JP2004183423A - 外断熱構造における外装材固定構造 - Google Patents
外断熱構造における外装材固定構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004183423A JP2004183423A JP2002354874A JP2002354874A JP2004183423A JP 2004183423 A JP2004183423 A JP 2004183423A JP 2002354874 A JP2002354874 A JP 2002354874A JP 2002354874 A JP2002354874 A JP 2002354874A JP 2004183423 A JP2004183423 A JP 2004183423A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wall
- floor
- base material
- skeleton
- decorative
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000000463 material Substances 0.000 title claims abstract description 333
- 229920003002 synthetic resin Polymers 0.000 claims abstract description 23
- 239000000057 synthetic resin Substances 0.000 claims abstract description 23
- 239000011449 brick Substances 0.000 claims abstract description 9
- 238000009413 insulation Methods 0.000 claims description 14
- 238000000034 method Methods 0.000 claims description 11
- 239000002023 wood Substances 0.000 claims description 7
- 238000009408 flooring Methods 0.000 abstract 1
- 238000010276 construction Methods 0.000 description 14
- 238000003780 insertion Methods 0.000 description 12
- 230000037431 insertion Effects 0.000 description 12
- 239000004570 mortar (masonry) Substances 0.000 description 8
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 7
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 7
- 239000000853 adhesive Substances 0.000 description 6
- 230000001070 adhesive effect Effects 0.000 description 6
- 239000002537 cosmetic Substances 0.000 description 5
- 230000000694 effects Effects 0.000 description 5
- 238000009418 renovation Methods 0.000 description 5
- 230000003068 static effect Effects 0.000 description 5
- WSFSSNUMVMOOMR-UHFFFAOYSA-N Formaldehyde Chemical compound O=C WSFSSNUMVMOOMR-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 3
- 238000009434 installation Methods 0.000 description 3
- 239000011810 insulating material Substances 0.000 description 3
- 238000009423 ventilation Methods 0.000 description 3
- XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N Iron Chemical compound [Fe] XEEYBQQBJWHFJM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 2
- 230000005494 condensation Effects 0.000 description 2
- 238000009833 condensation Methods 0.000 description 2
- 238000005304 joining Methods 0.000 description 2
- 239000000758 substrate Substances 0.000 description 2
- 239000004604 Blowing Agent Substances 0.000 description 1
- 239000004215 Carbon black (E152) Substances 0.000 description 1
- 239000004793 Polystyrene Substances 0.000 description 1
- 229910000831 Steel Inorganic materials 0.000 description 1
- 230000032683 aging Effects 0.000 description 1
- 238000003287 bathing Methods 0.000 description 1
- 239000011324 bead Substances 0.000 description 1
- 238000005452 bending Methods 0.000 description 1
- 239000001273 butane Substances 0.000 description 1
- 238000005520 cutting process Methods 0.000 description 1
- 238000009826 distribution Methods 0.000 description 1
- 238000005553 drilling Methods 0.000 description 1
- 238000009422 external insulation Methods 0.000 description 1
- 239000006260 foam Substances 0.000 description 1
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 1
- 229930195733 hydrocarbon Natural products 0.000 description 1
- 150000002430 hydrocarbons Chemical class 0.000 description 1
- 229910052742 iron Inorganic materials 0.000 description 1
- 239000007769 metal material Substances 0.000 description 1
- IJDNQMDRQITEOD-UHFFFAOYSA-N n-butane Chemical compound CCCC IJDNQMDRQITEOD-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- OFBQJSOFQDEBGM-UHFFFAOYSA-N n-pentane Natural products CCCCC OFBQJSOFQDEBGM-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 239000003973 paint Substances 0.000 description 1
- 239000002245 particle Substances 0.000 description 1
- 230000035699 permeability Effects 0.000 description 1
- 239000004033 plastic Substances 0.000 description 1
- 229920002223 polystyrene Polymers 0.000 description 1
- 229920006327 polystyrene foam Polymers 0.000 description 1
- 208000008842 sick building syndrome Diseases 0.000 description 1
- 239000011122 softwood Substances 0.000 description 1
- 239000010959 steel Substances 0.000 description 1
- 230000035882 stress Effects 0.000 description 1
- 239000000126 substance Substances 0.000 description 1
- -1 tile Substances 0.000 description 1
Images
Landscapes
- Building Environments (AREA)
- Finishing Walls (AREA)
Abstract
【課題】火災等によって断熱層が焼失されたとしても化粧用外壁材・化粧用外床材を外壁・床下地材から脱落・離脱されないようにする。
