JP2001073531A - タイル貼付パネルの取付構造 - Google Patents

タイル貼付パネルの取付構造

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JP2001073531A
JP2001073531A JP24827799A JP24827799A JP2001073531A JP 2001073531 A JP2001073531 A JP 2001073531A JP 24827799 A JP24827799 A JP 24827799A JP 24827799 A JP24827799 A JP 24827799A JP 2001073531 A JP2001073531 A JP 2001073531A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モルタル製基板による支持強度を確保しつ
つ、薄いタイル貼付パネルをトンネル壁面に近接して取
りつけることができるようにすること。 【解決手段】 モルタル製基板3の上縁または下縁に貼
付されるいずれかの陶磁器質タイル5Aの裏面に、左右
方向の中間部で上下に延びる縦溝11を形成しておく。
その縦溝によってモルタル製基板3と陶磁器質タイル5
Aとの間に生じた隙間には、壁面2から張り出された支
持金具8の舌片部10が挿入される。モルタル製基板3
とその前面に接着剤を用いて貼付された多数の陶磁器質
タイル5からなる壁面被覆用のタイル貼付パネル1をト
ンネル壁面2に近接して取りつけることが容易となるだ
けでなく、モルタル製基板3を薄くしても所要の支持強
度を確保しておくことができる。モルタル製基板3はガ
ラス繊維混入モルタル板としておけばなお強化が図られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイル貼付パネルの
取付構造に係り、詳しくは、トンネル壁等を内装するた
め、壁面から張り出された支持金具を介して取りつけら
れるタイル付きパネルの装着構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】トンネル工事によって完成された壁面
は、そのままでは見栄えが劣るのでしばしば壁面装飾が
施される。その内装のためには、自動車の排気ガスに対
しても細かい塵等に対しても、さらには自動車火災によ
る火炎に対しても耐久性がありかつ水洗等も容易なタイ
ル付きパネルを採用することがある。
【0003】タイル貼付パネルは、例えば縦600ミリ
メートル、横1,800ミリメートルといったモルタル
製の基板に、例えば縦96ミリメートル、横195ミリ
メートルの多数の矩形タイル板を接着剤等で貼付したも
のである。そして、従来からタイルの厚みは例えば10
ミリメートル、基板のそれは30ミリメートルといった
ものが使用される。
【0004】このタイル貼付パネルをトンネル壁面に取
りつけるために、壁面にはコンクリートアンカーボルト
が或る一定の間隔で打たれ、その壁面から突出したねじ
部にナット止めされた支持金具を張り出させている。そ
して、通常は壁面から60ミリメートルの空間を残して
タイル貼付パネルを支持し、タイル外面がトンネル壁面
から100ミリメートルのところに配置される。
【0005】上記した支持金具によるタイル貼付パネル
の取付構造としては、パネルの背面にインサートナット
を埋め込んでおき、金具の張り出し部を上方または下方
に折り曲げた端部とパネルとを止めボルトで固定する方
法や、タイル貼付パネルの上縁および下縁にインサート
ナットを埋め込み、金具の張り出し部を各縁に被せて同
様に固定するといった方法が採られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、最近ではト
ンネル内空間の有効利用を図るために、タイル貼付パネ
ルの外面を壁面から僅か30ミリメートルのところに位
置させようという要望が高まってきている。その場合、
タイル貼付パネル自体を薄いものにしておかなければな
らないと共に、支持金具の張り出し量も極めて僅かしか
