JP2004187390A - 電圧無効電力監視制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の電圧無効電力監視制御装置では、P−V曲線(電力系統の総需要Pと電圧Vとの関係を示す曲線)の計算が静的解析が採用されており、自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対応する挙動が考慮されていないため、精度に問題があり、これを解消するためより精度の高い電圧安定性指標を使用する電圧無効電力制御装置を得る。
【解決手段】自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段を設けて、系統内の自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対する動作応答特性を取り込んだP−V曲線を求め、これにより精度の高い電圧安定性指標を得て最適潮流状態計算を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段を設けて、系統内の自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対する動作応答特性を取り込んだP−V曲線を求め、これにより精度の高い電圧安定性指標を得て最適潮流状態計算を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力系統の電圧、無効電力の監視制御を行う電圧無効電力監視制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力系統の母線電圧と無効電力潮流を運用目標値の範囲内またはその付近に維持することを制御条件とし、電力系統の電圧安定性が最大となるように、または所定のレベル以上となるように電圧無効電力調整機器を制御することが可能な電圧無効電力監視制御装置として、
電力系統の状態変数の値を決定するための状態推定手段と、電圧の変化に対するノード電力の変化の比率(dp/dv)を計算する手段と、電圧無効電力調整機器を単位量だけ調整したときのdp/dvが変化する度合(感度係数)を計算する手段(感度係数計算手段)と、電圧安定性を改善するための電圧無効電力調整機器の調整量を求める手段(電圧安定性改善調整量計算手段)とを備えたものが示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許公報第2712092号公報(第2頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1に示された従来技術では、P−V曲線(電力系統の総需要Pと電圧Vとの関係を示す曲線)の計算には静的解析が採用されており、自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対応する挙動が考慮されていないため、精度に問題があった。また、前記P−V曲線を計算する際に、擾乱が考慮されてなく、大きな擾乱が発生すると急激に不安定領域に入る可能性があり、電圧安定性の余裕度確保に問題があった。
【0005】
この発明は、以上のような課題を解決するためにされたもので、電圧安定性の改善を図るとともに、P−V曲線を計算する際に、自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対する応答動作特性を取り入れることで、より高精度の電圧安定性指標を得ることができ、さらにまた、系統電圧に大きな影響を及ぼす可能性のある擾乱についても考慮し、擾乱が発生しても電圧安定性を良好に維持できる電圧無効電力監視制御装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
電力系統の状態量を入力し、母線電圧の大きさと無効電力潮流の監視を行う電圧無効電力監視制御装置において、系統情報をもとに電力系統の状態を求める状態推定手段と、電力系統の状態をもとに、自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対する応答動作特性を取り入れたP−V曲線を求める自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段と、P−V曲線から各母線の電圧安定性指標を計算する電圧安定性指標計算手段と、各母線の電圧安定性指標と各母線の有効電圧余裕とを加えて目的関数とし、電力系統の最適状態を求める最適潮流状態計算手段と、最適潮流状態計算手段によって得られた電力系統の状態から、自動電圧無効電力調整装置に制御目標を与える電圧無効電力目標計算手段と、電圧無効電力目標計算手段によって得られた調整量を制御信号とし、電力系統に送出する制御信号送出手段とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1はこの実施の形態1による電圧無効電力監視制御装置の動作フロー図である。図において、電力系統情報入力手段1は、図示はしない情報伝送装置を介して電力系統からの系統情報を入力し、状態推定手段2は、前記系統情報をもとに電力系統の状態を求めるものである。自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段7は、前記電力系統の状態をもとに需要を増加させた系統について、系統内に設けられた自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対する応答動作を模擬して総需要Pと電圧Vとの関係を示すP−V曲線を求める。
