JP2004185347A - プロジェクト管理方法およびその進捗管理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プロジェクト管理者の早期対策への着手を確実に促すことにより、精度の高いプロジェクト進捗管理の実現を目的とする。
【解決手段】各担当者の作業の進捗情報を進捗情報収集装置で管理し、進捗情報管理部が、通知された進捗情報を一元的に管理する。進捗情報分析装置は、進捗情報管理部で管理された進捗情報と、WBS管理部で管理されたWBS情報、コンポーネント情報から、各作業および依存する作業の進捗情報を分析することが可能であり、問題のある作業が発生した場合、その担当者とプロジェクト管理者に通知したり、プロジェクト全体の進捗状況を複数の観点から分析することが可能となる。
【選択図】 図1
【解決手段】各担当者の作業の進捗情報を進捗情報収集装置で管理し、進捗情報管理部が、通知された進捗情報を一元的に管理する。進捗情報分析装置は、進捗情報管理部で管理された進捗情報と、WBS管理部で管理されたWBS情報、コンポーネント情報から、各作業および依存する作業の進捗情報を分析することが可能であり、問題のある作業が発生した場合、その担当者とプロジェクト管理者に通知したり、プロジェクト全体の進捗状況を複数の観点から分析することが可能となる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクト管理において、プロジェクトの進捗情報の管理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクトの進捗管理において、そのプロジェクトで行う作業をWBS(WorkBreakdown Structure)として定義し、各作業の進捗度を日々入力することで、プロジェクト全体の進捗度を管理することは、一般的に行われている。また特開2002−14811号に開示されているような、プロジェクトにおいてあらかじめ定義された生成物と、実際に生成された生成物の差から、現在の進捗状況と今後の作業見積もりを容易にするシステムが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−14811号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
各作業には担当者が存在し、日々の進捗状況をプロジェクト管理者に報告する。このプロジェクトで開発すべき対象(コンポ−ネント)の構成によっては、各作業には依存関係が存在し、ある作業で作業遅延が発生した場合に依存する作業への影響を考慮しなければならない。このようにプロジェクト管理者は、日々報告される進捗情報をまとめ、問題が発生している作業とその影響範囲を調査し、すばやくその対策をとらなければ、スケジュールどおりにプロジェクトを終了させることが難しくなる。また、特定の作業における進捗状況や遅延状況を把握することはできるが、その作業に依存する他作業への影響まで容易に把握することはできないようなケースも知られている。
【0005】
本発明は前記課題を改善するためになされたもので、プロジェクト全体の進捗状況の把握を容易にし、作業遅延の問題が発生した場合、その作業と依存する作業の担当者に、問題が発生したことを確実に通知し、問題に対する対策を促すことで、遅延の見落としなどプロジェクト管理者によるミスをなくし、精度の高いプロジェクト管理方法および進捗管理装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、進捗情報収集装置によって収集された各作業の進捗情報を一元管理する進捗情報管理部と、作業定義(WBS情報)とその依存関係、開発対象の構成情報(コンポーネント情報)を管理するWBS管理部と、これら2つの管理部で管理された情報から進捗情報の分析を行う進捗情報分析装置を備えることで達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の進捗管理装置101のシステム構成図である。進捗管理装置101は、各作業の担当者が日々通知する進捗情報を収集する進捗情報収集装置102と、進捗情報収集装置102から収集された進捗情報104を管理する進捗情報管理部103と、各プロジェクトの作業定義であるWBS情報106と開発対象のコンポーネント情報107を管理するWBS管理部105と、進捗情報の分析と結果の通知、表示を行う進捗情報分析装置108から構成される。
