JP2004186864A - 流合雑音低減装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】標準規格であるDOCSIS仕様に準拠した双方向CATVシステムにおいて、導入が容易でかつ経済的に安価な、上り流合雑音を低減する装置を提供すること。
【解決手段】ケーブルテレビ局に設置されたセンターモデムからケーブルモデム宛てに送信される下り信号を復調し、前記ケーブルモデムから前記センターモデム宛てに送信される上り信号に関する情報を解析し、その情報に基づいて上り信号に周波数帯域制限をかけて流合雑音を低減する。
【選択図】 図1
【解決手段】ケーブルテレビ局に設置されたセンターモデムからケーブルモデム宛てに送信される下り信号を復調し、前記ケーブルモデムから前記センターモデム宛てに送信される上り信号に関する情報を解析し、その情報に基づいて上り信号に周波数帯域制限をかけて流合雑音を低減する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は双方向CATV(Cable Television)システムに関し、特に加入者側の端末から混入する上り流合雑音の低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、わが国ではe−Japan戦略のもと、高速/超高速ネットワークのインフラ整備が進められている。これに伴いCATVシステムは、従来のテレビ番組の配信サービス(片方向サービス)に加えて、ケーブルインターネットなどのサービス(双方向サービス)の提供が不可欠となってきている。一般に、この双方向CATVシステムでは、加入者宅(特に集合住宅など)で発生する雑音が、端末端子等を介して宅内の伝送線に重畳され、これが流合雑音としてCATVシステムの幹線へ流出してしまうことがある。流合雑音は、システムの加入者数が増えるにつれて増大し、この雑音量が大きくなると加入者側の端末装置とCATV局側のセンター装置との間で通信が出来ないことになる。この流合雑音を低減するための代表的な方法として、以下のようなものが知られている。第1の方法は、CATVシステムにおいて上り信号を使用しない端子や開放端子の全てに小型の低域阻止フィルタ(HPF)を装着し、上り帯域への雑音流入を阻止する方法である。第2の方法は、加入者の宅内配線及び引込線までの部分の上り伝送について雑音の少ない高域(例えば、700MHz帯)の周波数を使用し、引込線を介して外部へ送出するところで通常の上り周波数(例えば、5〜42MHz)に変換して伝送する方式である(特開平11−220716号公報)。また第3の方法は、引込線の部分で上り信号を一旦復調してノイズ成分を取り除き、再生したデータを再び変調して、引込線を介して外部へ送出する方式である(特開2002−44634号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような従来の方法では、それぞれ以下のような課題を有している。第1の方法の課題は、比較的簡単ではあるがシステムの端子に全てにHPFを取り付けなければならないこと、及び雑音流入箇所がタップオフから端子までの間にある場合は効果がないことである。また、第2の方法の課題は、双方向CATVシステムの標準規格であるDOCSISで規定された上り周波数帯域(5MHz〜42MHz)とは異なる周波数帯域を使用するために、上り信号を周波数変換するためのアップコンバータ等の機器が必要となり、各加入者がケーブルモデムとは別途に用意しなければならず、加入者にとって経済的負担が増大することである。更には、上り信号の周波数が高いために信号の減衰が大きくなり、ブースタが必要になることである。最後に、第3の方法の課題は、一旦上り信号を復調してから再び変調を行なうためにデータの遅延量が大きくなることである。加えて、装置が複雑でサイズが大きくなることである。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑み、標準規格であるDOCSIS仕様に準拠した双方向CATVシステムにおいて、上り流合雑音を低減させるために導入が容易で且つ経済的に安価な流合雑音低減装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明の流合雑音低減装置は、ケーブルテレビ局に設置されたセンターモデムと複数の加入者宅のケーブルモデムとの間でデータ通信が行なわれる双方向CATV(Cable Television)システムで使用される流合雑音低減装置であって、センターモデム信号入出力端子と、下り信号出力端子と、上り信号入力端子とを有し、前記センターモデム信号入出力端子より入力される信号から下り信号を分離して前記下り信号出力端子に出力し、前記上り信号入力端子から入力される上り信号を前記センターモデム信号入出力端子の信号に重畳する第1のダイプレクサと、前記第1のダイプレクサの下り信号出力端子に接続された下り信号入力端子と、上り信号情報出力端子とを有し、前記下り信号入力端子より入力した下り信号を復調し、復調したデータを解析して得た上り信号情報を前記上り信号情報出力端子より出力する解析手段と、
前記第1のダイプレクサの下り信号出力端子に接続された下り信号入力端子と、ケーブルモデム信号入出力端子と、上り信号出力端子とを有し、前記下り信号入力端子から入力される下り信号を前記ケーブルモデム信号入出力端子の信号に重畳し、前記ケーブルモデム信号入出力端子より入力される信号から上り信号を分離して前記上り信号出力端子に出力する第2のダイプレクサと、前記解析手段の上り信号情報出力端子に接続された上り信号情報入力端子と、前記第2のダイプレクサの上り信号出力端子に接続された上り信号入力端子と、前記第1のダイプレクサの上り信号入力端子に接続された上り信号出力端子とを有し、前記上り信号情報入力端子より入力した上り信号情報に基づいて前記上り信号入力端子より入力した上り信号に周波数帯域制限をかけて前記上り信号出力端子より出力する帯域制限手段とを有することを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の流合雑音低減装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0007】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における流合雑音低減装置の構成を示すものである。図1において、1は解析手段、2は帯域制限手段、3は第1のダイプレクサ、4は第2のダイプレクサである。また、図2は双方向CATVシステムの構成の一例である。11はセンターモデム、12は第1のRFアンプ、13は第2のRFアンプ、14は第1のタップオフ、15は第2のタップオフ、16は第3のタップオフ、17は第1のケーブルモデム、18は第2のケーブルモデム、19は第3のケーブルモデムである。以上のように構成された流合雑音低減装置について、以下図1と図2を用いてその動作を説明する。
【0008】
まず、図2においてCATV局のセンターモデム11と各加入者宅の第1のケーブルモデム17、第2のケーブルモデム18、第3のケーブルモデム19とはそれぞれDOCSIS規格に準じてデータ通信が行なわれているものとする。詳細は、DOCSIS Radio Frequency Interface Specification(SP−RFI−I05−991105)において規定されている。本規格では、前記センターモデム11から前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19に対する下り通信には、91MHz〜857MHzの周波数帯が使用される。一方、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19の各々から前記センターモデム11に対する上り通信には、5MHz〜42MHzの周波数帯が使用される。伝送路では、下り信号と上り信号とが周波数多重されており、信号を増幅する第1のRFアンプ12、第2のRFアンプ13や、信号を分配する第1のタップオフ14、第2のタップオフ15、第3のタップオフ16が使用されている。下り信号の帯域幅は6MHz、変調方式は64QAM(Quadrature amplitude modulation)、若しくは256QAM、TDM(Time Division Multiple)型回線で、前記センターモデム11から全てのケーブルモデムに対して信号が一斉に伝送される。一方、上り信号の帯域幅は0.2MHz、0.4MHz、0.8MHz、1.6MHz、3.2MHzのいずれか一つ、変調方式はQPSK(Quarternary phase shift keying)、若しくは16QAM、TDMA(Time Division Multiple Access)型回線で、各ケーブルモデムから前記センターモデム11に対して信号が時分割に伝送される。上記の伝送パラメータはシステムの状況に応じて柔軟に設定可能であり、各ケーブルモデムは以下の手順に従って初期化が行われる。
(ステップ1)加入者がケーブルモデムの電源を投入する。
(ステップ2)下り周波数帯域をスキャンし、下り信号の検出と復調を行なう。
(ステップ3)下り信号のSYNC(Time Synchronization)情報からセンターモデムとのタイミング同期を図る。
(ステップ4)下り信号のUCD(Upstream Channel Descriptor)情報から上り信号の伝送パラメータを取得する。
(ステップ5)下り信号のMAP(Upstream Bandwidth Allocation Map)情報から上り信号の送出タイミング割当てを取得する。
(ステップ6)送出タイミング割当てのリクエスト領域を用いて、上り信号の帯域予約を行なう。
(ステップ7)センターモデムからの予約応答を受信する。
(ステップ8−1)予約応答がある場合、センターモデムからの指示に従って上り信号のレベル、周波数、タイミング等の調整を行なう。
(ステップ8−2)予約応答がない場合、他のケーブルモデムからの予約と重なったと判断し、ランダム時間の経過後に再び予約を送信する。
(ステップ9)DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバからIPアドレスを取得する。
(ステップ10)TOD(Time of day)サーバから日時を取得する。
(ステップ11)TFTP(Trivial File Transfer Protocol)サーバからケーブルモデムの設定ファイルを取得する。
(ステップ12)セキュリティが設定されている場合、セキュリティの確立を行なう。
(ステップ13)センターモデムへの登録が完了、通信が可能となる。
(ステップ14)(ステップ3)から(ステップ8)を繰り返しながらデータ通信を行なう。
【0009】
次に、上り周波数帯域の雑音を低減するための図1の流合雑音低減装置を図2の第1のRFアンプ12と第1のタップオフ14の間に挿入する。以下は、この流合雑音低減装置についての動作説明である。図1において、第1のダイプレクサ3は、図2の前記第1のRFアンプ12に接続され、下り周波数帯域(91MHz〜857MHz)と、上り周波数帯域(5MHz〜42MHz)を分離/合成する。前記第1のダイプレクサ3から分離された下り周波数帯域の信号は、解析手段1と図2の前記第1のタップオフ14に接続される第2のダイプレクサ4にそれぞれ入力される。前記第2のダイプレクサ4は、前記第1のダイプレクサと同様に下り周波数帯域と上り周波数帯域とを分離/合成する。前記解析手段1は、前述したケーブルモデムの初期化手順の(ステップ2)から(ステップ5)までの処理を行なう。UCD情報から上り信号の周波数f及び帯域幅Bwを、MAP情報から下流に接続されている前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19がそれぞれ上り信号を送信するタイミングT(i)、(iは整数)を取得し、帯域制限手段2に出力する。前記第2のダイプレクサ4から分離された上り周波数帯域の信号は、前記帯域制限手段2に入力される。前記帯域制限手段2は、前記解析手段1から入力されたパラメータに基づき、上り周波数帯域の信号をろ波する。ここで、前記帯域制限手段2の周波数特性は、タイミングT(i)の期間のみ周波数f、帯域幅Bwの信号を通過させ、それ以外の期間は上り周波数帯域(5MHz〜42MHz)の全体にわたって信号を遮断するものである。この結果、前記帯域制限手段2から出力される上り周波数帯域の信号は、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19の各々から送信された上り信号のみが抽出され、上り周波数帯域に含まれる雑音成分は除去されることになる。前記帯域制限手段2から出力された上り信号は、前記第1のダイプレクサ3に入力され、図2の前記第1のRFアンプ12へ送出される。図3は、前記帯域制限手段2の一例を示したものである。21は復号器、22は第1のフィルタである。復号器21は、図1の前記解析手段1からの情報をMビットのパラレルデータ(各ビットはロジックレベルH若しくはロジックレベルL)に変換し、第1のフィルタ22に出力する。前記第1のフィルタ22は、このパラレルデータの各ビット値B(1)〜B(M)によって図5のように周波数特性を変化させる。また、図4は、前記帯域制限手段2の他の一例を示したものである。図4において、23はD/A変換器、24は第2のフィルタである。D/A変換器23は図1の前記解析手段1からの情報をアナログ信号に変換し、第2のフィルタ24に出力する。前記第2のフィルタ24は、アナログ信号のレベル値VがV1、V2〜VMまでの各値に応じて図5のように周波数特性を変化させる。
【0010】
以上のように本実施の形態によれば、ケーブルテレビ局に設置されたセンターモデムと複数の加入者宅のケーブルモデムとの間に流合雑音低減装置を設け、上り信号に関する情報に基づいて前記ケーブルモデムから前記センターモデム宛てに送信される上り信号をろ波することにより、ケーブルモデムから出力される上り信号の周波数以外の成分は除去されるので、上り周波数帯域の流合雑音を低減することができる。
【0011】
(実施の形態2)
以下本発明の第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図6は本発明の第2の実施の形態を示す流合雑音低減装置のブロック図である。同図において、1は解析手段、2は帯域制限手段、3は第1のダイプレクサ、4は第2のダイプレクサで、以上は図1の構成と同様なものである。図1と異なるのは、帯域制限手段2の出力に開閉手段5と検出手段6とを設け、前記開閉手段5を前記検出手段6によって制御する点である。
【0013】
以上のように構成された流合雑音低減装置について、以下図6を用いてその動作を説明する。第1の実施の形態と同様に、流合雑音低減装置は図2の第1のRFアンプ12と第1のタップオフ14の間に挿入され、CATV局のセンターモデム11と各加入者宅の第1のケーブルモデム17、第2のケーブルモデム18、第3のケーブルモデム19とは、それぞれDOCSIS規格に準じてデータ通信が行なわれるものとする。図6において、第1のダイプレクサ3は、図2の前記第1のRFアンプ12に接続され、下り周波数帯域(91MHz〜857MHz)と、上り周波数帯域(5MHz〜42MHz)を分離/合成する。前記第1のダイプレクサ3から分離された下り周波数帯域の信号は、解析手段1と図2の前記第1のタップオフ14に接続される第2のダイプレクサ4にそれぞれ入力される。前記第2のダイプレクサ4は、前記第1のダイプレクサと同様に下り周波数帯域と上り周波数帯域とを分離/合成する。前記解析手段1は、前述したケーブルモデムの初期化手順の(ステップ2)から(ステップ5)の処理を行なう。UCD情報から上り信号の周波数f及び帯域幅Bwを、MAP情報から下流に接続されている前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19がそれぞれ上り信号を送信するタイミングT(i)、(iは整数)を取得し、帯域制限手段2に出力する。前記第2のダイプレクサ4から分離された上り周波数帯域の信号は、前記帯域制限手段2に入力される。前記帯域制限手段2は、前記解析手段1から入力されたパラメータに基づき、上り周波数帯域の信号をろ波する。ここで、前記帯域制限手段2の周波数特性は、タイミングT(i)の期間のみ周波数f、帯域幅Bwの信号を通過させ、それ以外の期間は上り周波数帯域(5MHz〜42MHz)の全体にわたって信号を遮断するものである。この結果、前記帯域制限手段2から出力される上り周波数帯域の信号は、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19の各々から送信された上り信号のみが通過し、それ以外の上り周波数帯域に含まれる雑音成分は除去されることになる。以上の動作は第1の実施の形態と同じである。本第2の実施の形態では、前記帯域制限手段2から出力される信号を開閉手段5と検出手段6にそれぞれ入力する。前記検出手段6は入力される信号レベルを検出し、予め設定した信号レベルPt以上になるとロジックレベルHを前記開閉手段5に入力する。前記検出手段6に入力される信号レベルがPtよりも低い場合には、ロジックレベルLを前記開閉手段5に入力する。前記開閉手段5は前記検出手段6の出力がロジックレベルHである場合にスイッチを閉じて前記帯域制限手段2から入力された信号を通過させる。一方、前記検出手段6の出力がロジックレベルLである場合は、スイッチを開いて前記帯域制限手段2から入力された信号を遮断する。前記開閉手段5を通過した上り信号は、前記第1のダイプレクサ3に入力され、図2の前記第1のRFアンプ12へ送出される。この結果、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19がそれぞれ上り信号を送信するタイミングT(i)の期間に、所定のレベルPt以上の上り信号を出力しないと、前記センターモデム11側へ上り信号が出力されないことになる。MAP情報から得られたタイミングT(i)の期間に、雑音などが前記センターモデム11側へ出力されるのを防ぐことができる。また、タイミングT(i)の期間のうち、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19から前記センターモデム11宛ての上り信号が競合する期間(必ずしも上り信号が出力されるとは限らないリクエスト領域)においても、実際にケーブルモデムからの上り信号が出力された場合でないとケーブルモデム側からセンターモデム側への上り信号の経路が接続されないので、この期間においても上り信号以外の雑音などが出力されるのを防ぐことができる。
【0014】
以上のように本実施の形態によれば、実際に上り信号が出力されない時は信号経路が遮断されるので、その間は上り周波数帯域の流合雑音を無くすることができる。
【0015】
(実施の形態3)
以下本発明の第3の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図7は本発明の第3の実施の形態を示す流合雑音低減装置のブロック図である。同図において、1は解析手段、2は帯域制限手段、3は第1のダイプレクサ、4は第2のダイプレクサで、以上は図1の構成と同様なものである。図1と異なるのは、帯域制限手段2の出力に減衰手段7を設けた点である。
【0017】
以上のように構成された流合雑音低減装置について、以下図7を用いてその動作を説明する。図7において、解析手段1と、帯域制限手段2と、第1のダイプレクサ3と、第2のダイプレクサ4の動作については、上述した第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。ここでは、減衰手段7の動作について説明する。図7において、前記帯域制限手段2が出力する上り信号は、減衰手段7に入力される。前記減衰手段7は、予め設定された減衰量Lだけ、入力された上り信号を減衰させる。前記減衰手段7が出力する信号は、前記第1のダイプレクサ3に入力され、図2の第1のRFアンプ12へ送出される。DOCSIS規格では、ケーブルモデムが出力する上り信号のレベルは、QPSK変調の場合には8dBmV〜58dBmV、16QAM変調の場合には8dBmV〜55dBmVである。各ケーブルモデムの上り信号の送出レベルは、センターモデムに最適なレベルで到達するようにこの範囲で調整される。上述したケーブルモデムの初期化手順の(ステップ8−1)である。図2において、第1のケーブルモデム17の出力レベルをP1、第2のケーブルモデム18の出力レベルをP2、第3のケーブルモデム19の出力レベルをP3とした場合、前記減衰手段7の減衰量Lを(1)式及び(2)式によって計算する。
【0018】
QPSK変調の場合
L=58−MAX(P1、P2、P3)−Px dB (1)
16QAM変調の場合
L=55−MAX(P1、P2、P3)−Px dB (2)
ここで、MAX(P1、P2、P3)はP1とP2とP3のうちの最大値、Pxはマージン量を意味する。また、P1、P2、P3それぞれの値については、前記センターモデム側から各ケーブルモデムに対してネットワーク管理のプロトコルSNMP(Simple Network Management Protocol)を使用して即座に調べることができる。この結果、各ケーブルモデムは前記減衰手段7の減衰量Lだけ強い上り信号を送信することになる。すなわち、上り信号の信号対雑音比S/Nはその分だけ上がることとなり、上り周波数帯域の流合雑音に強くすることができる
以上のように本実施の形態によれば、上り信号のレベルを減衰することによって、信号対雑音比も大きくすることができるので、上り周波数帯域の流合雑音に強くすることができる。
【0019】
(実施の形態4)
以下本発明の第4の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
図8は本発明の第4の実施の形態を示す流合雑音低減装置のブロック図である。同図において、1は解析手段、2は帯域制限手段、3は第1のダイプレクサ、4は第2のダイプレクサ、5は開閉手段で、以上は図6の構成と同様なものである。図6と異なるのは、第1のダイプレクサ3の上流にケーブルモデム31と、前記ケーブルモデム31の動作情報を収集する情報収集手段32と、前記情報収集手段32によって制御される検出手段33を設けた点である。
【0021】
以上のように構成された流合雑音低減装置について、以下図8を用いてその動作を説明する。図8において、解析手段1と、帯域制限手段2と、第1のダイプレクサ3と、第2のダイプレクサ4と、開閉手段5の動作については、上述した第2の実施の形態と同様であるため説明を省略する。ここでは、新たに設けたケーブルモデム31と、情報収集手段32と、検出手段33の動作について説明する。図8において、前記第1のダイプレクサ3のセンターモデム側に接続されたケーブルモデム31は、DOCSIS規格に準じて図2のセンターモデム11とデータ通信が行なわれる。情報収集手段32は、動作中の前記ケーブルモデム31の上り信号レベルPrを取得する。前記情報収集手段32は、この送出レベルPrを平均化処理及びマージン処理を行なった後、閾値レベルPtとして検出手段33に出力する。前記検出手段33は、帯域制限手段2が出力した上り信号レベルを検出し、前記情報収集手段32から入力された閾値レベルPtとの比較を行なう。前記帯域制限手段2から入力された上り信号レベルがPt以上になるとロジックレベルHを開閉手段5に入力する。また、入力される信号レベルがPtよりも低い場合には、ロジックレベルLを前記開閉手段5に入力する。前記ケーブルモデム31の上り信号レベルと、図2の第1のケーブルモデム17、第2のケーブルモデム18、第3のケーブルモデム19それぞれの上り信号レベルとは、前記第1のダイプレクサ3においてはほぼ同一レベルとなることから、前記検出手段33にて上り信号の有無を検出するのに信号レベルPrを基準として用いることができる。前記開閉手段5は前記検出手段33の出力がロジックレベルHである場合にスイッチを閉じて前記帯域制限手段2から入力された信号を通過させる。一方、前記検出手段33の出力がロジックレベルLである場合は、スイッチを開いて前記帯域制限手段2から入力された信号を遮断する。前記開閉手段5を通過した上り信号は、前記第1のダイプレクサ3に入力され、図2の前記第1のRFアンプ12へ送出される。この結果、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19がそれぞれ上り信号を送信するタイミングT(i)の期間に、所定のレベルPt以上の上り信号を出力しないと、前記センターモデム11側へ上り信号が出力されないことになる。MAP情報から得られたタイミングT(i)の期間に、雑音などが前記センターモデム11側へ出力されるのを防ぐことができる。また、タイミングT(i)のうち、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19から前記センターモデム11宛ての上り信号が競合する期間(必ずしも上り信号が出力されるとは限らないリクエスト領域)においても、実際にケーブルモデムからの上り信号が出力された場合でないとケーブルモデム側からセンターモデム側への上り信号の経路が接続されないので、この期間においても上り信号以外の雑音などが出力されるのを防ぐことができる。更には、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19から前記センターモデム11宛ての上り信号が送出されたかどうかを判定する信号レベルを、前記ケーブルモデム31と前記情報収集手段32を用いて自動的に決定することができる。
【0022】
以上のように本実施の形態によれば、上り信号経路を遮断するための信号レベルを最適化出来るので、遮断タイミングの精度を上げ、その間は上り周波数帯域の流合雑音を無くすることができる。
【0023】
(実施の形態5)
以下本発明の第5の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
図9は本発明の第5の実施の形態を示す流合雑音低減装置のブロック図である。同図において、1は解析手段、2は帯域制限手段、3は第1のダイプレクサ、4は第2のダイプレクサで、以上は図7の構成と同様なものである。図7と異なるのは、第2の解析手段34と、前記第2の解析手段34によって制御される減衰手段35を設けた点である。
【0025】
以上のように構成された流合雑音低減装置について、以下図9を用いてその動作を説明する。図9において、解析手段1と、帯域制限手段2と、第1のダイプレクサ3と、第2のダイプレクサ4の動作については、第3の実施の形態の動作と同様であるため説明を省略する。ここでは、第2の解析手段34と減衰手段35の動作について説明する。図9において、第2の解析手段34は、前述したケーブルモデムの初期化手順の(ステップ8−1)で行なわれる処理のうち、図2のセンターモデム11から第1のケーブルモデム17、第2のケーブルモデム18、第3のケーブルモデム19に対してそれぞれ送信されるRNG−RSP(Ranging Response)情報を解析し、上り信号のレベル調整に関する値ΔP1、ΔP2、ΔP3を取得する。前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19は、上り信号の初期送出レベルP1i、P2i、P3iから電力調整情報ΔP1、ΔP2、ΔP3だけ送出レベルを変化させる。電力調整情報ΔP1、ΔP2、ΔP3は、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19から前記センターモデム11に対して入力される上り信号レベルが適切となるように、任意の回数k1、k2、k3ずつ送信され、P1f、P2f、P3fに設定される。次式(3)、(4)、(5)にこの関係を示す。
【0026】
P1f=P1i+ΔP1(k1)dBmV 式(3)
P2f=P2i+ΔP2(k2)dBmV 式(4)
P3f=P3i+ΔP3(k3)dBmV 式(5)
次に、前記第2の解析手段34は、P1f、P2f、P3fの大小比較を行ない、最も大きい値を求める。また、(ステップ4)のUCD情報から上り信号の変調方式を取得し、次式(6)、(7)から減衰量Lを計算する。
【0027】
QPSK変調の場合
L=58−MAX(P1f、P2f、P3f)−Px dB (6)
16QAM変調の場合
L=55−MAX(P1f、P2f、P3f)−Px dB (7)
ここで、MAX(P1、P2、P3)はP1とP2とP3のうちの最大値、Pxはマージン量を意味する。式(6)、(7)で求められた減衰量Lは、減衰手段35に入力される。前記減衰手段35は、帯域制限手段2から入力された上り信号を減衰量Lだけ減衰させ、第1のダイプレクサ3を経由して前記センターモデム11側に出力される。この結果、各ケーブルモデムは前記減衰手段35の減衰量Lだけ強い上り信号を送信することになる。すなわち、上り信号の信号対雑音比S/Nはその分だけ上がることとなり、上り周波数帯域の流合雑音に強くすることができる。さらには、前記減衰手段35の減衰量Lを前記第2の解析手段34を用いて自動で設定することができる。
【0028】
以上のように本実施の形態によれば、減衰手段の減衰量を解析手段によって制御することにより、上り信号の信号対雑音比も大きくすることができるので、上り周波数帯域の流合雑音に強くすることができる。
【0029】
なお、全ての実施の形態において、ケーブルモデムの数は3つとしたが、1つ以上であればよい。
【0030】
また、全ての実施の形態では上り周波数帯域を5MHz〜42MHzとしたが、他の範囲であってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明は、ケーブルテレビ局に設置されたセンターモデムと複数の加入者宅のケーブルモデムとの間でデータ通信が行なわれる双方向CATVシステムにおいて、前記センターモデムから前記ケーブルモデム宛てに送信される下り信号を復調し、前記ケーブルモデムから前記センターモデム宛てに送信される上り信号に関する情報を解析する解析手段と、前記ケーブルモデムから前記センターモデム宛てに送信される上り信号をろ波する帯域制限手段と、前記センターモデム側に接続されて、前記帯域制限手段が出力する上り信号と前記解析手段に入力する下り信号とを分離/合成する第1のダイプレクサと、前記ケーブルモデム側に接続されて、前記第1のダイプレクサが出力する下り信号と前記帯域制限手段に入力する上り信号とを分離/合成する第2のダイプレクサとを設けることにより、前記帯域制限手段の周波数特性を前記解析手段によって制御することにより、ケーブルモデムから出力される上り信号以外の成分は除去されるので、上り周波数帯域の流合雑音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における流合雑音低減装置のブロック図
【図2】同実施の形態における双方向CATVシステムの構成図
【図3】本発明の第1の実施の形態における帯域制限手段のブロック図
【図4】本発明の第1の実施の形態における帯域制限手段のブロック図
【図5】本発明の第1の実施の形態における帯域制限手段の周波数特性図
【図6】本発明の第2の実施の形態における流合雑音低減装置のブロック図
【図7】本発明の第3の実施の形態における流合雑音低減装置のブロック図
【図8】本発明の第4の実施の形態における流合雑音低減装置のブロック図
【図9】本発明の第5の実施の形態における流合雑音低減装置のブロック図
【符号の説明】
1 解析手段
2 帯域制限手段
3 第1のダイプレクサ
4 第2のダイプレクサ
5 開閉手段
6 検出手段
7 減衰手段
11 センターモデム
12 第1のRFアンプ
13 第2のRFアンプ
14 第1のタップオフ
15 第2のタップオフ
16 第3のタップオフ
17 第1のケーブルモデム
18 第2のケーブルモデム
19 第3のケーブルモデム
21 復号器
22 第1のフィルタ
23 D/A変換器
24 第2のフィルタ
31 ケーブルモデム
32 情報収集手段
33 検出手段
34 第2の解析手段
35 減衰手段
【発明の属する技術分野】
本発明は双方向CATV(Cable Television)システムに関し、特に加入者側の端末から混入する上り流合雑音の低減に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、わが国ではe−Japan戦略のもと、高速/超高速ネットワークのインフラ整備が進められている。これに伴いCATVシステムは、従来のテレビ番組の配信サービス(片方向サービス)に加えて、ケーブルインターネットなどのサービス(双方向サービス)の提供が不可欠となってきている。一般に、この双方向CATVシステムでは、加入者宅(特に集合住宅など)で発生する雑音が、端末端子等を介して宅内の伝送線に重畳され、これが流合雑音としてCATVシステムの幹線へ流出してしまうことがある。流合雑音は、システムの加入者数が増えるにつれて増大し、この雑音量が大きくなると加入者側の端末装置とCATV局側のセンター装置との間で通信が出来ないことになる。この流合雑音を低減するための代表的な方法として、以下のようなものが知られている。第1の方法は、CATVシステムにおいて上り信号を使用しない端子や開放端子の全てに小型の低域阻止フィルタ(HPF)を装着し、上り帯域への雑音流入を阻止する方法である。第2の方法は、加入者の宅内配線及び引込線までの部分の上り伝送について雑音の少ない高域(例えば、700MHz帯)の周波数を使用し、引込線を介して外部へ送出するところで通常の上り周波数(例えば、5〜42MHz)に変換して伝送する方式である(特開平11−220716号公報)。また第3の方法は、引込線の部分で上り信号を一旦復調してノイズ成分を取り除き、再生したデータを再び変調して、引込線を介して外部へ送出する方式である(特開2002−44634号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような従来の方法では、それぞれ以下のような課題を有している。第1の方法の課題は、比較的簡単ではあるがシステムの端子に全てにHPFを取り付けなければならないこと、及び雑音流入箇所がタップオフから端子までの間にある場合は効果がないことである。また、第2の方法の課題は、双方向CATVシステムの標準規格であるDOCSISで規定された上り周波数帯域(5MHz〜42MHz)とは異なる周波数帯域を使用するために、上り信号を周波数変換するためのアップコンバータ等の機器が必要となり、各加入者がケーブルモデムとは別途に用意しなければならず、加入者にとって経済的負担が増大することである。更には、上り信号の周波数が高いために信号の減衰が大きくなり、ブースタが必要になることである。最後に、第3の方法の課題は、一旦上り信号を復調してから再び変調を行なうためにデータの遅延量が大きくなることである。加えて、装置が複雑でサイズが大きくなることである。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑み、標準規格であるDOCSIS仕様に準拠した双方向CATVシステムにおいて、上り流合雑音を低減させるために導入が容易で且つ経済的に安価な流合雑音低減装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために本発明の流合雑音低減装置は、ケーブルテレビ局に設置されたセンターモデムと複数の加入者宅のケーブルモデムとの間でデータ通信が行なわれる双方向CATV(Cable Television)システムで使用される流合雑音低減装置であって、センターモデム信号入出力端子と、下り信号出力端子と、上り信号入力端子とを有し、前記センターモデム信号入出力端子より入力される信号から下り信号を分離して前記下り信号出力端子に出力し、前記上り信号入力端子から入力される上り信号を前記センターモデム信号入出力端子の信号に重畳する第1のダイプレクサと、前記第1のダイプレクサの下り信号出力端子に接続された下り信号入力端子と、上り信号情報出力端子とを有し、前記下り信号入力端子より入力した下り信号を復調し、復調したデータを解析して得た上り信号情報を前記上り信号情報出力端子より出力する解析手段と、
前記第1のダイプレクサの下り信号出力端子に接続された下り信号入力端子と、ケーブルモデム信号入出力端子と、上り信号出力端子とを有し、前記下り信号入力端子から入力される下り信号を前記ケーブルモデム信号入出力端子の信号に重畳し、前記ケーブルモデム信号入出力端子より入力される信号から上り信号を分離して前記上り信号出力端子に出力する第2のダイプレクサと、前記解析手段の上り信号情報出力端子に接続された上り信号情報入力端子と、前記第2のダイプレクサの上り信号出力端子に接続された上り信号入力端子と、前記第1のダイプレクサの上り信号入力端子に接続された上り信号出力端子とを有し、前記上り信号情報入力端子より入力した上り信号情報に基づいて前記上り信号入力端子より入力した上り信号に周波数帯域制限をかけて前記上り信号出力端子より出力する帯域制限手段とを有することを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の流合雑音低減装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0007】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における流合雑音低減装置の構成を示すものである。図1において、1は解析手段、2は帯域制限手段、3は第1のダイプレクサ、4は第2のダイプレクサである。また、図2は双方向CATVシステムの構成の一例である。11はセンターモデム、12は第1のRFアンプ、13は第2のRFアンプ、14は第1のタップオフ、15は第2のタップオフ、16は第3のタップオフ、17は第1のケーブルモデム、18は第2のケーブルモデム、19は第3のケーブルモデムである。以上のように構成された流合雑音低減装置について、以下図1と図2を用いてその動作を説明する。
【0008】
まず、図2においてCATV局のセンターモデム11と各加入者宅の第1のケーブルモデム17、第2のケーブルモデム18、第3のケーブルモデム19とはそれぞれDOCSIS規格に準じてデータ通信が行なわれているものとする。詳細は、DOCSIS Radio Frequency Interface Specification(SP−RFI−I05−991105)において規定されている。本規格では、前記センターモデム11から前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19に対する下り通信には、91MHz〜857MHzの周波数帯が使用される。一方、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19の各々から前記センターモデム11に対する上り通信には、5MHz〜42MHzの周波数帯が使用される。伝送路では、下り信号と上り信号とが周波数多重されており、信号を増幅する第1のRFアンプ12、第2のRFアンプ13や、信号を分配する第1のタップオフ14、第2のタップオフ15、第3のタップオフ16が使用されている。下り信号の帯域幅は6MHz、変調方式は64QAM(Quadrature amplitude modulation)、若しくは256QAM、TDM(Time Division Multiple)型回線で、前記センターモデム11から全てのケーブルモデムに対して信号が一斉に伝送される。一方、上り信号の帯域幅は0.2MHz、0.4MHz、0.8MHz、1.6MHz、3.2MHzのいずれか一つ、変調方式はQPSK(Quarternary phase shift keying)、若しくは16QAM、TDMA(Time Division Multiple Access)型回線で、各ケーブルモデムから前記センターモデム11に対して信号が時分割に伝送される。上記の伝送パラメータはシステムの状況に応じて柔軟に設定可能であり、各ケーブルモデムは以下の手順に従って初期化が行われる。
(ステップ1)加入者がケーブルモデムの電源を投入する。
(ステップ2)下り周波数帯域をスキャンし、下り信号の検出と復調を行なう。
(ステップ3)下り信号のSYNC(Time Synchronization)情報からセンターモデムとのタイミング同期を図る。
(ステップ4)下り信号のUCD(Upstream Channel Descriptor)情報から上り信号の伝送パラメータを取得する。
(ステップ5)下り信号のMAP(Upstream Bandwidth Allocation Map)情報から上り信号の送出タイミング割当てを取得する。
(ステップ6)送出タイミング割当てのリクエスト領域を用いて、上り信号の帯域予約を行なう。
(ステップ7)センターモデムからの予約応答を受信する。
(ステップ8−1)予約応答がある場合、センターモデムからの指示に従って上り信号のレベル、周波数、タイミング等の調整を行なう。
(ステップ8−2)予約応答がない場合、他のケーブルモデムからの予約と重なったと判断し、ランダム時間の経過後に再び予約を送信する。
(ステップ9)DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)サーバからIPアドレスを取得する。
(ステップ10)TOD(Time of day)サーバから日時を取得する。
(ステップ11)TFTP(Trivial File Transfer Protocol)サーバからケーブルモデムの設定ファイルを取得する。
(ステップ12)セキュリティが設定されている場合、セキュリティの確立を行なう。
(ステップ13)センターモデムへの登録が完了、通信が可能となる。
(ステップ14)(ステップ3)から(ステップ8)を繰り返しながらデータ通信を行なう。
【0009】
