JP2004182903A - バイオマスのガス化方法およびガス化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発生ガス中にタールが多く可燃性ガスが少ないという従来の課題を解決し、エネルギー利用率の高いガスを得るとともに関連機器へのタールの付着を防止できる好ましいガス化方法およびガス化装置を提供する。
【解決手段】流動層11cにてバイオマスをガス化するとともに、流動層11cより上部のフリーボード部11dで、流動層11c内とは別に発生ガスの温度コントロールを行う。具体的にはフリーボード部11dに、開度調整可能なバルブ12を介して酸素含有ガスを吹き込むとともに、温度センサー13を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】流動層11cにてバイオマスをガス化するとともに、流動層11cより上部のフリーボード部11dで、流動層11c内とは別に発生ガスの温度コントロールを行う。具体的にはフリーボード部11dに、開度調整可能なバルブ12を介して酸素含有ガスを吹き込むとともに、温度センサー13を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
請求項に係る発明は、バイオマスをガス化してエネルギー利用率の高い好ましい可燃性ガスを得るための方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バイオマスとは一般に、エネルギー源または工業原料としての生物体をいい、木や草、木材系の廃棄物といった植物系のもののほか、家畜の糞など動物系のものが含まれる。近年、エネルギー資源についての懸念や地球温暖化の問題とも関連して、このようなバイオマスをガス化して燃料にする技術が種々開発されるようになった。
【0003】
図6は、植物系バイオマス(この項では、以下「バイオマス」と称す)の一般的なガス化装置を示す縦断面図である。ガス化装置としては、通常、図示のような流動層反応炉31が使用される。バイオマスは、細かくされたうえ投入管35より分散板31b上に投入され、下方の風箱31aから導入される流動化ガスによって流動化し、流動層31cを形成する。流動層31cにおいてバイオマスは、酸素を含む流動化ガスと活発に接触することにより部分燃焼してガス化され、一酸化炭素(CO)や水素(H2)、炭化水素(たとえばメタンCH4)等の可燃性ガスとなり、炉内上部のフリーボード部31dを経て炉外へ送り出される。
【0004】
また下記の特許文献1にも、バイオマスを効率的にガス化できるという技術が示されている。同文献には、流動層(流動床)等のガス化炉内にバイオマスを適切な粒径の粉砕物として供給するとともに、酸素を含む燃焼酸化剤をも適量供給し、炉内温度を700〜1200℃にするのがよいと記載されている。700℃以上がよい理由は、700℃未満だとバイオマスの熱分解が良好には行われないからだとされている。
【特許文献1】特開2001−240877号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らの調査によれば、バイオマスのガス化にあたって流動層温度を700℃以上にする場合、下記の不都合が生じることが明らかになった。すなわち、
イ) 発生ガス中に含まれる可燃性ガスが少なくなりがちである。バイオマスのガス化は、バイオマスを部分燃焼(不完全燃焼)させるによって一酸化炭素や水素等の可燃性ガスを得るものだが、流動層温度を700℃以上にすると、それら可燃性ガスのうちに流動層で燃焼してしまうものが多くなる。その結果、発生し回収されるガスのエネルギー利用率が低くなるのである。
ロ) 発生ガスの温度が高くなる結果、そのガスの集塵を行いがたくなる。集塵器として広く使用されるバグフィルターは、布等でできたフィルター(濾布)の耐熱性に限界があるため、一般仕様の設備で700℃以上の高温度のガスを処理するのは困難である。他の形式のフィルターについても耐熱性について同様の課題があるため、炉内温度を700℃以上にすれば、特殊な集塵器が不可欠となって設備コストが大幅に上昇すると予想される。
【0006】
その一方、流動層温度があまりに低いと、
ハ) 反応が活発でなくなってガスの発生量が少なくなる、
ニ) 発生ガス中の高沸点成分であるタールが凝縮しやすくなり、ガス化炉やそれより下流側の機器の内面に付着して運転性能を低下させる
といった不都合を招きやすい。
【0007】
請求項に係る発明は、上記イ)〜ニ)のような課題を考慮して、エネルギー利用率の高いガスを得られるとともに関連機器へのタールの付着を防止できる好ましいガス化方法およびガス化装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載したバイオマスのガス化方法は、流動層にてバイオマスをガス化するとともに、流動層より上部のフリーボード部(空塔部)で、流動層内とは別に発生ガスの温度コントロールを行うことを特徴とする。
【0009】
このガス化方法では、木材などのバイオマスを、酸素を含む流動化ガス(たとえば、200〜300℃に予熱した空気)により流動化し、当該酸素によりその流動層において部分燃焼させることによりガス化し、もって一酸化炭素や水素、炭化水素などの可燃性ガスを発生させる。この点は、従来の一般的な方法と同様である。
【0010】
しかしこの請求項1の方法では、前掲の特許文献1に記載の例を含む従来の方法と異なり、流動層より上部のフリーボード部において、流動層内とは別に(つまり流動層内における温度コントロールの有無やその手段とは独立して)発生ガスの温度コントロールを行う。そのため、この方法には下記a)〜c)のような特徴的な作用がある。
【0011】
a) タールの生成を少なくし、それが下流側の関連機器に付着することによる不都合を防止できる。タールは、ガス化による発生ガスに含まれる高沸点の炭化水素であり、一般的には高温度になるほど分解して含有量が少なくなる。本方法では、流動層より上部にあって、発生したガスが流動層部分を出た直後に(したがって下流側関連機器に達する前に)通過するフリーボード部において発生ガスの温度コントロールを行うものであるから、発生ガス中のタールを十分に分解し減少させることができ、水洗処理や触媒による分解処理を行わなくとも下流側機器へのタールの付着を少なくすることができる。タールが減少すれば、それをバインダーにしてチャー、灰分が下流側機器に付着するという不都合も生じがたくなる。
【0012】
b) 発生ガスに含まれるダスト等の集塵が、一般仕様の集塵器によっても容易に実施できる。フリーボード部において、すなわち流動層反応炉を出る直前で発生ガスの温度コントロールをするのであるから、下流側の集塵器へ至るガスを、集塵器が性能を発揮しやすい温度にすることが容易なのである。したがって、必要な集塵を低コストの設備によって円滑に行うことができる。
【0013】
c) かなりの精度を要することから従来困難であった温度コントロールを円滑に実現でき、もって前述したイ)〜ニ)の課題を適切に解消できる。フリーボード部の温度について、流動層内とは別にコントロールを行うからである。温度コントロールが精度を要して困難であるのは、つぎのような技術的事情による。すなわち、まず、上記a)のようにタールの生成を少なくするには発生ガスの温度を上げるのが好ましく、b)のように発生ガスの集塵を容易にするには同じガスの温度を下げる必要があるので、フリーボード部における適切な温度範囲はせまい。また流動層の温度に関しても、バイオマスと流動化ガスとの反応を活発に行わせるとともにエネルギー利用率の高いガスを回収できる適切な温度範囲は広くないうえ、流動層反応炉の断熱性や運転状況によっては流動層の温度とフリーボード部の温度とがそれぞれ独自に変化する。したがって、従来(前掲の特許文献1を含む)のように流動層内と一体的にフリーボード部の温度コントロールを行う方法では、適切な温度コントロールが困難であった。
【0014】
請求項2に記載したガス化方法は、とくに、流動層内の温度(バイオマスと流動化ガスとの反応温度)を500℃以上・700℃未満にするとともに、フリーボード部では、加熱することにより、ガス(発生ガス)を500℃以上・700℃未満にすることを特徴とする。なお、流動層内温度は、600℃以上・650℃以下とすることが好ましい。
ここにいうフリーボード部での加熱は、先に記載した温度コントロールの一態様として加熱するものである。流動層で発生したガスは、反応炉からの放熱により、フリーボード部に至って温度降下するのが一般である(とくに流動層反応炉が小規模である場合等には温度降下の幅が大きい)が、この請求項の方法では、上記のとおり加熱することによって、フリーボード部におけるガスの温度を500℃以上・700℃未満にする。
【0015】
