JP2004187412A - ハイブリッド車両用の動力出力装置及びその制御方法、並びにハイブリッド車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハイブリッド車両用の動力出力装置において、その寿命を長くする。
【解決手段】ハイブリッド車両用の動力出力装置は、エンジンと、この出力の少なくとも一部を用いて発電可能である3相発電機と、これからの交流電源の供給を受けてハイブリッド車両の駆動輪に駆動力を出力可能な誘導モータとを備える。更に、ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が誘導モータで得られるように、3相発電機の発電周波数及び誘導モータの回転数のうち少なくとも一方を制御する制御手段を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】ハイブリッド車両用の動力出力装置は、エンジンと、この出力の少なくとも一部を用いて発電可能である3相発電機と、これからの交流電源の供給を受けてハイブリッド車両の駆動輪に駆動力を出力可能な誘導モータとを備える。更に、ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が誘導モータで得られるように、3相発電機の発電周波数及び誘導モータの回転数のうち少なくとも一方を制御する制御手段を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンとモータジェネレータ装置とを組合せてなるハイブリッド車両用の動力出力装置の技術分野に属し、更に、該動力出力装置が搭載されたハイブリッド車両の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
ハイブリッド車両用の動力出力装置は、要求される動作状態に応じて適宜、モータジェネレータ装置をエンジンの駆動力で回転されるジェネレータ(発電機)として利用して或いはモータジェネレータ装置に含まれる専用のジェネレータを利用して、バッテリに充電する(特許文献1及び2参照)。また、モータジェネレータ装置をバッテリから電源供給を受けて回転するモータ(電動機)として利用して或いはモータジェネレータ装置に含まれる専用のモータを利用して、駆動軸を単独で或いはエンジンと共に回転させる。これにより、エンジンを基本的に運転効率が高い状態で運転させ続けることができ、燃費性能や排気浄化性能が向上するものとされている。
【0003】
尚、この種のハイブリッド車両用の動力出力装置は、パラレルハイブリッド方式とシリーズハイブリッド方式とに大別される。前者では、駆動軸をエンジンの出力の一部により回転させると共にモータジェネレータ装置の駆動力により回転させる。後者では、エンジン出力はモータジェネレータ装置による充電に専ら用いられ、駆動軸をモータジェネレータ装置の駆動力により回転させる。
【0004】
このようなハイブリッド車両用の動力出力装置には通常、バッテリの電源供給を受けて動作可能な、DC(Direct Current:直流)モータ或いはDCモータジェネレータが用いられている。
【0005】
また、エンジン回転により発電するジェネレータからの電力供給を受けて、モータにより後輪を駆動する形式の四輪駆動制御装置として構築されたハイブリッド車両用の動力出力装置も、開発されている。この装置においても、後輪駆動用のモータとして、やはりDC(Direct Current:直流)モータが用いられている(特許文献3参照)。DCモータは、一般に小型であり、且つ大きなトルクが得られると共に瞬発力を発揮するのにも向いている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−47094号公報)、
【特許文献2】
特開2000−324615号公報)
【特許文献3】
特開2002−152911号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1〜3等に開示されたDCモータを用いたハイブリッド車両用の動力出力装置の場合には、例えばハイブリッド車両等の比較的動作時間が長く或いは駆動条件が厳しい用途では、ハイブリッド動作に伴ってDCモータのブラシ(整流子)の磨耗が激しくなるという問題点がある。即ち、ブラシ寿命について懸念される。そして、ブラシが、ある程度磨耗してしまうと、単なるDCモータの性能低下に留まらずに、特に燃費性能や排気浄化性能の向上を目的とする複雑高度なハイブリッド制御に狂いが生じて、装置全体のパーフォーマンスが顕著に劣化しかねないという技術的な問題点がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、比較的寿命が長く、高度な制御を長期に亘って実行可能なハイブリッド車両用の動力出力装置及びこれを備えてなるハイブリッド車両を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置は上記課題を解決するために、エンジンと、該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能である3相発電機と、該3相発電機からの交流電源の供給を受けて、前記ハイブリッド車両の駆動輪に駆動力を出力可能な誘導モータと、前記ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が前記誘導モータで得られるように、前記3相発電機の発電周波数及び前記誘導モータの回転数のうち少なくとも一方を制御する制御手段とを備える。
【0010】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置によれば、その動作中には、3相発電機は、エンジンの出力の少なくとも一部を用いて、その回転子が回転させられて、発電を行う。これにより、3相の交流電源の供給を、その界磁コイルから出力する。誘導モータは、例えば固定子コイルで、このような3相発電機からの交流電源の供給を受けて、例えばかご型回転子であるその回転子が回転する。即ち、誘導モータは、電磁誘導作用により回転されるその回転子の軸から回転駆動力を出力する。ハイブリッド車両の駆動輪は、このような誘導モータの駆動力を、デファレンシャルギヤ等を介して受けて、回転させられる。以上により、3相発電機による電源供給で、誘導モータが駆動し、ハイブリッド車両が走行することになる。
【0011】
従って本発明によれば、前述した従来例の如く直流モータを用いることで、モータ部分に係るブラシ(整流子)等の磨耗や破損が問題となることはないので、装置の長寿命化が可能であり、大変有利である。
【0012】
しかも、本発明では特に、制御手段は、3相発電機の発電周波数及び誘導モータの回転数のうち少なくとも一方を制御することで、ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が誘導モータで得られる。ここに「すべり周波数制御」とは一般に、誘導モータの1次周波数制御において、発電機における電圧/周波数を一定にする制御(「V/F一定制御」或いは「V/F制御」と呼ばれる)を行うことで、誘導モータの励磁電流を一定として、誘導モータの出力トルクとすべり周波数(=発電機周波数−モータ回転数)とを比例関係にする制御をいう。従って、本発明によれば、例えば誘導モータの周波数を制御するためのインバータやバッテリ等の高価な部品を用いる必要なく、比較的簡易な構成を採用しつつ、すべり周波数制御を実現でき、これにより、各時点で当該ハイブリッド車両に要求されている目標トルクが、当該誘導モータによって得られることになる。この際、3相発電機により発電されて誘導モータに供給される交流電源の電圧値(大きさ)を制御するのみならず、誘導モータに供給される交流電源の交流周波数を可変にできる。
【0013】
尚、本発明に係る「目標トルク」は、通常はアクセルの踏み込み量に応じて比較的簡単に決められる。そして、このようにすべり周波数制御を利用することで、誘導モータの出力トルクを応答良くすべり周波数に比例するように変化させられる。
【0014】
以上の結果、ハイブリッド車両の動力出力装置として、駆動用モータを誘導モータから構成しつつ、その駆動力を当該ハイブリッド車両により要求される目標トルクに適合するように制御できる。
【0015】
加えて、本発明では、エンジン出力の少なくとも一部を用いて3相発電機による発電が行われるが、エンジン出力の他の部分を用いて、駆動輪を駆動するように構成してもよい。例えば、エンジンと誘導モータとの両者の駆動力が同時に同一又は異なる駆動輪に伝達される構成としてもよいし、一の時刻にはいずれか一方の駆動力が駆動軸に伝達される構成としてもよい。また、例えば、発進時や低速時には、エンジンにより駆動輪を駆動し、通常速度や高速度の走行中には、誘導モータにより駆動輪を駆動する構成としてもよい。或いは、エンジンは、専ら発電のために用いる構成とすることも可能である。いずれの場合にも、誘導モータで駆動輪を駆動する際には、車速に比例して駆動輪の回転数が決まっており、誘導モータの回転数についても当該実際の駆動輪の回転数により一義的に決まってしまうか又は少なくともその制約を受ける。しかしながら、上述の如く、本発明では、制御手段による3相発電機の発電周波数や誘導モータの回転数の制御によって、ハイブリッド車両の実際の車速によらずに、誘導モータでは適切にすべり周波数制御が行われるのである。
【0016】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の一態様では、前記制御手段は、前記エンジンの回転数を制御することで、前記発電周波数を制御する。
【0017】
この態様によれば、制御手段は、例えば、燃料噴射量を増減させるなどによってエンジン回転数を制御することで、3相発電機の発電周波数を制御する。これにより、ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が誘導モータで得られる。従って、すべり周波数制御によって、各時点で当該ハイブリッド車両に要求されている目標トルクが誘導モータによって得られることになる。
【0018】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の他の態様では、前記制御手段は、前記エンジンと前記3相発電機との間に、前記エンジンの回転数と前記3相発電機の回転数との割合を調整可能な第1回転数調整手段を備えており、前記制御手段による前記発電周波数の制御の少なくとも一部として、前記第1回転数調整手段により、前記エンジンの回転数と前記3相発電機の回転数との割合を調整することで、前記3相発電機の回転数を制御する。
【0019】
この態様によれば、制御手段は、例えば、クラッチや変速機などの第1回転数調整手段を、エンジンのクランク軸と3相発電機の回転軸との間に備えており、これにより、3相発電機の発電周波数を制御する。即ち、エンジン回転数を固定したままでも、3相発電機の回転子の回転数を変えられるので、有利である。
【0020】
例えば、3相発電機の回転数を、第1回転数調整手段により調整可能な範囲内で任意に設定できるため、エンジンのアイドル回転数以下の回転数でも、誘導モータを動作させることが可能となり、低トルクが実現できる。或いは、例えば、エンジン回転数をアイドル回転数など、エンジン効率上好ましい回転数に維持しながら、3相発電機の回転数を変えることが可能となる。加えて、誘導モータの力行可能な範囲も拡大可能となる。尚、「力行」とは、誘導モータが発電機ではなく発動機(即ち、モータ)として機能する運転状態をいい、逆に、誘導モータが発電機(即ち、ジェネレータ)として機能する運転状態を「回生」という。
【0021】
以上の結果、すべり周波数制御によって、各時点で当該ハイブリッド車両に要求されている目標トルクが誘導モータによって得られることになる。
【0022】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の他の態様では、前記制御手段は、前記誘導モータと前記駆動輪との間に、前記誘導モータの回転数と前記駆動輪の回転数との割合を調整可能な第2回転数調整手段を備えており、前記制御手段による前記誘導モータの回転数の制御の少なくとも一部として、前記第2回転数調整手段により、前記誘導モータの回転数と前記駆動輪の回転数との割合を調整することで、前記誘導モータの回転数を制御する。
【0023】