電圧安定性指標計算手段3は、前記P−V曲線から各母線の電圧安定性指標を計算する。最適潮流状態計算手段4は、前記各母線の有効電力余裕を目的関数に加えて、最適な電力系統の状態を求めるものである。電圧、無効電力目標計算手段5は前記最適潮流状態計算手段4によって得られた電力系統の状態から得られた目標値を各系統に設けられた自動電圧無効電力調整装置に与えるものである。制御信号送出手段6は、前記電圧、無効電力目標計算手段5で得られた調整量を制御信号として送出するものである。
【0008】
次に動作について説明する。電力系統情報入力手段1によって入力された系統情報をもとに、状態推定手段2を用いて電力系統内各所の母線電圧、有効潮流、無効潮流などを推定して電力系統の状態を求める。次いで自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段7により、系統内の電圧の変化に対する自動電圧無効電力調整装置の応答動作特性を考慮に入れてP−V曲線を計算する。その1例を図2の100に示す。なお、図2には従来の静的解析によるP−V曲線200も参考に示している。
ここで本実施の形態1において、前記各系統内に設けられた自動電圧無効電力調整装置は、予め制御目標電圧と、前記制御目標電圧からの乖離許容幅などを設定する機能を有するものを対象としており、前記自動電圧無効電力調整装置は、制御対象の母線電圧が変化して、一定の時間乖離許容幅から逸脱した場合に、自動的に乖離許容幅内に引き戻すよう動作するものである。従って、前記図2に示すP−V曲線100はこのような自動電圧無効電力調整装置の挙動を模擬して電圧を算出する手法を用いている。また図2に示すように、静的な解析によるP−V曲線200と、本実施の形態1による前記手法の解析によるP−V曲線100とでは、電圧安定限界が大きく変わるものである。
【0009】
次いで、電圧安定性指標計算手段3により有効電力余裕を算出する。この有効電力余裕量は、図2のP−V曲線100において、右端の電圧安定限界需要から左端の現在状態の総需要を差し引いたものであり、図2に示す電圧安定指標に相当するものである。
前記有効電力余裕が大きいほど系統内の電圧安定性が高い。そしてこの実施の形態1では前記有効電力余裕量を電圧安定性指標として用いる。次いで前記電圧安定性指標計算手段3の算出した電圧安定性指標と前記有効電力余裕とを加えた目的関数で、最適潮流状態計算手段4によって最適な電力系統の状態を求める。
ここで、一般に最適潮流計算は電力系統の需給条件、運用制約条件などを与えて、送電ロス合計や発電機運転コストなどの目的関数を、最小化あるいは最大化とする系統状態を求めるものである。本実施の形態1では、前記した有効電力余裕を電圧安定性指標として扱い、この電圧安定性指標を目的関数の一つに加えて全母線の電圧安定性指標合計が最大となるよう最適潮流状態計算手段4によって、最適潮流計算を行う。
つまり、最適潮流計算での系統状態探索において目的関数値の比較を行う際に、前記電圧安定性指標計算手段3によって繰り返しP−V曲線を作成して、結果を比較し、最善値を求めるものである。このことによって最善な電圧安定性を与える系統状態を得ることが可能となる。
【0010】
次いで、電圧無効電力目標計算手段5により前記最善な電圧安定性を与える系統状態から、自動電圧無効電力調整装置の制御目標を計算する。最後に前記電圧無効電力目標計算手段5によって得られた調整量を、制御信号送出手段6により制御信号として電力系統に送出する。
以上のように、この実施の形態1では、自動電圧無効電力調整装置の応答挙動を考慮して作成したP−V曲線から求めた電圧安定性指標を、目的関数として加えて最適潮流計算を行っているため、より精度の高い自動電圧無効電力調整装置の制御目標を作成することができ、より良好な電圧安定性を維持する電圧無効電力監視制御装置を提供できる。
【0011】
実施の形態2.
実施の形態2を動作フローを示す図3およびこの実施の形態2による概念的なP−V曲線を示す図4に基づいて説明する。
前記実施の形態1では、現在の状態を平常時、すなわち大きな擾乱がない状態でP−V曲線を計算しているが、大きな擾乱が発生した場合には、電圧安定性が悪化する。図4に示すとおり、擾乱を想定した場合には平常時に比べて電圧安定限界が厳しくなる。
この実施の形態2では、図3に示すように、想定擾乱格納手段8につながる想定擾乱設定手段9を設けることで、想定擾乱が発生した場合についても、擾乱を考慮したP−V曲線を計算することが可能となる。このP−V曲線の1例を前記した図4に示す。
なお、この図4の100a、100bはそれぞれ平常時、擾乱時のP−V曲線を示し、その概念を示すものであって、前述した図2のP−V曲線100の如く、部分的な鋸歯状を有するものであるが、図4ではその記入を省略している。
このようにこの実施の形態2では、擾乱が発生したとしても、電圧安定性をより良好に維持できる電圧無効電力監視制御装置を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0012】
