JP2004182726A - 2−オキソインドリン誘導体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 医薬、殊に血管新生の関与する固形癌や糖尿病性網膜症などの疾患の治療に有用な新規化合物の提供。
【解決手段】 キノリン環の2位とインドリノン環の3位が直接結合し、二重結合が異性化した、本発明の2-オキソインドリン誘導体は、良好なVEGF阻害作用、血管新生阻害作用並びに抗腫瘍作用を有しており、癌、特に固形癌、血管腫などの腫瘍の増殖抑制に、慢性関節リューマチ、乾癬、強皮症、癌性腹水・胸水貯留などの疾病の予防・治療剤として、また、糖尿病性網膜症等の網膜疾患や血管新生緑内障などの眼疾患の予防・治療剤として有用である。
【選択図】 無し

Description

本発明は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF:Vascular Endothelial Growth Factor)阻害活性並びに癌増殖抑制活性を有し、血管新生の関与する癌や糖尿病性網膜症などの疾患の治療薬として有用な2-オキソインドリン誘導体に関する。
幾つかの疾病では、その症状や病因と密接に関連した病的血管新生を伴うことが知られている。中でも代表的な疾病は癌、特に固形癌で、癌組織が直径1〜2mmを越えて増殖するためには、既存血管から新生血管が延びて癌組織まで到達することが必要であり(J. Natl. Cancer Inst., 82, 4 (1990))、また血管が癌組織に到達すると癌組織の増殖が爆発的に加速される。また、糖尿病性網膜症では網膜に病的血管新生を伴い、それが原因でしばしば失明することがある。更に慢性関節リューマチ、乾癬、血管腫、強皮症、血管新生緑内障などの疾病においても病的血管新生を伴い、それが主な症状の一つとなっている(N. Engl. J. Med., 320, 1211 (1989))。従って血管新生を阻害する物質は固形癌や前述の疾病の治療に利用できる可能性がある。
血管内皮細胞は血管の最も内側の層を形成している細胞である。血管新生は血管内皮細胞が成長因子や生理活性物質または物理的損傷などの刺激を受けて、増殖することによって行われる。直接または間接的に血管内皮細胞の増殖を刺激する成長因子はいくつか知られているが、血管内皮細胞に極めて特異的に作用する点で他の成長因子と区別される因子として、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が知られている。即ち、VEGFのレセプターは、血管内皮細胞以外ではごく限られた細胞でしか発現しておらず、血管内皮選択的であることが報告されている(J. Clin. Invest., 89, 244-253 (1992))。
VEGFと癌との関係を示唆する以下のような報告がある。多くの癌細胞はVEGFを分泌する(Biochem. Biophys. Res. Commun., 194, 1234 (1993))。癌組織切片を抗VEGF抗体で染色すると癌組織およびその周辺の新生血管が強く染色される(J. Exp. Med., 174, 1275(1991)、Cancer Res., 53, 4727 (1993))。VEGFレセプターの一つが遺伝的に不活化されたマウスでは移植された癌の増殖が抑制される(Nature, 367, 576 (1994))。抗VEGF中和抗体が担癌マウスに対して抗腫瘍活性を示す(Nature, 362, 841 (1993)、Biochem. Biophys. Res. Commun., 194, 1234 (1993))。以上の事実から、癌細胞が分泌するVEGFは腫瘍血管新生に中心的な役割を果たすと考えられる。また、VEGFは血管透過性の亢進にも関与していることが知られており、癌性腹水・胸水貯留を引き起こす要因のひとつと考えられている。
VEGFのレセプターは、ヒトではFlt-1とKDR/Flk-1の2種類が知られている(FASEB J., 13, 9-22 (1999))。これら2種類の遺伝子破壊の結果からFlt-1は内皮細胞の正常な分化や形態形成に、Flk-1は内皮細胞の形成と増殖に関わっていることが示されている(Nature, 376, 66-70 (1995)、Nature, 376, 62-66 (1995))、日本薬理学雑誌, 107, 119-131 (1996))。VEGFはFlk-1レセプターに結合し、チロシンキナーゼを介するシグナル伝達機構を経て、血管内皮細胞の増殖を促進すると考えられている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 88, 9026-9030 (1991))。さらにin vitroにおいてVEGFは内皮細胞に対して直接的な血管新生誘導活性を有していることが示されている (J. Cell. Physiol, 149, 50-59 (1991))。
従って、VEGFとVEGFレセプター(殊にFlk-1)の結合を阻害あるいはVEGFシグナル伝達を阻害する、VEGF阻害剤は血管新生や癌性腹水等を抑制し、癌、特に固形癌の治療に有用であることが期待されている。
VEGF阻害薬としては、従来、抗VEGFヒトモノクローナル抗体(特開平9-316099号公報)やいくつかのポリペプチド(特開平9-255700、同9-154588号公報)が報告されていた。最近になって、下式で示されるSU6668(例えば、非特許文献1参照)やPTK787/ZK222584(例えば、非特許文献2参照)などのVEGF阻害作用を示す経口投与可能な低分子化合物が報告されている。
Figure 2004182726
また、チロシンキナーゼ阻害剤並びに血管新生阻害剤として有用な化合物として、キナゾリン置換オキシインドール誘導体(例えば、特許文献1及び2参照)、或いはピロロトリアジン置換インドリン-2-オン誘導体(特許文献3参照)の開示がある。しかし、具体的な薬理データの開示は無い。