この態様によれば、制御手段は、例えば、クラッチや変速機などの第2回転数調整手段を、誘導モータと駆動輪との間に備えており、これにより、誘導モータの回転数を制御する。即ち、駆動輪の回転数を固定したままでも、誘導モータの回転子の回転数を変えられるので、有利である。例えば、車速を一定に保ちながら、誘導モータの回転数を変えることが可能となる。この際、3相発電機により発電されて誘導モータに供給される交流電源の電圧値(大きさ)を制御するのみならず、誘導モータの回転数を駆動輪の回転数とは切り離して可変にできる。加えて、誘導モータの力行可能な範囲も拡大可能となる。
【0024】
以上の結果、すべり周波数制御によって、各時点で当該ハイブリッド車両に要求されている目標トルクが誘導モータによって得られることになる。
【0025】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の他の態様では、前記誘導モータが所定回転数以下で回転している場合には、前記3相発電機の励磁電流を供給する。
【0026】
本発明では概ね、誘導モータが所定回転数以下で回転している場合には、3相発電機の内部インピーダンスの影響が相対的に増大し、且つ誘導モータの1次リアクタンスの影響も相対的に増大するので、誘導モータの励磁電流が低下する傾向がある。しかるに、この態様によれば、誘導モータが所定回転数以下で回転している場合には、3相発電機の励磁電流を供給するので、誘導モータにおける励磁電流の低下が部分的に或いはほぼ完全に補償される。例えば、ハイブリッド車両が低速走行しており、駆動輪及びこれに連結された誘導モータの回転子の回転数が低い場合であっても、3相発電機の励磁電流の供給によって交流電源を調整し、誘導モータの出力トルクが不足する事態を回避できる。
【0027】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の他の態様では、前記誘導モータに接続可能なインバータと、該インバータを介して前記誘導モータからの電源供給を受ける蓄電装置とを更に備える。
【0028】
この態様によれば、誘導モータにおいて、例えば減速時や下り坂走行時などで発生するハイブリッド車両の慣性エネルギーを、インバータを介して回生可能となる。また、本発明に係る「蓄電装置」としては、バッテリや大容量コンデンサ等を用いることが可能である。尚、3相発電機とインバータとの間の接続及びインバータと誘導モータとの間の接続は、例えば、電気的或いは機械的なスイッチを設けることにより行われる。
【0029】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の他の態様では、前記インバータの周波数と前記発電周波数とを同期させる同期手段を更に備える。
【0030】
この態様によれば、誘導モータに対して、蓄電装置からインバータを介して交流電源を供給しつつ、同時に、3相発電機からも交流電源を供給できる。これらにより、所謂パラレルハイブリッド併用走行も可能となる。
【0031】
本発明のハイブリッド車両は上記課題を解決するために、上述した本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置(但し、その各種態様を含む)と、当該動力出力装置が搭載される車両本体と、該車両本体に取り付けられた前記駆動輪とを備える。
【0032】
本発明のハイブリッド車両によれば、上述した本発明の動力出力装置を備えているので、駆動用モータを誘導モータから構成しつつ、その駆動力を当該ハイブリッド車両により要求される目標トルクに適合するように制御できる。従って、長寿命の動力出力装置を用いることで、ハイブリッド車両の長寿命化も可能となる。
【0033】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の制御方法は上記課題を解決するために、エンジンと、該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能である3相発電機と、該3相発電機からの交流電源の供給を受けて、ハイブリッド車両の駆動輪に駆動力を出力可能な誘導モータとを備えたハイブリッド車両用の動力出力装置を制御する制御方法であって、前記ハイブリッド車両に要求される目標トルクを決定する決定工程と、該決定された目標トルクに対応するすべり周波数が前記誘導モータで得られるように、前記3相発電機の発電周波数及び前記誘導モータの回転数のうち少なくとも一方を制御する制御工程とを備える。
【0034】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の制御方法によれば、当該ハイブリッド車両の走行中には、決定工程により、ハイブリッド車両に要求される目標トルクが決定される。これは例えば、アクセルの踏み込み量に応じて決定される。そして、制御工程により、3相発電機の発電周波数及び誘導モータの回転数のうち少なくとも一方を制御することで、ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が誘導モータで得られる。例えば、エンジン回転数を制御すること等によって、3相発電機の発電周波数が制御され、これにより、目標トルクに対応するすべり周波数が誘導モータで得られる。
【0035】
従って、本発明によれば、例えば誘導モータの周波数制御用のインバータ、バッテリ等の高価な部品を用いる必要なく、比較的簡易な構成を採用しつつ、すべり周波数制御によって、各時点で当該ハイブリッド車両に要求されている目標トルクが誘導モータによって得られることになる。そして、このようにすべり周波数制御を利用することで、誘導モータの出力トルクを応答良くすべり周波数に比例するように変化させられる。
【0036】
尚、これらの決定工程及び制御工程を1サイクル行うような比較的短時間の間にはハイブリッド車両の速度は一定であるとして扱ってよい。そして、無視し得ない程度に速度が変化した際には、上述の如き決定工程及び制御工程を再度行えばよい。
【0037】
以上の結果、ハイブリッド車両の動力出力装置として、駆動用モータを誘導モータから構成しつつ、その駆動力を当該ハイブリッド車両により要求される目標トルクに適合するように制御できる。
【0038】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の制御方法の一態様では、前記誘導モータが所定回転数以下で回転している場合には、前記3相発電機の励磁電流を供給する供給工程を更に備える。
【0039】
この態様によれば、誘導モータが所定回転数以下で回転している場合には、供給工程により、3相発電機の励磁電流を供給するので、3相発電機における発電量の調整によって、誘導モータにおける励磁電流の低下が部分的に或いはほぼ完全に補償される。例えば、ハイブリッド車両が低速走行しており、駆動輪及びこれに連結された誘導モータの回転子の回転数が低い場合であっても、3相発電機の励磁電流の供給によって誘導モータの出力トルクが不足する事態を回避でき、大変有利である。
【0040】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0042】
(第1実施形態)
図1から図3を参照して、本発明のハイブリッド車両に係る第1実施形態について説明する。ここに、図1は、第1実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図であり、図2は、このうち3相発電機の概略構成を示す模式図であり、図3は、このうち誘導モータの概略構成を示す模式図である。
【0043】
図1において、ハイブリッド車両100は、エンジン(ENG)110、3相発電機120、誘導モータ130、制御部140及びトランスミッション(AMT)150を備える。これらは、一方で、エンジン110の出力の一部を用いて3相発電機120が発電を行い、更に、3相発電機120からの3相交流電源の供給を受けて誘導モータ130が駆動輪157に駆動力を出力するように構成されている。他方で、エンジン110が、出力の他の一部を、トランスミッション150を介して駆動輪156に駆動力として出力するように構成されている。
【0044】
ハイブリッド車両100は、エンジン110の出力軸或いはクランク軸と3相発電機120の回転子軸との間に設けられたクラッチ115、エンジン110の出力軸或いはクランク軸とトランスミッション150との間に設けられたクラッチ116、トランスミッション150と駆動輪156の駆動軸との間に設けられたデファレンシャルギヤ151、及び誘導モータ130と駆動輪157の駆動軸との間に設けられたデファレンシャルギヤ152を更に備えて構成されている。
【0045】
尚、駆動輪156と駆動輪157とは、いずれが後輪でもよいし、前輪でもよい。本実施形態では、例えば駆動輪156が前輪とされ、駆動輪157が後輪とされる。即ち、本実施形態に係るハイブリッド車両100は、4輪駆動方式が採用されている。また、トランスミッション(AMT)150は、例えば、オートマチック型でも、マニュアル型でもよい。
【0046】
図2に示すように、3相発電機120は、磁石122を含んでなる回転子軸が、エンジン110の出力軸にクラッチ115を介して接続されている。そして、この回転子軸が、エンジン110の出力軸の回転によって回転することで、3相交流電流が、その界磁コイルで発生して出力端子U、V及びWから出力される。更に、3相発電機120は、後述の如く、制御部140による制御下で、誘電モータ130の低速回転時等に、励磁電流Ifをスリップリング121を介して励磁コイル124に供給可能に構成されている。
【0047】
図3に示すように、誘電モータ130は、固定子鉄心131に、3相交流電源を受ける固定子コイル132が巻かれてなる。各固定子コイル132には、その相対向する対に対して、交流電圧V1、V2及びV3が夫々印加される。ここで特に、各固定子コイル132には、位相が120度ずつ相互にずれた電流I1、I2及びI3が図示の通りに供給されることによって、回転子133が、固定子コイル132が発生する磁界によって回転されるように、即ち電磁誘導作用によって回転されるように構成されている。固定子コイル132と図2に示した3相発電機120の出力端子U、V及びWとの結線は、公知のY結線或いは△結線でよいが、それらの結線方式によって、回転子133の回転方向が定まる。尚、本発明に係る誘導モータの「回転子」としては、例えば、ブラシを有必要としない、かご形回転子や、巻線形回転子等が用いられる。
【0048】
再び図1において、制御部140は、本発明に係る「制御手段」の一例を構成しており、例えば、CPU或いはマイクロコンピュータ等を含んでなる。制御部140は、3相発電機120の界磁コイル142に流れる電流を制御するように構成されている。
【0049】
より具体的には、制御部140は、ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が、誘導モータ130で得られるように、エンジン110の回転数を制御し、これにより3相発電機120の発電周波数を制御する。この際の目標トルクは、当該ハイブリッド車両100における運転手によるアクセル145の踏み込み量に応じて決められる。ここでは、例えば、電子制御されたアクセル145の踏み込み量を示すアクセル信号Saが制御部140に入力され、これに基づいて目標トルクが決定される。そして、エンジン110の回転数の制御は、例えば噴射量制御信号Seによってエンジン110の噴射プラグを制御することによって、エンジン110内の燃料噴射量の制御によって行う。
【0050】
尚、車速については、誘導モータ130の回転数を示す回転数信号Srが制御部140に入力されており、制御部140では、車速を常時モニタ可能に構成されている。但し、車速については、通常の車速パルスに基づいて常時モニタする構成としてもよい。
【0051】
次に図1を参照して、本実施形態の動作について、特に制御部140による制御動作を中心にして説明する。
【0052】
本実施形態では、誘導モータ130のトルク制御のために、3相発電機120の界磁コイル142に流れる電流及び3相発電機120の回転数を調整する。ここでは、3相発電機120の発電機周波数(印加周波数)Fと3相発電機の電圧Vの比(V/F)を一定にすると、誘導モータ130の励磁電流は一定となり、これによって、誘導モータ130におけるトルクが、すべり周波数に応答良く比例する制御(即ち、すべり周波数制御)を採用している。
