JP2004188191A - ゴルフシャフト - Google Patents

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久松  吾郎
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弘幸 河添
Takeshi Saito
毅 斎藤
Hironori Ashida
蘆田  浩規
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Abstract

【課題】 ゴルフシャフトの全体のボイド含有率を少なくすることにより、安定した強度を発現するゴルフシャフトを提供することを目的とする。
【解決手段】 繊維トウaとして400texの炭素繊維トウを用いた。成形用樹脂bとしては、1液性変性エポキシ樹脂を用意し、この樹脂中に直径が5nm〜200nm、その長さが50nm〜10μmのカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーを3重量%添加して成形用樹脂bとした。前記繊維トウaにこれら成形用樹脂bを、樹脂含有率が38重量%となるよう含浸させたトウプリプレグ11、12、13を形成し、前記トウプリプレグ11、12、13を編み組みした層を含むゴルフシャフト71、72,73、75を得た。
【選択図】 図1

Description

本発明は、編組機によってトウプリプレグを編み組みして形成される繊維強化プラスチックス(FRP)製のゴルフシャフトに関するものであり、更に詳細には、編み組みして形成される組物層中に有する樹脂たまり部(樹脂の占める割合の比較的大きい部分)の品質の向上、その樹脂たまり部に比較的多く存在するボイドを少なくすることでの耐久性の向上をはかった、ゴルフシャフトに関するものである。
FRP製のゴルフシャフトとしては、従来から公知のシートワインディング製法やフィラメントワインディング製法があるが、近年、曲げ剛性分布、線密度分布の設計自由度が大きく、また曲げ強度、ねじり強度共に発現性が良好であることから、トウプリプレグを編み組みして成形するブレイディング製法によるゴルフシャフト(ブレイディングシャフト)が見られるようになった。
前記ブレイディングシャフトは、数千本の炭素繊維を引き揃えた炭素繊維トウに成形用樹脂を予め含浸させて成るトウプリプレグを、シャフト軸線に対して左右対称の配向角度を有する組糸と、前記シャフト軸線に対して0°の配向角度をもつ中央糸に用い、編組機により組糸同士(2軸編み)あるいは組糸と中央糸(3軸編み)で編み組みして組物層を形成し、該組物層を複数層積層したものである。したがって、左右の組糸の2方向、あるいは組糸と中央糸の3方向の軸が重なる部分と重ならない部分との間に生じる段差部分に、樹脂が満たされずボイドが生じて強度低下を招いたり、前記重なったことにより形成される大きな表面凹凸を修正するための多量の表面研磨によって、ゴルフシャフト全長にわたって連続するはずの繊維を切断し、同じく強度低下を招くという問題があった。
本発明者らは、このような問題点を解決する方法として、特開平11−342233、特開2000−288139号公報を開示している。特開平11−342233では、中央糸を含まず組み角度が大きい構成の2軸編みの内層と、中央糸を含み、組み角度を前記内層より小さくした3軸編みの外層とからなる積層構成を有するゴルフシャフトであって、内層の炭素繊維トウの繊度が400tex〜600tex程度のものを用い、従来の3軸組物層のみを積層してなる構成のシャフトに比べればゴルフシャフト表面に形成される凹凸を比較的少なくすることができるようにしたものである。
また、特開2000-288139号では、シャフト軸に対し0°の配向角度である中央糸を研磨しないようにするために最外層は2軸編み、内層を3軸編みで形成し、さらに、両層の組糸の配向角度をほぼ同一とすることにより、同じくシャフト表面を平滑にするための研磨量が少なくても済むようにしている。
特開平11−342233号