許されなくなる。したがって、止めボルトによりタイル
貼付パネルを支持金具に固定することは不可能となる
か、その作業に困難を極める。
【0007】上記の要望を満たすためには、大きく分け
て以下の三点の解決が迫られる。一つはパネル自体の背
面に止めボルトを使用しなくてもタイル貼付パネルを壁
面に支持できるような構造とすること、二つ目はタイル
貼付パネルを薄くしても十分な支持を可能にする係止構
造が与えられるようにすること、三番目には支持金具が
可及的に露出しなくまた接着面が排気ガスの影響を受け
難くしたりトンネル火災時に発燃し難くしておくことで
ある。
【0008】一つ目の考え方は、支持金具の張り出し部
に上方または下方へ延びる舌片部を形成し、これをタイ
ル貼付パネルの上縁または下縁に設けた隙間に挿入して
支えると共に倒れないようにしておくというものであ
る。この場合には、支持金具の張り出し部が上記した三
番目の理由により、タイル貼付パネルの外面にできるだ
け現れないようにしておく配慮も必要となる。
【0009】そのような支持構造を実現しようとすれ
ば、上記した二つ目の係止構造を形成するにおいて、特
殊な構造を与えておかなければならなくなる。例えばタ
イル貼付パネルを構成するモルタル製基板と陶磁器質タ
イルとの接着面に舌片部の挿入を可能にする工夫が要求
される。
【0010】現在考えられている方法としては、図8に
示すように、モルタル製基板3の前面側に段差部分3a
を設け、その部分においてタイル5とモルタル製基板3
との間に隙間を確保しようとするものである。すなわ
ち、モルタル製基板の上縁および下縁におけるタイル接
着面側の一部もしくは全部の厚みを減らし、そこに支持
金具8の舌片部10を挿入する空隙を形成しておこうと
するものである。
【0011】ところで上記したごとくタイル外面5kを
トンネル壁面2から30ミリメートルのところに位置さ
せようとすれば、タイル5が10ミリメートルであるの
で、支持金具8を配置するための空間として13ミリメ
ートルを確保した場合、モルタル製基板3は7ミリメー
トルの厚みに抑えられることになる。
【0012】このような場合に段差部分3aの形成でモ
ルタル製基板3が例えば3ミリメートル薄くなると、そ
の部分では4ミリメートルの厚みとなる。言うまでもな
く、モルタル製基板の前面に接着剤を用いて多数のタイ
ルを貼付させたタイル貼付パネル21自体は、モルタル
製基板3のみを介して支えられるわけであるので、その
支持部分が脆弱化するという問題がある。
【0013】本発明は上記の問題に鑑みなされたもの
で、その目的は、モルタル製基板による支持強度を確保
しつつ、薄いタイル貼付パネルをトンネル壁面に近接し
て取りつけられること、タイルをモルタル製基板に貼付
している接着剤の排気ガス等による劣化や発燃の可及的
な抑制や防止を図るようにすることを実現したタイル付
きパネルの取付構造を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、モルタル製基
板とその前面に接着剤を用いて貼付された多数の陶磁器
質タイルからなる壁面被覆用のパネルの取付構造に適用
される。その特徴とするところは、図1を参照して、モ
ルタル製基板3の上縁または下縁に貼付されるいずれか
の陶磁器質タイル5Aの裏面には、その左右方向の中間
部で上下に延びる縦溝11が形成される。その縦溝によ
ってモルタル製基板と陶磁器質タイルとの間に生じた隙
間に、壁面2から張り出された支持金具8の舌片部10
を挿入できるようにしたことである。
【0015】上記したモルタル製基板3はガラス繊維混
入モルタル板としておくことが好ましい。また、陶磁器
質タイル5の目地6には、セメントと細骨材とを主成分
とした目地用モルタル13(図2を参照)を塗着してお
く。
【0016】支持金具18は、図5に示すように、コン
クリートアンカーに固定するための支持孔12を有した
アーム部18aと、このアーム部の直前方に設けられて
モルタル製基板を支持する基板支持部18bと、アーム
部18aの左右いずれか一方の側に設けられてモルタル
製基板の倒れを阻止する基板倒れ止め部18cとからな