【0053】
先ず、制御部140は、アクセル信号Saを参照して、アクセル145の踏み込み量に対応する目標トルクを決定する。このような決定は、例えば、予め設定され且つ制御部140の内蔵メモリ等に格納された、アクセル踏み込み量と目標トルクとの関係を規定するテーブル又は所定関数を用いることで迅速に行える。
【0054】
続いて、この決定された目標トルクから、これに比例するすべり周波数を決定する。ここに、「すべり周波数」とは、3相発電機120における発電機周波数Fと誘導モータ130におけるモータ回転数Rmとの差である。即ち、“すべり周波数=発電機周波数F−モータ回転数Rm”という関係が成立する。
【0055】
他方で、3相発電機120には、磁石122があるので(図2参照)、“エンジン回転数∝発電機回転数(∝発電機周波数F)∝発電機電圧V”という関係が成立する。よって、本実施形態では、発電機電圧V/発電機周波数Fは、一定となっており、すべり周波数制御の要件は成立している。
【0056】
そこで、制御部140は、決定されたすべり周波数に基づいて、エンジン110内の燃料噴射量を調整することで、すべり周波数となる回転数までエンジン110の回転数を調整し、これにより、誘導モータ130において前述した目標トルクを得る。例えば、目標トルクが相対的に大きければ、エンジン110内の燃料噴射量を増大し、他方で、目標トルクが相対的に小さければ、エンジン110内の燃料噴射量を減少することで、いずれの場合にも、誘導モータ130において目標トルクを得ることができる。
【0057】
このように本実施形態では、制御部140によって、界磁コイル142に流れる界磁電流の制御及びエンジン110の回転数の制御によって、V/F一定且つすべり周波数制御を行いつつ、誘導モータ130のトルクを目標トルクとなるように制御できる。
【0058】
尚、これらの目標トルクの決定からエンジン110の回転数の調整が完了するまでの時間は、比較的短いため、ハイブリッド車両100の速度は、この時間内には一定であるとして扱ってよい。そして、無視し得ない程度に速度が変化した際には、これらの目標トルクの決定からエンジン回転数の調整までを再度行えばよい。
【0059】
ところで、3相発電機120の内部インピーダンス及び誘導モータ130の一次リアクタンスの影響で、モータ回転数Rmが低い領域では、誘導モータ130の励磁電流が低下する。
【0060】
そこで本実施形態では特に、制御部140による制御下で、モータ回転数Rmが所定閾値以下の低速回転域では、3相発電機120の励磁電流If(図2参照)を流し、低速での誘導モータ130におけるトルク低下を補償する制御を行う。即ち、本実施形態では好適には、すべり周波数制御に加えて、車速が低速の場合に、所謂「トルクブースト制御」を実行する。より具体的には、制御部140は、回転数信号Sr又は不図示の車速パルスを参照することで、低速であることが確認された場合には、自動的に、3相発電機120の励磁電流Ifを流すことで、当該トルクブースト制御を行う。逆に、制御部140は、回転数信号Sr又は不図示の車速パルスを参照することで、低速でないことが確認された場合には、3相発電機120の励磁電流Ifを流すことなく或いは減少させることで、当該トルクブースト制御を行わない。
【0061】
このように低速時にトルクブースト制御を行えば、車両の発進時以外における誘導モータ130による単独走行を行うこと、即ち、図1の構成においてクラッチ116を遮断することで、エンジン110により駆動輪156を駆動することなく、誘導モータ130により駆動輪157を駆動することで走行が可能となる。
【0062】
図1に示した本実施形態の構成では、車速に比例して駆動輪157の回転数が決まっており、誘導モータ130の回転数についても、駆動輪157の回転数により(即ち、車速により)一義的に決まるか又は少なくともその制約を受ける。しかしながら、制御部140によるエンジン110の回転数制御を介しての3相発電機120の発電機周波数Fの制御によって、ハイブリッド車両100の実際の車速によらずに、誘導モータ130では適切に、すべり周波数制御を行える。そして、このようにすべり周波数制御を利用することで、誘導モータ130の出力トルクを応答良く、すべり周波数に比例するように変化させられる。即ち、すべり周波数制御によって、アクセル145の踏み込み量に応じた目標トルクを、迅速且つ的確に得ることが可能となる。
【0063】
以上の結果、本実施形態によれば、前述した従来例の直流モータの如く、モータ部分に係るブラシ等の磨耗や破損が問題となることはないので、装置の長寿命化が可能である。更に、例えば誘導モータ130の周波数を制御するためのインバータやバッテリ等の高価な部品を用いる必要なく、低コスト化も可能となる。そして、このような比較的簡易な構成を採用しつつ実行されるすべり周波数制御によって、各時点で当該ハイブリッド車両に要求されている目標トルクを、誘導モータ130によって適切に得られる。この際特に、制御部140によって、界磁コイル142に流れる電流を制御するので、3相発電機120から誘導モータ130に供給される交流電源の電圧値(大きさ)を制御するのみならず、その交流周波数を可変に制御できる。
【0064】
尚、本実施形態において好ましくは、ハイブリッド車両100の発進時に、上述の如きV/F一定制御且つすべり周波数性制御を行う場合などには、制御部140による制御下で、エンジン110と3相発電機120との間にあるクラッチ115を滑らせることで、エンジン110のアイドル回転数に相当する回転数以下の回転数で3相発電機120を駆動する。即ち、この場合には、3相発電機120の発電機周波数Fを下げる。これにより、ハイブリッド車両100の発進時に、低トルクで誘導モータ130による発進を実現でき、当該トルク制御を滑らかに実行できる。
【0065】
他方で、運転手によるアクセル踏み込み量が大きい場合には、制御部140による制御下で、エンジン110の回転数を上げて、3相発電機120の発電機周波数Fを高める。これにより、誘導モータ130のすべり周波数を高くする。すると、係る大きなアクセル踏み込み量に応じて、大きなトルクを滑らかに得ることができる。このとき更に、制御部140による制御下で、クラッチ116を、すべり状態(即ち、半クラッチ状態)に維持すれば、クラッチ115を係合状態に維持することができ、これらにより、4輪の急発進が可能となる。
【0066】
加えて、本実施形態において、低速でのトルクを改善するためには、誘導モータ130の2次側を、(かご形回転子ではなく)巻線形回転子とし、スリップリングを介して2次抵抗を上げるように構成してもよい。若しくはこれに代えて又は加えて、3相発電機120の出力配線たる3相線に3相スイッチを挿入して、これによりパルス数変調をかけることにより、擬似的に周波数変調をかける手段を追加してもよい。
【0067】
(第2実施形態)
次に図4を参照して、本発明のハイブリッド車両に係る第2実施形態について説明する。ここに、図4は、第2実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。尚、第2実施形態に係る図4においては、第1実施形態に係る図1と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、それらの説明については適宜省略する。
【0068】
図4において、ハイブリッド車両200は、エンジン(ENG)110、3相発電機120、誘導モータ130、制御部140及びトランスミッション(AMT)150を備える。ハイブリッド車両200は更に、クラッチ116、デファレンシャルギヤ151及びデファレンシャルギヤ152を備えて構成されている。
【0069】
第2実施形態では特に、ハイブリッド車両200は、第1実施形態に係るクラッチ115に代えて、エンジン110の出力軸或いはクランク軸と3相発電機120の回転子軸との間に設けられた変速機260を備える。変速機260は、本発明に係る「第1回転数調整手段」の一例を構成しており、例えば、多段式の変速機、CVT(Constant Variable Transmission)型の変速機、プラネタリギヤ型の変速機等からなる。
【0070】
前述した第1実施形態によれば、誘導モータ130の同期電気角周波数が、3相発電機120の電気角周波数より高いと、誘導モータ130を、力行で利用できなくなる。
【0071】
これに対して、第2実施形態によれば、変速機260を備えるので、エンジン110の回転数と3相発電機120の回転数との割合を変更できるので、誘導モータ130の同期電気角周波数と3相発電機120の電気角周波数との高低に拘わらず、変速機260により調整可能な範囲内においては、誘導モータ130を力行で利用できるようになる。即ち、誘導モータ130を力行で利用できる車速の限界が、変速機260の変速可能な範囲に応じて広がる。
【0072】
このように、第2実施形態によれば、変速機260の存在によって、誘導モータ130の力行可能な範囲を効率良く拡大できる。
【0073】
加えて、第2実施形態によれば、3相発電機120の回転数を、変速機260により調整可能な範囲内で任意に設定できるため、エンジン110のアイドル回転数以下の回転数でも、誘導モータ130を動作させることが可能となり、低トルクが実現できる。或いは、例えば、エンジン回転数をアイドル回転数など、エンジン効率上好ましい回転数に維持しながら、3相発電機120の回転数を変えることが可能となる。
【0074】
第2実施形態に係るその他の構成及び動作については、上述した第1実施形態の場合と同様である。
【0075】
(第3実施形態)
次に図5を参照して、本発明のハイブリッド車両に係る第3実施形態について説明する。ここに、図5は、第3実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。尚、第3実施形態に係る図5においては、第1実施形態に係る図1と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、それらの説明については適宜省略する。
【0076】
図5において、ハイブリッド車両300は、エンジン(ENG)110、3相発電機120、誘導モータ130、制御部140及びトランスミッション(AMT)150を備える。ハイブリッド車両300は更に、クラッチ115、クラッチ116、デファレンシャルギヤ151及びデファレンシャルギヤ152を備えて構成されている。
【0077】
第3実施形態では特に、ハイブリッド車両300は、誘導モータ130の出力軸とデファレンシャルギヤ152との間に設けられた変速機360を備える。変速機360は、本発明に係る「第2回転数調整手段」の一例を構成しており、例えば、多段式の変速機、CVT型の変速機、プラネタリギヤ型の変速機等からなる。
【0078】
前述した第1実施形態によれば、誘導モータ130の同期電気角周波数が、3相発電機120の電気角周波数より高いと、誘導モータ130を、力行で利用できなくなる。
【0079】
これに対して、第3実施形態によれば、変速機360を備えるので、駆動輪157の回転数(即ち、車速)と誘導モータ130の回転数との割合を変更できるので、誘導モータ130の同期電気角周波数と3相発電機120の電気角周波数との高低に拘わらず、変速機360により調整可能な範囲内においては、誘導モータ130を力行で利用できるようになる。即ち、誘導モータ130を力行で利用できる車速の限界が、変速機360の変速可能な範囲に応じて広がる。
【0080】
このように、第3実施形態によれば、変速機360の存在によって、誘導モータ130の力行可能な範囲を効率良く拡大できる。
【0081】
加えて、第3実施形態によれば、変速機360により、車速を一定に保ちながら、誘導モータ130の回転数を変えることが可能となる。この際、3相発電機120により発電されて誘導モータ130に供給される交流電源の電圧値(大きさ)を制御するのみならず、誘導モータ130の回転数を駆動輪157の回転数とは切り離して、変速機260により調整可能な範囲内で可変にできる。
【0082】
第3実施形態に係るその他の構成及び動作については、上述した第1実施形態の場合と同様である。
【0083】
(第4実施形態)
次に図6を参照して、本発明のハイブリッド車両に係る第4実施形態について説明する。ここに、図6は、第4実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。尚、第4実施形態に係る図6においては、第1実施形態に係る図1と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、それらの説明については適宜省略する。