【解決手段】躯体壁B面に固着する断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1と、煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外壁材11と、化粧用外壁材11を外壁下地材1に掛架保持して上下方向に隣接配置すべく当該外壁下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置した掛架支持部材21とを備え、躯体壁B面に対し掛架支持部材21を間接的に固定する固定手段Qを備える。固定手段Qは、外壁・床下地材表面に凹設形成した深溝部2に嵌合配置して掛架支持部材21を掛架可能にした支持当て部材5と、当該支持当て部材5、躯体壁B面・床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持して締結固定する第1の締結手段8とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】躯体壁B面に固着する断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1と、煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外壁材11と、化粧用外壁材11を外壁下地材1に掛架保持して上下方向に隣接配置すべく当該外壁下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置した掛架支持部材21とを備え、躯体壁B面に対し掛架支持部材21を間接的に固定する固定手段Qを備える。固定手段Qは、外壁・床下地材表面に凹設形成した深溝部2に嵌合配置して掛架支持部材21を掛架可能にした支持当て部材5と、当該支持当て部材5、躯体壁B面・床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持して締結固定する第1の締結手段8とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は主として一般家屋の構築時における躯体壁・床等を形成するに際し、躯体壁・床等の下地構造材として使用され、躯体壁・床への簡易な固定、隣接配置の施工の容易性等が得られる外断熱構造における外装材固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築構造物用の躯体壁としては、金属製帯板の長手方向に沿って等間隔に複数の切り起こし屈曲状の傾斜片を設け、この金属製帯板の基部背面側をコンクリートモルタル材製による外壁・床下地材に止着させると共に、化粧用外壁材である羽目板の裏面中程に形成した長手方向傾斜溝に前記傾斜片を挿入し、且つ羽目板相互を長手方向凹凸条で係合することで化粧用外壁が形成される方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、建築構造物用の床としては、金属製帯板の長手方向に沿って屈曲して水平部および斜上向部を形成して当該水平部を床面に止着し、化粧用外床材である羽目板の下面に形成した斜上向溝に前記斜上向部を嵌合して羽目板の下面を前記水平部の上面で支持する方式がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−30782号公報
【特許文献2】
特開2002−276134号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこうした化粧用外壁材を外壁下地材の表面に固定する場合、金属製帯板の基部背面側をコンクリートモルタル材製による外壁・床下地材に対し、断熱材を介設させずに直接止着させており、また化粧用外床材を床下地材の表面に固定する場合でも、金属製帯板の水平部背面側を床面に対し、断熱材を介設させずに直接止着しているため、金属製帯板、外壁下地材相互間において断熱性が確保できず、しかも金属製帯板、化粧用外壁材相互間において通気性も確保できないものとなり、断熱層が建築構造体よりも外側にあり、且つ通気層を確保して結露を発生させないという外断熱効果が何等発揮できない構造である。
【0006】
特にリフォーム施工時には、接着剤によって強固に固着されている化粧用外壁材・化粧用外床材を躯体壁面・床面からドリル等で剥離・破壊しなければならず、かなりの時間と労働力とを要するものであった。
【0007】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、化粧用外壁材・化粧用外床材を外壁・床下地材に支持している掛架支持部材と、当該外壁・床下地材との間に断熱層、通気層それぞれを付与して外断熱効果を十分に発揮できるようにすると共に、化粧用外壁材・化粧用外床材を外壁・床下地材に支持している掛架支持部材自体を当該外壁・床下地材にしっかりと固定されることで、例えば火災等によって断熱層が焼失されたとしても化粧用外壁材・化粧用外床材を外壁・床下地材から脱落・離脱されないようにし、また施工後の美麗な状態を長期に亙って維持でき、特にリフォーム施工時における躯体壁面・躯体床面に対する取り付け、その連続する隣接施工も容易で簡単に取り扱うことができる体裁が良好で且つ安価な外断熱構造における外装材固定構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため本発明にあっては、躯体壁B面に固着される断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1と、煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外壁材11と、化粧用外壁材11を外壁下地材1に掛架保持させて上下方向に隣接配置すべく当該外壁下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置させた掛架支持部材21とを備え、躯体壁B面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させる固定手段Qを備えたものである。
また、躯体床面に固着される断熱性を有する発泡合成樹脂材製の床下地材と、タイル・床材、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外床材と、化粧用外床材を床下地材に掛架保持させて水平方向に隣接配置すべく当該床下地材表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように水平方向に離間配置させた掛架支持部材21とを備え、躯体床面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させる固定手段Qを備えたものである。
固定手段Qは、外壁・床下地材表面に前記浅溝部3よりも深く凹設形成された深溝部2と、深溝部2に嵌合配置させて外壁・床下地材表面と面一構造と成して前記掛架支持部材21を掛架可能にした支持当て部材5と、当該支持当て部材5、躯体壁B面・床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させ、当該支持当て部材5と躯体壁B面・床面とを締結固定する第1の締結手段8とを備えたものとできる。
支持当て部材5、躯体壁B面・床面相互間における外壁・床下地材の深溝底部中央には、当該底部の幅員よりも小さな支持当て副部材6を配置させて当該支持当て副部材6、躯体壁B面・床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させ、当該支持当て副部材6と躯体壁B面・床面とを第2の締結手段9によって締結固定すると共に、支持当て部材5、支持当て副部材6相互間に断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地副部材7を介装配置させたものとできる。
第1の締結手段8、第2の締結手段9それぞれは、相互に干渉しない位置に設けられるものとでき、また外壁・床下地材には、縦長の浅溝部3を形成し、外壁・床下地材に挿入配置されている掛架支持部材21の端部と浅溝部3の奥部面との間に隙間を設けたものとできる。
躯体柱材に固着されるELC工法による断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1と、木材等の外装材による化粧用外壁材11と、化粧用外壁材11を外壁下地材1に掛架保持させて上下方向に隣接配置すべく当該外壁下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置させた掛架支持部材21とを備えたものとできる。
【0009】
以上のように構成された本発明に係る外断熱構造における外装材固定構造にあって、断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となって配置された掛架支持部材21は、煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外壁材11を外壁下地材1に対して確実に掛架固定させ、外壁下地材1からの化粧用外壁材11自体の脱落を阻止させる。このとき躯体壁B面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させる固定手段Qは、例えば火災等によって外壁下地材1による断熱層が焼失されたとしても化粧用外壁材11を外壁下地材1から脱落させずに保持可能にさせ、しかも外壁下地材1自体に付与される化粧用外壁材11による静的荷重等に伴なう座屈等を阻止させる。
また、断熱性を有する発泡合成樹脂材製の床下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となって配置された掛架支持部材21は、煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外床材11を床下地材1に対して確実に掛架固定させ、床下地材1からの化粧用外床材11自体の剥離を阻止させる。このとき躯体床面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させる固定手段Qは、例えば火災等によって床下地材1による断熱層が焼失されたとしても化粧用外床材を床下地材から離脱させずに保持可能にさせ、しかも床下地材1自体に付与される化粧用外床材11による静的荷重等に伴なう座屈等を阻止させる。
