JP2004185769A - 光ピックアップ装置及び光ディスク装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも2つの光ビームのうちの少なくとも1つの特定ビームの反射光について検出系(HGb、PDb)で検出されるトラックエラー検出用のプッシュプル信号の振幅がほぼ0となるように、特定ビームの全域に連続した光学的な収差を付与する収差付与手段52bを光学系の一部に設けているために、メディアチルトあるいはレンズシフトに起因するオフセット成分を従来よりも容易に抽出することができる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光ピックアップ装置及び光ディスク装置に係り、さらに詳しくは、情報記録媒体の記録面に光を照射し、その記録面からの反射光を受光する光ピックアップ装置及び該光ピックアップ装置を備えた光ディスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、光ピックアップ装置は、対物レンズを含み、光源から出射される光束を情報記録媒体の記録面に導くとともに、記録面で反射された戻り光束を所定の受光位置まで導く光学系、及び受光位置に配置された受光素子などを備えている。この受光素子からは、記録面に記録されているデータの再生情報だけでなく、光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置制御などに必要な情報(サーボ制御情報)を含む信号が出力される。
【0003】
記録面の所定位置にデータを正しく記録したり、記録面の所定位置に記録されているデータを正しく再生するためには、光スポットが記録面の所定位置に正確に形成されなければならない。そのためには、光スポットの形成位置を正確に検出する必要がある。そこで、記録面で反射された戻り光束を利用して記録面における光スポットの形成位置を検出する方法が種々提案され、一部実用に供されている。
【0004】
記録面における光スポットの形成位置を検出する方法としては、記録面に形成された1つの光スポットからの戻り光束を利用する方法(1ビーム方式)と、記録面に形成された3つの光スポットからの戻り光束を利用する方法(3ビーム方式)とに大別できる。3ビーム方式を用いる場合には、記録面に3つの光スポットを形成するために、光源から出射される光束は3つに分割(3ビーム化)されることとなる。
【0005】
1ビーム方式では、いわゆるプッシュプル法が一般的に用いられている。3ビーム方式では、いわゆる3スポット法及び差動プッシュプル(DPP)法が一般的に用いられている。
【0006】
プッシュプル法では、戻り光束をトラックの接線方向に対応した方向の分割線によって2分割し、それぞれの光量の差に関する情報を含む信号(プッシュプル信号)から光スポットの位置ずれ(いわゆるトラックエラー信号)を検出している。しかしながら、対物レンズの光軸方向と記録面に垂直な方向とにずれ(以下「メディアチルト」ともいう)がある場合や、対物レンズがその基準位置からトラッキング方向にシフト(以下「レンズシフト」ともいう)している場合には、検出信号にオフセット成分が付加されるおそれがあった。
【0007】
3スポット法では、光源から出射される光束を1つの主ビームと2つの副ビームとに分割して、記録面において主ビームと副ビームとがトラッキング方向(トラックの接線方向に直交する方向)に関し1/4トラックピッチだけずれるように照射している。そして、記録面で反射した2つの副ビームの戻り光を2つの受光素子でそれぞれ受光し、その2つの受光素子の受光量の差からトラックエラー信号を検出している。この場合には、例えば追記型の光ディスクでは、ピット(記録ピット)の有無に起因するオフセット成分が検出信号に付加されるおそれがあった。
【0008】
差動プッシュプル法では、光源から出射される光束を1つの主ビームと2つの副ビームとに分割して、記録面において主ビームと副ビームとがトラッキング方向に関し1/2トラックピッチだけずれるように照射している。記録面で反射した主ビーム及び2つの副ビームの戻り光を3つの2分割受光素子でそれぞれ受光し、その2分割受光素子それぞれでプッシュプル信号を求める。そして、主ビームのプッシュプル信号と、2つの副ビームのプッシュプル信号の和信号との差信号からトラックエラー信号を検出している。この場合には、オフセット成分が付加されることはないが、主ビームと副ビームとの互いの位置関係を調整する作業が煩雑となり、さらに、トラックピッチが異なる光ディスクには対応が困難であった。
【0009】
そこで、光スポットの形成位置を更に精度良く検出するための方法及び装置などが種々提案された(例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3参照)
【0010】
【特許文献1】
特開平9−81942号公報
【特許文献2】
特開平10−162383号公報
【特許文献3】
特開2001−250250号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に開示されているトラッキング誤差検出装置では、記録面に形成される2つの光スポットの間隔がトラック間隔の略整数倍となるように光源や光学系などを調整する必要があるため、光ピックアップ装置に組み込まれる場合に、調整作業が煩雑となり、結果的に製造コストが高くなるという不都合があった。
【0012】
また、上記特許文献2に開示されている光ディスク装置では、主ビームにおける中央部の光量が低下するとともに、中央部の位相と外周部の位相とが異なっているために、記録面に形成される光スポットの形状が変化し、記録品質及び再生信号の劣化を招くおそれがあった。
【0013】
さらに、上記特許文献3に開示されている光ピックアップ装置では、光源と回折格子との位置関係の許容誤差が小さいために、調整作業が煩雑となり、結果的に製造コストが高くなるという不都合があった。
【0014】
本発明は、かかる事情の下になされたもので、その第1の目的は、高コスト化を招くことなく、対物レンズの位置制御に必要な情報を含む信号を精度良く安定して出力することができる光ピックアップ装置を提供することにある。
【0015】
また、本発明の第2の目的は、情報記録媒体への高速度でのアクセスを精度良く安定して行うことができる光ディスク装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、光ビームを出射する少なくとも1つの光源と、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された情報記録媒体の記録面に少なくとも2つの光ビームを照射する対物レンズを含む光学系と、前記記録面からのそれぞれの反射光を検出する分岐光学素子及び光検出器を含む検出系と、を備える光ピックアップ装置において、前記少なくとも2つの光ビームのうちの少なくとも1つの特定ビームの反射光について前記検出系で検出されるトラックエラー検出用のプッシュプル信号の振幅がほぼ0となるように、前記特定ビームの全域に連続した光学的な収差を付与する収差付与手段を前記光学系の一部に設けることを特徴とする光ピックアップ装置である。
【0017】