るようにしたことである。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、陶磁器質タイルの裏面
に左右方向中間部で上下に延びる縦溝が形成されている
ので、モルタル製基板と陶磁器質タイルとの間に生じた
隙間に支持金具の舌片部を挿入することができる。その
結果、タイル貼付パネルをトンネル壁面に近接して取り
つけることが容易となる。
【0018】しかも、縦溝はタイルの左右方向中間部で
部分的に形成されるので、タイル貼付パネルを壁面に取
りつけるときの位置決めが正確となる。なお、タイル貼
付パネルを壁面に取りつける作業中に動くことがあって
も、支持金具は縦溝の左右幅の範囲内でのみ許容される
ので、タイル貼付パネルが大きくずれてパネル間に所望
外の大きな隙間が生じるということもなくなる。もちろ
ん、モルタル製基板の厚みは一定に保たれることになる
ので、モルタル製基板を薄くしても所要の支持強度を確
保しておくことができる。
【0019】モルタル製基板をガラス繊維混入モルタル
板としておけば強化が図られ、例えば8ミリメートルと
いった薄いモルタル製基板でも、タイル貼付パネルを支
持するに十分な強度が与えられる。
【0020】タイルの目地に、例えば白色セメント系の
目地用モルタルを塗着しおけば、排気ガス等やトンネル
火災時の火炎に触れることの好ましくない接着剤を被覆
しておくことができる。もちろん、タイル貼付パネルの
周縁にも目地用モルタルを塗着しておけばその保護は完
全なものとなり、タイルの美麗化もおおいに促進される
ことになる。
【0021】基板支持部はアーム部の直前方に位置して
いるのでモルタル製基板をアンカーボルトの直下で支持
できる一方、上下方向の荷重が作用しない倒れ止め部は
アンカーボルトから外れた位置でも十分であり、縦溝の
幅を小さくすることができると共に、支持金具の構造の
簡素化・低廉化が図られる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るタイル貼付
パネルの取付構造を、その実施の形態を表した図面をも
とにして詳細に説明する。図1はタイル貼付パネル1を
トンネル壁面2に取りつけた状態を表す斜視図で、その
タイル貼付パネルは、図2に示すように、モルタル製基
板3とそれに接着剤4を用いて貼付された多数の陶磁器
質タイル5からなっている。
【0023】図3は、トンネル壁面を複数枚のタイル張
付パネル1で覆っている状態を示している。タイル貼付
パネルは例えば畳一枚程度の広さであり、縦横約100
×200ミリメートルの陶磁器質タイル5,5が54枚
(図示はパネル1枚あたりタイル35枚と簡略化して描
かれている)上下左右に整然と張りつけられている。各
タイル5は例えば2ミリメートルの隙間(目地)6をあ
けて配置されるが、このようなタイル貼付パネル1は予
め工場において製作される。
【0024】図1に示したモルタル製基板3としては例
えばガラス繊維混入モルタル板が採用され、ガラス繊維
による強化によって8ミリメートルといった薄板化が図
られている。陶磁器質タイル5は言うまでもなく平板状
のものであり、厚みは例えば9ミリメートルである。こ
の陶磁器質タイルは図2のようにモルタル製基板3に接
着されるが、接着剤4としてはエポキシ系を採用してお
くとよい。
【0025】一方、トンネル壁面2はコンクリートであ
り、それに所定の間隔で上下左右に多数のコンクリート
アンカー7が打たれ、それに取りつけたステンレス製等
の支持金具8を介してタイル貼付パネル1が支持され
る。支持金具8は例えば2ミリメートル厚みの一枚の金
属板に曲げ加工を施したものであって、タイル貼付パネ
ル1をボルトで直接固定することなく支持できるよう
に、その張り出し部に折り曲げ部9が形成されている。
【0026】その折り曲げ部9はU形やH形であり、モ
ルタル製基板3を支持したときそれを倒れないようにも
するため、それぞれの前面側には舌片部10が形成され
る。個々の支持金具8を図4に示すが、(a)には上縁
用金具8Aが、(b)には接続用金具8Bが、(c)に