特開2000−288139号
近年、ゴルフシャフトは軽量化の傾向にある。もっとも重いゴルフシャフトといわれるものでは125g程度のものがあるが、最近では65g以下の軽量のものが主流となっており、最軽量のものでは40g程度のものが見られるようになっている。
このような傾向にあって、軽量化の如何にかかわらず、シャフトの全長にわたり連続した繊維トウを用いて成形しつつ、曲げ剛性分布,線密度分布を高い自由度で設計することが可能なブレイディングシャフトは高性能ゴルフシャフトの実現に有用である。
ブレイディングシャフトでは、ゴルフシャフトの質量が大きければ、ゴルフシャフトの断面に占めるトウの本数(トウが全長にわたって連続しているため、どの部位の断面もトウの本数は等しい)が多く、ボイドをゴルフシャフトの外に押しやるのに十分量の繊維、樹脂があるのでボイドが生じるという問題は少ない。更に詳細には、編み組みして形成される組物層中に有する樹脂たまり部(樹脂の占める割合の比較的大きい部分)の品質の向上、その樹脂たまり部に比較的多く存在するボイドを少なくすることでの耐久性の向上をはかった、ゴルフシャフトに関するものである。
しかし、炭素繊維トウを編み組みしてゴルフシャフトを形成するものであるため、2軸編みの左右の組糸同士、あるいは3軸編みの組糸と中央糸の3方向の軸が重なる部分と重ならない部分との間に生じる段差部分には樹脂たまり部が多く存在し、その樹脂たまり部に成形用樹脂が充分に充填されない場合があり、どうしてもボイドが生じるという問題が発生する。
前記した、組糸の配向角度を調整する開示方法を用いても、問題を解決することはできない。
例えば、1mあたりの質量が65g以下の軽量ゴルフシャフトは、1mあたりの質量が125g程度のブレイディングシャフトと比べると、その断面に占めるトウの本数は質量に比例して約70本(400tex〜600tex程度のトウに換算して)程度にまで減少し、このゴルフシャフトのボイド含有率を測定すると、約2.5%となる。ここで、前記ボイド含有率は、JISK7075「炭素繊維強化プラスチックの繊維含有率及び空洞率試験方法」の空洞率を用いる。ただし、シャフトの先端・中央・手元3ヶ所から長さ50mmずつ切り出し、空洞率を測定し、その平均値をゴルフシャフト全体のボイド含有率とする。
炭素繊維強化プラスチックの成形物において、ボイド(気泡)は樹脂たまり部に集まる傾向にあることは一般的で、この樹脂たまり部の割合が高い、言い換えると、ボイド含有率が大きい時、その部分が基点となり、過剰な負荷により亀裂やクラックが入りやすく、故に、シャフトの強度が小さいことは一般的に知られている。
このボイドや樹脂たまり部によって、シートワインディング製法によるゴルフシャフトと比較して、ブレイディングシャフトは軽量になるほど、急激に強度が低下する傾向にある。(シートワインディング製法によるゴルフシャフトは、一般に、強化繊維を引揃え、樹脂を含浸させてプリプレグ化したプリプレグシートをマンドレルに巻回せしめた後、テーピングを施して加熱硬化させて成形されるものであり、樹脂たまり部も比較的少ないことが特徴である。)
そこで、本発明は、ゴルフシャフトの全体のボイド含有率を従来のブレイディングシャフトより少なくすることにより、安定した強度を発現するゴルフシャフトを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1の発明は、強化繊維を引き揃えた強化繊維トウに成形用樹脂を予め含浸させて成るトウプリプレグを編み組みしてなる組物層を少なくとも2層以上積層以上積層した構成を含む繊維強化プラスチックス製ゴルフシャフトにおいて、前記組物層には、前記トウプリプレグを構成する成形樹脂中に、炭素原子が円筒状に結晶化した極細炭素繊維が1重量%〜30重量%含まれた構成のゴルフクラブシャフトである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のゴルフシャフトであって、前記極細炭素繊維は、炭素原子が円筒状に結晶化した微細な炭素繊維が1層又は円筒の中心軸を同心軸として複数層積層配置されていて、その円筒の中心部に中空部を有し、その直径が5nm〜200nm、その長さが50nm〜10μmの円筒状の炭素繊維であるゴルフクラブシャフトである。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のゴルフシャフトであって、前記成形用樹脂は、常温での粘度が10poise以上200poise以下であるゴルフクラブシャフトである。