【0084】
図6において、ハイブリッド車両400は、エンジン(ENG)110、3相発電機120、誘導モータ130、制御部140及びトランスミッション(AMT)150を備える。ハイブリッド車両400は更に、クラッチ115、クラッチ116、デファレンシャルギヤ151及びデファレンシャルギヤ152を備えて構成されている。
【0085】
第4実施形態では特に、ハイブリッド車両400は、3相発電機120と誘導モータ130と間における3相線中に挿入された二つの3相スイッチSW1及びSW2と、これらの3相スイッチSW1及びSW2によって3相発電機120又は誘導モータ130に若しくはこれらの両者に対して選択的に接続可能なインバータ470と、インバータ470により充放電可能な蓄電装置の一例たるバッテリ480とを備えて構成されている。
【0086】
第4実施形態では、3相発電機120の3相に対して、2つの3相スイッチSW1及びSW2を追加することにより、誘導モータ130における力行制御及び回生制御を独立に且つ簡略に行うことが可能である。
【0087】
即ち、回生時には、制御部140による制御下で、3相スイッチSW2をオンにし且つ3相スイッチSW1をオフにする。このとき、前述した如きV/F一定且つすべり周波数制御の場合と同様に、周波数差で回生トルクを制御する。具体的には、制御部140は、先ず目標トルクからインバータ470の電気角周波数と誘導モータ130の電気角周波数の差を演算する。続いて、制御部140は、V/F一定となるように、交流電圧Vを決定する。この際、力行時と異なり、インバータ470の電気角周波数を誘導モータ120の電気角周波数より小さくする。
【0088】
他方、力行時には、制御部140による制御下で、パラレルハイブリッド走行を行う。具体的には、例えば、誘導モータ130の定格を30kw程度に設定し、3相発電機130の定格を20kw程度に設定し、インバータ470(及びバッテリ480)の定格を10kw程度に設定した場合、3相発電機120の3相周波数と、インバータ470の周波数を同期させることで(例えば、インバータ470の交流電圧の大きさをPWM(Pulse Width Modulation)制御することで)、誘導モータ130に対して、エンジン110とバッテリ480との両方から電源供給する。これによって、インバータ470等を用いてのパラレルハイブリッド走行が可能となる。
【0089】
以上の結果、第4実施形態によれば、誘導モータ130において、例えば減速時や下り坂走行時などで発生するハイブリッド車両400の慣性エネルギーを、インバータ470を介してバッテリ480に回生可能となる。更に、パラレルハイブリッド走行も可能となり、低燃費走行或いは低公害走行が可能となる。
【0090】
特に、このようにパラレルハイブリッド走行を行うことにより、或いは誘導モータ130においてバッテリ480の電源と共に3相発電機120からの電源を併用して用いることにより、インバータ470の定格やバッテリ48の定格を相対的に低く抑えることができる。よって、これらインバータやバッテリといった一般に高価な電気部品についてのコスト上昇を効率的に抑えられる。
【0091】
更に、第4実施形態では好ましくは、力行時において車速が低い場合には、制御部140による制御下で、3相スイッチSW2をオンし且つ3相スイッチSW1をオフすることで、バッテリ480からインバータ470を介して供給される交流電源のみで、誘導モータ130を駆動してEV走行してもよい。これにより、低速時にも、V/F一定且つすべり周波数制御で、容易にトルク制御を行える。そして、制御部140による制御下で、車速が所定閾値よりも上昇したことが検出された段階で、3相スイッチSW1をオンにして、3相発電機120からの電源も併用して誘導モータ130の駆動を続行してもよい。
【0092】
加えて、第4実施形態では、車両の発進時に、3相発電機120をエンジン始動装置として利用することも可能である。即ち、このためには、車両の発進時に、制御部140による制御下で、クラッチ116を遮断し且つクラッチ115を係合し、3相スイッチSW1をオンにした状態で、インバータ470によって、3相発電機120を同期駆動する。これにより、3相発電機120を、エンジン始動装置として機能させられる。更に、アクセル145が強く踏み込まれた際には、制御部140による制御下で、3相スイッチSW2もオンにすることで、エンジン110の始動と誘導モータ130へのトルク駆動とを同一のインバータ470で実行可能となり、アイドル停止時における急発進のもたつきを緩和することも可能である。
【0093】
第4実施形態に係るその他の構成及び動作については、上述した第1実施形態の場合と同様である。
【0094】
(第5実施形態)
次に図7を参照して、本発明のハイブリッド車両に係る第5実施形態について説明する。ここに、図7は、第5実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。尚、第5実施形態に係る図7においては、第1実施形態に係る図1又は第4実施形態に係る図6と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、それらの説明については適宜省略する。
【0095】
図7において、ハイブリッド車両500は、エンジン(ENG)110、3相発電機120及びトランスミッション(AMT)150を備える。ハイブリッド車両500は更に、クラッチ115、クラッチ116及びデファレンシャルギヤ151、並びにインバータ470、バッテリ480、3相スイッチSW1及びSW2を備えて構成されている。
【0096】
第5実施形態では特に、ハイブリッド車両500は、誘導モータ530が、デファレンシャルギヤ520内に付設されている。このように構成しても、デファレンシャルギヤ520内に付設された誘導モータ530において、例えば減速時や下り坂走行時などで発生するハイブリッド車両500の慣性エネルギーを、インバータ470を介してバッテリ480に回生可能となる。更に、パラレルハイブリッド走行も可能となり、低燃費走行或いは低公害走行が可能となる。
【0097】
第5実施形態に係るその他の構成及び動作については、上述した第4実施形態の場合と同様である。
【0098】
(第6実施形態)
次に図8を参照して、本発明のハイブリッド車両に係る第6実施形態について説明する。ここに、図8は、第6実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。尚、第6実施形態に係る図8においては、第1実施形態に係る図1又は第5実施形態に係る図7と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、それらの説明については適宜省略する。
【0099】
図8において、ハイブリッド車両600は、エンジン(ENG)110、3相発電機120及び誘導モータ130を備える。ハイブリッド車両600は更に、クラッチ115、クラッチ116及びデファレンシャルギヤ152、並びにインバータ470、バッテリ480、3相スイッチSW1及びSW2を備えて構成されている。
【0100】
第6実施形態では特に、ハイブリッド車両600は、誘導モータ630が、トランスミッション(AMT)650内に付設されている。このように構成しても、トランスミッション650内に付設された誘導モータ630において、例えば減速時や下り坂走行時などで発生するハイブリッド車両600の慣性エネルギーを、インバータ470を介してバッテリ480に回生可能となる。更に、パラレルハイブリッド走行も可能となり、低燃費走行或いは低公害走行が可能となる。
【0101】
第6実施形態に係るその他の構成及び動作については、上述した第4実施形態の場合と同様である。
【0102】
以上説明した第1から第6実施形態において、制御部140は、ハイブリッド車両の動力系統において、エンジン110を制御するEFIECU(ElectricalFuel Injection Engine Control Unit)の一部として構築されてもよいし、これとは別個に用意された専用マイクロプロセッサ等から構成されてもよい。
【0103】
また、各実施形態では、エンジン110は、例えば、ガソリンにより運転される直噴型のガソリンエンジンであるが、その他に、伝統的なポート噴射型のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、タービンエンジン、ジェットエンジン等の各種の内燃あるいは外燃機関を用いることができる。更に、3相発電機と誘導モータとを組み合わせて前述の如きすべり周波数制御を行う限りにおいて、本発明を適用するハイブリッド車両の構成としては、第1から第6実施形態の構成の他、種々の構成が可能である。
【0104】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なうハイブリッド車両用の動力出力装置及びその制御方法、並びにそのような動力出力装置を備えたハイブリッド車両もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0105】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、比較的寿命が長く、高度な制御を長期に亘って実行可能なハイブリッド車両用の動力出力装置及びその制御方法、並びにそれを備えてなるハイブリッド車両を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。
【図2】図1に示したハイブリッド車両のうち3相発電機の概略構成を示す模式図である。
【図3】図1に示したハイブリッド車両のうち誘導モータの概略構成を示す模式図である。
【図4】本発明に係る第2実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。
【図5】本発明に係る第3実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。
【図6】本発明に係る第4実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。
【図7】本発明に係る第5実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。
【図8】本発明に係る第6実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。
【符号の説明】
110 エンジン
120 3相発電機
130 誘導モータ
140 制御部
150 トランスミッション
151、152 デファレンシャルギヤ
156、157 駆動輪
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンとモータジェネレータ装置とを組合せてなるハイブリッド車両用の動力出力装置の技術分野に属し、更に、該動力出力装置が搭載されたハイブリッド車両の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
ハイブリッド車両用の動力出力装置は、要求される動作状態に応じて適宜、モータジェネレータ装置をエンジンの駆動力で回転されるジェネレータ(発電機)として利用して或いはモータジェネレータ装置に含まれる専用のジェネレータを利用して、バッテリに充電する(特許文献1及び2参照)。また、モータジェネレータ装置をバッテリから電源供給を受けて回転するモータ(電動機)として利用して或いはモータジェネレータ装置に含まれる専用のモータを利用して、駆動軸を単独で或いはエンジンと共に回転させる。これにより、エンジンを基本的に運転効率が高い状態で運転させ続けることができ、燃費性能や排気浄化性能が向上するものとされている。
【0003】
尚、この種のハイブリッド車両用の動力出力装置は、パラレルハイブリッド方式とシリーズハイブリッド方式とに大別される。前者では、駆動軸をエンジンの出力の一部により回転させると共にモータジェネレータ装置の駆動力により回転させる。後者では、エンジン出力はモータジェネレータ装置による充電に専ら用いられ、駆動軸をモータジェネレータ装置の駆動力により回転させる。
【0004】