【0008】
図2は進捗情報収集装置102が行う、進捗情報の収集方式の概要を示した図である。進捗情報収集装置102は、各工程の担当者201,202から進捗情報203,204を受け取り、プロジェクト管理者A205へ通知する。その後、進捗情報収集装置102は進捗情報管理部103に進捗情報の登録を依頼する。
【0009】
図3は、進捗情報管理部103における進捗情報104の管理方法を示した図である。進捗情報104は進捗情報定義301に示す通り、プロジェクト名302、作業名303、担当者304、予定進捗度305、進捗度306の項目を持ったレコードとして作業の進捗情報を管理する。たとえば、プロジェクト名が「A」で作業名が「内部仕様設計(B)」の担当者は「担当B」であり、予定進捗度つまり現在進んでいるべき進捗度が「70」であり、進捗度つまり現在の進捗度の実績が「70」となり、本作業は予定通りの進捗となっていることとなる。
【0010】
図4は、WBS管理部105におけるWBS情報106とコンポーネント情報107の管理方法を示した図である。WBS情報106は作業定義401と依存関係定義402の2つの表で管理する。作業定義401は作業名404と親作業405、コスト406の3つの列を持った表である。たとえば、作業名が「コーディング」の作業は親作業として「製造」があり、コストが「20」ということになる。依存関係定義402は作業名407と依存関係408の2つの列を持った表である。たとえば、作業名が「モジュールテスト(A)」の作業は「内部仕様設計(A)」と「コーティング(A)」の2つの作業に依存していることになる。コンポーネント情報107はコンポーネント定義403の表で管理する。コンポーネント定義403はコンポーネント名409と依存関係410の2つの列を持った表である。たとえば、コンポーネント名が「B」のコンポーネントは、コンポーネント「A」に依存し、コンポーネント「D」に依存されているということになる。
【0011】
以下、進捗管理装置101の処理の流れをフローチャートを使用して説明する。図5は、進捗情報収集装置102が進捗情報を処理する流れをあらわしたフローチャートである。進捗情報収集装置102は、各工程の担当者が日々の作業の進捗をプロジェクト管理者に報告する作業をワークフローとして管理する。まず、工程A1の担当者201と工程A2の担当者202が、それぞれ進捗情報A1203、進捗情報A2204を進捗情報収集装置102に入力する(ステップ501)。進捗情報収集装置102は、各担当者201,202によって入力された進捗情報203,204をまとめて進捗情報A206としてプロジェクト管理者A205に通知する(ステップ502)。プロジェクト管理者A205は、通知された進捗情報A206の内容を確認し、問題があれば修正をその担当者に依頼する(ステップ503)。プロジェクト管理者A205は、進捗情報A206に問題がなければ進捗情報収集装置102に対して進捗情報A206の登録を依頼する(ステップ504)。進捗情報収集装置102は、プロジェクト管理者A205から進捗情報A206の登録を依頼されると、その進捗情報A206を進捗情報管理部103に通知する(ステップ505)。
【0012】
図6は、進捗情報管理部103が進捗情報を管理する処理の流れをあらわしたフローチャートである。まず、進捗情報管理部103は、進捗情報収集装置102から進捗情報の通知を受け取る(ステップ601)。進捗情報管理部103は、通知された進捗情報よりプロジェクト名、作業名、進捗値を取得する(ステップ602)。次に、進捗情報管理部103は、WBS管理部105の作業定義401より、取得した作業名に等しい作業名404のコスト406を取得する(ステップ603)。進捗情報管理部103は、通知された進捗値と取得したコストから、下記数1をもちいて進捗度を計算する(ステップ604)。
進捗度=進捗値/コスト×100・・・(数1)
進捗情報管理部103は、数1によって算出された進捗度の値を、その進捗情報のプロジェクト名、作業名、とともに、進捗情報定義301に1つのレコードとして格納する605。次に、進捗情報管理部103は、WBS管理部105の作業定義401より該当作業の親作業405を取得する606。親作業が存在する場合は、以下の処理を実行する607。進捗情報管理部103はWBS管理部401の作業定義401より、同じ親作業405を持つ作業とそのコストを全て取得し608、進捗情報定義301より取得した作業全てについて、その進捗度を取得する609。進捗情報管理部103は、取得した作業とその進捗度、コストから下記数2をもちいて親作業の進捗度を計算する610。