固定手段Qにおける支持当て部材5は、外壁・床下地材表面に前記浅溝部3よりも深く凹設形成された深溝部2に嵌合されて当該支持当て部材5、躯体壁B面・躯体床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させた状態となった際に、外壁・床下地材表面と面一構造となって配置され、当該支持当て部材5と躯体壁B面・躯体床面とを第1の締結手段8によって締結固定させることにより、躯体壁B面・躯体床面に固定された支持当て部材5を介して掛架支持部材21を躯体壁B面・躯体床面に間接的に固定させる。
支持当て部材5、躯体壁B面・床面相互間における外壁・床下地材の深溝底部中央に配置された支持当て副部材6は、当該支持当て副部材6、躯体壁B面・躯体床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させ、当該支持当て副部材6と躯体壁B面・躯体床面とを第2の締結手段9によって締結固定させ、支持当て部材5、支持当て副部材6相互間に断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地副部材7を介装配置させることにより、躯体壁B面・躯体床面に固定された支持当て部材5および支持当て副部材6を介して掛架支持部材21を躯体壁B面・躯体床面に間接的に固定させる。
総じて、外壁・床下地材1自体に対し突出方向が仰角傾斜状となるように離間配置させた掛架支持部材21は、躯体壁B面・躯体床面のリフォーム施工に際し、断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁・床下地材1の簡易な付設作業を可能にさせると共に、固定手段Qにより躯体壁B面・躯体床面からの外壁・床下地材1自体の脱落・剥離を阻止させる。これによって外壁・床下地材1自体に付与される化粧用外壁材11・化粧用外床材11による静的荷重等に伴なう座屈等を阻止させる。
外壁・床下地材1に挿入配置されている掛架支持部材21の端部と浅溝部3の奥部面との間に設けた隙間は、外壁・床下地材1と化粧用外壁材11との間に縦長の空気流通層Pを形成させ、室内の湿気を外部へ排出可能にさせる。
躯体柱材に固着されるELC工法による断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1は、仰角傾斜状の掛架支持部材21を介して木材等の外装材による化粧用外壁材11を外壁下地材1に掛架させることで、躯体柱材に対する化粧用外壁材11の組み付けを容易にさせ、しかも躯体柱材に対する化粧用外壁材11の解体撤去も容易にさせる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、図1乃至図5において示される第1の実施の形態における符号1は断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材であり、建築構造物として構築される躯体壁B面に固着されるに必要な肉厚、高さ、幅員等を備えた例えば高さが1800mm、幅員が900mmの略矩形板状に形成される。図1に示すように、この外壁下地材1においての躯体壁B面に取り付け固定後における外壁下地材1表面には、鉛直方向に沿って複数列に離間配置した状態に断面略コ字形状の浅溝部3を配列形成してある。
【0011】
尚、以下の実施の形態においては、例えば煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外壁材11を外壁下地材1を介して躯体壁B面に取り付ける施工について説明しているが、これ以外に、例えばタイル・床材、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外床材を断熱性の床下地材1を介して躯体床面に取り付ける施工にも応用できることは勿論である。
【0012】
また、図2に示すように、外壁下地材1の左右両端側には、躯体壁B面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させるための固定手段Qを備えている。すなわちこの固定手段Qは、互いに隣接配置される外壁下地材1の端部それぞれに対し奥行きの深い段差を形成し、躯体壁B面に取り付け固定に際し、外壁下地材1端部の段差同士を合致接合することで、前記浅溝部3よりも深い略コ字型凹状の深溝部2が形成される。そして、この深溝部2内の接合部中央には、当該深溝部2底部の横幅員よりも幅の小さな例えば木製棒状の支持当て副部材6を当てがってから、例えばネジ釘等の第2の締結手段9により締結固定して当該支持当て副部材6、躯体壁B面相互間に外壁下地材1の深溝部2底部を挟持させてある。
【0013】
さらにこの支持当て副部材6を覆うようにして深溝部2内部に断面コ字型の望ましくは断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地副部材7を嵌合させておいてからこの上に、後述する掛架支持部材21を掛架可能にした支持当て部材5を外壁下地材1表面と面一構造となるように嵌合配置させ、その後、例えばネジ釘等の第1の締結手段8により締結固定することで当該支持当て部材5、支持当て副部材6相互間に外壁下地副部材7を挟持固定させてある。このとき、図4に示すように、第1の締結手段8、第2の締結手段9それぞれは、相互に干渉しない位置に設けられる。
【0014】
尚、固定手段Qは、外壁下地材1表面に前記浅溝部3よりも深く凹設形成された深溝部2に対し、当該深溝部2の深さと同じ奥行き長さを備え、且つ掛架支持部材21を掛架可能にした支持当て部材5を嵌合配置させて外壁下地材1表面と面一構造と成し、当該支持当て部材5、躯体壁B面相互間に外壁下地材1の深溝底部を挟持させ、当該支持当て部材5と躯体壁B面とを第1の締結手段8によって締結固定させた構造としても良い。
【0015】
そして外壁下地材1、支持当て部材5それぞれの表面には、複数の浅溝部3相互間に跨がるようにして斜下方向に沿ってスリット状の挿入部4を上下方向に離間配置させてあり、この上下方向に配列した挿入部4それぞれに例えば一枚構造、もしくは複数枚が積層した補強された構造の鉄板・鋼板等の帯板状剛性部材によって形成されている掛架支持部材21を挿入固定し、外壁下地材1表面からの掛架支持部材21の突出方向が仰角傾斜状となるように配置させてある。
【0016】
外壁下地材1、支持当て部材5それぞれの表面の挿入部4に取り付けられた掛架支持部材21の突出部位には例えば煉瓦・タイル・サイデイング等の化粧用外壁材11を掛架保持させるようにしてある。すなわち外壁下地材1、支持当て部材5それぞれの表面に接合する化粧用外壁材11の裏面には、外壁下地材1表面から斜上方向に突出配置されている掛架支持部材21が挿入されて自体を掛架保持するために裏面から斜上方向に沿って穿設された掛架用挿入部12が形成されている。このとき外壁下地材1における縦長の浅溝部3の奥面部と、外壁下地材1に挿入配置される掛架支持部材21の端部との間に若干隙間が形成されるように挿入部4の深さを適宜設定してあり、これにより外壁下地材1と化粧用外壁材11との間に縦長の空気流通層Pを形成してある。
【0017】
この化粧用外壁材11の上下の端縁面夫々には、隣接配置される化粧用外壁材11相互を噛み合い状に結合するために断面で略L字形を呈する噛み合い突部が、隣接する同士のものでは互いに逆向きにして設けてあっても良い。このとき上側の噛み合い突部の長さは、下側の噛み合い突部の長さよりも若干長くしてあり、化粧用外壁材11を外壁下地材1に順次掛架保持させて上下方向に隣接配置した際には化粧用外壁材11相互間に凹状の隙間が形成されこの隙間に目地モルタル材を充填して当該隙間を閉塞すべく成してある。したがって隣接する化粧用外壁材11が噛み合い突部を介して結合されたとき化粧用外壁材11同士での面夫々は段差が生じていない同一面を呈する。
【0018】
尚、図示を省略したが、この外壁下地材1は各種の外装材等を貼付する下地処理構造としての使用を可能にする。また、構築された躯体壁Bの表面で施される外壁下地材1と化粧用外壁材11との付着一体性を図るために必要に応じて外壁下地材1表面にコンクリートモルタル材等を塗布しても良い。さらに、外壁下地材1自体によって躯体壁Bを構築することも可能である。すなわち構築後の躯体壁Bの表面に外壁下地材1を取り付け固着したり、外壁下地材1自体を立枠配置して壁体自体としたりすると共に、屋外側で煉瓦・タイル・サイデイング等の化粧用外壁材11を掛架支持部材21によって固定する場合の外壁下地材1面ではコンクリートモルタル材を、必要があればラス金網材を配置した後に化粧用外壁材11を掛架施工する。また図示を省略したが、屋内側に位置される外壁下地材1における屋内側面で石膏ボードその他の各種の内装材を貼付する場合、外壁下地材1における屋内側面で木材、プラスチック材、金属材等の棒材状の各種の下地材を嵌め入れるようにした嵌め入れ溝等を形成することもできる。
【0019】
外壁下地材1表面における挿入部4や浅溝部3、さらには外壁下地副部材7等の加工は、例えば加工すべき素材である発泡合成樹脂材の外壁下地材1、外壁下地副部材7の平面の前後あるいは左右で架け渡した電熱線を表面から押入れて切断することで形成する。またこれらの挿入部4や浅溝部3等自体の配置、形状等は上記の説明例、図示例のものに限らないことは勿論であり、要は、外壁下地材1自体が躯体壁B表面に固着使用されるときの座屈等が防止されるものとなっていれば良い。
【0020】
次に以上のように構成された実施の形態における使用の一例を説明するに、例えば一般住宅として構築すべき建築構造物においての壁体壁面Bに外壁下地材1自体を固定手段Qによって連続配置する。このとき躯体壁B面に取り付け固定に際し、外壁下地材1端部の段差同士を合致接合することで、浅溝部3よりも深い略コ字型凹状の深溝部2が形成される。そして、この深溝部2内の接合部中央に例えば木製棒状の支持当て副部材6を当てがってから、例えばネジ釘等の第2の締結手段9により締結固定して当該支持当て副部材6、躯体壁B面相互間に外壁下地材1の深溝部2底部を挟持固定させておく。
【0021】
さらにこの支持当て副部材6を覆うようにして深溝部2内部に断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地副部材7を嵌合させておいてからこの上に、掛架支持部材21を掛架可能にした支持当て部材5を外壁下地材1表面と面一構造となるように嵌合配置させ、例えばネジ釘等の第1の締結手段8により締結固定することで当該支持当て部材5、支持当て副部材6相互間に外壁下地副部材7を挟持固定させておく。そして外壁下地材1表面に縦長に形成した複数の浅溝部3相互間に跨がるようにして斜下方向に沿って穿設形成したスリット状の挿入部4、および支持当て部材5表面に斜下方向に沿って穿設形成したスリット状の挿入部4それぞれに例えば一枚構造、もしくは複数枚が積層した補強された構造の帯板状剛性部材によって形成されている掛架支持部材21を挿入固定し、外壁下地材1、支持当て部材5それぞれの表面からの掛架支持部材21の突出方向が仰角傾斜状となるように配置させておく。