このようなハイブリッド車両用の動力出力装置には通常、バッテリの電源供給を受けて動作可能な、DC(Direct Current:直流)モータ或いはDCモータジェネレータが用いられている。
【0005】
また、エンジン回転により発電するジェネレータからの電力供給を受けて、モータにより後輪を駆動する形式の四輪駆動制御装置として構築されたハイブリッド車両用の動力出力装置も、開発されている。この装置においても、後輪駆動用のモータとして、やはりDC(Direct Current:直流)モータが用いられている(特許文献3参照)。DCモータは、一般に小型であり、且つ大きなトルクが得られると共に瞬発力を発揮するのにも向いている。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−47094号公報)、
【特許文献2】
特開2000−324615号公報)
【特許文献3】
特開2002−152911号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1〜3等に開示されたDCモータを用いたハイブリッド車両用の動力出力装置の場合には、例えばハイブリッド車両等の比較的動作時間が長く或いは駆動条件が厳しい用途では、ハイブリッド動作に伴ってDCモータのブラシ(整流子)の磨耗が激しくなるという問題点がある。即ち、ブラシ寿命について懸念される。そして、ブラシが、ある程度磨耗してしまうと、単なるDCモータの性能低下に留まらずに、特に燃費性能や排気浄化性能の向上を目的とする複雑高度なハイブリッド制御に狂いが生じて、装置全体のパーフォーマンスが顕著に劣化しかねないという技術的な問題点がある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、比較的寿命が長く、高度な制御を長期に亘って実行可能なハイブリッド車両用の動力出力装置及びこれを備えてなるハイブリッド車両を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置は上記課題を解決するために、エンジンと、該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能である3相発電機と、該3相発電機からの交流電源の供給を受けて、前記ハイブリッド車両の駆動輪に駆動力を出力可能な誘導モータと、前記ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が前記誘導モータで得られるように、前記3相発電機の発電周波数及び前記誘導モータの回転数のうち少なくとも一方を制御する制御手段とを備える。
【0010】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置によれば、その動作中には、3相発電機は、エンジンの出力の少なくとも一部を用いて、その回転子が回転させられて、発電を行う。これにより、3相の交流電源の供給を、その界磁コイルから出力する。誘導モータは、例えば固定子コイルで、このような3相発電機からの交流電源の供給を受けて、例えばかご型回転子であるその回転子が回転する。即ち、誘導モータは、電磁誘導作用により回転されるその回転子の軸から回転駆動力を出力する。ハイブリッド車両の駆動輪は、このような誘導モータの駆動力を、デファレンシャルギヤ等を介して受けて、回転させられる。以上により、3相発電機による電源供給で、誘導モータが駆動し、ハイブリッド車両が走行することになる。
【0011】
従って本発明によれば、前述した従来例の如く直流モータを用いることで、モータ部分に係るブラシ(整流子)等の磨耗や破損が問題となることはないので、装置の長寿命化が可能であり、大変有利である。
【0012】
しかも、本発明では特に、制御手段は、3相発電機の発電周波数及び誘導モータの回転数のうち少なくとも一方を制御することで、ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が誘導モータで得られる。ここに「すべり周波数制御」とは一般に、誘導モータの1次周波数制御において、発電機における電圧/周波数を一定にする制御(「V/F一定制御」或いは「V/F制御」と呼ばれる)を行うことで、誘導モータの励磁電流を一定として、誘導モータの出力トルクとすべり周波数(=発電機周波数−モータ回転数)とを比例関係にする制御をいう。従って、本発明によれば、例えば誘導モータの周波数を制御するためのインバータやバッテリ等の高価な部品を用いる必要なく、比較的簡易な構成を採用しつつ、すべり周波数制御を実現でき、これにより、各時点で当該ハイブリッド車両に要求されている目標トルクが、当該誘導モータによって得られることになる。この際、3相発電機により発電されて誘導モータに供給される交流電源の電圧値(大きさ)を制御するのみならず、誘導モータに供給される交流電源の交流周波数を可変にできる。
【0013】
尚、本発明に係る「目標トルク」は、通常はアクセルの踏み込み量に応じて比較的簡単に決められる。そして、このようにすべり周波数制御を利用することで、誘導モータの出力トルクを応答良くすべり周波数に比例するように変化させられる。
【0014】
以上の結果、ハイブリッド車両の動力出力装置として、駆動用モータを誘導モータから構成しつつ、その駆動力を当該ハイブリッド車両により要求される目標トルクに適合するように制御できる。
【0015】
加えて、本発明では、エンジン出力の少なくとも一部を用いて3相発電機による発電が行われるが、エンジン出力の他の部分を用いて、駆動輪を駆動するように構成してもよい。例えば、エンジンと誘導モータとの両者の駆動力が同時に同一又は異なる駆動輪に伝達される構成としてもよいし、一の時刻にはいずれか一方の駆動力が駆動軸に伝達される構成としてもよい。また、例えば、発進時や低速時には、エンジンにより駆動輪を駆動し、通常速度や高速度の走行中には、誘導モータにより駆動輪を駆動する構成としてもよい。或いは、エンジンは、専ら発電のために用いる構成とすることも可能である。いずれの場合にも、誘導モータで駆動輪を駆動する際には、車速に比例して駆動輪の回転数が決まっており、誘導モータの回転数についても当該実際の駆動輪の回転数により一義的に決まってしまうか又は少なくともその制約を受ける。しかしながら、上述の如く、本発明では、制御手段による3相発電機の発電周波数や誘導モータの回転数の制御によって、ハイブリッド車両の実際の車速によらずに、誘導モータでは適切にすべり周波数制御が行われるのである。
【0016】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の一態様では、前記制御手段は、前記エンジンの回転数を制御することで、前記発電周波数を制御する。
【0017】
この態様によれば、制御手段は、例えば、燃料噴射量を増減させるなどによってエンジン回転数を制御することで、3相発電機の発電周波数を制御する。これにより、ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が誘導モータで得られる。従って、すべり周波数制御によって、各時点で当該ハイブリッド車両に要求されている目標トルクが誘導モータによって得られることになる。
【0018】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の他の態様では、前記制御手段は、前記エンジンと前記3相発電機との間に、前記エンジンの回転数と前記3相発電機の回転数との割合を調整可能な第1回転数調整手段を備えており、前記制御手段による前記発電周波数の制御の少なくとも一部として、前記第1回転数調整手段により、前記エンジンの回転数と前記3相発電機の回転数との割合を調整することで、前記3相発電機の回転数を制御する。
【0019】
この態様によれば、制御手段は、例えば、クラッチや変速機などの第1回転数調整手段を、エンジンのクランク軸と3相発電機の回転軸との間に備えており、これにより、3相発電機の発電周波数を制御する。即ち、エンジン回転数を固定したままでも、3相発電機の回転子の回転数を変えられるので、有利である。
【0020】
例えば、3相発電機の回転数を、第1回転数調整手段により調整可能な範囲内で任意に設定できるため、エンジンのアイドル回転数以下の回転数でも、誘導モータを動作させることが可能となり、低トルクが実現できる。或いは、例えば、エンジン回転数をアイドル回転数など、エンジン効率上好ましい回転数に維持しながら、3相発電機の回転数を変えることが可能となる。加えて、誘導モータの力行可能な範囲も拡大可能となる。尚、「力行」とは、誘導モータが発電機ではなく発動機(即ち、モータ)として機能する運転状態をいい、逆に、誘導モータが発電機(即ち、ジェネレータ)として機能する運転状態を「回生」という。
【0021】
以上の結果、すべり周波数制御によって、各時点で当該ハイブリッド車両に要求されている目標トルクが誘導モータによって得られることになる。
【0022】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の他の態様では、前記制御手段は、前記誘導モータと前記駆動輪との間に、前記誘導モータの回転数と前記駆動輪の回転数との割合を調整可能な第2回転数調整手段を備えており、前記制御手段による前記誘導モータの回転数の制御の少なくとも一部として、前記第2回転数調整手段により、前記誘導モータの回転数と前記駆動輪の回転数との割合を調整することで、前記誘導モータの回転数を制御する。
【0023】
この態様によれば、制御手段は、例えば、クラッチや変速機などの第2回転数調整手段を、誘導モータと駆動輪との間に備えており、これにより、誘導モータの回転数を制御する。即ち、駆動輪の回転数を固定したままでも、誘導モータの回転子の回転数を変えられるので、有利である。例えば、車速を一定に保ちながら、誘導モータの回転数を変えることが可能となる。この際、3相発電機により発電されて誘導モータに供給される交流電源の電圧値(大きさ)を制御するのみならず、誘導モータの回転数を駆動輪の回転数とは切り離して可変にできる。加えて、誘導モータの力行可能な範囲も拡大可能となる。
【0024】
以上の結果、すべり周波数制御によって、各時点で当該ハイブリッド車両に要求されている目標トルクが誘導モータによって得られることになる。
【0025】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の他の態様では、前記誘導モータが所定回転数以下で回転している場合には、前記3相発電機の励磁電流を供給する。
【0026】
本発明では概ね、誘導モータが所定回転数以下で回転している場合には、3相発電機の内部インピーダンスの影響が相対的に増大し、且つ誘導モータの1次リアクタンスの影響も相対的に増大するので、誘導モータの励磁電流が低下する傾向がある。しかるに、この態様によれば、誘導モータが所定回転数以下で回転している場合には、3相発電機の励磁電流を供給するので、誘導モータにおける励磁電流の低下が部分的に或いはほぼ完全に補償される。例えば、ハイブリッド車両が低速走行しており、駆動輪及びこれに連結された誘導モータの回転子の回転数が低い場合であっても、3相発電機の励磁電流の供給によって交流電源を調整し、誘導モータの出力トルクが不足する事態を回避できる。
【0027】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の他の態様では、前記誘導モータに接続可能なインバータと、該インバータを介して前記誘導モータからの電源供給を受ける蓄電装置とを更に備える。
【0028】
この態様によれば、誘導モータにおいて、例えば減速時や下り坂走行時などで発生するハイブリッド車両の慣性エネルギーを、インバータを介して回生可能となる。また、本発明に係る「蓄電装置」としては、バッテリや大容量コンデンサ等を用いることが可能である。尚、3相発電機とインバータとの間の接続及びインバータと誘導モータとの間の接続は、例えば、電気的或いは機械的なスイッチを設けることにより行われる。
【0029】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の他の態様では、前記インバータの周波数と前記発電周波数とを同期させる同期手段を更に備える。
【0030】
この態様によれば、誘導モータに対して、蓄電装置からインバータを介して交流電源を供給しつつ、同時に、3相発電機からも交流電源を供給できる。これらにより、所謂パラレルハイブリッド併用走行も可能となる。