請求項4の発明は、請求項1、2または3に記載のゴルフシャフトであって、前記繊維強化プラスチックス製ゴルフシャフトは、さらに強化繊維を引揃えて成形用樹脂を予め含浸させて成るプリプレグシートからなる層を含むゴルフクラブシャフトである。
以上のように、本発明のゴルフシャフトは、トウプリプレグを編み組みしてなる組物層を有するFRP製のゴルフシャフトであって、前記トウプリプレグを構成する成形用樹脂中に極細炭素繊維が含まれるものを用いることにより、ゴルフシャフト全体のボイド含有率を1.0%以下とすることができたので、軽量でありながら、強度、特に耐衝撃性を向上させることも出来た。また、ゴルフシャフトの表面の平滑性も向上させることが出来たので、硬化成形後の研磨仕上げについても、樹脂のみの研磨となり繊維トウを研磨により切断させることがないので、効率的な設計ができるとともに耐久性も向上した。
以下、本発明を添付図面に示す実施例に基づき説明する。図1は本発明に用いるトウプリプレグの一実施形態を説明する図であり、図2および図3は、図1に示すトウプリプレグを用いて形成されたFRP製のゴルフシャフトの積層構成を説明する説明図である。
本発明に用いるトウプリプレグ1に用いられる強化繊維としては、強化繊維の直径が5μm〜200μmのフィラメントを1000本〜12000本収束させた繊維トウaに成形用樹脂bを含浸させたもので、前記強化繊維としては例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、芳香族ポリアミド繊維などが挙げられ、好ましくはPAN系及びピッチ系の炭素繊維が用いられる。本発明の成形用樹脂bに用いられる合成樹脂としては、従来からFRP成形品に使用されている合成樹脂と同様のものが使用出来、例えば、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリプロピレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ABS樹脂、ナイロン樹脂などの熱可塑性樹脂を使用することが出来るが、好ましくはエポキシ樹脂を用いるのがよい。
本発明においては、前記成形用樹脂bを形成する合成樹脂全量に対して極細炭素繊維を1重量%〜30重量%添加したものを用いる。前記極細炭素繊維は、いわゆるカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーと称されているものであり、この極細炭素繊維は、炭素原子が円筒状に結晶化した繊維が1層、又は、円筒の中心軸を同心軸として複数層積層配置されていて、その円筒の中心部に中空部を有し、かつ、その直径が5nm〜200nm、その長さが50nm〜10μmの円筒状の炭素繊維である。このようなカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバーは、合成樹脂中に添加することにより均一に混ざりやすく分散性に優れていることで、成形性が向上すると共に、合成樹脂中でナノチューブ、ナノファイバーが網目状に絡み合い、成形用樹脂としての強度が向上すると共に、ゴルフシャフトの強度が向上し、特に耐衝撃性・耐久性が飛躍的に上がる。また、前記極細炭素繊維に類似したものにウイスカーがあるが、ウイスカーは合成樹脂に添加すると混合時に合成樹脂と反応するので、均一に混ぜることが困難である。