【0022】
掛架支持部材21の突出部位に例えば煉瓦・タイル・サイデイング等の化粧用外壁材11裏面に形成した掛架用挿入部12を掛架することで外壁下地材1に化粧用外壁材11を固定する。このとき外壁下地材1における縦長の浅溝部3の奥面部と、外壁下地材1に挿入配置される掛架支持部材21の端部との間には若干隙間が形成されることで外壁下地材1と化粧用外壁材11との間に縦長の空気流通層Pが形成される。また外壁下地材1に掛架支持部材21を介して化粧用外壁材11が下段から上段にかけて順次掛架配列させてゆくに際し、隣接配置される化粧用外壁材11相互を化粧用外壁材11の上下の端縁面夫々に設けた噛み合い突部13によって噛み合い状に結合した後、化粧用外壁材11相互間に形成された凹状の隙間に目地モルタル材15を充填して当該隙間を閉塞する。
【0023】
このように固定手段Qは、躯体壁B面に固定された支持当て副部材6、支持当て副部材6に固定された支持当て部材5のぞれぞれを介して掛架支持部材21を躯体壁B面に間接的に固定させておくことができ、例えば火災等によって外壁下地材1による断熱層が焼失された際には、図3に示すように、化粧用外壁材11を外壁下地材1から脱落させずにしっかりと保持させておくことができ、しかも断熱層が消失した状態でも躯体壁B面自体に付与される化粧用外壁材11による静的荷重等に伴なう座屈等も阻止させるものとなる。
【0024】
また、図6、図7には本発明に係る第2の実施の形態が示されており、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と同じ部位には同じ符号を附してあることでその詳細な説明を省略してある。すなわち、本実施の形態における掛架支持部材21は、図6に示すように、左右に配されている躯体柱材表面にそれぞれ固着されたELC工法による縦長棒状の断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置させたものとし、この掛架支持部材21を介して、木材等の外装材による化粧用外壁材11が掛架配置されるものとしてある。
【0025】
この外壁下地材1としては、例えばブタン等の炭化水素の発泡剤を閉じ込めたポリスチレンの粒を原料とするビーズ法ポリスチレンフォーム断熱材を使用した所謂ELC工法によるものを採用している。また、木材等の外装材による化粧用外壁材11として例えば天然針葉樹木パネル等を使用することができる。この化粧用外壁材11の上下両端面には、図7に示すように、その隣接するもの同士で互いに噛み合い状態となって配置されるよう凸部13、凹部14それぞれが形成されており、施工に際し、例えば一般住宅として構築すべき建築構造物においての壁体壁Bの外表面部位に外壁下地材1自体を連続配置すると共に、その隣接するもの同士での上下端面夫々を凸部13、凹部14相互の噛み合いによって結合するものとしてある。こうして再度のリフォーム施工に際し、化粧用外壁材11を外壁下地材1表面から取り外せば簡単に解体撤去できるのである。
【0026】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているため、化粧用外壁材11・化粧用外床材を外壁・床下地材に支持している掛架支持部材21と、当該外壁・床下地材との間に断熱層、通気層それぞれを付与して外断熱効果を十分に発揮できるようにすると共に、化粧用外壁材11・化粧用外床材を外壁・床下地材に支持している掛架支持部材21自体を当該外壁・床下地材にしっかりと固定されることで、例えば火災等によって断熱層が焼失されたとしても化粧用外壁材11・化粧用外床材を外壁・床下地材から脱落・離脱されないようにし、また施工後の美麗な状態を長期に亙って維持でき、特にリフォーム施工時における躯体壁B面・躯体床面に対する取り付け、その連続する隣接施工も容易で簡単に取り扱うことができる体裁が良好で且つ安価な外断熱構造における外装材固定構造とすることができる。
【0027】
また従来のように接着剤を使用しなくても化粧用外壁材11を外壁・床下地材1の表面に対し容易且つ確実に固定することができて耐久性が高く且つ耐用年数の大きなものとすることができる。しかも建築構造物における躯体壁B面に化粧仕上げを施工するか、あるいは既設の躯体壁B面のリフォーム施工を行うに際し、従来の如き接着剤の使用におけるような経年変化による脆弱化によって化粧用外壁材11の外壁・床下地材1からの剥離等が生ぜず、これにより外壁・床下地材1からの化粧用外壁材11・化粧用外床材11の剥離事故・落下事故を未然に防止することができる。また施工後の美麗な状態を長期に亙って維持でき、躯体壁B面に対する取り付け、その連続する隣接施工も容易で簡単に取り扱うことができ、体裁が良好で且つ安価な外装材固定構造とすることができる。
【0028】
すなわちこれは、本発明において、躯体壁B面に固着される断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1と、煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外壁材11と、化粧用外壁材11を外壁下地材1に掛架保持させて上下方向に隣接配置すべく当該外壁下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置させた掛架支持部材21とを備え、躯体壁B面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させる固定手段Qを備えたからであり、これにより従来の如き接着剤の使用によらなくても化粧用外壁材11を外壁下地材1にしっかりと掛架固定させておくことができ、化粧用外壁材11自体の外壁下地材1からの脱落を未然に防止することができる。また、従来のようなコンクリートモルタル材を使用しなくても良いものとなるため、解体廃棄時に分別して廃棄したりあるいは再利用したりすることも容易である。さらに、外壁・床下地材1自体に付与される化粧用外壁材11による静的荷重等に伴なう座屈等を阻止でき、掛架支持部材21自体の曲がり、折損その他の発生を防止し、構築後における化粧用外壁材11の設置安定性を一層向上可能であるばかりでなく、体裁の良好な躯体壁Bを長期にわたって維持できる。
【0029】
また、躯体床面に固着される断熱性を有する発泡合成樹脂材製の床下地材と、タイル・床材、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外床材と、化粧用外床材を床下地材に掛架保持させて水平方向に隣接配置すべく当該床下地材表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように水平方向に離間配置させた掛架支持部材21とを備え、躯体床面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させる固定手段Qを備えたので、従来の如き接着剤の使用によらなくても化粧用外床材11を床下地材1にしっかりと掛架固定させておくことができ、化粧用外床材11自体の床下地材1からの剥離を未然に防止することができる。また、従来のようなコンクリートモルタル材を使用しなくても良いものとなるため、解体廃棄時に分別して廃棄したりあるいは再利用したりすることも容易である。
【0030】
固定手段Qは、外壁・床下地材表面に前記浅溝部3よりも深く凹設形成された深溝部2と、深溝部2に嵌合配置させて外壁・床下地材表面と面一構造と成して前記掛架支持部材21を掛架可能にした支持当て部材5と、当該支持当て部材5、躯体壁B面・床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させ、当該支持当て部材5と躯体壁B面・床面とを締結固定する第1の締結手段8とを備えたので、躯体壁B面・躯体床面に固定された支持当て部材5を介して掛架支持部材21を躯体壁B面・躯体床面に間接的に固定させておくことができ、例えば火災等によって断熱層が焼失されたとしても化粧用外壁材11・化粧用外床材を外壁・床下地材から脱落されないものとなる。しかも施工後の美麗な状態を長期に亙って維持でき、特にリフォーム施工時における躯体壁B面・躯体床面に対する取り付け、その連続する隣接施工も容易で簡単に取り扱うことができる。
【0031】
支持当て部材5、躯体壁B面・床面相互間における外壁・床下地材の深溝底部中央には、当該底部の幅員よりも小さな支持当て副部材6を配置させて当該支持当て副部材6、躯体壁B面・床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させ、当該支持当て副部材6と躯体壁B面・床面とを第2の締結手段9によって締結固定すると共に、支持当て部材5、支持当て副部材6相互間に断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地副部材7を介装配置させたので、躯体壁B面・躯体床面に固定された支持当て部材5および支持当て副部材6を介して掛架支持部材21を躯体壁B面・躯体床面に間接的に固定させておくことができ、例えば火災等によって断熱層が焼失されたとしても支持当て部材5、支持当て副部材6相互によって化粧用外壁材11・化粧用外床材を外壁・床下地材にしっかりと保持しておくことができ、容易に脱落されないものとなる。
【0032】
第1の締結手段8、第2の締結手段9それぞれは、相互に干渉しない位置に設けられるので、躯体壁B面・躯体床面に対する外壁下地部材、外壁下地副部材7それぞれを介しての支持当て部材5、支持当て副部材6それぞれの取付が容易に行える。
【0033】
外壁・床下地材には、縦長の浅溝部3を形成し、外壁・床下地材に挿入配置されている掛架支持部材21の端部と浅溝部3の奥部面との間に隙間を設けたので、外壁・床下地材1と、化粧用外壁材11・化粧用外床材11との間に縦長・横長の空気流通層Pを容易に形成させることができ、これにより室内の湿気を外部へ容易に排出させることができ、しかも外壁・床下地材1と、化粧用外壁材11・化粧用外床材11との間での結露の発生を未然に防止することができる。
【0034】
