する新たな下水の流入量、の両者に関する過去のデータを意味することとなる。
【0079】
水質センサ異常診断装置7は、相関関係導出部53を更に有している。相関関係導出部53は、水質データベース24に記憶されている過去の相関データに基づいて、対象水質(アンモニア性窒素濃度)と相関水質(アンモニア性窒素濃度、ORP)との相関関係を導き出すようになっている。
【0080】
他の構成は第1の実施の形態と略同一である。図4に示される第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0081】
下水処理場に供給された下水1は、最初沈殿池2、嫌気槽10、及び無酸素槽11を経た後に、好気槽12に流入する。
【0082】
好気槽12に流入した下水は、第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5bによって、アンモニア性窒素濃度が計測されると共に、ORP計4によってORPが計測される。第1アンモニア性窒素濃度計5a、第2アンモニア性窒素濃度計5b、及びORP計4の各水質センサの計測値は、それぞれ水質センサ異常診断装置7に送られる。また、第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5bの計測値は、それぞれ曝気風量コントローラ23に送られる。
【0083】
水質センサ異常診断装置7の異常診断部50は、送られてきた第1アンモニア性窒素濃度計5aによるアンモニア性窒素濃度の計測値と、第2アンモニア性窒素濃度計5bによるアンモニア性窒素濃度の計測値と、ORP計4による酸化還元電位の計測値と、を考慮して、第1アンモニア性窒素濃度計5a及び/又は第2アンモニア性窒素濃度計5bの計測に関して異常を有しているか否かを診断する。すなわち、好気槽12に設置された第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5bの両者が正常である場合には、それぞれの計測値は略同等の値を示すこととなるが、いずれか一方乃至両方の計測に関して異常が生じている場合には、それぞれの計測値は異なる値を示すこととなる。ただし、これら二つのアンモニア性窒素濃度計5a、5bからのみでは、どちらのアンモニア性窒素濃度計或いは両方のアンモニア性窒素濃度計の計測に関して異常を生じているのか、について診断することが難しい。このため、水質センサ異常診断装置7は、ORP計4の計測値及び水質データベース24に記憶されている過去の相関データ(表1参照)を用いて、当該異常の有無についての診断を行う。
【0084】
すなわち、水質センサ異常診断装置7の相関関係導出部53は、水質データベース24に記憶されている過去の相関データから、第1アンモニア性窒素濃度及び第2アンモニア性窒素濃度の平均値と、流入流量計30の計測値と、ORPと、の相関関係を導出する。この時、相関関係導出部53は、例えば以下の式(2.1)のような形で与えられる相関関係に基づいて、最小自乗法により回帰係数A,B,Cを演算する。
【0085】
RNH4average=A×ORP+B×Q+C 式(2.1)
ORP:ORP計計測値、Q:流量、A,B,C:回帰係数
この回帰係数A,B,Cは、第1アンモニア性窒素濃度計5aの計測値と第2アンモニア性窒素濃度計5bの計測値との間に1mg/L(所定の閾値)以上の差がない日時におけるデータに基づいて演算され、ある程度の周期(例えば、計測値のサンプリング周期よりも遅い周期の一時間単位若しくは一日単位程度の周期)で更新される。なお、本実施の形態では、上記の所定の閾値に基づいて本発明の対応水質範囲が定められている。
【0086】
また逆に、上記の回帰係数A,B,Cを演算する際に用いたデータの日時における、ORPと流入流量計30の計測値とに基づいて、以下の式(2.2)のような形で与えられるアンモニア性窒素濃度の予測値PNH4(t)が演算される。
【0087】
PNH4(t)=A×ORP(t)+B×Q(t)+C 式(2.2)
PNH4(t):時刻tにおけるアンモニア性窒素濃度予測値、ORP(t):時刻tにおけるORP計計測値、Q(t):時刻tにおける流量、A,B,C:回帰係数(式(2.2)と同様の係数)
流入流量計30及びORP計4は、無試薬で物理量を測定するセンサなので、アンモニア性窒素濃度計5よりも計測精度に関する安定性が高いといえる。
【0088】
よって、この予測値PNH4(t)が、対応する日時における第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5bの計測値の平均値PNH4average(t)と、所定の大きさ以上異なっている場合には、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50は、第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5bの両方或いはいずれか一方の計測に関して異常を有するものと診断する。一方、この予測値PNH4(t)が、その時間における第1アンモニア性窒素濃度及び第2アンモニア性窒素濃度の平均値PNH4average(t)と略同一となっている場合、水質センサ異常診断装置7は、第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5bの両者の計測に関して異常を有しないものと診断する。
【0089】
また、ある日時において第1アンモニア性窒素濃度計5aの計測値PNH4(1)(t)と第2アンモニア性窒素濃度計5bの計測値PNH4(2)(t)との間において、所定の閾値以上の偏差が生じた場合には、その日時におけるORP計4の計測値ORP(t)と流入流量計30の計測値Q(t)とから、式(2.3)によって、アンモニア性窒素濃度の予測値PNH4(t)を演算する。そして、演算したアンモニア性窒素濃度の予測値PNH4(t)と、第1アンモニア性窒素濃度計5aの計測値PNH4(1)(t)及び第2アンモニア性窒素濃度計5bの計測値PNH4(2)(t)の各々と、を比較する。そして、少なくとも、アンモニア性窒素濃度の予測値PNH4(t)に対する差の絶対値の大きい計測値を示すアンモニア性窒素濃度計5のほうに関しては、アンモニア性窒素濃度の計測に関して異常を生じていると診断することができる。このアルゴリズムを数式表現すると以下の式(2.3)のようになる。
【0090】
【数5】
PNH4(t):アンモニア性窒素濃度予測値、PVNH4average(t):第1アンモニア性窒素濃度計の計測値と第2アンモニア性窒素濃度計の計測値との平均値、UL:アンモニア性窒素濃度計診断(計測値−演算値)上限値、PVNH4(1)(t):第1アンモニア性窒素濃度計の計測値、PVNH4(2)(t):第2アンモニア性窒素濃度計の計測値、ULPV:第1アンモニア性窒素濃度計の計測値と第2アンモニア性窒素濃度計の計測値と間の偏差上限値
そして、水質センサ異常診断装置7における上記の診断結果は、監視装置8に送られる。
【0091】
一方、曝気風量コントローラ23は、第1アンモニア性窒素濃度計5aの計測値及び第2アンモニア性窒素濃度計5bの計測値に基づいて、曝気装置9から好気槽12内に供給される曝気風量を制御する。すなわち、曝気風量コントローラ23は、送られてくる第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5bの計測値の平均値が、予め設定されているアンモニア性窒素濃度の目標値に近づくように、曝気装置9から好気槽12に供給される曝気風量の目標値を演算する。例えば、曝気風量コントローラ23は、下記の式(2.4)の曝気風量演算式を利用して、曝気装置9から好気槽12に供給される曝気風量の目標値を演算する。
【0092】
【数6】
Qair(t):時刻tにおける曝気風量目標値(m3/min)、Qair0:曝気風量初期値(m3/min)、Kp:比例ゲイン(m6/g・min)、TI:積分定数(min)、△t:制御周期(min)、e(t):偏差(mg/L)、SVNH4(t):アンモニア性窒素濃度目標値(mg/L)、PV NH4(1)(t):第1アンモニア性窒素濃度計の計測値(mg/L) 、PV NH4(2) (t):第2アンモニア性窒素濃度計の計測値(mg/L)
そして、好気槽12に供給される曝気風量が、演算した曝気風量の目標値と等しくなるように、曝気風量コントローラ23は曝気装置9を制御する。これにより、曝気風量コントローラ23に制御されている曝気装置9は、常に過不足なく曝気を好気槽12に供給することができ、好気槽12において適正な曝気風量が確保されることとなる。
【0093】
以上説明したように本実施の形態によれば、水質データベース24に蓄えられている過去のデータ(相関データ)を用いて、第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5bの計測に関する異常の有無が診断されるので、アンモニア性窒素濃度と酸化還元電位(ORP)との関係を把握するための実験等を、前もって行う必要がない。
【0094】
また、パラメータの設定も、UL(少なくともどちらかのアンモニア性窒素濃度計の計測に関して異常を有しているか否かを診断するための許容上限値)と、ULPV(第1アンモニア性窒素濃度計5aと第2アンモニア性窒素濃度計5bとの間における偏差の許容上限値)と、の2つのみであって、プラントでの制御パラメータの調整が容易となる。
【0095】
また、第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5bによって計測されるアンモニア性窒素濃度を対象水質及び相関水質としており、対象水質と相関水質とは同一である。従って、第1アンモニア性窒素濃度計5a又は第2アンモニア性窒素濃度計5bの計測に関して異常が生じているか否かは、両者の計測値間のズレに基づいて診断可能であるため、迅速に当該異常の発生を検知することができる。
【0096】
また、曝気風量コントローラ23は、同じ好気槽12に設置した二つのアンモニア性窒素濃度計(第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5b)の計測値に基づいて、曝気装置9の制御を行っているので、一方のアンモニア性窒素濃度計5a、5bの計測に関して異常が生じた場合であっても、他方のアンモニア性窒素濃度計5a、5bの計測値に基づいて曝気装置9を制御することが可能である。このため、いずれか一方のアンモニア性窒素濃度計5a、5bの計測に関して異常が生じた場合であっても、最適な曝気風量を確保することができ、浄化処理された下水は安定的に良好な水質を保持することとなる。
【0097】
水質センサ異常診断装置7の異常診断部50において用いられるアンモニア性窒素濃度の予測値は、ORP計4の計測値だけではなく、流入流量計30の計測値にも基づいて予測されている。従って、異常診断部50は、本発明の流入流量計30及び流入流量計30として機能する流入流量計30の計測値を更に考慮して、制御用水質センサによる対象水質の計測に関して異常を有するか否かを診断することができ、流入流量計30の計測値の変動に応じた当該異常の有無の診断を正確に行うことが可能である。
【0098】
次に本実施の形態の変形例について説明する。
【0099】
第1アンモニア性窒素濃度計5a、第2アンモニア性窒素濃度計5b、及びORP計4は、それぞれ、好気槽12よりも後段に設置されていてもよい。例えば、第1アンモニア性窒素濃度計5a、第2アンモニア性窒素濃度計5b、及びORP計4は、それぞれ、最終沈殿池13、好気槽12と最終沈殿池13とを連結する水配管、最終沈殿池13から下水を排出するための水配管、等に設置され、設置箇所の下水の各水質を計測するようになっていてもよい。このような場合であっても、各水質センサーが計測する各水質同士は、所定の相関関係を有しうる。
【0100】
また、第1アンモニア性窒素濃度計5a、第2アンモニア性窒素濃度計5b、及びORP計4と水質センサ異常診断装置7との間、第1アンモニア性窒素濃度計5a、第2アンモニア性窒素濃度計5b、及びORP計4と曝気風量コントローラ23との間、第1アンモニア性窒素濃度計5a、第2アンモニア性窒素濃度計5b、及びORP計4と水質データベース24との間、のそれぞれにおいて、第1アンモニア性窒素濃度計5a、第2アンモニア性窒素濃度計5b、及びORP計4の各水質センサの計測値をフィルタリング処理するフィルタリング処理装置を設置してもよい。フィルタリング処理装置は、例えば上記の式(1.3)及び式(1.4)のような演算式によって、第1アンモニア性窒素濃度計5a、第2アンモニア性窒素濃度計5b、及びORP計4の計測値に対してフィルタリング処理を施すことができる。そして、フィルタリング処理装置によってフィルタリング処理が施された上記各水質センサの計測値は、その後、水質センサ異常診断装置7、曝気風量コントローラ23、或いは水質データベース24において用いられうる。
【0101】
また、水質センサ異常診断装置7は、アンモニア性窒素濃度(対象水質)を予測する際に、流入流量計30やORP計4の計測値に関するデータのみならず、他の水質に関するデータを考慮してもよい。例えば、図4の嫌気槽10に流入する前の下水(例えば、最初沈殿池2、或いはその前後の水配管内の下水)のT−N計(全窒素計)による計測値データ、好気槽12に貯留されている下水のDO(溶存酸素濃度)に関するDO計データ、好気槽12に貯留されている下水のMLSSに関するMLSS計データ、等の過去のデータが水質データベース24に記憶されている場合について考えてみる。この場合、水質センサ異常診断装置7は、水質データベース24に記憶されているこれらの水質データを考慮して、以下の式(2.7)のような演算式に基づく重回帰分析によって、回帰係数(A,B,C,・・・,Z)を決定し、決定した回帰係数をアンモニア性窒素濃度(対象水質)の予測演算の際に用いてもよい。
【0102】
RNH4average=A×ORP+B×Q+C×T−N+D×DO+E×MLSS+・・+Z 式(2.7)
RNH4average:相関関係より演算される第1アンモニア性窒素濃度計5aと第2アンモニア性窒素濃度計5bの平均値、ORP:ORP計計測値(mV)、Q:流量(m3/min)、T−N:流入水T−N濃度(mg/L)、DO:好気槽12溶存酸素濃度(mg/L)、MLSS:好気槽12MLSS(mg/L)、A,B,C・・・・・Z:回帰係数
また、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50における、アンモニア性窒素濃度計5(制御用水質センサ)の計測に関して異常を有するか否かの診断方法は、上記の式(2.4)に基づくものには限定されず、他の方法を用いることも可能である。例えば、水質データベース24に蓄えられたデータを相関解析によって、好気槽12のアンモニア性窒素濃度の計測値と相関の高いデータのみを抜き出し、相関が高いと診断されたデータのみを利用して、アンモニア性窒素濃度計の計測に関して異常を有しているか否かの診断を行ってもよい。また、異常診断部50は、PVNH4(1)(第1アンモニア性窒素濃度計の計測値)、PVNH4(2)(第2アンモニア性窒素濃度計の計測値)、PNH4(アンモニア性窒素濃度の予測値)の時系列データを用いた主成分分析に基づいて、アンモニア性窒素濃度計5(制御用水質センサ)の計測に関して異常を有するか否かを診断してもよい。すなわち、アンモニア性窒素濃度計5(制御用水質センサ)による計測が正常である場合、PVNH4(1)、PVNH4(2)、PNH4は、ほぼ同じ傾向を示す。従って、PVNH4(1)、PVNH4(2)、PNH4の時系列データを用いた主成分分析を行うと、第1主成分にほとんど全ての情報が内包されるはずである。例えば、以下の式(2.8)(2.9)(2.10)で表されるような主成分分析を行った場合の第1〜第3成分(X1,X2,X3)に対応する固有値(情報量)をλ1,λ2,λ3とする。
【0103】
