JP2004182785A - 光触媒効果パッケージ加工 - Google Patents

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JP2004182785A
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Tokuhiko Shindo
得彦 進藤
Koichi Matsumoto
耕一 松本
Kazutaka Uno
和孝 宇野
Shinobu Sasaki
忍 佐々木
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WAGO INSATSU KK
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BIIBANJIYOA KK
WAGO INSATSU KK
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Abstract

【課題】紙製のパッケージを含む印刷製品の乾燥時における割れを防止するとともに、静電気などが原因となるほこり、汚れの付着がない印刷インキないしトップコート組成物を提供する。
【解決手段】酸化チタン約3〜15重量%をワニスに配合してなるトップコート組成物;酸化チタン約3〜15重量%を配合してなるオフセット印刷用インキ組成物。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光触媒効果パッケージ加工に関する。詳しくは、防汚性を有し、かつ、変色・退色性のないトップコート組成物およびオフセット印刷用インキ組成物、並びにこれらを用いてトップコート層または印刷層を形成した紙器に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
紙器の印刷物、特に化粧品の外箱のような外気にさらされるパッケージは、乾燥・湿気(水・太陽光等)等に弱く経年劣化が激しい。急激な乾燥状態では、紙器表面が割れたり、また折り加工時においても割れが発生した。また樹脂系表面加工をした上記印刷物も同様に乾燥に弱く、割れ現象が生じることがあった。さらに、フィルム系の化成品(PET,PP製など)についても同様な問題があった。
【0003】
また、パッケージを含む化成品は乾燥すると静電気の発生が多く、表面上にホコリ・パート粉(フ゛ロッキンク゛防止粉)が吸着しやすい問題があった。さらに、表面加工(ニス引き・プレスコート・フイルム貼り等)した化成品の印刷物に埃・指紋等の汚れが付くとよく目立ち、見栄えが悪く清潔感に欠ける欠点がある。
【0004】
本発明は紙器を含む印刷製品の乾燥時における割れを防止するとともに、静電気などが原因となるほこり、汚れの付着がない印刷インキないしトップコート組成物、並びにこれらを用いてトップコート層ないし印刷層を形成した紙器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、特定量の酸化チタンをワニスに配合するか、酸化チタンをオフセット用インキに配合した場合には、汚れ成分の分解を行いつつ、インキの脱色を抑制できることを見出した。
【0006】
本発明は、以下のトップコート組成物及び印刷インキ組成物に関する。
【0007】
項1. 酸化チタン約3〜15重量%をワニスに配合してなるトップコート組成物。
【0008】
項2. 酸化チタン約3〜15重量%を配合してなるオフセット印刷用インキ組成物。
【0009】
項3. 項1の組成物から構成されるトップコート層を有する紙器。
【0010】
項4. 項2の組成物から構成される印刷層を有する紙器。
【0011】
【発明の実施の形態】
印刷対象は特に限定されず、あらゆる印刷物が使用可能であるが、商業印刷物、紙器(紙箱、特に化粧品、食品、医薬品、日用品などのパッケージが含まれる)等の紙製の印刷物に適用するのが特に好ましい。
【0012】
インキとしては、油性インキ、水性インキ、UV硬化型インキなどの通常のオフセット印刷用インキを使用してもよいが、耐性SRインキ(黄、紅、金赤、オレンジ、マゼンタ、紫、群青、墨;株式会社T&K TOKA製)などの光耐性を有するインキを使用するのがより好ましい。光耐久性インキを使用する事で、インキの変褪色をより確実に防ぐ事ができる。
【0013】
本発明のトップコート組成物は、印刷面またはフィルム系表面加工面に適用することが可能である。また、本発明の印刷インキ組成物は、当該印刷面に適用することができる。
【0014】
トップコート組成物が適用される印刷面としては、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷などの印刷が施された面が挙げられる。印刷の種類は特に限定されない。
【0015】
フィルム系表面加工に使用されるフィルムとしては、アクリル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルなどが例示される。
【0016】
フィルム系表面加工面に本発明のトップコート組成物を適用する場合には、アンカーニス引き後に行うのが好ましい。