【発明の効果】
この発明は以上述べたような構成の電圧無効電力監視制御装置であるので、以下のような効果がある。
系統情報をもとに電力系統の状態を求める状態推定手段と、電力系統の状態をもとに、自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対する応答動作特性を取り入れたP−V曲線を求める自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段と、P−V曲線から各母線の電圧安定性指標を計算する電圧安定性指標計算手段と、各母線の電圧安定性指標と各母線の有効電圧余裕とを加えて目的関数とし、電力系統の最適状態を求める最適潮流状態計算手段と、最適潮流状態計算手段によって得られた電力系統の状態から、自動電圧無効電力調整装置に制御目標を与える電圧無効電力目標計算手段と、電圧無効電力目標計算手段によって得られた調整量を制御信号とし、電力系統に送出する制御信号送出手段とを備えているものであるので、各系統内に設けられた自動電圧無効電力調整装置に対して、より精度の高い制御目標を与えることが可能となり、さらにより良好な電圧安定性を維持する電圧無効電力監視制御装置を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による動作フローを示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるP−V曲線を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態2による動作フローを示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2によるP−V曲線の概念を示す図である。
【符号の説明】
1 電力系統情報入力手段、2 状態推定手段、
3 電圧安定性指標計算手段、4 最適潮流状態計算手段、
5 電圧無効電力目標計算手段、6 制御信号送出手段、
7 自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段、8 想定擾乱格納手段、
9 想定擾乱設定手段、100,100a,100b,200 P−V曲線。
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力系統の電圧、無効電力の監視制御を行う電圧無効電力監視制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力系統の母線電圧と無効電力潮流を運用目標値の範囲内またはその付近に維持することを制御条件とし、電力系統の電圧安定性が最大となるように、または所定のレベル以上となるように電圧無効電力調整機器を制御することが可能な電圧無効電力監視制御装置として、
電力系統の状態変数の値を決定するための状態推定手段と、電圧の変化に対するノード電力の変化の比率(dp/dv)を計算する手段と、電圧無効電力調整機器を単位量だけ調整したときのdp/dvが変化する度合(感度係数)を計算する手段(感度係数計算手段)と、電圧安定性を改善するための電圧無効電力調整機器の調整量を求める手段(電圧安定性改善調整量計算手段)とを備えたものが示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許公報第2712092号公報(第2頁、図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特許文献1に示された従来技術では、P−V曲線(電力系統の総需要Pと電圧Vとの関係を示す曲線)の計算には静的解析が採用されており、自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対応する挙動が考慮されていないため、精度に問題があった。また、前記P−V曲線を計算する際に、擾乱が考慮されてなく、大きな擾乱が発生すると急激に不安定領域に入る可能性があり、電圧安定性の余裕度確保に問題があった。
【0005】
この発明は、以上のような課題を解決するためにされたもので、電圧安定性の改善を図るとともに、P−V曲線を計算する際に、自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対する応答動作特性を取り入れることで、より高精度の電圧安定性指標を得ることができ、さらにまた、系統電圧に大きな影響を及ぼす可能性のある擾乱についても考慮し、擾乱が発生しても電圧安定性を良好に維持できる電圧無効電力監視制御装置を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