一方、2-オキソインドリン誘導体としては、3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オンの合成方法の報告がある(例えば、非特許文献3、4及び5参照)。しかし、その医薬用途については何等開示がない。
「キャンサーリサーチ(Cancer Research)」、2000年、第60巻、p.4152-4160 「キャンサーリサーチ(Cancer Research)」、2000年、第60巻、p.2178-2189 「アナリ ジ ケミカ(ローマ)(Annali di Chimica (Rome))」、1967年、第57巻、6号、p.688-97 「ケミカル アンド ファーマシューティカル ブレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)」、1970年、第18巻、9号、p.1822-30 「ケミカル アンド ファーマシューティカル ブレチン(Chemical & Pharmaceutical Bulletin)」、1971年、第19巻、8号、p.1669-80 国際公開97/42187号パンフレット 国際公開99/10349号パンフレット 国際公開00/71129号パンフレット
血管新生の関与する癌、特に固形癌や糖尿病性網膜症などの疾患の治療薬として有用な血管内皮細胞増殖因子(VEGF)阻害剤、殊に経口投与可能な薬剤の創製が今なお切望されている。
本発明者等は、VEGF阻害作用に基づき血管新生を阻害する化合物につき、鋭意研究した結果、キノリン環の2位とインドリノン環の3位が直接結合し、二重結合が異性化した、3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン誘導体が、良好なVEGF阻害作用を有し、VEGFの関与する血管新生を伴う疾患の予防若しくは治療剤として有用であることを見出し、先に出願を行った(PCT/JP02/05014;国際公開02/94809号パンフレット)。更に、本発明者等は当該骨格を有する化合物を種々検討し、良好なVEGF阻害作用並びに癌増殖抑制作用を有する特定の化合物を見出し本発明を完成した。
即ち、本発明は、下表の式A乃至Fで示される2-オキソインドリン誘導体又はその塩に関する。
Figure 2004182726
本発明化合物中、好ましい化合物としては、以下に列記する2-オキソインドリン誘導体又はその塩が挙げられる。
3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(ピリジン-2-イルメチル)オキシム又はその塩、
3-[6-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(ピリジン-2-イルメチル)オキシム又はその塩、
3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(1,3-チアゾール-4-イルメチル)オキシム又はその塩、
3-[6-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(1,3-チアゾール-4-イルメチル)オキシム又はその塩、
3-[2-(2-オキソ-6-{[(ピリジン-2-イルメトキシ)イミノ]メチル}インドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル]プロピオン酸又はその塩、
3-(1,5-ナフチリジン-2(1H)-イリデン)-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(ピリジン-2-イルメチル)オキシム又はその塩、
4-{1-[3-(2-{6-[(メトキシイミノ)メチル]-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3H-インドール-3-イリデン}-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル)プロピル]ピペリジン-4-イル}酪酸エチル又はその塩、
3-{1-[3-(2-{6-[(メトキシイミノ)メチル]-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3H-インドール-3-イリデン}-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル)プロピル]ピペリジン-4-イル}プロピオン酸又はその塩、
3-{1-[3-(2-{6-[(メトキシイミノ)メチル]-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3H-インドール-3-イリデン}-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル)プロピル]ピペリジン-4-イル}プロピオン酸メチル又はその塩、及び
3-[6-{3-[4-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)ピペリジン-1-イル]プロピル}キノリン-2(1H)-イリデン]-5-メチル-2-オキソインドリン-6-カルボン酸メチル又はその塩。
本発明化合物は、VEGF阻害作用を有し、VEGFが関与する疾患や病態の治療・改善に有用である。特にVEGFに起因する血管新生の抑制剤として、癌、特に固形癌、血管腫などの腫瘍の増殖抑制に、慢性関節リューマチ、乾癬、強皮症などの疾病の予防・治療に、また、糖尿病性網膜症等の網膜疾患や血管新生緑内障などの眼疾患の予防・治療に有用である。
後記試験例に示す様に、本発明化合物は、VEGFのチロシンキナーゼを介するシグナル伝達を良好に阻害し、VEGF刺激による血管内皮細胞増殖に対し良好な抑制活性を有していた。更に、本発明化合物は、COLO205(ヒト大腸癌)担癌ヌードマウスを用いた癌増殖抑制試験において、低用量の経口投与においても強力な癌増殖を抑制することが確認され、経口投与可能な血管新生阻害剤並びに抗癌剤として有用である。