X1=a11PVNH4(1)+ a21PVNH4(2)+a31RNH4 式(2.8)
X2=a12PVNH4(1)+ a22PVNH4(2)+a32RNH4 式(2.9)
X3=a13PVNH4(1)+ a23PVNH4(2)+a33RNH4 式(2.10)
X1:第1主成分、X2:第2主成分、X3:第3主成分、PVNH4(1):第1アンモニア性窒素濃度計5aの計測値、PVNH4(2) :第2アンモニア性窒素濃度計5bの計測値、RNH4:重回帰式による予測値、aij:定数
この時、アンモニア性窒素濃度計5による計測が正常である場合には、以下の式(2.11)で示される第1主成分の寄与率が高いはずである。
【0104】
【数7】
そして、第1アンモニア性窒素濃度計5a及び第2アンモニア性窒素濃度計5bのうちいずれかの計測に関して異常が生じると、第2主成分以降の主成分が情報をもつようになり、第1主成分の寄与率が下がることとなる。従って、設定された第1主成分の寄与率の低下に基づいて、アンモニア性窒素濃度計5の計測に関して異常を生じているか否かを診断することもできる。
【0105】
また、上記の式(2.3)、式(2.7)の相関式は、上記のような線形型のものに限定されず、必要に応じて他の適切な相関式を用いることが可能である。例えば、べき乗型、指数関数型、対数型、或いはこれらを組み合わせたもの、等を用いてもよい。
【0106】
また、アンモニア性窒素濃度計5は、図4に示されているように好気槽12に2つ設置されたものでなくてもよく、1つのみが設置されたものであってもよい。また、好気槽12に設置されるアンモニア性窒素濃度計5は2つに限定されるものではなく、3つ以上のアンモニア性窒素濃度計5を好気槽12に設置してもよい。
【0107】
また、水質センサ異常診断装置7は、いずれのアンモニア性窒素濃度計5が異常を有しているのかについての診断を行う際に、水質データベース24に記憶されているORP計4及び流入流量計30の計測値に関するデータのうち、両方のデータを用いてもよく、また、いずれか一方のデータのみを用いてもよい。
【0108】
また、所定の対象水質は、アンモニア性窒素濃度に限定されるものではない。また、制御用水質センサは、アンモニア性窒素濃度計に限定されるものではない。例えば、リン酸性リン、溶存酸素濃度、MLSS、硝酸性窒素濃度、等を所定の対象水質として、リン酸性リン濃度計、溶存酸素濃度計、MLSS計、硝酸性窒素濃度計、等を制御用水質センサとすることもできる。
【0109】
第3の実施の形態
図5は、本発明の第3の実施の形態を示す図であって、下水処理場(下水処理システム)の概略構成を示す図である。
【0110】
本実施の形態の下水処理場では、好気槽12にORP計4と第1アンモニア性窒素濃度計5aと第2アンモニア性窒素濃度計5bとを設置する代わりに、水質センサのうちORP計4と硝酸性窒素濃度計31とが無酸素槽11に設置されている(図5参照)。ORP計4と硝酸性窒素濃度計31とは、それぞれ、水質センサ異常診断装置7と水質データベース24と後述される炭素源注入コントローラ25とに接続されている。そして、ORP計4の計測値及び硝酸性窒素濃度計31の計測値が、水質センサ異常診断装置7と水質データベース24と炭素源注入コントローラ25とに送られるようになっている。
【0111】
また、好気槽12にはアンモニア性窒素濃度計5が設置されており、当該アンモニア性窒素濃度計5は曝気風量コントローラ23に接続されている。曝気風量コントローラ23は、アンモニア性窒素濃度計5の計測値を用いて、以下の式(3.1)で示される演算式に基づいて曝気装置9を制御するようになっている。
【0112】
【数8】
Qair(t):時刻tにおける曝気風量目標値(m3/min)、Qair0:曝気風量初期値(m3/min)、Kp:比例ゲイン(m6/g・min)、TI:積分定数(min)、△t:制御周期(min)、e(t):偏差(mg/L)、SVNH4(t):アンモニア性窒素濃度目標値(mg/L)、PV NH4 (t):アンモニア性窒素濃度計の計測値(mg/L)
なお、本実施の形態では、ORP計4を本発明の制御用水質センサとした場合には、硝酸性窒素濃度計31が本発明の異常診断用水質センサとして機能し、硝酸性窒素濃度計31を本発明の制御用水質センサとした場合には、ORP計4が本発明の異常診断用水質センサとして機能する。従って、本実施の形態では、制御用水質センサが対象水質を計測する下水と異常診断用水質センサが相関水質を計測する下水とは、同一生物反応槽における下水である。
【0113】
水質データベース24には、ORPと硝酸性窒素濃度との相関関係に関連する過去の相関データが記憶されている。本実施の形態では、過去の所定日時における、ORP計4の計測値(ORP(mV))のデータと、硝酸性窒素濃度計31の計測値(NH4(1)(mg/L))のデータと、が相互に関連づけられて水質データベース24に記憶されている。なお、水質データベース24に記憶されるORP計4の計測値のデータ及び硝酸性窒素濃度計31の計測値(NH4(1)(mg/L))のデータは、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31から水質データベース24に送られてくる計測値に基づくものである。
【0114】
水質センサ異常診断装置7は異常診断部50を有しており、当該異常診断部50は、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31から送られてくる各計測値に基づいて、ORP計4及び/または硝酸性窒素濃度計31の計測に関して異常を有するか否かを診断するようになっている。
【0115】
一方、炭素源注入ポンプ19には炭素源注入コントローラ25が接続されている。炭素源注入コントローラ25は、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31から送られてくる各計測値に基づいて炭素源注入ポンプ19を制御し、炭素源貯留槽21から嫌気槽10に注入される炭素源の注入量を調整することができるようになっている。また、炭素源注入コントローラ25は水質センサ異常診断装置7に接続されており、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50の診断結果が炭素源注入コントローラ25に送られるようになっている。なお、本発明の水質調整装置は、炭素源貯留槽21及び炭素源注入ポンプ19を含んで構成されており、本発明の水質調整制御装置は、炭素源注入コントローラ25を含んで構成されている。
【0116】
また、最初沈殿池2に下水を供給する水配管の中途ではバイパス水配管61が分岐しており、当該バイパス水配管61は嫌気槽10に接続されている。当該バイパス水配管61には初沈バイパス弁62が取り付けられており、この初沈バイパス弁62の開閉を調節することにより、バイパス水配管61を流れる下水の流量を調整することができるようになっている。
【0117】
他の構成は第2の実施の形態と略同一である。図5に示される第3の実施の形態において、第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0118】
下水処理場に供給された下水1は、最初沈殿池2を経て嫌気槽10に流入し、嫌気槽10において嫌気処理が施された後に、無酸素槽11に流入する。無酸素槽11に流入した下水は、無酸素処理が施されると共に、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31によって対応する水質(ORP、硝酸性窒素濃度)が計測される。その後、下水は、無酸素槽11から排出され、好気槽12と最終沈殿池13とを経て下水処理場から排出される。
【0119】
ところで、無酸素槽11に貯留されている下水に関して対応する水質を計測したORP計4及び硝酸性窒素濃度計31のそれぞれは、水質センサ異常診断装置7と、炭素源注入コントローラ25と、水質データベース24と、に計測値を送るようになっている。
【0120】
水質データベース24は、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31から送られてくる計測値を、計測日時と対応付けて、ORP計4の計測値に関する相関データ及び硝酸性窒素濃度計31の計測値に関する相関データとして記憶する。
【0121】
一方、水質センサ異常診断装置7では、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31から送られてくる計測値に基づいて、ORP計4及び/又は硝酸性窒素濃度計31の計測に関して異常を有するか否かが診断される。例えば、炭素源貯留槽21に貯留されている炭素源が例えばメタノールである場合に、嫌気槽10では、以下の式(3.2)で示される脱窒反応が生じる。
【0122】
6NO3 −+5CH3OH→3N2+5CO2+7H2O+6OH− 式(3.2)
この場合、硝酸性窒素は酸化剤として働くこととなる。一方、ORPは、一般的には以下の式(3.3)で示されるような関係があり、ORPと硝酸性窒素濃度との間には以下の式(3.4)で示されるような相関関係があると考えられる。
【0123】
【数9】
ORP= A+B・ln(NO3) 式(3.4)
A,B:定数
そして、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50は、例えば以下の式(3.5)で示される演算式を用いて、ORPの予測値(RORP)を演算する。
【0124】
RORP= A + B・ln(PVNO3) 式(3.5)
ORP:ORP予測演算値、PVNO3:NO3計計測値、A,B:定数(実際のORPとNO3の関係から最小二乗法等により導出)
そして、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50では、水質データベース24に記憶されているORP計4及び硝酸性窒素濃度計31の計測値に関する時系列データ(相関データ)を用いて、日時の対応するORP計4の計測値(PVORP)とORPの予測演算値(RORP)との間で主成分分析が行われる。この時、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31の計測が正常に行われている場合には、第1主成分にほとんどの情報が含まれるはずである。すなわち、第1主成分の固有値をλ1、第2主成分の固有値をλ2とした場合に、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31による計測が正常に行われている場合には、λ1>>λ2という関係になる。一方、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31のうちどちらかの計測に関して異常が生じている場合には、第2主成分にも主要な情報が含まれうることとなり、以下の式(3.6)で示される第1主成分の寄与率が低下する。
【0125】
【数10】
そして、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50では、上記の式(3.6)で示される第1主成分の寄与率が所定の閾値以下となった場合には、ORP計4或いは硝酸性窒素濃度計31の計測に関して異常が生じていると診断され、第1主成分の寄与率が所定の閾値よりも大きい場合には、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31の計測は正常に行われていると診断される。当該診断結果は、監視装置8に送られると共に、炭素源注入コントローラ25に送られる。なお、本実施の形態では、上記の所定の閾値によって、本発明の対応水質範囲が定められる。
【0126】
監視装置8では、送られてくる水質センサ異常診断装置7の診断結果に基づいて、下水処理場の管理者等に対するガイダンス及び/または警報が行われる。また、炭素源注入コントローラ25は、ORP計4或いは硝酸性窒素濃度計31の計測に関して異常が生じているという診断結果が送られてきた場合には、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31の計測値に基づく炭素源注入ポンプ19の制御をやめて、炭素源注入量一定、等の他の制御モードに切り換える。一方、炭素源注入コントローラ25は、ORP計4或いは硝酸性窒素濃度計31の計測が正常に行われている旨の診断結果が送られてきている間は、硝酸性窒素濃度計31の計測値に基づいて、以下の式(3.7)で示される演算式によるPI制御に基づいて炭素源注入ポンプ19の制御が行われる。なお、硝酸性窒素濃度の目標値SVNO3(t)は、炭素源注入コントローラ25内に予め設定されている。
【0127】
【数11】
Qcarbon(t):時刻tにおける炭素源投入量目標値(m3/min)、Qcarbon0:炭素源投入量初期値(m3/min)、Kp:比例ゲイン(m6/g・min)、TI:積分定数(min)、△t:制御周期(min)、e(t):偏差(mg/L)、SVNO3(t):硝酸性窒素濃度の目標値(mg/L)、PV NO3 (t):硝酸性窒素濃度計の計測値(mg/L)
上記の式(3.7)に基づいて得られた硝酸窒素濃度の目標値(SVNO3)と硝酸性窒素濃度計31の計測値(PVNO3)との偏差(e(t))に基づいて、炭素源注入コントローラ25は炭素源注入ポンプ19を制御し、嫌気槽10内の硝酸性窒素濃度が目標値(SVNO3)となるように調整され、嫌気槽10では下水に対して適切な嫌気処理が施されることとなる。
【0128】
以上説明したように、本実施の形態によれば、ORPの理論に基づいて、ORPと硝酸性窒素濃度との関係を対数近似したものと、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31による実測値と、の比較に基づいて、ORP計4、硝酸性窒素濃度計31の計測に関して異常を有するか否かが診断されているので、他の線形近似等を利用した場合に比べて、診断の信頼性が高い。
【0129】
また、水質データベース24に記憶されている過去のデータの主成分分析が利用されて、ORP計4或いは硝酸性窒素濃度計31の計測に関して異常を有するか否かが診断されている。このため、パラメータは第1主成分の寄与率に関する所定の閾値のみなので、プラントでの制御パラメータの調整が非常に簡単なものとなる。
【0130】
次に本実施の形態の変形例について説明する。
【0131】
炭素源貯留槽21は、無酸素槽11に接続されていてもよい。
【0132】
また、炭素源注入コントローラ25は、ORP計4及び硝酸性窒素濃度計31の計測値に基づいて、初沈バイパス弁62の開度を調整して、嫌気槽10に流入する下水の流量を調整してもよい。なお、この変形例では、本発明の水質調整装置は初沈バイパス弁62を含んで構成されており、本発明の水質調整制御装置は炭素源注入コントローラ25を含んで構成されることとなる。
【0133】
また、ORP計4及び/又は硝酸性窒素濃度計31と水質センサ異常診断装置7との間、ORP計4及び/又は硝酸性窒素濃度計31と炭素源注入コントローラ25との間、或いはORP計4及び/又は硝酸性窒素濃度計31と水質データベース24との間、にフィルタリング処理装置を設置してもよい。この場合、フィルタリング処理装置は、例えば上記の式(1.3)(1.4)で示されるような演算式によって、ORP計4及び/又は硝酸性窒素濃度計31の計測値に対してフィルタリング処理を施すことができる。フィルタリング処理装置においてフィルタリング処理が施された計測値は、その後、水質センサ異常診断装置7、炭素源注入コントローラ25、或いは水質データベース24において用いられうる。
【0134】