流動層内の温度を上記のように500℃以上・700℃未満にすると、バイオマスのガス化を活発に行いながら、発生ガス中に多くの可燃性ガスを含ませることができる。すなわち、流動層内の温度を500℃以上にすると、木材等のバイオマスを、酸素を含む流動化ガスと活発に反応させて部分燃焼を促進することができ、温度を700℃未満に保つと、ガス化によって発生する可燃性ガスについて流動層内で燃焼してしまう量を抑制できて、回収されるガスのエネルギー利用率を高くすることが可能である。特に、流動層内の温度を600℃以上・650℃以下としてバイオマスをガス化すれば、バイオマスの炭素転換率が高くなり、ガス化によって生成した、タール分を含む可燃性ガスの発熱量が高くなるという有利な効果がある。
【0016】
同時に、発生ガスをフリーボード部において500℃以上・700℃未満の温度範囲に保てば、同部を出るガスについてタールの含有量を少なくし、かつ集塵を行いやすくできる。つまり、フリーボード部でのガス温度を500℃以上に保つことから、ガス中のタールがよく分解されてその含有量が減少し、その一方、ガス温度を700℃未満にすることから、一般仕様の集塵器によっても円滑な集塵が可能になる。
【0017】
したがってこの請求項の方法によれば、前記イ)〜ニ)の課題が極めて好ましく解決される。なお、フリーボード部において加熱することによりガスの温度をコントロールするので、この方法は、小規模であることや断熱性が高くないことを理由に内部の温度降下が発生しやすい流動層反応炉を使用する場合にとくに適している。つまり、保温することのみによってフリーボード部の温度を流動層内の温度に近づけるのでないため、小容量の流動層反応炉に厚い断熱層を設ける等の必要がなく、したがって設備コストの低減、予熱時間・予熱用エネルギーの削減といったメリットが付随する。
【0018】
請求項3に記載のガス化方法はとくに、フリーボード部において、酸素含有ガスを吹き込むことにより発生ガスの一部を燃焼させ、温度を検出しながら当該吹込みガス量(つまり酸素含有ガスの吹込み量)を調整することによって上記の温度コントロールを行うことを特徴とする。
【0019】
このガス化方法では、流動層における発生ガスがフリーボード部に至って温度降下するのに対し、その発生ガスの一部を燃焼させることによって温度上昇をはかり、もって前記請求項の方法における温度コントロールを行う。フリーボード部における温度コントロールを、とくに簡易な設備を用いて適切に実施できる点が、この請求項の方法の作用上の特徴である。
【0020】
簡易な設備で温度コントロールを行えるのは、酸素含有ガスを吹き込むことのみによって発生ガスを温度上昇させるからである。発生ガスの温度上昇は、たとえばフリーボード部にオイルバーナーや電気ヒーターを設けることによっても実現できるが、上記のとおり酸素含有ガスを吹き込むのが最も簡単である。残存酸素を含む各種燃焼排ガスや空気など、安価なガスを酸素含有ガスとして使用できるうえ、燃料を併せて吹き込む必要がないからである。酸素含有ガスを吹き込めば、フリーボード部にある高温度の可燃性ガスの一部が自ずと着火して燃焼し、フリーボード部の温度を上昇させる。なお、発生ガスをごく少量燃焼させるだけで相当の発熱によりフリーボード部が十分に温度上昇するので、発生ガス中の可燃性ガスの減少量は極めてわずかである。
【0021】
上記の温度コントロールを適切に実施できるのは、フリーボード部において温度を検出しながら上記吹込みガス(酸素含有ガス)の量を調整するからである。つまり、制御量であるフリーボード部の温度を検出し、その結果をフィードバックしながら吹込みガス量を調節するという制御によって、外乱の影響を抑えた正確で好ましい温度維持が可能になる。
【0022】
請求項4に記載のガス化方法はとくに、流動層内の温度を500℃以上・700℃未満にするとともに、その流動層内に水分を添加することを特徴とする。水分は、たとえば水蒸気の形で、風箱(流動層の下部)または流動層部分の側部炉壁から吹き入れるようにするとよい。
【0023】
この方法によれば、上記のようにタール分を減少させ得る等の作用に加え、発生ガス中のチャー(炭素粉)の含有量も減らして可燃性ガスを増加させることができる。500℃以上という高温度のもとでは炭素(C)は水(H2O)と水性ガス化反応(C+H2O→CO+H2)を起こし、一酸化炭素と水素とに変わるからである。チャーは、付着したタールをバインダーにしてその上に付着・堆積しがちであるため、タールとともにチャーの含有量が減ると、下流側機器における運転性能が低下する等の不都合はとくに効果的に解消される。なお、流動層内の温度を700℃未満に保つことから、エネルギー利用率の高いガスが得られるという利点も失われない。なお、流動層内の温度を特に600℃以上・650℃以下にすれば、バイオマスの炭素転換率が高くなり、ガス化によって生成した、タール分を含む可燃性ガスの発熱量が高くなるという効果が期待できる。
【0024】
請求項5に記載のガス化方法はとくに、流動化ガスとしてガスタービンの排ガスを流動層反応炉内に導入するとともに、流動層反応炉の発生ガスを同じガスタービンの燃料とすることを特徴とする。
【0025】
ガスタービンの排ガスは、排気直後において600℃前後あり、廃熱利用をした後においても一般的には250℃程度以上の温度を有している。しかもその排ガスは未消費の酸素を含む(排ガス中の15%前後)ので、バイオマスを流動化させるとともにガス化すべく反応させる流体として極めて適している。つまり、ガスタービンの排ガスを流動化ガスとして流動層反応炉内に導入すれば、バイオマスを部分燃焼させて流動層内を前記の温度範囲にし、適切なガス化を実現できる。
【0026】
一方、流動層反応炉からの発生ガス、すなわち流動層においてバイオマスのガス化により発生しフリーボード部を経由したガスは、可燃性ガスを多量に含むものであるため、ガスタービンの燃料とするのに好適である。したがって、上記のように流動層・ガスタービン間で相互にガスを利用するこの請求項の方法は、バイオマス由来のエネルギーを効率的に利用できるものといえる。また、前記したように発生ガス中のタールの量が抑制されているので、そのガスを用いるガスタービンまたはその周辺の機器において、タールの付着に起因する性能低下等の不都合が生じがたいというメリットもある。
【0027】
なお、ガスタービンの排ガス中には上記のとおり酸素が含まれているので、請求項3に関して記載したように、同じ排ガスをフリーボード部への吹込みガスとするのもよい。そうすれば、エネルギーをさらに有効利用でき、フリーボード部の温度コントロールを一層簡単に実現することが可能になる。
【0028】
請求項6に記載したバイオマスのガス化装置は、バイオマスを部分燃焼させてガス化するための流動層反応炉を含むもので、当該反応炉における流動層より上部のフリーボード部(空塔部)に、流動層内とは別に発生ガスの温度コントロールを行うための温度制御手段を設けたことを特徴とする。
【0029】
このガス化装置は、これを使用することによって、請求項1に記載したガス化方法の実施を可能にする。上記の温度制御手段を用い、フリーボード部において流動層内とは別に発生ガスの温度コントロールを行えるからである。請求項1のガス化方法を実現できる以上、前記したa)〜c)等のメリットを享受することが当然に可能である。
【0030】
請求項7に記載のガス化装置はとくに、上記の温度制御手段として、フリーボード部の温度検出をなす温度センサーと、開度調整可能なバルブを介してフリーボード部に酸素含有ガスを吹き込む吹込みノズルと、温度センサーの検出信号に応じてバルブの開度調整をなす調節・操作機器とを組み合わせたことを特徴とする。
【0031】
このガス化装置によれば、請求項3に記載したガス化方法を円滑に実施することができる。フリーボード部には高温度の可燃性ガスが存在するため、上記の吹込みノズルから酸素含有ガスを吹き込むと可燃性ガスの一部を燃焼させることができるほか、上記の温度センサーにより温度を検出し、その検出信号に基づいて調節・操作機器がバルブの開度調整をすることにより、請求項3に記載したように吹込みガス量を調整してフリーボード部の温度コントロールを行えるからである。請求項3の方法を実施できることから、前記したように、フリーボード部の温度コントロールを簡易な設備によって適切に実施できるというメリットがもたらされる。
【0032】
請求項8に記載のガス化装置はとくに、酸素含有ガスを吹き込む上記の吹込みノズルとして、流動層反応炉(のフリーボード部)の炉壁内面に沿って(たとえば炉壁が円筒状の場合には概ね接線の方向に)吹き込むものを配置したことを特徴とする。
【0033】
こうしたガス化装置では、発生ガスをフリーボード部において効率よく混合・撹拌することができる。吹込みノズルが炉壁内面に沿って酸素含有ガスを吹き込むため、その流れによってフリーボード部内のガスの全体が炉壁内面に沿って旋回させることができるからである。こうしてフリーボード部において発生ガスを混合・撹拌できると、発生ガスの温度を均一化でき、タールの含有量を減少させて、請求項1の発明についての前記a)〜c)の作用等をとくに円滑に実現できるようになる。上記のように旋回流が生じる結果、発生ガスのフリーボード部11d内での滞留時間が長くなるので、タールの分解が一層確実に促進されるという利点もある。
【0034】