【0031】
本発明のハイブリッド車両は上記課題を解決するために、上述した本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置(但し、その各種態様を含む)と、当該動力出力装置が搭載される車両本体と、該車両本体に取り付けられた前記駆動輪とを備える。
【0032】
本発明のハイブリッド車両によれば、上述した本発明の動力出力装置を備えているので、駆動用モータを誘導モータから構成しつつ、その駆動力を当該ハイブリッド車両により要求される目標トルクに適合するように制御できる。従って、長寿命の動力出力装置を用いることで、ハイブリッド車両の長寿命化も可能となる。
【0033】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の制御方法は上記課題を解決するために、エンジンと、該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能である3相発電機と、該3相発電機からの交流電源の供給を受けて、ハイブリッド車両の駆動輪に駆動力を出力可能な誘導モータとを備えたハイブリッド車両用の動力出力装置を制御する制御方法であって、前記ハイブリッド車両に要求される目標トルクを決定する決定工程と、該決定された目標トルクに対応するすべり周波数が前記誘導モータで得られるように、前記3相発電機の発電周波数及び前記誘導モータの回転数のうち少なくとも一方を制御する制御工程とを備える。
【0034】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の制御方法によれば、当該ハイブリッド車両の走行中には、決定工程により、ハイブリッド車両に要求される目標トルクが決定される。これは例えば、アクセルの踏み込み量に応じて決定される。そして、制御工程により、3相発電機の発電周波数及び誘導モータの回転数のうち少なくとも一方を制御することで、ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が誘導モータで得られる。例えば、エンジン回転数を制御すること等によって、3相発電機の発電周波数が制御され、これにより、目標トルクに対応するすべり周波数が誘導モータで得られる。
【0035】
従って、本発明によれば、例えば誘導モータの周波数制御用のインバータ、バッテリ等の高価な部品を用いる必要なく、比較的簡易な構成を採用しつつ、すべり周波数制御によって、各時点で当該ハイブリッド車両に要求されている目標トルクが誘導モータによって得られることになる。そして、このようにすべり周波数制御を利用することで、誘導モータの出力トルクを応答良くすべり周波数に比例するように変化させられる。
【0036】
尚、これらの決定工程及び制御工程を1サイクル行うような比較的短時間の間にはハイブリッド車両の速度は一定であるとして扱ってよい。そして、無視し得ない程度に速度が変化した際には、上述の如き決定工程及び制御工程を再度行えばよい。
【0037】
以上の結果、ハイブリッド車両の動力出力装置として、駆動用モータを誘導モータから構成しつつ、その駆動力を当該ハイブリッド車両により要求される目標トルクに適合するように制御できる。
【0038】
本発明のハイブリッド車両用の動力出力装置の制御方法の一態様では、前記誘導モータが所定回転数以下で回転している場合には、前記3相発電機の励磁電流を供給する供給工程を更に備える。
【0039】
この態様によれば、誘導モータが所定回転数以下で回転している場合には、供給工程により、3相発電機の励磁電流を供給するので、3相発電機における発電量の調整によって、誘導モータにおける励磁電流の低下が部分的に或いはほぼ完全に補償される。例えば、ハイブリッド車両が低速走行しており、駆動輪及びこれに連結された誘導モータの回転子の回転数が低い場合であっても、3相発電機の励磁電流の供給によって誘導モータの出力トルクが不足する事態を回避でき、大変有利である。
【0040】
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施の形態から明らかにされよう。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0042】
(第1実施形態)
図1から図3を参照して、本発明のハイブリッド車両に係る第1実施形態について説明する。ここに、図1は、第1実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図であり、図2は、このうち3相発電機の概略構成を示す模式図であり、図3は、このうち誘導モータの概略構成を示す模式図である。
【0043】
図1において、ハイブリッド車両100は、エンジン(ENG)110、3相発電機120、誘導モータ130、制御部140及びトランスミッション(AMT)150を備える。これらは、一方で、エンジン110の出力の一部を用いて3相発電機120が発電を行い、更に、3相発電機120からの3相交流電源の供給を受けて誘導モータ130が駆動輪157に駆動力を出力するように構成されている。他方で、エンジン110が、出力の他の一部を、トランスミッション150を介して駆動輪156に駆動力として出力するように構成されている。
【0044】
ハイブリッド車両100は、エンジン110の出力軸或いはクランク軸と3相発電機120の回転子軸との間に設けられたクラッチ115、エンジン110の出力軸或いはクランク軸とトランスミッション150との間に設けられたクラッチ116、トランスミッション150と駆動輪156の駆動軸との間に設けられたデファレンシャルギヤ151、及び誘導モータ130と駆動輪157の駆動軸との間に設けられたデファレンシャルギヤ152を更に備えて構成されている。
【0045】
尚、駆動輪156と駆動輪157とは、いずれが後輪でもよいし、前輪でもよい。本実施形態では、例えば駆動輪156が前輪とされ、駆動輪157が後輪とされる。即ち、本実施形態に係るハイブリッド車両100は、4輪駆動方式が採用されている。また、トランスミッション(AMT)150は、例えば、オートマチック型でも、マニュアル型でもよい。
【0046】
図2に示すように、3相発電機120は、磁石122を含んでなる回転子軸が、エンジン110の出力軸にクラッチ115を介して接続されている。そして、この回転子軸が、エンジン110の出力軸の回転によって回転することで、3相交流電流が、その界磁コイルで発生して出力端子U、V及びWから出力される。更に、3相発電機120は、後述の如く、制御部140による制御下で、誘電モータ130の低速回転時等に、励磁電流Ifをスリップリング121を介して励磁コイル124に供給可能に構成されている。
【0047】
図3に示すように、誘電モータ130は、固定子鉄心131に、3相交流電源を受ける固定子コイル132が巻かれてなる。各固定子コイル132には、その相対向する対に対して、交流電圧V1、V2及びV3が夫々印加される。ここで特に、各固定子コイル132には、位相が120度ずつ相互にずれた電流I1、I2及びI3が図示の通りに供給されることによって、回転子133が、固定子コイル132が発生する磁界によって回転されるように、即ち電磁誘導作用によって回転されるように構成されている。固定子コイル132と図2に示した3相発電機120の出力端子U、V及びWとの結線は、公知のY結線或いは△結線でよいが、それらの結線方式によって、回転子133の回転方向が定まる。尚、本発明に係る誘導モータの「回転子」としては、例えば、ブラシを有必要としない、かご形回転子や、巻線形回転子等が用いられる。
【0048】
再び図1において、制御部140は、本発明に係る「制御手段」の一例を構成しており、例えば、CPU或いはマイクロコンピュータ等を含んでなる。制御部140は、3相発電機120の界磁コイル142に流れる電流を制御するように構成されている。
【0049】
より具体的には、制御部140は、ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が、誘導モータ130で得られるように、エンジン110の回転数を制御し、これにより3相発電機120の発電周波数を制御する。この際の目標トルクは、当該ハイブリッド車両100における運転手によるアクセル145の踏み込み量に応じて決められる。ここでは、例えば、電子制御されたアクセル145の踏み込み量を示すアクセル信号Saが制御部140に入力され、これに基づいて目標トルクが決定される。そして、エンジン110の回転数の制御は、例えば噴射量制御信号Seによってエンジン110の噴射プラグを制御することによって、エンジン110内の燃料噴射量の制御によって行う。
【0050】
尚、車速については、誘導モータ130の回転数を示す回転数信号Srが制御部140に入力されており、制御部140では、車速を常時モニタ可能に構成されている。但し、車速については、通常の車速パルスに基づいて常時モニタする構成としてもよい。
【0051】
次に図1を参照して、本実施形態の動作について、特に制御部140による制御動作を中心にして説明する。
【0052】
本実施形態では、誘導モータ130のトルク制御のために、3相発電機120の界磁コイル142に流れる電流及び3相発電機120の回転数を調整する。ここでは、3相発電機120の発電機周波数(印加周波数)Fと3相発電機の電圧Vの比(V/F)を一定にすると、誘導モータ130の励磁電流は一定となり、これによって、誘導モータ130におけるトルクが、すべり周波数に応答良く比例する制御(即ち、すべり周波数制御)を採用している。
【0053】
先ず、制御部140は、アクセル信号Saを参照して、アクセル145の踏み込み量に対応する目標トルクを決定する。このような決定は、例えば、予め設定され且つ制御部140の内蔵メモリ等に格納された、アクセル踏み込み量と目標トルクとの関係を規定するテーブル又は所定関数を用いることで迅速に行える。
【0054】
続いて、この決定された目標トルクから、これに比例するすべり周波数を決定する。ここに、「すべり周波数」とは、3相発電機120における発電機周波数Fと誘導モータ130におけるモータ回転数Rmとの差である。即ち、“すべり周波数=発電機周波数F−モータ回転数Rm”という関係が成立する。
【0055】
他方で、3相発電機120には、磁石122があるので(図2参照)、“エンジン回転数∝発電機回転数(∝発電機周波数F)∝発電機電圧V”という関係が成立する。よって、本実施形態では、発電機電圧V/発電機周波数Fは、一定となっており、すべり周波数制御の要件は成立している。
【0056】
そこで、制御部140は、決定されたすべり周波数に基づいて、エンジン110内の燃料噴射量を調整することで、すべり周波数となる回転数までエンジン110の回転数を調整し、これにより、誘導モータ130において前述した目標トルクを得る。例えば、目標トルクが相対的に大きければ、エンジン110内の燃料噴射量を増大し、他方で、目標トルクが相対的に小さければ、エンジン110内の燃料噴射量を減少することで、いずれの場合にも、誘導モータ130において目標トルクを得ることができる。
【0057】
このように本実施形態では、制御部140によって、界磁コイル142に流れる界磁電流の制御及びエンジン110の回転数の制御によって、V/F一定且つすべり周波数制御を行いつつ、誘導モータ130のトルクを目標トルクとなるように制御できる。
【0058】
尚、これらの目標トルクの決定からエンジン110の回転数の調整が完了するまでの時間は、比較的短いため、ハイブリッド車両100の速度は、この時間内には一定であるとして扱ってよい。そして、無視し得ない程度に速度が変化した際には、これらの目標トルクの決定からエンジン回転数の調整までを再度行えばよい。
【0059】
ところで、3相発電機120の内部インピーダンス及び誘導モータ130の一次リアクタンスの影響で、モータ回転数Rmが低い領域では、誘導モータ130の励磁電流が低下する。
【0060】
そこで本実施形態では特に、制御部140による制御下で、モータ回転数Rmが所定閾値以下の低速回転域では、3相発電機120の励磁電流If(図2参照)を流し、低速での誘導モータ130におけるトルク低下を補償する制御を行う。即ち、本実施形態では好適には、すべり周波数制御に加えて、車速が低速の場合に、所謂「トルクブースト制御」を実行する。より具体的には、制御部140は、回転数信号Sr又は不図示の車速パルスを参照することで、低速であることが確認された場合には、自動的に、3相発電機120の励磁電流Ifを流すことで、当該トルクブースト制御を行う。逆に、制御部140は、回転数信号Sr又は不図示の車速パルスを参照することで、低速でないことが確認された場合には、3相発電機120の励磁電流Ifを流すことなく或いは減少させることで、当該トルクブースト制御を行わない。