ORP計4或いは硝酸性窒素濃度計31の計測に関して異常を有するか否かを診断する際に、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50で用いられる方法は主成分分析を利用するものには限定されない。例えば、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50は、上記の式(3.5)によって演算されるORPの予測値(RORP)とORP計4の計測値(PVORP)との偏差を演算して、この偏差が、所定の対応水質範囲から外れている状態が所定時間続いたか否かに基づいて、ORP計4及び/または硝酸性窒素濃度計31の計測に関して異常を有するか否かを診断してもよい。
【0135】
また、上記の式(3.5)の相関式は、上記のような対数型のものに限定されず、必要に応じて他の適切な相関式を用いることが可能である。例えば、線形型、べき乗型、指数関数型、対数型、或いはこれらを組み合わせたもの、等を用いてもよい。
【0136】
また、ORPの予測値(RORP)を演算する際に、硝酸性窒素濃度だけでなく、他の信頼性の高い水質センサ及び流量計の計測値を用いてもよい。例えば、無酸素槽11にUV計33を設置して、当該UV計33の計測値に基づいて、以下の式(3.10)で示されるような演算式を用いることによりORPの予測値(RORP)を演算することができる。
【0137】
【数12】
一般的に有機物成分とUVとは線形関係があると言われており、脱窒反応において有機物は還元剤として働く。式(3.10)は、このことを踏まえて、上記の式(3.3)から導出されるものである。
【0138】
第4の実施の形態
図6及び図7は、本発明の第3の実施の形態を示す図である。図6は、下水処理場(下水処理システム)の概略構成を示す図である。図7は、各水質センサーの相関関係を概略的に示した図であり、図7中のS1〜S5は、各水質センサーを示している。
【0139】
本実施の形態の下水処理場では、好気槽12にORP計4と第1アンモニア性窒素濃度計5aと第2アンモニア性窒素濃度計5bとを設置する代わりに、最初沈殿池2に下水を供給する水配管にT−N計32とUV計33とが設置され、嫌気槽10にORP計4(嫌気槽用ORP計4a)が設置され、無酸素槽11にORP計4(無酸素槽用ORP計4b)と硝酸性窒素濃度計31とが設置され、好気槽12にORP計4(好気槽用ORP計4c)とアンモニア性窒素濃度計5と溶存酸素濃度計6とMLSS計36とリン酸性リン濃度計37とが設置されている。これらの水質センサ(T−N計32、UV計33、ORP計4a、4b、4c、硝酸性窒素濃度計31、アンモニア性窒素濃度計5、溶存酸素濃度計6、MLSS計36、リン酸性リン濃度計37)のそれぞれは、水質センサ異常診断装置7に接続されると共に水質データベース24に接続されており、計測値を水質センサ異常診断装置7、水質データベース24に送るようになっている。
【0140】
また、最初沈殿池2と嫌気槽10との間の水配管には、最初沈殿池2から脱窒・脱リン処理槽40の嫌気槽10に流入する下水の流量を計測する第1流入流量計30aが設置され、炭素源貯留槽21と嫌気槽10との間の水配管には、当該水配管を流れる炭素源の流量を計測する第2流入流量計30bが設置され、凝集剤貯留槽22と好気槽12との間の水配管には、当該水配管を流れる凝集剤の流量を計測する第3流入流量計30cが設置され、好気槽12内の下水を無酸素槽11内に返送するための水配管には、当該水配管を返送される下水の流量を計測する第4流入流量計30dが設置され、最終沈殿池13と嫌気槽10とを連結する水配管には、当該水配管を介して嫌気槽10に返送される下水の流量を計測する第5流入流量計30eが設置され、最初沈殿池2と汚泥貯留槽20とを連結する水配管には、当該水配管を流れる下水の流量を計測する第6流入流量計30fが設置され、最終沈殿池13と汚泥貯留槽20とを連結する水配管には、当該水配管を流れる下水の流量を計測する第7流入流量計30gが設置されている。第1〜第7流入流量計30a〜30gは、それぞれ、水質データベース24に接続されており、計測値を水質データベース24に送るようになっている。また、曝気装置には、曝気装置から好気槽に曝気される曝気風量を計測する曝気風量計46が取り付けられている。当該曝気風量計46は、水質データベース24に接続さており、計測値を水質データベース24送るようになっている。
【0141】
水質データベース24は、各水質センサから送られてくる各計測値に関するデータと、各流入流量計30から送られてくる各計測値に関するデータと、曝気風量計46から送られてくる計測値に関するデータと、を計測日時と関連づけて記憶することができるようになっている。
【0142】
また、水質センサ異常診断装置7は異常診断部50を有しており、当該異常診断部50は、各水質センサから送られてくる各計測値に関するデータと水質データベース24に記憶されている相関データと基づいて、各水質センサの計測に関して異常を有するか否かを診断するようになっている。
【0143】
なお、曝気風量コントローラ23は、曝気装置9から好気槽12に供給される曝気量が所定の一定量に保たれるように、曝気装置9を制御している。
【0144】
なお、本実施の形態では、本発明の制御用水質センサは、各水質センサーのうちいずれかによって構成され、対象水質は、当該水質センサによって計測される水質である。また、本発明の異常診断用水質センサは、他の水質センサ及び各流入流量計30によって構成され、相関水質は、当該他の水質センサによって計測される水質及び各流入流量計30によって計測される流量である。また、本実施の形態では、式(4.1)、(4.4)、(4.6)によって本発明の対象水質と相関水質との相関関係が表される。この相関式を用いて式(4.2)、(4.5)、(4.7)で対象水質予測値を演算し、この予測値と対象水質の実測値との差を式(4.3)、(4.8)により演算して、異常判定を行うようになっている。
【0145】
他の構成は第2の実施の形態と略同一である。図6及び図7に示される第4の実施の形態において、第2の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0146】
下水処理場に供給された下水1は、最初沈殿池2、嫌気槽10、無酸素槽11、好気槽12、そして最終沈殿池13を経て浄化処理が施され、処理水3として下水処理場から排出される。このような浄化処理の各生物反応槽において、各水質センサ、各流入流量計30a〜30g、及び曝気風量計46は、それぞれ、対応する水質及び流量を計測し、計測値を水質センサ異常診断装置7及び水質データベース24に送る。
【0147】
水質データベース24には、各水質センサ、各流入流量計30a〜30g、及び曝気風量計46から送られてくる計測値に関するデータが、計測日時に応じて相互に関連づけられて記憶される。また、水質データベース24内では、水質データベース24に記憶されている過去のデータ(相関データ)が利用されて、各水質センサ及び流入流量計30a〜30gの計測値に対して相関の高い成分を、相関解析によって抽出することができる。
【0148】
水質センサ、流入流量計30a〜30g、及び曝気風量計46の計測値に関する合計n個の相関データが水質データベース24に記憶されている場合には、下水処理場に設置されている水質センサのうちから選ばれる任意の水質センサ(水質センサ1)に関する相関式を、以下の式(4.1)で示されるような形で表すことができる。このため、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50は、式(4.1)で表される相関式において用いられる回帰係数A21、A31、・・・An1、A01が重回帰分析により演算される。
【0149】
Rsensor1=A21・S2 + A31・S3 +A41・S4 ・・・・+An1・Sn +A01 式(4.1)
Rsensor1:水質センサー1に関する相関式
S2:センサー2による水質値又は流量値
S3:センサー3による水質値又は流量値
S4:センサー4による水質値又は流量値
・
・
Sn:センサーnによる計測値(流量又は水質)
A21、A31・・・・・・An1、A(n+1)1:回帰係数(相関分析により水質センサー1と相関の低いセンサiについては、Ai1=0となる。)
また、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50では、この水質センサ1の時刻tにおける予測演算値が、上記の式(4.1)で求められた式を用いて、水質センサ1以外の他の水質センサ若しくは流入流量計30a〜30gの値から以下の式(4.2)により演算される。
【0150】
Psensor1(t)=A21・S2(t)+ A31・S3(t)+A41・S4(t)・・・・+An1・Sn(t)+A(n+1)1・・・・式(4.2)
Psensor1(t):水質センサー1の時刻tにおける予測演算値
S2(t):センサー2の時刻tにおける計測値(流量又は水質)
S3(t):センサー3の時刻tにおける計測値(流量又は水質)
S4(t):センサー4の時刻tにおける計測値(流量又は水質)
・
・
Sn(t):センサーnの時刻tにおける計測値(流量又は水質)
A21、A31・・・・・・An1、A(n+1)1:回帰係数(式(4.1)の係数と同じ値)
そして、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50は、式(4.2)により演算された水質センサ1の計測値の予測値と、水質センサ1の計測値と、の偏差が、所定の閾値を超えたか否かに基づいて、水質センサ1の計測に関して異常が生じているか否かを診断する。すなわち、異常診断部50は、以下の式(4.3)に示すように、当該偏差が所定の閾値を超えた場合には、水質センサ1の計測に関して異常が生じているか、或いは、水質センサ1と相関のある他の水質センサ若しくは流入流量計30(Ai1≠0に対応する水質センサ若しくは流入流量計30)の計測に関して異常が生じていると診断することができる。なお、本実施の形態では、上記の所定の閾値によって、本発明の対応水質範囲が定められる。
【0151】
|S1(t)−Psensor1(t)|>ULsensor1 式(4.3)
ULsensor1 :水質センサー1の異常判定値
そして、水質センサ1以外の他の水質センサについても、水質センサ1と同様の重回帰分析が行われ、以下の式(4.4)のような形で表される回帰係数A1j〜A(n+1)jが決定される。また、以下の式(4.5)のような形で、水質センサiの時刻tにおける予測演算値Psensorjが表される。
【0152】
Rsensorj= A1j・S1 + A2j・S2 + A3j・S3 + ・・・・+Anj・Sn +A0j・・・・式(4.4)
Rsensorj:水質センサーjに関する相関式
S1:センサー1による水質値又は流量値
S2:センサー2による水質値又は流量値
S3:センサー3による水質値又は流量値
・
・
Sn:センサーnによる水質値又は流量値
A1j、A2j・・・・・・Anj、A(n+1)j: 水質センサjに対する水質センサ1〜nの回帰係数(相関解析により水質センサーjと相関の低いセンサiについては、Aij=0となる。)
Psensorj(t)= A1j・S1(t)+A2j・S2(t)+ A3j・S3(t)・・・・+Anj・Sn(t)+A0j・・・・式(4.5)
Psensori(t):水質センサーiの時刻tにおける予測演算値
S1(t):センサー1の時刻tにおける計測値(流量又は水質)
S2(t):センサー2の時刻tにおける計測値(流量又は水質)
S3(t):センサー3の時刻tにおける計測値(流量又は水質)
・
・
Sn(t):センサーnの時刻tにおける計測値(流量又は水質)
A0j:定数項
A1j、A2j・・・・・・Anj、A0j:水質センサjに対する水質センサ1〜nの回帰係数(式(4.1)の係数と同じ値)
すべての水質センサーに関する相関式(Rsensorj)を行列式の形で表すと、以下の式(4.6)のような形で表される。
【0153】
【数13】
Rsensorj:水質センサjに関する相関式
Sj:センサjの水質値又は流量値
A0j:定数項
Aij:水質センサjに対する水質センサiの回帰係数(i=1〜n,j=1〜n)
また、時刻tにおけるすべての水質センサーに関する計測値の予測値(Psensorj)を行列式の形で表すと、以下の式(4.7)のような形で表される。
【0154】
【数14】
Psensorj(t):時刻tにおける水質センサjの予測値
Sj(t):時刻tにおけるセンサjの計測値
A0j:定数項
Aij:水質センサjに対する水質センサiの回帰係数(i=1〜n,j=1〜n)
そして、水質センサ異常診断装置7は、以下の式(4.8)の異常診断式で示されているように、演算された各水質センサの計測値の予測値と、各水質センサによる計測値と、の偏差が、所定の閾値を超えたか否かに基づいて、各水質センサの計測に関して異常が生じているか否かを診断することができる。
【0155】
【数15】
ULsensorj :水質センサーjの異常判定値
上述のようにして、各水質センサの計測に関して異常が生じているか否かが診断される。そして、一つの水質センサーの計測に関して異常が生じると、上記の式(4.8)のうちの1個乃至複数個の異常診断式において、異常が生じている旨が示される。すなわち、式(4.8)において異常であると診断されれば、水質センサーj若しくは当該水質センサーjと相関を有する水質センサ群の水質センサ(すなわち、センサAij≠0に対応する水質センサ)のいずれかの計測に関して異常が生じていると診断されうる。一方、式(4.8)において正常であると診断されれば、水質センサーj若しくは当該水質センサーjと相関を有する水質センサ群の各水質センサー(すなわち、センサAij≠0に対応する水質センサ)の計測は正常に行われている。
【0156】
例えば、水質センサーS1〜S5に関して図7に示すような相関関係がある場合を想定してみる。図7において、重なり合っている各水質センサー間部分は相関を有しており、重なり合っていない各水質センサー間部分は相関を有していない、ということ示す。水質センサーS1〜S5が図7のような相関関係を有する場合に、水質センサーS1の計測に関してのみ異常が生じている場合、水質センサーS1に関する異常診断式と、水質センサーS1と相関を有する水質センサーS2、S5に関する異常診断式と、では異常が生じている旨が示されることとなる。しかしながら、この場合、水質センサーS1と相関を有さない水質センサーS3の計測が正常に行われているので、水質センサーS3に関する異常診断式は正常な状態である旨を示す。従って、水質センサーS3と相関を有する水質センサーS2、S5の計測も、正常に行われていると診断することができる。このようにして、水質センサS1の計測に関してのみ異常が生じていると診断することができる。
【0157】
また同様に、水質センサーS2の計測に関してのみ異常が生じている場合、水質センサーS2に関する異常診断式と、水質センサーS2と相関を有する水質センサーS1、S3に関する異常診断式と、では異常が生じている旨が示されることとなる。しかしながら、この場合、水質センサーS2と相関を有さない水質センサーS5の計測が正常に行われているので、水質センサーS5に関する異常診断式は正常な状態である旨を示す。従って、水質センサーS5と相関を有する水質センサーS1、S3の計測も、正常に行われていると診断することができる。このようにして、水質センサS2の計測に関してのみ異常が生じていると診断することができる。
【0158】
一方、水質センサーS3の計測に関してのみ異常が生じている場合、水質センサーS3に関する異常診断式と、水質センサーS2と相関を有する水質センサーS2、S4、S5に関する異常診断式と、では異常が生じている旨が示されることとなる。そして、水質センサーS1の計測が正常に行われている場合には、水質センサーS1に関する異常診断式では正常である旨が示されるので、水質センサーS1と相関を有する水質センサーS2、S5の計測は正常に行われていると診断することができる。しかしながら、水質センサーS3及び水質センサーS4のうちどちらの或いは両者の計測に関して異常が生じているのかについては、厳密に診断することができない。従って、水質センサ異常診断装置7は、水質センサーS3及び水質センサーS4のうちいずれか一方或いは両者の計測に関して異常が生じていると診断することができる。