前記成形用樹脂bに含まれる極細炭素繊維の量は、前記成形用樹脂bを構成する合成樹脂全量に対して、好ましくは1重量%〜30重量%であり、さらに好ましくは2重量%〜15重量%である。前記極細炭素繊維が1重量%以下であると、編み組みしたトウプリプレグの間の凹凸部分への充填が充分ではなくなるし、30重量%以上であると、成形用樹脂の粘度が高くなるため、編み組むという工程に支障をきたすため、好ましくない。
このとき成形用樹脂bは25℃での粘度が20poise以上200poise以下であるであることが好ましい。粘度は低いほどカーボンナノチューブ・カーボンナノファイバーの混合が容易で、かつ、トウプリプレグとして編み組みした時、ボイドをゴルフシャフトの外に押し出すに効果的であるが、10poise以下であると、カーボンナノチューブ・カーボンナノファイバーの当初の分散は良好であるが、反面、分散の偏りが生じることや、繊維トウにそのような成形用樹脂bを含浸させる時の含浸量を調整するのが困難であり、200poise以上であると、カーボンナノチューブ・カーボンナノファイバーの混合が均一に出来ないことや、繊維トウへの含浸を調整するのが困難であるため好ましくない。
一実施例を示す。図1に示すトウプリプレグの構成としては、繊維トウaとして400texの炭素繊維である東レ株式会社製「T700−6000」を用いた。表1、表2に、本発明の実施例のシャフト71、72、73、75及び従来シャフト74、76の諸特性の一覧を示す。
Figure 2004188191
Figure 2004188191
実施例のシャフト71としてのトウプリプレグは、成形用樹脂bには、1液性変性エポキシ樹脂を用意し、この樹脂中に直径が5nm〜70nm、その長さが50nm〜1μmのカーボンナノチューブを3重量%添加して成形用樹脂bとした。前記炭素繊維からなる繊維トウaにこれら成形用樹脂bを、樹脂含有率が38重量%となるよう含浸させてトウプリプレグ11を形成した。
実施例のシャフト72としてのトウプリプレグは、成形用樹脂bには、1液性変性エポキシ樹脂を用意し、この樹脂中に直径が5nm〜70nm、その長さが50nm〜1μmのカーボンナノチューブを1.5重量%添加して成形用樹脂bとした。前記炭素繊維からなる繊維トウaにこれら成形用樹脂bを、樹脂含有率が38重量%となるよう含浸させてトウプリプレグ12を形成した。
実施例のシャフト73、シャフト75としてのトウプリプレグは、成形用樹脂bには、1液性変性エポキシ樹脂を用意し、この樹脂中に直径が70nm〜200nm、その長さが5μm〜10μmのカーボンナノファイバーを3重量%添加して成形用樹脂bとした。前記炭素繊維からなる繊維トウaにこれら成形用樹脂bを、樹脂含有率が38重量%となるよう含浸させてトウプリプレグ13を形成した。
比較のため、従来シャフト74、シャフト76としてのトウプリプレグも、成形用樹脂bには、1液性変性エポキシ樹脂を用意した。前記炭素繊維からなる繊維トウaにこれら成形用樹脂bを、樹脂含有率が38重量%となるよう含浸させてトウプリプレグ10を形成した。
次に、これらのトウプリプレグ10,11,12,13を用いて、実施例のシャフト71,72,73及び、従来シャフト74を作成した。作成にあたっては、図2に示すように、ゴルフシャフト成形用のマンドレル(図示なし)に、シャフトの内側から、2軸の組物層(組糸16本)を、組糸の配向角度が先端から手元端にかけてシャフト軸2に対し40度から50度に漸次変化させて編み組みした第1の層3、その外側に、3軸の組物層(組糸16本と中央糸8本)を、組糸の配向角度が先端から手元端にかけてシャフト軸2に対し40度から20度に漸次変化させて編み組みした第2の層4と、その外側に、3軸の組物層(組糸16本と中央糸8本)を、組糸の配向角度が先端から手元端にかけてシャフト軸2に対し30度から10度に漸次変化させて編み組みした第3の層5と、その外側に、2軸の組物層(組糸16本)を、組糸の配向角度が先端から手元端にかけてシャフト軸2に対し30度から10度に漸次変化させて編み組みした最外層6とを積層してその表面をラッピングテープで巻き締め、加圧加熱硬化成形後、ラッピングテープを除去し、マンドレルを抜き取り、表面を少量研磨してゴルフシャフト71,72,73,74を得た。