【0061】
このように低速時にトルクブースト制御を行えば、車両の発進時以外における誘導モータ130による単独走行を行うこと、即ち、図1の構成においてクラッチ116を遮断することで、エンジン110により駆動輪156を駆動することなく、誘導モータ130により駆動輪157を駆動することで走行が可能となる。
【0062】
図1に示した本実施形態の構成では、車速に比例して駆動輪157の回転数が決まっており、誘導モータ130の回転数についても、駆動輪157の回転数により(即ち、車速により)一義的に決まるか又は少なくともその制約を受ける。しかしながら、制御部140によるエンジン110の回転数制御を介しての3相発電機120の発電機周波数Fの制御によって、ハイブリッド車両100の実際の車速によらずに、誘導モータ130では適切に、すべり周波数制御を行える。そして、このようにすべり周波数制御を利用することで、誘導モータ130の出力トルクを応答良く、すべり周波数に比例するように変化させられる。即ち、すべり周波数制御によって、アクセル145の踏み込み量に応じた目標トルクを、迅速且つ的確に得ることが可能となる。
【0063】
以上の結果、本実施形態によれば、前述した従来例の直流モータの如く、モータ部分に係るブラシ等の磨耗や破損が問題となることはないので、装置の長寿命化が可能である。更に、例えば誘導モータ130の周波数を制御するためのインバータやバッテリ等の高価な部品を用いる必要なく、低コスト化も可能となる。そして、このような比較的簡易な構成を採用しつつ実行されるすべり周波数制御によって、各時点で当該ハイブリッド車両に要求されている目標トルクを、誘導モータ130によって適切に得られる。この際特に、制御部140によって、界磁コイル142に流れる電流を制御するので、3相発電機120から誘導モータ130に供給される交流電源の電圧値(大きさ)を制御するのみならず、その交流周波数を可変に制御できる。
【0064】
尚、本実施形態において好ましくは、ハイブリッド車両100の発進時に、上述の如きV/F一定制御且つすべり周波数性制御を行う場合などには、制御部140による制御下で、エンジン110と3相発電機120との間にあるクラッチ115を滑らせることで、エンジン110のアイドル回転数に相当する回転数以下の回転数で3相発電機120を駆動する。即ち、この場合には、3相発電機120の発電機周波数Fを下げる。これにより、ハイブリッド車両100の発進時に、低トルクで誘導モータ130による発進を実現でき、当該トルク制御を滑らかに実行できる。
【0065】
他方で、運転手によるアクセル踏み込み量が大きい場合には、制御部140による制御下で、エンジン110の回転数を上げて、3相発電機120の発電機周波数Fを高める。これにより、誘導モータ130のすべり周波数を高くする。すると、係る大きなアクセル踏み込み量に応じて、大きなトルクを滑らかに得ることができる。このとき更に、制御部140による制御下で、クラッチ116を、すべり状態(即ち、半クラッチ状態)に維持すれば、クラッチ115を係合状態に維持することができ、これらにより、4輪の急発進が可能となる。
【0066】
加えて、本実施形態において、低速でのトルクを改善するためには、誘導モータ130の2次側を、(かご形回転子ではなく)巻線形回転子とし、スリップリングを介して2次抵抗を上げるように構成してもよい。若しくはこれに代えて又は加えて、3相発電機120の出力配線たる3相線に3相スイッチを挿入して、これによりパルス数変調をかけることにより、擬似的に周波数変調をかける手段を追加してもよい。
【0067】
(第2実施形態)
次に図4を参照して、本発明のハイブリッド車両に係る第2実施形態について説明する。ここに、図4は、第2実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。尚、第2実施形態に係る図4においては、第1実施形態に係る図1と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、それらの説明については適宜省略する。
【0068】
図4において、ハイブリッド車両200は、エンジン(ENG)110、3相発電機120、誘導モータ130、制御部140及びトランスミッション(AMT)150を備える。ハイブリッド車両200は更に、クラッチ116、デファレンシャルギヤ151及びデファレンシャルギヤ152を備えて構成されている。
【0069】
第2実施形態では特に、ハイブリッド車両200は、第1実施形態に係るクラッチ115に代えて、エンジン110の出力軸或いはクランク軸と3相発電機120の回転子軸との間に設けられた変速機260を備える。変速機260は、本発明に係る「第1回転数調整手段」の一例を構成しており、例えば、多段式の変速機、CVT(Constant Variable Transmission)型の変速機、プラネタリギヤ型の変速機等からなる。
【0070】
前述した第1実施形態によれば、誘導モータ130の同期電気角周波数が、3相発電機120の電気角周波数より高いと、誘導モータ130を、力行で利用できなくなる。
【0071】
これに対して、第2実施形態によれば、変速機260を備えるので、エンジン110の回転数と3相発電機120の回転数との割合を変更できるので、誘導モータ130の同期電気角周波数と3相発電機120の電気角周波数との高低に拘わらず、変速機260により調整可能な範囲内においては、誘導モータ130を力行で利用できるようになる。即ち、誘導モータ130を力行で利用できる車速の限界が、変速機260の変速可能な範囲に応じて広がる。
【0072】
このように、第2実施形態によれば、変速機260の存在によって、誘導モータ130の力行可能な範囲を効率良く拡大できる。
【0073】
加えて、第2実施形態によれば、3相発電機120の回転数を、変速機260により調整可能な範囲内で任意に設定できるため、エンジン110のアイドル回転数以下の回転数でも、誘導モータ130を動作させることが可能となり、低トルクが実現できる。或いは、例えば、エンジン回転数をアイドル回転数など、エンジン効率上好ましい回転数に維持しながら、3相発電機120の回転数を変えることが可能となる。
【0074】
第2実施形態に係るその他の構成及び動作については、上述した第1実施形態の場合と同様である。
【0075】
(第3実施形態)
次に図5を参照して、本発明のハイブリッド車両に係る第3実施形態について説明する。ここに、図5は、第3実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。尚、第3実施形態に係る図5においては、第1実施形態に係る図1と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、それらの説明については適宜省略する。
【0076】
図5において、ハイブリッド車両300は、エンジン(ENG)110、3相発電機120、誘導モータ130、制御部140及びトランスミッション(AMT)150を備える。ハイブリッド車両300は更に、クラッチ115、クラッチ116、デファレンシャルギヤ151及びデファレンシャルギヤ152を備えて構成されている。
【0077】
第3実施形態では特に、ハイブリッド車両300は、誘導モータ130の出力軸とデファレンシャルギヤ152との間に設けられた変速機360を備える。変速機360は、本発明に係る「第2回転数調整手段」の一例を構成しており、例えば、多段式の変速機、CVT型の変速機、プラネタリギヤ型の変速機等からなる。
【0078】
前述した第1実施形態によれば、誘導モータ130の同期電気角周波数が、3相発電機120の電気角周波数より高いと、誘導モータ130を、力行で利用できなくなる。
【0079】
これに対して、第3実施形態によれば、変速機360を備えるので、駆動輪157の回転数(即ち、車速)と誘導モータ130の回転数との割合を変更できるので、誘導モータ130の同期電気角周波数と3相発電機120の電気角周波数との高低に拘わらず、変速機360により調整可能な範囲内においては、誘導モータ130を力行で利用できるようになる。即ち、誘導モータ130を力行で利用できる車速の限界が、変速機360の変速可能な範囲に応じて広がる。
【0080】
このように、第3実施形態によれば、変速機360の存在によって、誘導モータ130の力行可能な範囲を効率良く拡大できる。
【0081】
加えて、第3実施形態によれば、変速機360により、車速を一定に保ちながら、誘導モータ130の回転数を変えることが可能となる。この際、3相発電機120により発電されて誘導モータ130に供給される交流電源の電圧値(大きさ)を制御するのみならず、誘導モータ130の回転数を駆動輪157の回転数とは切り離して、変速機260により調整可能な範囲内で可変にできる。
【0082】
第3実施形態に係るその他の構成及び動作については、上述した第1実施形態の場合と同様である。
【0083】
(第4実施形態)
次に図6を参照して、本発明のハイブリッド車両に係る第4実施形態について説明する。ここに、図6は、第4実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。尚、第4実施形態に係る図6においては、第1実施形態に係る図1と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、それらの説明については適宜省略する。
【0084】
図6において、ハイブリッド車両400は、エンジン(ENG)110、3相発電機120、誘導モータ130、制御部140及びトランスミッション(AMT)150を備える。ハイブリッド車両400は更に、クラッチ115、クラッチ116、デファレンシャルギヤ151及びデファレンシャルギヤ152を備えて構成されている。
【0085】
第4実施形態では特に、ハイブリッド車両400は、3相発電機120と誘導モータ130と間における3相線中に挿入された二つの3相スイッチSW1及びSW2と、これらの3相スイッチSW1及びSW2によって3相発電機120又は誘導モータ130に若しくはこれらの両者に対して選択的に接続可能なインバータ470と、インバータ470により充放電可能な蓄電装置の一例たるバッテリ480とを備えて構成されている。
【0086】
第4実施形態では、3相発電機120の3相に対して、2つの3相スイッチSW1及びSW2を追加することにより、誘導モータ130における力行制御及び回生制御を独立に且つ簡略に行うことが可能である。
【0087】
即ち、回生時には、制御部140による制御下で、3相スイッチSW2をオンにし且つ3相スイッチSW1をオフにする。このとき、前述した如きV/F一定且つすべり周波数制御の場合と同様に、周波数差で回生トルクを制御する。具体的には、制御部140は、先ず目標トルクからインバータ470の電気角周波数と誘導モータ130の電気角周波数の差を演算する。続いて、制御部140は、V/F一定となるように、交流電圧Vを決定する。この際、力行時と異なり、インバータ470の電気角周波数を誘導モータ120の電気角周波数より小さくする。
【0088】
他方、力行時には、制御部140による制御下で、パラレルハイブリッド走行を行う。具体的には、例えば、誘導モータ130の定格を30kw程度に設定し、3相発電機130の定格を20kw程度に設定し、インバータ470(及びバッテリ480)の定格を10kw程度に設定した場合、3相発電機120の3相周波数と、インバータ470の周波数を同期させることで(例えば、インバータ470の交流電圧の大きさをPWM(Pulse Width Modulation)制御することで)、誘導モータ130に対して、エンジン110とバッテリ480との両方から電源供給する。これによって、インバータ470等を用いてのパラレルハイブリッド走行が可能となる。
【0089】
以上の結果、第4実施形態によれば、誘導モータ130において、例えば減速時や下り坂走行時などで発生するハイブリッド車両400の慣性エネルギーを、インバータ470を介してバッテリ480に回生可能となる。更に、パラレルハイブリッド走行も可能となり、低燃費走行或いは低公害走行が可能となる。