【0159】
このようにして、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50が、下水処理場に設置されている水質センサーのすべての計測について、上記の式(4.8)を利用して異常の有無を診断することにより、計測に関して異常が生じている可能性がある水質センサーを抽出することができる。
【0160】
そして、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50における上記の診断結果は、監視装置8に送られ、監視装置8は、送られてくる水質センサ異常診断装置7の診断結果に基づいて、管理者等に対してガイダンス、警報を行う。例えば、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50で抽出された、計測に関して異常が生じている可能性がある水質センサーのリストがディスプレイ表示されたりする。
【0161】
次に、本実施の形態の変形例について説明する。
【0162】
各水質センサー及び各流入流量計30a〜30gの設置位置は、図6に示されるものに限定されない。各水質センサー及び各流入流量計30a〜30gは、必要に応じて、下水処理場の任意箇所に設置されてもよい。
【0163】
また、各水質センサー、各流入流量計30a〜30g、及び曝気風量計46と水質センサ異常診断装置7との間、或いは、各水質センサー、各流入流量計30a〜30g、及び曝気風量計46と水質データベース24との間、において、計測値をフィルタリング処理するフィルタリング処理装置を設置してもよい。フィルタリング処理装置は、例えば上記の式(1.3)(1.4)のような演算式によって、各計測値に対してフィルタリング処理を施すことができる。フィルタリング処理装置においてフィルタリング処理が施された計測値は、その後、水質センサ異常診断装置7、水質データベース24において用いられうる。
【0164】
また、水質センサ異常診断装置7の異常診断部50における各水質センサーの計測に関して異常を有するか否かの診断方法は、上記の図7に基づくものには限定されず、他の方法を用いることも可能である。例えば、各種水質センサーの時系列データを用いた主成分分析に基づく方法を用いて、各水質センサーの計測に関して異常を有するか否かについて診断することも可能である。
【0165】
また、上記の式(4.1)、(4.4)、(4.6)の相関式は、上記のようなものに限定されず、必要に応じて他の適切な相関式を用いることが可能である。例えば、線形型、べき乗型、指数関数型、対数型、或いはこれらを組み合わせたもの、等を用いることもできる。
【0166】
上述の各実施の形態及び各変形例では、脱窒・脱リンを行う高度処理プロセスの一つである、凝集剤注入型嫌気−無酸素−好気法(凝集剤注入A2O法)と呼ばれるプロセスが行われるように構成された下水処理場について説明したが、他のプロセスに対しても本発明を好適に適用することができる。例えば、以下の表2に示されている各種プロセスのいずれに対しても、本発明を適用しうる。また、表2に示されている各種プロセスの他に、担体投入、凝集剤併用型のプロセス、AOAO法、各種A2O法、或いはこれらの各種プロセスの変法に対しても本発明を好適に適用することができる。
【0167】
【表2】
また、上述の各実施の形態及び各変形例では、複数の生物反応槽を備えた下水処理場(下水処理システム)について説明したが、単数(1つのみ)の生物反応槽を備えた下水処理場に対しても、本発明を好適に適用しうる。
【0168】
更に、本発明における制御用水質センサ及び異常診断用水質センサは、上述のものに限定されるものではない。例えば、制御用水質センサは、アンモニア性窒素濃度計、硝酸性窒素濃度計、全窒素濃度計、リン酸性リン濃度計、全リン濃度計、COD計、及びBOD計のうち、少なくとも1つ以上の水質センサ(有試薬センサ)を含んで構成されうる。また、異常診断用水質センサは、ORP計、UV計、及びDO計のうち、制御用水質センサが計測する対象水質と相関を有する相関水質を計測する1つ以上の水質センサ(無試薬センサ)を含んで構成されうる。
【0169】
例えば、以下の表3に示すように、制御用水質センサを硝酸性窒素濃度計或いは全窒素濃度計とした場合には、異常診断用水質センサはUV計、DO計が好ましく、制御用水質センサをリン酸性リン濃度計或いは全リン濃度計とした場合には、異常診断用水質センサはDO計が好ましく、制御用水質センサをCOD計或いはBOD計とした場合には、異常診断用水質センサはORP計或いはDO計が好ましい。また、制御用水質センサをアンモニア性窒素濃度計とした場合には、異常診断用水質センサはDO計がより好ましく、制御用水質センサをリン酸性リン濃度計或いは全リン濃度計とした場合には、異常診断用水質センサはORP計がより好ましい。また、制御用水質センサをアンモニア性窒素濃度計、硝酸性窒素濃度計、或いは全窒素濃度計とした場合には、異常診断用水質センサはORP計とすることが特に好ましく、制御用水質センサをCOD計或いはBOD計とした場合には、異常診断用水質センサはUV計とすることが特に好ましい。
【0170】
【表3】
なお、上述の各実施の形態を適宜組み合わせたものも本発明の範囲内に含まれうる。
【0171】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、制御用水質センサによる対象水質の計測に関して異常を有するか否かを診断するために、制御用水質センサによる対象水質の計測値だけでなく、異常診断用水質センサによる相関水質の計測値、及び、対象水質と相関水質との相関関係、が考慮される。このため、制御用水質センサによる対象水質の計測に関して異常の有無に関する診断を迅速に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態における下水処理場(下水処理システム)の概略構成を示す図である。
【図2】対応水質範囲の一例を示す図であって、NH4濃度とORPとの関係が示されている。
【図3】第1の実施の形態の一変形例における対応水質範囲を概略的に示す図である。
【図4】第2の実施の形態における下水処理場の概略構成を示す図である。
【図5】第3の実施の形態における下水処理場の概略構成を示す図である。
【図6】第4の実施の形態における下水処理場の概略構成を示す図である。
【図7】各水質センサーの相関関係を概略的に示した図である。図7中のS1〜S5は、各水質センサーを示している。
【図8】従来の下水処理場の概略構成の一例を示す図である。
【図9】従来の下水処理場の概略構成の他の例を示す図である。
【図10】従来の下水処理場における、NH4濃度と時間との関係、及び、曝気風量と時間との関係、を示す図である。
【符号の説明】
4、4a、4b、4c ORP計
5、5a、5b アンモニア性窒素濃度計
6 溶存酸素濃度計
7 水質センサ異常診断装置
8 監視装置
9 曝気装置
10 嫌気槽
11 無酸素槽
12 好気槽
16 PAC注入ポンプ
17 余剰ポンプ
18 初沈引抜ポンプ
19 炭素源注入ポンプ
21 炭素源貯留槽
22 凝集剤貯留槽
23 曝気風量コントローラ
24 水質データベース(水質データ記憶部)
25 炭素源注入コントローラ
30、30a〜30g 流入流量計
31 硝酸性窒素濃度計
32 T−N計
33 UV計
36 MLSS計
37 リン酸性リン濃度計
40 脱窒・脱リン処理槽
46 曝気風量計
50 異常診断部
51 対応水質範囲算出部
52 対応水質範囲照合部
53 相関関係導出部
61 バイパス水配管
62 初沈バイパス弁[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a water quality monitoring and control device for controlling a sewage treatment plant that processes sewage such as municipal sewage and industrial wastewater, and a sewage treatment system including the water quality monitoring and control device.
[0002]
[Prior art]
In recent years, eutrophication has been progressing in closed water areas such as lakes, marshes and bays, so that organic substances, nitrogen and phosphorus, which are substances causing eutrophication, flow out of sewage treatment plants into closed water areas. Need to be suppressed. In conventional sewage treatment plants, organic matter has been removed from sewage by a process called activated sludge method. However, in view of the above background, demand for advanced treatment to remove not only organic matter but also nitrogen and phosphorus from sewage has been increasing. Is increasing.
[0003]
There are various advanced treatment processes for removing nitrogen and phosphorus from sewage. As a representative example, a coagulant injection type anaerobic-anoxic-aerobic method (coagulant injection A2A process called O method) is known. FIG. 8 is a diagram showing a schematic configuration of a sewage treatment plant (sewage treatment system). The mechanism of nitrogen / phosphorus removal performed in the process shown in FIG. 8 will be described.
[0004]
That is, in the
[0005]
The nitrite nitrogen (NO) sent from the
[0006]
As a method for supplementing the organic matter to the denitrifying bacteria, for example, a method of opening the initial
When the nitrogen removal reaction is represented by a chemical formula, the nitrification reaction is represented by the following formulas (1) and (2).
[0007]
NH4 ++ 2O2→ NO2 −+ 2H2O Formula (1)
NO2 −+ 1 / 2O2→ NO3 − Equation (2)
The denitrification reaction when methanol is used as an organic substance is represented by the following equation (3).
[0008]
6NO3 −+ 5CH3OH → 3N2+ 5CO2+ 7H2O + 6OH− Equation (3)
Further, in the
[0009]
Al3 ++ 3PO4 −→ Al (PO4)3 Equation (4)
Meanwhile, there is a conventional sewage treatment plant water quality monitoring and control device as shown in FIG. 5 is an ammonia nitrogen concentration, 9 is an aeration device, 12 is an aerobic tank, and 23 is an aeration air volume controller. FIG. 9 adjusts the
[0010]
In addition, there are various types of sewage treatment plant water quality monitoring and control devices in addition to those described above (for example, see Patent Document 1). Can be selected.
[0011]
In the sewage treatment plant, water quality items such as TOC (total organic carbon concentration), COD (chemical oxygen demand), and BOD (biochemical oxygen demand) are analyzed as organic components. As the nitrogen component, water quality items such as ammonia nitrogen concentration, nitrate nitrogen concentration, nitrite nitrogen concentration, total nitrogen concentration, etc. are analyzed. In addition, water quality items such as phosphoric phosphorus concentration and total phosphorus concentration are analyzed as phosphorus components. Further, other water quality items such as dissolved oxygen concentration and SS (sludge concentration) are analyzed. These water quality items are managed by the water quality analysis staff at the sewage treatment plant, either by sampling and performing manual analysis (once a week) or continuously measured by water quality sensors. I have.
[0012]
[Patent Document 1]
JP-A-11-244894
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