は下縁用金具8Cが表されている。それぞれの舌片部
は、上縁用金具8Aにおいて下向き片部10Lであり、
上下に並ぶタイル貼付パネルの間に適用する接続用金具
8Bでは上向き片部10Uと下向き片部10Lとが形成
され、下縁用金具8Cにあっては上向き片部10Uとな
っている。
【0027】このような支持金具8によりタイル貼付パ
ネルを支持するために、以下の構造が採用されている。
図1を参照して、モルタル製基板3の上縁または下縁に
貼付されるいずれかの陶磁器質タイル5Aの裏面には、
その左右方向の中間部で上下に延びる縦溝11が形成さ
れる。この縦溝によってモルタル製基板3と陶磁器質タ
イル5Aとの間に生じた隙間には、壁面2から張り出さ
れた支持金具8の舌片部10が挿入される。
【0028】ところで、タイル貼付パネルを壁面に取り
つけるにおいて、通常は四隅で支持される。しかし、図
3に示したように、縦溝11が施されたタイル5Aを、
タイル貼付パネル1の上下縁の中間部分の各一つを含ん
でパネル一枚あたり6枚としてもよい。もちろん、各隅
に位置するタイルに限らず、その右または左に位置する
タイルに適用しても差し支えない。
【0029】ちなみに、支持金具8の幅(図4における
左右方向の長さ)は例えば90ミリメートルとされ、1
00ミリメートル幅の縦溝11に嵌め込まれる。その縦
溝はタイル5の中間位置であれば何処でもよいが、図3
の例では中央に形成されて、溝の深さは2ミリメートル
厚みの舌片部10が簡単に入る例えば4ミリメートルと
される。その縦溝のある部分ではタイルの厚みが5ミリ
メートルとなるが、支持金具8がタイルを支えるわけで
はないので、特に問題となることはない。
【0030】なお、この縦溝11は既成のタイルを削っ
て形成したり、数量が多くなる場合には、焼成前の成形
時に凹みを与えておくことによって設けることができ
る。縦溝は上記したごとくタイルの中間部に形成される
ことから、例えば縁部一辺の全部に施す場合(図3の右
下部の横溝11Aを参照)に比較すれば、硬いタイルを
切削する際の欠け落ちが生じることもなく、加工が容易
となる。
【0031】ちなみに、上縁用金具や下縁用金具として
接続用金具8B(図4の(b)を参照)を使用すること
もできる。ところで、支持金具はこのようなものに限ら
ず図5の(b)に表したものを使用することができる。
この支持金具18もコンクリートアンカー7(図2を参
照)に固定するための支持孔12を有したアーム部18
aが設けられるが、アーム部の直前方に設けられてモル
タル製基板を支持する基板支持部18bと、アーム部の
左右いずれか一方の側に設けられてモルタル製基板の倒
れを阻止する基板倒れ止め部18cとがそれぞれ一箇所
のみに設けられている。
【0032】このような構造は図4の支持金具8に比べ
れば左右方向の長さが約2/3となり、構造も簡素化さ
れる。さらに詳しく述べると、一枚の金属板を曲げ加工
しているが、接続用金具18Bに一つの上向き片部10
Uと一つの下向き片部10Lのみが一体に形成される。
すなわち、基板支持部18bがアーム部18aの直面す
る前方位置にあるので、モルタル製基板をアンカーボル
ト7Aの直下で支持することができる。一方、上下方向
の荷重が直接作用しない倒れ止め部18cはアンカーボ
ルト7Aから外れた位置でも差し支えないとの理由に基
づくもので、金具の低廉化も図られる利点がある。
【0033】この種の支持金具18を採用するにおいて
は、図6に示すように、縦溝11をタイル5Aの左右方
向における中心よりは少しずれた位置に選定しておく。
すなわち、図7に示すごとく、タイル5Aの左右いずれ
かの縁辺より例えばL=50ミリメートルの内方の位置
から始まる幅W=40ミリメートルの縦溝11が形成さ
れる。接続用金具18Bの基板支持部18bや下縁用金
具18Cが取りつけられるタイル5A2 は、上縁用金具
18Aや接続用金具18Bの基板倒れ止め部18cが取
りつけられるタイル5A1 を天地逆に配置すればよいわ
けであり、結局はいずれの溝付きタイル5Aも同じもの
が使用できる。図6から分かるように、タイル張付パネ
ル1を天地逆にしてトンネル壁面に配置しても、何ら差