但し、実施例のシャフト71,72,73は、表1にあるように、極細炭素繊維を含有したトウプリプレグ11,12,13を、第3の層5と最外層6の2層分の組糸として使用し、これら以外の材料及び従来シャフト74の材料は、トウプリプレグ10を使用した。
更に、これらのトウプリプレグ10,13を用いて、実施例のシャフト75及び従来シャフト76を作成した。
実施例のシャフト75及び従来シャフト76は、図3に示すように、強化繊維を引揃え、樹脂を含浸させてプリプレグ化したシートプリプレグをそれぞれのマンドレル(図示せず)に巻回した後、その外側にトウプリプレグ10,13を、シャフト軸線に対して左右対称の配向角度を有する組糸と、前記シャフト軸線に対して0°の配向角度をもつ中央糸に用い、編組機により組糸同士(2軸編み)あるいは組糸と中央糸(3軸編み)で編み組みして組物層を形成し、該組物層を複数層積層したシートワインディング製法とブレイディング製法を複合させた製法で形成し、その後でテーピングを施して加熱硬化させて成形されるシャフトであることを特徴としている。
図3に示す前記シャフト75、76と、図2に示すシャフト71、72、73、74との構成の違いを以下に説明する。
図3に示す前記シャフト75、76は、図2の第1の層3に代えて、シートプリプレグ(東レ株式会社製M40J)を、配向角度が+45度となるように巻回したシートプリプレグ7a、−45度となるように巻回したシートプリプレグ7bを各々2層分、積層し、その上に、補強として先端部に(図示せず)、別のシートプリプレグ(東レ株式会社製T700)(図示せず)を巻回させたもので、ゴルフシャフト成形用のマンドレル(図示せず)に、その外側から、前記のシートプリプレグの層7a、7b、その外側に、前記記載の2軸の組物層(組糸16本)を、組糸の配向角度が先端から手元端にかけてシャフト軸2に対し40度から20度に漸次変化させて編み組みした層4と、その外側に、3軸の組物層(組糸16本と中央糸8本)を、組糸の配向角度が先端から手元端にかけてシャフト軸2に対し30度から10度に漸次変化させて編み組みした層5と、その外側に、2軸の組物層(組糸16本)を、組糸の配向角度が先端から手元端にかけてシャフト軸2に対し30度から10度に漸次変化させて編み組みした最外層6とを積層してその表面をラッピングテープで巻き締め、加圧加熱硬化成形後、ラッピングテープを除去し、マンドレルを抜き取り、表面を少量研磨してゴルフシャフト75,76を得た。
但し、実施例のシャフト75は、表2にあるように、極細炭素繊維を含有したトウプリプレグ13を、層4、層5と最外層6の3層分の組糸として使用し、従来シャフト76は、極細炭素繊維を含有しないトウプリプレグ10を、第2の層4、第3の層5と最外層6の3層分の組糸として使用した。
前記実施例のゴルフシャフト71,72,73,75は表面の炭素繊維トウを切断するに至るまでの研磨量には及ばないものの、表面の平滑性は良好であり、また、実施例のゴルフシャフト71,72,73,75全体のボイド含有率を1.0%以下に抑えることができた。また、この実施例のゴルフシャフト71,72,73,75の重量は、約60gであった。(従来シャフト74,76の重量も約60gであった。)
シャフト強度について説明を以下にする。
まず、試験方法であるが、ゴルフシャフトの各部位に曲げ負荷をかけることが出来る3点曲げ試験の方法で、圧子治具には半径75mmのものを用い、試験速度を5mm/分で実施した。(但し、3点曲げ試験の支持間の距離は、600mmとする)
各部位とは、ゴルフシャフトの先端から300mmの位置、600mmの位置、及び、後端から300mmの位置である。
上記試験に対する各部位の曲げ強度は、従来シャフト74に対する本発明実施例のシャフト71,73の比率を表1に示した。また、従来シャフト76に対する実施例のシャフト75の比率を表2に示した。