躯体柱材に固着されるELC工法による断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1と、木材等の外装材による化粧用外壁材11と、化粧用外壁材11を外壁下地材1に掛架保持させて上下方向に隣接配置すべく当該外壁下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置させた掛架支持部材21とを備えたので、躯体柱材に対する化粧用外壁材11の組み付けが容易に行うことができ、しかも躯体柱材に対する化粧用外壁材11の解体撤去も容易に行える。また、施工に際しホルムアルデヒドやVOC等を含む有害な接着剤や塗料を一切使用しないため、これらの有害物質を放散する虞れが全くなくなり、しかも木材等の外装材による化粧用外壁材11として例えば天然針葉樹木パネル等を使用することができるため、シックハウス症候群が解消され、ストレスの緩和と森林浴効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における外壁下地材に化粧用外壁材を連続配置したときの一部を省略した斜視図である。
【図2】同じく外壁下地材に化粧用外壁材を連続配置したときの横断面図である。
【図3】外壁下地材が消失された状態における躯体壁面と化粧用外壁材との連結状態を示す一部を省略した横断面図である。
【図4】図2におけるA−A断面図である。
【図5】図2におけるB−B断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるELC工法による外壁下地材に化粧用外壁材を連続配置したときの一部を省略した斜視図である。
【図7】同じくELC工法による外壁下地材に化粧用外壁材を連続配置したときの一部を省略した縦断面図である。
【符号の説明】
B…躯体壁 P…空気流通層
Q…固定手段
1…外壁下地材 2…深溝部
3…浅溝部 4…挿入部
5…支持当て部材 6…支持当て副部材
7…外壁下地副部材 8…第1の締結手段
9…第2の締結手段
11…化粧用外壁材 12…掛架用挿入部
13…凸部 14…凹部
21…掛架支持部材
【発明の属する技術分野】
本発明は主として一般家屋の構築時における躯体壁・床等を形成するに際し、躯体壁・床等の下地構造材として使用され、躯体壁・床への簡易な固定、隣接配置の施工の容易性等が得られる外断熱構造における外装材固定構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築構造物用の躯体壁としては、金属製帯板の長手方向に沿って等間隔に複数の切り起こし屈曲状の傾斜片を設け、この金属製帯板の基部背面側をコンクリートモルタル材製による外壁・床下地材に止着させると共に、化粧用外壁材である羽目板の裏面中程に形成した長手方向傾斜溝に前記傾斜片を挿入し、且つ羽目板相互を長手方向凹凸条で係合することで化粧用外壁が形成される方式がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、建築構造物用の床としては、金属製帯板の長手方向に沿って屈曲して水平部および斜上向部を形成して当該水平部を床面に止着し、化粧用外床材である羽目板の下面に形成した斜上向溝に前記斜上向部を嵌合して羽目板の下面を前記水平部の上面で支持する方式がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−30782号公報
【特許文献2】
特開2002−276134号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところがこうした化粧用外壁材を外壁下地材の表面に固定する場合、金属製帯板の基部背面側をコンクリートモルタル材製による外壁・床下地材に対し、断熱材を介設させずに直接止着させており、また化粧用外床材を床下地材の表面に固定する場合でも、金属製帯板の水平部背面側を床面に対し、断熱材を介設させずに直接止着しているため、金属製帯板、外壁下地材相互間において断熱性が確保できず、しかも金属製帯板、化粧用外壁材相互間において通気性も確保できないものとなり、断熱層が建築構造体よりも外側にあり、且つ通気層を確保して結露を発生させないという外断熱効果が何等発揮できない構造である。
【0006】
特にリフォーム施工時には、接着剤によって強固に固着されている化粧用外壁材・化粧用外床材を躯体壁面・床面からドリル等で剥離・破壊しなければならず、かなりの時間と労働力とを要するものであった。
【0007】
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、化粧用外壁材・化粧用外床材を外壁・床下地材に支持している掛架支持部材と、当該外壁・床下地材との間に断熱層、通気層それぞれを付与して外断熱効果を十分に発揮できるようにすると共に、化粧用外壁材・化粧用外床材を外壁・床下地材に支持している掛架支持部材自体を当該外壁・床下地材にしっかりと固定されることで、例えば火災等によって断熱層が焼失されたとしても化粧用外壁材・化粧用外床材を外壁・床下地材から脱落・離脱されないようにし、また施工後の美麗な状態を長期に亙って維持でき、特にリフォーム施工時における躯体壁面・躯体床面に対する取り付け、その連続する隣接施工も容易で簡単に取り扱うことができる体裁が良好で且つ安価な外断熱構造における外装材固定構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するため本発明にあっては、躯体壁B面に固着される断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1と、煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外壁材11と、化粧用外壁材11を外壁下地材1に掛架保持させて上下方向に隣接配置すべく当該外壁下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置させた掛架支持部材21とを備え、躯体壁B面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させる固定手段Qを備えたものである。
また、躯体床面に固着される断熱性を有する発泡合成樹脂材製の床下地材と、タイル・床材、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外床材と、化粧用外床材を床下地材に掛架保持させて水平方向に隣接配置すべく当該床下地材表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように水平方向に離間配置させた掛架支持部材21とを備え、躯体床面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させる固定手段Qを備えたものである。
固定手段Qは、外壁・床下地材表面に前記浅溝部3よりも深く凹設形成された深溝部2と、深溝部2に嵌合配置させて外壁・床下地材表面と面一構造と成して前記掛架支持部材21を掛架可能にした支持当て部材5と、当該支持当て部材5、躯体壁B面・床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させ、当該支持当て部材5と躯体壁B面・床面とを締結固定する第1の締結手段8とを備えたものとできる。
支持当て部材5、躯体壁B面・床面相互間における外壁・床下地材の深溝底部中央には、当該底部の幅員よりも小さな支持当て副部材6を配置させて当該支持当て副部材6、躯体壁B面・床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させ、当該支持当て副部材6と躯体壁B面・床面とを第2の締結手段9によって締結固定すると共に、支持当て部材5、支持当て副部材6相互間に断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地副部材7を介装配置させたものとできる。
第1の締結手段8、第2の締結手段9それぞれは、相互に干渉しない位置に設けられるものとでき、また外壁・床下地材には、縦長の浅溝部3を形成し、外壁・床下地材に挿入配置されている掛架支持部材21の端部と浅溝部3の奥部面との間に隙間を設けたものとできる。
躯体柱材に固着されるELC工法による断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1と、木材等の外装材による化粧用外壁材11と、化粧用外壁材11を外壁下地材1に掛架保持させて上下方向に隣接配置すべく当該外壁下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置させた掛架支持部材21とを備えたものとできる。
【0009】
以上のように構成された本発明に係る外断熱構造における外装材固定構造にあって、断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となって配置された掛架支持部材21は、煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外壁材11を外壁下地材1に対して確実に掛架固定させ、外壁下地材1からの化粧用外壁材11自体の脱落を阻止させる。このとき躯体壁B面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させる固定手段Qは、例えば火災等によって外壁下地材1による断熱層が焼失されたとしても化粧用外壁材11を外壁下地材1から脱落させずに保持可能にさせ、しかも外壁下地材1自体に付与される化粧用外壁材11による静的荷重等に伴なう座屈等を阻止させる。
また、断熱性を有する発泡合成樹脂材製の床下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となって配置された掛架支持部材21は、煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外床材11を床下地材1に対して確実に掛架固定させ、床下地材1からの化粧用外床材11自体の剥離を阻止させる。このとき躯体床面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させる固定手段Qは、例えば火災等によって床下地材1による断熱層が焼失されたとしても化粧用外床材を床下地材から離脱させずに保持可能にさせ、しかも床下地材1自体に付与される化粧用外床材11による静的荷重等に伴なう座屈等を阻止させる。