【0017】
オフセット印刷用インキに配合される酸化チタンの配合量としては、酸化チタン配合後のオフセット用インキ組成物の全体量に対し約3〜約15重量%、好ましくは約5〜約10重量%が例示される。
【0018】
トップコート組成物は、酸化チタンとワニスを含むものである。酸化チタンの配合量は、トップコート組成物の全体量に対し約3〜約15重量%、好ましくは約5〜約10重量%が例示され、ワニスはトップコート組成物の全体量に対し約97〜約85重量%、好ましくは約95〜約90重量%が例示される。
【0019】
本発明のオフセット印刷インキ組成物は、公知のオフセット印刷用インキに酸化チタンを配合したものである(酸化チタン含量3〜15重量%)。
【0020】
酸化チタン配合前の好ましいオフセット印刷用インキとしては、ワニス(アルキド樹脂などの合成樹脂)70〜80重量%;顔料15〜20重量%;補助材(乾燥剤など)0〜5重量%を含むものが挙げられる。
【0021】
本発明で用いられる酸化チタンは、可視光に応答し、汚れ成分を分解する光触媒の機能を有するものである。
【0022】
劣化現象が顕著に目視できる印刷物[濃い色(黒・藍等)]に対しては、網版(印刷刷版)の使用又は、塗膜を薄くする事により、劣化・色むら等を抑える事ができる。また、フイルム(PET,PP)加工された印刷物に対してもUVアンカーニス引き後、各種表面加工剤に配合、UV印刷で対応する事が可能である。
【0023】
本発明において、酸化チタンが配合可能なオフセット印刷用インキ及びワニスの具体例を以下に例示する。
【0024】
大阪印刷インキ製造株式会社製(オヒ゜トーン ECO 110メシ゛ウムN;オヒ゜トーン ECO MKマットメシ゛ウム など)
東洋インキ製(FDOVC OPニス;FDOVC アンカーニス;FDOVC 白;FDOGO 白; FD O ニュー 白 KR2;UV FD カルトンPコンク 白LO など)
東南インキ株式会社製(UV シルハ゛ーワニス;水性ニスなど)
株式会社T&K TOKA製(No.3UVハ゜ック OPニスS; UV マット OPニス3H; UV耐磨マットOPニス BL;UV 耐磨マットOPニス R−3;UV ヒ゛ーハ゛ンシ゛ョア 白 など)
DIC製(DIC 超光沢メシ゛ウム;DIC UV RT−7 白;DIC UV RT−7 メシ゛ウム;DIC UV RT−8 白;DIC UV Rマット OPニス T など)
光触媒酸化チタンとしては、チタン工業株式会社製(PC101,PC401)などが挙げられる。アモルファスの酸化チタンが好ましい。
【0025】
アパタイト被膜可視光応答型酸化チタン(例えばエコデバイス株式会社製)を酸化チタンとして使用することもできる。
【0026】
本発明のトップコート組成物及びオフセット印刷用インキ組成物は、酸化チタンを配合していない各組成物と同様に、常法に従い対象物に適用してトップコート層及び印刷層を形成することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明の組成物で加工・製造される印刷物(紙器、化成品(PET、PP製のクリアケースなど))は、以下のような効果を有する。
▲1▼表面にある有機物(油分等)を光触媒反応で分解除去するため、表面の汚れがなく、またチリや埃などが堆積しにくい印刷物である。
▲2▼アモルファス(光触媒活性を持たない・結晶化していない・約300度以上で加熱する事によって結晶化し、光触媒活性を持つアナターゼ型やルチル型に変化する)の酸化チタンを配合することにより、印刷物がゴミとして焼却されるとき、その熱によって発生する有害物質(ダイオキシン等)を3次元空間に拡散する前に吸着して捕らえ、分解する事できる。
▲3▼本発明組成物による加工済印刷物の表面は、微量な水(大気中の水蒸気等)がよく馴染み、広く・薄く濡れ広がるので効率的に気化熱を奪い、適度な潤い(水分)を維持し、被印刷物(紙器、樹脂系表面加工された紙器等)の急激な乾燥を防ぎ、折り罫の割れ・インキの割れ・樹脂系及びフイルム系表面加工の割れ、剥がれ等がない印刷物である。
▲4▼表面が超親水性であり、静電気等帯電の防止をする印刷物である。それにより、印刷物にホコリ等が吸着しにくい。
▲5▼光触媒反応で細菌を殺すだけでなく、その死骸も分解する抗菌殺菌効果がある印刷物である。悪臭物質・タバコの臭い等、防臭・脱臭効果がある。
▲6▼各インキ組成物の約15%以内の酸化チタンの配合でインキの色味変化なく通常に使用する事ができる。マット(艶消し)系インキ(ニス等含む)は、15%以上配合しても可能である。
▲7▼オフセット用印刷インキ及びトップコート(ニス等)に酸化チタンを直接配合する事が可能である。
▲8▼アパタイト被覆の可視光応答型光触媒酸化チタン(エコデバイス株式会社など)を各印刷インキに配合・使用する事により、アパタイトの防護作用により有機性であるインキ・紙等を光触媒作用で壊さない。紫外線だけでなく可視光にも反応するため室内でも効果があり、また各種菌類・極性ガス・ウィルス等の分解能力が極めて高い。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例に基づいてより詳細に説明する。