電力系統の状態量を入力し、母線電圧の大きさと無効電力潮流の監視を行う電圧無効電力監視制御装置において、系統情報をもとに電力系統の状態を求める状態推定手段と、電力系統の状態をもとに、自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対する応答動作特性を取り入れたP−V曲線を求める自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段と、P−V曲線から各母線の電圧安定性指標を計算する電圧安定性指標計算手段と、各母線の電圧安定性指標と各母線の有効電圧余裕とを加えて目的関数とし、電力系統の最適状態を求める最適潮流状態計算手段と、最適潮流状態計算手段によって得られた電力系統の状態から、自動電圧無効電力調整装置に制御目標を与える電圧無効電力目標計算手段と、電圧無効電力目標計算手段によって得られた調整量を制御信号とし、電力系統に送出する制御信号送出手段とを備えたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図に基づいて説明する。
図1はこの実施の形態1による電圧無効電力監視制御装置の動作フロー図である。図において、電力系統情報入力手段1は、図示はしない情報伝送装置を介して電力系統からの系統情報を入力し、状態推定手段2は、前記系統情報をもとに電力系統の状態を求めるものである。自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段7は、前記電力系統の状態をもとに需要を増加させた系統について、系統内に設けられた自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対する応答動作を模擬して総需要Pと電圧Vとの関係を示すP−V曲線を求める。
電圧安定性指標計算手段3は、前記P−V曲線から各母線の電圧安定性指標を計算する。最適潮流状態計算手段4は、前記各母線の有効電力余裕を目的関数に加えて、最適な電力系統の状態を求めるものである。電圧、無効電力目標計算手段5は前記最適潮流状態計算手段4によって得られた電力系統の状態から得られた目標値を各系統に設けられた自動電圧無効電力調整装置に与えるものである。制御信号送出手段6は、前記電圧、無効電力目標計算手段5で得られた調整量を制御信号として送出するものである。
【0008】
次に動作について説明する。電力系統情報入力手段1によって入力された系統情報をもとに、状態推定手段2を用いて電力系統内各所の母線電圧、有効潮流、無効潮流などを推定して電力系統の状態を求める。次いで自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段7により、系統内の電圧の変化に対する自動電圧無効電力調整装置の応答動作特性を考慮に入れてP−V曲線を計算する。その1例を図2の100に示す。なお、図2には従来の静的解析によるP−V曲線200も参考に示している。
ここで本実施の形態1において、前記各系統内に設けられた自動電圧無効電力調整装置は、予め制御目標電圧と、前記制御目標電圧からの乖離許容幅などを設定する機能を有するものを対象としており、前記自動電圧無効電力調整装置は、制御対象の母線電圧が変化して、一定の時間乖離許容幅から逸脱した場合に、自動的に乖離許容幅内に引き戻すよう動作するものである。従って、前記図2に示すP−V曲線100はこのような自動電圧無効電力調整装置の挙動を模擬して電圧を算出する手法を用いている。また図2に示すように、静的な解析によるP−V曲線200と、本実施の形態1による前記手法の解析によるP−V曲線100とでは、電圧安定限界が大きく変わるものである。
【0009】
次いで、電圧安定性指標計算手段3により有効電力余裕を算出する。この有効電力余裕量は、図2のP−V曲線100において、右端の電圧安定限界需要から左端の現在状態の総需要を差し引いたものであり、図2に示す電圧安定指標に相当するものである。
前記有効電力余裕が大きいほど系統内の電圧安定性が高い。そしてこの実施の形態1では前記有効電力余裕量を電圧安定性指標として用いる。次いで前記電圧安定性指標計算手段3の算出した電圧安定性指標と前記有効電力余裕とを加えた目的関数で、最適潮流状態計算手段4によって最適な電力系統の状態を求める。
ここで、一般に最適潮流計算は電力系統の需給条件、運用制約条件などを与えて、送電ロス合計や発電機運転コストなどの目的関数を、最小化あるいは最大化とする系統状態を求めるものである。本実施の形態1では、前記した有効電力余裕を電圧安定性指標として扱い、この電圧安定性指標を目的関数の一つに加えて全母線の電圧安定性指標合計が最大となるよう最適潮流状態計算手段4によって、最適潮流計算を行う。
つまり、最適潮流計算での系統状態探索において目的関数値の比較を行う際に、前記電圧安定性指標計算手段3によって繰り返しP−V曲線を作成して、結果を比較し、最善値を求めるものである。このことによって最善な電圧安定性を与える系統状態を得ることが可能となる。
【0010】
次いで、電圧無効電力目標計算手段5により前記最善な電圧安定性を与える系統状態から、自動電圧無効電力調整装置の制御目標を計算する。最後に前記電圧無効電力目標計算手段5によって得られた調整量を、制御信号送出手段6により制御信号として電力系統に送出する。
以上のように、この実施の形態1では、自動電圧無効電力調整装置の応答挙動を考慮して作成したP−V曲線から求めた電圧安定性指標を、目的関数として加えて最適潮流計算を行っているため、より精度の高い自動電圧無効電力調整装置の制御目標を作成することができ、より良好な電圧安定性を維持する電圧無効電力監視制御装置を提供できる。
【0011】
実施の形態2.