請求項9に記載のガス化装置はとくに、流動層反応炉におけるフリーボード部に、断面積(水平横断面における内部開口の断面積)の異なる部分を設けたことを特徴とする。断面積の異なる部分は、ある部分からその上部にかけて断面積が拡大するように設けるのがよく、断面積が不連続に拡大するものであればとくに好ましい。
【0035】
このように断面積の異なる部分を設けると、流動層部分で発生してフリーボード部へと上昇する発生ガスの流れに渦などの乱れが生じる。そのような乱れが生じると、発生ガスが混合・撹拌されやすく、したがって上記請求項の装置と同じく、発生ガスの温度・成分を均一化し、タールの含有量を効果的に減少させることができる。
【0036】
請求項10に記載のガス化装置はさらに、流動層またはその下部の風箱に向けて(双方に向ける場合を含む)、水蒸気を吹き込む吹込みノズルを設けたことを特徴とする。
【0037】
このガス化装置では、吹込みノズルより水蒸気を吹き込むことにより流動層内に水分を添加できるので、同時に流動層内の温度を500℃以上・700℃以下にすれば、請求項4に記載したガス化方法を実現することができる。したがって、チャーの含有量を減らしてエネルギー利用率の高いガスを得ることができる。
【0038】
請求項11に記載のガス化装置はとくに、流動化ガスの導入管をガスタービンの排ガス管と接続するとともに、流動層の発生ガスの排出管を同じガスタービンの燃焼器に接続したことを特徴とする。
【0039】
この装置によれば、請求項5に記載したガス化方法を円滑に実施できる。上記の導入管によりガスタービンの排ガスを流動化ガスとして流動層内に導入する一方、上記の排出管が、流動層の発生ガスを同じガスタービンに燃料として供給するからである。
【0040】
当該方法を実施できることから、この装置では、前記のようにエネルギーの効率的な利用が可能になる。ガスタービンやその周辺機器においてタールの付着に起因する不都合の発生が防止されるというメリットもある。
【0041】
なお、ガスタービンの排ガス管は、フリーボード部への吹込みガスの吹込み管にも接続するとさらに好ましい。ガスタービンの排ガス中には酸素が含まれているので、そのようにすれば、エネルギーをさらに有効利用してフリーボード部の温度コントロールを簡単に実現できるようになる。
【0042】
【発明の実施の形態】
発明の実施についての一形態を図1〜図3に示す。図1は、間伐材や木屑などのバイオマスを原料とするガス化装置10を概念的に示す断面図である。また図2は、そのガス化装置10における発生ガスについて温度と成分比率との関係を示す線図、図3は、図1のガス化装置10を含む小規模分散型の発電システム1について全体を示す系統図である。
【0043】
図6に示した従来のガス化装置と同様、図1のガス化装置10も流動層反応炉11を主体に構成したもので、概ねの構造と機能はつぎのとおりである。流動層反応炉11には、まず、円筒状の炉体の下部に風箱11aとしての空間を設け、その上に、ガスの通る通孔を多数有する分散板11bを取り付けている。細かく破砕した上記バイオマスを炉体上部の投入管15より分散板11b上に投入する一方、流動化ガスであってバイオマスと反応させる酸素含有のガス(250〜300℃)を導入管5aから風箱11a内へ導入し、分散板11bの通孔を通して上方へ送る。そのガスの流量を適当にすれば、投入されたバイオマスは分散板11b上で流動化して流動層11cを形成する。バイオマスは、流動層11cにおいて流動化ガスと活発に接触し、500℃以上・700℃未満の反応温度(60℃〜650℃が最適ゆえ、この温度を目標として温度計測しながらガス流量等を調整する)でいわゆる部分燃焼をし、一酸化炭素や水素、炭化水素等の可燃性ガスを発生する。その発生ガスは、流動層11cの上のフリーボード部11dを経由して排出管6aより炉外へ出る。なお、炉体をコンパクトにしながら内部のガス化反応を活発化する目的で、流動層反応炉11の内部圧力は約3kgf/cm2(約0.3MPa)と高めに保っている。また、炉体の直径を200〜1000mmと小型に構成した図1のガス化装置10は、1基・1日あたりの木質系バイオマスの最大処理量が0.2〜1.0トンである。
【0044】
図1のガス化装置10は、上記の流動層反応炉11に対し、下記a)〜d)の特徴を新たに付加したものである。すなわち、
a) 上記の流動化ガスと同じガスを、流動層反応炉11のフリーボード部11d内に吹き込むようにした。吹き込むための構成としては、上記の導入管5aに至る管5から別の導入管5bを分岐させたうえ、その先をさらに複数本(図には3本を例示)に分岐させ、それぞれを、バルブ12を介し、フリーボード部11dの炉壁各部に内側向きに設けた吹込みノズルに接続した。上記の流動化ガスと同じガスをフリーボード部11d内に吹き込むことにより、流動層11cで生じた一酸化炭素など発生ガスの一部を燃焼させ、付近の温度を上昇させるのである。
【0045】
b) 上記のようにフリーボード部11dに吹き込むガスの量は、同部11dにおいて上記の発生ガスが500℃以上・700℃未満となるように調整する(目標とする最適温度は600℃〜650℃である)。調整のための手段として、フリーボード部11dの各所(炉壁内面等)に温度センサー13を配置し、その温度センサー13からの温度信号T1、T2…を、上記した各バルブ12の調節・操作機器であるコントローラに伝えることとしている。各バルブ12にて吹込み量を調整されるノズルの吹込み先に近い位置に、そのバルブ12用のコントローラに信号T1、T2…を送る温度センサー13をそれぞれ配置している。各温度センサー13が検出するフリーボード部11dの温度に基づいて各バルブ12の開度調整、したがって酸素含有ガスの吹込み量を加減し、もってフリーボード部11dの温度コントロールを行う。
【0046】
c) フリーボード部11dへの吹込みノズルは、図1(b)に模式的に示すように炉体のほぼ接線方向に、つまり炉壁内面に沿ってほぼ水平にガスを吹き込むよう、向きを定めている。これにより、フリーボード部11dの内部には矢印xのような旋回流が生じ、内部のガス(流動層11cからの発生ガス)が撹拌される。この撹拌効果によってフリーボード部11d内のガスは混合され、その成分や温度が速やかに均一化されるうえ、同部11d内の滞留時間も長くなる。
【0047】
d) 流動層11cには、上記のように酸素含有の流動化ガスを導入することと併せて水蒸気を吹き入れる。すなわち図1(a)のように、水蒸気管14の先のノズルを風箱11aの内部に向ける。風箱11a内に水蒸気を吹き込めば、流動化ガスとともにその水蒸気は流動層11c内に送られる。風箱11a内に吹き込むのに代えて、またはそれとともに、図示のように水蒸気管14aを流動層11cの側壁に接続して流動層11c内に水蒸気を直接に吹き入れるのもよい。上記のように流動層11c内を500℃以上に保つとともに、バイオマスが有する水分に加えて水蒸気管14(14a)から水蒸気を流動層11c内に添加すると、そこでいわゆる水性ガス化反応が活発化する。この反応によって炭素が一酸化炭素と水素とに変わるため、流動層11cからは、チャーが少なくて可燃性ガスの多い、したがってエネルギー利用率の高いガスが発生する。
【0048】
こうした図1のガス化装置10には、つぎのような利点がある。
イ) バイオマスを活発にガス化しながら、発生ガス中のタールの含有量を少なくすることができる。流動層11cとフリーボード部11dとのそれぞれにおいて温度を500〜700℃にコントロールするからである。とくに、発生ガス中のタールを少なくできるのは、フリーボード部11dにおいて適切な温度維持が可能だからである。流動層11cでのバイオマスのガス化によっては発生ガス中にかなりのタールが含まれるが、そのガスを高温度に維持すれば、図2のようにタールは分解されて含有量が少なくなる。なお図2は、発明者らがバイオマスのガス化について温度と線分比率との関係を明らかにしたもので、図のように600℃以上の温度域においてタールは大幅に減少し、650℃付近に保たれると40%前後と少量になる。図1のフリーボード部11dにおいては吹込み管5bの撹拌作用によってガスの混合や滞留時間の延長が実現するので、タールの分解がとくに促進されやすい。こうして発生ガス中のタールを減らすことができると、下流側の装置(後述する集塵器やガスタービン等)においてタールの付着量が少なくなり、長期間の円滑な運転が可能になる。
【0049】
ロ) 発生ガス中のチャーについても含有量を減らすことができる。これは、流動層11cおよびフリーボード部11dにおいてガスの温度を高く保つことにより上記と同じ図2にしたがってチャーが減少することに加え、流動層11c内に水蒸気を吹き込むことによる。なお、以上のようにしてタールやチャーを減らすと、発生ガスについてその分だけ可燃成分が増え、そのガスのエネルギー利用率が向上することになる。
【0050】
ハ) 発生ガスに含まれるダスト等の集塵が、一般仕様の集塵器(後述)によって容易に行える。フリーボード部11dにおいてガスの温度が700℃以上にならないように温度コントロールするからである。同部11dのガスをこのような温度にするなら、ガス化装置10(流動層反応炉11)を出る時点でのガスも、当然にバグフィルター等で容易に集塵のできる温度になるからである。
