JP2004182683A - 新規な炎症性疾患改善剤 - Google Patents
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Abstract
【構成】好適にはセレノプロテインPで例示されるセレノシステイン含有タンパク質または当該タンパク質のC末端ペプチドもしくは当該ペプチド群を主要有効成分とする炎症性疾患改善剤。
【効果】例えば、インターロイキン6産生が関与する種々の病因に起因する炎症性疾患に対する好適な改善剤が提供される。
【選択図】 なし
Description
【産業上の利用分野】
本願発明は医療用医薬品の分野に属する血漿タンパク質の新たな用途に関する。さらに詳細には、炎症反応の関わる疾患に対する医薬品に関する。より詳しくは、血漿タンパク質の一種であるセレノプロテインPに例示されるセレノシステイン含有タンパク質を、好適には当該セレノプロテインPのC末端側ペプチドもしくは当該ペプチド群を主たる有効成分として含有する炎症性疾患改善剤、とりわけインターロイキン6産生が関与する疾患に対して改善作用を有する薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ICU(集中治療室)に入室するような重症の外傷、熱傷、手術侵襲、急性膵炎、腹膜炎、悪性腫瘍、急性腹症(急激な腹痛を主症状とする腹部疾患にして、早急に手術を行う必要がある疾患)、感染症、敗血症などなどの重症急性疾患患者では、しばしば全身性の炎症反応に犯され、臓器不全などで死に至ることがある。このように侵襲によって全身的な炎症が惹起されている状態をSIRS(全身性炎症反応症候群)という。SIRSの定義(例えば、非特許文献1参照)に示されている症状は各種のサイトカイン投与によって実験的に再現できる。例えば、体温上昇はIL−1、IL−6、頻脈はIL−1、TNF−α、白血球増加はG−CSF、GM−CSF、IL−6などである。すなわち、SIRSは高サイトカイン血症の状態であると言い換えることができる(例えば、非特許文献2参照)。このような観点から、抗サイトカイン療法と呼ばれる治療方法が試みられてきたが、臨床試験の結果はいずれも期待はずれに終わっている(例えば、非特許文献3参照)。例えば、抗TNF抗体や可溶性TNF受容体、IL−1受容体アンタゴニストなどを用いた大規模臨床試験では、いずれも当初設定した評価基準を上回ることができなかった。
【0003】
そのような状況の中で、セレン(Seと称することもある)投与という全く新しい治療方法が試みられている。熱傷や外傷のSIRS患者の血中セレン濃度が一時的に低下する現象が知られており、0.7μmol/L以下の患者は、それ以外の患者に比べて死亡率、臓器不全や肺炎の罹患率が3倍高いとの疫学調査がある(例えば、非特許文献4参照)。このような患者にICU入室直後から毎日セレンを亜セレン酸ナトリウムの形で投与し続けると症状が改善されるとの報告が相次いだ。例えば、AngstwurmらはSIRS患者に亜セレン酸ナトリウムを最初の3日間で535μg、次の3日間で285μg、最後の3日間で155μg投与することで、投与しなかった場合に比べ、急性腎不全になる確率や死亡率での改善、入室期間の短縮などの治療効果を認めた(例えば、非特許文献5参照)。Bergerらは重症熱傷患者に230μg/dayで8日間亜セレン酸ナトリウムを投与した。その結果、プラセボ群に比べ、肺炎罹患率低下や入院期間の短縮など改善効果を認めている(例えば、非特許文献6参照)。Porterらは外傷患者に対して亜セレン酸ナトリウムを6時間ごとに50μg投与し、これを7日間続けた。その結果、臓器不全や感染症の罹患率の低下を認めた(例えば、非特許文献7参照)。このように、セレン投与によってSIRS患者の症状改善が見られている。
【0004】
しかし、一方で患者に投与された亜セレン酸ナトリウムは毒性が強く、静脈注射での最小致死量は、ラットで3mg Se/kg、ウサギで1.5mg Se/kgである。また、ラットへの腹腔内投与では最小致死量は3.25〜3.5mg Se/kgである(例えば、非特許文献8参照)。ヒトへの最小致死量は1.5〜3mg/kgと言われており、摂取量で800μg/dayまでが悪影響のでない限界とされている(例えば、非特許文献9参照)。900μg/day以上のセレンを服用すると、皮膚炎、脱毛、末梢神経障害などの毒性症状が起こる(例えば、非特許文献10参照)。従って、前述のICUに入室するような重症患者に投与できる安全なセレン量は、現状では500μg/dayが上限とされている(例えば、非特許文献9参照)。
【0005】
このように、セレンの治療効果を高めるために高用量の亜セレン酸ナトリウムを投与しようとしても、セレン自体の持つ毒性のために用量が限定されるのが問題となっていた。この問題を解決するために副作用の少ない安全な薬剤が求められている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述の状況の下、本願発明者等は先に、血液成分由来のタンパク質でセレノシステイン含有タンパク質の一種であるセレノプロテインP(以下、SePと称することがある)に、そしてより好適な態様として当該セレノプロテインPのC末端側ペプチドに、従来報告されていなかった細胞死抑制活性が認められることを見出し、この知見を基に特許出願した(例えば、特許文献1参照)。さらに、本願発明者は、前述したSIRS患者に適応できるような新たな炎症性疾患改善剤、とりわけ、インターロイキン6産生に代表されるような炎症反応を改善する薬剤を供するべく鋭意研究した結果、驚くべきことに従来試みられることのなかった前記セレノプロテインPまたはそのC末端側ペプチドもしくは当該ペプチド群が、細胞死抑制活性のみならず、炎症性疾患モデル動物での実際の生体内投与によって、炎症反応改善作用を持つことを見出し、この知見に基づいて本願発明を完成するに至った。
【0007】
本願発明者らは、具体的な事例として、リポポリサッカライド(LPS)の投与によって血液中にインターロイキン6(IL−6と称することがある)が誘導されるマウス炎症モデルを用いて、セレノプロテインPを投与することによってIL−6産生を抑制する改善効果を見出した。同時にセレン量で等量の亜セレン酸ナトリウムを投与した場合に比べ、より改善効果が高いことを見出した。これらのことから、セレノプロテインPがインターロイキン6産生抑制に代表されるような炎症疾患改善作用を有しており、SIRSに代表されるような炎症疾患の治療に有効であることを示した。
【0008】
インターロイキン6は、T細胞、B細胞などのリンパ球や、マクロファージ、線維芽細胞、血管内皮細胞、ケラチノ細胞、メサンギウム細胞、グリア細胞などの非リンパ球系細胞により構成的にあるいは種々の刺激により産生されている。IL−6はB細胞の抗体産生細胞への分化、キラーT細胞の分化、マクロファージの分化誘導、巨核球の熟成誘導、形質細胞腫細胞、骨髄腫細胞の増殖、T細胞の増殖、多能性コロニー刺激因子としての作用、メサンギウム細胞の増殖のような分化誘導や細胞増殖作用を持っている(例えば、非特許文献11参照)。炎症反応時には、血中IL−6の上昇はTNFαやIL−1βのような向炎症性サイトカイン(pro−inflammatory cytokine)によって引き起こされ、IL−6はCRP(C−reactive protein) のような急性期タンパク質(acute pHase protein)の生合成を誘導する。
【0009】
SIRSのような全身性の炎症反応の場合にIL−6は患者の病態の重篤度や死亡率と相関しているとの報告がある(例えば、非特許文献12参照)。マウスを使ったエンドトキシン血症動物モデルでもIL−6は致死率のよいマーカーになると報告されている(例えば、非特許文献13参照)。さらに、各種侵襲下におけるIL−6やIL−8のモニタリングは臓器障害発生を予測する上で有用であると言われている(例えば、非特許文献14参照)。このようにIL−6はSIRSでICUに入室した患者の病態とその予後に密接な相関を示しており、炎症反応のマーカーとして有用である。もしこのサイトカインを指標にその産生を抑制できるような治療方法が開発されれば、その治療方法はSIRSのような全身性炎症に対して効果的であるといえる。この点、セレノプロテインPはこれまで知られていなかったインターロイキン6産生抑制に代表されるような炎症反応改善作用を持っているので、SIRSに対する治療効果が高いと考えられる。
【0010】
セレノプロテインPは1977年にグルタチオンペロキシダーゼ(gulutathion−peroxidase)とは異なるセレン含有タンパク質として確認され、1982年にセレンがセレノシステイン(selenocystein)の形態で取り込まれていることが明らかにされた。さらに、1991年にラットセレノプロテインPのcDNAのクローニングにより全長のアミノ酸配列が明らかにされ、その結果、当該タンパク質は最大10個のセレノシステインを含む可能性等が示された(例えば、非特許文献15参照)。1993年にはヒトセレノプロテインPの核酸塩基配列及びアミノ酸配列が報告された(例えば、非特許文献16参照)が、その機能はほとんど不明であった。最近、in vitroの系でpHospHolipid hydroperoxideの還元活性(例えば、非特許文献17参照)やperoxynitriteの消去活性(例えば、非特許文献18参照)があると報告された。また、本願発明者らが見出した細胞死抑制活性 (例えば、特許文献1参照)や神経細胞のsurvival promoting factorとしての作用(例えば、非特許文献19参照)を持つことも明らかにされた。さらに、Se欠乏時に脳に特異的にSeを運搬するとの報告(例えば、非特許文献20参照)や、Seを細胞に供給するとの報告(例えば、非特許文献21参照)からセレノプロテインPがSeサプライヤーとしての機能を有していると考えられ、先に述べた細胞に対する細胞死抑制活性や生存維持活性の作用発揮するためのメカニズムと考えられている。しかし、これらの報告からセレノプロテインPの炎症反応改善作用を類推することは難しく、ましてや、本願発明で述べるようなセレノプロテインPのインターロイキン6産生に関わるような作用を見出した例はない。
【0011】
セレノプロテインPは、もともと生体の構成成分として血液中に存在するので、セレン投与で問題になっているセレンに基づいた毒性は亜セレン酸ナトリウムなどより遙かに低いと考えられる。さらに、前述のようにセレノプロテインPにはセレン供給能があるので、SIRSなどのICU患者へのセレン投与療法のセレン源としても最適である。すなわち、セレノプロテインPは、本願発明者らが見出したインターロイキン6産生抑制に代表されるような炎症反応改善作用と亜セレン酸ナトリウムの持つ二次的な疾患罹患率の低下などの予防効果を併せ持つ理想的な治療剤だといえる。
【0012】
本願発明は、セレノプロテインPの前記知見に基づく新たな薬効に関するものであり、本願発明の炎症性疾患改善剤の本態はセレノプロテインPである。さらに詳細には、セレノプロテインPの中のセレンを含むセレノシステインに特徴があり、このアミノ酸が炎症反応改善作用の中心的アミノ酸である。本願発明者等は、先の特許出願において、血液成分由来のタンパク質であるセレノプロテインPのC末端側ペプチド断片に従来報告されていなかった細胞死抑制活性が認められること、その活性にはセレノシステインが関与していることを開示した。本願発明で述べる活性にも、含有されるセレノシステインが関与していることは明らかである。従って、セレノシステインを含み細胞死抑制活性を持つタンパク質及び/またはペプチド群は、炎症性疾患改善剤の候補となりうる。
【0013】
そもそも、本願発明に関係するセレンは、微量必須元素の一つであり、それが欠乏した場合には心筋症などを伴う重篤な欠乏症が知られている。また、無血清培養の培地に亜セレン酸ナトリウムの添加が必須であることから、セレンが細胞レベルでの生存維持・増殖に必須であることが示されている。しかし、前述のようにセレン化合物が毒物指定されていることから理解されるように、有効量と危険量の幅、つまり安全域の濃度幅が狭く、適量以上のセレン化合物は一般的には細胞にとって毒性を示し、逆に細胞死を誘導する。例えば、セレンの急性中毒症状として、顔面蒼白、神経症状、神経障害、皮膚炎、胃腸障害などが知られている。また、細胞培養にセレノシステインの2量体であるセレノシスチンを添加すると、単独ではかなり強い毒性を示す。これに対して、本願発明の好適な態様であるセレノプロテインP、セレノプロテインPのC末端側断片は、その構造中に9〜10個のセレノシステインを含むにも拘わらず、強い毒性は観察されなかった。もともとセレノプロテインPは血液中に存在し、ヒトの場合、血漿中に約5μg/mlの濃度で含まれており(例えば、非特許文献22参照)、生体内を循環していると考えられることから、医薬品としての安全性は高いと考えられる。このことから、本発明の薬効作用を示すセレノプロテインPの特徴として、セレノシステインを含み、なおかつ毒性が減弱していることが重要と思われる。本願発明のペプチドまたは当該ペプチド群は、毒性の低減というセレン化合物に対する命題を克服するのみならず、予期し得ない炎症反応改善作用をもたらすことを可能とするものである。
【0014】
ここで用いられるセレノシステイン含有タンパク質に特段の制約はなく、セレノシステインを含み所望の炎症反応改善活性を有するものであれば如何なる分子形態のものをも包含する。すなわち、完全分子型セレノプロテインP(配列番号1)をはじめ種々の分子形態のものが対象となり得る。この中で、好適な態様はセレノプロテインPのC末端側ペプチドもしくは当該ペプチド群であり、中でもC末端側103個(配列番号2:セレノプロテインP配列260位から362位まで、260KRCINQLLCKLPTDSELAPRSUCCHCRHLIFEKTGSAITUQCKENLPSLCSUQGLRAEENITESCQURLPPAAUQISQQLIPTEASASURUKNQAKKUEUPSN362)のアミノ酸配列または当該アミノ酸配列のうち1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列または、前記いずれかのアミノ酸配列の部分配列または前記アミノ酸配列を含有するアミノ酸配列を有するペプチドまたは当該ペプチド群は、とりわけ好適な態様として推奨され得る。
【0015】
なお、本願明細書で用いる「当該ペプチド群」とは、セレノシステインを含むペプチドで所望の炎症反応改善作用を有するものであればいかなる配列のペプチドの集合体でもよいが、好適には、セレノプロテインPのアミノ酸配列に由来し、少なくとも1個のセレノシステインを含むペプチドで、当該アミノ酸配列のうち1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を含み、糖鎖の有無、荷電の相違、断片化の多様性等に起因する微細構造の異なるペプチドの集合体を意味する。すなわち、本願発明のセレノプロテインP及びペプチド群は、セレノシステイン含有タンパク質、とりわけセレノプロテインPのアミノ酸配列に由来し、細胞障害抑制活性を有するものであればその分子形態に特段の制約はなく、これらには完全分子型のセレノプロテインPをはじめこれに起因するC末端側ペプチド等が含まれる。このような本願発明のペプチドは、ペプチド合成機を用いて常法に従って調製することもできるし、また、本願発明のペプチドをリード物質として、化学合成物をデザインすることも可能である。
【0016】
本願発明に使用されるセレノプロテインPまたは当該タンパク質に由来するペプチドもしくはペプチド群を製造する方法は特に限定されるものではないが、例えばヒト血液より分離する方法、または遺伝子組換え技術により製造することができる。本願発明に使用される炎症性疾患改善剤の主要構成成分となるセレノプロテインPまたは当該タンパク質に由来するペプチドもしくはペプチド群は、一般的な酵素類よりも熱、変性剤、幅広いpH、血中のプロテアーゼに対して安定であるため、これを精製同定するに際しては、一つの態様として、血漿を出発原料とし種々のクロマトグラフィー工程、例えば、ヘパリンクロマトグラフィー、陽イオン交換クロマトグラフィー、陰イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィー、抗体カラムの様な各種アフィニティークロマトグラフィー等、適用可能な種々の担体を用いた分画方法の他、硫酸アンモニウム沈殿分画、分子量膜分画、等電点分画、電気泳動分画等、種々の分画法が利用可能である。これらの分画法を組み合わせることにより、所望のセレノプロテインPまたはペプチドもしくはペプチド群を分画することが可能である。その望ましい組み合わせの一例を調製例1及び2に示す。
【0017】
本願発明では、有効成分としての当該タンパク質またはペプチドもしくはペプチド群と公知の適当な賦形剤を組み合わせ、公知の方法で本願発明の炎症性疾患改善剤とすることができる。本願発明の炎症性疾患改善剤の有効投与量は、投与対象者の年齢、症状及び重症度などにより変動し、最終的には医師の意図により変動する。薬効は投与方法には依存しないが、皮下、皮内、腹腔への投与、血管内への単回(ボーラス)投与あるいは点滴投与などが最適である。また、分子量の小さなペプチド群の場合は、経口投与や経皮投与なども可能である。
【0018】
本願発明の炎症性疾患改善剤の投与対象は、炎症反応を呈する疾患であれば特に限定されることはないが、中でもICUに入室するような重症患者でSIRS症状を呈している疾患に好適である。例えば、重症の外傷、熱傷、手術侵襲、急性膵炎、腹膜炎、悪性腫瘍、急性腹症(急激な腹痛を主症状とする腹部疾患にして、早急に手術を行う必要がある疾患)、感染症、敗血症などの重症急性疾患などが挙げられる。さらに、臓器線維化を起こすような疾患も対象として挙げられる。ウイルスや細菌、化学物質、代謝障害により臓器が急性炎症を起こし、その治癒瘢痕として線維化が見られる。臓器線維化は障害臓器の機能を低下させ、やがては生命の存続を脅かす。肺、肝、膵、腎、心、骨髄、甲状腺、皮膚などの臓器がその対象である。また、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患も対象として挙げることができる。その他、播種性血管内凝固症候群(DIC)を呈するような疾患も治療対象となりうる。DICとは、何らかの原因により、極端な血液凝固性亢進状態を生じ、全身の主として細小血管内に血栓の多発をきたし、このため消費性凝固障害を呈する症候群であるが、常位胎盤早期剥離、羊水塞栓などの産科的疾患、転移を有する悪性腫瘍(ことにムチン産生性腺癌)、急性白血病(ことに急性前骨髄球性白血病)、重症感染症(ことにグラム陰性菌による敗血症)、劇症肝炎、肝硬変症、膵疾患、急性血管内溶血、全身性の血管炎、広範な外傷や熱傷、手術、ショック、巨大血管腫、心臓瘤、大動脈瘤などに生ずることが多い(例えば、非特許文献11参照)ので、セレノプロテインPの対象疾患となりうる。このような疾患に対して炎症性疾患改善剤として本願発明のセレノプロテインPまたはこれに由来するペプチドもしくはペプチド群を主要構成成分として含有する薬剤を使用する場合、本薬剤を単独で投与することもできるし、他の治療薬剤との併用投与も効果を増大させるための有効な手段として期待できる。また、予防的または治療的投与のいずれにおいても効果が期待できる。
【0019】
【非特許文献1】
American College of Chest PHysicians/Society of Critical Care MeDICine Consensus Conference: definitions for sepsis and organ failure and guidelines for the use of innovative therapies in sepsis. Crit Care Med. 864−874, 20, 1992
【非特許文献2】
小川、医学のあゆみ、1, 181, 1997
【非特許文献3】
若林ら、医学のあゆみ, 108, 181, 1997
【非特許文献4】
X. Forcevilleら, Crit. Care Med., 1536, 26, 1998
【非特許文献5】
M. W. Angstwurmら, Crit. Care Med, 1807, 27, 1999
【非特許文献6】
M. M. Bergerら, Am. J. Clin. Nutr., 365, 68, 1998
【非特許文献7】
J. M. Porterら, Am. Surgeon, 478, 65, 1999
【非特許文献8】
田中, 季刊化学総説, 日本化学会編, p120, 27, 1995
【非特許文献9】
X. Forceville, Intensive Care Med., 16, 27, 2001
【非特許文献10】
「Web版メルクマニュアル第17版日本語版」http://merckmanual.banyu.co.jp/
【非特許文献11】
医学大辞典CD−ROM版, Ver. 1.9, 南山堂, 1998
【非特許文献12】
E. Presterlら, Am. J. Respir. Crit. Care Med., 825, 156, 1997
【非特許文献13】
N. M. Kellyら, FEMS Microbiol. Immunol., 317, 4, 1992
【非特許文献14】
小川道雄, サイトカイン−基礎から臨床まで(今西、淀井編), 医歯薬出版, p127, 1992
【非特許文献15】
Hill K.E. and Burk R.F., Biomed Environ Sci., 10, p.198−208, 1997
【非特許文献16】
K.E.Hillら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 90, 537, 1993
【非特許文献17】
Y. Saitoら, J. Biol. Chem. 274, 2866, 1999
【非特許文献18】
G. E. Arteel ら, Biol. Chem., 379, 1201, 1998
【非特許文献19】
J. Yan and J. N. Barrett, J. Neurosci., 18, 8682, 1998
【非特許文献20】
R. F. Burk ら., Am. J. PHysiol., 261, E26−E30, 1991
【非特許文献21】
Y. Saitoら, Eur. J. Biochem., 5746, 269, 2002
【非特許文献22】
Y. Saitoら, J. Health Sci., 346, 47, 2001
【特許文献1】
PCT/JP99/06322
【0020】
【発明の効果】
本願発明により、炎症症状を呈している疾患に対する好適な炎症性疾患改善剤、とりわけインターロイキン6産生抑制効果に代表される炎症反応を改善する作用を持った薬剤が提供される。
【0021】
以下、調製例及び実施例に沿って本願発明をさらに詳細に説明するが、これらは本願発明の範囲を何ら限定するものではない。なお、以下に示す調製例及び実施例では、特に断りのない限り、和光純薬、シグマ社、宝酒造、東洋紡及びNew England BioLabs社、アマシャムバイオサイエンス社、バイオラド社、シグマ社、ギブコBRL社製の試薬を使用した。また、本実施例で使用したセレノプロテインP及びその断片は調製例に示したものを使用した。
【0022】
【実施例】
調製例1
(セレノプロテインP断片の精製)
血漿中のヘパリンセファロース結合画分を2M硫酸アンモニウムにより沈殿させ、その沈殿画分に対して5倍以上の20mMTris(pH8.0)により沈殿を溶解させた。この溶液に存在するセレノプロテインPを抗セレノプロテインP抗体カラムに結合させ、PBSで洗浄した。その後4M尿素を含有する20mMクエン酸バッファー(pH4.2)によりセレノプロテインPを溶出し、20mMクエン酸バッファー(pH4.2)で平衡化した陽イオン交換体(MacroprepHigh S:BioRad)に結合させた。これを塩化ナトリウムによる塩濃度勾配溶出を行ない、細胞死抑制活性を示す画分を回収した。この時、全長のセレノプロテインPを得ることが可能であるが、蛋白あたりの細胞死抑制活性は明らかに弱い値を示した。本方法では、短時間の精製が可能であるため、蛋白あたりの細胞死抑制活性の強いセレノプロテインP断片を得ることができた。ここで得られた断片もまた、糖鎖の有無、分子間結合の有無、内部切断の有無などにより種々のサイズの分子種を含む混合画分であり、非還元電気泳動で10〜30kDaのサイズを示すセレノプロテインP断片群であった。
【0023】
調製例2
(セレノプロテインPの精製)
ヒト血漿に対して、フルオロリン酸ジイソプロピル(和光純薬)及びポリエチレングリコール3000(SIGMA)を、それぞれ終濃度2mM、5%になるように添加、1時間撹拌させ、10,000rpmで15分間遠心後、上清を回収した。その上清をPBSで平衡化した抗セレノプロテインP抗体カラムに結合させ、PBSで洗浄した。その後4M尿素を含有する20mMクエン酸バッファー(pH 4〜6)によりセレノプロテインPを溶出し、20mMクエン酸バッファーで平衡化した陽イオン交換体(MacroprepHigh S:BioRad)に結合させた。これを塩化ナトリウムによる塩濃度勾配溶出を行ない、セレン含量の最も多い画分を回収した。この方法により還元電気泳動で64kDaの完全長セレノプロテインPを血漿1リットルから2mg程度得ることができた。
【0024】
実施例1
C3H/HeNマウス(雌、4週齢、日本チャールズ・リバーより購入)8匹を4群(2匹/群)に分け、LPS(Lipopolysaccharides)投与直後に、続けて生理食塩水(大塚製薬社製)を400μLずつ腹腔に投与した。LPS( Escherichiacoli 0111:B4、SIGMA社製)は、生理食塩水(大塚製薬社製)で30μg/100μLに調製し、100μLを腹腔に投与した。LPS投与後2時間、4時間、6時間、12時間後に、それぞれ2匹ずつからエーテル麻酔下で心臓より全採血した。血液は、血清分離剤入りチューブ(ベクトンディッキンソン社製)に回収し、4℃で一晩静置した後、4℃で15,000rpm 15分間遠心し血清のみを分離した。血清中のIL−6(Interleukin−6)含量を測定するために、血清を500倍に希釈し、IL−6 ELISAキット(BIOSOUCE社製)を用いて測定した。その結果、LPS投与によりマウス血中に放出されるIL−6は、LPS投与後2時間〜4時間でピークを迎え、6時間後にはほぼ消失することが確認された。すなわち、LPS投与により炎症反応が生じていることが確認された。
【0025】
実施例2
実施例1で確認された炎症反応(LPS投与マウスにおけるIL−6産生)に及ぼすセレノプロテインP(SeP)の効果を見るために、マウスにLPS、亜セレン酸ナトリウム及びSePを腹腔内投与し、血中IL−6含量を測定した。C3H/HeNマウス(雌、4週齢)19匹を5群に分け(表1参照)、生理食塩水で30μg/100μLに調製したLPS 100μLを腹腔に投与した。直後に、続いて、亜セレン酸ナトリウム及びSePをそれぞれ生理食塩水で同等のセレン量(亜セレン酸ナトリウム換算量で表記している)になるように希釈し、表1に従って400μLずつ腹腔に投与した。なお、対照群には、同体積の生理食塩水を投与した。これらのマウスにLPSを投与して4時間後に、全てのマウスにおいてエーテル麻酔下で心臓より全採血をおこなった。血液は、血清分離剤入りチューブ(ベクトンディッキンソン社製)に回収し、4℃で一晩静置した後、4℃で15,000rpm 15分間遠心し血清のみを分離した。血清中のIL−6含量を測定するために血清を500倍に希釈し、市販のIL−6 ELISAキットを用いて測定した。
【0026】
その結果、コントロール群(第1群)と比較して、SeP 2mg 亜セレン酸ナトリウム換算/kg投与群(第4群)は有意に血中IL−6濃度が低下しており、亜セレン酸ナトリウム 2mg/kg投与群(第2群)及びSeP 1mg 亜セレン酸ナトリウム換算 /kg投与群(第5群)では低下傾向が認められ、LPS投与により誘導されるIL−6の産生が亜セレン酸ナトリウム及びSePにより抑制されることが示唆された。また、SeP 2mg亜セレン酸ナトリウム換算 /kgを投与した群では、亜セレン酸ナトリウム 2mg/kgを投与した群とセレン含量が等しいにも拘わらず、IL−6含量が亜セレン酸ナトリウム投与群の1/2以下に低下していた。さらに亜セレン酸ナトリウム 1mg/kg投与群(第3群)では全く抑制効果が認められなかったことから、SePは亜セレン酸ナトリウムよりもIL−6産生を抑制する効果が高いと考えられた。
【0027】
【表1】
【0028】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】LPSにより誘導されたIL−6の血中産生量の推移を示す。
【図2】LPSにより誘導されるIL−6の血中産生に対するSePの抑制作用を示す。
Claims (8)
- セレノシステイン含有タンパク質及び/または当該タンパク質のセレノシステイン含有ペプチドもしくは当該ペプチドより構成されるペプチド群を主要構成成分とする炎症性疾患改善剤。
- 当該セレノシステイン含有タンパク質がセレノプロテインPであるところの請求項1記載の炎症性疾患改善剤。
- 当該セレノシステイン含有タンパク質がセレノプロテインPのC末端側ペプチドであるところの請求項1記載の炎症性疾患改善剤。
- 前記セレノプロテインPのC末端側ペプチドもしくは当該ペプチドより構成されるペプチド群がセレノプロテインPのC末端側260位アミノ酸から362位アミノ酸までのアミノ酸配列に由来し、それらのアミノ酸配列のうち1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列または前記いずれかのアミノ酸配列の部分配列または前記アミノ酸配列を含有するアミノ酸配列を有するタンパク質もしくはペプチドまたは当該ペプチド群である請求項1から請求項3のいずれかに記載の炎症性疾患改善剤。
- 前記タンパク質のC末端側ペプチドもしくは当該ペプチドより構成されるペプチド群が、次式、
(I):Lys Arg Cys Ile Asn Gln Leu Leu Cys Lys Leu Pro Thr Asp Ser Glu Leu Ala Pro Arg Ser Sec Cys Cys His Cys Arg His Leu
及び/または
(II):Thr Gly Ser Ala Ile Thr Sec Gln Cys Lys Glu Asn Leu Pro Ser Leu Cys Ser Sec Gln Gly Leu Arg Ala Glu Glu Asn Ile
(式中Alaはアラニン、Argはアルギニン、Asnはアスパラギン、Aspはアスパラギン酸、Cysはシステイン、Glnはグルタミン、Gluはグルタミン酸、Glyはグリシン、Hisはヒスチジン、Ileはイソロイシン、Lysはリジン、Leuはロイシン、Metはメチオニン、Pheはフェニルアラニン、Proはプロリン、Serはセリン、Thrはトレオニン、Trpはトリプトファン、Tyrはチロシン、Valはバリン及びSecはセレノシステインの各残基をそれぞれ表す)で表されるアミノ酸配列もしくは当該アミノ酸配列の部分配列を有し、うち1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列または前記いずれかのアミノ酸配列の部分配列または前記アミノ酸配列を含有するアミノ酸配列を有するペプチドまたは当該ペプチド群である請求項4に記載の炎症性疾患改善剤。 - 炎症性疾患が、SIRSと診断される病態を伴うものである請求項1から請求項5のいずれかに記載の炎症性疾患改善剤。
- 炎症性疾患が、インターロイキン6産生を伴う疾患である請求項1から請求項6のいずれかに記載の炎症性疾患改善剤。
- 炎症性疾患が、外傷、熱傷、外科手術等による侵襲、急性膵炎、腹膜炎、急性腹症、炎症性腸疾患、臓器線維症、悪性腫瘍、感染症、敗血症、DICより選択される請求項1から請求項7のいずれかに記載の炎症性疾患改善剤。
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