固定手段Qにおける支持当て部材5は、外壁・床下地材表面に前記浅溝部3よりも深く凹設形成された深溝部2に嵌合されて当該支持当て部材5、躯体壁B面・躯体床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させた状態となった際に、外壁・床下地材表面と面一構造となって配置され、当該支持当て部材5と躯体壁B面・躯体床面とを第1の締結手段8によって締結固定させることにより、躯体壁B面・躯体床面に固定された支持当て部材5を介して掛架支持部材21を躯体壁B面・躯体床面に間接的に固定させる。
支持当て部材5、躯体壁B面・床面相互間における外壁・床下地材の深溝底部中央に配置された支持当て副部材6は、当該支持当て副部材6、躯体壁B面・躯体床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させ、当該支持当て副部材6と躯体壁B面・躯体床面とを第2の締結手段9によって締結固定させ、支持当て部材5、支持当て副部材6相互間に断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地副部材7を介装配置させることにより、躯体壁B面・躯体床面に固定された支持当て部材5および支持当て副部材6を介して掛架支持部材21を躯体壁B面・躯体床面に間接的に固定させる。
総じて、外壁・床下地材1自体に対し突出方向が仰角傾斜状となるように離間配置させた掛架支持部材21は、躯体壁B面・躯体床面のリフォーム施工に際し、断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁・床下地材1の簡易な付設作業を可能にさせると共に、固定手段Qにより躯体壁B面・躯体床面からの外壁・床下地材1自体の脱落・剥離を阻止させる。これによって外壁・床下地材1自体に付与される化粧用外壁材11・化粧用外床材11による静的荷重等に伴なう座屈等を阻止させる。
外壁・床下地材1に挿入配置されている掛架支持部材21の端部と浅溝部3の奥部面との間に設けた隙間は、外壁・床下地材1と化粧用外壁材11との間に縦長の空気流通層Pを形成させ、室内の湿気を外部へ排出可能にさせる。
躯体柱材に固着されるELC工法による断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1は、仰角傾斜状の掛架支持部材21を介して木材等の外装材による化粧用外壁材11を外壁下地材1に掛架させることで、躯体柱材に対する化粧用外壁材11の組み付けを容易にさせ、しかも躯体柱材に対する化粧用外壁材11の解体撤去も容易にさせる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、図1乃至図5において示される第1の実施の形態における符号1は断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材であり、建築構造物として構築される躯体壁B面に固着されるに必要な肉厚、高さ、幅員等を備えた例えば高さが1800mm、幅員が900mmの略矩形板状に形成される。図1に示すように、この外壁下地材1においての躯体壁B面に取り付け固定後における外壁下地材1表面には、鉛直方向に沿って複数列に離間配置した状態に断面略コ字形状の浅溝部3を配列形成してある。
【0011】
尚、以下の実施の形態においては、例えば煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外壁材11を外壁下地材1を介して躯体壁B面に取り付ける施工について説明しているが、これ以外に、例えばタイル・床材、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外床材を断熱性の床下地材1を介して躯体床面に取り付ける施工にも応用できることは勿論である。
【0012】
また、図2に示すように、外壁下地材1の左右両端側には、躯体壁B面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させるための固定手段Qを備えている。すなわちこの固定手段Qは、互いに隣接配置される外壁下地材1の端部それぞれに対し奥行きの深い段差を形成し、躯体壁B面に取り付け固定に際し、外壁下地材1端部の段差同士を合致接合することで、前記浅溝部3よりも深い略コ字型凹状の深溝部2が形成される。そして、この深溝部2内の接合部中央には、当該深溝部2底部の横幅員よりも幅の小さな例えば木製棒状の支持当て副部材6を当てがってから、例えばネジ釘等の第2の締結手段9により締結固定して当該支持当て副部材6、躯体壁B面相互間に外壁下地材1の深溝部2底部を挟持させてある。
【0013】
さらにこの支持当て副部材6を覆うようにして深溝部2内部に断面コ字型の望ましくは断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地副部材7を嵌合させておいてからこの上に、後述する掛架支持部材21を掛架可能にした支持当て部材5を外壁下地材1表面と面一構造となるように嵌合配置させ、その後、例えばネジ釘等の第1の締結手段8により締結固定することで当該支持当て部材5、支持当て副部材6相互間に外壁下地副部材7を挟持固定させてある。このとき、図4に示すように、第1の締結手段8、第2の締結手段9それぞれは、相互に干渉しない位置に設けられる。
【0014】
尚、固定手段Qは、外壁下地材1表面に前記浅溝部3よりも深く凹設形成された深溝部2に対し、当該深溝部2の深さと同じ奥行き長さを備え、且つ掛架支持部材21を掛架可能にした支持当て部材5を嵌合配置させて外壁下地材1表面と面一構造と成し、当該支持当て部材5、躯体壁B面相互間に外壁下地材1の深溝底部を挟持させ、当該支持当て部材5と躯体壁B面とを第1の締結手段8によって締結固定させた構造としても良い。
【0015】
そして外壁下地材1、支持当て部材5それぞれの表面には、複数の浅溝部3相互間に跨がるようにして斜下方向に沿ってスリット状の挿入部4を上下方向に離間配置させてあり、この上下方向に配列した挿入部4それぞれに例えば一枚構造、もしくは複数枚が積層した補強された構造の鉄板・鋼板等の帯板状剛性部材によって形成されている掛架支持部材21を挿入固定し、外壁下地材1表面からの掛架支持部材21の突出方向が仰角傾斜状となるように配置させてある。
【0016】
外壁下地材1、支持当て部材5それぞれの表面の挿入部4に取り付けられた掛架支持部材21の突出部位には例えば煉瓦・タイル・サイデイング等の化粧用外壁材11を掛架保持させるようにしてある。すなわち外壁下地材1、支持当て部材5それぞれの表面に接合する化粧用外壁材11の裏面には、外壁下地材1表面から斜上方向に突出配置されている掛架支持部材21が挿入されて自体を掛架保持するために裏面から斜上方向に沿って穿設された掛架用挿入部12が形成されている。このとき外壁下地材1における縦長の浅溝部3の奥面部と、外壁下地材1に挿入配置される掛架支持部材21の端部との間に若干隙間が形成されるように挿入部4の深さを適宜設定してあり、これにより外壁下地材1と化粧用外壁材11との間に縦長の空気流通層Pを形成してある。
【0017】
この化粧用外壁材11の上下の端縁面夫々には、隣接配置される化粧用外壁材11相互を噛み合い状に結合するために断面で略L字形を呈する噛み合い突部が、隣接する同士のものでは互いに逆向きにして設けてあっても良い。このとき上側の噛み合い突部の長さは、下側の噛み合い突部の長さよりも若干長くしてあり、化粧用外壁材11を外壁下地材1に順次掛架保持させて上下方向に隣接配置した際には化粧用外壁材11相互間に凹状の隙間が形成されこの隙間に目地モルタル材を充填して当該隙間を閉塞すべく成してある。したがって隣接する化粧用外壁材11が噛み合い突部を介して結合されたとき化粧用外壁材11同士での面夫々は段差が生じていない同一面を呈する。
【0018】
尚、図示を省略したが、この外壁下地材1は各種の外装材等を貼付する下地処理構造としての使用を可能にする。また、構築された躯体壁Bの表面で施される外壁下地材1と化粧用外壁材11との付着一体性を図るために必要に応じて外壁下地材1表面にコンクリートモルタル材等を塗布しても良い。さらに、外壁下地材1自体によって躯体壁Bを構築することも可能である。すなわち構築後の躯体壁Bの表面に外壁下地材1を取り付け固着したり、外壁下地材1自体を立枠配置して壁体自体としたりすると共に、屋外側で煉瓦・タイル・サイデイング等の化粧用外壁材11を掛架支持部材21によって固定する場合の外壁下地材1面ではコンクリートモルタル材を、必要があればラス金網材を配置した後に化粧用外壁材11を掛架施工する。また図示を省略したが、屋内側に位置される外壁下地材1における屋内側面で石膏ボードその他の各種の内装材を貼付する場合、外壁下地材1における屋内側面で木材、プラスチック材、金属材等の棒材状の各種の下地材を嵌め入れるようにした嵌め入れ溝等を形成することもできる。
【0019】
外壁下地材1表面における挿入部4や浅溝部3、さらには外壁下地副部材7等の加工は、例えば加工すべき素材である発泡合成樹脂材の外壁下地材1、外壁下地副部材7の平面の前後あるいは左右で架け渡した電熱線を表面から押入れて切断することで形成する。またこれらの挿入部4や浅溝部3等自体の配置、形状等は上記の説明例、図示例のものに限らないことは勿論であり、要は、外壁下地材1自体が躯体壁B表面に固着使用されるときの座屈等が防止されるものとなっていれば良い。
【0020】
次に以上のように構成された実施の形態における使用の一例を説明するに、例えば一般住宅として構築すべき建築構造物においての壁体壁面Bに外壁下地材1自体を固定手段Qによって連続配置する。このとき躯体壁B面に取り付け固定に際し、外壁下地材1端部の段差同士を合致接合することで、浅溝部3よりも深い略コ字型凹状の深溝部2が形成される。そして、この深溝部2内の接合部中央に例えば木製棒状の支持当て副部材6を当てがってから、例えばネジ釘等の第2の締結手段9により締結固定して当該支持当て副部材6、躯体壁B面相互間に外壁下地材1の深溝部2底部を挟持固定させておく。
【0021】
さらにこの支持当て副部材6を覆うようにして深溝部2内部に断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地副部材7を嵌合させておいてからこの上に、掛架支持部材21を掛架可能にした支持当て部材5を外壁下地材1表面と面一構造となるように嵌合配置させ、例えばネジ釘等の第1の締結手段8により締結固定することで当該支持当て部材5、支持当て副部材6相互間に外壁下地副部材7を挟持固定させておく。そして外壁下地材1表面に縦長に形成した複数の浅溝部3相互間に跨がるようにして斜下方向に沿って穿設形成したスリット状の挿入部4、および支持当て部材5表面に斜下方向に沿って穿設形成したスリット状の挿入部4それぞれに例えば一枚構造、もしくは複数枚が積層した補強された構造の帯板状剛性部材によって形成されている掛架支持部材21を挿入固定し、外壁下地材1、支持当て部材5それぞれの表面からの掛架支持部材21の突出方向が仰角傾斜状となるように配置させておく。