【0090】
特に、このようにパラレルハイブリッド走行を行うことにより、或いは誘導モータ130においてバッテリ480の電源と共に3相発電機120からの電源を併用して用いることにより、インバータ470の定格やバッテリ48の定格を相対的に低く抑えることができる。よって、これらインバータやバッテリといった一般に高価な電気部品についてのコスト上昇を効率的に抑えられる。
【0091】
更に、第4実施形態では好ましくは、力行時において車速が低い場合には、制御部140による制御下で、3相スイッチSW2をオンし且つ3相スイッチSW1をオフすることで、バッテリ480からインバータ470を介して供給される交流電源のみで、誘導モータ130を駆動してEV走行してもよい。これにより、低速時にも、V/F一定且つすべり周波数制御で、容易にトルク制御を行える。そして、制御部140による制御下で、車速が所定閾値よりも上昇したことが検出された段階で、3相スイッチSW1をオンにして、3相発電機120からの電源も併用して誘導モータ130の駆動を続行してもよい。
【0092】
加えて、第4実施形態では、車両の発進時に、3相発電機120をエンジン始動装置として利用することも可能である。即ち、このためには、車両の発進時に、制御部140による制御下で、クラッチ116を遮断し且つクラッチ115を係合し、3相スイッチSW1をオンにした状態で、インバータ470によって、3相発電機120を同期駆動する。これにより、3相発電機120を、エンジン始動装置として機能させられる。更に、アクセル145が強く踏み込まれた際には、制御部140による制御下で、3相スイッチSW2もオンにすることで、エンジン110の始動と誘導モータ130へのトルク駆動とを同一のインバータ470で実行可能となり、アイドル停止時における急発進のもたつきを緩和することも可能である。
【0093】
第4実施形態に係るその他の構成及び動作については、上述した第1実施形態の場合と同様である。
【0094】
(第5実施形態)
次に図7を参照して、本発明のハイブリッド車両に係る第5実施形態について説明する。ここに、図7は、第5実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。尚、第5実施形態に係る図7においては、第1実施形態に係る図1又は第4実施形態に係る図6と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、それらの説明については適宜省略する。
【0095】
図7において、ハイブリッド車両500は、エンジン(ENG)110、3相発電機120及びトランスミッション(AMT)150を備える。ハイブリッド車両500は更に、クラッチ115、クラッチ116及びデファレンシャルギヤ151、並びにインバータ470、バッテリ480、3相スイッチSW1及びSW2を備えて構成されている。
【0096】
第5実施形態では特に、ハイブリッド車両500は、誘導モータ530が、デファレンシャルギヤ520内に付設されている。このように構成しても、デファレンシャルギヤ520内に付設された誘導モータ530において、例えば減速時や下り坂走行時などで発生するハイブリッド車両500の慣性エネルギーを、インバータ470を介してバッテリ480に回生可能となる。更に、パラレルハイブリッド走行も可能となり、低燃費走行或いは低公害走行が可能となる。
【0097】
第5実施形態に係るその他の構成及び動作については、上述した第4実施形態の場合と同様である。
【0098】
(第6実施形態)
次に図8を参照して、本発明のハイブリッド車両に係る第6実施形態について説明する。ここに、図8は、第6実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。尚、第6実施形態に係る図8においては、第1実施形態に係る図1又は第5実施形態に係る図7と同様の構成要素には同様の参照符号を付し、それらの説明については適宜省略する。
【0099】
図8において、ハイブリッド車両600は、エンジン(ENG)110、3相発電機120及び誘導モータ130を備える。ハイブリッド車両600は更に、クラッチ115、クラッチ116及びデファレンシャルギヤ152、並びにインバータ470、バッテリ480、3相スイッチSW1及びSW2を備えて構成されている。
【0100】
第6実施形態では特に、ハイブリッド車両600は、誘導モータ630が、トランスミッション(AMT)650内に付設されている。このように構成しても、トランスミッション650内に付設された誘導モータ630において、例えば減速時や下り坂走行時などで発生するハイブリッド車両600の慣性エネルギーを、インバータ470を介してバッテリ480に回生可能となる。更に、パラレルハイブリッド走行も可能となり、低燃費走行或いは低公害走行が可能となる。
【0101】
第6実施形態に係るその他の構成及び動作については、上述した第4実施形態の場合と同様である。
【0102】
以上説明した第1から第6実施形態において、制御部140は、ハイブリッド車両の動力系統において、エンジン110を制御するEFIECU(ElectricalFuel Injection Engine Control Unit)の一部として構築されてもよいし、これとは別個に用意された専用マイクロプロセッサ等から構成されてもよい。
【0103】
また、各実施形態では、エンジン110は、例えば、ガソリンにより運転される直噴型のガソリンエンジンであるが、その他に、伝統的なポート噴射型のガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、タービンエンジン、ジェットエンジン等の各種の内燃あるいは外燃機関を用いることができる。更に、3相発電機と誘導モータとを組み合わせて前述の如きすべり周波数制御を行う限りにおいて、本発明を適用するハイブリッド車両の構成としては、第1から第6実施形態の構成の他、種々の構成が可能である。
【0104】
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴なうハイブリッド車両用の動力出力装置及びその制御方法、並びにそのような動力出力装置を備えたハイブリッド車両もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0105】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、比較的寿命が長く、高度な制御を長期に亘って実行可能なハイブリッド車両用の動力出力装置及びその制御方法、並びにそれを備えてなるハイブリッド車両を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。
【図2】図1に示したハイブリッド車両のうち3相発電機の概略構成を示す模式図である。
【図3】図1に示したハイブリッド車両のうち誘導モータの概略構成を示す模式図である。
【図4】本発明に係る第2実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。
【図5】本発明に係る第3実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。
【図6】本発明に係る第4実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。
【図7】本発明に係る第5実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。
【図8】本発明に係る第6実施形態のハイブリッド車両の全体ブロック図である。
【符号の説明】
110 エンジン
120 3相発電機
130 誘導モータ
140 制御部
150 トランスミッション
151、152 デファレンシャルギヤ
156、157 駆動輪
Claims (10)
- ハイブリッド車両用の動力出力装置であって、
エンジンと、
該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能である3相発電機と、
該3相発電機からの交流電源の供給を受けて、前記ハイブリッド車両の駆動輪に駆動力を出力可能な誘導モータと、
前記ハイブリッド車両に要求される目標トルクに対応するすべり周波数が前記誘導モータで得られるように、前記3相発電機の発電周波数及び前記誘導モータの回転数のうち少なくとも一方を制御する制御手段と
を備えたことを特徴とするハイブリッド車両用の動力出力装置。 - 前記制御手段は、前記エンジンの回転数を制御することで、前記発電周波数を制御することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両用の動力出力装置。
- 前記制御手段は、前記エンジンと前記3相発電機との間に、前記エンジンの回転数と前記3相発電機の回転数との割合を調整可能な第1回転数調整手段を備えており、
前記制御手段による前記発電周波数の制御の少なくとも一部として、前記第1回転数調整手段により、前記エンジンの回転数と前記3相発電機の回転数との割合を調整することで、前記3相発電機の回転数を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド車両用の動力出力装置。 - 前記制御手段は、前記誘導モータと前記駆動輪との間に、前記誘導モータの回転数と前記駆動輪の回転数との割合を調整可能な第2回転数調整手段を備えており、
前記制御手段による前記誘導モータの回転数の制御の少なくとも一部として、前記第2回転数調整手段により、前記誘導モータの回転数と前記駆動輪の回転数との割合を調整することで、前記誘導モータの回転数を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両用の動力出力装置。 - 前記誘導モータが所定回転数以下で回転している場合には、前記3相発電機の励磁電流を供給することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のハイブリッド車両用の動力出力装置。
- 前記誘導モータに接続可能なインバータと、
該インバータを介して前記誘導モータからの電源供給を受ける蓄電装置と
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両用の動力出力装置。 - 前記インバータの周波数と前記発電周波数とを同期させる同期手段を更に備えたことを特徴とする請求項6に記載のハイブリッド車両用の動力出力装置。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載のハイブリッド車両用の動力出力装置と、
当該動力出力装置が搭載される車両本体と、
該車両本体に取り付けられた前記駆動輪と
を備えたことを特徴とするハイブリッド車両。 - エンジンと、該エンジンの出力の少なくとも一部を用いて発電可能である3相発電機と、該3相発電機からの交流電源の供給を受けて、ハイブリッド車両の駆動輪に駆動力を出力可能な誘導モータとを備えたハイブリッド車両用の動力出力装置を制御する制御方法であって、
前記ハイブリッド車両に要求される目標トルクを決定する決定工程と、
該決定された目標トルクに対応するすべり周波数が前記誘導モータで得られるように、前記3相発電機の発電周波数及び前記誘導モータの回転数のうち少なくとも一方を制御する制御工程と
を備えたことを特徴とするハイブリッド車両用の動力出力装置の制御方法。 - 前記誘導モータが所定回転数以下で回転している場合には、前記3相発電機の励磁電流を供給する供給工程を更に備えたことを特徴とする請求項9に記載のハイブリッド車両用の動力出力装置の制御方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2019044014A1 (ja) * | 2017-08-28 | 2019-03-07 | 株式会社日立製作所 | 発電機システム、発電機システムの制御方法、複合型発電システムの制御方法 |
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-
2002
- 2002-12-03 JP JP2002351758A patent/JP2004187412A/ja active Pending
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