【0051】
なお、原料とする木質系バイオマスが大量には収集・集積することが困難であることを考慮して小容量の流動層反応炉11をガス化装置10とする場合には、炉体における耐火材使用量を少なくする(またはゼロにする)のがよい。耐火材の使用量が多い場合、炉体の熱容量が大きくなるので、定常運転に入る前にかなりの時間とエネルギーをかけて炉体の予熱を行わねばならないからである。ただし、流動層11cでの発生ガスにつき温度降下を抑制するのは、発生ガス中のタールを少なくするとともに酸素含有ガスの消費量を減らすうえで有意義である。そのため、フリーボード部11d等は、熱容量の小さい断熱材(保温材)を用いたり炉壁を多重構造(断熱層としての空気層を有する構造)にしたりすることによる保温構造にして、内外間の熱移動を制限するのが好ましい。
【0052】
図1に示したガス化装置10は、図3に示す発電システム1に組み入れて使用している。図3の発電システム1は、ガス化装置10とガスタービン2とを結合したもので、ガス化装置10で発生するガスをガスタービン2の燃料にするとともに、ガスタービン2の排ガスを、バイオマスの流動化とフリーボード部11dの加熱とに用いる酸素含有ガスとしてガス化装置10へ導入する。
【0053】
図3の発電システム1についての具体的な構成はつぎのとおりである。ガス化装置10である流動層反応炉11から出たガス(一酸化炭素や水素等の可燃成分のほかタールやチャーを含む)は、集塵器7(バグフィルター)に通したうえ、燃料としてそのままガスタービン2の燃焼器2bに送る。その燃料は、予熱装置4で予熱し圧縮器2aで圧縮した空気で燃焼させてタービン2cに供給することにより回転動力に変換し、その動力により発電機2dで発電をする。タービン2aの排ガスは、酸素濃度が15〜16%の高温ガス(約600℃)であるため、熱交換器4を経由させて廃熱利用をはかり、また、昇温した空気(250〜300℃)を、一部を燃焼器2b等に供給するとともに、他の一部を管5から導入管5a・5bを介して流動層反応炉11の流動層11cとフリーボード部11dとに供給する。
【0054】
この発電システム1では、ガス化装置10の投入管15からバイオマスを投入すると、そのエネルギーをもとに、ガスタービン2の発電機2dにおいて電力を取り出し、かつ、熱交換器4またはそれ以降の排ガス利用機器、さらにはガス化装置10において熱エネルギーを利用することができ、エネルギーの効率的利用がはかれる。しかも、前記したようにガス化装置10において発生ガス中のタールやチャーが少なくされているので、燃焼器2bやタービン2cにおいてそれらの付着にともなう不都合が発生しにくい。
【0055】
つぎの図4は、図1のガス化装置10に対して一部を改変したガス化装置20を示す縦断面図である。図1のガス化装置10に使用したものと同様の流動層反応炉11を主要部とし、その風箱11aとフリーボード部11dとに対して酸素含有ガスの導入管5a・5bをそれぞれ接続するなどしている(図1のガス化装置10と共通の部分には同一の符号を付している)。
【0056】
このガス化装置20では、流動層反応炉11の流動層11cのすぐ上、すなわちフリーボード部11dの下部に、図示のように絞り部16を形成している。絞り部16は、炉壁内面に固定した環状体であって、モルタルを盛り付けたり金属部材を溶接したりして形成する。流動層反応炉11の断面積(水平横断面における内部開口の断面積)は、この絞り部16において一旦急激に小さくなり、それより上部のフリーボード部11dにかけて急激に拡大する。
【0057】
流動層11cを出てフリーボード部11dに至る炉内発生ガスの経路にこのように断面積の急変部を設けたことにより、当該発生ガスは、断面積の拡大する絞り部16の直上部分において流れを乱し、図示の矢印yのように鉛直面内で旋回流(渦)を形成し撹拌される。フリーボード部11dにおいて発生ガスが撹拌されると、図1(b)のように旋回流(矢印x)にて撹拌をはかった例と同様に同ガスの成分や温度が均一化され、ガス中のタールの分解が促進される。なお、この図4の例においても、酸素含有ガスの吹込みノズルを図1(b)のように炉壁内面に沿う方向に向けると、一層の撹拌効果がもたらされる。
【0058】
図5は、ガス化装置についてのさらに別の改変例を示す縦断面図である。図示のガス化装置30も、図1・図4の例とほぼ同じ流動層反応炉11を主体に構成したものである(図1のガス化装置10と共通する部分には同一の符号を付している)。
【0059】
図5のガス化装置30が図1・図3の装置10・20と相違するのは、風箱11aおよび流動層11cの直径に比べてフリーボード部11dの直径を大きくした点である。具体的には、流動層11cとフリーボード部11dとの間に拡径部17を設け、その部分をはさんで炉内の水平断面積が1.5倍〜2倍に急激に変化するようにした。
【0060】
このように拡径部17を設けると、流動層11cでの発生ガスは、フリーボード部11d内へ進むとき、同部11dの側壁付近で矢印zのように旋回流(渦)を形成して撹拌される。したがって、フリーボード部11dにおいて発生ガスの成分や温度が均一化され、そのガス中のタールの分解が促進される。なお、この例においても、酸素含有ガスの吹込みノズルを図1(b)のように炉壁内面に沿う方向に向けると、発生ガスを撹拌する点でさらに効果的である。
【0061】
【発明の効果】
請求項1に記載したバイオマスのガス化方法、または請求項6に記載のガス化装置によれば、a)タールの生成を少なくし、それが下流側の機器に付着することによる不都合を防止できる、b)発生ガスに含まれるダスト等の集塵を一般的な集塵器によっても容易に実施できる、c)精度を要する困難な温度コントロールを円滑に実現でき、もってガス化ガスの発生量や可燃成分の含有比率に関しても好ましい、適切なガス化が可能になる。
【0062】
請求項2に記載したガス化方法では、請求項1の方法による上記の効果がとくに好適に得られる。また、小規模であって断熱性が高くない流動層反応炉において、設備コストを低減し、予熱時間・予熱用エネルギーを削減できるというメリットもある。
【0063】
請求項3に記載のガス化方法または請求項7に記載のガス化装置によれば、フリーボード部における温度コントロールを、とくに簡易な設備を用いて適切に実施できる。
【0064】
請求項4のガス化方法または請求項10のガス化装置なら、さらに、発生ガス中のタールとともにチャーの含有量をも減らすことができ、可燃成分の量を増すことができる。
【0065】
請求項5のガス化方法または請求項11のガス化装置なら、バイオマスが有するエネルギーをとくに効率的に利用できる。ガスタービンまたはその周辺の機器が、タールの付着に起因して性能低下等を起こすことも避けられる。
【0066】
請求項8または請求項9に記載のガス化装置では、発生ガスをフリーボード部においてよく混合・撹拌することができるので、請求項1・6の発明についての前記a)〜c)の効果がとくに顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)・(b)は、発明の実施についての一形態であるガス化装置10を概念的に示す断面図で、同(a)は縦断面図、同(b)は横断面図(同(a)におけるb−b断面図)である。
【図2】ガス化装置10における発生ガスについて温度と成分比率との関係を示す線図である。
【図3】ガス化装置10を含む小規模分散型の発電システム1について全体を示す系統図である。
【図4】図1のガス化装置10に対して一部を改変したガス化装置20を示す概念的な縦断面図である。
【図5】図1のガス化装置10に対するさらに別の改変例であるガス化装置30を示す概念的な縦断面図である。
【図6】バイオマス用の従来の一般的なガス化装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 発電システム
2 ガスタービン
7 集塵器
10・20・30 ガス化装置
11 流動層反応炉
11c 流動層
11d フリーボード部
12 バルブ
13 温度センサー
16 絞り部(断面積の異なる部分)
17 拡径部(断面積の異なる部分)
【発明の属する技術分野】
請求項に係る発明は、バイオマスをガス化してエネルギー利用率の高い好ましい可燃性ガスを得るための方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バイオマスとは一般に、エネルギー源または工業原料としての生物体をいい、木や草、木材系の廃棄物といった植物系のもののほか、家畜の糞など動物系のものが含まれる。近年、エネルギー資源についての懸念や地球温暖化の問題とも関連して、このようなバイオマスをガス化して燃料にする技術が種々開発されるようになった。
【0003】