親作業の進捗度=(各作業の進捗度×コスト/100の総和)/(各作業のコストの総和)×100・・・(数2)
進捗情報管理部103は、数2によって算出された進捗度の値を、その親作業の進捗情報定義301の進捗度306の値に上書きする。進捗情報管理部103は、通知された進捗情報について、進捗度が未計算の進捗情報が存在するか調べ612、全ての進捗情報について602から611の処理を実行する。これにより、通知された進捗情報全てについて、各作業と親作業の進捗情報が進捗情報定義301に格納される。最後に、進捗情報管理部103は、進捗情報分析装置108に進捗情報が更新されたことを通知する613。
【0013】
図7は、進捗情報分析装置108が進捗情報を分析する処理をあらわしたフローチャートである。まず、進捗情報分析装置108は、進捗情報管理部103より進捗情報の更新通知を受け取る701。進捗情報分析装置108は、進捗情報管理部103の進捗情報定義301より、更新された作業の予定進捗度305と進捗度306より、その作業および、前工程の作業、次工程の作業の工程遅延度をそれぞれ下記数3、数4、数5をもちいて計算する。
自工程遅延度=f(予定進捗度,進捗度)・・・(数3)
前工程遅延度=f(前工程の予定進捗度,前工程の進捗度)の総和・・・(数4)
次工程遅延度=f(次工程の予定進捗度,次工程の進捗度)の 総和・・・(数5)
ここで数3、数4、数5のfは工程遅延度の評価関数であり、プロジェクトの形態によって定義可能である。一般的なプロジェクトの場合の例を下記数6に示す。
f(x,y)=x−y・・・(数6)
この場合、予定進捗度と進捗度の差を工程遅延度として使用することとなる。進捗情報管理部103は、数3、数4、数5の結果を用いて、その作業の工程危険度を下記数7をもちいて計算する702。
工程危険度=g(自工程遅延度,前工程遅延度,次工程遅延度)・・・(数7)
ここで数7のgは工程危険度の評価関数であり、プロジェクトの形態によって定義可能である。一般的なプロジェクトの場合の例を下記数8に示す。
g(a,b,c)=αa+βb+γc・・・(数8)
数8のα、β、γは係数であり、この場合、自工程、前工程、次工程の各遅延度にα、β、γの重みをつけて和をとった値を工程危険度として使用することとなる。この工程危険度があらかじめプロジェクト毎に設定された閾値を越えた場合703、進捗情報分析装置108は、その作業の担当者とプロジェクト管理者に工程危険度を通知する704。次に、進捗情報分析装置108は、WBS管理部105の依存関係定義402より、更新された作業に依存する作業を全て取得する705。進捗情報分析装置108は、取得した依存作業について工程危険度を前述した702の処理と同様に計算する706。また、この工程危険度があらかじめプロジェクト毎に設定された閾値を越えた場合707、その依存作業の担当者とプロジェクト管理者に工程危険度を通知する708。進捗情報分析装置108は、705の処理で取得した依存作業すべての工程危険度の計算が終了しているか調べ709、未計算のものについて706から708の処理を実行する。全ての依存作業の工程危険度の計算と通知が終了したら、進捗情報分析装置108は処理を終了する。
【0014】
図8は、進捗情報分析装置108の表示処理における応用例を示した図である。進捗情報管理部103で管理されている進捗情報104と、WBS管理部105で管理されているWBS情報106、コンポーネント情報107を関連付けて、現在のプロジェクト全体の進捗情報を3次元の棒グラフ803で表示したものである。縦軸801にはWBS管理部105で管理されているWBS情報106の作業名404とし、横軸802にはWBS管理部105で管理されているコンポーネント情報107のコンポーネント名409とし、垂直方向に書く作業の進捗度とする。このようなグラフを表示することで、横方向で見れば、コンポーネント毎の同一作業の進捗度とその合計が、縦方向で見れば、あるコンポーネントにおける各作業の進捗とその合計が容易に把握できる。
【0015】