次に、上り周波数帯域の雑音を低減するための図1の流合雑音低減装置を図2の第1のRFアンプ12と第1のタップオフ14の間に挿入する。以下は、この流合雑音低減装置についての動作説明である。図1において、第1のダイプレクサ3は、図2の前記第1のRFアンプ12に接続され、下り周波数帯域(91MHz〜857MHz)と、上り周波数帯域(5MHz〜42MHz)を分離/合成する。前記第1のダイプレクサ3から分離された下り周波数帯域の信号は、解析手段1と図2の前記第1のタップオフ14に接続される第2のダイプレクサ4にそれぞれ入力される。前記第2のダイプレクサ4は、前記第1のダイプレクサと同様に下り周波数帯域と上り周波数帯域とを分離/合成する。前記解析手段1は、前述したケーブルモデムの初期化手順の(ステップ2)から(ステップ5)までの処理を行なう。UCD情報から上り信号の周波数f及び帯域幅Bwを、MAP情報から下流に接続されている前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19がそれぞれ上り信号を送信するタイミングT(i)、(iは整数)を取得し、帯域制限手段2に出力する。前記第2のダイプレクサ4から分離された上り周波数帯域の信号は、前記帯域制限手段2に入力される。前記帯域制限手段2は、前記解析手段1から入力されたパラメータに基づき、上り周波数帯域の信号をろ波する。ここで、前記帯域制限手段2の周波数特性は、タイミングT(i)の期間のみ周波数f、帯域幅Bwの信号を通過させ、それ以外の期間は上り周波数帯域(5MHz〜42MHz)の全体にわたって信号を遮断するものである。この結果、前記帯域制限手段2から出力される上り周波数帯域の信号は、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19の各々から送信された上り信号のみが抽出され、上り周波数帯域に含まれる雑音成分は除去されることになる。前記帯域制限手段2から出力された上り信号は、前記第1のダイプレクサ3に入力され、図2の前記第1のRFアンプ12へ送出される。図3は、前記帯域制限手段2の一例を示したものである。21は復号器、22は第1のフィルタである。復号器21は、図1の前記解析手段1からの情報をMビットのパラレルデータ(各ビットはロジックレベルH若しくはロジックレベルL)に変換し、第1のフィルタ22に出力する。前記第1のフィルタ22は、このパラレルデータの各ビット値B(1)〜B(M)によって図5のように周波数特性を変化させる。また、図4は、前記帯域制限手段2の他の一例を示したものである。図4において、23はD/A変換器、24は第2のフィルタである。D/A変換器23は図1の前記解析手段1からの情報をアナログ信号に変換し、第2のフィルタ24に出力する。前記第2のフィルタ24は、アナログ信号のレベル値VがV1、V2〜VMまでの各値に応じて図5のように周波数特性を変化させる。
【0010】
以上のように本実施の形態によれば、ケーブルテレビ局に設置されたセンターモデムと複数の加入者宅のケーブルモデムとの間に流合雑音低減装置を設け、上り信号に関する情報に基づいて前記ケーブルモデムから前記センターモデム宛てに送信される上り信号をろ波することにより、ケーブルモデムから出力される上り信号の周波数以外の成分は除去されるので、上り周波数帯域の流合雑音を低減することができる。
【0011】
(実施の形態2)
以下本発明の第2の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0012】
図6は本発明の第2の実施の形態を示す流合雑音低減装置のブロック図である。同図において、1は解析手段、2は帯域制限手段、3は第1のダイプレクサ、4は第2のダイプレクサで、以上は図1の構成と同様なものである。図1と異なるのは、帯域制限手段2の出力に開閉手段5と検出手段6とを設け、前記開閉手段5を前記検出手段6によって制御する点である。
【0013】
以上のように構成された流合雑音低減装置について、以下図6を用いてその動作を説明する。第1の実施の形態と同様に、流合雑音低減装置は図2の第1のRFアンプ12と第1のタップオフ14の間に挿入され、CATV局のセンターモデム11と各加入者宅の第1のケーブルモデム17、第2のケーブルモデム18、第3のケーブルモデム19とは、それぞれDOCSIS規格に準じてデータ通信が行なわれるものとする。図6において、第1のダイプレクサ3は、図2の前記第1のRFアンプ12に接続され、下り周波数帯域(91MHz〜857MHz)と、上り周波数帯域(5MHz〜42MHz)を分離/合成する。前記第1のダイプレクサ3から分離された下り周波数帯域の信号は、解析手段1と図2の前記第1のタップオフ14に接続される第2のダイプレクサ4にそれぞれ入力される。前記第2のダイプレクサ4は、前記第1のダイプレクサと同様に下り周波数帯域と上り周波数帯域とを分離/合成する。前記解析手段1は、前述したケーブルモデムの初期化手順の(ステップ2)から(ステップ5)の処理を行なう。UCD情報から上り信号の周波数f及び帯域幅Bwを、MAP情報から下流に接続されている前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19がそれぞれ上り信号を送信するタイミングT(i)、(iは整数)を取得し、帯域制限手段2に出力する。前記第2のダイプレクサ4から分離された上り周波数帯域の信号は、前記帯域制限手段2に入力される。前記帯域制限手段2は、前記解析手段1から入力されたパラメータに基づき、上り周波数帯域の信号をろ波する。ここで、前記帯域制限手段2の周波数特性は、タイミングT(i)の期間のみ周波数f、帯域幅Bwの信号を通過させ、それ以外の期間は上り周波数帯域(5MHz〜42MHz)の全体にわたって信号を遮断するものである。この結果、前記帯域制限手段2から出力される上り周波数帯域の信号は、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19の各々から送信された上り信号のみが通過し、それ以外の上り周波数帯域に含まれる雑音成分は除去されることになる。以上の動作は第1の実施の形態と同じである。本第2の実施の形態では、前記帯域制限手段2から出力される信号を開閉手段5と検出手段6にそれぞれ入力する。前記検出手段6は入力される信号レベルを検出し、予め設定した信号レベルPt以上になるとロジックレベルHを前記開閉手段5に入力する。前記検出手段6に入力される信号レベルがPtよりも低い場合には、ロジックレベルLを前記開閉手段5に入力する。前記開閉手段5は前記検出手段6の出力がロジックレベルHである場合にスイッチを閉じて前記帯域制限手段2から入力された信号を通過させる。一方、前記検出手段6の出力がロジックレベルLである場合は、スイッチを開いて前記帯域制限手段2から入力された信号を遮断する。前記開閉手段5を通過した上り信号は、前記第1のダイプレクサ3に入力され、図2の前記第1のRFアンプ12へ送出される。この結果、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19がそれぞれ上り信号を送信するタイミングT(i)の期間に、所定のレベルPt以上の上り信号を出力しないと、前記センターモデム11側へ上り信号が出力されないことになる。MAP情報から得られたタイミングT(i)の期間に、雑音などが前記センターモデム11側へ出力されるのを防ぐことができる。また、タイミングT(i)の期間のうち、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19から前記センターモデム11宛ての上り信号が競合する期間(必ずしも上り信号が出力されるとは限らないリクエスト領域)においても、実際にケーブルモデムからの上り信号が出力された場合でないとケーブルモデム側からセンターモデム側への上り信号の経路が接続されないので、この期間においても上り信号以外の雑音などが出力されるのを防ぐことができる。
【0014】
以上のように本実施の形態によれば、実際に上り信号が出力されない時は信号経路が遮断されるので、その間は上り周波数帯域の流合雑音を無くすることができる。
【0015】
(実施の形態3)
以下本発明の第3の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0016】
図7は本発明の第3の実施の形態を示す流合雑音低減装置のブロック図である。同図において、1は解析手段、2は帯域制限手段、3は第1のダイプレクサ、4は第2のダイプレクサで、以上は図1の構成と同様なものである。図1と異なるのは、帯域制限手段2の出力に減衰手段7を設けた点である。
【0017】
以上のように構成された流合雑音低減装置について、以下図7を用いてその動作を説明する。図7において、解析手段1と、帯域制限手段2と、第1のダイプレクサ3と、第2のダイプレクサ4の動作については、上述した第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。ここでは、減衰手段7の動作について説明する。図7において、前記帯域制限手段2が出力する上り信号は、減衰手段7に入力される。前記減衰手段7は、予め設定された減衰量Lだけ、入力された上り信号を減衰させる。前記減衰手段7が出力する信号は、前記第1のダイプレクサ3に入力され、図2の第1のRFアンプ12へ送出される。DOCSIS規格では、ケーブルモデムが出力する上り信号のレベルは、QPSK変調の場合には8dBmV〜58dBmV、16QAM変調の場合には8dBmV〜55dBmVである。各ケーブルモデムの上り信号の送出レベルは、センターモデムに最適なレベルで到達するようにこの範囲で調整される。上述したケーブルモデムの初期化手順の(ステップ8−1)である。図2において、第1のケーブルモデム17の出力レベルをP1、第2のケーブルモデム18の出力レベルをP2、第3のケーブルモデム19の出力レベルをP3とした場合、前記減衰手段7の減衰量Lを(1)式及び(2)式によって計算する。
【0018】
QPSK変調の場合
L=58−MAX(P1、P2、P3)−Px dB (1)
16QAM変調の場合
L=55−MAX(P1、P2、P3)−Px dB (2)
ここで、MAX(P1、P2、P3)はP1とP2とP3のうちの最大値、Pxはマージン量を意味する。また、P1、P2、P3それぞれの値については、前記センターモデム側から各ケーブルモデムに対してネットワーク管理のプロトコルSNMP(Simple Network Management Protocol)を使用して即座に調べることができる。この結果、各ケーブルモデムは前記減衰手段7の減衰量Lだけ強い上り信号を送信することになる。すなわち、上り信号の信号対雑音比S/Nはその分だけ上がることとなり、上り周波数帯域の流合雑音に強くすることができる
以上のように本実施の形態によれば、上り信号のレベルを減衰することによって、信号対雑音比も大きくすることができるので、上り周波数帯域の流合雑音に強くすることができる。
【0019】
(実施の形態4)
以下本発明の第4の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0020】
図8は本発明の第4の実施の形態を示す流合雑音低減装置のブロック図である。同図において、1は解析手段、2は帯域制限手段、3は第1のダイプレクサ、4は第2のダイプレクサ、5は開閉手段で、以上は図6の構成と同様なものである。図6と異なるのは、第1のダイプレクサ3の上流にケーブルモデム31と、前記ケーブルモデム31の動作情報を収集する情報収集手段32と、前記情報収集手段32によって制御される検出手段33を設けた点である。
【0021】
以上のように構成された流合雑音低減装置について、以下図8を用いてその動作を説明する。図8において、解析手段1と、帯域制限手段2と、第1のダイプレクサ3と、第2のダイプレクサ4と、開閉手段5の動作については、上述した第2の実施の形態と同様であるため説明を省略する。ここでは、新たに設けたケーブルモデム31と、情報収集手段32と、検出手段33の動作について説明する。図8において、前記第1のダイプレクサ3のセンターモデム側に接続されたケーブルモデム31は、DOCSIS規格に準じて図2のセンターモデム11とデータ通信が行なわれる。情報収集手段32は、動作中の前記ケーブルモデム31の上り信号レベルPrを取得する。前記情報収集手段32は、この送出レベルPrを平均化処理及びマージン処理を行なった後、閾値レベルPtとして検出手段33に出力する。前記検出手段33は、帯域制限手段2が出力した上り信号レベルを検出し、前記情報収集手段32から入力された閾値レベルPtとの比較を行なう。前記帯域制限手段2から入力された上り信号レベルがPt以上になるとロジックレベルHを開閉手段5に入力する。また、入力される信号レベルがPtよりも低い場合には、ロジックレベルLを前記開閉手段5に入力する。前記ケーブルモデム31の上り信号レベルと、図2の第1のケーブルモデム17、第2のケーブルモデム18、第3のケーブルモデム19それぞれの上り信号レベルとは、前記第1のダイプレクサ3においてはほぼ同一レベルとなることから、前記検出手段33にて上り信号の有無を検出するのに信号レベルPrを基準として用いることができる。前記開閉手段5は前記検出手段33の出力がロジックレベルHである場合にスイッチを閉じて前記帯域制限手段2から入力された信号を通過させる。一方、前記検出手段33の出力がロジックレベルLである場合は、スイッチを開いて前記帯域制限手段2から入力された信号を遮断する。前記開閉手段5を通過した上り信号は、前記第1のダイプレクサ3に入力され、図2の前記第1のRFアンプ12へ送出される。この結果、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19がそれぞれ上り信号を送信するタイミングT(i)の期間に、所定のレベルPt以上の上り信号を出力しないと、前記センターモデム11側へ上り信号が出力されないことになる。MAP情報から得られたタイミングT(i)の期間に、雑音などが前記センターモデム11側へ出力されるのを防ぐことができる。また、タイミングT(i)のうち、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19から前記センターモデム11宛ての上り信号が競合する期間(必ずしも上り信号が出力されるとは限らないリクエスト領域)においても、実際にケーブルモデムからの上り信号が出力された場合でないとケーブルモデム側からセンターモデム側への上り信号の経路が接続されないので、この期間においても上り信号以外の雑音などが出力されるのを防ぐことができる。更には、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19から前記センターモデム11宛ての上り信号が送出されたかどうかを判定する信号レベルを、前記ケーブルモデム31と前記情報収集手段32を用いて自動的に決定することができる。
【0022】
以上のように本実施の形態によれば、上り信号経路を遮断するための信号レベルを最適化出来るので、遮断タイミングの精度を上げ、その間は上り周波数帯域の流合雑音を無くすることができる。
【0023】
(実施の形態5)
以下本発明の第5の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
図9は本発明の第5の実施の形態を示す流合雑音低減装置のブロック図である。同図において、1は解析手段、2は帯域制限手段、3は第1のダイプレクサ、4は第2のダイプレクサで、以上は図7の構成と同様なものである。図7と異なるのは、第2の解析手段34と、前記第2の解析手段34によって制御される減衰手段35を設けた点である。
【0025】
以上のように構成された流合雑音低減装置について、以下図9を用いてその動作を説明する。図9において、解析手段1と、帯域制限手段2と、第1のダイプレクサ3と、第2のダイプレクサ4の動作については、第3の実施の形態の動作と同様であるため説明を省略する。ここでは、第2の解析手段34と減衰手段35の動作について説明する。図9において、第2の解析手段34は、前述したケーブルモデムの初期化手順の(ステップ8−1)で行なわれる処理のうち、図2のセンターモデム11から第1のケーブルモデム17、第2のケーブルモデム18、第3のケーブルモデム19に対してそれぞれ送信されるRNG−RSP(Ranging Response)情報を解析し、上り信号のレベル調整に関する値ΔP1、ΔP2、ΔP3を取得する。前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19は、上り信号の初期送出レベルP1i、P2i、P3iから電力調整情報ΔP1、ΔP2、ΔP3だけ送出レベルを変化させる。電力調整情報ΔP1、ΔP2、ΔP3は、前記第1のケーブルモデム17、前記第2のケーブルモデム18、前記第3のケーブルモデム19から前記センターモデム11に対して入力される上り信号レベルが適切となるように、任意の回数k1、k2、k3ずつ送信され、P1f、P2f、P3fに設定される。次式(3)、(4)、(5)にこの関係を示す。
【0026】
P1f=P1i+ΔP1(k1)dBmV 式(3)
P2f=P2i+ΔP2(k2)dBmV 式(4)
P3f=P3i+ΔP3(k3)dBmV 式(5)
次に、前記第2の解析手段34は、P1f、P2f、P3fの大小比較を行ない、最も大きい値を求める。また、(ステップ4)のUCD情報から上り信号の変調方式を取得し、次式(6)、(7)から減衰量Lを計算する。
【0027】
QPSK変調の場合
L=58−MAX(P1f、P2f、P3f)−Px dB (6)
16QAM変調の場合
L=55−MAX(P1f、P2f、P3f)−Px dB (7)
ここで、MAX(P1、P2、P3)はP1とP2とP3のうちの最大値、Pxはマージン量を意味する。式(6)、(7)で求められた減衰量Lは、減衰手段35に入力される。前記減衰手段35は、帯域制限手段2から入力された上り信号を減衰量Lだけ減衰させ、第1のダイプレクサ3を経由して前記センターモデム11側に出力される。この結果、各ケーブルモデムは前記減衰手段35の減衰量Lだけ強い上り信号を送信することになる。すなわち、上り信号の信号対雑音比S/Nはその分だけ上がることとなり、上り周波数帯域の流合雑音に強くすることができる。さらには、前記減衰手段35の減衰量Lを前記第2の解析手段34を用いて自動で設定することができる。
【0028】
以上のように本実施の形態によれば、減衰手段の減衰量を解析手段によって制御することにより、上り信号の信号対雑音比も大きくすることができるので、上り周波数帯域の流合雑音に強くすることができる。
【0029】
なお、全ての実施の形態において、ケーブルモデムの数は3つとしたが、1つ以上であればよい。
【0030】
また、全ての実施の形態では上り周波数帯域を5MHz〜42MHzとしたが、他の範囲であってもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上のように本発明は、ケーブルテレビ局に設置されたセンターモデムと複数の加入者宅のケーブルモデムとの間でデータ通信が行なわれる双方向CATVシステムにおいて、前記センターモデムから前記ケーブルモデム宛てに送信される下り信号を復調し、前記ケーブルモデムから前記センターモデム宛てに送信される上り信号に関する情報を解析する解析手段と、前記ケーブルモデムから前記センターモデム宛てに送信される上り信号をろ波する帯域制限手段と、前記センターモデム側に接続されて、前記帯域制限手段が出力する上り信号と前記解析手段に入力する下り信号とを分離/合成する第1のダイプレクサと、前記ケーブルモデム側に接続されて、前記第1のダイプレクサが出力する下り信号と前記帯域制限手段に入力する上り信号とを分離/合成する第2のダイプレクサとを設けることにより、前記帯域制限手段の周波数特性を前記解析手段によって制御することにより、ケーブルモデムから出力される上り信号以外の成分は除去されるので、上り周波数帯域の流合雑音を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における流合雑音低減装置のブロック図
【図2】同実施の形態における双方向CATVシステムの構成図
【図3】本発明の第1の実施の形態における帯域制限手段のブロック図
【図4】本発明の第1の実施の形態における帯域制限手段のブロック図
【図5】本発明の第1の実施の形態における帯域制限手段の周波数特性図
【図6】本発明の第2の実施の形態における流合雑音低減装置のブロック図
【図7】本発明の第3の実施の形態における流合雑音低減装置のブロック図
【図8】本発明の第4の実施の形態における流合雑音低減装置のブロック図
【図9】本発明の第5の実施の形態における流合雑音低減装置のブロック図
【符号の説明】
1 解析手段
2 帯域制限手段
3 第1のダイプレクサ
4 第2のダイプレクサ
5 開閉手段
6 検出手段
7 減衰手段
11 センターモデム
12 第1のRFアンプ
13 第2のRFアンプ
14 第1のタップオフ
15 第2のタップオフ
16 第3のタップオフ
17 第1のケーブルモデム
18 第2のケーブルモデム
19 第3のケーブルモデム
21 復号器
22 第1のフィルタ
23 D/A変換器
24 第2のフィルタ
31 ケーブルモデム
32 情報収集手段
33 検出手段
34 第2の解析手段
35 減衰手段
Claims (7)
- ケーブルテレビ局に設置されたセンターモデムと複数の加入者宅のケーブルモデムとの間でデータ通信が行なわれる双方向CATV(Cable Television)システムで使用される流合雑音低減装置であって、
センターモデム信号入出力端子と、下り信号出力端子と、上り信号入力端子とを有し、前記センターモデム信号入出力端子より入力される信号から下り信号を分離して前記下り信号出力端子に出力し、前記上り信号入力端子から入力される上り信号を前記センターモデム信号入出力端子の信号に重畳する第1のダイプレクサと、
前記第1のダイプレクサの下り信号出力端子に接続された下り信号入力端子と、上り信号情報出力端子とを有し、前記下り信号入力端子より入力した下り信号を復調し、復調したデータを解析して得た上り信号情報を前記上り信号情報出力端子より出力する解析手段と、
前記第1のダイプレクサの下り信号出力端子に接続された下り信号入力端子と、ケーブルモデム信号入出力端子と、上り信号出力端子とを有し、前記下り信号入力端子から入力される下り信号を前記ケーブルモデム信号入出力端子の信号に重畳し、前記ケーブルモデム信号入出力端子より入力される信号から上り信号を分離して前記上り信号出力端子に出力する第2のダイプレクサと、
前記解析手段の上り信号情報出力端子に接続された上り信号情報入力端子と、前記第2のダイプレクサの上り信号出力端子に接続された上り信号入力端子と、前記第1のダイプレクサの上り信号入力端子に接続された上り信号出力端子とを有し、前記上り信号情報入力端子より入力した上り信号情報に基づいて前記上り信号入力端子より入力した上り信号に周波数帯域制限をかけて前記上り信号出力端子より出力する帯域制限手段とを有することを特徴とする流合雑音低減装置。 - 前記帯域制限手段は、前記上り信号情報に基づいて上り信号が使用する周波数帯域以外を遮断することを特徴とする請求項1記載の流合雑音低減装置。
- 前記帯域制限手段は、前記上り信号情報に基づいて上り信号が出力されない期間は全ての周波数帯域を遮断することを特徴とする請求項1記載の流合雑音低減装置。
- 前記帯域制限手段の上り信号出力端子と前記第1のダイプレクサの上り信号入力端子の間に接続された開閉手段を有し、前記開閉手段は前記帯域制限手段の上り信号出力端子より出力される上り信号が所定レベル以上で接続され所定レベル以下で切断される制御を行うことを特徴とする請求項1記載の流合雑音低減装置。
- 前記帯域制限手段の上り信号出力端子と前記第1のダイプレクサの上り信号入力端子の間に接続された上り信号を減衰させる減衰手段を有することを特徴とする請求項1記載の流合雑音低減装置。
- 前記センターモデム信号入出力端子に接続されたケーブルモデムと、前記ケーブルモデムの上り信号レベルを取得解析して上り信号レベル情報を出力する上り信号レベル情報収集手段とを有し、前記情報収集手段が抽出した上り信号レベル情報に基づいて前記開閉手段の制御の所定レベルを決定することを特徴とする請求項4記載の流合雑音低減装置。
- 前記減衰手段の減衰量を前記解析手段の上り信号情報に含まれる上り信号レベル調整情報に基づいて決定することを特徴とする請求項5記載の流合雑音低減装置。
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---|---|---|---|
JP2002349696A JP2004186864A (ja) | 2002-12-02 | 2002-12-02 | 流合雑音低減装置 |
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JP2002349696A JP2004186864A (ja) | 2002-12-02 | 2002-12-02 | 流合雑音低減装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009049683A (ja) * | 2007-08-20 | 2009-03-05 | Dx Antenna Co Ltd | ゲート装置及び上り流合雑音除去装置 |
JP2010093493A (ja) * | 2008-10-07 | 2010-04-22 | Miharu Communications Co Ltd | 双方向catvシステムにおける上り信号の帯域制御方法と、その帯域制御方法を用いた流合雑音チェック方法と、上り信号帯域制御装置と、その上り信号帯域制御装置を備えた双方向catvシステム。 |
-
2002
- 2002-12-02 JP JP2002349696A patent/JP2004186864A/ja active Pending
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