Water quality sensors typified by nitrogen concentration meter including ammonia nitrogen concentration meter, nitrate nitrogen concentration meter and total nitrogen concentration meter, and phosphorus concentration meter including phosphoric acid concentration meter and total phosphorus concentration meter When each water quality item is measured by utilizing, each water quality is obtained by filtering sludge in the order of mg / L, that is, in the order of ppm, and then performing colorimetry using a reagent, measuring the absorbance thereof, and based on the measured value. Thus, the concentration of the target substance (water quality) is calculated (measured). In this way, when each water quality item is to be measured by the sensor, a measurement value abnormality may occur due to deterioration of the reagent or adhesion of sludge to the detection unit, and an appropriate measurement value may not be obtained. On the other hand, when the water quality component of the same item as the water quality sensor is measured by the manual analysis, the analysis requires time and effort. On the other hand, in a sewage treatment plant, generally, a water quality analyst only measures each water quality item about once a week to about once a month, not every day. For this reason, it is delayed to notice the abnormality of the measured value, and a countermeasure for preventing the deterioration of the water quality may be delayed, or an erroneous diagnosis may be made by an operator.
[0014]
On the other hand, as an example of a conventional sewage treatment plant water quality monitoring and control device, it has a configuration shown in FIG. 9 and is based on a measurement value of the ammonia
Further, when the ammonia
[0015]
The present invention has been made in order to solve the above-described problems, and has a water quality monitoring control device capable of quickly diagnosing the presence or absence of an abnormality in a measurement value of a water quality sensor, and a sewage including the water quality monitoring control device. It is an object to provide a processing system.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a water quality monitoring control device for monitoring the quality of a predetermined target water quality of sewage treated in a sewage treatment system having one or more biological reaction tanks for purifying sewage. Among the water qualities, a control water quality sensor that measures the target water quality, and a water quality sensor for abnormality diagnosis that measures a correlated water quality having a correlation with the target water quality, among sewage water qualities in a sewage treatment system, The measurement value of the target water quality by the water quality sensor, the measurement value of the correlated water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor, and the correlation between the target water quality and the correlation water quality, taking into account the control water quality sensor. An abnormality diagnosis unit that diagnoses whether or not the measurement of the target water quality has an abnormality. According to the present invention, a measurement value of the target water quality by the control water quality sensor, a measurement value of the correlation water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor, and a correlation between the target water quality and the correlation water quality are considered. Then, it is diagnosed whether or not the measurement of the target water quality by the control water quality sensor is abnormal. Therefore, it is possible to accurately and quickly diagnose whether or not the abnormality is present.
[0017]
Further, the present invention is a sewage treatment system comprising one or more biological reaction tanks for purifying sewage and the above-mentioned water quality monitoring and control device.
[0018]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0019]
First embodiment
FIG. 1 and FIG. 2 are diagrams showing a first embodiment of the present invention. FIG. 1 is a diagram showing a schematic configuration of a sewage treatment plant (sewage treatment system). FIG. 2 is a diagram showing an example of the corresponding water quality range, in which NH4The relationship between concentration and ORP is shown.
[0020]
The sewage treatment plant (sewage treatment system) shown in FIG. 1 monitors a plurality of biological reaction tanks for purifying sewage and the quality of ammonia nitrogen concentration (predetermined target water quality) of sewage to be treated. And a water quality monitoring control device for the In particular, the sewage treatment plant according to the present embodiment is one of the advanced treatment processes for performing denitrification and dephosphorization.2A process referred to as "O method)" is configured to be performed on sewage.
[0021]
The sewage treatment plant includes a
[0022]
In the
[0023]
An
[0024]
The denitrification /
[0025]
The
[0026]
One end of a water pipe to which a
[0027]
The
[0028]
The aeration device 9 (water quality adjustment device) is a device configured to be able to aerate the sewage in the
[0029]
The aeration
[0030]
(Equation 1)
Qair (t): a target air flow rate at time t (m3/ Min), Qair0: Aeration air volume initial value (m3/ Min), Kp: proportional gain (m6/ G · min), TI: Integration constant (min), Δt: control cycle (min), e (t): deviation (mg / L), SVNH4(T): target value of ammonia nitrogen concentration (mg / L), PVNH4 (T): Measurement value of ammonia nitrogen concentration meter (mg / L)
In such a case, the measured value of the ammonia nitrogen concentration (PVNH4) Is the target value of the ammonia nitrogen concentration (SVNH4If the value is larger than (), the target value of the aeration air flow is calculated so that the aeration air flow in the
[0031]
On the other hand, each water quality sensor of the
[0032]
A
[0033]
The water quality sensor
[0034]
The corresponding water quality range calculation unit 51 calculates a corresponding water quality range related to the ORP corresponding to the measured value of the ammonia nitrogen concentration by the ammonia
[0035]
The corresponding water quality
[0036]
For example, when the ammonia nitrogen concentration of the sewage is controlled so as to approach the target value, the measurement value of the
[0037]
(Equation 2)
PVNH4: Measured value of ammonia nitrogen concentration meter (mgN / L), ORP: Measured value of ORP meter (mV), aNH4: Variable (mgN / L), UNORP: ORP abnormality diagnosis lower limit (mV), UPORP: Upper limit value of ORP abnormality diagnosis (mV), F (aNH4), G (aNH4): The upper and lower limits of the diagnosis on the presence or absence of an abnormality related to the measurement of the
[0038]
The
[0039]
The
[0040]
The
[0041]
The sewage treatment plant has a
[0042]
The water quality monitoring and control device of the present invention includes an
[0043]
Next, the operation of the sewage treatment plant of the present embodiment will be described.