【発明の効果】
以上本発明によれば、各作業の依存関係と、日々通知される進捗情報を管理することで、プロジェクト管理者の進捗管理のコストを低減し、問題が発生した作業とその影響範囲を確実に検出することが可能となり、結果として高品質なプロジェクトの進捗管理の実現を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】進捗管理装置の全体の構成図である。
【図2】進捗情報収集装置の概要をあらわす図である。
【図3】進捗情報管理部で管理される進捗情報のデータ形式の図である。
【図4】WBS管理部で管理されるWBS情報とコンポーネント情報のデータ形式の図である。
【図5】進捗情報収集装置が進捗情報を収集する処理をあらわすフローチャート図である。
【図6】進捗情報管理部の処理をあらわすフローチャート図である。
【図7】進捗情報分析装置の処理をあらわすフローチャート図である。
【図8】進捗情報分析装置によって表示される進捗情報表示の応用例をあらわす図である。
【符号の説明】
101:進捗管理装置
102:進捗情報収集装置
103:進捗情報管理部
104:進捗情報
105:WBS管理部
106:WBS情報
107:コンポーネント情報
108:進捗情報分析装置
201,202:工程の担当者
203,204,206:進捗情報
205:プロジェクト管理者
301:進捗情報定義
302:プロジェクト名の列
303,404,407:作業名の列
304:担当者の列
305:予定進捗度の列
306:進捗度の列
401:作業定義
402:依存関係定義
403:コンポーネント定義
405:親作業の列
406:コストの列
408,410:依存関係の列
409:コンポーネント名の列
801:作業の軸
802:開発項目の軸
803:進捗状況のグラフ
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクト管理において、プロジェクトの進捗情報の管理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクトの進捗管理において、そのプロジェクトで行う作業をWBS(WorkBreakdown Structure)として定義し、各作業の進捗度を日々入力することで、プロジェクト全体の進捗度を管理することは、一般的に行われている。また特開2002−14811号に開示されているような、プロジェクトにおいてあらかじめ定義された生成物と、実際に生成された生成物の差から、現在の進捗状況と今後の作業見積もりを容易にするシステムが知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−14811号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
各作業には担当者が存在し、日々の進捗状況をプロジェクト管理者に報告する。このプロジェクトで開発すべき対象(コンポ−ネント)の構成によっては、各作業には依存関係が存在し、ある作業で作業遅延が発生した場合に依存する作業への影響を考慮しなければならない。このようにプロジェクト管理者は、日々報告される進捗情報をまとめ、問題が発生している作業とその影響範囲を調査し、すばやくその対策をとらなければ、スケジュールどおりにプロジェクトを終了させることが難しくなる。また、特定の作業における進捗状況や遅延状況を把握することはできるが、その作業に依存する他作業への影響まで容易に把握することはできないようなケースも知られている。
【0005】
本発明は前記課題を改善するためになされたもので、プロジェクト全体の進捗状況の把握を容易にし、作業遅延の問題が発生した場合、その作業と依存する作業の担当者に、問題が発生したことを確実に通知し、問題に対する対策を促すことで、遅延の見落としなどプロジェクト管理者によるミスをなくし、精度の高いプロジェクト管理方法および進捗管理装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、進捗情報収集装置によって収集された各作業の進捗情報を一元管理する進捗情報管理部と、作業定義(WBS情報)とその依存関係、開発対象の構成情報(コンポーネント情報)を管理するWBS管理部と、これら2つの管理部で管理された情報から進捗情報の分析を行う進捗情報分析装置を備えることで達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の進捗管理装置101のシステム構成図である。進捗管理装置101は、各作業の担当者が日々通知する進捗情報を収集する進捗情報収集装置102と、進捗情報収集装置102から収集された進捗情報104を管理する進捗情報管理部103と、各プロジェクトの作業定義であるWBS情報106と開発対象のコンポーネント情報107を管理するWBS管理部105と、進捗情報の分析と結果の通知、表示を行う進捗情報分析装置108から構成される。