また、本発明化合物は、VEGFに起因する血管透過性の亢進を抑制し、癌性腹水・胸水貯留の改善剤としても有用である。
本発明において、C1-6アルキル基としては、炭素数1〜6個の直鎖状又は分枝状のアルキル基であり、好ましくは炭素数1乃至4個のアルキル基であり、更に好ましくはメチル及びエチル基である。
本発明化合物は、キノリン環1位の窒素原子〜インドリノン環1位の窒素原子に連なる共役系において理論的に可能な複数の互変異性体あるいは立体異性体を有しており、本発明にはこれらの異性体を分離したもの、あるいは混合物が包含される。
本発明化合物は置換基の種類によっては、更に幾何異性体や互変異性体が存在する場合があるが、本発明にはこれらの異性体を分離したもの、あるいは混合物が包含される。
また、本発明化合物は、塩を形成する場合がある。ここに、塩としては製薬学的に許容される塩であり、酸付加塩としては、具体的には塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等の有機酸との酸付加塩等が挙げられ、塩基との塩としては、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属を含む無機塩基、あるいはメチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチン等の有機塩基との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。さらに、本発明は、本発明化合物及びその塩の各種の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質をも包含する。
また、本発明化合物には、薬理学的に許容されるプロドラッグも含まれる。薬理学的に許容されるプロドラッグとは、加溶媒分解により又は生理学的条件下で本発明の置換基、例えばCO2H等に変換される基を有する化合物である。プロドラッグを形成する基としては、Prog. Med., 5, 2157-2161 (1985)や「医薬品の開発」(廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198に記載の基が挙げられる。
(製造法)
本発明化合物は文献記載の方法、例えば、Chem. Pharm. Bull., 18(9), 1822-30 (1970)、J. Am. Chem. Soc., 122(7), 1360-70 (2000)等に記載された方法と同様の方法を用いて、あるいは当業者に公知の方法を適用して容易に製造することができる。
なお、官能基の種類によっては、当該官能基を原料ないし中間体の段階で適当な保護基、すなわち容易に当該官能基に転化可能な基に置き換えておくことが製造技術上効果的な場合がある。しかるのち、必要に応じて保護基を除去し、所望の化合物を得ることができる。このような官能基としては例えばアミノ基、水酸基、カルボキシル基等を挙げることができ、それらの保護基としては例えばグリーン(Greene)及びウッツ(Wuts)著、「Protective Groups in Organic Synthesis」第3版に記載の保護基を挙げることができ、これらを反応条件に応じて適宜用いればよい。
以下に代表的な製造方法を説明する。
Figure 2004182726
(式中、R4は、ジエトキシメチル、p-トルエンスルホニル、トリメチルシリルエチルスルホニル等の保護基を、Lは、ハロゲン、スルホネート等の当該反応に適用可能な脱離基を示す。以下同様。)
第1製法
本発明化合物(I)は、常法により、キノリン N−オキシド化合物(II)にインドリノン類(V)を反応させることにより製造できる。反応は、例えば、Ann. Chim.(Rome), 57(6), 188-97 (1967)、Khim. Geterotsikl. Soedin., 10, 1371-3 (1970)、Chem. Pharm. Bull., 18(9), 1822-30 (1970)、及びChem. Pharm. Bull., 19(8), 1669-80 (1971)記載の方法を適宜適用して行うことができ、反応に不活性な溶媒(例えばクロロホルム、アセトニトリル等)中、反応対応量の化合物(II)及び(V)又はいずれか一方を過剰量用い、活性化剤として適当なアシル化剤(塩化ベンゾイル、無水酢酸等)、スルホニル化剤(塩化p-トルエンスルホニル等)、アルキル化剤(ヨウ化メタン等)或いはシリル化剤(クロロトリメチルシラン等)を使用して常温乃至加温下好ましくは溶媒の還流温度下にて行うのが有利である。無水酢酸を用いる場合は溶媒として用いるのが有利であり、常温乃至加温下にて行うことが好ましい。
第2製法
第1工程において、J. Am. Chem. Soc., 122(7), 1360-70 (2000)等に記載された方法に準じて、反応に不活性な溶媒(例えばトルエン、テトラヒドロフラン(THF)等)中、反応対応量の化合物(IV)及び(VI)又はいずれか一方を過剰量用い、常温乃至加温下で、塩基(例えばナトリウム tert-ブトキシド等)存在下、パラジウム錯体(例えば酢酸パラジウム、塩化パラジウム、ジベンジリデンアセトン二パラジウム等)で処理することより化合物(III)を製造することができる。必要に応じパラジウム錯体のリガンド(例えばBINAP、DPPF、Xantphos等)を添加すると反応が有利に進む場合もある。
次に、第2工程において、WO97/42187号公報等に記載された方法に沿って化合物(III)を塩酸等の酸存在下、或いは、Tetrahedron, 56(7), 979-988(2000)等に記載された方法に沿って還元剤(例えばトリブチルチンヒドリド等)存在下、脱保護することにより化合物(I)を製造できる。
第3製法
Figure 2004182726
(式中、halはハロゲンを、R5は低級アルキルを示す。以下同様)