実施の形態2を動作フローを示す図3およびこの実施の形態2による概念的なP−V曲線を示す図4に基づいて説明する。
前記実施の形態1では、現在の状態を平常時、すなわち大きな擾乱がない状態でP−V曲線を計算しているが、大きな擾乱が発生した場合には、電圧安定性が悪化する。図4に示すとおり、擾乱を想定した場合には平常時に比べて電圧安定限界が厳しくなる。
この実施の形態2では、図3に示すように、想定擾乱格納手段8につながる想定擾乱設定手段9を設けることで、想定擾乱が発生した場合についても、擾乱を考慮したP−V曲線を計算することが可能となる。このP−V曲線の1例を前記した図4に示す。
なお、この図4の100a、100bはそれぞれ平常時、擾乱時のP−V曲線を示し、その概念を示すものであって、前述した図2のP−V曲線100の如く、部分的な鋸歯状を有するものであるが、図4ではその記入を省略している。
このようにこの実施の形態2では、擾乱が発生したとしても、電圧安定性をより良好に維持できる電圧無効電力監視制御装置を提供することができるという優れた効果を奏する。
【0012】
【発明の効果】
この発明は以上述べたような構成の電圧無効電力監視制御装置であるので、以下のような効果がある。
系統情報をもとに電力系統の状態を求める状態推定手段と、電力系統の状態をもとに、自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対する応答動作特性を取り入れたP−V曲線を求める自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段と、P−V曲線から各母線の電圧安定性指標を計算する電圧安定性指標計算手段と、各母線の電圧安定性指標と各母線の有効電圧余裕とを加えて目的関数とし、電力系統の最適状態を求める最適潮流状態計算手段と、最適潮流状態計算手段によって得られた電力系統の状態から、自動電圧無効電力調整装置に制御目標を与える電圧無効電力目標計算手段と、電圧無効電力目標計算手段によって得られた調整量を制御信号とし、電力系統に送出する制御信号送出手段とを備えているものであるので、各系統内に設けられた自動電圧無効電力調整装置に対して、より精度の高い制御目標を与えることが可能となり、さらにより良好な電圧安定性を維持する電圧無効電力監視制御装置を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による動作フローを示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1によるP−V曲線を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態2による動作フローを示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2によるP−V曲線の概念を示す図である。
【符号の説明】
1 電力系統情報入力手段、2 状態推定手段、
3 電圧安定性指標計算手段、4 最適潮流状態計算手段、
5 電圧無効電力目標計算手段、6 制御信号送出手段、
7 自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段、8 想定擾乱格納手段、
9 想定擾乱設定手段、100,100a,100b,200 P−V曲線。
Claims (2)
- 電力系統の状態量を入力し、母線電圧の大きさと無効電力潮流の監視を行う電圧無効電力監視制御装置において、系統情報をもとに電力系統の状態を求める状態推定手段と、前記電力系統の状態をもとに、自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対する応答動作特性を取り入れたP−V曲線を求める自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段と、前記P−V曲線から各母線の電圧安定性指標を計算する電圧安定性指標計算手段と、前記各母線の電圧安定性指標と各母線の有効電圧余裕とを加えて目的関数とし、電力系統の最適状態を求める最適潮流状態計算手段と、前記最適潮流状態計算手段によって得られた電力系統の状態から、自動電圧無効電力調整装置に制御目標を与える電圧無効電力目標計算手段と、前記電圧無効電力目標計算手段によって得られた調整量を制御信号とし、電力系統に送出する制御信号送出手段とを備えたことを特徴とする電圧無効電力監視制御装置。
- 電力系統の状態量を入力し、母線電圧の大きさと無効電力潮流の監視を行う電圧無効電力監視制御装置において、系統情報をもとに電力系統の状態を求める状態推定手段と、前記電力系統の状態と、想定擾乱設定手段が設定する想定擾乱を加えた状態をもとに、自動電圧無効電力調整装置の電圧変化に対する応答動作特性を取り入れたP−V曲線を求める自動電圧無効電力調整装置動作模擬手段と、前記P−V曲線から各母線の電圧安定性指標を計算する電圧安定性指標計算手段と、前記各母線の電圧安定性指標に各母線の有効電圧余裕を加えて目的関数とし、電力系統の最適状態を求める最適潮流状態計算手段と、前記最適潮流状態計算手段によって得られた電力系統の状態から、自動電圧無効電力調整装置に制御目標を与える電圧無効電力目標計算手段と、前記電圧無効電力目標計算手段によって得られた調整量を制御信号とし、電力系統に送出する制御信号送出手段とを備えたことを特徴とする電圧無効電力監視制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002350592A JP2004187390A (ja) | 2002-12-03 | 2002-12-03 | 電圧無効電力監視制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002350592A JP2004187390A (ja) | 2002-12-03 | 2002-12-03 | 電圧無効電力監視制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004187390A true JP2004187390A (ja) | 2004-07-02 |
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ID=32752754
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JP (1) | JP2004187390A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102255320A (zh) * | 2011-07-15 | 2011-11-23 | 广东电网公司电力科学研究院 | 地区电网电压无功实时控制系统及其闭环控制方法 |
JP2016111780A (ja) * | 2014-12-04 | 2016-06-20 | 富士電機株式会社 | 操作量算出装置、操作量算出装置の制御方法及びプログラム |
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JP2019030065A (ja) * | 2017-07-26 | 2019-02-21 | 株式会社東芝 | 電力系統信頼度評価システム |
-
2002
- 2002-12-03 JP JP2002350592A patent/JP2004187390A/ja active Pending
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