これによれば、少なくとも2つの光ビームのうちの少なくとも1つの特定ビームの反射光について検出系で検出されるトラックエラー検出用のプッシュプル信号の振幅がほぼ0となるように、特定ビームの全域に連続した光学的な収差を付与する収差付与手段を光学系の一部に設けているために、記録面に形成される特定ビームの光スポットの位置はどこでも良いこととなり、前述した従来例(特許文献1及び特許文献3)に比べて調整作業を極めて簡略化することができる。また、前述した従来例(特許文献2)と異なり、信号検出用の光スポットの形状を変化させないことが可能である。そして、例えばメディアチルトあるいはレンズシフトに起因するオフセット成分を精度良く検出することができる。従って、その結果として、高コスト化を招くことなく、対物レンズの位置制御に必要な情報を含む信号を精度良く安定して出力することが可能となる。なお、例えば前述した1ビーム方式の場合には、光源から出射された光束を分割し、そのうちの少なくとも1つを特定ビームとしても良いが、特定ビーム用の光源が別に設けられても良い。また、例えば前述した3ビーム方式の場合には、副ビームの少なくとも一方を特定ビームとしても良い。
【0018】
この場合において、請求項2に記載の光ピックアップ装置の如く、前記情報記録媒体の傾きを検出する傾き検出手段と;前記傾き検出手段の検出結果と前記プッシュプル信号とに基づいて、前記対物レンズのトラッキング方向に関する位置情報を含む信号を生成する位置信号生成手段と;を更に備えることとすることができる。
【0019】
上記請求項1に記載の光ピックアップ装置において、請求項3に記載の光ピックアップ装置の如く、前記対物レンズのトラッキング方向に関する位置を検出する位置検出手段と;前記位置検出手段の検出結果と前記プッシュプル信号とに基づいて、前記情報記録媒体の傾きに関する情報を含む信号を生成する傾き信号生成手段と;を更に備えることとすることができる。
【0020】
上記請求項1〜3に記載の各光ピックアップ装置において、請求項4に記載の光ピックアップ装置の如く、前記特定ビームの反射光の検出信号を用いて、前記光学的な収差を付与されなかった光ビームの反射光の検出信号に含まれるオフセット成分を補正する信号補正手段を更に備えることとすることができる。
【0021】
この場合において、請求項5に記載の光ピックアップ装置の如く、前記光検出器は、前記トラックの接線方向に対応する方向の分割線により2分割された第1、第2の分割受光素子を備え、前記特定ビームの反射光は前記第1の分割受光素子で受光され、前記光学的な収差を付与されなかった光ビームの反射光は前記第2の分割受光素子で受光され、前記信号補正手段は、前記第2の分割受光素子からの各信号のプッシュプル信号と前記第1の分割受光素子からの各信号のプッシュプル信号との差信号を生成することとすることができる。かかる場合には、例えばメディアチルトあるいはレンズシフトがあっても、トラックずれに関する情報を検出するための信号に含まれるオフセット成分を低く抑えることができる。
【0022】
上記請求項1〜5に記載の各光ピックアップ装置において、請求項6に記載の光ピックアップ装置の如く、前記分岐光学素子は、前記特定ビームの反射光の波面収差を補正する作用を奏することとすることができる。かかる場合には、光検出器で受光される特定ビームの反射光のビーム径を小さくすることが可能となる。
【0023】
上記請求項1〜6に記載の各光ピックアップ装置において、請求項7に記載の光ピックアップ装置の如く、前記分岐光学素子は、ホログラム素子であることとすることができる。
【0024】
上記請求項1〜7に記載の各光ピックアップ装置において、前記光学的な収差としては種々の収差が考えられるが、請求項8に記載の光ピックアップ装置の如く、前記光学的な収差は、球面収差又は非点収差であることとしても良い。
【0025】
この場合において、請求項9に記載の光ピックアップ装置の如く、前記光学的な収差は非点収差であり、前記少なくとも2つの光ビームのうち前記特定ビームを除く少なくとも1つの光ビームのスポットが前記記録面に合焦状態で形成されるときに、前記特定ビームのスポットは前記記録面において楕円形状を呈し、その長軸方向が前記トラックの接線に直交する方向とほぼ一致することとすることができる。
【0026】
この場合において、請求項10に記載の光ピックアップ装置の如く、前記収差付与手段は、シリンダレンズ及び非平行平板の少なくともいずれかを含むこととすることができる。
【0027】
上記請求項8に記載の光ピックアップ装置において、請求項11に記載の光ピックアップ装置の如く、前記光学的な収差は球面収差であり、前記収差付与手段は、前記記録面に形成される前記特定ビームの光スポットがデフォーカス状態となるように配置されたコリメートレンズを含むこととすることができる。
【0028】
上記請求項8に記載の光ピックアップ装置において、請求項12に記載の光ピックアップ装置の如く、前記光学的な収差は球面収差であり、前記収差付与手段は、凸レンズ、凹レンズ及び少なくとも一部に非平面を有するガラス板の少なくとも1つを含むこととすることができる。
【0029】
上記請求項1〜8に記載の各光ピックアップ装置において、請求項13に記載の光ピックアップ装置の如く、前記収差付与手段は、前記光源から出射された光ビームを0次光と回折光とに分離するとともに、前記回折光のみに前記光学的な収差を付与する回折素子を含むこととすることができる。
【0030】
この場合において、請求項14に記載の光ピックアップ装置の如く、前記回折素子と前記分岐光学素子と前記光検出器と前記光源とは一体化されていることとすることができる。かかる場合には、光ピックアップ装置の小型化を更に促進することができる。
【0031】
請求項15に記載の発明は、情報記録媒体に対して、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、請求項1〜14のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置と;前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
【0032】
これによれば、請求項1〜14のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置からの出力信号に基づいて、サーボ信号を精度良く安定して検出することができるため、結果として情報記録媒体への情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を含むアクセスを高速度で精度良く安定して行うことが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1には、本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置20の概略構成が示されている。
【0034】
この図1に示される光ディスク装置20は、情報記録媒体としての光ディスク15を回転駆動するためのスピンドルモータ22、光ピックアップ装置23、レーザコントロール回路24、エンコーダ25、モータドライバ27、再生信号処理回路28、サーボコントローラ33、バッファRAM34、バッファマネージャ37、インターフェース38、ROM39、CPU40及びRAM41などを備えている。なお、図1における矢印は、代表的な信号や情報の流れを示すものであり、各ブロックの接続関係の全てを表すものではない。また、本実施形態では、一例としてDVD(digital versatile disc)系の規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15として用いられるものとする。
【0035】
前記光ピックアップ装置23は、光ディスク15のスパイラル状又は同心円状のトラックが形成された記録面の所定位置にレーザ光を照射するとともに、記録面からの反射光を受光するための装置である。トラックは、一例として図2に示されるように、トラックの接線方向に直交する方向に2分割され、データトラックとしてのグルーブGと案内トラックとしてのランドLとから構成されている。そして、隣り合うグルーブ又はランドのトラッキング方向に関する中心間距離はトラックピッチと呼ばれている。なお、光ピックアップ装置23の構成等については後に詳述する。