図6は、植物系バイオマス(この項では、以下「バイオマス」と称す)の一般的なガス化装置を示す縦断面図である。ガス化装置としては、通常、図示のような流動層反応炉31が使用される。バイオマスは、細かくされたうえ投入管35より分散板31b上に投入され、下方の風箱31aから導入される流動化ガスによって流動化し、流動層31cを形成する。流動層31cにおいてバイオマスは、酸素を含む流動化ガスと活発に接触することにより部分燃焼してガス化され、一酸化炭素(CO)や水素(H2)、炭化水素(たとえばメタンCH4)等の可燃性ガスとなり、炉内上部のフリーボード部31dを経て炉外へ送り出される。
【0004】
また下記の特許文献1にも、バイオマスを効率的にガス化できるという技術が示されている。同文献には、流動層(流動床)等のガス化炉内にバイオマスを適切な粒径の粉砕物として供給するとともに、酸素を含む燃焼酸化剤をも適量供給し、炉内温度を700〜1200℃にするのがよいと記載されている。700℃以上がよい理由は、700℃未満だとバイオマスの熱分解が良好には行われないからだとされている。
【特許文献1】特開2001−240877号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
発明者らの調査によれば、バイオマスのガス化にあたって流動層温度を700℃以上にする場合、下記の不都合が生じることが明らかになった。すなわち、
イ) 発生ガス中に含まれる可燃性ガスが少なくなりがちである。バイオマスのガス化は、バイオマスを部分燃焼(不完全燃焼)させるによって一酸化炭素や水素等の可燃性ガスを得るものだが、流動層温度を700℃以上にすると、それら可燃性ガスのうちに流動層で燃焼してしまうものが多くなる。その結果、発生し回収されるガスのエネルギー利用率が低くなるのである。
ロ) 発生ガスの温度が高くなる結果、そのガスの集塵を行いがたくなる。集塵器として広く使用されるバグフィルターは、布等でできたフィルター(濾布)の耐熱性に限界があるため、一般仕様の設備で700℃以上の高温度のガスを処理するのは困難である。他の形式のフィルターについても耐熱性について同様の課題があるため、炉内温度を700℃以上にすれば、特殊な集塵器が不可欠となって設備コストが大幅に上昇すると予想される。
【0006】
その一方、流動層温度があまりに低いと、
ハ) 反応が活発でなくなってガスの発生量が少なくなる、
ニ) 発生ガス中の高沸点成分であるタールが凝縮しやすくなり、ガス化炉やそれより下流側の機器の内面に付着して運転性能を低下させる
といった不都合を招きやすい。
【0007】
請求項に係る発明は、上記イ)〜ニ)のような課題を考慮して、エネルギー利用率の高いガスを得られるとともに関連機器へのタールの付着を防止できる好ましいガス化方法およびガス化装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載したバイオマスのガス化方法は、流動層にてバイオマスをガス化するとともに、流動層より上部のフリーボード部(空塔部)で、流動層内とは別に発生ガスの温度コントロールを行うことを特徴とする。
【0009】
このガス化方法では、木材などのバイオマスを、酸素を含む流動化ガス(たとえば、200〜300℃に予熱した空気)により流動化し、当該酸素によりその流動層において部分燃焼させることによりガス化し、もって一酸化炭素や水素、炭化水素などの可燃性ガスを発生させる。この点は、従来の一般的な方法と同様である。
【0010】
しかしこの請求項1の方法では、前掲の特許文献1に記載の例を含む従来の方法と異なり、流動層より上部のフリーボード部において、流動層内とは別に(つまり流動層内における温度コントロールの有無やその手段とは独立して)発生ガスの温度コントロールを行う。そのため、この方法には下記a)〜c)のような特徴的な作用がある。
【0011】
a) タールの生成を少なくし、それが下流側の関連機器に付着することによる不都合を防止できる。タールは、ガス化による発生ガスに含まれる高沸点の炭化水素であり、一般的には高温度になるほど分解して含有量が少なくなる。本方法では、流動層より上部にあって、発生したガスが流動層部分を出た直後に(したがって下流側関連機器に達する前に)通過するフリーボード部において発生ガスの温度コントロールを行うものであるから、発生ガス中のタールを十分に分解し減少させることができ、水洗処理や触媒による分解処理を行わなくとも下流側機器へのタールの付着を少なくすることができる。タールが減少すれば、それをバインダーにしてチャー、灰分が下流側機器に付着するという不都合も生じがたくなる。
【0012】
b) 発生ガスに含まれるダスト等の集塵が、一般仕様の集塵器によっても容易に実施できる。フリーボード部において、すなわち流動層反応炉を出る直前で発生ガスの温度コントロールをするのであるから、下流側の集塵器へ至るガスを、集塵器が性能を発揮しやすい温度にすることが容易なのである。したがって、必要な集塵を低コストの設備によって円滑に行うことができる。
【0013】
c) かなりの精度を要することから従来困難であった温度コントロールを円滑に実現でき、もって前述したイ)〜ニ)の課題を適切に解消できる。フリーボード部の温度について、流動層内とは別にコントロールを行うからである。温度コントロールが精度を要して困難であるのは、つぎのような技術的事情による。すなわち、まず、上記a)のようにタールの生成を少なくするには発生ガスの温度を上げるのが好ましく、b)のように発生ガスの集塵を容易にするには同じガスの温度を下げる必要があるので、フリーボード部における適切な温度範囲はせまい。また流動層の温度に関しても、バイオマスと流動化ガスとの反応を活発に行わせるとともにエネルギー利用率の高いガスを回収できる適切な温度範囲は広くないうえ、流動層反応炉の断熱性や運転状況によっては流動層の温度とフリーボード部の温度とがそれぞれ独自に変化する。したがって、従来(前掲の特許文献1を含む)のように流動層内と一体的にフリーボード部の温度コントロールを行う方法では、適切な温度コントロールが困難であった。
【0014】
請求項2に記載したガス化方法は、とくに、流動層内の温度(バイオマスと流動化ガスとの反応温度)を500℃以上・700℃未満にするとともに、フリーボード部では、加熱することにより、ガス(発生ガス)を500℃以上・700℃未満にすることを特徴とする。なお、流動層内温度は、600℃以上・650℃以下とすることが好ましい。
ここにいうフリーボード部での加熱は、先に記載した温度コントロールの一態様として加熱するものである。流動層で発生したガスは、反応炉からの放熱により、フリーボード部に至って温度降下するのが一般である(とくに流動層反応炉が小規模である場合等には温度降下の幅が大きい)が、この請求項の方法では、上記のとおり加熱することによって、フリーボード部におけるガスの温度を500℃以上・700℃未満にする。
【0015】
流動層内の温度を上記のように500℃以上・700℃未満にすると、バイオマスのガス化を活発に行いながら、発生ガス中に多くの可燃性ガスを含ませることができる。すなわち、流動層内の温度を500℃以上にすると、木材等のバイオマスを、酸素を含む流動化ガスと活発に反応させて部分燃焼を促進することができ、温度を700℃未満に保つと、ガス化によって発生する可燃性ガスについて流動層内で燃焼してしまう量を抑制できて、回収されるガスのエネルギー利用率を高くすることが可能である。特に、流動層内の温度を600℃以上・650℃以下としてバイオマスをガス化すれば、バイオマスの炭素転換率が高くなり、ガス化によって生成した、タール分を含む可燃性ガスの発熱量が高くなるという有利な効果がある。
【0016】
同時に、発生ガスをフリーボード部において500℃以上・700℃未満の温度範囲に保てば、同部を出るガスについてタールの含有量を少なくし、かつ集塵を行いやすくできる。つまり、フリーボード部でのガス温度を500℃以上に保つことから、ガス中のタールがよく分解されてその含有量が減少し、その一方、ガス温度を700℃未満にすることから、一般仕様の集塵器によっても円滑な集塵が可能になる。
【0017】
したがってこの請求項の方法によれば、前記イ)〜ニ)の課題が極めて好ましく解決される。なお、フリーボード部において加熱することによりガスの温度をコントロールするので、この方法は、小規模であることや断熱性が高くないことを理由に内部の温度降下が発生しやすい流動層反応炉を使用する場合にとくに適している。つまり、保温することのみによってフリーボード部の温度を流動層内の温度に近づけるのでないため、小容量の流動層反応炉に厚い断熱層を設ける等の必要がなく、したがって設備コストの低減、予熱時間・予熱用エネルギーの削減といったメリットが付随する。
【0018】
請求項3に記載のガス化方法はとくに、フリーボード部において、酸素含有ガスを吹き込むことにより発生ガスの一部を燃焼させ、温度を検出しながら当該吹込みガス量(つまり酸素含有ガスの吹込み量)を調整することによって上記の温度コントロールを行うことを特徴とする。
【0019】