[0044]
First, the process of purifying sewage in a sewage treatment plant will be outlined.
[0045]
The
[0046]
The flow rate of the sewage sent from the
[0047]
The sewage sent to the
[0048]
The sewage subjected to the anaerobic treatment in the
[0049]
The sewage subjected to the anoxic treatment in the
[0050]
Most of the sewage subjected to the aerobic treatment in the
[0051]
The sewage flowing into the
[0052]
Next, aerobic processing in the
[0053]
The ammoniacal
[0054]
For example, as in the case where the ammonia
[0055]
However, for example, when the actual value of the ammonia nitrogen concentration in the sewage is 2 mg / L and the measurement value of the ammonia
[0056]
That is, the sewage flowing into the
[0057]
In the
[0058]
The above diagnosis result in the
[0059]
On the other hand, the aeration
[0060]
As described above, according to the present embodiment, the
[0061]
If an abnormality has occurred in the measurement of the ammonia nitrogen concentration by the ammonia
[0062]
Further, there is an abnormality in the measurement of the ammonia
[0063]
Further, the ammonia
[0064]
The type of guidance and / or alarm by the
[0065]
Next, a modified example of the present embodiment will be described.
[0066]
The ammonia
[0067]
Further, the
[0068]
In addition, between the ammonia
[0069]
(Equation 3)
PV (t): sensor measurement value at time t, FT: filter coefficient (0 to 1), n: integer
The measurement value subjected to the filtering processing in the filtering processing device can be subsequently used in the water quality sensor
[0070]
The method of diagnosing whether or not there is an abnormality in the measurement of the ammonia
[0071]
In addition, the dissolved
[0072]
(Equation 4)
PVO2: Measured value of dissolved oxygen concentration meter (mgN / L), ORP: Measured value of ORP meter (mV), aO2: Variable (mgN / L), UNORP: ORP abnormality diagnosis lower limit (mV), UPORP: Upper limit value of ORP abnormality diagnosis (mV)
In this case, the water quality sensor abnormality diagnosis device 7 (the abnormality diagnosis unit 50) can use the measurement value of the
[0073]
Further, the aeration
[0074]
Second embodiment
Drawing 4 is a figure showing a 2nd embodiment of the present invention, and is a figure showing the schematic structure of a sewage treatment plant (sewage treatment system).
[0075]
As shown in FIG. 4, the water quality sensor installed in the
[0076]
The sewage treatment plant further includes a water quality database 24 (water quality data storage unit). The
[0077]
The
[0078]
[Table 1]
Correlation data as shown in Table 1 stored in the
[0079]
The water quality sensor abnormality
[0080]
Other configurations are substantially the same as those of the first embodiment. In the second embodiment shown in FIG. 4, the same parts as those in the first embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description is omitted.
[0081]
The
[0082]
The sewage flowing into the
[0083]
The
[0084]
That is, the
[0085]
RNH4 average= A × ORP + B × Q + C Equation (2.1)
ORP: ORP meter measurement value, Q: flow rate, A, B, C: regression coefficient
The regression coefficients A, B, and C do not have a difference of 1 mg / L (predetermined threshold) or more between the measurement value of the first ammoniacal
[0086]
Conversely, based on the ORP and the measurement value of the
[0087]
PNH4(T) = A × ORP (t) + B × Q (t) + C Equation (2.2)
PNH4(T): Predicted ammonia nitrogen concentration at time t, ORP (t): ORP meter measured value at time t, Q (t): flow rate at time t, A, B, C: regression coefficients (formula (2. Coefficient similar to 2))
Since the
[0088]
Therefore, this predicted value PNH4(T) is the average value P of the measured values of the first ammoniacal
[0089]
At a certain date and time, the measured value P of the first ammoniacal nitrogenNH4 (1)(T) and the measured value P of the second ammoniacal
[0090]
(Equation 5)
PNH4(T): Predicted ammonia nitrogen concentration, PVNH4 average(T): average value of the measurement value of the first ammoniacal nitrogen concentration meter and the measurement value of the second ammoniacal nitrogen concentration meter, UL: upper limit of diagnosis (measured value-calculated value) of ammoniacal nitrogen concentration meter, PVNH4 (1)(T): measured value of the first ammoniacal nitrogen concentration meter, PVNH4 (2)(T): measured value of the second ammoniacal nitrogen concentration meter, ULPV: Upper limit of deviation between the measurement value of the first ammoniacal nitrogen concentration meter and the measurement value of the second ammoniacal nitrogen concentration meter
Then, the above-mentioned diagnosis result in the water quality sensor
[0091]
On the other hand, the aeration
[0092]
(Equation 6)
Qair (t): a target air flow rate at time t (m3/ Min), Qair0: Aeration air volume initial value (m3/ Min), Kp: proportional gain (m6/ G · min), TI: Integration constant (min), Δt: control cycle (min), e (t): deviation (mg / L), SVNH4(T): target value of ammonia nitrogen concentration (mg / L), PVNH4 (1)(T): measured value (mg / L) of the first ammoniacal nitrogen concentration meter, PVNH4 (2) (T): Measurement value of the second ammoniacal nitrogen concentration meter (mg / L)
The aeration
[0093]
As described above, according to the present embodiment, using the past data (correlation data) stored in the
[0094]
The parameters are also set in UL (allowable upper limit value for diagnosing whether or not there is an abnormality in at least one of the ammonia nitrogen concentration meters) and UL.PV(The allowable upper limit value of the deviation between the first ammoniacal
[0095]
In addition, the ammonia nitrogen concentration measured by the first ammonia
[0096]
Further, the aeration
[0097]
The predicted value of the ammonia nitrogen concentration used in the
[0098]
Next, a modified example of the present embodiment will be described.
[0099]
The first ammoniacal
[0100]
Further, between the first ammoniacal
[0101]
Further, when predicting the ammonia nitrogen concentration (target water quality), the water quality sensor
[0102]
RNH4 average= A × ORP + B × Q + C × T−N + D × DO + E × MLSS +... + Z Equation (2.7)
RNH4 average: Average value of the first ammonia
The method of diagnosing whether or not the measurement of the ammonia nitrogen concentration meter 5 (control water quality sensor) has an abnormality in the
[0103]
X1= A11PVNH4 (1)+ A21PVNH4 (2)+ A31RNH4 Equation (2.8)
X2= A12PVNH4 (1)+ A22PVNH4 (2)+ A32RNH4 Equation (2.9)
X3= AThirteenPVNH4 (1)+ A23PVNH4 (2)+ A33RNH4 Formula (2.10)
X1: First principal component, X2: Second principal component, X3: Third main component, PVNH4 (1): Measured value of the first ammoniacal
At this time, if the measurement by the ammoniacal
[0104]
(Equation 7)
Then, when an abnormality occurs in any of the first ammoniacal
[0105]
Further, the correlation formulas of the above formulas (2.3) and (2.7) are not limited to the linear type as described above, and other appropriate correlation formulas can be used if necessary. It is. For example, a power type, an exponential function type, a logarithmic type, or a combination thereof may be used.
[0106]
Further, two ammonia
[0107]
Further, the water quality sensor
[0108]
Further, the predetermined target water quality is not limited to the ammonia nitrogen concentration. Further, the control water quality sensor is not limited to the ammonia nitrogen concentration meter. For example, a phosphoric acid phosphorus concentration meter, a dissolved oxygen concentration meter, an MLSS meter, a nitrate nitrogen concentration meter, etc., are used as control water qualities with phosphate phosphorus, dissolved oxygen concentration, MLSS, nitrate nitrogen concentration, etc. as predetermined target water qualities. It can also be a sensor.
[0109]
Third embodiment
FIG. 5 is a diagram illustrating the third embodiment of the present invention, and is a diagram illustrating a schematic configuration of a sewage treatment plant (sewage treatment system).
[0110]
In the sewage treatment plant according to the present embodiment, instead of installing the
[0111]
The
[0112]
(Equation 8)
Qair (t): a target air flow rate at time t (m3/ Min), Qair0: Aeration air volume initial value (m3/ Min), Kp: proportional gain (m6/ G · min), TI: Integration constant (min), Δt: control cycle (min), e (t): deviation (mg / L), SVNH4(T): target value of ammonia nitrogen concentration (mg / L), PVNH4 (T): Measurement value of ammonia nitrogen concentration meter (mg / L)
In this embodiment, when the
[0113]
The
[0114]
The water quality sensor
[0115]
On the other hand, a carbon
[0116]
A
[0117]
Other configurations are substantially the same as those of the second embodiment. In the third embodiment shown in FIG. 5, the same parts as those in the second embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description is omitted.
[0118]
The
[0119]
By the way, each of the
[0120]
The
[0121]
On the other hand, in the water quality sensor
[0122]
6NO3 −+ 5CH3OH → 3N2+ 5CO2+ 7H2O + 6OH− Equation (3.2)
In this case, nitrate nitrogen functions as an oxidizing agent. On the other hand, the ORP generally has a relationship represented by the following equation (3.3), and the relationship between the ORP and the nitrate nitrogen concentration is represented by the following equation (3.4). It seems that there is a correlation.
[0123]
(Equation 9)
ORP = A + B · ln (NO3Equation (3.4)
A, B: Constant
Then, the
[0124]
RORP= A + B · ln (PVNO3Equation (3.5)
ORP: ORP prediction operation value, PVNO3: NO3A, B: constants (actual ORP and NO3Derived by the least squares method, etc.)
Then, the
[0125]
(Equation 10)
In the
[0126]
The
[0127]
(Equation 11)
Qcarbon(T): Carbon source input target value at time t (m3/ Min), Qcarbon0: Initial value of carbon source input (m3/ Min), Kp: proportional gain (m6/ G · min), TI: Integration constant (min), Δt: control cycle (min), e (t): deviation (mg / L), SVNO3(T): target value of nitrate nitrogen concentration (mg / L), PVNO3 (T): Measurement value of nitrate nitrogen concentration meter (mg / L)
The target value (SV) of the nitrogen nitrate concentration obtained based on the above equation (3.7)NO3) And the measured value of the nitrate nitrogen concentration meter 31 (PVNO3), The carbon
[0128]
As described above, according to the present embodiment, the logarithmic approximation of the relationship between the ORP and the nitrate nitrogen concentration based on the ORP theory and the measured values obtained by the
[0129]
In addition, the main component analysis of the past data stored in the
[0130]
Next, a modified example of the present embodiment will be described.
[0131]
The carbon
[0132]
Further, the carbon
[0133]
Further, between the
[0134]
When diagnosing whether there is an abnormality with respect to the measurement of the
[0135]
Further, the correlation equation of the above equation (3.5) is not limited to the logarithmic type as described above, and another appropriate correlation equation can be used as needed. For example, a linear type, a power type, an exponential function type, a logarithmic type, or a combination thereof may be used.
[0136]
Also, the ORP prediction value (RORPIn calculating (2), not only the nitrate nitrogen concentration but also the measured values of other reliable water quality sensors and flow meters may be used. For example, a
[0137]
(Equation 12)
It is generally said that there is a linear relationship between an organic component and UV, and an organic material acts as a reducing agent in a denitrification reaction. Equation (3.10) is derived from equation (3.3) based on this.
[0138]
Fourth embodiment
FIGS. 6 and 7 are diagrams showing a third embodiment of the present invention. FIG. 6 is a diagram showing a schematic configuration of a sewage treatment plant (sewage treatment system). FIG. 7 is a diagram schematically showing the correlation between the water quality sensors, and S in FIG.1~ S5Indicates each water quality sensor.