【0036】
図1に戻り、前記再生信号処理回路28は、光ピックアップ装置23からの出力信号に基づいてウォブル信号、RF信号及びサーボ信号(フォーカスエラー信号、トラックエラー信号)などを検出する。そして、再生信号処理回路28はウォブル信号からアドレス情報及び同期信号などを抽出する。ここで抽出されたアドレス情報はCPU40に出力され、同期信号はエンコーダ25に出力される。さらに、再生信号処理回路28は、RF信号に対して復調処理及び誤り訂正処理などを行なった後、再生データとしてバッファマネージャ37を介してバッファRAM34に格納する。また、サーボ信号は再生信号処理回路28からサーボコントローラ33に出力される。
【0037】
前記サーボコントローラ33は、再生信号処理回路28からのサーボ信号及び後述するチルト情報信号に基づいて光ピックアップ装置23を制御する各種制御信号を生成し、モータドライバ27に出力する。
【0038】
前記モータドライバ27は、サーボコントローラ33からの各種制御信号に基づいて光ピックアップ装置23に駆動信号を出力する。また、モータドライバ27は、CPU40の指示に基づいてスピンドルモータ22に駆動信号を出力する。
【0039】
前記バッファマネージャ37は、バッファRAM34へのデータの入出力を管理し、蓄積されたデータ量が所定の量になるとCPU40に通知する。
【0040】
前記エンコーダ25は、CPU40の指示に基づいて、バッファRAM34に蓄積されているデータをバッファマネージャ37を介して取り出し、データの変調処理、エラー訂正コードの付加処理などを行ない、光ディスク15への書き込み信号を生成するとともに、再生信号処理回路28からの同期信号に同期して、書き込み信号をレーザコントロール回路24に出力する。
【0041】
前記レーザコントロール回路24は、エンコーダ25からの書き込み信号及びCPU40の指示に基づいて、光ピックアップ装置23から出射されるレーザ光の発光パワーを制御する。
【0042】
前記インターフェース38は、ホスト(例えばパソコン)との双方向の通信インターフェースであり、ATAPI(AT Attachment Packet Interface)、SCSI(Small Computer System Interface)及びUSB(Universal Serial Bus)などの標準インターフェースに準拠している。
【0043】
前記ROM39には、CPU40にて解読可能なコードで記述されたプログラムが格納されている。そして、CPU40は、ROM39に格納されているプログラムに従って上記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータ等を一時的にRAM41に保存する。
【0044】
次に、前記光ピックアップ装置23の構成等について図3に基づいて説明する。この図3に示される光ピックアップ装置23は、第1の受発光ユニット51a、第2の受発光ユニット51b、第1のコリメートレンズ52a、第2のコリメートレンズ52b、反射ミラー53、ビームスプリッタ54、対物レンズ60、チルトセンサTS、駆動系(フォーカシングアクチュエータ、トラッキングアクチュエータ、チルトアクチュエータ及びシークモータ(いずれも図示省略))、処理回路91及びアンプ(AMP)92などを備えている。
【0045】
上記第1の受発光ユニット51aは、光源としての半導体レーザLDa、光検出器としての受光器PDa及び分岐光学素子としてのホログラムHGaを含んで構成されている。上記第2の受発光ユニット51bは、第1の受発光ユニット51aの−Y側に配置され、光源としての半導体レーザLDb、光検出器としての受光器PDb及び分岐光学素子としてのホログラムHGbを含んで構成されている。
【0046】
半導体レーザLDa及び半導体レーザLDbはほぼ同じ特性を有する半導体レーザであり、いずれも波長が660nmの光束(発散光)を出射する。ここでは、各半導体レーザから出射される光束の最大強度出射方向を+Z方向とし、半導体レーザLDaの発光点位置と半導体レーザLDbの発光点位置とは、Z軸方向に関してほぼ一致している。なお、以下では便宜上、半導体レーザLDaから出射される光束を「第1出射光束」、半導体レーザLDbから出射される光束を「第2出射光束」ともいう。そして、本第1の実施形態では、第2出射光束をオフセットを補正するための特定ビームとしている。
【0047】
ホログラムHGa及びホログラムHGbはほぼ同じ特性を有するホログラムである。ホログラムHGaは、半導体レーザLDaの+Z側に配置され、光ディスク15の記録面で反射した第1出射光束の戻り光束(以下、便宜上「第1戻り光束」ともいう)を受光器PDaの受光面方向に分岐する。ホログラムHGbは、半導体レーザLDbの+Z側に配置され、光ディスク15の記録面で反射した第2出射光束の戻り光束(以下、便宜上「第2戻り光束」ともいう)を受光器PDbの受光面方向に分岐する。
【0048】
受光器PDaは、半導体レーザLDaの−Y側に配置され、図4(A)に示されるように、トラックの接線方向に対応した方向、すなわちX軸方向の分割線によってY軸方向に2分割され、部分受光素子PDa1と部分受光素子PDa2とからなる第2の分割受光素子としての2分割受光素子PDaAを含み、再生信号処理回路28にてウォブル信号、RF信号及びサーボ信号などを検出するのに最適な信号を出力する複数の受光素子から構成されている。
【0049】
受光器PDbは、半導体レーザLDbの−Y側に配置され、図4(B)に示されるように、X軸方向の分割線によってY軸方向に2分割され、部分受光素子PDb1と部分受光素子PDb2とからなる第1の分割受光素子としての2分割受光素子PDbAを含んで構成されている。
【0050】
図3に戻り、前記第1のコリメートレンズ52a及び第2のコリメートレンズ52bはほぼ同じレンズ特性を有するコリメートレンズである。第1のコリメートレンズ52aは、第1の受発光ユニット51aの+Z側に配置され、第1出射光束を略平行光とする。前記第2のコリメートレンズ52bは、第2の受発光ユニット51bの+Z側であって、部分受光素子PDb1の出力信号と部分受光素子PDb2の出力信号とのプッシュプル信号において、振幅がほぼ0となるときの位置に配置されている。この位置は、第2のコリメートレンズ52bの組み付け時あるいは調整時に部分受光素子PDb1及び部分受光素子PDb2のプッシュプル信号をモニタしながら決定される。なお、第2のコリメートレンズ52bの位置は予め設計値として求めていても良い。これにより、第2出射光束は第2のコリメートレンズ52bにて光学的な収差として球面収差が付与され、記録面にはデフォーカス状態で光スポットが形成されることとなる。
【0051】
前記反射ミラー53は、第2のコリメートレンズ52bの+Z側に配置され、第2のコリメートレンズ52bを透過した第2出射光束を+Y方向に反射する。
【0052】
前記ビームスプリッタ54は、第1のコリメートレンズ52aの+Z側で、かつ反射ミラー53の+Y側に配置され、反射ミラー53で反射された第2出射光束を+Z方向に分岐するとともに、光ディスク15からの第2戻り光束を−Y方向に分岐する。
【0053】
前記対物レンズ60は、ビームスプリッタ54の+Z側に配置され、ビームスプリッタ54を透過した第1出射光束及び第2出射光束を集光し、光ディスク15の記録面上にそれぞれの光スポットを形成する。
【0054】