このガス化方法では、流動層における発生ガスがフリーボード部に至って温度降下するのに対し、その発生ガスの一部を燃焼させることによって温度上昇をはかり、もって前記請求項の方法における温度コントロールを行う。フリーボード部における温度コントロールを、とくに簡易な設備を用いて適切に実施できる点が、この請求項の方法の作用上の特徴である。
【0020】
簡易な設備で温度コントロールを行えるのは、酸素含有ガスを吹き込むことのみによって発生ガスを温度上昇させるからである。発生ガスの温度上昇は、たとえばフリーボード部にオイルバーナーや電気ヒーターを設けることによっても実現できるが、上記のとおり酸素含有ガスを吹き込むのが最も簡単である。残存酸素を含む各種燃焼排ガスや空気など、安価なガスを酸素含有ガスとして使用できるうえ、燃料を併せて吹き込む必要がないからである。酸素含有ガスを吹き込めば、フリーボード部にある高温度の可燃性ガスの一部が自ずと着火して燃焼し、フリーボード部の温度を上昇させる。なお、発生ガスをごく少量燃焼させるだけで相当の発熱によりフリーボード部が十分に温度上昇するので、発生ガス中の可燃性ガスの減少量は極めてわずかである。
【0021】
上記の温度コントロールを適切に実施できるのは、フリーボード部において温度を検出しながら上記吹込みガス(酸素含有ガス)の量を調整するからである。つまり、制御量であるフリーボード部の温度を検出し、その結果をフィードバックしながら吹込みガス量を調節するという制御によって、外乱の影響を抑えた正確で好ましい温度維持が可能になる。
【0022】
請求項4に記載のガス化方法はとくに、流動層内の温度を500℃以上・700℃未満にするとともに、その流動層内に水分を添加することを特徴とする。水分は、たとえば水蒸気の形で、風箱(流動層の下部)または流動層部分の側部炉壁から吹き入れるようにするとよい。
【0023】
この方法によれば、上記のようにタール分を減少させ得る等の作用に加え、発生ガス中のチャー(炭素粉)の含有量も減らして可燃性ガスを増加させることができる。500℃以上という高温度のもとでは炭素(C)は水(H2O)と水性ガス化反応(C+H2O→CO+H2)を起こし、一酸化炭素と水素とに変わるからである。チャーは、付着したタールをバインダーにしてその上に付着・堆積しがちであるため、タールとともにチャーの含有量が減ると、下流側機器における運転性能が低下する等の不都合はとくに効果的に解消される。なお、流動層内の温度を700℃未満に保つことから、エネルギー利用率の高いガスが得られるという利点も失われない。なお、流動層内の温度を特に600℃以上・650℃以下にすれば、バイオマスの炭素転換率が高くなり、ガス化によって生成した、タール分を含む可燃性ガスの発熱量が高くなるという効果が期待できる。
【0024】
請求項5に記載のガス化方法はとくに、流動化ガスとしてガスタービンの排ガスを流動層反応炉内に導入するとともに、流動層反応炉の発生ガスを同じガスタービンの燃料とすることを特徴とする。
【0025】
ガスタービンの排ガスは、排気直後において600℃前後あり、廃熱利用をした後においても一般的には250℃程度以上の温度を有している。しかもその排ガスは未消費の酸素を含む(排ガス中の15%前後)ので、バイオマスを流動化させるとともにガス化すべく反応させる流体として極めて適している。つまり、ガスタービンの排ガスを流動化ガスとして流動層反応炉内に導入すれば、バイオマスを部分燃焼させて流動層内を前記の温度範囲にし、適切なガス化を実現できる。
【0026】
一方、流動層反応炉からの発生ガス、すなわち流動層においてバイオマスのガス化により発生しフリーボード部を経由したガスは、可燃性ガスを多量に含むものであるため、ガスタービンの燃料とするのに好適である。したがって、上記のように流動層・ガスタービン間で相互にガスを利用するこの請求項の方法は、バイオマス由来のエネルギーを効率的に利用できるものといえる。また、前記したように発生ガス中のタールの量が抑制されているので、そのガスを用いるガスタービンまたはその周辺の機器において、タールの付着に起因する性能低下等の不都合が生じがたいというメリットもある。
【0027】
なお、ガスタービンの排ガス中には上記のとおり酸素が含まれているので、請求項3に関して記載したように、同じ排ガスをフリーボード部への吹込みガスとするのもよい。そうすれば、エネルギーをさらに有効利用でき、フリーボード部の温度コントロールを一層簡単に実現することが可能になる。
【0028】
請求項6に記載したバイオマスのガス化装置は、バイオマスを部分燃焼させてガス化するための流動層反応炉を含むもので、当該反応炉における流動層より上部のフリーボード部(空塔部)に、流動層内とは別に発生ガスの温度コントロールを行うための温度制御手段を設けたことを特徴とする。
【0029】
このガス化装置は、これを使用することによって、請求項1に記載したガス化方法の実施を可能にする。上記の温度制御手段を用い、フリーボード部において流動層内とは別に発生ガスの温度コントロールを行えるからである。請求項1のガス化方法を実現できる以上、前記したa)〜c)等のメリットを享受することが当然に可能である。
【0030】
請求項7に記載のガス化装置はとくに、上記の温度制御手段として、フリーボード部の温度検出をなす温度センサーと、開度調整可能なバルブを介してフリーボード部に酸素含有ガスを吹き込む吹込みノズルと、温度センサーの検出信号に応じてバルブの開度調整をなす調節・操作機器とを組み合わせたことを特徴とする。
【0031】
このガス化装置によれば、請求項3に記載したガス化方法を円滑に実施することができる。フリーボード部には高温度の可燃性ガスが存在するため、上記の吹込みノズルから酸素含有ガスを吹き込むと可燃性ガスの一部を燃焼させることができるほか、上記の温度センサーにより温度を検出し、その検出信号に基づいて調節・操作機器がバルブの開度調整をすることにより、請求項3に記載したように吹込みガス量を調整してフリーボード部の温度コントロールを行えるからである。請求項3の方法を実施できることから、前記したように、フリーボード部の温度コントロールを簡易な設備によって適切に実施できるというメリットがもたらされる。
【0032】
請求項8に記載のガス化装置はとくに、酸素含有ガスを吹き込む上記の吹込みノズルとして、流動層反応炉(のフリーボード部)の炉壁内面に沿って(たとえば炉壁が円筒状の場合には概ね接線の方向に)吹き込むものを配置したことを特徴とする。
【0033】
こうしたガス化装置では、発生ガスをフリーボード部において効率よく混合・撹拌することができる。吹込みノズルが炉壁内面に沿って酸素含有ガスを吹き込むため、その流れによってフリーボード部内のガスの全体が炉壁内面に沿って旋回させることができるからである。こうしてフリーボード部において発生ガスを混合・撹拌できると、発生ガスの温度を均一化でき、タールの含有量を減少させて、請求項1の発明についての前記a)〜c)の作用等をとくに円滑に実現できるようになる。上記のように旋回流が生じる結果、発生ガスのフリーボード部11d内での滞留時間が長くなるので、タールの分解が一層確実に促進されるという利点もある。
【0034】
請求項9に記載のガス化装置はとくに、流動層反応炉におけるフリーボード部に、断面積(水平横断面における内部開口の断面積)の異なる部分を設けたことを特徴とする。断面積の異なる部分は、ある部分からその上部にかけて断面積が拡大するように設けるのがよく、断面積が不連続に拡大するものであればとくに好ましい。
【0035】
このように断面積の異なる部分を設けると、流動層部分で発生してフリーボード部へと上昇する発生ガスの流れに渦などの乱れが生じる。そのような乱れが生じると、発生ガスが混合・撹拌されやすく、したがって上記請求項の装置と同じく、発生ガスの温度・成分を均一化し、タールの含有量を効果的に減少させることができる。
【0036】
請求項10に記載のガス化装置はさらに、流動層またはその下部の風箱に向けて(双方に向ける場合を含む)、水蒸気を吹き込む吹込みノズルを設けたことを特徴とする。
【0037】
このガス化装置では、吹込みノズルより水蒸気を吹き込むことにより流動層内に水分を添加できるので、同時に流動層内の温度を500℃以上・700℃以下にすれば、請求項4に記載したガス化方法を実現することができる。したがって、チャーの含有量を減らしてエネルギー利用率の高いガスを得ることができる。
【0038】
請求項11に記載のガス化装置はとくに、流動化ガスの導入管をガスタービンの排ガス管と接続するとともに、流動層の発生ガスの排出管を同じガスタービンの燃焼器に接続したことを特徴とする。
【0039】
この装置によれば、請求項5に記載したガス化方法を円滑に実施できる。上記の導入管によりガスタービンの排ガスを流動化ガスとして流動層内に導入する一方、上記の排出管が、流動層の発生ガスを同じガスタービンに燃料として供給するからである。
【0040】
当該方法を実施できることから、この装置では、前記のようにエネルギーの効率的な利用が可能になる。ガスタービンやその周辺機器においてタールの付着に起因する不都合の発生が防止されるというメリットもある。
【0041】