第1工程は、公知の反応条件(例えば、J. Med. Chem., 42, 5120-5130 (1999)等)に準じて容易に行うことができる。反応に不活性な溶媒(例えばN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、THF等)中、反応対応量の化合物(VIII)及び(IX)又はいずれか一方を過剰量用い、常温乃至加温下で、塩基(例えば水素化ナトリウム(NaH)、ナトリウム tert-ブトキシド等)又は酸(例えば酢酸)存在下、反応させることにより化合物(X)を製造することができる。次に、第2工程において、化合物(X)のニトロ基を常法の還元反応、例えばJ. Med. Chem., 42, 5120-5130(1999)等記載の方法に準じて還元することにより化合物(I)を製造できる。必要に応じ、加温あるいは加圧すると反応が有利に進む場合もある。この間、化合物(X)において常法の条件を適応して置換基変換をすることも可能である。例えば、R1, R2がアルデヒド、ケトン等の場合、縮合反応等によりオキシム化合物等に変換することができる。
その他の製造法
本発明化合物は上記製法の他、種々の公知の置換基の修飾反応によっても製造する事ができる。例えば、B. M. Trost編:COMPREHENSIVE ORGANIC SYNTHESIS (Pergamon Press)(1991), R. C. Larock著:COMPREHENSIVE ORGANIC TRANSFORMATIONS (VCH Publishers)(1989), J. March 著:ADVANCED ORGANIC CHEMISTRY (John WILEY & SON)(1992)或いは日本化学会編「実験化学講座」第4版(丸善)等の文献又はその引用文献記載の条件を参考にして容易に製造することができる。以下に主な製造法を記載する。
アミノアルキル基を含む置換基を有する化合物は、(1)ハロゲン置換アルキル基、或いは、エポキシドを有する化合物より、常法のアミノ化反応により、(2)アルデヒド、若しくは、ケトンを有する化合物より、常法の還元的アミノ化反応(例えば、Tetrahedron Lett., 31, 5595-5598 (1990)等を参考可能)により、(3)保護されたアミノアルキル基を有する化合物より、脱保護反応(例えば、tert-ブトキシカルボニル基(Boc)の場合、塩酸或いはトリフルオロ酢酸(TFA)等との処理、フタルイミド基の場合、ヒドラジン或いはメチルアミンによる処理等)によって容易に製造する事ができる。
還元的アミノ化反応において、一方が、ケトンもしくは2級アミン、或いは、ケトンと2級アミンなどの組み合わせで反応が進行しにくい場合、例えば、J. Org. Chem., 55(8), 2552 (1990)に記載された方法と同様の方法により製造するのが好ましい。
カルボキシル基を有する化合物は、エステル基を有する化合物より常法の加水分解反応によって製造することができる。
オキシムを含む置換基を有する化合物は、アルデヒド、或いは、ケトンを有する化合物からヒドロキシルアミン類を用いる常法の脱水縮合反応等により製造することができる。
N-オキシド化合物は周知の酸化反応、すなわち、反応に不活性な溶媒中(例えば、クロロホルム又はジクロロメタン等)m-クロロ過安息香酸、過酸化水素等の酸化剤との反応によって製造することができる。同様の酸化条件によって、スルフィドをスルホキシド、或いは、スルホンへ変換することも可能である。N-ヒドロキシアミド結合を有する前駆化合物より脱ヒドロキシ化反応を行い所望の化合物を得る場合、常法の還元条件(例えば、酢酸中金属鉄との反応、加水素分解反応等)を経る事により容易に行うことができる。ヘテロ芳香環の導入はその前駆体となる置換基を導入後、常法の縮合反応によるヘテロ環へと変換する方法により容易に行うことが可能である。
(原料化合物の合成)
本発明化合物の原料化合物の一部は新規化合物であり、これらの化合物は公知の原料化合物と同様にして、あるいは当業者に公知の方法を用いて容易に合成できる。代表的な合成法を以下に示す。
合成法1(酸化) 参考文献:Synthesis, 87-90 (1997) 等
Figure 2004182726
合成法2 参考文献:J. Heterocyclic Chem., 15, 1425-1430 (1978)等
Figure 2004182726
キノリン酢酸誘導体(IX)は、常法により、化合物(II)を適当なアシル化剤、スルホニル化剤、アルキル化剤、或いは、シリル化剤存在下、アセト酢酸エチルエステル又はマロン酸ジエステル等と処理することにより製造できる。
合成法3(ハロゲン化) 参考文献:J. Am. Chem. Soc., 77, 1054-1055 (1955)、Tetrahedron, 54, 13655-13680 (1998) 等
Figure 2004182726
その他の原料化合物の合成法
キノリン環上に置換基を有する化合物は、例えば、Heterocycles, 54, 105-108 (2001), J. Med. Chem., 26, 580-585 (1983) 記載の方法、或いは、Org. Synth. Col. Vol. 3, 272 (1955), Syn. Commun., 15, 125 (1995) 等を適用して4-クロロキノリン誘導体を製造後、常法によりクロロ基を還元条件などを経て除去する方法等を適応することによっても製造できる。
インドリノン環の合成は、Synthesis, 51-53 (1993) 或いはEur. J. Med. Chem., 15, 330-332 (1980) 等に記載された条件を適応することにより容易に製造できる。