前記チルトセンサTSは、対物レンズ60の近傍に配置され、光ディスク15にチルト検出用のレーザ光を照射する半導体レーザLDtと、光ディスク15で反射されたチルト検出用のレーザ光を受光する2分割受光素子PDtとを含んで構成されている。ここでは、メディアチルトが小さいときには、2分割受光素子PDtを構成する各部分受光素子の出力は互いにほぼ同一信号であり、メディアチルトが比較的大きいと、そのチルト方向及びチルト量に応じて各部分受光素子の出力に差が生じるように設定されている。そして、各部分受光素子の出力の差信号(以下、便宜上「チルト差信号」ともいう)は処理回路91に出力される。また、チルト差信号とチルト量との関係及びチルト差信号とオフセット量との関係が予め計測され、それぞれチルトテーブル及びオフセットテーブルとしてROM39に格納されている。
【0055】
前記アンプ92は、2分割受光素子PDaAでの受光量と2分割受光素子PDbAでの受光量との違いに対応したゲインを有し、2分割受光素子PDbAの出力信号を増幅する。これにより、例えばメディアチルトやレンズシフトがある場合に、2分割受光素子PDaAの出力信号に含まれるオフセット成分と2分割受光素子PDbAの出力信号に含まれるオフセット成分とはほぼ同じレベルとなる。
【0056】
ここで、前述のようにして構成された光ピックアップ装置23の作用について簡単に説明する。
【0057】
半導体レーザLDaから出射された光束(第1出射光束)は、その大部分がホログラムHGaを透過し、第1のコリメートレンズ52aで略平行光となった後、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプリッタ54を透過した光束は、対物レンズ60で集光され、一例として図5に示されるように、回折限界の光スポットSaとなる。
【0058】
半導体レーザLDbから出射された光束(第2出射光束)は、その大部分がホログラムHGbを透過し、第2のコリメートレンズ52bに入射する。第2のコリメートレンズ52bでは、一例として図6に示されるように、球面収差が付与される。第2のコリメートレンズ52bを透過した光束は反射ミラー53で+Y方向に反射され、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプリッタ54で+Z方向に分岐された光束は、対物レンズ60で集光され、一例として図5に示されるように、光スポットSaよりも大きな光スポットSbとなる。なお、光スポットSaはグルーブ上に形成する必要があるが、光スポットSbはどこに形成されても良い。
【0059】
光ディスク15の記録面にて反射した第1出射光束の反射光は、第1戻り光束として対物レンズ60で再び略平行光とされ、ビームスプリッタ54に入射する。ビームスプリッタ54を透過した第1戻り光束は第1のコリメートレンズ52aを介してホログラムHGaに入射する。ホログラムHGaで分岐された第1戻り光束は受光器PDaで受光される。受光器PDaを構成する各受光素子は、受光量に応じた電流信号をそれぞれ処理回路91及び再生信号処理回路28に出力する。なお、2分割受光素子PDaAでは、一例として図4(A)に示されるように、トラックパターンの一方が部分受光素子PDa1で受光され、他方が部分受光素子PDa2で受光される。
【0060】
また、光ディスク15の記録面にて反射した第2出射光束の反射光は、第2戻り光束として対物レンズ60を介してビームスプリッタ54に入射する。ビームスプリッタ54で−Y方向に分岐された第2戻り光束は反射ミラー53で−Z方向に反射され、第2のコリメートレンズ52bを介してホログラムHGbに入射する。ホログラムHGbで分岐された第2戻り光束は受光器PDbで受光される。受光器PDbを構成する各部分受光素子は、受光量に応じた電流信号をそれぞれアンプ92に出力する。なお、2分割受光素子PDbAでは、一例として図4(B)に示されるように、トラックパターンの一方が部分受光素子PDb1で受光され、他方が部分受光素子PDb2で受光される。そして、各トラックパターンは、第1戻り光束と異なり、明暗の縞模様が生じている。
【0061】
次に、光ディスク装置20における対物レンズ60の位置及び姿勢の制御について説明する。
【0062】
《トラッキング制御》
1.処理回路91は、次の(1)式に示されるように、部分受光素子PDa1からの出力信号Sa1と部分受光素子PDa2からの出力信号Sa2とのプッシュプル信号Paを求める。なお、ここでは、一例として図7に示されるように、プッシュプル信号Paにはオフセット成分Softが付加されているものとする。
【0063】
Pa=Sa1−Sa2 ……(1)
【0064】
2.処理回路91は、次の(2)式に示されるように、アンプ92で増幅された部分受光素子PDb1からの出力信号Sb1と部分受光素子PDb2からの出力信号Sb2とのプッシュプル信号Pbを求める。このプッシュプル信号Pbは、プッシュプル信号Paと同様にオフセット成分Softが付加されているものの、一例として図7に示されるように、振幅が非常に小さい信号となる。
【0065】
Pb=Sb1−Sb2 ……(2)
【0066】
3.処理回路92は、次の(3)式に基づいてトラックエラー信号Teを求める。すなわち、プッシュプル信号Paに含まれるオフセット成分Softがほぼ除去され、一例として図7に示されるように、オフセット成分が極めて小さいトラックエラー信号Teが得られる。
【0067】
Te=Pa−Pb ……(3)
【0068】
4.トラックエラー信号Teは、再生信号処理回路28を介してサーボコントローラ33に出力される。
5.サーボコントローラ33は、トラックエラー信号Teに基づいてトラックずれを補正するためのトラッキング制御信号を生成し、モータドライバ27に出力する。
6.モータドライバ27は、トラッキング制御信号に対応したトラッキング制御用の駆動電流を光ピックアップ装置23に出力する。
7.光ピックアップ装置23は、モータドライバ27からのトラッキング制御用の駆動電流をトラッキングアクチュエータに供給する。
8.トラッキングアクチュエータでは、駆動電流の大きさ及び電流の向きに応じた駆動力が発生し、それによって対物レンズ60がトラッキング方向にシフトし、トラックずれが補正される。
【0069】
《フォーカス制御》
1.再生信号処理回路28は、従来と同様に受光器PDaの出力信号に基づいてフォーカスエラー信号を検出し、サーボコントローラ33に出力する。
2.サーボコントローラ33は、フォーカスエラー信号に基づいてフォーカスずれを補正するためのフォーカス制御信号を生成し、モータドライバ27に出力する。
3.モータドライバ27は、フォーカス制御信号に対応したフォーカス制御用の駆動電流を光ピックアップ装置23に出力する。
4.光ピックアップ装置23は、モータドライバ27からのフォーカス制御用の駆動電流をフォーカシングアクチュエータに供給する。
5.フォーカシングアクチュエータでは、駆動電流の大きさ及び電流の向きに応じた駆動力が発生し、それによって対物レンズ60がフォーカス方向にシフトし、フォーカスずれが補正される。
【0070】
《チルト制御》
1.処理回路91は、ROM39に格納されている前記チルトテーブルを参照し、チルトセンサTSからのチルト差信号に基づいて記録面のチルト量を検出し、チルト情報信号としてサーボコントローラ33に出力する。
2.サーボコントローラ33は、処理回路91からのチルト情報信号に基づいて、チルトを補正するためのチルト補正信号を生成し、モータドライバ27に出力する。
3.モータドライバ27は、チルト補正信号に対応したチルト制御用の駆動電流を光ピックアップ装置23に出力する。
4.光ピックアップ装置23は、モータドライバ27からのチルト制御用の駆動電流をチルトアクチュエータに供給する。
5.チルトアクチュエータでは、駆動電流の大きさ及び電流の向きに応じた駆動力が発生し、対物レンズ60が回動することによってチルトが補正される。
【0071】