なお、ガスタービンの排ガス管は、フリーボード部への吹込みガスの吹込み管にも接続するとさらに好ましい。ガスタービンの排ガス中には酸素が含まれているので、そのようにすれば、エネルギーをさらに有効利用してフリーボード部の温度コントロールを簡単に実現できるようになる。
【0042】
【発明の実施の形態】
発明の実施についての一形態を図1〜図3に示す。図1は、間伐材や木屑などのバイオマスを原料とするガス化装置10を概念的に示す断面図である。また図2は、そのガス化装置10における発生ガスについて温度と成分比率との関係を示す線図、図3は、図1のガス化装置10を含む小規模分散型の発電システム1について全体を示す系統図である。
【0043】
図6に示した従来のガス化装置と同様、図1のガス化装置10も流動層反応炉11を主体に構成したもので、概ねの構造と機能はつぎのとおりである。流動層反応炉11には、まず、円筒状の炉体の下部に風箱11aとしての空間を設け、その上に、ガスの通る通孔を多数有する分散板11bを取り付けている。細かく破砕した上記バイオマスを炉体上部の投入管15より分散板11b上に投入する一方、流動化ガスであってバイオマスと反応させる酸素含有のガス(250〜300℃)を導入管5aから風箱11a内へ導入し、分散板11bの通孔を通して上方へ送る。そのガスの流量を適当にすれば、投入されたバイオマスは分散板11b上で流動化して流動層11cを形成する。バイオマスは、流動層11cにおいて流動化ガスと活発に接触し、500℃以上・700℃未満の反応温度(60℃〜650℃が最適ゆえ、この温度を目標として温度計測しながらガス流量等を調整する)でいわゆる部分燃焼をし、一酸化炭素や水素、炭化水素等の可燃性ガスを発生する。その発生ガスは、流動層11cの上のフリーボード部11dを経由して排出管6aより炉外へ出る。なお、炉体をコンパクトにしながら内部のガス化反応を活発化する目的で、流動層反応炉11の内部圧力は約3kgf/cm2(約0.3MPa)と高めに保っている。また、炉体の直径を200〜1000mmと小型に構成した図1のガス化装置10は、1基・1日あたりの木質系バイオマスの最大処理量が0.2〜1.0トンである。
【0044】
図1のガス化装置10は、上記の流動層反応炉11に対し、下記a)〜d)の特徴を新たに付加したものである。すなわち、
a) 上記の流動化ガスと同じガスを、流動層反応炉11のフリーボード部11d内に吹き込むようにした。吹き込むための構成としては、上記の導入管5aに至る管5から別の導入管5bを分岐させたうえ、その先をさらに複数本(図には3本を例示)に分岐させ、それぞれを、バルブ12を介し、フリーボード部11dの炉壁各部に内側向きに設けた吹込みノズルに接続した。上記の流動化ガスと同じガスをフリーボード部11d内に吹き込むことにより、流動層11cで生じた一酸化炭素など発生ガスの一部を燃焼させ、付近の温度を上昇させるのである。
【0045】
b) 上記のようにフリーボード部11dに吹き込むガスの量は、同部11dにおいて上記の発生ガスが500℃以上・700℃未満となるように調整する(目標とする最適温度は600℃〜650℃である)。調整のための手段として、フリーボード部11dの各所(炉壁内面等)に温度センサー13を配置し、その温度センサー13からの温度信号T1、T2…を、上記した各バルブ12の調節・操作機器であるコントローラに伝えることとしている。各バルブ12にて吹込み量を調整されるノズルの吹込み先に近い位置に、そのバルブ12用のコントローラに信号T1、T2…を送る温度センサー13をそれぞれ配置している。各温度センサー13が検出するフリーボード部11dの温度に基づいて各バルブ12の開度調整、したがって酸素含有ガスの吹込み量を加減し、もってフリーボード部11dの温度コントロールを行う。
【0046】
c) フリーボード部11dへの吹込みノズルは、図1(b)に模式的に示すように炉体のほぼ接線方向に、つまり炉壁内面に沿ってほぼ水平にガスを吹き込むよう、向きを定めている。これにより、フリーボード部11dの内部には矢印xのような旋回流が生じ、内部のガス(流動層11cからの発生ガス)が撹拌される。この撹拌効果によってフリーボード部11d内のガスは混合され、その成分や温度が速やかに均一化されるうえ、同部11d内の滞留時間も長くなる。
【0047】
d) 流動層11cには、上記のように酸素含有の流動化ガスを導入することと併せて水蒸気を吹き入れる。すなわち図1(a)のように、水蒸気管14の先のノズルを風箱11aの内部に向ける。風箱11a内に水蒸気を吹き込めば、流動化ガスとともにその水蒸気は流動層11c内に送られる。風箱11a内に吹き込むのに代えて、またはそれとともに、図示のように水蒸気管14aを流動層11cの側壁に接続して流動層11c内に水蒸気を直接に吹き入れるのもよい。上記のように流動層11c内を500℃以上に保つとともに、バイオマスが有する水分に加えて水蒸気管14(14a)から水蒸気を流動層11c内に添加すると、そこでいわゆる水性ガス化反応が活発化する。この反応によって炭素が一酸化炭素と水素とに変わるため、流動層11cからは、チャーが少なくて可燃性ガスの多い、したがってエネルギー利用率の高いガスが発生する。
【0048】
こうした図1のガス化装置10には、つぎのような利点がある。
イ) バイオマスを活発にガス化しながら、発生ガス中のタールの含有量を少なくすることができる。流動層11cとフリーボード部11dとのそれぞれにおいて温度を500〜700℃にコントロールするからである。とくに、発生ガス中のタールを少なくできるのは、フリーボード部11dにおいて適切な温度維持が可能だからである。流動層11cでのバイオマスのガス化によっては発生ガス中にかなりのタールが含まれるが、そのガスを高温度に維持すれば、図2のようにタールは分解されて含有量が少なくなる。なお図2は、発明者らがバイオマスのガス化について温度と線分比率との関係を明らかにしたもので、図のように600℃以上の温度域においてタールは大幅に減少し、650℃付近に保たれると40%前後と少量になる。図1のフリーボード部11dにおいては吹込み管5bの撹拌作用によってガスの混合や滞留時間の延長が実現するので、タールの分解がとくに促進されやすい。こうして発生ガス中のタールを減らすことができると、下流側の装置(後述する集塵器やガスタービン等)においてタールの付着量が少なくなり、長期間の円滑な運転が可能になる。
【0049】
ロ) 発生ガス中のチャーについても含有量を減らすことができる。これは、流動層11cおよびフリーボード部11dにおいてガスの温度を高く保つことにより上記と同じ図2にしたがってチャーが減少することに加え、流動層11c内に水蒸気を吹き込むことによる。なお、以上のようにしてタールやチャーを減らすと、発生ガスについてその分だけ可燃成分が増え、そのガスのエネルギー利用率が向上することになる。
【0050】
ハ) 発生ガスに含まれるダスト等の集塵が、一般仕様の集塵器(後述)によって容易に行える。フリーボード部11dにおいてガスの温度が700℃以上にならないように温度コントロールするからである。同部11dのガスをこのような温度にするなら、ガス化装置10(流動層反応炉11)を出る時点でのガスも、当然にバグフィルター等で容易に集塵のできる温度になるからである。
【0051】
なお、原料とする木質系バイオマスが大量には収集・集積することが困難であることを考慮して小容量の流動層反応炉11をガス化装置10とする場合には、炉体における耐火材使用量を少なくする(またはゼロにする)のがよい。耐火材の使用量が多い場合、炉体の熱容量が大きくなるので、定常運転に入る前にかなりの時間とエネルギーをかけて炉体の予熱を行わねばならないからである。ただし、流動層11cでの発生ガスにつき温度降下を抑制するのは、発生ガス中のタールを少なくするとともに酸素含有ガスの消費量を減らすうえで有意義である。そのため、フリーボード部11d等は、熱容量の小さい断熱材(保温材)を用いたり炉壁を多重構造(断熱層としての空気層を有する構造)にしたりすることによる保温構造にして、内外間の熱移動を制限するのが好ましい。
【0052】
図1に示したガス化装置10は、図3に示す発電システム1に組み入れて使用している。図3の発電システム1は、ガス化装置10とガスタービン2とを結合したもので、ガス化装置10で発生するガスをガスタービン2の燃料にするとともに、ガスタービン2の排ガスを、バイオマスの流動化とフリーボード部11dの加熱とに用いる酸素含有ガスとしてガス化装置10へ導入する。
【0053】
図3の発電システム1についての具体的な構成はつぎのとおりである。ガス化装置10である流動層反応炉11から出たガス(一酸化炭素や水素等の可燃成分のほかタールやチャーを含む)は、集塵器7(バグフィルター)に通したうえ、燃料としてそのままガスタービン2の燃焼器2bに送る。その燃料は、予熱装置4で予熱し圧縮器2aで圧縮した空気で燃焼させてタービン2cに供給することにより回転動力に変換し、その動力により発電機2dで発電をする。タービン2aの排ガスは、酸素濃度が15〜16%の高温ガス(約600℃)であるため、熱交換器4を経由させて廃熱利用をはかり、また、昇温した空気(250〜300℃)を、一部を燃焼器2b等に供給するとともに、他の一部を管5から導入管5a・5bを介して流動層反応炉11の流動層11cとフリーボード部11dとに供給する。