【0008】
図2は進捗情報収集装置102が行う、進捗情報の収集方式の概要を示した図である。進捗情報収集装置102は、各工程の担当者201,202から進捗情報203,204を受け取り、プロジェクト管理者A205へ通知する。その後、進捗情報収集装置102は進捗情報管理部103に進捗情報の登録を依頼する。
【0009】
図3は、進捗情報管理部103における進捗情報104の管理方法を示した図である。進捗情報104は進捗情報定義301に示す通り、プロジェクト名302、作業名303、担当者304、予定進捗度305、進捗度306の項目を持ったレコードとして作業の進捗情報を管理する。たとえば、プロジェクト名が「A」で作業名が「内部仕様設計(B)」の担当者は「担当B」であり、予定進捗度つまり現在進んでいるべき進捗度が「70」であり、進捗度つまり現在の進捗度の実績が「70」となり、本作業は予定通りの進捗となっていることとなる。
【0010】
図4は、WBS管理部105におけるWBS情報106とコンポーネント情報107の管理方法を示した図である。WBS情報106は作業定義401と依存関係定義402の2つの表で管理する。作業定義401は作業名404と親作業405、コスト406の3つの列を持った表である。たとえば、作業名が「コーディング」の作業は親作業として「製造」があり、コストが「20」ということになる。依存関係定義402は作業名407と依存関係408の2つの列を持った表である。たとえば、作業名が「モジュールテスト(A)」の作業は「内部仕様設計(A)」と「コーティング(A)」の2つの作業に依存していることになる。コンポーネント情報107はコンポーネント定義403の表で管理する。コンポーネント定義403はコンポーネント名409と依存関係410の2つの列を持った表である。たとえば、コンポーネント名が「B」のコンポーネントは、コンポーネント「A」に依存し、コンポーネント「D」に依存されているということになる。
【0011】
以下、進捗管理装置101の処理の流れをフローチャートを使用して説明する。図5は、進捗情報収集装置102が進捗情報を処理する流れをあらわしたフローチャートである。進捗情報収集装置102は、各工程の担当者が日々の作業の進捗をプロジェクト管理者に報告する作業をワークフローとして管理する。まず、工程A1の担当者201と工程A2の担当者202が、それぞれ進捗情報A1203、進捗情報A2204を進捗情報収集装置102に入力する(ステップ501)。進捗情報収集装置102は、各担当者201,202によって入力された進捗情報203,204をまとめて進捗情報A206としてプロジェクト管理者A205に通知する(ステップ502)。プロジェクト管理者A205は、通知された進捗情報A206の内容を確認し、問題があれば修正をその担当者に依頼する(ステップ503)。プロジェクト管理者A205は、進捗情報A206に問題がなければ進捗情報収集装置102に対して進捗情報A206の登録を依頼する(ステップ504)。進捗情報収集装置102は、プロジェクト管理者A205から進捗情報A206の登録を依頼されると、その進捗情報A206を進捗情報管理部103に通知する(ステップ505)。
【0012】
図6は、進捗情報管理部103が進捗情報を管理する処理の流れをあらわしたフローチャートである。まず、進捗情報管理部103は、進捗情報収集装置102から進捗情報の通知を受け取る(ステップ601)。進捗情報管理部103は、通知された進捗情報よりプロジェクト名、作業名、進捗値を取得する(ステップ602)。次に、進捗情報管理部103は、WBS管理部105の作業定義401より、取得した作業名に等しい作業名404のコスト406を取得する(ステップ603)。進捗情報管理部103は、通知された進捗値と取得したコストから、下記数1をもちいて進捗度を計算する(ステップ604)。