また、プッシュプル信号におけるオフセットは、その大部分がメディアチルト及びレンズシフトに起因するため、オフセットとチルト量とからレンズシフトを求めることができる。この場合には、例えば処理回路91は、先ず、チルト差信号とROM39に格納されている前記オフセットテーブルとから、記録面の傾きによるオフセット量Soft1を求め、次の(4)式に示されるように、プッシュプル信号Pbとの差を演算し、レンズシフトによるオフセット量Soft2を求める。
【0072】
Soft2=Pb−Soft1 ……(4)
【0073】
次に、予め計測されROM39に格納されている換算テーブルを参照してオフセット量Soft2から対物レンズ60のシフト量、すなわち対物レンズ60の位置情報を求める。この対物レンズ60の位置情報は、シーク動作終了時の対物レンズ60の整定に利用され、アクセス時間の短縮に寄与している。
【0074】
次に、前述の光ディスク装置20を用いて、光ディスク15に対するデータの記録及び再生を行なう場合のCPU40による処理について簡単に説明する。
【0075】
《記録処理》
ホストから記録要求のコマンドを受信すると、記録速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、記録要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。これにより、光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、前述の如くしてフォーカス制御、トラッキング制御及びチルト制御(以下、これらを総称して「位置姿勢制御」ともいう)が行われる。また、再生信号処理回路28から所定のタイミング毎にアドレス情報が出力される。
【0076】
そして、アドレス情報に基づいて、書き込み開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。また、ホストから受信したユーザデータのバッファRAM34への蓄積をバッファマネージャ37に指示する。
【0077】
バッファマネージャ37からバッファRAM34に蓄積されたユーザデータ量が所定の値を超えたとの通知を受け取ると、エンコーダ25に書き込み信号の生成を指示する。
【0078】
そして、光ピックアップ装置23が書き込み開始地点に到達すると、エンコーダ25に通知する。これにより、ユーザデータは、エンコーダ25、レーザコントロール回路24及び光ピックアップ装置23を介して光ディスク15に記録される。
【0079】
《再生処理》
ホストから再生要求のコマンドを受信すると、再生速度に基づいてスピンドルモータ22の回転を制御するための制御信号をモータドライバ27に出力するとともに、再生要求のコマンドを受信した旨を再生信号処理回路28に通知する。これにより、光ディスク15の回転が所定の線速度に達すると、前述の如くして位置姿勢制御が行われる。また、再生信号処理回路28から所定のタイミング毎にアドレス情報が出力される。
【0080】
そして、アドレス情報に基づいて、読み出し開始地点に光ピックアップ装置23が位置するようにシークモータを制御する信号をモータドライバ27に出力する。
【0081】
続いて、光ピックアップ装置23が読み出し開始地点に到達すると、再生信号処理回路28に通知する。これにより、前述の如くして再生データが再生信号処理回路28を介してバッファRAM34に蓄積される。バッファRAM34に蓄積された再生データがセクタデータとして揃うと、バッファマネージャ37によりインターフェース38を介してホストに転送される。
【0082】
なお、位置姿勢制御は記録処理及び再生処理が終了するまで随時行われる。
【0083】
以上の説明から明らかなように、本第1の実施形態に係る光ディスク装置では、再生信号処理回路28とCPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって処理装置が実現されている。しかしながら、本発明がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、上記のCPU40によるプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全ての構成部分をハードウェアによって構成することとしても良い。
【0084】
以上説明したように、本第1の実施形態に係る光ピックアップ装置によると、半導体レーザLDaから出射された光束は球面収差を付与されることなく対物レンズを介して記録面に集光され、半導体レーザLDbから出射された光束は、2分割受光素子PDbAのプッシュプル信号における振幅がほぼ0となるような球面収差を付与されて対物レンズを介して記録面に集光される。それにより、2分割受光素子PDaAからはトラックずれに関する情報とオフセットに関する情報とを含む信号が出力され、2分割受光素子PDbAからはオフセットに関する情報を含む信号のみが出力されることとなる。従って、2分割受光素子PDaAの出力信号と2分割受光素子PDbAの出力信号との差からオフセット成分が極めて小さいトラックエラー信号を検出することができる。また、本第1の実施形態によると、記録面における半導体レーザLDbから出射された光束による光スポットの位置はどこでも良いため、組み付け作業及び調整作業を簡略化することができ、作業コストの低減を促進することが可能となる。すなわち、高コスト化を招くことなく、対物レンズの位置制御に必要な情報を含む信号を精度良く安定して出力することが可能となる。
【0085】
また、本第1の実施形態に係る光ディスク装置によると、光ピックアップ装置の出力信号に基づいて光ピックアップ装置自体及び対物レンズの位置を精度良く制御することができるため、高速度での情報の記録、再生、及び消去のうち少なくとも再生を含むアクセスを精度良く安定して行うことが可能となる。
【0086】
なお、上記第1の実施形態では、チルトセンサが光ピックアップ装置内に実装される場合について説明したが、これに限らず、チルトセンサが光ピックアップ装置とは別に配置されても良い。
【0087】
また、上記第1の実施形態では、チルトアクチュエータによって記録面の傾きを補正する場合について説明したが、これに限らず、例えば対物レンズ60とビームスプリッタ54との間に、記録面の傾きに起因する波面収差を打ち消すための光学素子を配置しても良い。この光学素子としては、例えば印加電圧によって光学的異方性が変化する液晶素子などが好適である。この場合には、処理回路91はチルト量に基づいて液晶素子の印加電圧を制御し、記録面での光スポットの波面収差と反対の波面収差を出射光束に付与することとなる。
【0088】
また、上記第1の実施形態では、チルトセンサを用いてチルト量を求める場合について説明したが、これに限らず、例えば図8に示されるように対物レンズ60のトラッキング方向のシフト量を検出する位置センサSPを設け、その検出結果からチルト量を求めても良い。この位置センサSPは、対物レンズ60を保持し、対物レンズ60とともにトラッキング方向に移動するレンズホルダ81に設けられた遮光板PTと、トラッキング制御時には移動しないベース板85上に配置された半導体レーザLDs及び受光素子PDsなどから構成されている。この場合には、受光素子PDsからの信号は処理回路91に出力される。この位置センサSPでは、対物レンズ60の基準位置からのシフト量に応じて受光素子PDsでの受光量が変化するようになっている。そこで、予め受光素子PDsの出力信号とレンズシフトに起因するオフセット量との関係を計測しておくことにより、受光素子PDsの出力信号からレンズシフトによるオフセット量Soft2を求めることができる。そして、次の(5)式に示されるように、プッシュプル信号Pbとの差を演算することにより、メディアチルトによるオフセット量Soft1を求めることができる。
【0089】
Soft1=Pb−Soft2 ……(5)
【0090】