【0022】
掛架支持部材21の突出部位に例えば煉瓦・タイル・サイデイング等の化粧用外壁材11裏面に形成した掛架用挿入部12を掛架することで外壁下地材1に化粧用外壁材11を固定する。このとき外壁下地材1における縦長の浅溝部3の奥面部と、外壁下地材1に挿入配置される掛架支持部材21の端部との間には若干隙間が形成されることで外壁下地材1と化粧用外壁材11との間に縦長の空気流通層Pが形成される。また外壁下地材1に掛架支持部材21を介して化粧用外壁材11が下段から上段にかけて順次掛架配列させてゆくに際し、隣接配置される化粧用外壁材11相互を化粧用外壁材11の上下の端縁面夫々に設けた噛み合い突部13によって噛み合い状に結合した後、化粧用外壁材11相互間に形成された凹状の隙間に目地モルタル材15を充填して当該隙間を閉塞する。
【0023】
このように固定手段Qは、躯体壁B面に固定された支持当て副部材6、支持当て副部材6に固定された支持当て部材5のぞれぞれを介して掛架支持部材21を躯体壁B面に間接的に固定させておくことができ、例えば火災等によって外壁下地材1による断熱層が焼失された際には、図3に示すように、化粧用外壁材11を外壁下地材1から脱落させずにしっかりと保持させておくことができ、しかも断熱層が消失した状態でも躯体壁B面自体に付与される化粧用外壁材11による静的荷重等に伴なう座屈等も阻止させるものとなる。
【0024】
また、図6、図7には本発明に係る第2の実施の形態が示されており、図1乃至図5に示す第1の実施の形態と同じ部位には同じ符号を附してあることでその詳細な説明を省略してある。すなわち、本実施の形態における掛架支持部材21は、図6に示すように、左右に配されている躯体柱材表面にそれぞれ固着されたELC工法による縦長棒状の断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置させたものとし、この掛架支持部材21を介して、木材等の外装材による化粧用外壁材11が掛架配置されるものとしてある。
【0025】
この外壁下地材1としては、例えばブタン等の炭化水素の発泡剤を閉じ込めたポリスチレンの粒を原料とするビーズ法ポリスチレンフォーム断熱材を使用した所謂ELC工法によるものを採用している。また、木材等の外装材による化粧用外壁材11として例えば天然針葉樹木パネル等を使用することができる。この化粧用外壁材11の上下両端面には、図7に示すように、その隣接するもの同士で互いに噛み合い状態となって配置されるよう凸部13、凹部14それぞれが形成されており、施工に際し、例えば一般住宅として構築すべき建築構造物においての壁体壁Bの外表面部位に外壁下地材1自体を連続配置すると共に、その隣接するもの同士での上下端面夫々を凸部13、凹部14相互の噛み合いによって結合するものとしてある。こうして再度のリフォーム施工に際し、化粧用外壁材11を外壁下地材1表面から取り外せば簡単に解体撤去できるのである。
【0026】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されているため、化粧用外壁材11・化粧用外床材を外壁・床下地材に支持している掛架支持部材21と、当該外壁・床下地材との間に断熱層、通気層それぞれを付与して外断熱効果を十分に発揮できるようにすると共に、化粧用外壁材11・化粧用外床材を外壁・床下地材に支持している掛架支持部材21自体を当該外壁・床下地材にしっかりと固定されることで、例えば火災等によって断熱層が焼失されたとしても化粧用外壁材11・化粧用外床材を外壁・床下地材から脱落・離脱されないようにし、また施工後の美麗な状態を長期に亙って維持でき、特にリフォーム施工時における躯体壁B面・躯体床面に対する取り付け、その連続する隣接施工も容易で簡単に取り扱うことができる体裁が良好で且つ安価な外断熱構造における外装材固定構造とすることができる。
【0027】
また従来のように接着剤を使用しなくても化粧用外壁材11を外壁・床下地材1の表面に対し容易且つ確実に固定することができて耐久性が高く且つ耐用年数の大きなものとすることができる。しかも建築構造物における躯体壁B面に化粧仕上げを施工するか、あるいは既設の躯体壁B面のリフォーム施工を行うに際し、従来の如き接着剤の使用におけるような経年変化による脆弱化によって化粧用外壁材11の外壁・床下地材1からの剥離等が生ぜず、これにより外壁・床下地材1からの化粧用外壁材11・化粧用外床材11の剥離事故・落下事故を未然に防止することができる。また施工後の美麗な状態を長期に亙って維持でき、躯体壁B面に対する取り付け、その連続する隣接施工も容易で簡単に取り扱うことができ、体裁が良好で且つ安価な外装材固定構造とすることができる。
【0028】
すなわちこれは、本発明において、躯体壁B面に固着される断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1と、煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外壁材11と、化粧用外壁材11を外壁下地材1に掛架保持させて上下方向に隣接配置すべく当該外壁下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置させた掛架支持部材21とを備え、躯体壁B面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させる固定手段Qを備えたからであり、これにより従来の如き接着剤の使用によらなくても化粧用外壁材11を外壁下地材1にしっかりと掛架固定させておくことができ、化粧用外壁材11自体の外壁下地材1からの脱落を未然に防止することができる。また、従来のようなコンクリートモルタル材を使用しなくても良いものとなるため、解体廃棄時に分別して廃棄したりあるいは再利用したりすることも容易である。さらに、外壁・床下地材1自体に付与される化粧用外壁材11による静的荷重等に伴なう座屈等を阻止でき、掛架支持部材21自体の曲がり、折損その他の発生を防止し、構築後における化粧用外壁材11の設置安定性を一層向上可能であるばかりでなく、体裁の良好な躯体壁Bを長期にわたって維持できる。
【0029】
また、躯体床面に固着される断熱性を有する発泡合成樹脂材製の床下地材と、タイル・床材、または空気流通層Pを形成可能な浅溝部3を有するブロック等の化粧用外床材と、化粧用外床材を床下地材に掛架保持させて水平方向に隣接配置すべく当該床下地材表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように水平方向に離間配置させた掛架支持部材21とを備え、躯体床面に対し掛架支持部材21を間接的に固定させる固定手段Qを備えたので、従来の如き接着剤の使用によらなくても化粧用外床材11を床下地材1にしっかりと掛架固定させておくことができ、化粧用外床材11自体の床下地材1からの剥離を未然に防止することができる。また、従来のようなコンクリートモルタル材を使用しなくても良いものとなるため、解体廃棄時に分別して廃棄したりあるいは再利用したりすることも容易である。
【0030】
固定手段Qは、外壁・床下地材表面に前記浅溝部3よりも深く凹設形成された深溝部2と、深溝部2に嵌合配置させて外壁・床下地材表面と面一構造と成して前記掛架支持部材21を掛架可能にした支持当て部材5と、当該支持当て部材5、躯体壁B面・床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させ、当該支持当て部材5と躯体壁B面・床面とを締結固定する第1の締結手段8とを備えたので、躯体壁B面・躯体床面に固定された支持当て部材5を介して掛架支持部材21を躯体壁B面・躯体床面に間接的に固定させておくことができ、例えば火災等によって断熱層が焼失されたとしても化粧用外壁材11・化粧用外床材を外壁・床下地材から脱落されないものとなる。しかも施工後の美麗な状態を長期に亙って維持でき、特にリフォーム施工時における躯体壁B面・躯体床面に対する取り付け、その連続する隣接施工も容易で簡単に取り扱うことができる。
【0031】
支持当て部材5、躯体壁B面・床面相互間における外壁・床下地材の深溝底部中央には、当該底部の幅員よりも小さな支持当て副部材6を配置させて当該支持当て副部材6、躯体壁B面・床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させ、当該支持当て副部材6と躯体壁B面・床面とを第2の締結手段9によって締結固定すると共に、支持当て部材5、支持当て副部材6相互間に断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地副部材7を介装配置させたので、躯体壁B面・躯体床面に固定された支持当て部材5および支持当て副部材6を介して掛架支持部材21を躯体壁B面・躯体床面に間接的に固定させておくことができ、例えば火災等によって断熱層が焼失されたとしても支持当て部材5、支持当て副部材6相互によって化粧用外壁材11・化粧用外床材を外壁・床下地材にしっかりと保持しておくことができ、容易に脱落されないものとなる。
【0032】
第1の締結手段8、第2の締結手段9それぞれは、相互に干渉しない位置に設けられるので、躯体壁B面・躯体床面に対する外壁下地部材、外壁下地副部材7それぞれを介しての支持当て部材5、支持当て副部材6それぞれの取付が容易に行える。
【0033】
外壁・床下地材には、縦長の浅溝部3を形成し、外壁・床下地材に挿入配置されている掛架支持部材21の端部と浅溝部3の奥部面との間に隙間を設けたので、外壁・床下地材1と、化粧用外壁材11・化粧用外床材11との間に縦長・横長の空気流通層Pを容易に形成させることができ、これにより室内の湿気を外部へ容易に排出させることができ、しかも外壁・床下地材1と、化粧用外壁材11・化粧用外床材11との間での結露の発生を未然に防止することができる。
【0034】