インドリノン環上への置換基導入は、そのハロゲン誘導体との鈴木―宮浦反応、フリーデルクラフツ反応、及び、導入したα-ハロケトン類を用いた縮合反応を経るヘテロ芳香環への変換反応等を適応することにより行う事ができる。例えば、J. Med. Chem., 42, 5120-5130 (1999), Synthesis, 873-874 (1989), J. Org. Chem., 17, 1252-1255 (1952) 等に記載の方法を適用することが可能である。また、導入したヘテロ芳香環上の1級アミンは、例えば、J. Med. Chem., 39, 834-841 (1996) 記載の方法を適用することにより除去可能である。
更に、必要に応じて、アミノ化、イミノ化、アシル化、アルキル化、アミド化、スルホンアミド化、エステル化、ウレア化、ハロゲン化、ニトロ化、酸化、還元、保護、脱保護等の種々の公知の置換基の修飾反応に付すことにより、所望の原料化合物を製造する事ができる。これらの反応は、例えば、前記日本化学会編「実験化学講座」第4版(丸善)等の文献記載の条件を参考にして行うことができる。
このようにして製造された本発明化合物の単離・精製は、抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常の化学操作を適応して行われる。
各種の異性体は異性体間の物理化学的な性質の差を利用して常法により単離できる。例えば、ラセミ化合物は一般的な光学分割法により[例えば、一般的な光学活性酸(酒石酸等)とのジアステレオマー塩に導き、光学分割する方法等]光学的に純粋な異性体に導くことができる。また、ジアステレオマーの混合物は、例えば分別結晶化又はクロマトグラフィー等により分離できる。また、光学活性な化合物は適当な光学活性な原料を用いることにより製造することもできる。
本発明化合物又はその塩の1種又は2種以上を有効成分として含有する医薬組成物は、当分野において通常用いられている薬剤用担体、賦形剤等を用いて通常使用されている方法によって調製することができる。投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤、吸入剤等による経口投与、又は、静注、筋注等の注射剤、坐剤、点眼剤、眼軟膏、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付剤、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤等による非経口投与のいずれの形態であってもよい。
経口投与のための固体組成物としては、錠剤、散剤、顆粒剤等が用いられる。このような固体組成物においては、ひとつ又はそれ以上の活性物質が、少なくともひとつの不活性な希釈剤、例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶セルロース、デンプン、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等と混合される。組成物は、常法に従って、不活性な希釈剤以外の添加剤、例えばステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤や繊維素グリコール酸カルシウムのような崩壊剤、安定化剤、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又は丸剤は必要によりショ糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートなどの糖衣又は胃溶性若しくは腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
経口投与のための液体組成物は、薬剤的に許容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含み、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば精製水、エタノールを含む。この組成物は不活性な希釈剤以外に湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防腐剤を含有していてもよい。
非経口投与のための注射剤としては、無菌の水性又は非水性の溶液剤、懸濁剤、乳濁剤を含有する。水性の溶液剤、懸濁剤としては、例えば注射用蒸留水及び生理食塩液が含まれる。非水溶性の溶液剤、懸濁剤としては、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油のような植物油、エタノールのようなアルコール類、ポリソルベート80(商品名)等がある。このような組成物は、さらに防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤のような補助剤を含んでもよい。これらは例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化される。これらはまた無菌の固体組成物を製造し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に溶解して使用することもできる。
本発明化合物の投与量は、通常、経口投与の場合、1日当たり約0.001から50mg/kg、好ましくは0.01〜10mg/kgが、静脈投与される場合、1日当たり、約0.0001から5mg/kgがそれぞれ適当であり、これを1日1回乃至複数回に分けて投与する。投与量は症状、年令、性別等を考慮して個々の場合に応じて適宜決定される。
本発明化合物の効果は以下の試験例によって確認された。
試験例1 KDRキナーゼ阻害試験
1)KDRキナーゼドメインの発現
KDR細胞内領域(アミノ酸790〜1168)をPCR法により、Human umbilical vein endothelial cells (HUVEC) から調製したcDNAから増幅した。FLAGTM(Sigma-Aldrich Co.の商標)配列(DYKDDDDK)をC末部に導入した遺伝子をpFASTBAC1(GIBCOBRL社製)のBamHIおよびNotI部位へクローニングした。リコンビナントバキュロウイルスはBacto-To-Bac expression system(GIBCOBRL社製)のマニュアルに従い調製した。蛋白の発現のためSf-9細胞にリコンビナントバキュロウイルスを感染させ、72時間後の細胞を回収した。
2)KDRキナーゼドメインの精製
KDRキナーゼドメインを発現したSf-9細胞を緩衝液(20mM Tris, 150mM NaCl, 1mM PMSF(phenylmethanesulfonyl fluoride), 10μg/ml aprotinin)中で超音波破砕し、10,000rpm、4℃、30分間の遠心後の上清を得た。同上清中のKDRキナーゼドメインをM2-agarose(Sigma社製)に結合後、0.1mg/mlのFlagペプチドで溶出した。精製したKDRキナーゼドメインは透析によって保存用緩衝液(20mM Tris, 150mM NaCl, 10% glycerol)に置換後、-80℃にて保存した。
3)HTRFによるin vitro KDR キナーゼアッセイ
Homogeneous, time-resolved fluorescence (HTRF)はチロシンキナーゼ活性測定に適応可能であり、その理論はClin. Chem. 41, 1391-1397 (1995) に報告されている。
試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)にて最終濃度の50倍濃度に調製した。1μlの化合物溶液をwellへ添加後、反応緩衝液(50mM HEPES(N-2-hydroxyethylpiperazine-N'-2-ethanesulfonic acid) pH7.5, 1mM MgCl2, 4mM MnCl2, 0.1% BSA(bovine serum albmin))で希釈した100ngの精製KDRキナーゼドメインを25μl添加した。100mMにて-20℃で保存しておいたATP溶液を反応緩衝液にて2μMに希釈し、25μlをwellへ添加することによりキナーゼ反応を開始した。室温にて20分間の反応後に10μlの0.5M EDTAを添加することにより反応を停止した。続いて検出抗体希釈緩衝液(50mM HEPES pH7.5, 0.1% BSA, 0.5M KF)で希釈した6.5ngのCryptate標識抗リン酸化チロシン抗体(PT66)(Cis Bio International社製)と100ngのXL665標識抗FLAGTM(M2) 抗体(Cis Bio International社製)を50μlで添加し、室温で2時間インキュベーションした。リン酸化量の検出はDiscovery(Packard社製)を用いて測定した。DMSOを添加した時のDiscoveryでの測定値のRatioを100%とし、ATPを添加しない場合のRatioを0%とし、試験化合物が50%抑制する濃度を化合物阻害活性のIC50値として算出した。
結果:結果を下表に示す。本発明化合物は、KDRキナーゼによるリン酸化を良好に阻害した。よって、本発明化合物は、VEGFのチロシンキナーゼを介するシグナル伝達を良好に阻害し、VEGF阻害剤として有用であることが確認された。
Figure 2004182726
試験例2 ヒト大腸癌担癌ヌードマウスを用いたin vivo癌増殖抑制試験
試験方法:ヒト大腸癌であるCOLO205細胞の3〜4×106個を雌性Balb/cヌードマウスの背側部皮下に投与した。試験化合物は、腫瘍容量が50〜150mm3に達した時から14日間1日1回経口投与した。また、対照群には0.5% メチルセルロース水溶液を経口投与した。腫瘍径の測定はノギスを用い、最終投与の翌日に測定した。尚、腫瘍容量は以下の計算式を用い、算出した。
腫瘍容量=(短径2×長径)/2
結果:本試験において、本発明の実施例化合物1、2、3、4、7、8及び9の化合物は、3若しくは10mg/kg/dayの経口投与において、コントロールに対して有意な癌増殖抑制活性を有することが確認された。
よって、本発明化合物は、良好なVEGF阻害作用並びに癌増殖抑制作用を有し、血管新生阻害剤並びに抗癌剤として有用であることが示された。殊に低用量の経口投与においても良好な癌増殖抑制作用を有することから、経口投与可能な抗癌剤として有用である。
以下、本発明化合物の製造例を実施例に、本発明化合物の製造参考例、原料化合物の製造例並びに製造参考例を参考例に示す。
また、参考例及び後記表中に記載される物理化学的性状の略号は、F+:FAB-MS (M+H)+; F-:FAB-MS (M-H)-; F:FAB-MS (M)+; N1:1H-NMR(DMSO-d6,TMS内部標準)の特徴的ピークδppm;並びに N2:1H-NMR(CDCl3,TMS内部標準)の特徴的ピークδppmを、それぞれ示す。
参考例1:4-ブロモ-2-メチル-5-ニトロベンザルデヒドのTHF溶液に、メトキシルアミン塩酸塩を加え50℃にて8時間撹拌した。反応液より生成物を精製し、無色油状の4-ブロモ-2-メチル-5-ニトロベンザルデヒド O-メチルオキシムを得た。F-:272,274。
参考例2:6-(2-ブロモエトキシ)キノリンの酢酸エチル溶液に、70% m-クロロ過安息香酸を加え攪拌した。生成した沈殿物を濾取し、淡黄色固体の6-(2-ブロモエトキシ)キノリン N-オキシドを得た。F+:268, 270。
参考例3:3-キノリン-6-イルプロパン-1-オールのジクロロメタン/DMSO混合溶液に、氷冷下にてTEAと三酸化イオウピリジン錯体を加え撹拌後精製し、茶色油状の3-キノリン-6-イルプロパナールを得た。N2:2.87-2.93(2H,m),3.15(2H,t),7.39(1H,dd), 7.57(1H,dd),7.61(1H,s),8.05(1H,d),8.08-8.12(1H,m),8.87(1H,dd),9.86(1H,t)。
参考例4:4-クロロ-2-メトキシ-5-ニトロ安息香酸のエタノール溶液に濃硫酸を加え、還流下撹拌後精製し、無色固体の4-クロロ-2-メトキシ-5-ニトロ安息香酸エチルを得た。F+:260。
参考例5:60%NaHのDMSO懸濁液に、マロン酸ジメチルをゆっくりと滴下した後、100℃にて撹拌した。室温まで冷却した後、N-(2,5-ジクロロ-4-ニトロフェニル)アセトアミドを加え、同温にて、次いで100℃にて撹拌した。生成物を精製後、酢酸エチルより結晶化し、無色固体の[5-(アセチルアミノ)-4-クロロ-2-ニトロフェニル]マロン酸ジメチルを得た。F:344。
参考例6:[5-(アセチルアミノ)-4-クロロ-2-ニトロフェニル]マロン酸ジメチルのDMSO溶液に、無水塩化リチウム及び水を加え、100℃にて撹拌した。放冷後、反応液を酢酸エチルと飽和食塩水の混合液にあけ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を洗浄後、濃縮し、得られた粗結晶をメタノールから再結晶して、無色固体の[5-(アセチルアミノ)-4-クロロ-2-ニトロフェニル]酢酸メチルを得た。F:286。
参考例7:(4-ホルミル-2-ニトロフェニル)マロン酸ジエチルの6M塩酸溶液を還流下撹拌した。反応液を氷冷後、生じた沈殿をろ取し、洗浄して、茶色固体の(4-ホルミル-2-ニトロフェニル)酢酸を得た。F+:210。
参考例8:[5-(アセチルアミノ)-4-クロロ-2-ニトロフェニル]酢酸メチルの酢酸溶液に、還元鉄を加え、100℃にて撹拌した。放冷後、反応液をセライトろ過し、DMFにて洗浄した。ろ液を濃縮後、水を加え、生じた沈殿をろ取し、水洗して、無色固体のN-(6-クロロ-2-オキソインドリン-5-イル)アセトアミドを得た。F+:225。
参考例9:3-[6-(2-ブロモエトキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン(1.86g)をアセトニトリル(100ml)に懸濁し、モルホリン(2.11g)を加え、80℃にて4時間攪拌した。放冷後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥、溶媒を留去した。残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(以下SCCと略記する)(メタノール-酢酸エチル-28%アンモニア水にて溶出)にて精製し、得られた固体をエタノールから再結晶し、赤色固体の3-[6-(2-モルホリン-4-イルエトキシ)キノリン-2(1H)-イリデン]インドリン-2-オン960mgを得た。N1:2.51(4H,t), 2.78(2H,t), 3.59(4H,t), 4.16(2H,t), 10.53(1H,s), 14.46(1H,s) ; F+:390。
参考例10:2-(2-オキソインドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-6-カルバルデヒド(0.5g)、2-モルホリン-4-イルエチルアミン(0.91mL)のジクロロエタン(35mL)溶液に、酢酸(0.99mL)を加え、室温下2時間撹拌した。反応液に、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(1.1g)を加え、室温下13時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロエタンにて抽出した。有機層を、水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSCC(クロロホルムにて溶出)にて精製後、得られた固体をろ取、酢酸エチルにて洗浄し、橙色固体の3-(6-{[(2-モルホリン-4-イルエチル)アミノ]メチル}キノリン-2(1H)-イリデン)インドリン-2-オン168mgを得た。N1: 3.55 (4H, t), 3.78 (2H, s), 10.56 (1H, s) ; F+: 403。
参考例11:2-(2-オキソインドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-6-カルバルデヒド(0.6g)、N-(2-メトキシエチル)-N-メチルアミン(0.89mL)のジクロロエタン(3mL)溶液に、チタンテトライソプロポキシド(0.68mL)を加え、室温下1時間撹拌した。氷冷後、反応液に、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム(1.32g)を加え、室温下1.5時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロエタンにて抽出した。有機層を、水、飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSCC(クロロホルムにて溶出)にて精製後、得られた固体をろ取、酢酸エチルにて洗浄し、赤色固体の3-(6-{[N-(2-メトキシエチル)-N-メチルアミノ]メチル}キノリン-2(1H)-イリデン)インドリン-2-オン114mgを得た。N1: 2.19 (2H, s), 2.25-2.60 (4H, m), 3.53 (2H, s), 10.57 (1H, s), 14.38 (1H, s) ; F+: 361。
参考例12:6-メトキシインドリン-2-オン(200mg)の無水酢酸(10mL)溶液に、キノリン1-オキシド(214mg)を加え、50℃にて5時間撹拌した。放冷後、氷水にあけ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、溶媒を留去した。残渣をSCC(クロロホルムにて溶出)にて精製後、ジエチルエーテルより結晶化した。得られた結晶をろ取し、クロロホルムにて洗浄し、赤色固体の6-メトキシ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-2-オン30mgを得た。F-:279。
参考例13:4-(2-オキソ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-5-イル)酪酸エチル(350mg)を6M塩酸(15mL)に懸濁し、還流下5時間撹拌した。放冷後、生じた沈殿をろ取し、水洗し、橙色固体の4-(2-オキソ-3-キノリン-2(1H)-イリデンインドリン-5-イル)酪酸97mgを得た。F+:347。
参考例14:3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-メチルオキシム(1.20g)のTHF(15mL)溶液にホルマリン(5mL)及び濃塩酸(0.1mL)を加え、24時間室温にて撹拌した。1M 水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルム-イソプロパノール(3:1 V/V)混合溶媒にて抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥後、濃縮し、残渣をメタノール(20mL)に懸濁し、28% アンモニア水溶液(2mL)を加え、14時間室温で撹拌した。水を加え、クロロホルム-イソプロパノール(3:1 V/V)混合溶媒にて抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥後、濃縮し、残渣をSCC(メタノール-クロロホルムにて溶出)にて精製し、橙色固体の3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド881mgを得た。F+:401。
実施例1:3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド(400mg)のメタノール(20mL)溶液に2-[(アミノオキシ)メチル]ピリジン(248mg)および濃塩酸(1滴)を加え50℃で2時間撹拌した。放冷後、濃縮し得られた残渣をSCC(メタノール-クロロホルムにて溶出)にて精製後、DMF(20mL)溶液とし、4M 塩化水素/酢酸エチル溶液(2mL)を加え室温で20分間撹拌した。濃縮した後、残渣を水-エタノールより再結晶し赤色固体の3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(ピリジン-2-イルメチル)オキシム 三塩酸塩320mgを得た。
上記の参考例若しくは実施例と同様にして後記表4〜5に記載の参考例化合物並びに表6記載の実施例化合物を得た。後記表4〜6に、各化合物の構造式と物理化学的性状をそれぞれ示す。
表中の略号は、 Rex:参考例; Ex:実施例; Str:構造; Sy:製造法(当該化合物をこの前記参考例若しくは実施例と同様の方法により製造した事を示す。); Dat:物理化学的性状; Me:メチル;及びEt:エチル;をそれぞれ示す。
Figure 2004182726
Figure 2004182726
Figure 2004182726

Claims (11)

  1. 下表の式A乃至Fで示される2-オキソインドリン誘導体又はその塩。
    Figure 2004182726
  2. 3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(ピリジン-2-イルメチル)オキシム又はその塩。
  3. 3-[6-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(ピリジン-2-イルメチル)オキシム又はその塩。
  4. 3-[6-[(4-メチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(1,3-チアゾール-4-イルメチル)オキシム又はその塩。
  5. 3-[6-[(4-エチルピペラジン-1-イル)メチル]キノリン-2(1H)-イリデン]-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(1,3-チアゾール-4-イルメチル)オキシム又はその塩。
  6. 3-[2-(2-オキソ-6-{[(ピリジン-2-イルメトキシ)イミノ]メチル}インドリン-3-イリデン)-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル]プロピオン酸又はその塩。
  7. 3-(1,5-ナフチリジン-2(1H)-イリデン)-2-オキソインドリン-6-カルバルデヒド O-(ピリジン-2-イルメチル)オキシム又はその塩。
  8. 4-{1-[3-(2-{6-[(メトキシイミノ)メチル]-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3H-インドール-3-イリデン}-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル)プロピル]ピペリジン-4-イル}酪酸エチル又はその塩。
  9. 3-{1-[3-(2-{6-[(メトキシイミノ)メチル]-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3H-インドール-3-イリデン}-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル)プロピル]ピペリジン-4-イル}プロピオン酸又はその塩。
  10. 3-{1-[3-(2-{6-[(メトキシイミノ)メチル]-2-オキソ-1,2-ジヒドロ-3H-インドール-3-イリデン}-1,2-ジヒドロキノリン-6-イル)プロピル]ピペリジン-4-イル}プロピオン酸メチル又はその塩。
  11. 3-[6-{3-[4-(3-メトキシ-3-オキソプロピル)ピペリジン-1-イル]プロピル}キノリン-2(1H)-イリデン]-5-メチル-2-オキソインドリン-6-カルボン酸メチル又はその塩。
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