進捗度=進捗値/コスト×100・・・(数1)
進捗情報管理部103は、数1によって算出された進捗度の値を、その進捗情報のプロジェクト名、作業名、とともに、進捗情報定義301に1つのレコードとして格納する605。次に、進捗情報管理部103は、WBS管理部105の作業定義401より該当作業の親作業405を取得する606。親作業が存在する場合は、以下の処理を実行する607。進捗情報管理部103はWBS管理部401の作業定義401より、同じ親作業405を持つ作業とそのコストを全て取得し608、進捗情報定義301より取得した作業全てについて、その進捗度を取得する609。進捗情報管理部103は、取得した作業とその進捗度、コストから下記数2をもちいて親作業の進捗度を計算する610。
親作業の進捗度=(各作業の進捗度×コスト/100の総和)/(各作業のコストの総和)×100・・・(数2)
進捗情報管理部103は、数2によって算出された進捗度の値を、その親作業の進捗情報定義301の進捗度306の値に上書きする。進捗情報管理部103は、通知された進捗情報について、進捗度が未計算の進捗情報が存在するか調べ612、全ての進捗情報について602から611の処理を実行する。これにより、通知された進捗情報全てについて、各作業と親作業の進捗情報が進捗情報定義301に格納される。最後に、進捗情報管理部103は、進捗情報分析装置108に進捗情報が更新されたことを通知する613。
【0013】
図7は、進捗情報分析装置108が進捗情報を分析する処理をあらわしたフローチャートである。まず、進捗情報分析装置108は、進捗情報管理部103より進捗情報の更新通知を受け取る701。進捗情報分析装置108は、進捗情報管理部103の進捗情報定義301より、更新された作業の予定進捗度305と進捗度306より、その作業および、前工程の作業、次工程の作業の工程遅延度をそれぞれ下記数3、数4、数5をもちいて計算する。
自工程遅延度=f(予定進捗度,進捗度)・・・(数3)
前工程遅延度=f(前工程の予定進捗度,前工程の進捗度)の総和・・・(数4)
次工程遅延度=f(次工程の予定進捗度,次工程の進捗度)の 総和・・・(数5)
ここで数3、数4、数5のfは工程遅延度の評価関数であり、プロジェクトの形態によって定義可能である。一般的なプロジェクトの場合の例を下記数6に示す。
f(x,y)=x−y・・・(数6)
この場合、予定進捗度と進捗度の差を工程遅延度として使用することとなる。進捗情報管理部103は、数3、数4、数5の結果を用いて、その作業の工程危険度を下記数7をもちいて計算する702。
工程危険度=g(自工程遅延度,前工程遅延度,次工程遅延度)・・・(数7)
ここで数7のgは工程危険度の評価関数であり、プロジェクトの形態によって定義可能である。一般的なプロジェクトの場合の例を下記数8に示す。
g(a,b,c)=αa+βb+γc・・・(数8)
数8のα、β、γは係数であり、この場合、自工程、前工程、次工程の各遅延度にα、β、γの重みをつけて和をとった値を工程危険度として使用することとなる。この工程危険度があらかじめプロジェクト毎に設定された閾値を越えた場合703、進捗情報分析装置108は、その作業の担当者とプロジェクト管理者に工程危険度を通知する704。次に、進捗情報分析装置108は、WBS管理部105の依存関係定義402より、更新された作業に依存する作業を全て取得する705。進捗情報分析装置108は、取得した依存作業について工程危険度を前述した702の処理と同様に計算する706。また、この工程危険度があらかじめプロジェクト毎に設定された閾値を越えた場合707、その依存作業の担当者とプロジェクト管理者に工程危険度を通知する708。進捗情報分析装置108は、705の処理で取得した依存作業すべての工程危険度の計算が終了しているか調べ709、未計算のものについて706から708の処理を実行する。全ての依存作業の工程危険度の計算と通知が終了したら、進捗情報分析装置108は処理を終了する。
【0014】