[0139]
In the sewage treatment plant of the present embodiment, instead of installing the
[0140]
A first inflow flow meter for measuring a flow rate of sewage flowing from the
[0141]
The
[0142]
Further, the water quality sensor
[0143]
Note that the aeration
[0144]
In the present embodiment, the control water quality sensor of the present invention is configured by any one of the water quality sensors, and the target water quality is the water quality measured by the water quality sensor. Further, the abnormality diagnosis water quality sensor of the present invention is constituted by another water quality sensor and each
[0145]
Other configurations are substantially the same as those of the second embodiment. In the fourth embodiment shown in FIGS. 6 and 7, the same parts as those in the second embodiment are denoted by the same reference numerals, and detailed description is omitted.
[0146]
The
[0147]
In the
[0148]
When a total of n pieces of correlation data regarding the measurement values of the water quality sensor, the
[0149]
Rsensor1= A21・ S2 + A31・ S3 + A41・ S4 .... + An1・ Sn + A01 Equation (4.1)
Rsensor1: Correlation formula for
S2: Water quality value or flow rate value by
S3: Water quality value or flow rate value by the
S4: Water quality value or flow rate value by the
・
・
Sn: Value measured by sensor n (flow rate or water quality)
A21, A31・ ・ ・ ・ ・ ・ An1, A(N + 1) 1: Regression coefficient (for sensor i having a low correlation with
In the
[0150]
Psensor1(T) = A21・ S2(T) + A31・ S3(T) + A41・ S4(T) ... + An1・ Sn(T) + A(N + 1) 1... Equation (4.2)
Psensor1(T): Predicted calculated value of
S2(T): measured value of
S3(T): measured value of
S4(T): measured value of
・
・
Sn(T): measured value of sensor n at time t (flow rate or water quality)
A21, A31・ ・ ・ ・ ・ ・ An1, A(N + 1) 1: Regression coefficient (the same value as the coefficient in equation (4.1))
Then, the
[0151]
| S1(T) -Psensor1(T) |> ULsensor1 Equation (4.3)
ULsensor1 :Abnormality judgment value of
Then, the same multiple regression analysis as that of the
[0152]
Rsensorj= A1j・ S1 + A2j・ S2 + A3j・ S3 + ··· + Anj・ Sn + A0j... Equation (4.4)
Rsensorj: Correlation formula for water quality sensor j
S1: Water quality value or flow rate value by
S2: Water quality value or flow rate value by
S3: Water quality value or flow rate value by the
・
・
Sn: Water quality value or flow rate value by sensor n
A1j, A2j・ ・ ・ ・ ・ ・ Anj, A(N + 1) j: Regression coefficients of
Psensorj(T) = A1j・ S1(T) + A2j・ S2(T) + A3j・ S3(T) ... + Anj・ Sn(T) + A0j.... Formula (4.5)
Psensori(T): Predicted calculated value at time t of water quality sensor i
S1(T): Measurement value of
S2(T): measured value of
S3(T): measured value of
・
・
Sn(T): measured value of sensor n at time t (flow rate or water quality)
A0j: Constant term
A1j, A2j・ ・ ・ ・ ・ ・ Anj, A0j: Regression coefficient of
Correlation equation for all water quality sensors (Rsensorj) Is represented in the form of a determinant, which is represented by the following equation (4.6).
[0153]
(Equation 13)
Rsensorj: Correlation formula for water quality sensor j
Sj: Water quality value or flow rate value of sensor j
A0j: Constant term
Aij: Regression coefficient of water quality sensor i with respect to water quality sensor j (i = 1 to n, j = 1 to n)
Also, the predicted values (Psensor) of the measurement values for all the water quality sensors at time tj) Is expressed in the form of a determinant, as shown in the following equation (4.7).
[0154]
[Equation 14]
Psensorj(T): predicted value of water quality sensor j at time t
Sj(T): measured value of sensor j at time t
A0j: Constant term
Aij: Regression coefficient of water quality sensor i with respect to water quality sensor j (i = 1 to n, j = 1 to n)
Then, the water quality sensor
[0155]
[Equation 15]
ULsensorj :Abnormality judgment value of water quality sensor j
As described above, it is diagnosed whether an abnormality has occurred in the measurement of each water quality sensor. Then, when an abnormality occurs in the measurement of one water quality sensor, it is indicated that one or more abnormality diagnosis expressions in the above expression (4.8) indicate that an abnormality has occurred. That is, if it is diagnosed as abnormal in the equation (4.8), the water quality sensor j or the water quality sensor of the water quality sensor group correlated with the water quality sensor j (that is, the sensor A)ijIt can be diagnosed that an abnormality has occurred in any of the measurements of the water quality sensor corresponding to # 0). On the other hand, if it is diagnosed as normal in the equation (4.8), the water quality sensor j or each water quality sensor of the water quality sensor group correlated with the water quality sensor j (that is, the sensor A)ijThe measurement of the water quality sensor corresponding to $ 0 is performed normally.
[0156]
For example, water quality sensor S1~ S5Let us assume a case where there is a correlation as shown in FIG. In FIG. 7, it is shown that the portions between the overlapping water quality sensors have a correlation, and the portions between the non-overlapping water quality sensors have no correlation. Water quality sensor S1~ S5Has a correlation as shown in FIG. 7, the water quality sensor S1If an abnormality occurs only in the measurement of water, the water quality sensor S1Abnormality diagnosis formula and water quality sensor S1Water quality sensor S correlated with2, S5In the abnormality diagnosis formula relating to the above, it is indicated that an abnormality has occurred. However, in this case, the water quality sensor S1Water quality sensor S that has no correlation with3The water quality sensor S has been measured normally.3The abnormality diagnosis formula for the normal state indicates that the state is normal. Therefore, the water quality sensor S3Water quality sensor S correlated with2, S5Can also be diagnosed as being performed normally. Thus, the water quality sensor S1It can be diagnosed that an abnormality has occurred only in the measurement of.
[0157]
Similarly, the water quality sensor S2If an abnormality occurs only in the measurement of water, the water quality sensor S2Abnormality diagnosis formula and water quality sensor S2Water quality sensor S correlated with1, S3In the abnormality diagnosis formula relating to the above, it is indicated that an abnormality has occurred. However, in this case, the water quality sensor S2Water quality sensor S that has no correlation with5The water quality sensor S has been measured normally.5The abnormality diagnosis formula for the normal state indicates that the state is normal. Therefore, the water quality sensor S5Water quality sensor S correlated with1, S3Can also be diagnosed as being performed normally. Thus, the water quality sensor S2It can be diagnosed that an abnormality has occurred only in the measurement of.
[0158]
On the other hand, the water quality sensor S3If an abnormality occurs only in the measurement of water, the water quality sensor S3Abnormality diagnosis formula and water quality sensor S2Water quality sensor S correlated with2, S4, S5In the abnormality diagnosis formula relating to the above, it is indicated that an abnormality has occurred. And the water quality sensor S1If the measurement of the water quality is performed normally, the water quality sensor S1The abnormality diagnosis formula for the water quality sensor S indicates that it is normal.1Water quality sensor S correlated with2, S5Can be diagnosed as being normally performed. However, it cannot be strictly diagnosed which one or both of the water quality sensor S3 and the water quality sensor S4 has an abnormality in the measurement. Therefore, the water quality sensor
[0159]
In this manner, the
[0160]
Then, the above diagnosis result in the
[0161]
Next, a modified example of the present embodiment will be described.
[0162]
The installation positions of the water quality sensors and the
[0163]
In addition, each water quality sensor, each
[0164]
Further, the method of diagnosing whether or not each of the water quality sensors has an abnormality in the
[0165]
Further, the correlation equations of the above equations (4.1), (4.4), and (4.6) are not limited to those described above, and other appropriate correlation equations may be used as necessary. Is possible. For example, a linear type, a power type, an exponential function type, a logarithmic type, or a combination thereof can be used.
[0166]
In each of the above-described embodiments and modifications, the coagulant injection type anaerobic-anoxic-aerobic method (coagulant injection A2Although the sewage treatment plant configured to perform a process called “O method” has been described, the present invention can be suitably applied to other processes. For example, the present invention can be applied to any of the various processes shown in Table 2 below. In addition, in addition to the various processes shown in Table 2, a carrier charging, a coagulant combined type process, an AOAO method, various A2The present invention can be suitably applied to the O method or a variation of these various processes.
[0167]
[Table 2]
In each of the above-described embodiments and modifications, the sewage treatment plant (a sewage treatment system) including a plurality of biological reaction tanks has been described. However, the sewage treatment apparatus includes a single (only one) biological reaction tank. The present invention can be suitably applied to a field.
[0168]
Further, the control water quality sensor and the abnormality diagnosis water quality sensor in the present invention are not limited to those described above. For example, the control water quality sensor includes at least one or more of an ammonia nitrogen concentration meter, a nitrate nitrogen concentration meter, a total nitrogen concentration meter, a phosphate phosphorus concentration meter, a total phosphorus concentration meter, a COD meter, and a BOD meter. It may be configured to include a water quality sensor (reagent sensor). In addition, the water quality sensor for abnormality diagnosis is one or more water quality sensors (reagent-free sensors) for measuring a correlated water quality having a correlation with a target water quality measured by the control water quality sensor among the ORP meter, the UV meter, and the DO meter. May be included.
[0169]
For example, as shown in Table 3 below, when the control water quality sensor is a nitrate nitrogen concentration meter or a total nitrogen concentration meter, the abnormality diagnosis water quality sensor is preferably a UV meter or a DO meter. When a phosphoric acid phosphorus concentration meter or a total phosphorus concentration meter is used, the water quality sensor for abnormality diagnosis is preferably a DO meter, and when the water quality sensor for control is a COD meter or a BOD meter, the water quality sensor for abnormality diagnosis is An ORP meter or DO meter is preferred. Further, when the control water quality sensor is an ammonia nitrogen concentration meter, the abnormality diagnosis water quality sensor is more preferably a DO meter, and when the control water quality sensor is a phosphate phosphorus concentration meter or a total phosphorus concentration meter, The ORP meter is more preferable as the abnormality diagnosis water quality sensor. In addition, when the control water quality sensor is an ammonia nitrogen concentration meter, a nitrate nitrogen concentration meter, or a total nitrogen concentration meter, it is particularly preferable that the abnormality diagnosis water quality sensor be an ORP meter. When a COD meter or a BOD meter is used, it is particularly preferable that the abnormality diagnosis water quality sensor is a UV meter.
[0170]
[Table 3]
A combination of the above-described embodiments may be included in the scope of the present invention.
[0171]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, not only the measurement value of the target water quality by the control water quality sensor but also the abnormality diagnosis The measured value of the correlated water quality by the water quality sensor and the correlation between the target water quality and the correlated water quality are considered. For this reason, it is possible to quickly diagnose whether there is an abnormality in the measurement of the target water quality by the control water quality sensor.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram illustrating a schematic configuration of a sewage treatment plant (sewage treatment system) according to a first embodiment.
FIG. 2 is a diagram showing an example of a corresponding water quality range;4The relationship between concentration and ORP is shown.
FIG. 3 is a diagram schematically showing a corresponding water quality range in a modified example of the first embodiment.
FIG. 4 is a diagram illustrating a schematic configuration of a sewage treatment plant according to a second embodiment.
FIG. 5 is a diagram illustrating a schematic configuration of a sewage treatment plant according to a third embodiment.
FIG. 6 is a diagram illustrating a schematic configuration of a sewage treatment plant according to a fourth embodiment.
FIG. 7 is a diagram schematically showing a correlation between water quality sensors. S in FIG.1~ S5Indicates each water quality sensor.
FIG. 8 is a diagram showing an example of a schematic configuration of a conventional sewage treatment plant.
FIG. 9 is a diagram showing another example of a schematic configuration of a conventional sewage treatment plant.
FIG. 10: NH in a conventional sewage treatment plant4It is a figure which shows the relationship between density | concentration and time, and the relationship between aeration air volume and time.
[Explanation of symbols]
4, 4a, 4b, 4c ORP meter
5,5a, 5b Ammonia nitrogen concentration meter
6 dissolved oxygen concentration meter
7 Water quality sensor abnormality diagnosis device
8 Monitoring equipment
9 Aeration device
10 Anaerobic tank
11 Anoxic tank
12 Aerobic tank
16 PAC Infusion Pump
17 Surplus pump
18 First extraction pump
19 Carbon source injection pump
21 Carbon source storage tank
22 Coagulant storage tank
23 Aeration air volume controller
24 Water Quality Database (Water Quality Data Storage)
25 Carbon source injection controller
30, 30a-30g Inflow flow meter
31 Nitrate nitrogen concentration meter
32 T-N meter
33 UV meter
36 MLSS meter
37 Phosphoric acid concentration meter
40 Denitrification and dephosphorization treatment tank
46 Aeration air flow meter
50 Abnormality diagnosis unit
51 Compatible water quality range calculator
52 Compatible Water Quality Range Matching Unit
53 Correlation Derivation Unit
61 Bypass water piping
62 First settling bypass valve
Claims (19)
下水処理システムにおける下水の水質のうち、前記対象水質を計測する制御用水質センサと、
下水処理システムにおける下水の水質のうち、前記対象水質と相関関係を有する相関水質を計測する異常診断用水質センサと、
前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測値と、前記異常診断用水質センサによる前記相関水質の計測値と、前記対象水質と前記相関水質との相関関係と、を考慮して、前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測に関して異常を有するか否かを診断する異常診断部と、
を備えたことを特徴とする水質監視制御装置。A water quality monitoring and control device for monitoring the quality of a predetermined target water quality of sewage treated in a sewage treatment system having one or more biological reaction tanks for purifying sewage,
Of the sewage water quality in the sewage treatment system, a control water quality sensor that measures the target water quality,
Of the sewage water quality in the sewage treatment system, an abnormality diagnosis water quality sensor that measures a correlated water quality having a correlation with the target water quality,
The measured value of the target water quality by the control water quality sensor, the measurement value of the correlated water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor, and the correlation between the target water quality and the correlated water quality, taking into account the An abnormality diagnosis unit that diagnoses whether or not the measurement of the target water quality by the water quality sensor has an abnormality,
A water quality monitoring control device comprising:
前期異常診断部は、水質データ記憶部に記憶されている前記相関データに基づいて、前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測に関して異常を有するか否かを診断することを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の水質監視制御装置。The apparatus further includes a water quality data storage unit that stores past correlation data related to the correlation between the target water quality and the correlation water quality,
The first-stage abnormality diagnosis unit diagnoses, based on the correlation data stored in the water-quality data storage unit, whether or not the measurement of the target water quality by the control water-quality sensor has an abnormality. The water quality monitoring control device according to any one of 1 and 2.
前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測に関して異常を有するか否かを診断する際に前記異常診断部が考慮する前記対象水質と前記相関水質との相関関係は、前記相関関係導出部によって導き出された前記対象水質と前記相関水質との相関関係である
ことを特徴とする請求項3のいずれかに記載の水質監視制御装置。A correlation deriving unit that derives a correlation between the target water quality and the correlated water quality based on past correlation data stored in the water quality data storage unit,
The correlation between the target water quality and the correlated water quality considered by the abnormality diagnosis unit when diagnosing whether or not the control water quality sensor has an abnormality in the measurement of the target water quality is derived by the correlation derivation unit. The water quality monitoring control device according to any one of claims 3 to 4, wherein the target water quality and the correlation water quality are correlated.
前記異常診断部は、前記流入流量計の計測値を更に考慮して、前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測に関して異常を有するか否かを診断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の水質監視制御装置。The control water quality sensor further includes an inflow flow meter that measures an inflow amount of sewage flowing into a predetermined sewage treatment system in which the target water quality of the sewage is measured,
The said abnormality diagnosis part diagnoses whether it has abnormality regarding the measurement of the said target water quality by the said control water quality sensor further considering the measured value of the said inflow flowmeter, The Claims 1 thru | or 5 characterized by the above-mentioned. The water quality monitoring and control device according to any one of the above.
前記異常診断部は、前記流入流量計の計測値を更に考慮して、前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測に関して異常を有するか否かを診断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の水質監視制御装置。The abnormal diagnosis water quality sensor further includes an inflow flow meter that measures an inflow amount of sewage flowing into a predetermined sewage treatment system in which the correlated water quality of the sewage is measured by the abnormality diagnosis water quality sensor,
The said abnormality diagnosis part diagnoses whether it has abnormality regarding the measurement of the said target water quality by the said control water quality sensor further considering the measured value of the said inflow flowmeter, The Claims 1 thru | or 5 characterized by the above-mentioned. The water quality monitoring and control device according to any one of the above.
前記対象水質と前記相関水質との相関関係に基づいて、前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測値に対応する、前記相関水質に関する対応水質範囲を求める対応水質範囲算出部と、
前記異常診断用水質センサによる前記相関水質の計測値に基づくデータと、前記対応水質範囲算出部の求めた対応水質範囲と、を照合することによって、前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測に関して異常を有するか否かを診断する対応水質範囲照合部と、を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の水質監視制御装置。The abnormality diagnosis unit,
Based on the correlation between the target water quality and the correlated water quality, corresponding to the measurement value of the target water quality by the control water quality sensor, a corresponding water quality range calculation unit that obtains a corresponding water quality range related to the correlated water quality,
By comparing the data based on the measured value of the correlated water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor and the corresponding water quality range obtained by the corresponding water quality range calculation unit, the measurement of the target water quality by the control water quality sensor is performed. The water quality monitoring control device according to any one of claims 1 to 7, further comprising: a corresponding water quality range collating unit that diagnoses whether or not there is an abnormality.
前記対応水質範囲照合部が前記対応水質範囲算出部の求めた対応水質範囲と照合する前記異常診断用水質センサによる前記相関水質の計測値に基づくデータは、前記異常診断用水質センサによる前記相関水質の計測値であり、
前記対応水質範囲照合部は、前記異常診断用水質センサによる前記相関水質の計測値が、前記対応水質範囲算出部が求めた対応水質範囲から外れているか否かに基づいて、制御用水質センサによる前記対象水質の計測に関して異常を有するか否かを診断することを特徴とする請求項8に記載の水質監視制御装置。The corresponding water quality range determined by the corresponding water quality range calculation unit is a range related to the measurement value of the correlated water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor,
The data based on the measured value of the correlated water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor, in which the corresponding water quality range matching unit compares the corresponding water quality range obtained by the corresponding water quality range calculation unit, is the correlated water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor. Is the measured value of
The corresponding water quality range matching unit, based on whether the measured value of the correlated water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor is out of the corresponding water quality range obtained by the corresponding water quality range calculation unit, based on the control water quality sensor. The water quality monitoring and control device according to claim 8, wherein it is diagnosed whether or not the measurement of the target water quality has an abnormality.
前記対応水質範囲照合部が前記対応水質範囲算出部の求めた対応水質範囲と照合する前記異常診断用水質センサによる前記相関水質の計測値に基づくデータは、前記異常診断用水質センサによる前記相関水質の計測値の時間変化量であり、前記対応水質範囲照合部は、前記異常診断用水質センサによる前記相関水質の計測値の時間変化量が、前記対応水質範囲算出部が求めた対応水質範囲から外れているか否かに基づいて、前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測に関して異常を有するか否かを診断することを特徴とする請求項8に記載の水質監視制御装置。The corresponding water quality range determined by the corresponding water quality range calculation unit is a range related to a time change amount of the measurement value of the correlation water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor,
The data based on the measured value of the correlated water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor, in which the corresponding water quality range matching unit compares the corresponding water quality range obtained by the corresponding water quality range calculation unit, is the correlated water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor. The corresponding water quality range comparison unit, the time change amount of the measurement value of the correlation water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor, the corresponding water quality range determined by the corresponding water quality range calculation unit. The water quality monitoring and control device according to claim 8, wherein it is diagnosed whether or not there is an abnormality in the measurement of the target water quality by the control water quality sensor based on whether or not the water quality is off.
前記異常診断部で考慮される前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測値と前記異常診断用水質センサによる前記相関水質の計測値とは、前記フィルタリング処理部によってフィルタリング処理が施された前記制御用水質センサによる前記対象水質の計測値と前記異常診断用水質センサによる前記相関水質の計測値とであることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の水質監視制御装置。The measurement value of the target water quality by the control water quality sensor, and the measurement value of the correlation water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor, further comprising a filtering processing unit that performs a filtering process,
The measurement value of the target water quality by the control water quality sensor and the measurement value of the correlated water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor considered by the abnormality diagnosis unit are the control values subjected to the filtering process by the filtering processing unit. The water quality monitoring control device according to any one of claims 1 to 10, wherein the water quality sensor is a measurement value of the target water quality by a water quality sensor and a measurement value of the correlated water quality by the abnormality diagnosis water quality sensor.
前記制御用水質センサの計測値の計測値に基づいて前記水質調整装置を制御する水質調整制御装置を更に備えた
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の水質監視制御装置。The sewage treatment system further includes a water quality adjustment device that adjusts the target water quality,
The water quality monitoring control device according to any one of claims 1 to 11, further comprising a water quality adjustment control device that controls the water quality adjustment device based on a measurement value of the measurement value of the control water quality sensor.
ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の水質監視制御装置。When the abnormality diagnosis unit diagnoses that the measurement of the target water quality by the control water quality sensor has an abnormality, the abnormality diagnosis unit further includes a monitoring device that performs at least one of an alarm and guidance regarding the abnormality. The water quality monitoring and control device according to any one of claims 1 to 12.
前記異常診断用水質センサは、無試薬水質センサであることを特徴とする請求項15に記載の水質監視制御装置。The control water quality sensor is a reagent-based water quality sensor using a reagent,
The water quality monitoring and control device according to claim 15, wherein the abnormality diagnosis water quality sensor is a reagentless water quality sensor.
前記制御用水質センサは、下水中の前記対象水質と前記試薬との比色反応を検知することにより、下水処理システムにおける下水の前記対象水質を計測することを特徴とする請求項16に記載の水質監視制御装置。The reagent shows a colorimetric reaction with the target water quality,
The control water quality sensor according to claim 16, wherein the target water quality in the sewage treatment system is measured by detecting a colorimetric reaction between the target water quality in the sewage and the reagent. Water quality monitoring and control equipment.
異常診断用水質センサは、ORP計、UV計、及びDO計のうち、制御用水質センサが計測する対象水質と相関を有する相関水質を計測する1つ以上の水質センサを含んで構成されている
ことを特徴とする請求項16又は17のいずれかに記載の水質監視制御装置。The control water quality sensor includes at least one of an ammonia nitrogen concentration meter, a nitrate nitrogen concentration meter, a total nitrogen concentration meter, a phosphate phosphorus concentration meter, a total phosphorus concentration meter, a COD meter, and a BOD meter. It is comprised including,
The abnormality diagnosis water quality sensor is configured to include one or more water quality sensors that measure correlated water quality having a correlation with the target water quality measured by the control water quality sensor, among the ORP meter, the UV meter, and the DO meter. 18. The water quality monitoring and control device according to claim 16, wherein:
請求項1乃至17のうちいずれか1項に記載の水質監視制御装置と、を備えたことを特徴とする下水処理システム。One or more biological reactors for purifying sewage;
A sewage treatment system comprising: the water quality monitoring control device according to any one of claims 1 to 17.
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