し支えのないことが分かる。
【0034】このように縦溝11はタイル5の中間部の
みに形成されるが、図3の場合も図6の場合も、支持金
具8,18は任意の位置をとることが許されず、支持金
具とタイル5Aとの相対位置は自ずと決まったものとな
る。もちろん、タイル貼付パネル1をトンネル壁面に取
りつける作業において誤差の生じることは避けられない
が、そのずれは縦溝11を舌片部10よりも少し幅を広
くすることによって、吸収することができる。
【0035】ちなみに、舌片部の挿入長さはせいぜい2
0ないし30ミリメートルあれば十分であるということ
から、縦溝に代えて、タイルの上縁または下縁の全部に
横溝(図3の11Aを参照)を形成することも考えられ
なくはない。その場合には上記したずれを吸収しやすく
なる反面、作業中にタイル貼付パネルが意図しないで左
右にずれようとした場合、規制がかからなくなる。その
結果、タイル貼付パネル間に不等な隙間を発生させて見
栄えを損なう原因となったり、取りつけ時の位置決め操
作に多大の手間を要することになる。また、タイルが縦
横100×200ミリメートルである場合、その切除面
積は例えば30×200=6,000平方ミリメートル
にも及ぶことになる。
【0036】一方、本発明においては無用の隙間が生じ
て見栄えを損なうことはなくなり、また位置決め操作に
手間を要することもない。図3の例では100×100
ミリメートル=10,000平方ミリメートルの切除と
なるが、図6の場合には40×100=4,000平方
ミリメートルとなり、硬いタイルに切削加工を施す際に
は切削面積を低減しておく利点がある。もちろん、縁部
を切削するわけではないので、タイル周囲には元の厚み
が確保され、取り扱い中に破損させることも少なくな
る。
【0037】図5の(b)の支持金具18Bは図4の
(b)の接続用金具8Bと同様に、タイル張付パネルの
上縁および下縁にも使用することができるが、上縁に適
用するものを図5の(a)の金具18Aのように、下縁
に適用するものを(c)の金具18Cのようにすれば、
成形金型の共用化が図られる。いずれにしても、図3の
場合もそうであるが、図6においても、コンクリートア
ンカーを打つ位置はタイル張付パネルごとに同じであ
り、作業の単純化が図られて都合がよい。
【0038】以上のようにしてタイル貼付パネルを正確
に所望する位置に取りつけることができるが、トンネル
内は常時排気ガスに曝される。タイルはエポキシ系接着
剤でモルタル製基板に接合されるが、接着剤が劣化する
ことは否めない。そこで、タイルの目地に例えば白色セ
メントと細骨材(炭酸カルシウム系充填剤)とを主成分
とする目地用モルタル13を、図2に表したように塗着
するようにしておくことが好ましい。
【0039】白色セメント等はタイルの見栄えも向上さ
せることは言うまでもない。なお、この目地用モルタル
をタイル貼付パネルの周縁においても施しておけば、接
着剤の保護は一層確実なものとなる。この目地用モルタ
ルによってトンネル火災等において有機性接着剤の発燃
や延焼も抑制され、タイル張付パネルの不燃性化が実現
される。ちなみに、この目地用モルタルの施工は工場で
タイル貼付パネルを製作する際に行われるが、縦溝の箇
所には原則的に塗着されることはない。
【0040】縦溝の両端にはタイルをモルタル製基板に
接着している接着剤の薄い層の端部が僅かに露出するこ
とになるが、その部分は垂直面であって水滴が付着して
も流れ落ちやすくなっている。それゆえに、水滴に含ま
れる接着剤の劣化物質との接触の機会を可及的に少なく
しておくことができる。加えて、火災時に火炎が直接接
着剤に及ぶことも極めて少なくなる。
【0041】以上の説明から分かるように、陶磁器質タ
イルの裏面に左右方向中間部で上下に延びる縦溝が形成
されているので、モルタル製基板と陶磁器質タイルとの
間に生じた隙間に支持金具の舌片部を挿入することがで
き、これによってモルタル製基板の強度低下を伴うこと
なく、トンネル壁面等への取りつけが可能となる。その
縦溝はタイルの左右方向中間部で部分的に形成されるの
で、タイル貼付パネルを壁面に取りつけるときの位置決