実施例1及び比較例1
以下の組成を有する本発明のトップコート組成物で被覆したサンプル、及び、酸化チタン未配合のワニスで一部被覆した比較サンプルを屋外で3日間放置後した。屋外放置中に降雨があり、各部位における目視観察の結果を以下の表に示す。
白インキ表面を有する被覆前サンプル:2枚の板紙(虹彩パール紙・NA270―219ライラックパール 310g/m2 ヨシモリ株式会社製)を、それぞれ下記A及びBのインキを使用したUV印刷をし、大きめの白板紙にそれら2枚を並べて貼り、屋外暴露試験を実施した。
(A)(実施例1)
a.上部印刷部位:UV白 インキ
b.下部印刷部位:酸化チタン(3重量%)配合UVマットニス(97重量%)
(B)(比較例1)
c.上部位:Aと同じ
d.下部印刷部位:UVマットニス
なお、UVマットニスは、T&K TOKA株式会社製のUVマットOPニス3Hを使用し、酸化チタンは、チタン工業株式会社製のPC101を使用した。
<試験後の表面加工の状態>
a,c及びd部位
降雨による水分含有そして太陽光による自然乾燥により、“雨だれ状”に(無数に細かい)インキのひび割れを確認した。(ひび割れは各部同様に激しい)
b部位
雨だれ状に型は少量残っているが、インキのひび割れはごく微量であった。
a及びcは同インキを使用し、結果状態は同様であった。
しかしb及びdを比べると一目瞭然でひび割れの違いが判明する。
【0029】
尚、印刷方法は、暴露条件は同じである。
【0030】
【表1】
Figure 2004182785
【0031】
上記のように、本発明のトップコート組成物を被覆した部位は劣化の進行が遅く、目視においては実験前の状態との変化は、見受けられなかった。
【0032】
本結果から本発明の組成物により加工された印刷物は、酸化チタンによる光触媒の特性(超親水性など)をもつ印刷物であり、印刷物(紙等)の乾燥を防ぎ、耐久性があることが明らかになった。
実施例2:耐光テストの結果
<試験方法>
下記の4色(オレンジ、墨、紅、黄)の印刷インキで刷った印刷物に3種類の表面加工(ワニスのみ、5%酸化チタンを含むワニス(OPニス)、20%酸化チタンを含むワニス)及び未表面加工のサンプルを準備した。各サンプルをそれぞれ5枚に断裁し、耐光性試験(非照射、20・40・60時間キセノンアークランプ照射、非照射)を実施し、光触媒反応による印刷インキの色褪せを確認した。結果を図1に示す。なお、キセノンアークランプは、太陽光に似た分光分布を有するものである。
4色のインキとは、
▲1▼ オレンジ 耐性SRインキ (株)T&K TOKA
▲2▼ 墨 通常の印刷インキ
▲3▼ 紅 通常の印刷インキ
▲4▼ 黄 通常の印刷インキ
(すべて油性インキ)である。
【0033】
また、3種類の表面加工とは
(A) 未加工
(B) OPニス TiO2 5%(全量に対する) 配合
(C) OPニス TiO2 20%(全量に対する) 配合
(D) OPニスのみ
である。
<耐光性試験>
印刷物をフェート゛メーター暴露にて実験し、暴露時間と変褪色の程度により8段階に分級した。結果を図1に示す。
<結果・考察>
(A)、(B)及び(D)
「▲4▼黄」が、紫外線照射時間が増すにつれ、変褪色を確認した。
【0034】
他の▲1▼〜▲3▼は、すべて変褪色が確認されなかった。
(C)
「▲4▼黄」が、紫外線照射時間が増すにつれ、変褪色を確認した。加えて、「▲2▼墨」及び「▲3▼紅」も、紫外線照射時間が増すにつれ、変褪色を確認した。
【0035】
「▲1▼オレンジ」は変わらなかった。
【0036】
上記の結果から、酸化チタンが20%以上配合されると、インキの褪色が顕著になることが確認された。
【0037】
また、(A)〜(D)の結果より、▲1▼オレンジの変褪色は確認されず、使用した耐性SRインキは光触媒作用に影響されないことが明らかになった。
【0038】
酸化チタン20%配合物の墨色部位を未配合部位と比較すると、配合部位はインキ飛びの状態となった(光触媒の分解作用)。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐光性試験の結果を示す。

Claims (4)

  1. 酸化チタン約3〜15重量%をワニスに配合してなるトップコート組成物。
  2. 酸化チタン約3〜15重量%を配合してなるオフセット印刷用インキ組成物。
  3. 請求項1の組成物から構成されるトップコート層を有する紙器。
  4. 請求項2の組成物から構成される印刷層を有する紙器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006136358A (ja) * 2004-11-10 2006-06-01 Olympia:Kk 遊技機
JP2008073664A (ja) * 2006-09-25 2008-04-03 Totsuya Echo:Kk 光分解性能を付与するコーティング方法、及び光分解性能を付与した加工物

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