躯体柱材に固着されるELC工法による断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材1と、木材等の外装材による化粧用外壁材11と、化粧用外壁材11を外壁下地材1に掛架保持させて上下方向に隣接配置すべく当該外壁下地材1表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置させた掛架支持部材21とを備えたので、躯体柱材に対する化粧用外壁材11の組み付けが容易に行うことができ、しかも躯体柱材に対する化粧用外壁材11の解体撤去も容易に行える。また、施工に際しホルムアルデヒドやVOC等を含む有害な接着剤や塗料を一切使用しないため、これらの有害物質を放散する虞れが全くなくなり、しかも木材等の外装材による化粧用外壁材11として例えば天然針葉樹木パネル等を使用することができるため、シックハウス症候群が解消され、ストレスの緩和と森林浴効果も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における外壁下地材に化粧用外壁材を連続配置したときの一部を省略した斜視図である。
【図2】同じく外壁下地材に化粧用外壁材を連続配置したときの横断面図である。
【図3】外壁下地材が消失された状態における躯体壁面と化粧用外壁材との連結状態を示す一部を省略した横断面図である。
【図4】図2におけるA−A断面図である。
【図5】図2におけるB−B断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるELC工法による外壁下地材に化粧用外壁材を連続配置したときの一部を省略した斜視図である。
【図7】同じくELC工法による外壁下地材に化粧用外壁材を連続配置したときの一部を省略した縦断面図である。
【符号の説明】
B…躯体壁 P…空気流通層
Q…固定手段
1…外壁下地材 2…深溝部
3…浅溝部 4…挿入部
5…支持当て部材 6…支持当て副部材
7…外壁下地副部材 8…第1の締結手段
9…第2の締結手段
11…化粧用外壁材 12…掛架用挿入部
13…凸部 14…凹部
21…掛架支持部材
Claims (7)
- 躯体壁面に固着される断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材と、煉瓦・タイル・サイデイング、または空気流通層を形成可能な浅溝部を有するブロック等の化粧用外壁材と、化粧用外壁材を外壁下地材に掛架保持させて上下方向に隣接配置すべく当該外壁下地材表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置させた掛架支持部材とを備え、躯体壁面に対し掛架支持部材を間接的に固定させる固定手段を備えたことを特徴とする外断熱構造における外装材固定構造。
- 躯体床面に固着される断熱性を有する発泡合成樹脂材製の床下地材と、タイル・床材、または空気流通層を形成可能な浅溝部を有するブロック等の化粧用外床材と、化粧用外床材を床下地材に掛架保持させて水平方向に隣接配置すべく当該床下地材表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように水平方向に離間配置させた掛架支持部材とを備え、躯体床面に対し掛架支持部材を間接的に固定させる固定手段を備えたことを特徴とする外断熱構造における外装材固定構造。
- 固定手段は、外壁・床下地材表面に前記浅溝部よりも深く凹設形成された深溝部と、深溝部に嵌合配置させて外壁・床下地材表面と面一構造と成して前記掛架支持部材を掛架可能にした支持当て部材と、当該支持当て部材、躯体壁面・床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させ、当該支持当て部材と躯体壁面・床面とを締結固定する第1の締結手段とを備えた請求項1または2記載の外断熱構造における外装材固定構造。
- 支持当て部材、躯体壁面・床面相互間における外壁・床下地材の深溝底部中央には、当該底部の幅員よりも小さな支持当て副部材を配置させて当該支持当て副部材、躯体壁面・床面相互間に外壁・床下地材の深溝底部を挟持させ、当該支持当て副部材と躯体壁面・床面とを第2の締結手段によって締結固定すると共に、支持当て部材、支持当て副部材相互間に断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地副部材を介装配置させた請求項1乃至3のいずれか記載の外断熱構造における外装材固定構造。
- 第1の締結手段、第2の締結手段それぞれは、相互に干渉しない位置に設けられる請求項1乃至4のいずれか記載の外断熱構造における外装材固定構造。
- 外壁・床下地材には、縦長の浅溝部を形成し、外壁・床下地材に挿入配置されている掛架支持部材の端部と浅溝部の奥部面との間に隙間を設けた請求項1乃至5のいずれか記載の外断熱構造における外装材固定構造。
- 躯体柱材に固着されるELC工法による断熱性を有する発泡合成樹脂材製の外壁下地材と、木材等の外装材による化粧用外壁材と、化粧用外壁材を外壁下地材に掛架保持させて上下方向に隣接配置すべく当該外壁下地材表面に対し突出方向が仰角傾斜状となるように上下方向に離間配置させた掛架支持部材とを備えたことを特徴とする外断熱構造における外装材固定構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002354874A JP2004183423A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 外断熱構造における外装材固定構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002354874A JP2004183423A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 外断熱構造における外装材固定構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004183423A true JP2004183423A (ja) | 2004-07-02 |
Family
ID=32755726
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002354874A Pending JP2004183423A (ja) | 2002-12-06 | 2002-12-06 | 外断熱構造における外装材固定構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004183423A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105952086A (zh) * | 2016-04-27 | 2016-09-21 | 张家口家诚首佳新型建材股份有限公司 | 一种装配式节能挂板 |
CN107761987A (zh) * | 2017-10-13 | 2018-03-06 | 高海燕 | 一种可拆卸的建筑外墙一体式装置 |
-
2002
- 2002-12-06 JP JP2002354874A patent/JP2004183423A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105952086A (zh) * | 2016-04-27 | 2016-09-21 | 张家口家诚首佳新型建材股份有限公司 | 一种装配式节能挂板 |
CN107761987A (zh) * | 2017-10-13 | 2018-03-06 | 高海燕 | 一种可拆卸的建筑外墙一体式装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20180135309A1 (en) | Panel veneer systems | |
US9297166B2 (en) | Fixing system for cladding and a cladded structure | |
US20060005495A1 (en) | Concealed accessible suspended ceiling system | |
US8033069B2 (en) | Embedded clip attachment for cast architectural element | |
CA2172970A1 (en) | Panel support device | |
US20130133280A1 (en) | Fixing System for Cladding | |
JP5368768B2 (ja) | 外壁材取付金具及び外壁材取付構造 | |
JP2004183423A (ja) | 外断熱構造における外装材固定構造 | |
US4541215A (en) | Snap-in ceiling system | |
US20090133346A1 (en) | Drywalls Joint | |
KR100806188B1 (ko) | 석재패널 고정장치 및 시공방법 | |
JPH09328831A (ja) | 建物の外断熱施工方法と取付金具 | |
JP2003314027A (ja) | 外断熱構造における外装材固定構造 | |
JP2001073531A (ja) | タイル貼付パネルの取付構造 | |
JPH06229054A (ja) | 天井構造 | |
JP2008291469A (ja) | 化粧壁の形成方法およびレール部材 | |
GB2385103A (en) | Double ended fastener | |
JP2007291812A (ja) | タイル取付用パネル及びタイル壁面の施工方法 | |
JP2003321919A (ja) | 建物及びその内装構造 | |
KR20160127962A (ko) | 콘크리트 벽체 마감재용 고정장치 | |
JPH0849339A (ja) | 天井材の吊り金具 | |
JP2001065154A (ja) | 石製壁材の取付構造及び施工方法 | |
JP2004232245A (ja) | 間仕切壁パネル構造 | |
AU2013202133A1 (en) | A fixing system for cladding | |
JP2008208678A (ja) | 壁パネル設置架台及び仮設建物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050209 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20050906 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20060207 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |