JP2004188232A - 掃除機用エアゾール組成物および掃除機用エアゾール製品 - Google Patents

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清治 高橋
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Abstract

【課題】掃除機の集塵バッグに対し、抗菌性粉末を容易にかつ効果的に適用することができる掃除機用エアゾール組成物、および使用が簡便な掃除機用エアゾール製品を提供すること。
【解決手段】掃除機用エアゾール組成物は、液状媒体中に抗菌性成分が含有されてなる原液と、圧縮ガスおよび液化石油ガスの少なくとも一方よりなる噴射剤とよりなり、掃除機の吸入口から、当該掃除機に装着された集塵バッグの内部に適用されることを特徴とする。ここで、原液は、抗菌性成分を形成する抗菌性粉末が液状媒体中に分散されてなるものであることが好ましい。また、掃除機用エアゾール製品は、上記の掃除機用エアゾール組成物が、エアゾール容器内に充填されてなり、1回の使用ですべての原液が適用される1回使い切りタイプとされる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、掃除機の集塵バッグの内部に適用される掃除機用エアゾール組成物および掃除機用エアゾール製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、一般に使用されている掃除機は、吸引ファンおよびこれを駆動するモータなどがケース内に備えられて掃除機本体が構成され、これに集塵のための集塵バッグが装着され、ファンにより吸入口から空気が吸引されることにより、大気中の塵埃が空気と共に吸引され、集塵バッグにより集塵されてその内部に堆積されていく。
而して、このように集塵が行われた集塵バッグ内では、温度や湿度などの環境条件によって黴や細菌などが増殖し、また、掃除機からの排気中にこれらの黴や細菌などが含有されることにより、周囲の空気が汚染されたり、異臭が発生するという問題があった。
【0003】
このような問題に対処するため、従来においては、抗菌性粉末を、掃除機の集塵バッグ内に、予め、装入しておく方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
しかしながら、この方法では、抗菌性粉末を集塵バッグ内に装入するために、使用者は、掃除機から集塵バッグを取り出すことが必要となるため、面倒な作業となる。
【0005】
また、抗菌性粉末を、掃除機の作動によって、集塵バッグ内に吸引することも可能であるが、集塵バッグ内において抗菌性粉末が必ずしも十分均一に分散されず、しかも、既に多量の塵埃が堆積している場合には、抗菌性粉末を堆積した塵埃中に分散させることができず、結局その効果が十分に発揮されない、という問題がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−277168号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような背景に基づいてなされたものであって、その目的は、掃除機の集塵バッグに対し、抗菌性成分を容易にかつ効果的に適用することができる掃除機用エアゾール組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記の掃除機用エアゾール組成物がエアゾール容器内に充填されてなり、使用が簡便な掃除機用エアゾール製品を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の掃除機用エアゾール組成物は、液状媒体中に抗菌性成分が含有されてなる原液と、圧縮ガスおよび液化石油ガスの少なくとも一方よりなる噴射剤とよりなり、掃除機の吸入口から、当該掃除機に装着された集塵バッグの内部に適用されることを特徴とする。
【0009】
以上において、原液は、抗菌性成分を形成する抗菌性粉末が液状媒体中に分散されてなるものであることが好ましい。
また、原液における抗菌性粉末の含有割合が0.1〜50質量%であることが好ましい。
【0010】
更に、抗菌性粉末の平均粒子径は、20〜100μmの範囲にあることが好ましい。
ここで、抗菌性粉末は、抗菌剤が粉末状担体に保持されたものであることが好ましい。
以上において、原液を構成する液状媒体中に抗菌性成分が溶解されてなるものであることが好ましい。
【0011】
本発明の掃除機用エアゾール製品は、上記の掃除機用エアゾール組成物が、エアゾール容器内に充填されてなり、1回の使用ですべての原液が適用される1回使い切りタイプとされていることを特徴とする。
【0012】
【作用】
以上のような掃除機用エアゾール組成物によれば、掃除機に装着された状態のままで集塵バッグの内部に適用される結果、噴射剤によるガス圧力によって原液中の抗菌性成分がいわば強制的に集塵バッグの内部に散布されるために、抗菌性成分を容易にかつ効果的に集塵バッグの内部に分散された状態で適用することができる。しかも塵埃が堆積しているときにも、噴射剤によるガス圧力によって塵埃の堆積状態がほぐされるため、抗菌性成分を塵埃に十分に混合させることができる。
【0013】
本発明の掃除機用エアゾール製品によれば、1回の使用ですべての原液が適用される1回使い切りタイプとされているために、必要かつ十分な量の抗菌性成分を集塵バッグの内部に適用することができ、従って、その使用が簡便である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における掃除機用エアゾール組成物は、液状媒体中に、例えば抗菌性成分として抗菌性粉末が分散されて含有されてなる原液と、例えば圧縮ガスおよび液化石油ガスの少なくとも一方または両方よりなる噴射剤とによって構成され、噴射バルブを有するエアゾール容器内に充填されて掃除機用エアゾール製品とされる。
【0015】
原液を構成する成分の種類、並びに、その各々の原液における含有割合は以下のとおりである。
<液状媒体>
液状媒体としては、例えば不燃性溶剤として知られているものが用いられる。この不燃性溶剤としては、例えばブロモプロパンなどの臭素系溶剤や、ハイドロクロロフルオロカーボン(いわゆる代替フロン)などが挙げられる。このような不燃性溶剤は、引火性がないために、適用上、安全である。
液状媒体の原液における含有割合は、50〜99質量%とされ、好ましくは、50〜80質量%である。
【0016】
<抗菌性粉末>
抗菌性粉末としては、例えばそれ自体が抗菌効果を有するもの、または種々の抗菌剤が粉末状担体に保持されてなるものが好ましく用いられる。
抗菌剤としては、例えば無機系抗菌剤を用いることが好ましく、特に、抗菌効果の持続性に優れた銀を用いることが好ましい。
粉末状担体としては、化学的に耐久性に優れたセラミックスやガラスなどを用いることができ、特に、粉末状ガラスを用いることが好ましい。
それ自体が抗菌効果を有する抗菌性粉末としては、第4級アンモニウム塩化合物を含有する樹脂粒子や、第4級アンモニウム塩化合物よりなる単量体から得られる重合体粒子が好ましく用いられる。
【0017】
抗菌性粉末としては平均粒子径が20〜100μm以下のものが用いられ、好ましくは40〜50μmのものが用いられる。平均粒子径が過大の抗菌性粉末を用いると、掃除機用エアゾール製品において噴射バルブの詰まりが生じるおそれが大きくなり、一方、平均粒子径が過小の抗菌性粉末では、掃除機用エアゾール組成物の噴射の際に、抗菌性粉末が集塵バッグを通過してしまうために捕捉されない可能性が大きくなる。
【0018】
本発明の掃除機用エアゾール組成物を構成する原液において、抗菌性粉末の含有割合は0.1〜50質量%であり、好ましくは、2〜30質量%である。原液中の抗菌性粉末の含有割合が50質量%を超えると、液状媒体にそのすべてが十分に分散されずに凝集するおそれが大きくなり、一方、0.1質量%未満であると、目的とする抗菌効果を十分に得ることができない場合がある。
【0019】
本発明の掃除機用エアゾール組成物において、噴射剤としては、例えば窒素ガス、炭酸ガスなどの圧縮ガスを用いることができる。
このような圧縮ガスは不燃性であり、引火性がないため、適用上、安全である。また、圧縮ガスを用いることにより、エアゾール容器内の内圧が一定となるため、使用環境の温度に影響されずに、安定な噴射状態が得られる。
ここで、エアゾール容器に対し、圧縮ガスは、その内圧が0.5〜0.9MPaになるように圧入され、調整される。
噴射剤としては、液化石油ガスを単独で、または液化石油ガスを圧縮ガスと併用して用いることも可能である。
ここで、噴射剤として液化石油ガスを利用した場合には、エアゾール容器の内圧が35℃の条件で0.8MPa未満となるよう調整される。
【0020】
本発明の掃除機用エアゾール製品は、1回の使用ですべての原液が適用される1回使い切りタイプとされていることが好ましい。この場合において、掃除機用エアゾール製品の各々には、例えば30〜40gの抗菌性粉末を含有させることが好ましい。
【0021】
本発明の掃除機用エアゾール組成物は、抗菌性粉末の目的とする抗菌性能が失われない範囲であれば、必要に応じて、各種の添加剤を原液中に含有させることができる。
添加剤の具体例としては、例えば消臭剤、殺虫剤、香料、その他を挙げることができる。
このような添加剤の含有割合は、その種類によっても異なるが、通常、原液全体に対して例えば10質量%以下であることが望ましい。
【0022】
本発明の掃除機用エアゾール製品は、掃除機の吸入口から集塵バッグの内部に噴射されて適用される。
すなわち、掃除機の吸入口から直接的に掃除機用エアゾール組成物を噴射すればよい。 そして、1回使いきりタイプとされている本発明の掃除機用エアゾール製品を用いる場合には、特に注意することなしに必要にして十分な量の抗菌性成分である抗菌性粉末の適用が確実に達成される。
【0023】
本発明の掃除機用エアゾール組成物は、対象となる掃除機に対し、集塵バッグ内に或る程度の量の塵埃が堆積している状態のときに、適用することが有効である。
【0024】
そして、このように集塵バッグの内部に適用されることにより、噴射剤によるガス圧力によって原液中の抗菌性粉末がいわば強制的に散布され、その結果、集塵バッグの内部の塵埃において、黴や細菌などの繁殖が有効に抑制され、これにより掃除機の使用時において黴や細菌などが掃除機から放出されることが防止される。
【0025】
以上、本発明の抗菌性成分として、抗菌性粉末を用いる場合について説明したが、本発明においては、液状媒体中に抗菌性成分が溶解されてなる原液を用いることもできる。この場合には、噴射剤として、液化石油ガスを単独で、または液化石油ガスを圧縮ガスと併用して用いることが好ましい。ここで、噴射剤として液化石油ガスを利用した場合には、エアゾール容器の内圧が35℃の条件で0.8MPa未満となるよう調整される。
また、以上において、抗菌性粉末が抗菌性成分が溶解された液状媒体中に分散されてなる原液を用いることもできる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
<実施例1>
粉末状ガラスよりなる担体に5質量%の割合となる量の銀を担持させてなり、平均粒子径が45μmである抗菌性粉末35gを、臭素系溶剤よりなる105gの液状媒体に分散させることによって原液を調製した。
この原液を、噴射バルブを備えたエアゾール容器内に充填し、噴射剤として窒素ガスを圧入して、その内圧が0.8MPaの掃除機用エアゾール製品を調製した。
【0027】
電気掃除機を用いて標準的な使用方法で10分間作動させて集塵を行い、約10gの塵埃を収集し、この時点で上記掃除機用エアゾール製品の組成物の全量を掃除機の吸入口集塵バッグの内部に噴射し、その後、更に10分間の集塵を行った。
【0028】
その後、集塵バッグを掃除機から取り出し、収集された塵埃に、滅菌された生理食塩水1000mlを加えて濾過することにより試料液を得、この試料液1mlを滅菌済みのシャーレに移し、標準寒天培地を用いた混釈平板培養法に則り、38℃で一週間培養処理を行い、培養処理開始時および一週間後における生菌数を測定した。
その結果、培養処理開始時における生菌数は18個であり、一週間後における生菌数は80個であった。
【0029】
<比較例1>
一方、同様の電気掃除機を用い、掃除機用エアゾール組成物を掃除機の吸入口から集塵バッグの内部に噴射しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、集塵および培養処理を行った。
その結果、培養開始時における生菌数は7000個であり、一週間後における生菌数は8000個であった。
【0030】
以上の結果から、実施例1の掃除機用エアゾール組成物を適用することにより、掃除機の集塵バッグの内部の黴や細菌などに対して有効な抗菌効果が得られることが明らかである。
【0031】
【発明の効果】
本発明の掃除機用エアゾール組成物によれば、掃除機に装着された状態のままで集塵バッグの内部に適用される結果、噴射剤によるガス圧力によって原液中の抗菌性成分がいわば強制的に集塵バッグの内部に散布されるために、抗菌性成分を容易にかつ効果的に集塵バッグの内部に分散された状態で適用することができる。しかも塵埃が堆積しているときにも、噴射剤によるガス圧力によって塵埃の堆積状態がほぐされるため、抗菌性成分を塵埃に十分に混合させることができ、その結果、集塵バッグの内部の塵埃において、黴や細菌などの繁殖が有効に抑制されることとなり、これにより掃除機の使用時において黴や細菌などが掃除機から放出されることが防止される。
【0032】
本発明の掃除機用エアゾール製品によれば、1回の使用ですべての原液が適用される1回使い切りタイプとされているために、必要かつ十分な量の抗菌性成分を集塵バッグの内部に適用することができるため、その使用が簡便である。

Claims (7)

  1. 液状媒体中に抗菌性成分が含有されてなる原液と、圧縮ガスおよび液化石油ガスの少なくとも一方よりなる噴射剤とよりなり、
    掃除機の吸入口から、当該掃除機に装着された集塵バッグの内部に適用されることを特徴とする掃除機用エアゾール組成物。
  2. 原液は、抗菌性成分を形成する抗菌性粉末が液状媒体中に分散されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の掃除機用エアゾール組成物。
  3. 原液における抗菌性粉末の含有割合が0.1〜50質量%であることを特徴とする請求項2に記載の掃除機用エアゾール組成物。
  4. 抗菌性粉末は、その平均粒子径が20〜100μmの範囲にあることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の掃除機用エアゾール組成物。
  5. 抗菌性粉末は、抗菌剤が粉末状担体に保持されたものであることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の掃除機用エアゾール組成物。
  6. 液状媒体は、抗菌性成分が溶解されて含有されてなるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の掃除機用エアゾール組成物。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の掃除機用エアゾール組成物が、エアゾール容器内に充填されてなり、1回の使用ですべての原液が適用される1回使い切りタイプとされていることを特徴とする掃除機用エアゾール製品。
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