図8は、進捗情報分析装置108の表示処理における応用例を示した図である。進捗情報管理部103で管理されている進捗情報104と、WBS管理部105で管理されているWBS情報106、コンポーネント情報107を関連付けて、現在のプロジェクト全体の進捗情報を3次元の棒グラフ803で表示したものである。縦軸801にはWBS管理部105で管理されているWBS情報106の作業名404とし、横軸802にはWBS管理部105で管理されているコンポーネント情報107のコンポーネント名409とし、垂直方向に書く作業の進捗度とする。このようなグラフを表示することで、横方向で見れば、コンポーネント毎の同一作業の進捗度とその合計が、縦方向で見れば、あるコンポーネントにおける各作業の進捗とその合計が容易に把握できる。
【0015】
【発明の効果】
以上本発明によれば、各作業の依存関係と、日々通知される進捗情報を管理することで、プロジェクト管理者の進捗管理のコストを低減し、問題が発生した作業とその影響範囲を確実に検出することが可能となり、結果として高品質なプロジェクトの進捗管理の実現を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】進捗管理装置の全体の構成図である。
【図2】進捗情報収集装置の概要をあらわす図である。
【図3】進捗情報管理部で管理される進捗情報のデータ形式の図である。
【図4】WBS管理部で管理されるWBS情報とコンポーネント情報のデータ形式の図である。
【図5】進捗情報収集装置が進捗情報を収集する処理をあらわすフローチャート図である。
【図6】進捗情報管理部の処理をあらわすフローチャート図である。
【図7】進捗情報分析装置の処理をあらわすフローチャート図である。
【図8】進捗情報分析装置によって表示される進捗情報表示の応用例をあらわす図である。
【符号の説明】
101:進捗管理装置
102:進捗情報収集装置
103:進捗情報管理部
104:進捗情報
105:WBS管理部
106:WBS情報
107:コンポーネント情報
108:進捗情報分析装置
201,202:工程の担当者
203,204,206:進捗情報
205:プロジェクト管理者
301:進捗情報定義
302:プロジェクト名の列
303,404,407:作業名の列
304:担当者の列
305:予定進捗度の列
306:進捗度の列
401:作業定義
402:依存関係定義
403:コンポーネント定義
405:親作業の列
406:コストの列
408,410:依存関係の列
409:コンポーネント名の列
801:作業の軸
802:開発項目の軸
803:進捗状況のグラフ
Claims (5)
- 各作業担当者によって日々通知される進捗情報を進捗情報管理情報に記憶し、そのプロジェクトの開発する作業定義である作業定義情報と開発対象のコンポーネント情報を作業定義管理情報として記憶し、上記進捗情報管理情報と上記作業定義管理情報を入力して進捗情報を評価関数によって分析し、その結果をその作業に予め対応付けられた作業に依存する作業の担当者とプロジェクト管理者に通知することを特徴とするプロジェクト管理方法。
- 前記管理された進捗情報と、前記作業定義情報やコンポーネント情報の依存関係から、各作業の遅延状況の指標である工程危険度を評価関数によって計算し、設定された閾値を越えた場合、上記作業および該作業に依存する作業の担当者とプロジェクト管理者に遅延の警告を通知することを特徴とする請求項2記載のプロジェクト管理方法
- 前記作業定義情報やコンポーネント情報の依存関係と、前記管理された進捗情報から、プロジェクト全体の進捗状況を作業と開発項目の2つの軸を用いてもちいて表示することを特徴とする請求項2記載のプロジェクト管理方法。
- 各作業担当者によって日々通知される進捗情報を進捗情報管理情報に記憶し、そのプロジェクトの開発する作業定義である作業定義情報と開発対象のコンポーネント情報を作業定義管理情報として記憶する手段と、上記進捗情報管理情報と上記作業定義管理情報を入力して進捗情報を評価関数によって分析する手段と、その結果をその作業に予め対応付けられた作業に依存する作業の担当者とプロジェクト管理者に通知手段とを備えたことを特徴とする進捗管理装置。
- プロジェクトの進捗情報を収集する進捗情報収集手段と、収集された進捗情報を管理する進捗情報管理手段と、プロジェクトの作業定義管理情報と開発対象の構成情報を管理する作業定義管理手段と、上記進捗情報収集手段と上記作業定義管理手段で管理された情報から、そのプロジェクトの進捗情報の分析結果の表示と通知を行う進捗情報分析手段とを備えることを特徴とする進捗管理装置
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