めが正確となる。壁面取りつけ作業中に動くことがあっ
ても、支持金具は縦溝の左右幅の範囲内でのみ許容され
るにとどまり、タイル貼付パネル間に所望外の隙間が生
じるといったことは回避される。
【0042】モルタル製基板にガラス繊維混入モルタル
板が採用されていれば、8ミリメートル程度に薄くして
おくことも差し支えなくなる。目地用モルタルをタイル
貼付パネルの前面に塗着しおけば、排気ガス等に触れる
ことの好ましくない接着剤の大部分を被覆しておくこと
ができ、耐火性も格段に向上し、またタイル張付パネル
の前面の美麗化も促進される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るタイル貼付パネルの取付構造で
あって、多数の陶磁器質タイルを一枚のモルタル製基板
に接着したときのタイル貼付パネルの部分前面図。
【図2】 支持金具によりタイル貼付パネルをトンネル
壁に支持した状態を示す断面図。
【図3】 多段状にタイル張付パネルを配置したトンネ
ル壁面の正面図。
【図4】 支持金具の一例の斜視図。
【図5】 異なる形状の支持金具の斜視図。
【図6】 異なる形状の支持金具を採用した場合のタイ
ル張付パネルの多段状配置図。
【図7】 異なる形状の支持金具を採用した場合に採用
される縦溝の配置説明図。
【図8】 モルタル製基板の一部に段差部分を設けてタ
イル張付パネルを支持する従来の取付構造断面図。
【符号の説明】
1…タイル貼付パネル、2…トンネル壁面、3…モルタ
ル製基板、4…接着剤、5…陶磁器質タイル、5A…縦
溝のある陶磁器質タイル、6…隙間(目地)、8…支持
金具、10…舌片部、11…縦溝、12…支持孔、13
…目地用モルタル、18…支持金具、18a…アーム
部、18b…基板支持部、18c…基板倒れ止め部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2E110 AA02 AA42 AA43 AA47 AA57 AA64 AB04 AB23 AB46 BA02 BA13 BA15 BB03 BD16 BD23 CA03 CC03 CC04 CC12 CC14 CC15 CC17 DA06 DA09 DA10 DC01 DC03 DC06 DC21 DD03 EA01 GA13X GA28Z GA33X GA34W GA42X GB01Z GB24X GB28W GB32X GB54Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モルタル製基板とその前面に接着剤を用
    いて貼付された多数の陶磁器質タイルからなる壁面被覆
    用のパネルの取付構造において、 前記モルタル製基板の上縁または下縁に貼付されたいず
    れかの陶磁器質タイルの裏面には、その左右方向の中間
    部で上下に延びる縦溝が形成され、該縦溝によって前記
    モルタル製基板と陶磁器質タイルとの間に生じた隙間
    に、壁面から張り出された支持金具の舌片部を挿入でき
    るようにしたことを特徴とするタイル貼付パネルの取付
    構造。
  2. 【請求項2】 前記モルタル製基板はガラス繊維混入モ
    ルタル板であることを特徴とする請求項1に記載された
    タイル貼付パネルの取付構造。
  3. 【請求項3】 前記陶磁器質タイルの目地には、セメン
    トと細骨材とを主成分とした目地用モルタルが塗着され
    ていることを特徴とする請求項1に記載されたタイル貼
    付パネルの取付構造。
  4. 【請求項4】 前記支持金具は、コンクリートアンカー
    に固定するための支持孔を有したアーム部と、該アーム
    部の直前方に設けられてモルタル製基板を支持する基板
    支持部と、前記アーム部の左右いずれか一方の側に設け
    られてモルタル製基板の倒れを阻止する基板倒れ止め部
    とからなることを特徴とする請求項1に記載されたタイ
    ル貼付パネルの取付構造。
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