そして、予めオフセット量Soft1とチルト量との関係を計測しておくことにより、記録面のチルト量を求めることができる。これにより、チルトセンサTSがなくても、チルト制御が可能となる。
【0091】
また、上記第1の実施形態において、チルト制御を行う必要がなければ、チルトセンサTS、チルトアクチュエータなどチルト制御に関する装置、回路などはなくても良い。
【0092】
また、上記第1の実施形態では、第2のコリメートレンズ52bの位置をずらして第2出射光束による光スポットをデフォーカス状態で形成する場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えば図9に示されるように、第2のコリメートレンズ52bの位置をずらすかわりに、第2のコリメートレンズ52bと反射ミラー53との間に、第2出射光束に球面収差を与える収差レンズ56を配置しても良い。この場合には、部品点数が増加するが、第2のコリメートレンズ52bの位置をずらす場合に比べて、光束の拡がりが少ないために、光利用効率を向上させることができる。また、ホログラムHGb及び受光器PDbに入射する第2戻り光束のビーム径が小さいために、第2の受発光ユニット51bを小さくすることが可能となる。なお、収差レンズ56としては、通常の凹レンズ、凸レンズ及び少なくとも一部に非平面を有するガラス板などを用いることができる。
【0093】
また、第2のコリメートレンズ52bの位置をずらすかわりに、第2のコリメートレンズ52bと反射ミラー53との間に、第2出射光束に非点収差を与えるためのシリンダレンズや非平行平板などの光学素子を配置しても良い。この場合には、対物レンズ60のフォーカス方向に関する位置が変化しても、第2出射光束による光スポットの大きさが小さくなることがないため、フォーカス制御やシーク動作時に、プッシュプル信号Pbにおける振幅が急に大きくなることはない。従って、精度の良いトラックエラー信号をより安定して検出することができる。なお、この場合には、第2出射光束による光スポットSbは楕円形状となる。
【0094】
さらに、この場合において、一例として図10に示されるように、X軸方向の波面収差が小さくなるように設定することにより、一例として図11に示されるように、光スポットSbの長軸方向をY軸方向とほぼ一致させ、短軸方向をX軸方向とほぼ一致させることができる。そして、光スポットSbにおけるX軸方向の長さは、光スポットSaにおけるX軸方向の長さとほぼ等しくなり、一例として図12に示されるように、シーク動作におけるピットの有無による反射率の変動の影響は、光スポットSaおよび光スポットSbとで同様にあらわれることとなる。そこで、次の(6)式に基づいてトラッククロス信号TCを生成することができる。ここで、Raは第1戻り光束の全光量、Rbは第2戻り光束の全光量、及びKは定数である。なお、トラッククロス信号TCの生成は、処理回路91及び再生信号処理回路28のいずれで行われても良い。
【0095】
TC=Ra−K×Rb ……(6)
【0096】
そして、トラッククロス信号TCから従来と同様にしてトラック溝横断パルスを生成し、そのパルス数をカウントすることにより移動距離を算出することができるため、シーク動作時間を短縮することが可能となる。また、トラッククロス信号TCは、DVD−Rのように記録部と未記録部の反射率が大きく異なる場合に、RF信号を補正するためにも用いられる。
【0097】
また、上記第1の実施形態では、半導体レーザ、受光器及びホログラムが一体化される場合について説明したが、これに限らず、例えば半導体レーザ、受光器及びホログラムのうちの少なくとも一つが個別に配置されても良い。
【0098】
また、上記第1の実施形態では、トラックエラー信号が処理回路91で生成される場合について説明したが、これに限らず、例えば同様な処理を行う回路を再生信号処理回路28に付加しても良い。
【0099】
また、上記第1の実施形態では、記録面のチルト量が処理回路で検出される場合について説明したが、これに限らず、例えば同様な処理を行う回路を再生信号処理回路に付加しても良い。
【0100】
また、上記第1の実施形態では、2つの半導体レーザを用いる場合について説明したが、これに限らず、例えば1つの半導体レーザから出射される光束を2つに分割しても良い。
【0101】
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を図13〜図19(B)に基づいて説明する。
【0102】
この第2の実施形態は、図13に示されるように、前述した第1の実施形態における第1、第2の受発光ユニットに代えて回折格子KKを備えた第3の受発光ユニット51cを用いている点に特徴を有する。また、処理回路91に代えて処理回路91’が用いられる。なお、第1の実施形態における第2のコリメートレンズ52b、反射ミラー53、ビームスプリッタ54及びアンプ92は不要となる。また、光ピックアップ装置におけるその他の構成、及び光ディスク装置の構成などは、第1の実施形態と同様である。従って、以下においては、第1の実施形態との相違点を中心に説明するとともに、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用い、その説明を簡略化し若しくは省略するものとする。
【0103】
前記第3の受発光ユニット51cは、光源としての半導体レーザLDa、回折素子としての回折格子KK、ホログラムHGc及び光検出器としての受光器PDcなどを備えている。
【0104】
前記回折格子KKは半導体レーザLDaの+Z側に配置され、半導体レーザLDaから出射された光束を0次光と±1次回折光とに分離する。また、回折格子KKは、従来の3ビーム発生用回折格子と異なり、受光器PDcからの各回折光の戻り光束の検出信号におけるプッシュプル信号の振幅がほぼ0となるように、回折光に光学的な収差を付与する機能を有している。これにより、±1次回折光による光スポットはデフォーカス状態で形成されることとなる。そこで、回折格子KKは、場所によってピッチを変更して溝が形成されたり、あるいは一例として図14に示されるように溝が湾曲して形成されている。
【0105】
従って、0次光による光スポットはグルーブ上に形成する必要があるが、±1次回折光による光スポットはどこに形成されても良いこととなり、回折格子KKは、従来の3ビーム発生用回折格子よりもその位置調整が容易となる。例えば図15に示されるように、回折格子KKで分離された各光束をビームスプリッタ57で−Y方向に分岐し、オートコリメータOCで受光しながら位置調整を行なう際に、一例として図16(A)に示されるように、オートコリメータOC上で+1次回折光のスポットP+1及び−1次回折光のスポットP−1が0次光に対して+Z方向にずれている場合に、回折格子KKを+Y方向に移動すると、図16(B)に示されるように、0次光のスポットP0の位置は変化せずに+1次回折光のスポットP+1及び−1次回折光のスポットP−1のみが−Z方向に移動する。前記従来例(特許文献1及び特許文献3)では、回折格子を移動しても回折光の方向は一定であり、位相差のある境界が移動するだけであるため、回折格子の位置調整が非常に困難であり、±1次回折光のスポット位置が所定位置からずれる場合があった。
【0106】
ホログラムHGcは、一例として図17に示されるようにY軸方向の分割線とX軸方向の分割線とによって3つの領域に分割されている。ここでは、Y軸方向の分割線の−X側の領域を領域H1、Y軸方向の分割線の+X側で、かつX軸方向の分割線の+Y側の領域を領域H2、Y軸方向の分割線の+X側で、かつX軸方向の分割線の−Y側の領域を領域H3とする。
【0107】
受光器PDcは、一例として図18に示されるように、6つの受光素子(Da、Db、Dc、Df、Dg、Dh)と1つの2分割受光素子(部分受光素子Dd、De)とを含んで構成されている。ここでは、領域H1で分岐された0次光は2分割受光素子で受光され、領域H2で分岐された0次光は受光素子Dbで受光され、+1次回折光は受光素子Daで受光され、−1次回折光は受光素子Dcで受光される。また、領域H3で分岐された0次光は受光素子Dgで受光され、+1次回折光は受光素子Dfで受光され、−1次回折光は受光素子Dhで受光される。そして、各受光素子からの信号は、処理回路91’及び再生信号処理回路28に出力される。
【0108】
なお、±1次回折光による光スポットは、0次光による光スポットよりも大きくなるため、従来のホログラムでは、一例として図19(A)に示されるように、戻り光束においても、±1次回折光の戻り光束はそのビーム径が大きくなり、大きな受光素子が必要となる。そこで、本第2の実施形態では、ホログラムHGcに、それぞれ戻り光束の波面収差を補正する機能を付加している。これにより、一例として図19(B)に示されるように、受光器PDcの受光面において0次光の戻り光束と±1次回折光の戻り光束とがほぼ同一のビーム径で受光されるようになり、受光器PDcを小型化することが可能となる。
【0109】
処理回路91’におけるトラックエラー信号の生成処理について以下に説明する。
【0110】
1.次の(7)式に基づいて、+1次回折光のプッシュプル信号PP11を求める。SDaは受光素子Daからの信号であり、SDfは受光素子Dfからの信号である。
【0111】
PP11=SDa−SDf ……(7)
【0112】
2.次の(8)式に基づいて、−1次回折光のプッシュプル信号PP12を求める。SDcは受光素子Dcからの信号であり、SDhは受光素子Dhからの信号である。
【0113】
PP12=SDc−SDh ……(8)
【0114】
3.次の(9)式に基づいて、プッシュプル信号PP11とプッシュプル信号PP12との和信号PP1を求める。
【0115】
PP1=PP11+PP12 ……(9)
【0116】
4.次の(10)式に基づいて、0次光のプッシュプル信号PP10を求める。ここで、SDbは受光素子Dbからの信号であり、SDgは受光素子Dgからの信号である。
【0117】
PP10=SDb−SDg ……(10)
【0118】
5.そして、プッシュプル信号PP1のレベル調整を行った後、次の(11)式を用いて、トラックエラー信号Teを求める。すなわち、差動プッシュプル法によりトラックエラー信号Teが検出される。
【0119】
Te=PP10−PP1 ……(11)
【0120】
そして、前述した第1の実施形態と同様にしてトラッキング制御が行われる。
【0121】
また、再生信号処理回路28は、次の(12)式に基づいて、フォーカスエラー信号Feを求める。SDdは部分受光素子Ddからの信号であり、SDeは部分受光素子Deからの信号である。すなわち、いわゆるナイフエッジ法によりフォーカスエラー信号Feが検出される。
【0122】
Fe=SDd−SDe ……(12)
【0123】
そして、前述した第1の実施形態と同様にしてフォーカス制御が行われる。
【0124】
また、処理回路91’では、次の(13)式に基づいて、トラッククロス信号TCを求める。
【0125】
TC=(SDb+SDg)−(SDa+SDc+SDf+SDh) ……(13)
【0126】
さらに、処理回路91’では、第1の実施形態と同様にしてチルト情報信号を生成する。そして、第1の実施形態と同様にしてチルト制御が行われる。
【0127】
以上の説明から明らかなように、本第2の実施形態に係る光ディスク装置では、再生信号処理回路28とCPU40及び該CPU40によって実行されるプログラムとによって処理装置が実現されており、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様にして記録及び再生処理を行なうことができる。
【0128】
以上説明したように、本第2の実施形態に係る光ピックアップ装置によると、半導体レーザLDaから出射された光束は回折格子KKで0次光と±1次回折光とに分離されるとともに、±1次回折光のみにその戻り光束のプッシュプル信号における振幅がほぼ0となるような光学的な収差を付与しているために、回折格子KKの位置調整が従来に比べ非常に容易となる。従って、高コスト化を招くことなく、対物レンズの位置制御に必要な情報を含む信号を精度良く出力することが可能となる。
【0129】
また、本第2の実施形態によると、半導体レーザ、受光器、回折格子及びホログラムが一体化されているために、光ピックアップ装置の小型化を促進することができる。
【0130】
また、本第2の実施形態に係る光ディスク装置によると、光ピックアップ装置から対物レンズの位置制御に必要な情報を含む信号が精度良く出力されるため、第1の実施形態に係る光ディスク装置と同様な効果を得ることができる。さらに、光ピックアップ装置の小型化によって、光ディスク装置自体の小型化及び消費電力の低減も促進することができ、例えば携帯用として用いられる場合には、持ち運びが容易となり、更に長時間の使用が可能となる。
【0131】
なお、上記第2の実施形態では、半導体レーザ、受光器、回折格子及びホログラムが一体化される場合について説明したが、これに限らず、例えば半導体レーザ、受光器、回折格子及びホログラムのうちの少なくとも一つが個別に配置されても良い。
【0132】
また、上記第2の実施形態では、差動プッシュプル法によりトラックエラー信号Teを検出する場合について説明したが、これに限らず、3ビーム法を用いて検出しても良い。
【0133】
また、上記第2の実施形態では、ナイフエッジ法によりフォーカスエラー信号Feを検出する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
【0134】
また、上記第2の実施形態では、トラックエラー信号が処理回路91’で生成される場合について説明したが、これに限らず、例えば同様な処理を行う回路を再生信号処理回路28に付加しても良い。
【0135】
また、上記第2の実施形態では、トラッククロス信号が処理回路91’で生成される場合について説明したが、これに限らず、例えば同様な処理を行う回路を再生信号処理回路28に付加しても良い。
【0136】
また、上記各実施形態では、分岐光学素子としてホログラムを用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものではない。例えばビームスプリッタを用いても良い。
【0137】
また、上記各実施形態において、分岐光学素子として、入射光束の偏光方向によって回折効率が異なる偏光ホログラムを用いても良い。但し、この場合には対物レンズと偏光ホログラムとの間に例えばλ/4板などのように、往路と復路とで偏光方向を90度異ならせるための光学素子が必要となる。
【0138】
また、上記各実施形態では、DVD系の規格に準拠した情報記録媒体が光ディスク15として用いられる場合について説明したが、これに限らず、例えば波長が405nmの光束に対応する情報記録媒体や波長が780nmの光束に対応する情報記録媒体などであっても良い。
【0139】
また、上記各実施形態では、光源が1つの場合について説明したが、これに限らず、複数の光源を備えていても良い。この場合に、例えば波長が405nmの光束を出射する光源、波長が660nmの光束を出射する光源及び波長が780nmの光束を出射する光源の少なくともいずれかを含む複数の光源を備えていても良い。
【0140】
また、上記各実施形態では、情報の記録及び再生が可能な光ディスク装置について説明したが、これに限らず、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生が可能な光ディスク装置であれば良い。
【0141】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光ピックアップ装置によれば、高コスト化を招くことなく、対物レンズの位置制御に必要な情報を含む信号を精度良く安定して出力することができるという効果がある。