極細炭素繊維を含有したトウプリプレグの組糸を外2層に使用したゴルフシャフト71,73は、従来シャフト74より、数%から20%弱アップの効果があることが分かる。特に、極細炭素繊維の種類として、カーボンナノファイバーの方が比較的効果の大きいことが分かる。極細炭素繊維を含有したトウプリプレグの組糸を外3層に使用したゴルフシャフト75は、従来シャフト76より、約8%アップの効果があることが分かるが、層数の増減による効果は明確でない。
次に、耐衝撃強度の試験方法であるが、オフセンターショット時のゴルフシャフトのネック部付近の折損のレベルをエネルギー換算の大小で判断した。エネルギー換算の判定は、エアーの圧力で発射させたゴルフボールをオフセンターにヒットさせ、ゴルフシャフトのネック部付近が折損した時の、ゴルフボールの持つ運動エネルギーにより行った。オフセンターショットの位置は、ゴルフクラブのヘッドのヒール上部(ネック部付近)とした。
極細炭素繊維を含有したトウプリプレグの組糸を外2層に使用したゴルフシャフト71,72,73は、従来シャフト74より、10%弱から30%強アップの効果があることが分かる。特に、極細炭素繊維の種類として、カーボンナノチューブの方が比較的効果の大きいことが分かる。極細炭素繊維を含有したトウプリプレグの組糸を外3層に使用したゴルフシャフト75は、従来シャフト76より、約43%アップの大きな効果があることが分かり、層数の増減による効果は絶大であることが分かる。
極細炭素繊維を含有させた材料を使用することにより、ゴルフシャフトの耐衝撃性を向上させることが可能となり、その分、ゴルフシャフトの先端部分の肉厚を小さくすることが可能となった。それにより、少なからずゴルフシャフトの軽量化が望めると共に、ゴルフシャフトの先端部分の薄肉化・軽量化により、従来よりもやや重めのヘッドを装着することも可能となり、これまでと異なる性能を有するゴルフクラブも開発・設計できる。
また、前記ゴルフシャフト71,72,73,75を構成する組物層の積層順序は本実施例の順序に限定されることなく、ゴルフシャフト7の設計特性に合わせてどのような順序であっても良いし、3軸編みの組物層のみで形成しても良い。
本発明のトウプリプレグの一実施形態を説明する図。 トウプリプレグを用いて形成されたFRP製のゴルフシャフトの積層構成を説明する説明図。 トウプリプレグとシートプリプレグを用いて形成されたFRP製のゴルフシャフトの積層構成を説明する説明図。
符号の説明
a 繊維トウ
b 成形用樹脂
1 トウプリプレグ
10,11,12,13 トウプリプレグ
2 シャフト軸
3 第1の層
4 第2の層
5 第3の層
6 最外層
71、72、73、74、75、76 ゴルフシャフト

Claims (4)

  1. 強化繊維を引き揃えた強化繊維トウに成形用樹脂を予め含浸させて成るトウプリプレグを編み組みしてなる組物層を少なくとも2層以上積層した構成を含む繊維強化プラスチックス製ゴルフシャフトにおいて、前記組物層には、前記トウプリプレグを構成する成形用樹脂中に、炭素原子が円筒状に結晶化した極細炭素繊維が1重量%〜30重量%含まれて成る組物層を含むことを特徴とするゴルフクラブシャフト。
  2. 前記極細炭素繊維は、炭素原子が円筒状に結晶化した微細な炭素繊維が1層又は円筒の中心軸を同心軸として複数層積層配置されていて、その円筒の中心部に中空部を有し、その直径が5nm〜200nm、その長さが50nm〜10μmである円筒状の炭素繊維であることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブシャフト。
  3. 前記成形用樹脂は、25℃での粘度が10poise以上200poise以下であることを特徴とする請求項1または2記載のゴルフクラブシャフト。
  4. 前記繊維強化プラスチックス製ゴルフシャフトは、さらに強化繊維を引揃えて成形用樹脂を予め含浸させて成るプリプレグシートからなる層を含むことを特徴とする請求項1、2または3記載のゴルフクラブシャフト。
































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