【0054】
この発電システム1では、ガス化装置10の投入管15からバイオマスを投入すると、そのエネルギーをもとに、ガスタービン2の発電機2dにおいて電力を取り出し、かつ、熱交換器4またはそれ以降の排ガス利用機器、さらにはガス化装置10において熱エネルギーを利用することができ、エネルギーの効率的利用がはかれる。しかも、前記したようにガス化装置10において発生ガス中のタールやチャーが少なくされているので、燃焼器2bやタービン2cにおいてそれらの付着にともなう不都合が発生しにくい。
【0055】
つぎの図4は、図1のガス化装置10に対して一部を改変したガス化装置20を示す縦断面図である。図1のガス化装置10に使用したものと同様の流動層反応炉11を主要部とし、その風箱11aとフリーボード部11dとに対して酸素含有ガスの導入管5a・5bをそれぞれ接続するなどしている(図1のガス化装置10と共通の部分には同一の符号を付している)。
【0056】
このガス化装置20では、流動層反応炉11の流動層11cのすぐ上、すなわちフリーボード部11dの下部に、図示のように絞り部16を形成している。絞り部16は、炉壁内面に固定した環状体であって、モルタルを盛り付けたり金属部材を溶接したりして形成する。流動層反応炉11の断面積(水平横断面における内部開口の断面積)は、この絞り部16において一旦急激に小さくなり、それより上部のフリーボード部11dにかけて急激に拡大する。
【0057】
流動層11cを出てフリーボード部11dに至る炉内発生ガスの経路にこのように断面積の急変部を設けたことにより、当該発生ガスは、断面積の拡大する絞り部16の直上部分において流れを乱し、図示の矢印yのように鉛直面内で旋回流(渦)を形成し撹拌される。フリーボード部11dにおいて発生ガスが撹拌されると、図1(b)のように旋回流(矢印x)にて撹拌をはかった例と同様に同ガスの成分や温度が均一化され、ガス中のタールの分解が促進される。なお、この図4の例においても、酸素含有ガスの吹込みノズルを図1(b)のように炉壁内面に沿う方向に向けると、一層の撹拌効果がもたらされる。
【0058】
図5は、ガス化装置についてのさらに別の改変例を示す縦断面図である。図示のガス化装置30も、図1・図4の例とほぼ同じ流動層反応炉11を主体に構成したものである(図1のガス化装置10と共通する部分には同一の符号を付している)。
【0059】
図5のガス化装置30が図1・図3の装置10・20と相違するのは、風箱11aおよび流動層11cの直径に比べてフリーボード部11dの直径を大きくした点である。具体的には、流動層11cとフリーボード部11dとの間に拡径部17を設け、その部分をはさんで炉内の水平断面積が1.5倍〜2倍に急激に変化するようにした。
【0060】
このように拡径部17を設けると、流動層11cでの発生ガスは、フリーボード部11d内へ進むとき、同部11dの側壁付近で矢印zのように旋回流(渦)を形成して撹拌される。したがって、フリーボード部11dにおいて発生ガスの成分や温度が均一化され、そのガス中のタールの分解が促進される。なお、この例においても、酸素含有ガスの吹込みノズルを図1(b)のように炉壁内面に沿う方向に向けると、発生ガスを撹拌する点でさらに効果的である。
【0061】
【発明の効果】
請求項1に記載したバイオマスのガス化方法、または請求項6に記載のガス化装置によれば、a)タールの生成を少なくし、それが下流側の機器に付着することによる不都合を防止できる、b)発生ガスに含まれるダスト等の集塵を一般的な集塵器によっても容易に実施できる、c)精度を要する困難な温度コントロールを円滑に実現でき、もってガス化ガスの発生量や可燃成分の含有比率に関しても好ましい、適切なガス化が可能になる。
【0062】
請求項2に記載したガス化方法では、請求項1の方法による上記の効果がとくに好適に得られる。また、小規模であって断熱性が高くない流動層反応炉において、設備コストを低減し、予熱時間・予熱用エネルギーを削減できるというメリットもある。
【0063】
請求項3に記載のガス化方法または請求項7に記載のガス化装置によれば、フリーボード部における温度コントロールを、とくに簡易な設備を用いて適切に実施できる。
【0064】
請求項4のガス化方法または請求項10のガス化装置なら、さらに、発生ガス中のタールとともにチャーの含有量をも減らすことができ、可燃成分の量を増すことができる。
【0065】
請求項5のガス化方法または請求項11のガス化装置なら、バイオマスが有するエネルギーをとくに効率的に利用できる。ガスタービンまたはその周辺の機器が、タールの付着に起因して性能低下等を起こすことも避けられる。
【0066】
請求項8または請求項9に記載のガス化装置では、発生ガスをフリーボード部においてよく混合・撹拌することができるので、請求項1・6の発明についての前記a)〜c)の効果がとくに顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)・(b)は、発明の実施についての一形態であるガス化装置10を概念的に示す断面図で、同(a)は縦断面図、同(b)は横断面図(同(a)におけるb−b断面図)である。
【図2】ガス化装置10における発生ガスについて温度と成分比率との関係を示す線図である。
【図3】ガス化装置10を含む小規模分散型の発電システム1について全体を示す系統図である。
【図4】図1のガス化装置10に対して一部を改変したガス化装置20を示す概念的な縦断面図である。
【図5】図1のガス化装置10に対するさらに別の改変例であるガス化装置30を示す概念的な縦断面図である。
【図6】バイオマス用の従来の一般的なガス化装置を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 発電システム
2 ガスタービン
7 集塵器
10・20・30 ガス化装置
11 流動層反応炉
11c 流動層
11d フリーボード部
12 バルブ
13 温度センサー
16 絞り部(断面積の異なる部分)
17 拡径部(断面積の異なる部分)
Claims (11)
- 流動層においてバイオマスをガス化するとともに、流動層内とは別に、流動層より上部のフリーボード部におけるガスの温度コントロールを行うことを特徴とするバイオマスのガス化方法。
- 流動層内の温度を500℃以上・700℃未満にするとともに、フリーボード部では、加熱することによってガスを500℃以上・700℃未満にすることを特徴とする請求項1に記載したバイオマスのガス化方法。
- フリーボード部において、酸素含有ガスを吹き込むことにより発生ガスの一部を燃焼させ、温度を検出しながら当該吹込みガス量を調整することによって上記の温度コントロールを行うことを特徴とする請求項1または2に記載したバイオマスのガス化方法。
- 流動層内の温度を500℃以上・700℃未満にするとともに、その流動層内に水分を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載したバイオマスのガス化方法。
- 流動化ガスとしてガスタービンの排ガスを流動層反応炉内に導入するとともに、流動層反応炉の発生ガスを同じガスタービンの燃料とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載したバイオマスのガス化方法。
- バイオマスを部分燃焼させてガス化するための流動層反応炉を含み、当該反応炉における流動層より上部のフリーボード部に、流動層内とは別に発生ガスの温度コントロールを行うための温度制御手段が備わっていることを特徴とするバイオマスのガス化装置。
- 上記の温度制御手段が、フリーボード部のガス温度検出をなす温度センサーと、開度調整可能なバルブを介してフリーボード部に酸素含有ガスを吹き込む吹込みノズルと、温度センサーの検出信号に応じてバルブの開度調整をなす調節・操作機器とを有することを特徴とする請求項6に記載したバイオマスのガス化装置。
- 上記の吹込みノズルが、流動層反応炉内への酸素含有ガスを炉壁内面に沿って吹き込むものであることを特徴とする請求項7に記載したバイオマスのガス化装置。
- 流動層反応炉におけるフリーボード部に、断面積の異なる部分が含まれていることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載したバイオマスのガス化装置。
- 流動層またはその下部の風箱に向けて水蒸気を吹き込む吹込みノズルを有することを特徴とする請求項6〜9のいずれかに記載したバイオマスのガス化装置。
- 流動化ガスの導入管がガスタービンの排ガス管と接続されているとともに、流動層反応炉の発生ガスの排出管が同じガスタービンの燃焼器に接続されていることを特徴とする請求項6〜10のいずれかに記載したバイオマスのガス化装置。
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