【0142】
また、本発明に係る光ディスク装置によれば、情報記録媒体への高速度でのアクセスを精度良く安定して行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ディスク装置の構成を示すブロック図である。
【図2】光ディスクのトラック構成を説明するための図である。
【図3】図1の光ピックアップ装置の概略構成を示す図である。
【図4】図4(A)及び図4(B)は、それぞれ2分割受光素子を説明するための図である。
【図5】記録面に形成される光スポットの大きさを説明するための図である。
【図6】第2のコリメートレンズで付与される波面収差を説明するための図である。
【図7】各2分割受光素子のプッシュプル信号、及びトラックエラー信号を説明するための図である。
【図8】対物レンズの位置を検出するための位置センサを説明するための図である。
【図9】図1における光ピックアップ装置の変形例を示すブロック図である。
【図10】図9の光ピックアップ装置において、収差レンズで付与される波面収差を説明するための図である。
【図11】図9の光ピックアップ装置において、記録面に形成される光スポットを説明するための図である。
【図12】図9の光ピックアップ装置において、トラッククロス信号を説明するための図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る光ピックアップ装置の構成を示すブロック図である。
【図14】図13における回折格子を説明するための図である。
【図15】図13における回折格子の位置調整を説明するための図である。
【図16】図16(A)及び図16(B)は、それぞれオートコリメータ上のスポット位置を説明するための図である。
【図17】図13におけるホログラムを説明するための図である。
【図18】図13における受光器を説明するための図である。
【図19】図19(A)及び図19(B)は、それぞれ各受光素子で受光される戻り光束のビーム径を説明するための図である。
【符号の説明】
15…光ディスク(情報記録媒体)、20…光ディスク装置、23…光ピックアップ装置、28…再生信号処理回路(処理装置の一部)、40…CPU(処理装置の一部)、60…対物レンズ、91…処理回路(位置信号生成手段、傾き信号生成手段、信号補正手段)、HGc…ホログラム(分岐光学素子、ホログラム素子)、KK…回折格子(回折素子)、PDaA…2分割受光素子(第2の分割受光素子)、PDaB…2分割受光素子(第1の分割受光素子)、SP…位置センサ(位置検出手段)、TS…チルトセンサ(傾き検出手段)。
Claims (15)
- 光ビームを出射する少なくとも1つの光源と、スパイラル状又は同心円状のトラックが形成された情報記録媒体の記録面に少なくとも2つの光ビームを照射する対物レンズを含む光学系と、前記記録面からのそれぞれの反射光を検出する分岐光学素子及び光検出器を含む検出系と、を備える光ピックアップ装置において、
前記少なくとも2つの光ビームのうちの少なくとも1つの特定ビームの反射光について前記検出系で検出されるトラックエラー検出用のプッシュプル信号の振幅がほぼ0となるように、前記特定ビームの全域に連続した光学的な収差を付与する収差付与手段を前記光学系の一部に設けることを特徴とする光ピックアップ装置。 - 前記情報記録媒体の傾きを検出する傾き検出手段と;
前記傾き検出手段の検出結果と前記プッシュプル信号とに基づいて、前記対物レンズのトラッキング方向に関する位置情報を含む信号を生成する位置信号生成手段と;を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。 - 前記対物レンズのトラッキング方向に関する位置を検出する位置検出手段と;
前記位置検出手段の検出結果と前記プッシュプル信号とに基づいて、前記情報記録媒体の傾きに関する情報を含む信号を生成する傾き信号生成手段と;を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置。 - 前記特定ビームの反射光の検出信号を用いて、前記光学的な収差を付与されなかった光ビームの反射光の検出信号に含まれるオフセット成分を補正する信号補正手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光検出器は、前記トラックの接線方向に対応する方向の分割線により2分割された第1、第2の分割受光素子を備え、
前記特定ビームの反射光は前記第1の分割受光素子で受光され、前記光学的な収差を付与されなかった光ビームの反射光は前記第2の分割受光素子で受光され、
前記信号補正手段は、前記第2の分割受光素子からの各信号のプッシュプル信号と前記第1の分割受光素子からの各信号のプッシュプル信号との差信号を生成することを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置。 - 前記分岐光学素子は、前記特定ビームの反射光の波面収差を補正する作用を奏することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記分岐光学素子は、ホログラム素子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光学的な収差は、球面収差又は非点収差であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光学的な収差は非点収差であり、
前記少なくとも2つの光ビームのうち前記特定ビームを除く少なくとも1つの光ビームのスポットが前記記録面に合焦状態で形成されるときに、前記特定ビームのスポットは前記記録面において楕円形状を呈し、その長軸方向が前記トラックの接線に直交する方向とほぼ一致することを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。 - 前記収差付与手段は、シリンダレンズ及び非平行平板の少なくともいずれかを含むことを特徴とする請求項9に記載の光ピックアップ装置。
- 前記光学的な収差は球面収差であり、
前記収差付与手段は、前記記録面に形成される前記特定ビームの光スポットがデフォーカス状態となるように配置されたコリメートレンズを含むことを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。 - 前記光学的な収差は球面収差であり、
前記収差付与手段は、凸レンズ、凹レンズ及び少なくとも一部に非平面を有するガラス板の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項8に記載の光ピックアップ装置。 - 前記収差付与手段は、前記光源から出射された光ビームを0次光と回折光とに分離するとともに、前記回折光のみに前記光学的な収差を付与する回折素子を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置。
- 前記回折素子と前記分岐光学素子と前記光検出器と前記光源とは一体化されていることを特徴とする請求項13に記載の光ピックアップ装置。
- 情報記録媒体に対して、情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう光ディスク装置であって、
請求項1〜14のいずれか一項に記載の光ピックアップ装置と;
前記光ピックアップ装置からの出力信号を用いて、前記情報の記録、再生及び消去のうち少なくとも再生を行なう処理装置と;を備える光ディスク装置。
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